JPH11202556A - トナー母粒子、及びトナー並びに現像剤 - Google Patents

トナー母粒子、及びトナー並びに現像剤

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JPH11202556A
JPH11202556A JP357698A JP357698A JPH11202556A JP H11202556 A JPH11202556 A JP H11202556A JP 357698 A JP357698 A JP 357698A JP 357698 A JP357698 A JP 357698A JP H11202556 A JPH11202556 A JP H11202556A
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JP
Japan
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pigment
resin
group
toner
developing
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JP357698A
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English (en)
Inventor
Masaaki Kaneko
正明 金子
Yuji Hirasawa
裕次 平澤
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、従来のフラッシング法よりもさら
に顔料を微細に分散し、フルカラーの複写機やプリンタ
ー等を使用してフルカラー画像を形成した時に、さらに
鮮明で十分な色再現性、発色性が得られる静電荷像現像
用トナー母粒子、及び該トナー母粒子を用いて成るトナ
ー並びに現像剤の提供することを目的とする。 【解決手段】 顔料(A)の水性ペーストと常温固体の
樹脂(B)とを下記一般式(1)で表される顔料分散剤
(C)及び一般式(2)で表される顔料分散剤(D)の
存在下に加熱混練した後に、水分を除去し、樹脂(B)
で被覆して成る樹脂被覆顔料(E)と、結着樹脂(F)
とを含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー母
粒子。 一般式(1) (R1)k −Q−O−(CH2 CH2 O-)n - H (式中Qはフェニレン基又はナフチレン基、R1 は置換
又は無置換のフェニル基、ベンジル基又はスチリル基、
kは0〜3、nは2〜100の範囲にある任意の数を表
す。) 一般式(2) (R2)m −P−X−SO3 M (式中Pはフェニレン基、ナフチレン基、有機色素残基
又は複素環残基、R2 は置換又は無置換のフェニル基、
ベンジル基又はスチリル基、mは0〜3の範囲にある任
意の数、Xは付加モル数0〜100のポリオキシエチレ
ン基、Mはアルカリ金属、アンモニウム又はアルカノー
ルアミンを示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真、静電記
録、静電印刷等に於ける静電潜像を現像する時に使用さ
れる静電荷像現像用トナー母粒子、及び該トナー母粒子
を使用して形成されるトナー並びに現像剤に関する。更
に詳しくはマゼンタ、シアン、イエロー、及び黒色トナ
ーを用いて複写等を行った時に、鮮明で十分な色再現
性、発色性が得られる静電荷像現像用トナー母粒子、及
び該トナー母粒子を使用して形成されたトナー並びに現
像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、複写機及びプリンター等に於いて
フルカラー画像への展開が急速に進みつつあり、その実
用化も大きくなされている。しかし写真や印刷物等と比
較すると、現在実用化されているフルカラー電子写真画
像は、必ずしも満足し得る画質まで到達しているとは言
い難い。また近年、コンピュータやハイビジョン等の進
歩発展により、更に高精細なフルカラー画像を形成する
方法が強く要望されている。この為に、フルカラー電子
写真画像を更に高品質化することが強く求められてい
る。
【0003】電子写真法は、一般に静電潜像をトナーを
用いて現像する。その方法には大きく分類して、トナー
をキャリアと呼ばれる媒体に少量分散させた二成分系現
像剤を用いる方法と、キャリアを用いない一成分系現像
剤を用いる方法がある。フルカラーの電子写真の場合、
キャリアとトナーを混合攪拌して用いる二成分系現像剤
がしばしば使用される。
【0004】フルカラー電子写真法によるカラー画像形
成は、一般に3原色であるマゼンタ、シアン、イエロー
の3色、好ましくは墨入れ用としてブラックの4色のカ
ラートナー用いて、全ての色の再現を行うものである。
その方法は例えば、先ず原稿からの光をアナログ又はデ
ジタル的に色分解し、感光体の光導電層に導き、1色目
の静電潜像を形成する。続いて現像、転写工程を経てト
ナーは、紙等の被転写材上に保持される。更に2色目以
降に付いても前述の工程を順次複数回行い、同一被転写
材上に複数色のトナーが重ね合わせられ、一回の定着に
よって最終のフルカラー画像が得られる。
【0005】フルカラー複写機やフルカラープリンター
等を使用して、オーバー・ヘッド・プロジェクター(以
下、OHPと省略する。)用シートの様な透明基材上に
フルカラー画像を形成することも増加して来た今日、フ
ルカラーの画像形成に供されるトナーには、従来の最も
一般的な黒色のトナーの場合と同様に、種々の特性、例
えば安定した帯電性や良好な流動性が求められる他に、
透明性、鮮明性、色再現性等が更に要求される。
【0006】即ち、フルカラー画像は、上記したように
転写材上に複数色のトナーが重ね合わさられることによ
って得られる為に、個々のトナーの光透過性が不足する
と、色再現性が悪化し、鮮明な画像を得ることが困難と
なる。特にOHP用シートのような透明基材上にフルカ
ラー画像を形成した時にこの現象は著しく、良好な透明
画像は得難い。
【0007】その対策として顔料の分散の程度を上げ
る、即ちトナー中の顔料粒径をより小さくすることが考
えられる。一般に顔料は乾燥させると凝集する性質があ
り、乾燥顔料の二次粒子を樹脂や溶剤等と、サンドミ
ル、3本ロールミル、ボールミル、エクストルーダー等
の通常の分散機を用い、凝集してしまった顔料の凝集状
態を壊し、元の一次粒子に戻すべく分散混練し、塗料や
インキ等の顔料分散体を得ているが、分散混練に多大な
エネルギーを必要とする。
【0008】顔料を乾燥する前の顔料を高濃度に含有す
る水性スラリーや水性ケーキに、樹脂又は樹脂溶液を添
加し、混合攪拌し、顔料の周囲の水分を樹脂又は樹脂溶
液で置換した後、水分及び溶剤を除去する方法を一般に
フラッシングと言う。この方法は顔料を乾燥させる工程
が無いので顔料の凝集が起き難く、顔料粒子を細かい状
態のまま樹脂で被覆することができるので、かかる方法
による処理顔料を用いると品位の高い顔料分散体が得ら
れる。
【0009】カラートナーによるフルカラー画像の形成
が一般的になるに連れて、ユーザーの要望品位が向上
し、電子写真に於いても通常の銀塩写真並みの品位が求
められる様になって来た。そこで、従来のフラッシング
処理顔料を用いた場合以上に トナー中の顔料の分散を更に改良し、画像を形成した
時の光透過性が改善して、同一転写材上に複数色のトナ
ーが重ね合わせられてフルカラー画像を形成した時に、
オリジナルにより近い色再現性を得られるようにする。 トナー中の顔料の分散が更に良くして、顔料が十分に
発色させ、濃度の濃い良好な画像を得られる様にする。 OHP用シートの様な透明基材上にフルカラー画像を
形成した場合に、画像の鮮明性・透明性を向上する。 ことが要求される様になってきた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のフラ
ッシング法よりもさらに顔料を微細に分散し、フルカラ
ーの複写機やプリンター等を使用してフルカラー画像を
形成した時に、さらに鮮明で十分な色再現性、発色性が
得られる静電荷像現像用トナー母粒子、及び該トナー母
粒子を用いて成るトナー並びに現像剤の提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、如何にし
てトナー中に顔料を均一に微細な粒子として分散させる
かということを鋭意研究し、顔料分散剤とフラッシング
工程に着目し、此れ等を組み合わせることにより、各々
顔料分散剤単独、フラッシング工程単独の場合よりもは
るかに鮮明性・透明性に優れる画像を得ることができる
ことを見出し本発明に到達した。即ち、第1の発明は、
顔料(A)の水性ペーストと常温固体の樹脂(B)とを
下記一般式(1)で表される顔料分散剤(C)及び下記
一般式(2)で表される顔料分散剤(D)の存在下に加
熱混練した後に、水分を除去し、樹脂(B)で被覆して
成る樹脂被覆顔料(E)と、結着樹脂(F)とを含有す
ることを特徴とする静電荷像現像用トナー母粒子であ
る。
【0012】一般式(1) (R1)k −Q−O−(CH2 CH2 O-)n - H (式中Qはフェニレン基又はナフチレン基、R1 は置換
又は無置換のフェニル基、ベンジル基又はスチリル基、
kは0〜3、nは2〜100の範囲にある任意の数を表
す。)
【0013】一般式(2) (R2)m −P−X−SO3 M (式中Pはフェニレン基、ナフチレン基、有機色素残基
又は複素環残基、R2 は置換又は無置換のフェニル基、
ベンジル基又はスチリル基、mは0〜3の範囲にある任
意の数、Xは付加モル数0〜100のポリオキシエチレ
ン基、Mはアルカリ金属、アンモニウム又はアルカノー
ルアミンを示す。)
【0014】第2の発明は、顔料分散剤(C)及び
(D)の含有比が10:1〜1:10であることを特徴
とする第1の発明記載の静電荷像現像用トナー母粒子で
ある。
【0015】第3の発明は、第1又は第2の発明記載の
静電荷像現像用トナー母粒子と、外添剤とを混合して成
ることを特徴とする静電荷像現像用トナーである。
【0016】第4の発明は、第3の発明記載の静電荷像
現像用トナーと、キャリアとを混合して成ることを特徴
とする現像剤である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明者らは静電荷像現像用トナ
ーの顔料の分散に関し、種々の分散剤について検討を行
った結果、上記一般式(1)で示されるポリオキシエチ
レンアリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアリ
ルナフチルエーテル系化合物等の顔料分散剤(C)、及
び一般式(2)で示される芳香族スルホン酸塩系化合物
のように疎水部が芳香族系の等の顔料分散剤(D)を共
に添加することが各種顔料の分散に適し、特に有機系顔
料の分散剤として優れた適性を有することを見出し、か
つこれら顔料分散剤(C)及び(D)の存在下に有機顔
料(A)の水性ペーストと常温固体の樹脂(B)とをフ
ラッシングしてなる樹脂被覆顔料(E)を使用してする
ことによってトナー母粒子中の顔料粒子をより微細化し
得、かかるトナー母粒子を用いることによって透明性、
色再現性、発色性に優れる画像を形成することができ
る。
【0018】本発明における樹脂被覆顔料(E)は、例
えば以下のようにして得ることができる。顔料(A)の
水性ペーストに常温固体の樹脂(B)、一般式(1)で
表される顔料分散剤(C)及び一般式(2)で表される
顔料分散剤(D)、必要に応じてその他の各種添加剤等
を加えて、ニーダー若しくはスーパーミキサー等の混合
分散機で混合攪拌を行う。この時に必要に応じて加熱し
てもよい。約10〜20分で顔料分が樹脂に移行する。
分離した水分をデカンテーションにより除去し、残った
混練物を必要に応じて加熱し2本又は3本ロールを使用
して水分を除去し、樹脂被覆顔料(E)(顔料高濃度チ
ップ)を得ればよい。
【0019】本発明で用いられる顔料(A)の水性ペー
ストは、顔料生成後に水等を添加して、洗浄濾過を繰り
返して精製し、得られる固形分20〜50%程度の水性
ペーストであり、顔料(A)としては、水に溶解しない
顔料であればよく、トナーに使用される種々の有機顔
料、無機顔料及びそれらの混合物が使用可能である。例
えば、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン
等のフタロシアニン系顔料、トルイジンレッド、トルイ
ジンマルーン、ハンザエロー、ベンジジンエロー、ピラ
ゾロンレッド等の不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、ア
ントラキノン顔料、キナクリドンレッド、キナクリドン
マゼンタ等のキナクリドン系顔料、ジオキサジン顔料、
ジケトピロロピロール顔料、アントラピリミジン顔料、
アンサンスロン顔料、インダンスロン顔料、フラバンス
ロン顔料、ペリノン顔料、ペリレンレッド、ペリレンス
カーレット等のペリレン系顔料、イソインドリノン顔
料、チオインジゴ顔料等を挙げることが出来る。
【0020】又、本発明で用いられる顔料(A)の水性
ペーストは、一度乾燥した顔料に水等を添加して攪拌
し、形成したものでもよい。更に、有機顔料に限らずカ
ーボンブラック等の無機顔料でも、このように水等を添
加して攪拌し、水性ペーストを形成して、後述する顔料
分散剤を添加する。
【0021】本発明で用いられる常温固体の樹脂
(B)、即ちフラッシングに用いることの出来る樹脂と
して、公知のものを含めて広く使用可能である。画像の
透明性を考慮して、無色透明の樹脂の方がより好適であ
る。例えばアクリルニトリル、メタアクリロニトリル、
アクリルアミド、メタアクリルアミド、及びそれらの混
合物等のスチレン−アクリル系、ポリエステル系等の公
知の樹脂が全て使用可能である。この他にポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン、スチレン−ブタジ
エン共重合体、塩化樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合
体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、ロジ
ン変性フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アイオノマー樹
脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ロジン・エス
テル、ロジン等を挙げることが出来る。何れの樹脂もそ
の製造方法は特に制約されるものではない。此れ等の樹
脂は、フラッシング後の希釈、溶融混練にも使用可能で
ある。
【0022】本発明で用いられる顔料分散剤(C)は、
一般式(1)中のQがフェニレン基又はナフチレン基、
1 は置換又は無置換のフェニル基、ベンジル基又はス
チリル基、kは0〜3、nは2〜100の範囲の範囲の
ものであり、nは5〜50の範囲のものが好ましい。
【0023】本発明で用いられる顔料分散剤(D)は、
一般式(2)中のPがフェニレン基、ナフチレン基、有
機色素残基又は複素環残基、R2 は置換又は無置換のフ
ェニル基、ベンジル基又はスチリル基、mは0〜3の範
囲にある任意の数、Xは付加モル数0〜100のポリオ
キシエチレン基であり、Xは付加モル数0〜50モルの
範囲のものがより好ましい。Mはアルカリ金属、アンモ
ニウム又はアルカノールアミンであり、アルカリ金属塩
がより適している。
【0024】一般式(2)中Pで表される有機色素残基
を構成する有機色素としては、フタロシアニン系、不溶
性アゾ系、アゾレーキ系、アントラキノン系、キナクリ
ドン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、ア
ントラピリミジン系、アンサンスロン系、インダンスロ
ン系、フラバンスロン系、ペリノン系、ペリレン系、チ
オインジゴ系等がある。此れ等の色素は任意に選択する
ことが出来るが使用する顔料に近い色相を有するものを
使用した方が工業的に有利である。また、複素環残基を
構成する複素環としては、チオフェン、フラン、キサン
テン、ピロール、イミダゾール、イソインドリン、イソ
インドリノン、ベンズイミダゾロン、インドール、キノ
リン、カルバゾール、アクリジン、アクリドン、アント
ラキノン等がある。Pが複素環の場合、一般式(2)の
顔料分散剤は、殆ど着色していないものが得られる為
に、汎用性の点で好ましい。
【0025】一般式(1)にて示される顔料分散剤
(C)の代表例を以下に示す。
【0026】
【化1】
【0027】
【化2】
【0028】一般式(2)にて示される顔料分散剤
(D)の代表例を以下に示す。
【0029】
【化3】
【0030】
【化4】
【0031】
【化5】
【0032】
【化6】
【0033】樹脂被覆顔料(E)の好ましい粒子径とし
ては、遠心沈降法による平均粒径に於いて0.2μm以
下、更に好ましくは、0.1μm以下である。このよう
な粒径であると、画像を形成した時に、鮮明で十分な色
再現性、発色性が得られる。
【0034】尚、本発明の場合、必要に応じてソルトミ
リングやアシッドペースティング等の手法により、顔料
粒子を微細化し、続いてフラッシングしてもよい。ソル
トミリングとは有機顔料、水溶性に無機塩、及び水溶性
の溶剤等に成分から成る混合物を機械的に混練した後、
水溶性の無機塩、及び水溶性の溶剤を水洗して除去し、
濾過洗浄を繰り返して、微細化された有機顔料を得る方
法であり、本発明の場合、かかるソルトミリングに続い
て前述のフラッシングをしてもよい。アシッドペーステ
ィングとは、有機顔料を硫酸に溶解させた溶液を水中に
投じて微細な析出物とした後、濾過洗浄を繰り返して、
微細化された有機顔料を得る方法であり、本発明の場
合、かかるアシッドペースティングに続いて前述のフラ
ッシングをしてもよい。
【0035】本発明のトナー母粒子は、常法に従い、得
ることが出来る。即ち、上記樹脂被覆顔料(E)に結着
樹脂(F)、必要に応じてその他荷電制御剤や添加剤等
を加えて、ヘンシェルミキサー等で予備混合を行い。そ
の後エクストルーダー等を用いて溶融混練を行う。次い
で冷却後ハンマーミル等で粗粉砕し、ジェットミル等で
微粉砕する。その後に風力分級機等で分級し、平均粒径
5〜20μm程度の所定の粒度分布を有する分級品を得
ればよい。
【0036】結着樹脂(F)、即ちフラッシング後の溶
融混練に用いることの出来る樹脂として、公知のものを
広く使用出来る。画像の透明性を考慮して、無色透明の
樹脂の方がより好適である。常温固体の樹脂(B)と同
じ種類の樹脂が使用可能だが、必ずしも結着樹脂(F)
は樹脂(B)と一致している必要は無い。
【0037】尚、本発明のトナー母粒子のうち、黒色の
トナー母粒子の場合は、イエロー、シアン、レッドの3
色の樹脂被覆顔料(E)を得、此れ等3色の樹脂被覆顔
料(E)を着色剤として用いれてもよいし、カーボンブ
ラックの樹脂被覆顔料(E)を使用してもよい。カーボ
ンブラックとしては、チャンネルブラック、ファーネス
ブラック、ランプブラック等公知のものが全て使用可能
である。
【0038】本発明のトナー母粒子に、荷電制御剤を配
合することも好ましい。荷電制御剤としては、正・負帯
電いずれも公知のものが全て使用出来る。トナー母粒子
が黒色の場合には、荷電制御剤として、例えば、ニグロ
シン染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属
錯体、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、
アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩、アルキルア
ミド、アルキル置換サリチル酸の金属錯体(例えばジタ
ーシャリーブチルサリチル酸のクロム錯体、アルミニウ
ム錯体、又は亜鉛錯体等)のような有機金属錯体等を挙
げることが出来る。また、トナー母粒子が黒色以外の場
合には、画像の色調に影響を与えない無色又は淡色の荷
電制御剤が好ましい。例えばアルキル置換サリチル酸の
金属錯体(例えばジターシャリーブチルサリチル酸のク
ロム錯体、アルミニウム錯体、又は亜鉛錯体等)のよう
な有機金属錯体等を挙げることが出来る。
【0039】本発明のトナー母粒子には、流動性向上
剤、クリーニング助剤等として、種々の粒子を外添剤と
して配合することも好ましい。外添剤としては公知のも
のが全て使用出来る。例えば0.01〜0.5μmのシ
リカ、アルミナ、酸化チタン等の金属酸化物、炭化珪
素、炭化タングステン等の研磨剤、ステアリン酸亜鉛、
ステアリン酸アルミニウム等の脂肪酸金属塩等の滑剤、
その他1〜50μmのポリテトラフロロエチレン、ポリ
ビニリデンフロライド、ポリメチルメタアクリレート、
ポリスチレン、シリコーン等の微粉末を添加することが
好適である。此れ等の混合物、更に此れ等の微粉末を各
種表面処理した外添剤を添加することも好適である。
【0040】本発明の現像剤は、上記トナーとキャリア
とを混合して成るものであり、従来の公知の方法で得る
ことが可能で、特に制約されるものではない。本発明に
係わる現像剤に用いられるキャリアとしては、既知のキ
ャリアは全て使用可能である。一般に二成分現像剤を構
成するキャリアは導電性キャリアと絶縁性キャリアに大
別される。導電性キャリアとしては、通常、酸化又は未
酸化の鉄粉が用いられる。絶縁性キャリアとしては、一
般に強磁性体よりなるキャリアコア材粒子表面を絶縁性
樹脂により均一に被覆したキャリアが代表的である。キ
ャリアをコア材としては、例えば酸化鉄(マグネタイ
ト)、還元鉄、銅、フェライト、ニッケル、コバルト等
や此れ等と亜鉛、アルミニウム等の合金等の粒子を挙げ
ることが可能である。被覆樹脂としてはアクリル樹脂、
エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリア
セタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネイト樹
脂、フェノール樹脂、酢酸ビニル樹脂、セルロース樹
脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、アミノ樹脂等の
公知の材料の何れのものでもよい。キャリアの粒径とし
ては20〜200μm程度のものが好ましい。又、一般
的に現像剤中にはトナーを1〜30%含有することが好
ましい。
【0041】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づき、本発明を
更に詳細に説明する。但し、これによって本発明の実施
の形態が何等限定されるものではない。実施例及び比較
例中、部及び%は、重量部及び重量%をそれぞれ表す。
【0042】〔実施例1〕下記の原料をステンレス製1
ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込む。 青顔料(東洋インキ社製、リオノールブルーFG−7351 100.0部 :β型銅フタロシアニン、含水物、顔料成分50.0%) 化合物 B 10.0部 化合物 K 10.0部 不飽和ポリエステル樹脂、常温固体の樹脂(B) 100.0部 100℃に加熱しながら約30分間混合し、顔料を樹脂
に移行(フラッシング)させ、樹脂に均一に分散させ
る。分離した水及び溶剤分をニーダーから除去した後
に、残った混練物を加熱型2本ロールにて5回パスさ
せ、顔料高濃度チップ、即ち樹脂被覆顔料(E)を得
た。
【0043】 不飽和ポリエステル樹脂:結着樹脂(F) 100.0部 上記顔料高濃度チップ 5.0部 負帯電荷電制御剤 4.0部 次いで、上記原料をエクストルーダーにて溶融混練す
る。冷却後、ハンマーミルを用いて粗粉砕し、次いでジ
ェットミルで微粉砕した後、風力分級機で平均粒径1
0.0μmの着色剤含有微粒子、即ちトナー母粒子を得
る。上記トナー母粒子100.0部に酸化チタン微粉末
を0.4部添加し、ヘンシェルミキサーで混合して、ト
ナーを得る。
【0044】〔実施例2〕下記の原料をステンレス製1
ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、以下実施例
1に準じて、フラッシングを行う。 青顔料(東洋インキ社製、リオノールブルーFG−7351 100.0部 :β型銅フタロシアニン、含水物、顔料成分50.0%) 化合物 E 14.0部 化合物 R 6.0部 不飽和ポリエステル樹脂、常温固体の樹脂(B) 100.0部 以下、実施例1と同様に処理して、トナーを得る。
【0045】〔比較例1〕下記の原料をヘンシェルミキ
サーで予備混合し、エクストルーダーで溶融混練を行
う。 青顔料(東洋インキ社製 リオノールブルーFG−7351 :β型銅フタロシアニン) 3.0部 不飽和ポリエステル樹脂 97.0部 以下、実施例1と同様に処理して、トナーを得る。
【0046】実施例1〜2、比較例1で形成した静電荷
像現像用トナーを、フェライト100部に対し6部加
え、ボールミル混合機で混合して現像剤を得た。この現
像剤を用い市販のフルカラー複写機(CLC350、キ
ャノン製)により画像を得た。顔料分散剤を含有してい
る各実施例は、何れも鮮明で十分な色再現性、発色性が
得られた。又、得られたトナーを熱プレスにより溶融さ
せ、ガラス板上に均一な薄層を作り、光学顕微鏡により
分散状態を観察したところ、凝集の無い非常に良好な分
散状態になっていることが確認出来た。一方、顔料分散
剤を含有していない比較例1は、不鮮明で十分な色再現
性、発色性が得られず、実施例との差は明白であった。
【0047】
【発明の効果】本発明により、鮮明で十分な色再現性、
発色性が得られる静電荷像現像用トナー及び現像剤が得
られた。光学顕微鏡により分散状態を観察したところ、
凝集の無い非常に良好な分散状態になっていることが確
認出来た。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料(A)の水性ペーストと常温固体の
    樹脂(B)とを下記一般式(1)で表される顔料分散剤
    (C)及び下記一般式(2)で表される顔料分散剤
    (D)の存在下に加熱混練した後に、水分を除去し、樹
    脂(B)で被覆して成る樹脂被覆顔料(E)と、結着樹
    脂(F)とを含有することを特徴とする静電荷像現像用
    トナー母粒子。 一般式(1) (R1)k −Q−O−(CH2 CH2 O-)n - H (式中Qはフェニレン基又はナフチレン基、R1 は置換
    又は無置換のフェニル基、ベンジル基又はスチリル基、
    kは0〜3、nは2〜100の範囲にある任意の数を表
    す。) 一般式(2) (R2)m −P−X−SO3 M (式中Pはフェニレン基、ナフチレン基、有機色素残基
    又は複素環残基、R2 は置換又は無置換のフェニル基、
    ベンジル基又はスチリル基、mは0〜3の範囲にある任
    意の数、Xは付加モル数0〜100のポリオキシエチレ
    ン基、Mはアルカリ金属、アンモニウム又はアルカノー
    ルアミンを示す。)
  2. 【請求項2】 顔料分散剤(C)及び(D)の含有比が
    10:1〜1:10であることを特徴とする請求項1記
    載の静電荷像現像用トナー母粒子。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の静電荷像現像用ト
    ナー母粒子と、外添剤とを混合して成ることを特徴とす
    る静電荷像現像用トナー。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の静電荷像現像用トナー
    と、キャリアとを混合して成ることを特徴とする現像
    剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6736892B2 (en) * 2001-07-19 2004-05-18 Ethox Chemicals Llc Pigment dispersions containing styrenated and sulfated phenol alkoxylates

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