JP2002131986A - 静電荷現像用トナー - Google Patents

静電荷現像用トナー

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JP2002131986A
JP2002131986A JP2000323999A JP2000323999A JP2002131986A JP 2002131986 A JP2002131986 A JP 2002131986A JP 2000323999 A JP2000323999 A JP 2000323999A JP 2000323999 A JP2000323999 A JP 2000323999A JP 2002131986 A JP2002131986 A JP 2002131986A
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JP
Japan
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pigment
toner
copper phthalocyanine
phthalocyanine pigment
type copper
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JP2000323999A
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English (en)
Inventor
Kevin A Arthur
エー アーサー ケヴィン
George H Robertson
エイチ. ロバートソン ジョージ
Seiji Funakura
省二 船倉
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 シアントナーは透明性が不足しており、フル
ーカラーの用途に於いて充分な色再現性が得られなかっ
た。シアントナーに特定のフタロシアニン顔料組成物を
用いる事により透明性が良いシアントナーを提供する。 【解決手段】 BET比表面積が90m/g以上のβ
型銅フタロシアニン顔料1重量部とフタロシアニンの骨
格に−CO−、−SO−、−SO2NH(CH
−を結合したフタロシアニン顔料誘導体0.01〜
0.3重量部とを混合したフタロシアニン顔料組成物を
色剤として用いる事により透明性の良いシアントナーを
提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真、静電記
録、静電印刷などにおける静電荷像を現像するための静
電荷現像用トナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真法は、通常、光導電性感光体よ
りなる静電潜像担持体に荷電、露光により静電潜像を形
成し、次いでこの静電潜像を、結着樹脂中に着色剤を含
有するトナー組成物によって現像し、得られたトナー像
を転写紙等の支持体に転写、定着して可視画像を形成す
る方法である。このような可視画像を得るためのトナー
組成物として一般的にカーボンブラックの如き黒色着色
剤を結着樹脂中に分散させたものが多く使用されている
が、近年、シアン色、マゼンタ色、黄色等のカラートナ
ーを用いて順次繰り返し現像し、これを紙等に転写、定
着させカラー画像とする方法も用いられている。
【0003】この方法によって得られるカラーの転写画
像は、一般に天然色に近い画像が求められ、そのために
はそれぞれの単色トナーにおける色の鮮明性、透明性、
光沢度及び階調性が影響する。色再現性は、黄色、マゼ
ンタ色及びシアン色の三原色トナーによる減法混色から
成り立っており、光を透過する透明性トナーを用いるこ
とが必要である。透明性フィルムを定着した画像も透明
性が良くないと色再現性ができない。
【0004】従来、静電荷現像用トナーのシアン色に用
いられている着色剤としては、銅フタロシアニン顔料
(米国特許3998747公報)、銅フタロシアニンス
ルホン酸誘導体(特開昭56−57042公報)、β型
銅フタロシアニン顔料(特開昭62−255956号公
報)、銅フタロシアニンフタルイミドメチル誘導体(特
平2−135459号公報)等が知られている。また、
トナーの透明性を改良するため有機顔料に微粒子酸化ケ
イ素を含有する方法(特開平11−7157号公報)等
も知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の技
術のシアン色トナーは、近年要求されている透明性が不
足しており、フルカラー用途における充分な色再現性が
得られないものであった。又、上記従来技術のシアン色
トナーはフェライト等のキャリア粒子と混合して使用す
るために現像過程においてキャリア粒子とのバランスが
崩れ色の濃淡差が生じ、その結果フルカラー用途におけ
る色再現性に支障を来すものであった。本発明が解決し
ようとする課題は、シアン色現像剤として充分な透明性
を有し、黄色現像剤との重ね合わせで鮮明な緑色を、マ
ゼンタ色現像剤との重ね合わせで鮮明な青色を、そして
黄色及びマゼンタ色現像剤との重ね合わせで鮮明な黒色
を呈することができる色再現性に優れた静電荷現像用ト
ナーを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、こうした
実状の鑑み、従来技術の欠点を解決すべく鋭意研究した
結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は上記
課題を解決するために、結着樹脂と着色剤とを必須成分
として含む静電荷現像用トナーにおいて、着色剤とし
て、BET比表面積が90m2/g以上を有するβ型銅
フタロシアニン顔料を用いたことを特徴とする静電荷現
像用トナーを提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明で用いるβ型銅フタロシアニン顔料は、B
ET比表面積が90m2/g以上を有することを特徴と
する。
【0008】本発明のBET比表面積は、日本工業規格
(Japanese Industrial Standard;JIS) Z 883
0−1990(気体吸着による粉体の比表面積測定方
法)附属書2に定める方法に従って測定される。
【0009】従来のβ型銅フタロシアニン顔料は、BE
T比表面積が前記したのよりも小さく、この様な顔料で
は、使用分野を問わず、透明性に優れた青色が得られに
くい。本発明の顔料はこの欠点を上記構成により解決し
た。本発明で用いるβ型銅フタロシアニン顔料は、BE
T比表面積が90m2/g以上であれば良いが、好まし
くは90〜200m2/g、より好ましくは90〜15
0m2/gである。
【0010】本発明のβ型銅フタロシアニン顔料は、例
えば、β型銅フタロシアニンクルード又はα型銅フタロ
シアニンを含むβ型銅フタロシアニンセミクルードを、
クルードまたはセミクルードに対する無機塩の倍率が従
来より高い条件で、従来より長時間、ソルベントソルト
ミリングすることにより製造することが出来る。
【0011】本発明で用いる、β型銅フタロシアニンク
ルードとは、一次粒子の平均粒子径が0.2〜50μm
のβ型銅フタロシアニンを意味し、一方、α型銅フタロ
シアニンを含むβ型銅フタロシアニンセミクルードと
は、一次粒子の平均粒子径0.001〜0.02μmの
粒子が凝集したα型銅フタロシアニンとβ型銅フタロシ
アニンとの混合物を意味する。
【0012】ここで、β型銅フタロシアニンクルードの
製造方法としては、公知慣用の製造方法をいずれも採用
できる。
【0013】この様なβ型銅フタロシアニンクルードの
製造方法としては、例えばワイラー法と呼ばれる無水フ
タル酸と尿素と銅塩を反応させβ型銅フタロシアニンを
合成する方法や、フタロニトリル法と呼ばれるフタロニ
トリルと銅塩を反応させβ型銅フタロシアニンを合成す
る方法を用いることが出来る。また、トリメリット酸、
ピロメリット酸、これらの無水物、同イミド、同エステ
ルの如き誘導体の存在下で無水フタル酸と尿素と銅塩を
反応させβ型銅フタロシアニンを合成する方法(特開昭
61−203175号公報)や、パラフィン系炭化水素
溶媒とナフテン系炭化水素溶媒とを併用して銅フタロシ
アニンを合成する方法(特開平8−27388号公報)
を用いることも出来る。
【0014】本発明で使用できるβ型銅フタロシアニン
クルードとしては、大日本インキ化学工業株式会社製の
「ファーストゲン ブルー AC」、「ファーストゲン
ブルー 81」、「ファーストゲン ブルー AC−
E」等がある。
【0015】α型銅フタロシアニンを含むβ型銅フタロ
シアニンセミクルードは、例えばβ型銅フタロシアニン
クルードを摩砕することにより得ることが出来るが、通
常は、β型銅フタロシアニンクルードを粉砕媒体の存在
下で乾式摩砕することにより得られる。
【0016】この摩砕に使用する乾式摩砕装置として
は、例えば、粉砕媒体等が充填されたボールミル装置、
振動ミル装置、アトライターミル装置、円筒型のビーズ
ミル装置、横置型ダブルドラムミル装置等が挙げられ
る。これらの装置の中でも、粉砕すべき粉体を入れるた
めの、縦方向の軸線を有する円筒形の摩砕容器と、この
軸線に沿って配置された回転軸、及びこの回転軸に固定
され、それぞれが摩砕容器の側壁に向かって外向きに対
称に延びた一対の腕を2個以上有する撹拌機とからな
り、粉砕媒体として鋼球が充填されたアトライターミル
装置が好ましい(これは、特開昭58−29861号公
報に記載されている。)。
【0017】乾式摩砕装置で使用される粉砕媒体して
は、例えば、鉄、ステンレス、コランダム、陶器、ステ
アタイト、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化
混合物、石英等のボールやロッドなどが挙げられる。そ
の大きさは、通常、直径1〜50mmである。
【0018】この乾式摩砕は、通常100℃以下の温
度、好ましくは常温〜100℃の温度で行われる。乾式
摩砕時間は、摩砕装置の種類と、必要とする顔料比表面
積によって決定されるが、一般に0.1〜36時間であ
る。例えば、摩砕装置として、上記好適なアトライター
ミルを用いた場合の乾式摩砕時間は、通常0.1〜10
時間、好ましくは0.5〜5時間であり、振動ミルを用
いの場合の乾式摩砕時間は、通常1〜36時間、好まし
くは2〜12時間である。
【0019】β型銅フタロシアニンクルードを摩砕する
と、α型銅フタロシアニンを含むβ型銅フタロシアニン
セミクルードが得られる。
【0020】以下、β型銅フタロシアニンクルードと、
α型銅フタロシアニンを含むβ型銅フタロシアニンセミ
クルードを合わせて、粗顔料と称する。
【0021】このようにして得られた粗顔料は、次いで
顔料化処理される。この顔料化処理方法としては、特に
限定はなく、各種の顔料化処理法を採用することができ
るが、多量の有機溶剤中で粗顔料を加熱攪拌するソルベ
ント処理よりも、著しい結晶成長を抑制でき、かつ比表
面積の大きい顔料粒子が得られる点で、ソルベントソル
トミリング処理を採用するのが好ましい。
【0022】このソルベントソルトミリングとは、粗顔
料と無機塩と有機溶剤とを混練摩砕することを意味す
る。具体的には、粗顔料と、無機塩と、それを溶解しな
い有機溶剤とを混練機に仕込み、その中で混練摩砕を行
う。この際の混練機としては、例えばニーダーやミック
スマーラー等が使用できる。
【0023】上記無機塩としては、水溶性無機塩が好適
に使用でき、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫
酸ナトリウム等の無機塩を用いることが好ましい。ま
た、平均粒子径0.5〜50μmの無機塩を用いること
がより好ましい。この様な無機塩は、通常の無機塩を微
粉砕することにより容易に得られる。
【0024】無機塩の使用量は、粗顔料1重量部に対し
て6〜20重量部とするのが好ましく、8〜15重量部
とするのがより好ましい。
【0025】有機溶剤としては、結晶成長を抑制し得る
有機溶剤としての水溶性有機溶剤が好適に使用でき、例
えばジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングル
コール、液体ポリプロピレングリコール、2−(メトキ
シメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2
ー(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシル
オキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノメチル
エーテル、ジエチレングルコールモノエチルエーテル、
ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレ
ングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエー
テル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ
−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレング
リコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール
等を用いることができる。
【0026】当該水溶性有機溶剤の使用量は、特に限定
されるものではないが、粗顔料1重量部に対して0.0
1〜5重量部が好ましい。
【0027】本発明で用いる顔料を得るに当たっては、
粗顔料のみをソルベントソルトミリングしても良いが、
粗顔料とフタロシアニン顔料誘導体とを併用してソルベ
ントソルトミリングするのが本発明で規定する比表面積
の顔料をより短時間で得ることが出来る点で好ましい。
銅フタロシアニンとフタロシアニン顔料誘導体とを併用
してソルベントソルトミリングして得た顔料は、β型銅
フタロシアニン顔料とフタロシアニン顔料誘導体とを含
む顔料となる。そしてβ型銅フタロシアニン顔料とフタ
ロシアニン顔料誘導体とを含む全体として前記BET比
表面積の範囲内となっている。
【0028】同一比表面積の顔料を得る場合、フタロシ
アニン顔料誘導体の存在下でソルベントソルトミリング
を行うほうが、それの不存在下でソルベントソルトミリ
ングを行うよりは、本発明で規定した範囲内であって
も、無機塩の使用量をより低減することが出来る。
【0029】ソルベントソルトミリング時に粗顔料に含
めることが出来るフタロシアニン顔料誘導体としては、
公知慣用のものがいずれも使用出来るが、下記一般式
(I)または(II)のフタロシアニン顔料誘導体が好
ましい。
【0030】
【化3】P−(Y)n ・・・(I)
【0031】
【化4】P−(A−Z)n ・・・(II)
【0032】(式中、Pは中心金属を有さないまたは中
心金属を有するフタロシアニン環のn個の水素を除いた
残基を、Yは第1〜3級アミノ基、カルボン酸基、スル
ホン酸基またはそれと塩基或いは金属との塩、Aは二価
の連結基を、Zは第1〜2級アミノ基の窒素原子上の水
素の少なくとも1つを除いた残基、又は窒素を含む複素
環の窒素原子上の水素の少なくとも1つを除いた残基
を、そしてmは1〜4を、nは1〜4を表す。)
【0033】前記中心金属としては、例えば銅、コバル
ト、マンガン、アルミニウム等の二〜三価金属が挙げら
れ、前記第1〜2級アミノ基としては、例えばモノメチ
ルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等
が、前記カルボン酸基やスルホン酸基と塩を形成する塩
基や金属としては、例えばアンモニアや、ジメチルアミ
ン、ジエチルアミン、トリエチルアミンの様な有機塩
基、カリウム、ナトリウム、カルシウム、ストロンチウ
ム、アルミニウムの様な金属が挙げられ、Aの二価の連
結基としては、例えば炭素数1〜3のアルキレン基,−
CO2−,−SO2−,−SO2NH(CH2m−等の二
価の連結基が,Zとしては、例えばフタルイミド基、モ
ノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基等が挙げられ
る。
【0034】前記金属は、水酸化ナトリウム、炭酸カリ
ウム、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム、硫酸アル
ミニウム等として用いられる。
【0035】具体的には、無金属又は金属フタロシアニ
ンのフタルイミドメチル誘導体、同スルホン酸誘導体、
同N−(ジアルキルアミノ)メチル誘導体、同N−(ジ
アルキルアミノアルキル)スルホン酸アミド誘導体が好
ましい。これらのフタロシアニン顔料誘導体には、更に
第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、第4級ア
ンモニウム塩、エチレンジアミン等のアミンを添加して
用いることも好ましい。
【0036】ソルベントソルトミリング時に粗顔料に含
めることが出来るフタロシアニン顔料誘導体は、通常、
粗顔料1重量部当たり0.01〜0.3重量部である。
この様なフタロシアニン顔料誘導体は、例えばマススペ
クトルによる質量分析により、β型銅フタロシアニン顔
料と併用されていることを確認することが出来る。
【0037】ソルベントソルトミリング時の温度は、3
0〜150℃が好ましく、50〜100℃がより好まし
く、60〜95℃が特に好ましい。ソルベントソルトミ
リングの時間は、5時間から20時間が好ましく、5〜
18時間がより好ましい。
【0038】ソルベントソルトミリング時の温度と時間
以外の条件を一定とした場合においては、前記したセミ
クルードを用いて、より低温かつより短時間、具体的に
は、60〜95℃で5〜10時間ソルベントソルトミリ
ングを行うほうが、より好ましい顔料が得られる。
【0039】フタロシアニン顔料誘導体は、銅フタロシ
アニン粗顔料のみをソルベントソルトミリングして得た
顔料に添加することも出来るが、銅フタロシアニン粗顔
料とフタロシアニン顔料誘導体とを併用してソルベント
ソルトミリングして顔料を得るほうが、より優れた効果
をもたらす。
【0040】上記ソルベントソルトミリングは、水溶性
有機溶剤と、銅フタロシアニン粗顔料とフタロシアニン
顔料誘導体の合計1重量部当たり水溶性無機塩を8〜1
5重量部を用い、60〜95℃で5〜18時間ソルベン
トソルトミリングすると本発明の静電荷像現像用トナー
に最も適した、BET比表面積が90m2/g以上を有
するβ型銅フタロシアニン顔料またはそれとフタロシア
ニン顔料誘導体を含むの顔料組成物が得られる。
【0041】こうして、本発明のβ型銅フタロシアニン
顔料、無機塩、有機溶剤を主成分として含む混合物が得
られるが、この混合物から有機溶剤と無機塩を除去し、
必要に応じてβ型銅フタロシアニン顔料を主体とする固
形物を洗浄、濾過、乾燥、粉砕等をすることにより、β
型銅フタロシアニン顔料粉体を得ることが出来る。洗浄
としては、水洗、湯洗のいずれも採用できる。洗浄回数
は、1〜5回の範囲で繰り返すことも出来る。水溶性無
機塩及び水溶性有機溶剤を用いた前記混合物の場合は、
水洗することで容易に有機溶剤と無機塩を除去すること
が出来る。
【0042】上記した濾別、洗浄後の乾燥としては、例
えば、乾燥機に設置した加熱源による80〜120℃の
加熱等により、顔料の脱水及び/又は脱溶剤をする回分
式あるいは連続式の乾燥等が挙げられ、乾燥機としては
一般に箱型乾燥機、バンド乾燥機、スプレードライアー
等がある。また、乾燥後の粉砕は、比表面積を大きくし
たり一次粒子の平均粒子径を小さくするための操作では
なく、例えば箱型乾燥機、バンド乾燥機を用いた乾燥の
場合のように顔料がランプ状等のとなった際に顔料を解
して粉末化するために行うものであり、例えば、乳鉢、
ハンマーミル、ディスクミル、ピンミル、ジェットミル
等による粉砕等が挙げられる。
【0043】こうして、BET比表面積90m2/g以
上を有するβ型銅フタロシアニン顔料を主成分として含
む顔料粉末が得られる。
【0044】本発明におけるβ型銅フタロシアニン顔料
は、特定比表面積であることにより、着色すべき合成樹
脂等への分散性が良好となり、着色された合成樹脂等上
での色の透明性がより良好となる。特にBET比表面積
110〜150m2/gを有するβ型銅フタロシアニン
顔料は、この点について特に優れる。
【0045】本発明においてβ型銅フタロシアニン顔料
としては、吸油量50〜80ml/100gであるもの
が好ましい。本発明における吸油量は、JIS K 5
101−1991(顔料試験方法、21.吸油量)に定め
る方法に従って測定される。
【0046】また本発明で用いる顔料は、従来の顔料に
比べて一次粒子の凝集力が弱く、より解れやすい性質を
持つ。電子顕微鏡写真により、従来の顔料では観察でき
ない、凝集体を構成する個々の顔料一次粒子を観察する
ことができる。本発明の顔料としては、一次粒子の平均
粒子径が0.01〜0.06μmであることが、前記分
散性がより良好となる点で好ましい。
【0047】また、顔料の一次粒子の平均粒子径及び顔
料の一次粒子の縦横のアスペクト比は、顔料を溶媒に超
音波分散させてから、透過型電子顕微鏡又は走査型電子
顕微鏡により測定することが出来る。
【0048】本発明における顔料の一次粒子の平均粒子
径は、透過型電子顕微鏡JEM−2010(日本電子株
式会社製)で視野内の顔料を撮影し、二次元画像上の、
凝集体を構成する顔料一次粒子の50個につき、その長
い方の径(長径)を各々求め、それを平均した値であ
る。
【0049】本発明のβ型銅フタロシアニン顔料は、更
に縦横のアスペクト比が1〜3であると、各用途分野に
おいて粘度特性を向上にも寄与し、流動性がより高くな
る。
【0050】本発明における顔料の一次粒子の縦横のア
スペクト比は、短径と前記長径とから求められる。短径
は、透過型電子顕微鏡で視野内の顔料を撮影し、二次元
画像上の、凝集体を構成する顔料一次粒子の50個につ
き、その短い方の径(短径)を各々求め、それを平均し
た値である。
【0051】本発明においてβ型銅フタロシアニン顔料
は、静電荷現像用トナーの製造に用いると優れた効果を
発現する。本発明の静電荷現像用トナーは、結着樹脂
と、BET比表面積90m2/g以上を有するβ型銅フ
タロシアニン顔料とを必須成分として用いて調製するこ
とが出来る。以下、静電荷現像用トナーは、単にトナー
と略記する。
【0052】本発明において前記特定比表面積のβ型銅
フタロシアニン顔料を用いてトナーを製造すると、顔料
凝集も比較的弱く、結着樹脂への顔料分散が容易であ
り、近年要求されている画像の透明性と帯電安定性がい
ずれも良好な静電荷現像用トナーがより簡便に得られ
る。
【0053】尚、この透明性が良好なほど、混色、例え
ば各色のトナーを重ね合わせて、被記録媒体上にフルカ
ラー画像を形成する時に、より鮮明性に優れた画像が得
られる。この効果は、紙よりも透明性フィルムの場合に
顕著である。
【0054】本発明におけるβ型銅フタロシアニン顔料
のトナー中に占める使用量は、特に限定されないが、結
着樹脂成分100重量部に対して0.5〜25重量部の
割合で含めることが好ましく、該β型銅フタロシアニン
顔料自身の有する帯電性能を一層顕著ならしめる点から
結着樹脂100重量部に対し2〜15重量部であること
が更に好ましい。
【0055】本発明におけるβ型銅フタロシアニン顔料
は、それを静電荷現像用トナーに用いる場合には、更に
縦横のアスペクト比1〜3という特性を満たしているほ
うが、色相がより緑味となり、色再現性もより良好とな
るので好ましい。
【0056】本発明におけるβ型銅フタロシアニン顔料
は、それを静電荷現像用トナーに用いる場合には、更
に、前記した様なフタロシアニン顔料誘導体を併用する
と、トナー製造時の易分散性の向上や分散安定性の向
上、トナーの帯電安定性の向上を期待できる。
【0057】本発明における顔料の粒度分布や顔料粉体
全体の平均粒子径は、マイクロトラック粒度分布計92
20FRA乾式型(日機装株式会社製)で測定できる。
【0058】なお、本発明においては、以下に例示した
様な有機顔料を混合してしようすることもできる。有機
顔料をカラーインデックスに従い、挙げるとすると次の
通りである。
【0059】フタロシアニン系化合物顔料としては、例
えばC.I.Pigment Blue 15、15:
1、15:2、15:6、16、C.I.Pigmen
tGreen 7、同36等が挙げられる。
【0060】キナクリドン系化合物顔料としては、例え
ば.I.Pigment Violet 19、同4
2、C.I.Pigment Red 122、同20
2、同206、同207、同209、C.I.Pigm
ent Orange 48、同49等が挙げられる。
【0061】スレン系化合物顔料としては、例えばC.
I.Pigment Blue 60、C.I.Pig
ment Yellow 24、同108、C.I.P
igment Red 168、同177、C.I.P
igment Orange40等が挙げられる。
【0062】ペリレン系化合物顔料としては、例えば
C.I.Pigment Violet 29、C.
I.Pigment Red 123、同149、同1
78、同179、C.I.Pigment Black
31、同32、C.I.Pigment Orang
e 43等が挙げられる。
【0063】フタロン系化合物顔料としては、例えば、
C.I.Pigment Yellow 138等が挙
げられる。
【0064】ジオキサジン系化合物顔料としては、例え
ばC.I.Pigment Violet 23、同3
7等が挙げられる。
【0065】イソインドリノン系化合物顔料としては、
例えばC.I.Pigment Yellow 10
9、同110、同173、C.I.Pigment O
range 61等が挙げられる。
【0066】メチン・アゾメチン系化合物顔料として
は、例えばC.I.PigmentYellow 13
9、同185、C.I.Pigment Orange
66、C.I.Pigment Brown 38等
が挙げられる。
【0067】ジケトピロロピロール系化合物顔料として
は、例えばC.I.PigmentRed 254、同
255、同264、同272、Orange 71、同
73等が挙げられる。
【0068】アゾレーキ系化合物顔料としては、例えば
C.I.Pigment Red48:1、同48:
2、同48:3、同48:4、同48:5、同49:
1、同49:2、同49:3、同50:1、同51:
1、同52:1、同52:2、同53:1、同57:
1、同58:2、同58:4、同60:1、同63:
1、同63:2、同64:1、同200、同211、同
238、同239、同240、同243、同245、同
247、C.I.Pigment Yellow 6
1、同62:1、同104、同133、同168、同1
69、同183、同190、同191、C.I.Pig
ment Orange 17、同17:1、同19、
同46等が挙げられる。
【0069】不溶性アゾ系化合物顔料としては、例えば
C.I.Pigment Yellow 1、同3、
同12、同13、同14、同17、同55、同73、同
74、同81、同83、同97、同130、同151、
同152、同154、同156、同165、同166、
同167、同170、同171、同172、同174、
同175、同176、同180、同181、同188、
C.I.Pigment Orange 16、同3
6、同60、C.I.Pigment Red5、同2
2、同31、同112、同146、同150、同17
1、同175、同176、同183、同185、同20
8、同213、C.I.PigmentViolet
43、同44、C.I.Pigment Blue 2
5、同26等が挙げられる。
【0070】縮合アゾ系化合物顔料としては、例えば
C.I.Pigment Yellow 93、同9
4、同95、同128、同166、C.I.Pigme
ntOrange 31、C.I.Pigment R
ed 144、同166、同214、同220、同22
1、同242、同248、同262、C.I.Pigm
ent Brown 41、同42等が挙げられる。
【0071】本発明で用いられる結着樹脂としては、熱
又は圧力の適用下で接着性を示す天然又は合成樹脂、ゴ
ム、ワックス等をいずれも使用することができる。
【0072】本発明において有用な天然樹脂はバルサム
樹脂、ロジン、シエラック、コーバル等であり、これら
の樹脂は後述するビニル樹脂、アクリル樹脂、アルキド
樹脂、フェノール樹脂等から選ばれる一種又はそれ以上
の樹脂で変性されていてもよい。
【0073】また、本発明において有用な合成樹脂とし
ては、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール樹脂、ポリアミ
ド、ポリカーボネート、ポリスチレン、スチレン−(メ
タ)アクリル酸エステル共重合体、ポリアクリロニトリ
ル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ふっ素樹脂、ポリ
ウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステ
ル樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、
メタクリル樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ビニル
樹脂、又はこれらモノマー類の共重合体、脂肪族又は脂
環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィ
ン、パラフィンワックス等の公知の樹脂を例示すること
ができ、これらの結着樹脂の二種以上が適宜混合されて
用いられてよいことはいうまでもない。
【0074】また、天然又は合成ゴム物質としては、天
然ゴム、塩素化ゴム、環化ゴム、ポリイソブチレンゴ
ム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン
−ジエンゴム、ポリブタジエンゴム、ブチルゴム、スチ
レン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン
ゴム、クロロプレンゴム、シリコンゴム、ふっ素ゴム、
クロロヒドリンゴム等が例示できる。
【0075】なお、結着樹脂としては、熱定着性を有す
る結着樹脂が好ましく、ポリスチレン、スチレン−(メ
タ)アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂、
ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂の使用が有利である。
【0076】本発明のトナーは上記各成分のほかに必要
に応じてトナーの熱特性、電気特性、物理特性等を調整
する目的で各種の可塑剤、抵抗調整剤及び電荷制御剤を
更に添加してもよい。
【0077】可塑剤としては、例えばフタル酸ジブチ
ル、フタル酸ジオクチル等が、抵抗調整剤としては酸化
スズ、酸化鉛、酸化アンチモン等が、荷電制御剤として
は四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、含金属染料等
が夫々挙げられる。
【0078】更に、本発明においてはトナー粒子の製造
後、これにTiO2、Al23、SiO2等の微粉末を添
加してトナーの流動性改良を図ったり、ステアリン酸亜
鉛、フタル酸等を添加して感光体の劣化防止を図っても
良い。TiO2、Al23、SiO2等の微粉末は、平均
粒径0.02μm以下の微粉末と、平均粒径0.03〜1μmの
微粉末を併用する様にすると、より連続印刷を行った場
合に、長期に亘って良好な画像が得られる。
【0079】本発明のトナーは、特定の製造方法に依ら
ず極めて一般的な製造方法によって得ることができる。
例えば、上記の各成分を押出機、2本ロール、3本ロー
ル又は加熱ニーダー等の混練手段により混合し、冷却
後、ジェットミル等の粉砕機で粉砕し、風力分級機によ
り分級して本発明の目的とするトナーが得られる。
【0080】なお、本発明のトナーの粒子径は1〜15
μmが好ましい。
【0081】トナーを製造するに当たっては、予めトナ
ーの調製に用いる結着樹脂の一部と、BET比表面積9
0m2/g以上を有するβ型銅フタロシアニン顔料とか
ら、顔料が高濃度のマスターバッチを調製してから、そ
れをトナーの調製に用いる結着樹脂の残部と混合し希釈
して所定顔料濃度のトナーとする様にしても良い。
【0082】即ち、顔料化後の水性スラリー又は湯洗後
のウェットケーキをトナー用樹脂と特公昭61−238
28号公報記載のフラッシング法によりマスターバッチ
とした後、トナー用樹脂で希釈混合し、冷却後、ジェッ
トミル等の粉砕機で粉砕し、風力分級機により分級して
する様にしても本発明の目的とするトナーが得られる。
【0083】本発明で用いるキャリアとしては、例え
ば、鉄粉、ニッケル粉、フェライト粉、ガラスビーズ、
或いはこれらを芯材とし表面にスチレン−アクリル酸エ
ステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重
合体、アクリル酸エステル重合体、メタクリル酸エステ
ル重合体、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、アイオノ
マー樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、フッ素樹
脂等又はこれらの樹脂の混合物をコーティングしたもの
が使用でき、その粒径は50〜300μmの範囲にある
ものが好ましい。
【0084】本発明のトナーは、静電荷現像用トナー中
に磁性体を含有しない非磁性一成分カラートナー(非磁
性一成分現像用カラートナー)又はキャリアと混合した
二成分カラートナー(二成分現像用カラートナー)とし
て用いることができる。
【0085】二成分現像用カラートナーは、上記キャリ
ア粒子と本発明の静電荷現像用トナーとを水平円筒形、
V形等の容器回転型混合機で摩砕混合することによって
得ることができる。
【0086】また、キャリアと静電荷現像用トナーとの
混合比は適切な画像濃度を得るために通常、キャリア1
00重量部に対して静電荷現像用トナー2〜10重量部
の範囲で使用できるが、好ましくは3〜6重量部の範囲
である。
【0087】こうして得られた本発明のトナーは、被記
録媒体上に画像を形成させるために用いられる。被記録
媒体としては、例えば紙、合成樹脂フィルム、金属箔等
が挙げられる。
【0088】
【実施例】次に、製造例、実施例及び比較例により本発
明を詳述する。なお、「部」、「%」はいずれも重量部
である。
【0089】製造例1 β型銅フタロシアニンブルークルード(一次粒子の平均
粒子径2μm、窒素吸着法によるBET比表面積8m2
/g。)1部、粉砕した塩化ナトリウム10部、ジエチ
レングリコール1部、銅フタロシアニンフタルイミドメ
チル誘導体0.05部を双腕型ニーダーに仕込み、85
℃で10時間混練した。混練後80℃の1%塩酸水溶液
100重量部に取り出し、1時間攪拌後、濾過、湯洗、
乾燥、粉砕しβ型銅フタロシアニン顔料(a)を得た。
【0090】得られた顔料(a)の窒素吸着法によるB
ET比表面積については、マイクロデータ株式会社製マ
イクロソープ4232II(試料の前処理;温度120
℃、20分、試料採取量;0.2g、吸着量の測定方
法;1点法、窒素分圧;0.3)を用いて測定したとこ
ろ、比表面積は130m2/g であった。尚、NIST
(National Institute of Standards and Technology)
のMO−206−11(比表面積110±7m2/g)
を用いて校正した結果は、112.34m2/gであっ
た。
【0091】また、一次粒子の平均粒子径及び一次粒子
の縦横のアスペクト比については、透過型電子顕微鏡J
EM−2010(日本電子株式会社製)で測定した結果
から求めた。吸油量は、前記JISに従って求めた。顔
料粉体全体の平均粒子径は、マイクロトラック粒度分布
計9220FRA乾式型(日機装株式会社製)で求め
た。これらの測定結果を表1にまとめて示した。
【0092】
【表1】
【0093】製造例2 β型銅フタロシアニンブルークルード(一次粒子の平均
粒子径2μm、窒素吸着法によるBET比表面積8m2
/g。)を、アトライターミル装置を用いて、摩砕空間
1L当たり0.4KWの出力密度で乾式摩砕して、一次
粒子の平均粒子径が0.002μmのセミクルード〔α
型とβ型の混合物〕を得た。
【0094】尚、ここで用いたアトライターミル装置
は、粉砕すべき粉体を入れるための、縦方向の軸線を有
する円筒形の摩砕容器と、この軸線に沿って配置された
回転軸、及びこの回転軸に固定され、それぞれが摩砕容
器の側壁に向かって外向きに対称に延びた一対の腕を2
個以上有する撹拌機とからなり、粉砕媒体として鋼球が
充填されたアトライターミル装置である。
【0095】このセミクルード1部、粉砕した塩化ナト
リウム10部、ジエチレングリコール1部、銅フタロシ
アニンN−(ジメチルアミノプロピル)スルホン酸アミ
ド誘導体0.10部を双腕型ニーダーに仕込み、60℃
で7時間混練した。混練後80℃の1%塩酸水溶液10
0重量部に取り出し、1時間攪拌後、濾過、湯洗、乾
燥、粉砕しβ型銅フタロシアニン顔料(b)を得た。
【0096】得られた顔料(b)の上記機器による比表
面積は140m2/g で、上記機器による一次粒子の平
均粒子径は0.01μmであった。一次粒子の縦横のア
スペクト比、吸油量、顔料粉体全体の平均粒子径を同様
に求めた。これらの測定結果を表2にまとめて示した。
【0097】
【表2】
【0098】製造例3 製造例1で用いたβ型銅フタロシアニンブルークルード
1部、粉砕した塩化ナトリウム3重量部、ジエチレング
リコール1重量部を双腕型ニーダーに仕込み、120℃
〜130℃で3時間混練した。混練後80℃の1%塩酸
水溶液100重量部に取り出し、1時間攪拌後、濾過、
湯洗、乾燥、粉砕しβ型銅フタロシアニン顔料(c)を
得た。
【0099】得られた顔料(c)の上記機器による比表
面積は40m2/g で、上記機器による一次粒子の平均
粒子径は0.08μmであった。一次粒子の縦横のアス
ペクト比、吸油量、顔料粉体全体の平均粒子径を同様に
求めた。これらの測定結果を表3まとめて示した。
【0100】
【表3】
【0101】実施例1 スチレン−アクリル酸共重合体(ハイマーSBM10
0、三洋化成工業株式会社製)100部及び製造例1で
製造したβ型銅フタロシアニン顔料(a)5部を押出機
で混練後、粉砕分級して平均粒子径10μmのトナーを
得、次いでこのトナー100部に対して疎水性シリカを
1.0部混合した。
【0102】この疎水性シリカ含有のトナーとフェライ
トキャリアーを用いて乾式普通紙複写機(リコピーFT
3010、株式会社リコー製;以下同じ)で現像を行っ
たところ、複写5000枚目でも地肌カブリのない鮮明
なシアン画像が得られた。また、OHPシートに現像し
透明性を評価したところ、470nmの透過率が90%
であり良好であった。
【0103】次に、C.I.Pigment Yell
ow 17を使用した黄色疎水性シリカ含有のトナーと
組み合わせて現像を行ったところ鮮明な緑色が再現され
た。又、C.I.Pigment Red 122を使
用したマゼンタ色疎水性シリカ含有のトナーとを組み合
わせ現像を行ったところ鮮明な紫色が得られた。更に、
C.I.Pigment Yellow 17を使用し
た黄色疎水性シリカ含有のトナーとC.I.Pigme
nt Red 122を使用したマゼンタ色疎水性シリ
カ含有のトナーとを組み合わせ現像を行ったところ、原
稿の黒に相当する部分が純黒色に再現された。
【0104】実施例2 製造例1で製造したβ型銅フタロシアニン顔料(a)の
代わりに製造例2で製造したβ型銅フタロシアニン顔料
(b)を用いた以外は実施例1と同様にして平均粒子径
10μmの疎水性シリカ含有のトナーを得た。
【0105】この疎水性シリカ含有のトナーとフェライ
トキャリアーを用いて乾式普通紙複写機(リコピーFT
3010、株式会社リコー製;以下同じ)で現像を行っ
たところ、複写5000枚目でも地肌カブリのない鮮明
なシアン画像が得られた。また、OHPシートに現像し
透明性を評価したところ、470nmの透過率が92%
であり良好であった。
【0106】次に、C.I.Pigment Yell
ow 17を使用した黄色疎水性シリカ含有のトナーと
組み合わせて現像を行ったところ鮮明な緑色が再現され
た。又、C.I.Pigment Red 122を使
用したマゼンタ色疎水性シリカ含有のトナーとを組み合
わせ現像を行ったところ鮮明な紫色が得られた。更に、
C.I.Pigment Yellow 17を使用し
た黄色疎水性シリカ含有のトナーC.I.Pigmen
t Red 122を使用したマゼンタ色疎水性シリカ
含有のトナーとを組み合わせ現像を行ったところ、原稿
の黒に相当する部分が純黒色に再現された。
【0107】比較例1 製造例1で製造したβ型銅フタロシアニン顔料(a)の
代わりに製造例3で製造したβ型銅フタロシアニン顔料
(c)を用いた以外は実施例1と同様にして平均粒径1
0μmの疎水性シリカ含有のトナーを得た。
【0108】この疎水性シリカ含有のトナーとフェライ
トキャリアーを用いて乾式普通紙複写機(リコピーFT
3010、株式会社リコー製;以下同じ)で現像を行っ
たところ、実施例1で得られたほど鮮明なシアン画像は
得られなかった。また、OHPシートに現像し透明性を
評価したところ、470nmの透過率が86%であり不
良であった。
【0109】また、C.I.Pigment Yell
ow 17を使用した疎水性シリカ含有の黄色トナーと
の組み合わせ、C.I.Pigment Red 12
2を使用した疎水性シリカ含有のマゼンタ色トナーとを
組み合わせ、及びC.I.Pigment Yello
w 17を使用した疎水性シリカ含有の黄色トナーと
C.I.Pigment Red 122を使用した疎
水性シリカ含有のマゼンタ色トナーとを組み合わせでそ
れぞれ現像を行ったが、何れも鮮明でない緑色、紫色及
び黒色となり再現性の悪いものであった。
【0110】
【発明の効果】本発明の静電荷現像用トナーは、用いる
β型銅フタロシアニン顔料のBET比表面積が特定範囲
であり、透明性に非常に優れるため、鮮明なシアン色画
像が得られ、しかも黄色トナー、マゼンタ色トナーとの
組み合わせて使用した場合、色再現性に優れるという格
別顕著な効果を奏する。また、顔料粒子の縦横のアスペ
クト比が1〜3であると、色相が緑味になり、より色再
現性が良好になる。更に、フタロシアニン顔料誘導体を
更に含む前記β型銅フタロシアニン顔料を用いたトナー
は、帯電安定性も良好になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 船倉 省二 千葉県成田市美郷台3丁目4−1−302 Fターム(参考) 2H005 AA21 CA21 CA22 EA07 EA10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂と着色剤とを必須成分として用
    いた静電荷現像用トナーにおいて、着色剤として、BE
    T比表面積が90m2/g以上を有するβ型銅フタロシ
    アニン顔料を用いたことを特徴とする静電荷現像用トナ
    ー。
  2. 【請求項2】 更にフタロシアニン顔料誘導体を含む請
    求項1記載の静電荷現像用トナー。
  3. 【請求項3】 前記フタロシアニン顔料誘導体が、下記
    一般式(I)または(II)で表されるフタロシアニン
    顔料誘導体である請求項2記載の静電荷現像用トナー。 【化1】P−(Y)n ・・・(I) 【化2】P−(A−Z)n ・・・(II) (式中、Pは中心金属を有さないまたは中心金属を有す
    るフタロシアニン環のn個の水素を除いた残基を、Yは
    第1〜3級アミノ基、カルボン酸基、スルホン酸基また
    はそれと塩基或いは金属との塩、Aは炭素数1〜3のア
    ルキレン基,−CO2−,−SO2−または−SO2NH
    (CH2m−であり、Zは第1〜2級アミノ基の窒素原
    子上の水素を少なくとも1つ除いた残基又はフタルイミ
    ド基の窒素原子上の水素を少なくとも1つ除いた残基
    を、そしてmは1〜4を、nは1〜4を表す。)
  4. 【請求項4】 β型銅フタロシアニン顔料1重量部当た
    り、フタロシアニン顔料誘導体が0.01〜0.3重量
    部である請求項1記載の静電荷現像用トナー。
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