JP2004354842A - 静電荷像現像用イエロートナー - Google Patents

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yellow
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Masanori Fujimaki
正典 藤巻
Takashi Sato
隆 佐藤
Hideki Okabe
英樹 岡部
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Abstract

【課題】透明性および鮮明性に優れた画像を形成しつつ、更に耐熱性にもより優れた静電荷像現像用イエロートナーを提供することである。
【解決手段】結着樹脂と着色剤とを必須成分として用いた静電荷像現像用イエロートナーにおいて、着色剤として、下記一般式(1)で表されるエピンドリジオン顔料を用いたことを特徴とする静電荷像現像用イエロートナー。
【化1】
Figure 2004354842

【選択図】 なし。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷などにおける静電荷像を現像するための静電荷像現像用イエロートナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法は、通常、光導電性感光体よりなる静電潜像担持体に帯電、露光により静電潜像を形成し、次いで、この静電潜像を、結着樹脂中に着色剤を含有するトナーによって現像し、得られたトナー像を転写紙等の支持体に転写、定着して可視画像を形成する方法である。
【0003】
このような可視画像を得るためのトナーとして、一般的には、カーボンブラックの如き黒色着色剤を結着樹脂中に分散させたものが多く使用されているが、近年、青色有機顔料、赤色有機顔料又は黄色有機顔料を結着樹脂中に分散させたカラートナーも使用されている。
【0004】
黄色の着色剤としては、一般的には、アゾ系、ベンツイミダゾロン系の各黄色有機顔料(C.I.Pigment Yellow 17、同180等)を結着樹脂中に分散させたものが多く使用されている。
【0005】
しかしながら、上記黄色有機顔料を用いたイエロートナーは、顔料の耐熱性に劣り、トナーの製造時や定着時(ヒートセット過程)の熱分解で退色して透明性および鮮明性に優れる画像を形成することができない、あるいは前記熱分解で有害な分解生成物、それに伴う臭気を発生させる可能性があり、安全衛生上の問題点があった〔特許文献1参照。〕。
【0006】
また、該イエロートナーは前記した様に顔料の耐熱性に劣るため、トナー製造時や定着時、あるいは転写時の温度に制限を受けるという問題点があった。
【0007】
さらに、顔料の耐熱性に優れるものの、逆に隠蔽性が強すぎてしまい、画像の透明性および鮮明性に劣るという問題点もあった〔特許文献2参照。〕。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−288860号公報(第3頁段落番号0009〜0011、第6頁段落番号0045、同頁段落番号0051、同頁段落番号0053、第7頁段落番号0054、同頁段落番号0056〜0057)。
【0009】
【特許文献2】
特開2002−12784号公報(第3頁段落番号0006、第9頁段落番号0071、第10頁段落番号0072、同頁段落番号0075〜0079)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、透明性および鮮明性に優れた画像を形成しつつ、更に耐熱性にもより優れた静電荷像現像用イエロートナーを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは、前記実状に鑑みて鋭意検討した結果、静電荷像現像用イエロートナーの着色剤として、前記黄色有機顔料に代えて、下記一般式(1)で表されるエピンドリジオン顔料を用いることにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
【化2】
Figure 2004354842
【0013】
即ち本発明は、結着樹脂と着色剤とを必須成分として用いた静電荷像現像用イエロートナーにおいて、着色剤として、下記一般式(1)で表されるエピンドリジオン顔料を用いたことを特徴とする静電荷像現像用イエロートナーに関する。
【0014】
【化3】
Figure 2004354842
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の静電荷像現像用イエロートナーに用いられる着色剤としては、下記一般式(1)で表されるエピンドリジオン顔料が挙げられる。
【0016】
【化4】
Figure 2004354842
【0017】
本発明に用いられるエピンドリジオン顔料は、ジヒドロキシフマル酸のエステル化、ハロゲン化アニリンとの脱水縮合、続いて二段階の縮合、環化という四段階の工程を経て製造することができる。
【0018】
本発明に用いられるエピンドリジオン顔料は、色彩的特性、とりわけフルカラー用静電荷像現像用イエロートナーの着色剤として使用した時に、色相が緑味で、透明性および鮮明性が得やすい特徴を有している。
【0019】
さらに本発明では、かかるエピンドリジオン顔料を後記するソルベントソルトミリング法によって、従来よりも透明性および鮮明性により優れた画像を形成することができる。
【0020】
本発明に用いられるエピンドリジオン顔料は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基処理、塩基性基処理等の表面処理、高分子分散剤処理、界面活性剤処理が施されているものを使用してもよい。
【0021】
本発明に用いられるエピンドリジオン顔料は、一次粒子の平均粒子径0.02〜0.3μmであり、且つ一次粒子のアスペクト比1〜2の微細化顔料であることが好ましい。
【0022】
顔料は、一般的に被分散媒体への分散状態におけるその粒子径が小さいほど、これを使用して得られる着色物の透明性が高くなる。したがって、本発明の静電荷像現像用イエロートナーの着色剤に用いられるエピンドリジオン顔料は、一次粒子の平均粒子径が0.02〜0.3μmの範囲にあるものが好ましく、なかでも0.03〜0.1μmの範囲にあるものがより好ましい。
【0023】
さらに、顔料はその粒子形状が針状や棒状ではなく、球状に近くなるほど、これを使用して得られる着色物の鮮明性が高くなる。したがって、本発明の静電荷像現像用イエロートナーの着色剤に用いられるエピンドリジオン顔料は、一次粒子のアスペクト比が1〜2の範囲にあるものが好ましい。
【0024】
顔料がこの様な一次粒子の平均粒子径、且つアスペクト比の範囲内にあると、画像を形成した時に透明性および鮮明性が得やすく、更に十分な色再現性、発色性が得やすい点で好ましい。
【0025】
一方、顔料はその粒子形状が針状や棒状ではなく、球状に近くなるほど、トナー表面から露出しにくく、熱等の外的影響を受けにくくなるため、耐熱性が良好となる。したがって、本発明の静電荷像現像用イエロートナーの着色剤に用いられるエピンドリジオン顔料は、一次粒子のアスペクト比が1〜2の範囲にあるものが好ましい。
【0026】
また、前記エピンドリジオン顔料は、堅牢性に優れたキナクリドン顔料(C.I.Pigment Red 122)の化学構造において、中央のベンゼン環が抜けた構造を有する。したがって、該顔料はこの類似した化学構造に起因して従来のアゾ系、ベンツイミダゾロン系黄色有機顔料に比べて耐熱性が良好となる。
【0027】
以上の理由により、該顔料の粒子形状を球状で、しかも微細化することによって、従来よりも透明性および鮮明性に優れた画像を形成しつつ、更に耐熱性にもより優れたイエロートナーを提供することができる。
【0028】
この該微細化顔料の製造方法については特に制限されるものではないが、例えば、(1)(粗)顔料を硫酸等の強酸に溶解させ、その溶液を冷水中に投入して微細顔料粒子として析出させる〔以下、アシッドペースティング法という。〕、(2)(粗)顔料と食塩等の無機塩の混合物を少量の有機溶剤で湿潤したものを、ニーダー等の機械的剪断力で強く練り込んで微細顔料粒子を得る〔以下、ソルベントソルトミリング法という。〕、(3)(粗)顔料を大過剰の有機溶剤、あるいはそれと水との混合系中で加熱処理〔以下、ソルベント法という。〕した後、ビーズミル等の分散機にかけて微細顔料粒子を得る方法が挙げられる。その他、ドライミリング法、ソルベントミリング法、ソルベント法等が挙げられる。
【0029】
しかしながら、本発明の静電荷像現像用イエロートナーにおいては、顔料の結晶成長を容易に抑制でき、顔料粒子をより均一球状でより微細化された顔料が得られ、より分散性に優れ、より透明性、鮮明性に優れた画像を形成しつつ、更に耐熱性にもより優れたイエロートナーが得られる点で、(2)のソルベントソルトミリング法を採用することが好ましい。
【0030】
ソルベントソルトミリング法とは、(粗)顔料と、無機塩と、有機溶剤とを混練磨砕することを意味する。具体的には、(粗)顔料と、無機塩と、それを溶解しない有機溶剤とを混練機に仕込み、その中で混練磨砕を行う。この際の混練機としては、例えば、ニーダーやミックスマーラー等が使用できる。
【0031】
無機塩としては、水溶性無機塩が好適に使用でき、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を使用することができる。また、平均粒子径が0.5〜50μmの無機塩を使用することが好ましい。この様な無機塩は、通常の無機塩を微粉砕することにより容易に得られる。
【0032】
無機塩の使用量は、特に限定されるものではないが、(粗)顔料1質量部に対して1〜30質量部が好ましく、なかでも10〜20質量部がより好ましい。(粗)顔料に対する無機塩の使用量が多いほど得られる顔料はより微細化する傾向にあるが、最終顔料の品質、処理効率および生産効率の点で上記使用量の範囲が好ましい。
【0033】
有機溶剤としては、結晶成長を抑制し得る有機溶剤を使用することが好ましい。この様な有機溶媒としては、水溶性有機溶剤が好適に使用でき、例えば、ジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングルコール、液体ポリプロピレングリコール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2ー(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングルコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール等が挙げられる。
【0034】
水溶性有機溶剤の使用量は、特に限定されるものではないが、(粗)顔料1質量部に対して0.01〜5質量部が好ましい。
【0035】
この混練磨砕は、例えば、30〜150℃、2〜20時間の範囲で行うことができる。また、この混練磨砕は窒素ガスや希ガスの様な不活性ガスの存在下で行うこともできる。
【0036】
またこの混練磨砕は、磨砕前よりも磨砕後の方が顔料の一次粒子の平均粒子径とアスペクト比が小さく、上記範囲の微細化顔料粒子の混練物となるまで磨砕を行うことが好ましい。
【0037】
こうして混練磨砕により得られた混練物は、湯又は水と混合攪拌して懸濁液となし、湯又は水と、有機溶剤とを濾過等により分離することにより、本発明の静電荷像現像用イエロートナーの着色剤に用いられるエピンドリジオン顔料のウェットケーキを取り出すことができる。この顔料ウェットケーキは湯又は水で洗浄し、乾燥し、粉砕することにより、粉体で微細な粒子径を有するエピンドリジオン顔料を得ることができる。
【0038】
上記エピンドリジオン顔料は、イオン交換水による抽出液の比電導度が150μs/cm以下の範囲にあることが好ましい。
【0039】
エピンドリジオン顔料を本発明の静電荷像現像用イエロートナー用途に用いる場合には、それからトナーの作製や現像剤の調製を行うことになる。ここで混合される顔料の一次粒子の平均粒子径が0.3μmを超えている場合は、顔料自体の耐熱性には優れるものの、逆に隠蔽性が強くなり、これを使用して製造された黄色画像を形成するイエロートナーの透明性が低下する傾向にあるので好ましくない。また、同0.02μmよりも小さい場合は、顔料が凝集しやすくなるために、その分散状態において、かえって平均粒子径の大きい二次粒子を形成することがあり、この場合もまた、黄色画像を形成するイエロートナーの透明性が低下する傾向にあるので好ましくない。さらに、ここで混合される顔料一次粒子のアスペクト比が2より大きくなると、顔料粒子の形状が針状や棒状となるためにトナーの表面から露出しやすく、熱等の外的影響をより受けやすくなるため、耐熱性が悪化する。
【0040】
本発明における顔料一次粒子のアスペクト比および平均一次粒子径は、例えば、日本電子(株)製の透過型電子顕微鏡(型式:JEM−2010)にて倍率60,000倍で撮影した写真より各々算出することができる。
【0041】
本発明における顔料一次粒子の平均粒子径とは、透過型電子顕微鏡で視野内の粒子を撮影し、二次元画像上の(粗)顔料一次粒子の50個につき、その長い方の径(長径)を各々求め、それを平均した値である。この際、試料である顔料は、これを溶媒に超音波分散させてから前記顕微鏡で撮影する。また、透過型電子顕微鏡の代わりに走査型電子顕微鏡を使用してもよい。
【0042】
本発明における顔料一次粒子のアスペクト比(長径対短径比)とは、抽出した顔料粒子50個について各粒子毎に最長径と最短径を計測し、各粒子毎に最長径を最短径で除し、それらの平均を算出したものである。アスペクト比は1以上の数値を示すが、アスペクト比が小さいほど(1に近づくほど)、二次元形状としては正方形に、三次元形状としては立方体に近づくことを意味する。
【0043】
本発明における静電荷像現像用イエロートナーは、静電荷像現像用イエロートナー中に磁性体を含有する一成分色磁性トナー(磁性一成分現像用カラートナー)、磁性体を含有しない非磁性一成分色カラートナー(非磁性一成分現像用カラートナー)、又は、キャリアーを混合した二成分色現像剤用カラートナー(二成分現像用カラートナー)として用いることができる。
【0044】
一成分色磁性トナーは、通常使用されているものと同様に、例えば、着色剤、結着樹脂、磁性粉、電荷制御剤(CCA)や離型剤に代表されるその他添加剤等から構成できる。
【0045】
本発明で用いられる着色剤の静電荷像現像用イエロートナー中に占める割合(含有量)は特に限定されるものではないが、上記イエロートナーを構成する結着樹脂100質量部に対して0.5〜25質量部の割合で使用することが好ましく、着色剤自身の有する帯電性能を一層顕著ならしめる点から結着樹脂100質量部に対し2〜15質量部であることがより好ましい。
【0046】
結着樹脂100質量部に対して着色剤の割合が0.5質量部以下の場合には、隠蔽力が不足して充分な色濃度が得られない点で好ましくない。また、結着樹脂100質量部に対して着色剤の割合が25質量部以上の場合には、色の彩度が損なわれ、また定着特性、帯電特性へ影響が現れる点で好ましくない。
【0047】
本発明の静電荷像現像用イエロートナーに用いられる結着樹脂としては、公知慣用のものがいずれも使用できるが、なかでも、熱又は圧力の適用下で接着性を示す天然樹脂、合成樹脂、天然ゴム、合成ゴム、合成ワックス等が使用できる。
【0048】
本発明において有用な天然樹脂としては、例えば、バルサム樹脂、ロジン、シェラック、コーバル等が挙げられ、これらの樹脂は後記するビニル樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂等から選ばれる1種又はそれ以上の樹脂で変性されていてもよい。
【0049】
また、本発明の静電荷像現像用イエロートナーに用いられる有用な合成樹脂および合成ワックスとしては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリプリピレン、ポリエチレン、フッ素樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル、メラミン樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ビニル樹脂又はこれらの樹脂の各モノマー成分からできる共重合体、脂肪族又は脂環式炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられる。
【0050】
また、本発明の静電荷像現像用イエロートナーに用いられる有用な天然又は合成ゴム物質としては、例えば、天然ゴム、塩素化ゴム、環化ゴム、ポリイソブチレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ポリブタジエンゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、クロロヒドリンゴム等が挙げられる。
【0051】
本発明の静電荷像現像用イエロートナーに用いられる結着樹脂としては、これらに限定されるものではなく、結着樹脂成分の2種以上が適宜混合されたものを使用してもよい。
【0052】
尚、結着樹脂としては、熱定着性を有する結着樹脂が好ましく、ポリスチレン、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂及びエポキシ系樹脂の使用がより好ましい。
【0053】
本発明の静電荷像現像用イエロートナーに用いられる磁性粉としては、特に限定されるものではないが、それ自身の色が再現された色に影響を及ぼしにくいものが好ましく使用でき、例えば、γ−酸化鉄、黄色γ−酸化鉄、フェライト等の酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属、或いはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、錫、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属との合金、ポリ−1,4−ビス(2,2,6,6,−テトラメチル−4−オキシル−4−ピペリジル−1−オキシル)ブタジエンポルフィリン金属錯体の様な有機磁性体及びそれらの混合物等が挙げられる。なかでも色相の面から、黄色γ−酸化鉄の使用がより好ましい。
【0054】
これら磁性粉の粒径は平均粒径0.1〜1μmの範囲が好ましく、なかでも帯電安定性及び色相の点から0.1〜0.5μmの範囲がより好ましい。また、これらをイエロートナーに含有させる量としては結着樹脂100質量部に対して30〜150質量%が好ましく、帯電安定性及び色相の点から結着樹脂100質量部に対して40〜120質量%がより好ましい。
【0055】
本発明の静電荷像現像用イエロートナーは前記した各成分の他に必要に応じてトナーの熱特性、電気特性、物理特性等を調整する目的で各種の可塑剤、抵抗調整剤および電荷制御剤等を更に添加してもよい。
【0056】
可塑剤としては、例えば、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル等が挙げられ、抵抗調整剤としては、例えば、酸化スズ、酸化鉛、酸化アンチモン等が挙げられ、電荷制御剤としては、例えば、四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、含金属染料等が挙げられる。
【0057】
更に、本発明においてはイエロートナー粒子の製造後、これにTiO、Al、SiO等の微粉末を添加してイエロートナーの流動性改良を図ったり、ステアリン酸亜鉛、フタル酸等を添加して感光体の劣化防止を図っても良い。TiO、Al、SiO等の微粉末は、平均粒子径が0.02μm以下の微粉末と、平均粒子径が0.03〜1μmの微粉末とを併用する様にすると、より連続印刷を行った場合に、長期に亘って良好な画像が得られる。
【0058】
本発明の静電荷像現像用イエロートナーは、特定の製造方法に依らず極めて一般的な製造方法によって得ることができる。例えば、前記した各成分を押出機、2本ロール、3本ロール又は加熱ニーダー等の混練手段により混合し、冷却後、ジェットミル等の粉砕機で粉砕し、風力分級機により分級する、いわゆる粉砕法といわれる方法により本発明の目的とする静電荷像現像用イエロートナーが得られる。また、上記粉砕法以外にも、乳化分散法、懸濁重合法等により本発明の目的とするイエロートナーを得ることもできる。
【0059】
本発明の静電荷像現像用イエロートナーの粒子径は5〜15μmが好ましい。
【0060】
二成分色現像剤用静電荷像現像用イエロートナーとして用いる場合も、前記した様な一成分色磁性トナーに使用されているものと同じ着色剤、結着樹脂、およびその他添加剤等を使用することができる。
【0061】
更に、本発明の静電荷像現像用イエロートナーに用いられるキャリアとしては、例えば、鉄粉、ニッケル粉、フェライト粉、ガラスビーズ、或いはこれらを芯材とし表面にスチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル重合体、メタクリル酸エステル重合体、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、アイオノマー樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等又はこれらの樹脂の混合物をコーティングしたものが挙げられ、その粒子径は50〜300μmが好ましい。
【0062】
二成分色現像剤用静電荷像現像用イエロートナーは、これらのキヤリア粒子と本発明の静電荷像現像用イエロートナーとを水平円筒形、V形等の容器回転型混合機で摩擦混合することによって得ることができる。
【0063】
また、キャリアと静電荷像現像用イエロートナーとの混合比は、適切な画像濃度を得るために通常、キャリア100質量部に対して静電荷像現像用イエロートナー2〜10質量部の範囲で使用できるが、なかでも静電荷像現像用イエロートナー3〜6質量部の範囲で使用することがより好ましい。
【0064】
こうして得られた本発明の静電荷像現像用イエロートナーは、被記録媒体上に画像を形成させるために用いられる。被記録媒体としては、例えば、紙、合成樹脂フィルム、金属箔等が挙げられる。
【0065】
また本発明の静電荷像現像用イエロートナーは、前記した耐熱性に優れるエピンドリジオン顔料を含有するため、高度な熱履歴を受けるトナー製造時や定着時、あるいは転写時に温度の制限を受けることがなく、さらに、前記過程の熱分解で有害な分解生成物、あるいはそれに伴う臭気の発生も見られず、環境面への影響が少ない、安全衛生上にも優れたものである。
【0066】
本発明の静電荷像現像用イエロートナーは、前記した様にその製造方法に特に制限されるものではないが、より好ましい方法としては以下に示す通りである。
【0067】
まずスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の結着樹脂100質量部と、着色剤である前記エピンドリジオン顔料2〜15質量部、必要に応じて結着樹脂100質量部当たり40〜120質量部の磁性体粉末、電荷制御剤、ワックスを、前記結着樹脂の溶融する温度で混練し、分級粉砕して、体積平均粒子径5〜15μmの乾式粉体静電荷像現像用イエロートナーを得る。
【0068】
このイエロートナー100質量部に、前記したものよりも平均粒子径が小さい疎水性シリカ0.3〜5質量部を外部より添加して、イエロートナーの粒子表面に前記シリカ粒子を付着させ、磁性または非磁性一成分現像用乾式粉体静電荷像現像用イエロートナーとすることができる。
【0069】
尚、二成分現像法に上記イエロートナーを用いる場合には、キャリア100質量部当たりイエロートナー3〜6質量部を混合して、現像剤とすることができる。
【0070】
【実施例】
次に、本発明を実施例と比較例により詳細に説明する。以下、特に断りがない限り、「部」は質量部、「%」は質量%とする。
【0071】
[製造例1](エピンドリジオン微細化顔料の製造)
エピンドリジオン粗顔料15部、粉砕した塩化ナトリウム225部、ジエチレングリコール55部を双腕型の卓上小型1リットルニーダーに仕込み、50℃〜60℃で5時間混練した。混練後、80℃の1%塩酸水溶液1500部に取り出し、1時間攪拌後、濾過、湯洗、乾燥、粉砕し、色相が緑味鮮明であるエピンドリジオン微細化顔料を得た。該微細化顔料の一次粒子のアスペクト比および平均粒子径については、透過型電子顕微鏡JEM−2010(日本電子(株)製)で測定し、一次粒子のアスペクト比は1.5、一次粒子の平均粒子径は0.03μmであった。
【0072】
(静電荷像現像用イエロートナーの製造)
[実施例1]
スチレン−アクリル酸共重合体(ハイマーSBM100、三洋化成工業(株)製)100部、前記製造例1で製造したエピンドリジオン微細化顔料5部、黄色γ−酸化鉄(MAPICO Y−LOP、チタン工業(株)製)40部を押出機で混練後、ジェットミルで分級粉砕して平均粒子径が10μmのイエロートナーを得た。次いでこのイエロートナーに疎水性シリカ(アエロジル R−972、日本アエロジル社製)を1%混合して一成分イエロー色磁性トナーを得た。
【0073】
(現像剤の調製と現像試験)
この一成分イエロー色磁性トナーをキャリア(フェライトキャリア F−150、パウダーテック社製)100部に対して5部加え、摩擦混合させて現像剤を得た。この現像剤を用いて、乾式普通紙複写機(リコピー FT3010、(株)リコー製)で現像試験を実施した結果、複写5000枚でもカブリのない、透明性および鮮明性に優れたイエロー画像が得られた。
【0074】
[比較例1]
エピンドリジオン微細化顔料に代えてアゾ系黄色有機顔料(C.I.Pigment Yellow 17、大日本インキ化学工業(株)製のSymulerFast Yellow 8GF lot.93385、一次粒子のアスペクト比は2.5〜6、一次粒子の平均粒子径は0.11μm)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。比較例1の現像剤を用いて、乾式普通紙複写機で現像試験を行った結果、製造例1の顔料に比べて耐熱性が劣っているために、これを使用した現像剤から得られたイエロー画像は不鮮明で色再現性に欠けるものであった。
【0075】
[比較例2]
エピンドリジオン微細化顔料に代えてベンツイミダゾロン系黄色有機顔料(C.I.Pigment Yellow 180、クラリアント社製のTonerYellow HG lot.30001、一次粒子のアスペクト比は3〜6、一次粒子の平均粒子径は0.25μm)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。比較例2の現像剤を用いて、乾式普通紙複写機で現像試験を行った結果、製造例1の顔料に比べて耐熱性がやや劣っているために、これを使用した現像剤から得られたイエロー画像は不鮮明で色再現性に欠けるものであった。
【0076】
以上の結果から明らかなように、本発明のエピンドリジオン顔料を用いた静電荷像現像用イエロートナーは、従来のアゾ系、ベンツイミダゾロン系黄色有機顔料を用いたものに比べて耐熱性に優れるゆえ、現像試験において連続複写後もカブリがなく、初期画像と同等の品質(透明性および鮮明性に優れる)を有するイエロー画像が再現性良く得られることが判った。
【0077】
また本発明の前記イエロートナーは、耐熱性に優れるため、トナー製造時や定着時、あるいは転写時に温度の制限を受けることもなく、さらに、前記過程の熱分解で有害な分解生成物、あるいはそれに伴う臭気の発生も見られず、環境面への影響が少ない、安全衛生上にも優れたものである。
【0078】
【発明の効果】
本発明の静電荷像現像用イエロートナーは、着色剤として前記した構造を有するエピンドリジオン顔料を用いることにより、透明性および鮮明性により優れた画像を形成しつつ、更に耐熱性にもより優れるという格別顕著な効果を奏する。したがって、本発明の静電荷像現像用イエロートナーは、色再現性に優れたフルカラー画像形成用イエロートナーとして最適である。

Claims (3)

  1. 結着樹脂と着色剤とを必須成分として用いた静電荷像現像用イエロートナーにおいて、着色剤として、下記一般式(1)で表されるエピンドリジオン顔料を用いたことを特徴とする静電荷像現像用イエロートナー。
    Figure 2004354842
  2. エピンドリジオン顔料が、一次粒子の平均粒子径0.02〜0.3μmであり、且つ一次粒子のアスペクト比1〜2の微細化顔料である請求項1記載の静電荷像現像用イエロートナー。
  3. エピンドリジオン顔料が、ソルベントソルトミリング法により得られる微細化顔料である請求項1または2記載の静電荷像現像用イエロートナー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2298551A1 (en) 2009-09-01 2011-03-23 Fujifilm Corporation Gas barrier film and device

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