JP3468542B2 - 難燃性長繊維不織布及びその製造方法 - Google Patents

難燃性長繊維不織布及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、難燃性能、機械的特性
及び柔軟性に優れる難燃性長繊維不織布及びその製造方
法に関するものである。本発明で製造される難燃性長繊
維不織布は、従来の長繊維不織布と同様に、土木資材、
農業資材、一般工業資材等の分野で広く適用できる。
【0002】
【従来の技術】一般に、ポリエステル、特にポリエチレ
ンテレフタレ−トは、優れた機械的特性及び化学的特性
を有し、衣料用、産業資材用として広範囲に利用されて
いる。
【0003】ところで、近年、火災予防の観点から、合
成繊維の難燃性への要請が強まっている。従来、ポリエ
ステルに難燃性を付与する試みは種々なされており、ポ
リエステルにリン化合物を含有させる方法が有効である
とされている。
【0004】難燃性長繊維不織布製造の技術は、例え
ば、特開平4−281016号公報に開示されている。
その要旨は、リン含有ポリエステルと、このポリエステ
ルより融点が20℃以上低いポリエステルとの複合繊維
からなる熱接着繊維である。しかし、低融点成分として
使用されるポリエステルは、その融点をかなり低下させ
る必要があるため、多量の共重合成分を添加しなければ
ならず、ポリエステルが本来有している優れた機械的特
性が損なわれているという問題がある。
【0005】一方、特開平4−300325号公報に
は、本発明と類似したシ−ス/コアからなる複合繊維が
提案されている。しかし、中空でなければならないた
め、その形状の安定性を保つため、使用するポリマ−の
溶融粘度特性が限定され、操業上、大きな問題が生じ
る。
【0006】難燃性能、機械的特性及び柔軟性に優れる
長繊維不織布は、いまだ得られていないのが現状であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑み、前記問題点を解決して、難燃性能、機械的
特性及び柔軟性に優れる長繊維不織布及びその製造方法
を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、 (1)芯鞘型複合繊維の芯成分及び鞘成分のいずれもが
リン原子を含有する難燃性ポリエステルからなり、鞘成
分の含リンポリエステルの融点が芯成分の含リンポリエ
ステルの融点より10℃以上低く、この繊維のリン原子
含有率が500ppm以上であり、鞘成分のリン原子含
有率の方が芯成分のリン原子含有率よりも高く、この繊
維の集合体が熱圧着されていることを特徴とする難燃性
長繊維不織布と、 (2)(1)において不織布を構成する複合繊維の鞘成
分のポリエステルと芯成分のポリエステルとの複合比
が、鞘成分のポリエステル20〜80重量%に対し、芯
成分のポリエステル80〜20重量%であることを特徴
とする難燃性長繊維不織布と、 (3)いずれもがリン原子を含有する鞘成分ポリエステ
ルと芯成分ポリエステルとで構成され、鞘成分の含リン
ポリエステルの融点が芯成分の含リンポリエステルの融
点より10℃以上低い芯鞘状の吐出糸条を、エア−サッ
カ−にて引取り、この吸引糸条をスクリ−ンコンベヤ等
の移動式捕集面上に開繊し堆積させて、繊維のリン原子
含有率が500ppm以上かつ鞘成分のリン原子含有率
の方が芯成分のリン原子含有率よりも高いウエブを形成
し、このウエブを、ポイント熱圧着装置を用いて、鞘成
分ポリエステルの融点よりも10℃以上低い温度で、熱
圧着された部位の面積率が5〜50%となるように、部
分的に熱圧着することを特徴とする難燃性長繊維不織布
の製造方法と、を要旨とするものである。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。まず、本
発明に使用するリン原子を含有する鞘成分及び芯成分ポ
リエステルは、リン化合物がポリエステルに共重合され
るタイプが好ましい。なぜなら、リン化合物がポリエス
テルにブレンドされた状態で存在すると、製糸工程にお
いてリン化合物が繊維表面ににじみ出たり揮散したりし
て、製糸操業性の低下(エア−サッカ−の吸引効率低
下)や作業環境の悪化をきたすからである。
【0010】共重合可能なリン化合物のうち、エステル
形成性官能基を2個有し、しかもリン原子が直接ポリマ
−連鎖の中に組み込まれないタイプのリン化合物が、重
合反応中に揮散しにくいので歩留りが高いうえに、ポリ
マ−の重合反応中にゲル化を生じることがなく、また、
生成するポリマ−の耐加水分解性が高くなるので、より
好ましい。
【0011】このようなリン化合物としては、下記化1
式のような化合物が例示される。
【0012】
【化1】
【0013】上記化学式で示されるリン化合物をポリエ
ステルに共重合させるためには、ポリエステルを製造す
る際に、リン化合物をそのまま反応系に添加して反応さ
せてもよいし、テレフタル酸、イソフタル酸等のジカル
ボン酸やエチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル等
のジオ−ルと反応させて、モノマ−、オリゴマ−または
ポリマ−の形にして添加してもよい。
【0014】鞘成分のポリエステルと芯成分のポリエス
テルとにおける各々のリン原子含有率は、繊維中のリン
原子含有率が500ppm以上となることが必要であ
る。ここで肝要なことは、鞘成分のポリエステルと芯成
分のポリエステルとの融点差が少なくとも10℃以上と
なるようにリン原子含有率を設定すべきである。上記理
由により、鞘成分のポリエステルのリン原子含有率
5,000〜20,000ppm、さらに好ましくは、
7,000〜15,000ppmとするのがよい。一
方、芯成分のポリエステルのリン原子含有率は1,00
0〜8,000ppm、さらに好ましくは、2,000
〜6,000ppmとするのがよい。
【0015】繊維中のリン化合物の含有率があまりにも
低いと、不織布の難燃性能が劣る結果となる。逆に、あ
まりにも高いと、製糸工程において糸切れが多発した
り、ポリエステル本来の優れた機械的特性、耐熱性能等
が損なわれるため好ましくない。
【0016】本発明の不織布を形成する繊維は、鞘成分
及び芯成分のいずれもがリン化合物を含有するポリエス
テルであるとともに、芯成分が鞘成分より10℃以上融
点の高いポリエステルである芯鞘型複合繊維である。鞘
成分及び芯成分のポリエステルの主体となる構成単位が
エチレンテレフタレ−トの場合は、鞘成分のポリエステ
ルの融点は210〜240℃、そして、芯成分のポリエ
ステルの融点は245〜255℃となるのが好ましい。
また、その特性を損なわない範囲で、イソフタル酸、5
−スルホイソフタル酸、ジエチレンングリコ−ル等の成
分が共重合されたものであっても差支えない。
【0017】また、鞘芯両成分とも、必要に応じて各種
の添加剤、例えば艶消し剤、顔料、光安定剤、熱安定
剤、酸化防止剤等を添加してあってもよい。芯鞘両成分
の融点差が10℃に満たない場合には、ウエブの熱圧着
工程において芯成分までもが熱劣化し、機械的性能及び
柔軟性に劣る不織布しか得られないこととなる。
【0018】また、複合断面形状は芯鞘型複合断面であ
ることが必要であるが、同心型、偏心型のいずれであっ
ても差支えない。鞘成分の含リンポリエステルと芯成分
の含リンポリエステルとの複合比は、鞘成分のポリエス
テル20〜80重量%に対し、芯成分のポリエステル8
0〜20重量%の範囲でなければならない。
【0019】鞘成分のポリエステルの複合比が20重量
%未満であると、繊維強力には優れるものの接着強力に
劣り、また、難燃性能が劣る不織布しか得られないこと
となる。逆に、これが80重量%を越えると、接着強力
には優れるものの繊維強力、柔軟性に劣る不織布しか得
られないこととなる。上記理由及び断面形状の安定性よ
り、好ましくは、鞘成分ポリエステル:芯成分ポリエス
テル=30〜70:70〜30重量%、さらに好ましく
は、40〜60:60〜40重量%がよい。
【0020】ここで、肝要なことは、芯鞘型複合断面に
おいて、リン原子の含有量が多いポリエステルを鞘側に
配置するとともに、この鞘成分ポリエステルよりもリン
原子の含有量が少なくかつ融点の高いポリエステルを芯
側に配置することである。この配置にすれば、ウエブの
熱圧着工程において、鞘成分は熱と圧力により溶融ある
いは軟化のため繊維の結晶構造が乱れるが、芯成分はこ
の熱と圧力によっては繊維の結晶構造が乱れることはな
い。すなわち、全融タイプではなく熱圧着されている部
位においても芯成分が補強材となっているため、優れた
機械的特性及び柔軟性のある不織布が得られる。
【0021】例えば、この配置が逆であると、鞘成分を
熱と圧力により溶融あるいは軟化させると、芯成分も鞘
成分と同様に繊維の結晶構造が乱れることとなる。すな
わち、全融タイプであるがために芯成分が補強材とはな
らない。その結果、機械的特性及び柔軟性に劣る不織布
しか得られないこととなる。
【0022】本発明にもとづく芯鞘型複合繊維は、従来
公知の複合溶融紡糸装置を用いて得ることができる。ま
た、芯鞘両成分の紡糸温度は、各成分の融点より20〜
60℃高い温度が適用される。
【0023】口金より吐出された糸条は、横吹付や環状
吹付等の冷却装置にて冷却固化され、その後、一般的に
口金下に配設されたエア−サッカ−を用いて目的繊度と
なるように牽引細化されて引取られる。ここで肝要なこ
とは、吐出糸条の牽引速度を4,000m/分以上、よ
り好ましくは、4,500m/分以上にすべきである。
4,000m/分以下であると、繊維の熱収縮率が大と
なり、得られる不織布は寸法安定性に劣ることとなる。
【0024】エア−サッカ−から排出された糸条群は、
一般的には、高圧電場中のコロナ放電域か、または、摩
擦衝突帯域を通過されて帯電開繊された後、スクリ−ン
からなるコンベヤのような移動堆積装置上に開繊堆積さ
れ、それによってウエブが形成される。
【0025】次いで、得られたウエブは、ポイント熱圧
着装置を用いて部分的に熱圧着される。熱圧着装置にお
ける温度は、鞘成分ポリエステルの融点より10℃以上
低くすべきである。10℃未満であると、不織布が剛直
化して柔軟性が得られないばかりか、機械的特性におい
て低タフネスの不織布しか得られないこととなる。この
部分的な熱圧着は、通常の熱エンボスロ−ルや超音波溶
着装置を用いて実施することができる。ポイント熱圧着
における圧着部の形態は、丸形、楕円形、菱形、三角
形、T形、#形等の任意の形状でよい。また、圧着面積
率を5〜50%とするのが好ましい。すなわち、熱圧着
された部位:熱圧着されていない部位=1:1〜19と
するのが好ましい。圧着面積率が50%を越えると、得
られる不織布が剛直化し、柔軟性が得られない。また、
5%未満であると、機械的性能及び形態保持性にトラブ
ルをきたす。
【0026】次に、本発明に関する物性値の測定方法に
ついて説明する。 ◇固有粘度:フエノ−ルと四塩化エタンの等重量混合溶
液を溶媒とし、温度20℃で測定した。
【0027】◇融点:パーキンエルマ社製示差走査型熱
量計DSC−2型を用い、昇温速度20℃/分で測定し
た融解吸熱曲線の極値を与える温度を融点とした。 ◇リン原子含有量:蛍光X線により定量した。
【0028】◇繊度:万能投影機にて繊経を測定し、密
度補正を行ない求めた。 ◇不織布の引張強力:東洋ボールドウイン社製テンシロ
ンUTM−4−1−100を用い、JIS L 109
6に記載のストリップ法にしたがい、試料幅5cm,試
料長10cmの試料片を10個準備し、引張速度10c
m/分の条件で最大引張強力を個々に測定し、その平均
値より求めた。
【0029】◇不織布の引張伸度:上記方法で測定した
最大引張強力時の伸度より求めた。 ◇不織布のト−タルハンド:これは柔軟性を示すもの
で、JIS L 1096のハンドルオメ−タ−法に準
じ、スリット幅1cmで測定した。
【0030】◇難燃性能 ・炭化長:(財)日本防災協会、防炎製品認定委員会制
定の「防炎製品の性能試験基準」に基づく45°メセナ
ミン法により測定した。
【0031】・LOI(臨界酸素指数):JIS K
7201に準拠して測定した。 以下、本発明を、実施例により、さらに具体的に説明す
る。 実施例−1 ビス(β−ヒドロキシエチルテレフタレ−ト)及びその
オリゴマ−に下記の化2式で示される化合物をリン原子
重量として10,000ppmとなるように添加して重
縮合反応を行い、リン原子を含有する鞘成分ポリエステ
ルA1 ([η]=0.58)を得た。
【0032】なお、この場合、化2式で示される化合物
の歩留りはほぼ100%であり、添加した全量が鞘成分
ポリエステルA1中に残存した。一方、これとは別に、
鞘成分ポリエステルA1 に化2式の化合物をリン原子重
量として5,000ppmとなるように添加して重縮合
反応を行い、リン原子を含有する芯成分ポリエステルB
1 ([η]=0.62)を得た。
【0033】なお、この場合、化2式で示される化合物
の歩留りはほぼ100%であり、添加した全量がポリエ
ステルA1 及びB1 に残存した。
【0034】
【化2】
【0035】ポリエステルA1 を鞘成分、ポリエステル
B1 を芯成分に配置する複合紡糸孔を240孔有する口
金を通して、芯鞘型複合長繊維を溶融紡出した。溶融紡
出に際し、鞘成分ポリエステルA1 の溶融温度を265
℃、単孔吐出量を0.8g/分、芯成分ポリエステルB
1 の溶融温度を275℃、単孔吐出量を0.8g/分、
鞘成分ポリエステルA1 と芯成分ポリエステルB1 との
複合比=50/50重量%とした。紡出した長繊維糸条
を冷却装置にて冷却した後、口金下125cmの位置に
配設された6個のエア−サッカ−にこの糸条を40本ず
つ通して吸引し、4,600m/分の速度で引取り、帯
電装置により強制的に帯電させて開繊し、ウエブを得
た。次いで、ポイント熱圧着装置としてエンボスロ−ラ
−を用いて、このウエブを熱圧着し、目付け=20g/
2 の不織布を得た。得られた不織布の性能を表1中に
示す。 実施例−2、3 実施例−1と同一条件であるが、鞘成分ポリエステルA
1 及び芯成分ポリエステルB1 において前記化2式で示
されるリン化合物の添加量を変更して、最終的に繊維中
のリン原子含有量が表1に示す量になるようにした。そ
して、エア−サッカ−の吸引速度及びエンボスロ−ラ−
の温度を最適化する以外は実施例−1と同一条件とし
て、不織布を得た。得られた不織布の性能を、表1中に
示す。 実施例−4 リン化合物として下記化3式で示される化合物を使用し
すること以外は実施例−1と同様にして、リン原子を含
有する鞘成分ポリエステルA2 ([η]=0.60)及
び芯成分ポリエステルB2 ([η]=0.58)を得
た。
【0036】
【化3】
【0037】鞘成分としてポリエステルA1 の代わりに
ポリエステルA2 を用い、そして芯成分としてポリエス
テルB1 の代わりにポリエステルB2 を用い、エア−サ
ッカ−の吸引速度及びエンボスロ−ラ−の温度を最適化
する以外は、実施例−1と同一条件下にて不織布を得
た。得られた不織布の性能を、表1中に示す。 比較例−1 エンボスロ−ラ−の温度を本発明の範囲外である230
℃に変更した以外は、実施例−1と同一条件下にて不織
布を得た。得られた不織布の性能を、表1中に示す。 比較例−2 実施例−1と同一条件であるが、化2式のリン化合物の
添加量を変更して、最終的に繊維中のリン原子含有量を
表1に示すように本発明の範囲外である量となるように
した。そして、エア−サッカ−の吸引速度及びエンボス
ロ−ラ−の温度を最適化する以外は実施例−1と同一条
件下として、不織布を得た。得られた不織布の性能を、
表1中に示す。 比較例−3 鞘成分及び芯成分を、ポリエステルA1 及びポリエステ
ルB1 の代わりにポリエチレンテレフタレ−トとし、エ
ア−サッカ−の吸引速度及びエンボスロ−ラ−の温度を
最適化する以外は、実施例−1と同一条件として、不織
布を得た。得られた不織布の性能を、表1中に示す。
【0038】なお、(財)日本防災協会、防炎製品認定
委員会の定める防炎製品の認定に必要な難燃性能試験基
準は、寝具類の詰物がプラスチック発泡体の場合、45
°メセナミン法において、炭化長の最大値が120cm
以下、平均値が100cm以下である。長繊維不織布に
ついては、特に性能基準は定められていないので、一応
プラスチック発泡体の基準値を参考とする。また、LO
Iは、25〜26以上が難燃素材の基準とされる。
【0039】表1より、下記の点が明らかである。実施
例−1では、製糸性、難燃性能、機械的特性、柔軟性の
いずれにおいても優れた不織布が得られた。実施例−2
のリン原子含有量を増加させた場合には、エア−サッカ
−の吸引速度がやや低下するものの、難燃性能、機械的
特性、柔軟性のいずれにおいても優れた不織布が得られ
た。実施例−3のリン原子含有量を本発明の範囲内で減
少させた場合には、難燃性能はやや低下するものの、製
糸性、機械的特性、柔軟性のいずれにおいても優れた不
織布が得られた。実施例−4のように鞘成分及び芯成分
をポリエステルA2 及びポリエステルB2 に変更した場
合においても、製糸性、難燃性能、機械的特性、柔軟性
のいずれについても優れた不織布が得られた。
【0040】比較例−1のようにエンボスロ−ラ−の温
度を本発明の範囲外である230℃に変更した場合にお
いては、あまりにも温度が高すぎるため、得られた不織
布は、フイルム化して機械的特性において低タフネスの
物性しか有していなかった。また、柔軟性が極端に欠け
ていた。比較例−2のように繊維中のリン原子含有量が
本発明の範囲外である場合においては、あまりにもリン
原子含有量が少なすぎるため、そして、鞘成分であるポ
リエステルA1 と芯成分であるポリエステルB1 との融
点差が小さいため、得られた不織布は、機械的特性にお
いてやや低タフネスの物性であるばかりか、難燃性能も
劣っていた。比較例−3のように鞘成分及び芯成分をポ
リエチレンテレフタレ−トにした場合には、繊維が全融
タイプであるため、機械的特性及び難燃性能とも劣る不
織布しか得られなかった。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、難
燃性能、機械的特性、柔軟性のいずれにおいても優れた
不織布を得ることができる。
フロントページの続き (72)発明者 見正 伸夫 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ 株式会社中央研究所内 (72)発明者 米沢 安広 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ 株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 平3−137261(JP,A) 特開 平4−289220(JP,A) 特開 平3−64520(JP,A) 特公 昭55−41610(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D04H 1/42,3/00 - 3/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯鞘型複合繊維の鞘成分及び芯成分のい
    ずれもがリン原子を含有する難燃性ポリエステルからな
    り、鞘成分の含リンポリエステルの融点が芯成分の含リ
    ンポリエステルの融点より10℃以上低く、この繊維の
    リン原子含有率が500ppm以上であり、鞘成分のリ
    ン原子含有率の方が芯成分のリン原子含有率よりも高
    く、この繊維の集合体が熱圧着されていることを特徴と
    する難燃性長繊維不織布。
  2. 【請求項2】 不織布を構成する複合繊維の鞘成分のポ
    リエステルと芯成分のポリエステルとの複合比が、鞘成
    分のポリエステル20〜80重量%に対し、芯成分のポ
    リエステル80〜20重量%であることを特徴とする請
    求項1記載の難燃性長繊維不織布。
  3. 【請求項3】 いずれもがリン原子を含有する鞘成分ポ
    リエステルと芯成分ポリエステルとで構成され、鞘成分
    の含リンポリエステルの融点が芯成分の含リンポリエス
    テルの融点より10℃以上低い芯鞘状の吐出糸条を、エ
    ア−サッカ−にて引取り、この吸引糸条をスクリ−ンコ
    ンベヤ等の移動式補集面上に開繊し堆積させて、繊維の
    リン原子含有率が500ppm以上かつ鞘成分のリン原
    子含有率の方が芯成分のリン原子含有率よりも高いウエ
    ブを形成し、このウエブを、ポイント熱圧着装置を用い
    て、鞘成分ポリエステルの融点よりも10℃以上低い温
    度で、熱圧着された部位の面積率が5〜50%となるよ
    うに、部分的に熱圧着することを特徴とする難燃性長繊
    維不織布の製造方法。
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