JP3178934B2 - 難燃性長繊維不織布及びその製造方法 - Google Patents
難燃性長繊維不織布及びその製造方法Info
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- JP3178934B2 JP3178934B2 JP4846293A JP4846293A JP3178934B2 JP 3178934 B2 JP3178934 B2 JP 3178934B2 JP 4846293 A JP4846293 A JP 4846293A JP 4846293 A JP4846293 A JP 4846293A JP 3178934 B2 JP3178934 B2 JP 3178934B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、難燃性能、機械的特
性、柔軟性及び嵩高性に優れる難燃性長繊維不織布及び
その製造方法に関するものである。本発明で製造される
難燃性長繊維不織布は、従来の長繊維不織布と同様に、
土木資材、農業資材、一般工業資材等の分野で広く適用
できる。
性、柔軟性及び嵩高性に優れる難燃性長繊維不織布及び
その製造方法に関するものである。本発明で製造される
難燃性長繊維不織布は、従来の長繊維不織布と同様に、
土木資材、農業資材、一般工業資材等の分野で広く適用
できる。
【0002】
【従来の技術】一般に、ポリエステル、特にポリエチレ
ンテレフタレ−トは、優れた機械的特性及び化学的特性
を有し、衣料用、産業資材用として広範囲に利用されて
いる。
ンテレフタレ−トは、優れた機械的特性及び化学的特性
を有し、衣料用、産業資材用として広範囲に利用されて
いる。
【0003】ところで、近年、火災予防の観点から、合
成繊維の難燃性への要請が強まっている。従来、ポリエ
ステルに難燃性を付与する試みは種々なされており、ポ
リエステルにリン化合物を含有させる方法が有効である
とされている。
成繊維の難燃性への要請が強まっている。従来、ポリエ
ステルに難燃性を付与する試みは種々なされており、ポ
リエステルにリン化合物を含有させる方法が有効である
とされている。
【0004】難燃性長繊維不織布製造の技術は、例え
ば、特開平4−281016号公報に開示されている。
その要旨は、リン含有ポリエステルと、このポリエステ
ルより融点が20℃以上低いポリエステルとの複合繊維
からなる熱接着繊維である。しかし、低融点成分として
使用されるポリエステルは、その融点をかなり低下させ
る必要があるため、多量の共重合成分を添加しなければ
ならず、ポリエステルが本来有している優れた耐熱性及
び機械的特性が損なわれているという問題がある。
ば、特開平4−281016号公報に開示されている。
その要旨は、リン含有ポリエステルと、このポリエステ
ルより融点が20℃以上低いポリエステルとの複合繊維
からなる熱接着繊維である。しかし、低融点成分として
使用されるポリエステルは、その融点をかなり低下させ
る必要があるため、多量の共重合成分を添加しなければ
ならず、ポリエステルが本来有している優れた耐熱性及
び機械的特性が損なわれているという問題がある。
【0005】一方、特開平4−300325号公報に
は、本発明と類似した芯鞘タイプからなる複合繊維が提
案されている。しかし、中空でなければならないため、
その形状の安定性を保つため、使用するポリマ−の溶融
粘度特性が限定され、操業上、大きな問題が生じる。
は、本発明と類似した芯鞘タイプからなる複合繊維が提
案されている。しかし、中空でなければならないため、
その形状の安定性を保つため、使用するポリマ−の溶融
粘度特性が限定され、操業上、大きな問題が生じる。
【0006】難燃性能、機械的特性、柔軟性及び嵩高性
に優れる長繊維不織布は、いまだ得られていないのが現
状である。
に優れる長繊維不織布は、いまだ得られていないのが現
状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑み、前記問題点を解決して、難燃性能、機械的
特性、柔軟性及び嵩高性に優れる長繊維不織布及びその
製造方法を提供するものである。
現状に鑑み、前記問題点を解決して、難燃性能、機械的
特性、柔軟性及び嵩高性に優れる長繊維不織布及びその
製造方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、 (1)リン原子を含有する第一成分のポリエステルと、
この第一成分のポリエステルよりも10℃以上融点が高
くかつこの第一成分のポリエステルよりも粘度が低い第
二成分のポリエステルとからなる並列型複合繊維を含
み、この繊維のリン原子含有量が500ppm以上であ
り、この繊維の集合体が熱圧着されて不織布が構成され
ており、この不織布の30%伸張時の伸張回復率が縦横
共に20%以上であり、圧縮剛軟度が目付け当り2g以
下であり、嵩密度が0.1g/cm3 以下であることを
特徴とする難燃性長繊維不織布と、 (2)(1)において、第二成分のポリエステルがポリ
エチレンテレフタレ−トであり、不織布を構成する複合
繊維の第一成分のポリエステルとポリエチレンテレフタ
レ−トとの複合比が、第一成分のポリエステル20〜8
0重量%に対し、ポリエチレンテレフタレ−ト80〜2
0重量%である難燃性長繊維不織布と、 (3)(1)の難燃性長繊維不織布を製造するための方
法であって、リン原子を含有する第一成分のポリエステ
ルと、この第一成分のポリエステルよりも10℃以上融
点の高い第二成分のポリエステルとにより構成された並
列型複合吐出糸条を、エア−サッカ−にて引取り、この
吸引糸条をスクリ−ンコンベヤ等の移動式補集面上に開
繊し堆積させて、繊維のリン含有量が500ppm以上
のウエブを形成し、このウエブを、ポイント熱圧着装置
を用いて第一成分のポリエステルの融点よりも10℃以
上低い温度で、熱圧着された部位の面積率が5〜25%
となるように部分的に熱圧着し、かつそれと同時にまた
はその後に、弛緩熱処理を行うことを特徴とする難燃性
長繊維不織布の製造方法と、を要旨とするものである。
この第一成分のポリエステルよりも10℃以上融点が高
くかつこの第一成分のポリエステルよりも粘度が低い第
二成分のポリエステルとからなる並列型複合繊維を含
み、この繊維のリン原子含有量が500ppm以上であ
り、この繊維の集合体が熱圧着されて不織布が構成され
ており、この不織布の30%伸張時の伸張回復率が縦横
共に20%以上であり、圧縮剛軟度が目付け当り2g以
下であり、嵩密度が0.1g/cm3 以下であることを
特徴とする難燃性長繊維不織布と、 (2)(1)において、第二成分のポリエステルがポリ
エチレンテレフタレ−トであり、不織布を構成する複合
繊維の第一成分のポリエステルとポリエチレンテレフタ
レ−トとの複合比が、第一成分のポリエステル20〜8
0重量%に対し、ポリエチレンテレフタレ−ト80〜2
0重量%である難燃性長繊維不織布と、 (3)(1)の難燃性長繊維不織布を製造するための方
法であって、リン原子を含有する第一成分のポリエステ
ルと、この第一成分のポリエステルよりも10℃以上融
点の高い第二成分のポリエステルとにより構成された並
列型複合吐出糸条を、エア−サッカ−にて引取り、この
吸引糸条をスクリ−ンコンベヤ等の移動式補集面上に開
繊し堆積させて、繊維のリン含有量が500ppm以上
のウエブを形成し、このウエブを、ポイント熱圧着装置
を用いて第一成分のポリエステルの融点よりも10℃以
上低い温度で、熱圧着された部位の面積率が5〜25%
となるように部分的に熱圧着し、かつそれと同時にまた
はその後に、弛緩熱処理を行うことを特徴とする難燃性
長繊維不織布の製造方法と、を要旨とするものである。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。まず、本
発明に使用するリン原子を含有する第一成分のポリエス
テルは、リン化合物がポリエステルに共重合されるタイ
プが好ましい。なぜなら、リン化合物がポリエステルに
ブレンドされた状態で存在すると、製糸工程においてリ
ン化合物が繊維表面ににじみ出たり揮散したりして、製
糸操業性の低下(エア−サッカ−の吸引効率低下)や作
業環境の悪化をきたすからである。
発明に使用するリン原子を含有する第一成分のポリエス
テルは、リン化合物がポリエステルに共重合されるタイ
プが好ましい。なぜなら、リン化合物がポリエステルに
ブレンドされた状態で存在すると、製糸工程においてリ
ン化合物が繊維表面ににじみ出たり揮散したりして、製
糸操業性の低下(エア−サッカ−の吸引効率低下)や作
業環境の悪化をきたすからである。
【0010】共重合可能なリン化合物のうち、エステル
形成性官能基を2個有し、しかもリン原子が直接ポリマ
−連鎖の中に組み込まれないタイプのリン化合物が、重
合反応中に揮散しにくいので歩留りが高いうえに、ポリ
マ−の重合反応中にゲル化を生じることがなく、また、
生成するポリマ−の耐加水分解性が高くなるので、より
好ましい。
形成性官能基を2個有し、しかもリン原子が直接ポリマ
−連鎖の中に組み込まれないタイプのリン化合物が、重
合反応中に揮散しにくいので歩留りが高いうえに、ポリ
マ−の重合反応中にゲル化を生じることがなく、また、
生成するポリマ−の耐加水分解性が高くなるので、より
好ましい。
【0011】このようなリン化合物としては、下記化1
式のような化合物が例示される。
式のような化合物が例示される。
【0012】
【化1】
【0013】上記化学式で示されるリン化合物をポリエ
ステルに共重合させるためには、ポリエステルを製造す
る際に、リン化合物をそのまま反応系に添加して反応さ
せてもよいし、テレフタル酸、イソフタル酸等のジカル
ボン酸やエチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル等
のジオ−ルと反応させて、モノマ−、オリゴマ−または
ポリマ−の形にして添加してもよい。
ステルに共重合させるためには、ポリエステルを製造す
る際に、リン化合物をそのまま反応系に添加して反応さ
せてもよいし、テレフタル酸、イソフタル酸等のジカル
ボン酸やエチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル等
のジオ−ルと反応させて、モノマ−、オリゴマ−または
ポリマ−の形にして添加してもよい。
【0014】リン原子を含有する第一成分のポリエステ
ルにおけるリン化合物の添加量は、繊維中のリン原子含
有量が500ppm以上となることが肝要である。好ま
しくは1,000〜20,000ppm、さらに好まし
くは2,500〜10,000ppmとなるようにする
のがよい。リン化合物の含有量があまりにも少ないと、
不織布の難燃性能が劣る結果となる。逆に、あまりにも
多いと、製糸工程において糸切れが多発したり、ポリエ
ステル本来の優れた機械的特性、耐熱性能等が損なわれ
るため好ましくない。
ルにおけるリン化合物の添加量は、繊維中のリン原子含
有量が500ppm以上となることが肝要である。好ま
しくは1,000〜20,000ppm、さらに好まし
くは2,500〜10,000ppmとなるようにする
のがよい。リン化合物の含有量があまりにも少ないと、
不織布の難燃性能が劣る結果となる。逆に、あまりにも
多いと、製糸工程において糸切れが多発したり、ポリエ
ステル本来の優れた機械的特性、耐熱性能等が損なわれ
るため好ましくない。
【0015】本発明の不織布を形成する繊維は、リン原
子を含有する第一成分のポリエステルと、この第一成分
のポリエステルの融点よりも10℃以上融点の高い第二
成分のポリエステルとからなる並列型複合繊維である。
第一成分のポリエステルの主体となる構成単位がエチレ
ンテレフタレ−トの場合は、融点が225〜245℃と
なるのが好ましい。
子を含有する第一成分のポリエステルと、この第一成分
のポリエステルの融点よりも10℃以上融点の高い第二
成分のポリエステルとからなる並列型複合繊維である。
第一成分のポリエステルの主体となる構成単位がエチレ
ンテレフタレ−トの場合は、融点が225〜245℃と
なるのが好ましい。
【0016】本発明の第二成分のポリエステルは、エチ
レンテレフタレ−ト単位を主たる構成成分とするポリエ
チレンテレフタレ−トであるが、その特性を損なわない
範囲で、イソフタル酸、5−スルホイソフタル酸、ジエ
チレンングリコ−ル等の成分が共重合されたものであっ
ても差支えない。
レンテレフタレ−ト単位を主たる構成成分とするポリエ
チレンテレフタレ−トであるが、その特性を損なわない
範囲で、イソフタル酸、5−スルホイソフタル酸、ジエ
チレンングリコ−ル等の成分が共重合されたものであっ
ても差支えない。
【0017】また、両成分共、必要に応じて各種の添加
剤、例えば艶消し剤、顔料、光安定剤、熱安定剤、酸化
防止剤等を添加してあってもよい。さらに、複合断面形
状は並列型複合断面であることが必要であるが、第二成
分のポリエステルの一部が繊維軸表面に連続して位置す
るいわゆる偏心芯鞘型であっても差支えない。また、丸
形断面に限らず異形断面であってもよい。
剤、例えば艶消し剤、顔料、光安定剤、熱安定剤、酸化
防止剤等を添加してあってもよい。さらに、複合断面形
状は並列型複合断面であることが必要であるが、第二成
分のポリエステルの一部が繊維軸表面に連続して位置す
るいわゆる偏心芯鞘型であっても差支えない。また、丸
形断面に限らず異形断面であってもよい。
【0018】第一成分のポリエステルと第二成分のポリ
エステルとを選択するのに肝要なことは、両成分の融点
差を10℃以上に設定することにある。融点差が10℃
未満であると、ウエブの熱圧着工程において、両成分と
も熱と圧力により溶融あるいは軟化して、繊維の結晶構
造が乱れ、機械的特性、柔軟性及び嵩高性に劣る不織布
しか得られないこととなる。融点差を10℃以上に設定
することにより、熱圧着工程において、第一成分のポリ
エステルは熱と圧力とによって溶融あるいは軟化するた
め繊維の結晶構造が乱れるが、第二成分のポリエステル
は結晶構造が乱れることはなく、いわゆる補強材となる
ため、機械的特性、柔軟性及び嵩高性に優れる不織布が
得られる。
エステルとを選択するのに肝要なことは、両成分の融点
差を10℃以上に設定することにある。融点差が10℃
未満であると、ウエブの熱圧着工程において、両成分と
も熱と圧力により溶融あるいは軟化して、繊維の結晶構
造が乱れ、機械的特性、柔軟性及び嵩高性に劣る不織布
しか得られないこととなる。融点差を10℃以上に設定
することにより、熱圧着工程において、第一成分のポリ
エステルは熱と圧力とによって溶融あるいは軟化するた
め繊維の結晶構造が乱れるが、第二成分のポリエステル
は結晶構造が乱れることはなく、いわゆる補強材となる
ため、機械的特性、柔軟性及び嵩高性に優れる不織布が
得られる。
【0019】また、不織布の伸縮性能に大きな影響を付
与するのは、両成分の溶融粘度である。熱収縮率に関
し、同一粘度であれば、リン原子を含有する第一成分の
ポリエステルの方が第二成分のポリエステルよりも熱収
縮率が高い。また、同一素材であれば、高粘度物質の方
が低粘度物質よりも熱収縮率が高い。すなわち、高収縮
の繊維を得ようとするなら、第一成分のポリエステルの
粘度を第二成分のポリエステルの粘度よりも高く設定す
べきである。逆に、第一成分のポリエステルの粘度を第
二成分のポリエステルの粘度より低く設定すると、両糸
条の熱収縮率が相殺されて低収縮の繊維しか得られない
結果となる。しかしながら、両成分の粘度差をあまりに
も大きくすると、口金において紡出糸条のニ−リング角
度が極端に大となるため、安定した紡糸性が得られない
こととなる。
与するのは、両成分の溶融粘度である。熱収縮率に関
し、同一粘度であれば、リン原子を含有する第一成分の
ポリエステルの方が第二成分のポリエステルよりも熱収
縮率が高い。また、同一素材であれば、高粘度物質の方
が低粘度物質よりも熱収縮率が高い。すなわち、高収縮
の繊維を得ようとするなら、第一成分のポリエステルの
粘度を第二成分のポリエステルの粘度よりも高く設定す
べきである。逆に、第一成分のポリエステルの粘度を第
二成分のポリエステルの粘度より低く設定すると、両糸
条の熱収縮率が相殺されて低収縮の繊維しか得られない
結果となる。しかしながら、両成分の粘度差をあまりに
も大きくすると、口金において紡出糸条のニ−リング角
度が極端に大となるため、安定した紡糸性が得られない
こととなる。
【0020】さらに、第一成分のポリエステルと第二成
分のポリエステルとの複合比は、第一成分のポリエステ
ル20〜80重量%に対し、第二成分のポリエステル8
0〜20重量%の範囲でなければならない。第一成分の
ポリエステルの複合比が20重量%未満であると、繊維
強力には優れるものの接着強力に劣り、また、伸縮性
能、嵩高性及び難燃性能が劣る不織布しか得られないこ
ととなる。逆に、80重量%を越えると、口金において
紡出糸条のニ−リング角度が極端に大となって紡糸安定
性に欠けるとともに、繊維強力、伸縮性能、柔軟性及び
嵩高性が劣る不織布しか得られないこととなる。上記理
由及び断面形状の安定性より、好ましくは、第一成分の
ポリエステル:第二成分のポリエステル=30〜70:
70〜30重量%、さらに好ましくは、40〜60:6
0〜40重量%がよい。
分のポリエステルとの複合比は、第一成分のポリエステ
ル20〜80重量%に対し、第二成分のポリエステル8
0〜20重量%の範囲でなければならない。第一成分の
ポリエステルの複合比が20重量%未満であると、繊維
強力には優れるものの接着強力に劣り、また、伸縮性
能、嵩高性及び難燃性能が劣る不織布しか得られないこ
ととなる。逆に、80重量%を越えると、口金において
紡出糸条のニ−リング角度が極端に大となって紡糸安定
性に欠けるとともに、繊維強力、伸縮性能、柔軟性及び
嵩高性が劣る不織布しか得られないこととなる。上記理
由及び断面形状の安定性より、好ましくは、第一成分の
ポリエステル:第二成分のポリエステル=30〜70:
70〜30重量%、さらに好ましくは、40〜60:6
0〜40重量%がよい。
【0021】本発明にもとづく並列型複合繊維は、従来
公知の複合溶融紡糸装置を用いて得ることができる。第
一成分のポリエステルの紡糸温度は250〜280℃、
さらに好ましくは、260〜270℃である。一方、第
二成分のポリエステルとしてのポリエチレンテレフタレ
−トの紡糸温度は、275〜295℃、さらに好ましく
は、280〜290℃が適用される。
公知の複合溶融紡糸装置を用いて得ることができる。第
一成分のポリエステルの紡糸温度は250〜280℃、
さらに好ましくは、260〜270℃である。一方、第
二成分のポリエステルとしてのポリエチレンテレフタレ
−トの紡糸温度は、275〜295℃、さらに好ましく
は、280〜290℃が適用される。
【0022】口金より吐出された糸条は、横吹付や環状
吹付等の冷却装置にて冷却固化され、その後、一般的に
口金下に配設されたエア−サッカ−を用いて目的繊度と
なるように牽引細化されて引取られる。ここで肝要なこ
とは、吐出糸条の牽引速度を4000m/分以上、より
好ましくは、4500m/分以上にすべきである。40
00m/分以下であると、ポリエチレンテレフタレ−ト
部位の熱収縮率までもが大となり、高次加工の熱処理を
行うと不織布は極端に剛直化し使用に耐えなくなる。
吹付等の冷却装置にて冷却固化され、その後、一般的に
口金下に配設されたエア−サッカ−を用いて目的繊度と
なるように牽引細化されて引取られる。ここで肝要なこ
とは、吐出糸条の牽引速度を4000m/分以上、より
好ましくは、4500m/分以上にすべきである。40
00m/分以下であると、ポリエチレンテレフタレ−ト
部位の熱収縮率までもが大となり、高次加工の熱処理を
行うと不織布は極端に剛直化し使用に耐えなくなる。
【0023】エア−サッカ−から排出された糸条群は、
一般的には、高圧電場中のコロナ放電域か、または、摩
擦衝突帯域を通過されて帯電開繊された後、スクリ−ン
からなるコンベヤのような移動堆積装置上に開繊堆積さ
れ、それによってウエブが形成される。
一般的には、高圧電場中のコロナ放電域か、または、摩
擦衝突帯域を通過されて帯電開繊された後、スクリ−ン
からなるコンベヤのような移動堆積装置上に開繊堆積さ
れ、それによってウエブが形成される。
【0024】次いで、得られたウエブは、ポイント熱圧
着装置を用いて部分的に熱圧着される。熱圧着装置にお
ける温度は、第一成分のポリエステルの融点より10℃
以上低くすべきである。10℃未満であると、不織布が
剛直化して柔軟性及び嵩高性が得られないばかりか、機
械的特性におりて低タフネスの不織布しか得られないこ
ととなる。この部分的な熱圧着は、通常の熱エンボスロ
−ルや超音波溶着装置を用いて実施することができる。
ポイント熱圧着における圧着部の形態は、丸形、楕円
形、菱形、三角形、T形、#形等の任意の形状でよい。
また、圧着面積率、すなわち熱圧着された部位と熱圧着
されていない部位との比を5〜25%とするのが好まし
い。圧着面積率が25%を越えると、得られる不織布が
剛直化し、高次加工の弛緩熱処理を施しても、柔軟性及
び嵩高性に劣るものしか得られない。また、5%未満で
あると、機械的性能及び形態保持性にトラブルをきた
す。上記理由により、さらに好ましい圧着面積率は7〜
20%である。
着装置を用いて部分的に熱圧着される。熱圧着装置にお
ける温度は、第一成分のポリエステルの融点より10℃
以上低くすべきである。10℃未満であると、不織布が
剛直化して柔軟性及び嵩高性が得られないばかりか、機
械的特性におりて低タフネスの不織布しか得られないこ
ととなる。この部分的な熱圧着は、通常の熱エンボスロ
−ルや超音波溶着装置を用いて実施することができる。
ポイント熱圧着における圧着部の形態は、丸形、楕円
形、菱形、三角形、T形、#形等の任意の形状でよい。
また、圧着面積率、すなわち熱圧着された部位と熱圧着
されていない部位との比を5〜25%とするのが好まし
い。圧着面積率が25%を越えると、得られる不織布が
剛直化し、高次加工の弛緩熱処理を施しても、柔軟性及
び嵩高性に劣るものしか得られない。また、5%未満で
あると、機械的性能及び形態保持性にトラブルをきた
す。上記理由により、さらに好ましい圧着面積率は7〜
20%である。
【0025】弛緩熱処理を施す理由は、潜在化している
捲縮能を発現させること、あるいは、顕在化している捲
縮をより強く発現させるためである。熱処理装置として
は、熱風循環ドライヤ−、熱風還流ドライヤ−、サクシ
ョンドライヤ−等を適用でき、第一成分のポリエステル
の融点及び不織布の目標伸縮性能に応じて処理温度と処
理時間を選択すればよい。
捲縮能を発現させること、あるいは、顕在化している捲
縮をより強く発現させるためである。熱処理装置として
は、熱風循環ドライヤ−、熱風還流ドライヤ−、サクシ
ョンドライヤ−等を適用でき、第一成分のポリエステル
の融点及び不織布の目標伸縮性能に応じて処理温度と処
理時間を選択すればよい。
【0026】本発明による難燃性不織布は、30%伸張
時の伸張回復率が縦横とも20%以上であることが必要
である。ここで不織布の縦とは、不織布製造時における
機械の配列方向をいい、不織布の横とは、この縦方向と
直交する方向をいう。不織布の縦または横のいずれか一
方でも20%未満であると、本発明の目的とする伸縮性
を得ることができない。
時の伸張回復率が縦横とも20%以上であることが必要
である。ここで不織布の縦とは、不織布製造時における
機械の配列方向をいい、不織布の横とは、この縦方向と
直交する方向をいう。不織布の縦または横のいずれか一
方でも20%未満であると、本発明の目的とする伸縮性
を得ることができない。
【0027】また、本発明による不織布の圧縮剛軟度
は、目付け当り2g以下である。圧縮剛軟度は不織布の
柔軟性を表わすものであり、圧縮剛軟度の値が小さいほ
ど柔軟性に富むものとなる。目付け当り2gを越える
と、不織布の柔軟性が低下して粗硬感が表われるので好
ましくない。
は、目付け当り2g以下である。圧縮剛軟度は不織布の
柔軟性を表わすものであり、圧縮剛軟度の値が小さいほ
ど柔軟性に富むものとなる。目付け当り2gを越える
と、不織布の柔軟性が低下して粗硬感が表われるので好
ましくない。
【0028】また、本発明による不織布の嵩密度は、
0.1g/cm3 以下である。嵩密度は不織布の嵩高性
を表わすものであり、この値が小さいほど嵩高性に富む
ものとなる。0.1g/cm3 を越えると、本発明の目
的とする不織布を得ることができない。
0.1g/cm3 以下である。嵩密度は不織布の嵩高性
を表わすものであり、この値が小さいほど嵩高性に富む
ものとなる。0.1g/cm3 を越えると、本発明の目
的とする不織布を得ることができない。
【0029】次に、本発明に関する物性値の測定方法に
ついて説明する。 ◇固有粘度:フエノ−ルと四塩化エタンの等重量混合溶
液を溶媒とし、温度20℃で測定した。
ついて説明する。 ◇固有粘度:フエノ−ルと四塩化エタンの等重量混合溶
液を溶媒とし、温度20℃で測定した。
【0030】◇融点:パーキンエルマ社製示差走査型熱
量計DSC−2型を用い、昇温速度20℃/分で測定し
た融解吸熱曲線の極値を与える温度を融点とした。 ◇リン原子含有量:蛍光X線により定量した。
量計DSC−2型を用い、昇温速度20℃/分で測定し
た融解吸熱曲線の極値を与える温度を融点とした。 ◇リン原子含有量:蛍光X線により定量した。
【0031】◇繊度:万能投影機にて繊経を測定し、密
度補正を行ない求めた。 ◇不織布の引張強力:東洋ボールドウイン社製テンシロ
ンUTM−4−1−100を用い、JIS L 109
6に記載のストリップ法にしたがい、試料幅5cm,試
料長10cmの試料片を10個準備し、引張速度10c
m/分の条件で最大引張強力を個々に測定し、その平均
値より求めた。
度補正を行ない求めた。 ◇不織布の引張強力:東洋ボールドウイン社製テンシロ
ンUTM−4−1−100を用い、JIS L 109
6に記載のストリップ法にしたがい、試料幅5cm,試
料長10cmの試料片を10個準備し、引張速度10c
m/分の条件で最大引張強力を個々に測定し、その平均
値より求めた。
【0032】◇不織布の引張伸度:上記方法で測定した
最大引張強力時の伸度より求めた。 ◇不織布の伸張回復率:東洋ボールドウイン社製テンシ
ロンUTM−4−1−100を用い、JIS L 10
96に記載のストリップ法にしたがい、試料幅5cm、
試料長10cmの試料片を引張速度10cm/分で引張
試験を実施し、図1に示すように伸度が30%の時点の
強力、伸度曲線を描き、XとYの面積を測定して、次式
により求めた。
最大引張強力時の伸度より求めた。 ◇不織布の伸張回復率:東洋ボールドウイン社製テンシ
ロンUTM−4−1−100を用い、JIS L 10
96に記載のストリップ法にしたがい、試料幅5cm、
試料長10cmの試料片を引張速度10cm/分で引張
試験を実施し、図1に示すように伸度が30%の時点の
強力、伸度曲線を描き、XとYの面積を測定して、次式
により求めた。
【0033】伸張回復率(%)=100Y/(X+Y) ◇不織布の圧縮剛軟度:試料幅(縦方向)5cm,試料
長(横方向)10cmの試料片を5個準備して、個々の
試料片を横方向に曲げて円筒状とし、その端部を接合し
て試料とした後、東洋ボールドウイン社製テンシロンU
TM−4−1−100を用い、5cm/分の圧縮速度で
試料を縦方向に圧縮し、その最大荷重時の応力を測定
し、その平均値を圧縮剛軟度とした。
長(横方向)10cmの試料片を5個準備して、個々の
試料片を横方向に曲げて円筒状とし、その端部を接合し
て試料とした後、東洋ボールドウイン社製テンシロンU
TM−4−1−100を用い、5cm/分の圧縮速度で
試料を縦方向に圧縮し、その最大荷重時の応力を測定
し、その平均値を圧縮剛軟度とした。
【0034】◇不織布の嵩密度:試料幅(縦方向)10
cm,試料長(横方向)10cmの試料片を5個準備し
て、個々の試料片ごとに目付けを測定した後、大栄科学
精機製作所製の厚さ測定器を用いて、4.5g/cm2
の荷重を印加し、10秒放置した後の厚さを測定し、次
式により嵩密度を算出して、その平均値を不織布の嵩密
度とした。
cm,試料長(横方向)10cmの試料片を5個準備し
て、個々の試料片ごとに目付けを測定した後、大栄科学
精機製作所製の厚さ測定器を用いて、4.5g/cm2
の荷重を印加し、10秒放置した後の厚さを測定し、次
式により嵩密度を算出して、その平均値を不織布の嵩密
度とした。
【0035】嵩密度(g/cm3 )=(目付け)/(厚
さ)/1000 ◇難燃性能 ・炭化長:(財)日本防災協会、防炎製品認定委員会制
定の「防炎製品の性能試験基準」に基づく45°メセナ
ミン法により測定した。
さ)/1000 ◇難燃性能 ・炭化長:(財)日本防災協会、防炎製品認定委員会制
定の「防炎製品の性能試験基準」に基づく45°メセナ
ミン法により測定した。
【0036】・LOI(臨界酸素指数):JIS K
7201に準拠して測定した。 以下、本発明を、実施例により、さらに具体的に説明す
る。 実施例−1 ビス(β−ヒドロキシエチルテレフタレ−ト)及びその
オリゴマ−に下記の化2式で示される化合物をリン原子
重量として10,000ppmとなるように添加して重
縮合反応を行い、リン原子を含有する第一成分のポリエ
ステルA1 ([η]=0.73)を得た。なお、この場
合、化2式で示される化合物の歩留りはほぼ100%で
あり、添加した全量が第一成分のポリエステルA1中に
残存した。
7201に準拠して測定した。 以下、本発明を、実施例により、さらに具体的に説明す
る。 実施例−1 ビス(β−ヒドロキシエチルテレフタレ−ト)及びその
オリゴマ−に下記の化2式で示される化合物をリン原子
重量として10,000ppmとなるように添加して重
縮合反応を行い、リン原子を含有する第一成分のポリエ
ステルA1 ([η]=0.73)を得た。なお、この場
合、化2式で示される化合物の歩留りはほぼ100%で
あり、添加した全量が第一成分のポリエステルA1中に
残存した。
【0037】
【化2】
【0038】一方、これとは別に、リン原子を含有しな
いポリエチレンテレフタレ−ト(第二成分のポリエステ
ル、[η]=0.68、融点258℃・・・以降PET
と呼称する)を得た。
いポリエチレンテレフタレ−ト(第二成分のポリエステ
ル、[η]=0.68、融点258℃・・・以降PET
と呼称する)を得た。
【0039】ポリエステルA1 を第一成分に、PETを
第二成分に配置する複合紡糸孔を240孔有する口金を
通して、並列型複合長繊維を溶融紡出した。溶融紡出に
際し、第一成分のポリエステルA1 の溶融温度を265
℃、単孔吐出量を0.8g/分、PETの溶融温度を2
85℃、単孔吐出量を0.8g/分、第一成分のポリエ
ステルA1 とPETとの複合比=50/50重量%とし
た。紡出した長繊維糸条を冷却装置にて冷却した後、口
金下120cmの位置に配設された6個のエア−サッカ
−にこの糸条を40本ずつ通して吸引し、4,500m
/分の速度で引取り、帯電装置により強制的に帯電させ
て開繊し、ウエブを得た。次いで、ポイント熱圧着装置
としてエンボスロ−ラ−を用いて、このウエブを熱圧着
し、不織布を得た。次いで、得られた不織布を熱風乾燥
機にて処理温度:210℃、処理時間:15秒の条件化
で熱処理を行ない、最終的に目付け20g/m2 の不織
布を得た。得られた不織布の性能を表1中に示す。 実施例−2、3 実施例−1と同一条件であるが、化2式で示されるリン
化合物の添加量を変更して、最終的に繊維中のリン原子
含有量が表1に示す量になるようにした。そして、エア
−サッカ−の吸引速度及びエンボスロ−ラ−の温度、熱
処理温度を最適化する以外は実施例−1と同一条件とし
て、不織布を得た。得られた不織布の性能を表1中に示
す。 実施例−4 リン化合物として下記化3式で示される化合物を使用す
ること以外は、実施例−1と同様にして、リン原子を含
有する第一成分のポリエステルA2 ([η]=0.7
2)を得た。
第二成分に配置する複合紡糸孔を240孔有する口金を
通して、並列型複合長繊維を溶融紡出した。溶融紡出に
際し、第一成分のポリエステルA1 の溶融温度を265
℃、単孔吐出量を0.8g/分、PETの溶融温度を2
85℃、単孔吐出量を0.8g/分、第一成分のポリエ
ステルA1 とPETとの複合比=50/50重量%とし
た。紡出した長繊維糸条を冷却装置にて冷却した後、口
金下120cmの位置に配設された6個のエア−サッカ
−にこの糸条を40本ずつ通して吸引し、4,500m
/分の速度で引取り、帯電装置により強制的に帯電させ
て開繊し、ウエブを得た。次いで、ポイント熱圧着装置
としてエンボスロ−ラ−を用いて、このウエブを熱圧着
し、不織布を得た。次いで、得られた不織布を熱風乾燥
機にて処理温度:210℃、処理時間:15秒の条件化
で熱処理を行ない、最終的に目付け20g/m2 の不織
布を得た。得られた不織布の性能を表1中に示す。 実施例−2、3 実施例−1と同一条件であるが、化2式で示されるリン
化合物の添加量を変更して、最終的に繊維中のリン原子
含有量が表1に示す量になるようにした。そして、エア
−サッカ−の吸引速度及びエンボスロ−ラ−の温度、熱
処理温度を最適化する以外は実施例−1と同一条件とし
て、不織布を得た。得られた不織布の性能を表1中に示
す。 実施例−4 リン化合物として下記化3式で示される化合物を使用す
ること以外は、実施例−1と同様にして、リン原子を含
有する第一成分のポリエステルA2 ([η]=0.7
2)を得た。
【0040】
【化3】
【0041】第一成分のポリエステルA1 の代わりに第
一成分のポリエステルA2 を用い、エア−サッカ−の吸
引速度及びエンボスロ−ラ−の温度を最適化する以外
は、実施例−1と同一条件下にて不織布を得た。得られ
た不織布の性能を表1中示す。 比較例−1 エンボスロ−ラ−の温度を本発明の範囲外である230
℃に変更した以外は、実施例−1と同一条件下にて不織
布を得た。得られた不織布の性能を表1中に示す。 比較例−2 実施例−1と同一条件であるが、化2式のリン化合物の
添加量を変更して、最終的に繊維中のリン原子含有量を
表1に示すように本発明の範囲外である量となるように
した。そして、エア−サッカ−の吸引速度とエンボスロ
−ラ−温度と熱処理温度とを最適化する以外は実施例−
1と同一条件として、不織布を得た。得られた不織布の
性能を、表1中に示す。 比較例−3 第一成分としてポリエステルA1 の代わりにPETを用
い、エア−サッカ−の吸引速度とエンボスロ−ラ−温度
と熱処理温度とを最適化する以外は実施例−1と同一条
件として、不織布を得た。得られた不織布の性能を、表
1中に示す。
一成分のポリエステルA2 を用い、エア−サッカ−の吸
引速度及びエンボスロ−ラ−の温度を最適化する以外
は、実施例−1と同一条件下にて不織布を得た。得られ
た不織布の性能を表1中示す。 比較例−1 エンボスロ−ラ−の温度を本発明の範囲外である230
℃に変更した以外は、実施例−1と同一条件下にて不織
布を得た。得られた不織布の性能を表1中に示す。 比較例−2 実施例−1と同一条件であるが、化2式のリン化合物の
添加量を変更して、最終的に繊維中のリン原子含有量を
表1に示すように本発明の範囲外である量となるように
した。そして、エア−サッカ−の吸引速度とエンボスロ
−ラ−温度と熱処理温度とを最適化する以外は実施例−
1と同一条件として、不織布を得た。得られた不織布の
性能を、表1中に示す。 比較例−3 第一成分としてポリエステルA1 の代わりにPETを用
い、エア−サッカ−の吸引速度とエンボスロ−ラ−温度
と熱処理温度とを最適化する以外は実施例−1と同一条
件として、不織布を得た。得られた不織布の性能を、表
1中に示す。
【0042】なお、(財)日本防災協会、防炎製品認定
委員会の定める防炎製品の認定に必要な難燃性能試験基
準は、寝具類の詰物がプラスチック発泡体の場合、45
°メセナミン法において、炭化長の最大値が120cm
以下、平均値が100cm以下である。長繊維不織布に
ついては、特に性能基準は定められていないので、一応
プラスチック発泡体の基準値を参考とする。また、LO
Iは、25〜26以上が難燃素材の基準とされる。
委員会の定める防炎製品の認定に必要な難燃性能試験基
準は、寝具類の詰物がプラスチック発泡体の場合、45
°メセナミン法において、炭化長の最大値が120cm
以下、平均値が100cm以下である。長繊維不織布に
ついては、特に性能基準は定められていないので、一応
プラスチック発泡体の基準値を参考とする。また、LO
Iは、25〜26以上が難燃素材の基準とされる。
【0043】表1より明らかなように、実施例−1で
は、製糸性、難燃性能、機械的特性、柔軟性及び嵩高性
のいずれにおいても優れた不織布が得られた。実施例−
2のリン原子含有量を増加させた場合には、エア−サッ
カ−の吸引速度がやや低下するものの、難燃性能、機械
的特性、柔軟性及び嵩高性のいずれにおいても優れた不
織布が得られた。実施例−3のリン原子含有量を本発明
の範囲内で減少させた場合には、難燃性能はやや低下す
るものの、製糸性、機械的特性、柔軟性及び嵩高性のい
ずれにおいても優れた不織布が得られた。実施例−4の
ように第一成分をポリエステルA2 に変更した場合に
も、製糸性、難燃性能、機械的特性、柔軟性及び嵩高性
のいずれにおいても優れた不織布が得られた。
は、製糸性、難燃性能、機械的特性、柔軟性及び嵩高性
のいずれにおいても優れた不織布が得られた。実施例−
2のリン原子含有量を増加させた場合には、エア−サッ
カ−の吸引速度がやや低下するものの、難燃性能、機械
的特性、柔軟性及び嵩高性のいずれにおいても優れた不
織布が得られた。実施例−3のリン原子含有量を本発明
の範囲内で減少させた場合には、難燃性能はやや低下す
るものの、製糸性、機械的特性、柔軟性及び嵩高性のい
ずれにおいても優れた不織布が得られた。実施例−4の
ように第一成分をポリエステルA2 に変更した場合に
も、製糸性、難燃性能、機械的特性、柔軟性及び嵩高性
のいずれにおいても優れた不織布が得られた。
【0044】比較例−1のようにエンボスロ−ラ−の温
度を本発明の範囲外である230℃に変更した場合にお
いては、あまりにもエンボスロ−ラ−の温度が高すぎる
ため、得られた不織布は、フイルム化して機械的特性に
おいて低タフネスの物性しか有していなかった。また、
柔軟性、嵩高性が極端に欠けていた。比較例−2のよう
に繊維中のリン原子含有量が本発明の範囲外である場合
においては、あまりにもリン原子含有量が少なすぎるた
め、そして、第一成分のポリエステルA1 とPETとの
融点差が小さいため、得られた不織布は、柔軟性、嵩高
性に著しく劣るばかりか難燃性能も劣っていた。比較例
−3のように第一成分をポリエステルA1 に代えPET
にした場合には、繊維が全融タイプであるため、機械的
特性、柔軟性、嵩高性及び難燃性能とも劣る不織布しか
得られなかった。
度を本発明の範囲外である230℃に変更した場合にお
いては、あまりにもエンボスロ−ラ−の温度が高すぎる
ため、得られた不織布は、フイルム化して機械的特性に
おいて低タフネスの物性しか有していなかった。また、
柔軟性、嵩高性が極端に欠けていた。比較例−2のよう
に繊維中のリン原子含有量が本発明の範囲外である場合
においては、あまりにもリン原子含有量が少なすぎるた
め、そして、第一成分のポリエステルA1 とPETとの
融点差が小さいため、得られた不織布は、柔軟性、嵩高
性に著しく劣るばかりか難燃性能も劣っていた。比較例
−3のように第一成分をポリエステルA1 に代えPET
にした場合には、繊維が全融タイプであるため、機械的
特性、柔軟性、嵩高性及び難燃性能とも劣る不織布しか
得られなかった。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、難
燃性能、機械的特性、柔軟性のいずれにおいても優れた
不織布を得ることができる。
燃性能、機械的特性、柔軟性のいずれにおいても優れた
不織布を得ることができる。
【図1】本発明に関する不織布の伸長回復率を説明する
ための図である。
ための図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮原 芳基 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ 株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−6910(JP,A) 特開 昭50−121524(JP,A) 特開 昭56−31059(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D04H 1/00 - 18/00 D01F 8/00 - 8/18
Claims (3)
- 【請求項1】 リン原子を含有する第一成分のポリエス
テルと、この第一成分のポリエステルよりも10℃以上
融点が高くかつこの第一成分のポリエステルよりも粘度
が低い第二成分のポリエステルとからなる並列型複合繊
維を含み、この繊維のリン原子含有量が500ppm以
上であり、この繊維の集合体が熱圧着されて不織布が構
成されており、この不織布の30%伸張時の伸張回復率
が縦横共に20%以上であり、圧縮剛軟度が目付け当り
2g以下であり、嵩密度が0.1g/cm3 以下である
ことを特徴とする難燃性長繊維不織布。 - 【請求項2】 第二成分のポリエステルがポリエチレン
テレフタレ−トであり、不織布を構成する複合繊維の第
一成分のポリエステルとポリエチレンテレフタレ−トと
の複合比が、第一成分のポリエステル20〜80重量%
に対し、ポリエチレンテレフタレ−ト80〜20重量%
であることを特徴とする請求項1記載の難燃性長繊維不
織布。 - 【請求項3】 請求項1に記載の難燃性長繊維不織布を
製造するための方法であって、リン原子を含有する第一
成分のポリエステルと、この第一成分のポリエステルよ
りも10℃以上融点の高い第二成分のポリエステルとに
より構成された並列型複合吐出糸条を、エア−サッカ−
にて引取り、この吸引糸条をスクリ−ンコンベヤ等の移
動式補集面上に開繊し堆積させて、繊維のリン原子含有
量が500ppm以上のウエブを形成し、このウエブ
を、ポイント熱圧着装置を用いて第一成分のポリエステ
ルの融点よりも10℃以上低い温度で、熱圧着された部
位の面積率が5〜25%となるように部分的に熱圧着
し、かつそれと同時にまたはその後に、弛緩熱処理を行
うことを特徴とする難燃性長繊維不織布の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4846293A JP3178934B2 (ja) | 1993-03-10 | 1993-03-10 | 難燃性長繊維不織布及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4846293A JP3178934B2 (ja) | 1993-03-10 | 1993-03-10 | 難燃性長繊維不織布及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06264352A JPH06264352A (ja) | 1994-09-20 |
JP3178934B2 true JP3178934B2 (ja) | 2001-06-25 |
Family
ID=12804042
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4846293A Expired - Fee Related JP3178934B2 (ja) | 1993-03-10 | 1993-03-10 | 難燃性長繊維不織布及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3178934B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003041473A (ja) * | 2001-07-26 | 2003-02-13 | Unitika Ltd | 難燃性長繊維不織布 |
-
1993
- 1993-03-10 JP JP4846293A patent/JP3178934B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06264352A (ja) | 1994-09-20 |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |