JPH06272149A - 難燃性長繊維不織布及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 十分満足される難燃性能を有するとともに、
実用的な機械的特性および柔軟性に優れた長繊維不織布
およびその製造方法を提供する。 【構成】 リン原子を１０００ｐｐｍ以上含有する第一
のポリエステルよりなる繊維と、リン原子を含有しなく
て第一のポリエステルよりも融点が１０℃以上低い第二
のポリエステルよりなる繊維とが混繊され、この混繊繊
維の集合体が熱圧着されて、不織布が構成される。この
不織布は、第二のポリエステルの融点より１０℃以上低
い温度で、圧接面積率が５〜５０％で部分熱圧着するこ
とで、得られる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、難燃性能、機械的特性
及び柔軟性に優れる難燃性長繊維不織布及びその製造方
法に関するものである。本発明で製造される難燃性長繊
維不織布は、従来の長繊維不織布と同様に、土木資材、
農業資材、一般工業資材等の分野で広く適用できる。

【０００２】

【従来の技術】一般に、ポリエステル、特にポリエチレ
ンテレフタレ−トは、優れた機械的特性及び化学的特性
を有し、衣料用、産業資材用として広範囲に利用されて
いる。ところで、近年、火災予防の観点から、合成繊維
の難燃性への要請が強まっている。従来、ポリエステル
に難燃性を付与する試みは種々なされており、ポリエス
テルにリン化合物を含有させる方法が有効であるとされ
ている。

【０００３】難燃性長繊維不織布製造の技術は、例え
ば、特開平４−２８１０１６号公報に開示されている。
しかし、繊維の形態が複合繊維からなっており、紡糸時
の繊維形状の安定性に欠け、また特にサイドバイサイド
型の時には、いわゆるノズル直下で吐出フィラメントの
くびれ等が発生しやすいため、ポリマー粘度の組合せの
選択をしなければならないという問題がある。

【０００４】一方、特開平４−３００３２５号公報に
は、シ−ス／コアからなる複合繊維が提案されている
が、中空でなければならないため、その形状の安定性を
保つためには使用するポリマ−の溶融粘度特性が限定さ
れ、操業上、大きな問題が生じる。また特開昭６１−２
５８０５６号公報には、ポリエステル繊維とバインダー
としての難燃性ポリエステルとを混繊して得られる不繊
布について提案されているが、ポリエステル繊維がポリ
エチレンテレフタレートを主体としているため、得られ
る不繊布が硬めになると同時に、バインダー繊維の融点
が高く、熱接着時のエネルギーが高くなる。

【０００５】難燃性能、機械的特性及び柔軟性に優れる
長繊維不織布は、いまだ得られていないのが現状であ
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑み、前記問題点を解決して、難燃性能、機械的
特性及び柔軟性に優れる長繊維不織布及びその製造方法
を提供するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
（１）リン原子を１，０００ｐｐｍ以上含有する第一の
ポリエステルよりなる繊維と、リン原子を含有しなくて
第一のポリエステルよりも融点が１０℃以上低い第二の
ポリエステルよりなる繊維とが混繊され、この混繊繊維
の集合体が熱圧着されていること特徴とする難燃性長繊
維不織布と、（２）（１）において、不織布を構成する
第一のポリエステルと第二のポリエステルとの混繊比率
が、第一のポリエステル：第二のポリエステル＝２０〜
８０重量％：８０〜２０重量％であることを特徴とする
難燃性長繊維不織布と、（３）リン原子を１，０００ｐ
ｐｍ以上含有する第一のポリエステルと、リン原子を含
有しなくて第一のポリエステルよりも融点が１０℃以上
低い第二のポリエステルとを、紡糸工程において同時に
口金より吐出させ、この吐出糸条をエア−サッカ−にて
引取り、吸引糸条をスクリ−ンコンベヤ等の移動式補集
面上に開繊し堆積させてウエブを形成し、このウエブを
ポイント熱圧着装置を用いて第二のポリエステルの融点
よりも１０℃以上低い温度で、熱圧着された部位の面積
率が５〜５０％となるように部分的に熱圧着することを
特徴とする難燃性長繊維不織布の製造方法と、を要旨と
するものである。

【０００８】以下、本発明を詳細に説明する。まず、本
発明に使用するリン原子を含有する第一のポリエステル
は、リン化合物がポリエステルに共重合されるタイプが
好ましい。なぜなら、リン化合物がポリエステルにブレ
ンドされた状態で存在すると、製糸工程においてリン化
合物が繊維表面ににじみ出たり揮散したりして、製糸操
業性の低下（エア−サッカ−の吸引効率低下）や作業環
境の悪化をきたすからである。

【０００９】共重合可能なリン化合物のうち、エステル
形成性官能基を２個有し、しかもリン原子が直接ポリマ
−連鎖の中に組み込まれないタイプのリン化合物が、重
合反応中に揮散しにくいので歩留りが高いうえに、ポリ
マ−の重合反応中にゲル化を生じることがなく、また、
生成するポリマ−の耐加水分解性が高くなるので、より
好ましい。

【００１０】このようなリン化合物としては、下記化１
式のような化合物が例示される。

【００１１】

【化１】

【００１２】上記化学式で示されるリン化合物をポリエ
ステルに共重合させるためには、ポリエステルを製造す
る際に、リン化合物をそのまま反応系に添加して反応さ
せてもよいし、テレフタル酸、イソフタル酸等のジカル
ボン酸やエチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル等
のジオ−ルと反応させて、モノマ−、オリゴマ−または
ポリマ−の形にして添加してもよい。

【００１３】リン原子を含有する第一のポリエステルに
おけるリン化合物の添加量は、１，０００ｐｐｍ以上が
必要である。もちろん、第二のポリエステルとの混繊比
率にも関係するが、１，０００〜２０，０００ｐｐｍ、
さらに好ましくは２，５００〜１０，０００ｐｐｍとな
るようにするのがよい。リン化合物の含有量が１，００
０ｐｐｍより少ないと、不織布の難燃性能が劣る結果と
なる。逆に、あまりにも多すぎると、製糸工程において
糸切れが多発したり、ポリエステル本来の優れた機械的
特性、耐熱性能等が損なわれるため好ましくない。

【００１４】本発明の不織布を形成する繊維は、リン原
子を含有する第一のポリエステルと、リン原子を含有せ
ずかつ第一のポリエステルよりも融点が１０℃以上低い
第二のポリエステルとが混繊された複合繊維である。第
一のポリエステルの主体となる構成単位がエチレンテレ
フタレ−トの場合は、この第一のポリエステルの融点は
２２０〜２４５℃となるのが好ましい。ここで肝要なこ
とは、第一のポリエステルと第二のポリエステルとの融
点差を１０℃以上に設定することにある。ウエブの熱圧
着工程において低融点素材である第二のポリエステルは
熱と圧力により溶融あるいは軟化のため繊維の結晶構造
が乱れるが、第一のポリエステルは熱と圧力により繊維
の結晶構造が大きく乱れることはない。すなわち、全融
タイプではなく熱圧着されている部位においても第一の
ポリエステルが補強材となっているため、優れた機械的
特性及び柔軟性のある不織布が得られるのである。例え
ば、融点差が１０℃に満たない場合には、ウエブの熱圧
着工程において第一のポリエステル成分までもが熱劣化
し、機械的性能及び柔軟性に劣る不織布しか得られない
こととなる。

【００１５】本発明における第二のポリエステルは、エ
チレンテレフタレ−ト単位を主たる構成成分とするが、
融点の関係からイソフタル酸、５−スルホイソフタル
酸、ジエチレンングリコ−ル等の成分が８〜５０モル％
共重合されたもの、好ましくは８〜２０モル％共重合さ
れたものがよい。本発明の不織布は、リン原子を含有す
る第一のポリエステルよりなる繊維を主体とし、これに
前述したようなリン原子を含有せず第一のポリエステル
より融点が１０℃以上低い第二のポリエステルよりなる
繊維が混繊されたものであり、通常のポリエチレンテレ
フタレート繊維より低モジュラスの繊維を主体とし、さ
らに前記主体繊維より低モジュラスの第二のポリエステ
ルよりなる繊維をバインダーとしているため、特開昭６
１−２５８０５６号公報に記載された不織布に比して柔
軟性に優れたものとなり、しかも低融点のバインダー繊
維を用いるため、低エネルギーで熱圧着処理を施すこと
ができる。

【００１６】また、第一および第二のポリエステル共、
必要に応じて各種の添加剤、例えば艶消し剤、顔料、光
安定剤、熱安定剤、酸化防止剤等を添加してあってもよ
い。リン原子を含有する第一のポリエステルと第二のポ
リエステルとの混繊比率は、第一のポリエステル２０〜
８０重量％に対し、第二のポリエステル８０〜２０重量
％の範囲でなければならない。第一のポリエステルの混
繊比率が２０重量％未満であると、難燃性能が劣る不織
布しか得られないこととなる。逆に、８０重量％を越え
ると、接着強力に劣り機械的性能に劣る不織布しか得ら
れないこととなる。上記理由により、好ましくは、第一
のポリエステル：第二のポリエステル＝３０〜７０：７
０〜３０重量％、さらに好ましくは、４０〜６０：６０
〜４０重量％がよい。

【００１７】この混繊比率と第一のポリエステルのリン
原子の含有量の関係は重要なポイントであるが、不織布
の難燃性能及び機械的特性を考慮すると、第一のポリエ
ステルのリン添加量と混繊重量％との積が５００００以
上であることが好ましい。本発明にもとづく混繊繊維
は、従来公知の混繊溶融紡糸装置を用いて得ることがで
きる。第一のポリエステルの紡糸温度は２５０〜２８０
℃、さらに好ましくは、２６０〜２７０℃で、一方、第
二のポリエステルの紡糸温度は２００〜２６０℃が適用
される。

【００１８】口金より吐出された第一および第二のポリ
エステルよりなる糸条は、横吹付や環状吹付等の冷却装
置にて冷却固化された後、一般的に口金下に配設された
エア−サッカ−を用いて目的繊度となるように牽引細化
されて引取られる。ここで肝要なことは、両ポリエステ
ルよりなる吐出糸条の牽引速度を４０００ｍ／分以上、
より好ましくは４５００ｍ／分以上にすべきである。４
０００ｍ／分以下であると、繊維の熱収縮率が大とな
り、得られる不織布は寸法安定性に劣ることとなる。エ
ア−サッカ−から排出された糸条群は、一般的には、高
圧電場中のコロナ放電域か、または、摩擦衝突帯域を通
過されて帯電開繊された後、スクリ−ンからなるコンベ
ヤのような移動堆積装置上に開繊堆積され、それによっ
てウエブが形成される。次いで、得られたウエブは、ポ
イント熱圧着装置を用いて部分的に熱圧着される。熱圧
着装置における温度は、第二のポリエステルの融点より
１０℃以上低くすべきである。１０℃未満であると、不
織布が剛直化して柔軟性が得られないばかりか、機械的
特性において低タフネスの不織布しか得られないことと
なる。この部分的な熱圧着は、通常の熱エンボスロ−ル
や超音波溶着装置を用いて実施することができる。ポイ
ント熱圧着における圧着部の形態は、丸形、楕円形、菱
形、三角形、Ｔ形、＃形等の任意の形状でよい。また、
圧着面積率を５〜５０％とするのが好ましい。即ち、熱
圧着された部位：熱圧着されていない部位＝１：１〜１
９とするのが好ましい。圧着面積率が５０％を越える
と、得られる不織布が剛直化し、柔軟性が得られない。
また、５％未満であると、機械的性能及び形態保持性に
トラブルをきたす。

【００１９】次に、本発明に関する物性値の測定方法に
ついて説明する。 ◇固有粘度：フエノ−ルと四塩化エタンの等重量混合溶
液を溶媒とし、温度２０℃で測定した。 ◇融点：パーキンエルマ社製示差走査型熱量計ＤＳＣ−
２型を用い、昇温速度２０℃／分で測定した融解吸熱曲
線の極値を与える温度を融点とした。

【００２０】◇リン原子含有量：蛍光Ｘ線により定量し
た。 ◇繊度：万能投影機にて繊経を測定し、密度補正を行な
い求めた。 ◇不織布の引張強力：東洋ボールドウイン社製テンシロ
ンＵＴＭ−４−１−１００を用い、ＪＩＳ Ｌ １０９
６に記載のストリップ法にしたがい、試料幅５ｃｍ、試
料長１０ｃｍの試料片を１０個準備し、引張速度１０ｃ
ｍ／分の条件で最大引張強力を個々に測定し、その平均
値より求めた。

【００２１】◇不織布の引張伸度：上記方法で測定した
最大引張強力時の伸度より求めた。 ◇不織布のト−タルハンド：これは柔軟性を示すもの
で、ＪＩＳ Ｌ １０９６のハンドルオメ−タ−法に準
じ、スリット幅１ｃｍで測定した。 ◇難燃性能 ・炭化長：（財）日本防災協会、防炎製品認定委員会制
定の「防炎製品の性能試験基準」に基づく４５°メセナ
ミン法により測定した。

【００２２】・ＬＯＩ（臨界酸素指数）：ＪＩＳ Ｋ
７２０１に準拠して測定した。 以下、本発明を、実施例により、さらに具体的に説明す
る。 実施例−１ ビス（β−ヒドロキシエチルテレフタレ−ト）及びその
オリゴマ−に下記の化２式で示される化合物をリン原子
重量として１０，０００ｐｐｍとなるように添加して重
縮合反応を行い、リン原子を含有する第一のポリエステ
ルＡ1 （［η］＝０．５８）を得た。なお、この場合、
化２式で示される化合物の歩留りはほぼ１００％であ
り、添加した全量がポリエステルＡ１中に残存した。

【００２３】

【化２】

【００２４】一方、これとは別に、ポリエチレンテレフ
タレートにイソフタル酸を２０モル％共重合した第二の
ポリエステルＢ（〔η〕＝０．７０、融点２１０℃）を
得た。第一のポリエステルＡ1 の吐出孔数を１２０孔有
するとともに、第二のポリエステルＢの吐出孔数を１２
０孔有し、かつポリエステルＡ1 の吐出孔とポリエステ
ルＢの吐出孔とを交互に配列した混繊紡糸口金を通し
て、混繊長繊維を溶融紡出した。溶融紡出に際し、第一
のポリエステルＡ1 の溶融温度を２６５℃、単孔吐出量
を１．６ｇ／分、第二のポリエステルＢの溶融温度を２
４０℃、単孔吐出量を１．６ｇ／分、第一のポリエステ
ルＡ1 と第二のポリエステルＢとの混繊比率＝５０／５
０重量％とした。紡出した長繊維糸条を冷却装置にて冷
却した後、口金下１４０ｃｍの位置に配設された６個の
エア−サッカ−にこの糸条を４０本ずつ通して吸引し、
第一のポリエステルＡ1 と第二のポリエステルＢとを
４，６００ｍ／分の速度で引取り、帯電装置により強制
的に帯電させて開繊し、ウエブを得た。次いで、ポイン
ト熱圧着装置としてエンボスロ−ラ−を用いてこのウエ
ブを熱圧着し、目付け２０ｇ／ｍ² の不織布を得た。得
られた不織布の性能を、表１中に示す。 実施例−２、３ 実施例−１と同一条件であるが、化２式で示されるリン
化合物の添加量を変更して、最終的に繊維中のリン原子
含有量が表１に示す量になるようにして、不織布を得
た。得られた不織布の性能を、表１中に示す。 実施例−４ 実施例−２において、第一のポリエステルＡ1 と第二の
ポリエステルＢとの単孔吐出量を変更し、混繊比率を６
２／３８重量％、エア−サッカ−の吸引速度を４，９０
０ｍ／分として引取り、第一のポリエステルＡ1 の繊度
４．１デニ−ル、第二のポリエステルＢの繊度２．５デ
ニ−ルの混繊ウエブを得た。次いで、実施例−２とと同
一条件下にて不織布を得た。得られた不織布の性能を、
表１中に示す。 実施例−５ リン化合物として下記化３式で示される化合物を使用す
ること以外は実施例−１と同様にして、リン原子を含有
する第一のポリエステルＡ2 （［η］＝０．６０）を得
た。

【００２５】

【化３】

【００２６】第一のポリエステルＡ1 の代わりに第一の
ポリエステルＡ2 を用いた以外は実施例−１と同一条件
下にて不織布を得た。得られた不織布の性能を、表１中
に示す。 比較例−１ エンボスロ−ラ−の温度を本発明の範囲外である２０５
℃に変更した以外は、実施例−２と同一条件下にて不織
布を得た。得られた不織布の性能を表１中に示す。 比較例−２ 実施例−１と同一条件であるが、化２式のリン化合物の
添加量を変更して、最終的に繊維中のリン原子含有量を
表１に示すように本発明の範囲外である量となるように
して、不織布を得た。得られた不織布の性能を、表１中
に示す。 比較例−３ 第二のポリエステルＢの代わりにポリエチレンテレフタ
レートを用い、エア−サッカ−の吸引速度及びエンボス
ロ−ラ−の温度を最適化する以外は実施例−２と同一条
件として、不織布を得た。得られた不織布の性能を、表
１中に示す。

【００２７】なお、（財）日本防災協会、防炎製品認定
委員会の定める防炎製品の認定に必要な難燃性能試験基
準は、寝具類の詰物がプラスチック発泡体の場合、４５
°メセナミン法において、炭化長の最大値が１２０ｃｍ
以下、平均値が１００ｃｍ以下である。長繊維不織布に
ついては、特に性能基準は定められていないので、一応
プラスチック発泡体の基準値を参考とする。また、ＬＯ
Ｉは、２５〜２６以上が難燃素材の基準とされる。

【００２８】表１より、下記の点が明らかである。実施
例−１では製糸性、難燃性能、機械的特性、柔軟性のい
ずれにおいても優れた不織布が得られた。実施例−２の
リン原子含有量を増加させた場合には、機械的特性がや
や低下するものの、難燃性能、柔軟性のいずれにおいて
も優れた不織布が得られた。実施例−３のリン原子含有
量を本発明の範囲内で減少させた場合には、難燃性能は
やや低下するものの、製糸性、機械的特性、柔軟性のい
ずれにおいても優れた不織布が得られた。実施例−４の
ように第一のポリエステルＡ1 と第二のポリエステルＢ
との混繊比率をポリエステルＡ1 リッチに変更した場合
においても、製糸性、難燃性能、機械的特性、柔軟性の
いずれにおいても優れた不織布が得られた。実施例−５
のように第一のポリエステルＡ1 を第一のポリエステル
Ａ2 に変更した場合についても、製糸性、難燃性能、機
械的特性、柔軟性のいずれにおいても優れた不織布が得
られた。

【００２９】比較例−１のようにエンボスロ−ラ−の温
度を本発明の範囲外である２０５℃に変更した場合にお
いては、あまりにもエンボスロ−ラ−の温度が高すぎる
ため、得られた不織布は、フイルム化して機械的特性に
おいて低タフネスの物性しか有していなかった。また、
柔軟性が極端に欠けていた。比較例−２のように繊維中
のリン原子含有量が本発明の範囲外である場合において
は、あまりにもリン原子含有量が少なすぎるため、難燃
性能が著しく劣っていた。比較例−３のように第二のポ
リエステルＢに代えポリエチレンテレフタレートにした
場合には、製糸性、機械的特性には優れるものの、柔軟
性が著しく劣る不織布しか得られなかった。

【００３０】

【表１】

【００３１】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、難
燃性能、機械的特性、柔軟性のいずれにおいても優れた
不織布を得ることができる。

フロントページの続き (72)発明者 松岡 文夫 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 リン原子を１，０００ｐｐｍ以上含有す
   る第一のポリエステルよりなる繊維と、リン原子を含有
   しなくて第一のポリエステルよりも融点が１０℃以上低
   い第二のポリエステルよりなる繊維とが混繊され、この
   混繊繊維の集合体が熱圧着されていること特徴とする難
   燃性長繊維不織布。
2. 【請求項２】 不織布を構成する第一のポリエステルと
   第二のポリエステルとの混繊比率が、第一のポリエステ
   ル：第二のポリエステル＝２０〜８０重量％：８０〜２
   ０重量％であることを特徴とする請求項１記載の難燃性
   長繊維不織布。
3. 【請求項３】 リン原子を１，０００ｐｐｍ以上含有す
   る第一のポリエステルと、リン原子を含有しなくて第一
   のポリエステルよりも融点が１０℃以上低い第二のポリ
   エステルとを、紡糸工程において同時に口金より吐出さ
   せ、この吐出糸条をエア−サッカ−にて引取り、吸引糸
   条をスクリ−ンコンベヤ等の移動式補集面上に開繊し堆
   積させてウエブを形成し、このウエブを、ポイント熱圧
   着装置を用いて第二のポリエステルの融点よりも１０℃
   以上低い温度で、熱圧着された部位の面積率が５〜５０
   ％となるように部分的に熱圧着することを特徴とする難
   燃性長繊維不織布の製造方法。