JP2543548B2 - ポリプロピレン極細繊維不織布 - Google Patents

ポリプロピレン極細繊維不織布

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JP2543548B2 JP62312029A JP31202987A JP2543548B2 JP 2543548 B2 JP2543548 B2 JP 2543548B2 JP 62312029 A JP62312029 A JP 62312029A JP 31202987 A JP31202987 A JP 31202987A JP 2543548 B2 JP2543548 B2 JP 2543548B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はポリプロピレン極細繊維不織布に関し、さら
に詳しくは、フィルター性能と強力に優れ、ポリマー玉
のない良質なポリプロピレン極細繊維不織布に関する。
本発明のポリプロピレン極細繊維の不織布は、医療・
衛生資材、土木資材、農業資材、一般工業資材等の分野
で広く使用されるが、特に極細繊維の特徴を活かした各
種高性能フィルター類に最適に用いることができる。
〔従来の技術〕
近年、不織布は織物・編物に比べて簡略化された工程で
布帛構造物が得られること、および、その優れた特性に
より種々の分野に使用されている。特に、メルトブロー
法で得られる極細繊維からなる不織布は、フィルター用
途をはじめ多くの用途が開発されてきている。
メルトブロー法による重合体の紡糸方法については、
インダストリアル・アンド・エンジニアリング・ケミス
トリー(Industrial and Engineering Chemistry)48
巻、第8号(P1342〜1346)、1956年に基本的な装置お
よび方法が開示されている。また、ポリプロピレンのメ
ルトブロー法については、特開昭50−46972、同54−134
177に開示されている。これらの方法は、少なくとも1.4
の初期固有粘度を有する熱可塑性樹脂を押出機からノズ
ルのオリフィスに到るまでの間に、遊離基発生化合物の
存在下または非存在下で熱減成せしめて、ノズルのオリ
フィス中におけるポリマー樹脂の固有粘度を0.6〜1.4、
溶融粘度を50〜300ポイズとするメルトブロー不織布の
製造法である。この技術思想は、この明細書中に記載さ
れている如く、作られたままのポリマー樹脂(特にポリ
プロピレン)は高い固有粘度(少なくとも約1.4)と低
い溶融流れ速度(温度230℃、荷重2,160gにおけるメル
トインデックスが最大55)を有しており、この高粘度樹
脂を押出機からノズルのオリフィスに到るまでの間で熱
分解させて、固有粘度を0.6〜1.4、溶融粘度を50〜300
ポイズにまで低下させることにより、ポリマー玉(繊維
化されないポリマー樹脂の塊り)を発生させることなく
良質な不織布を製造するにある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
前記した従来技術は、ポリマー玉のない良質な極細繊
維不織布を得るには、オリフィスに到るまでにポリマー
を熱減成して溶融粘度を低くする必要があり、このため
得られる不織布の強力は低いものしか得られなかった。
また、従来方法では、フィルター性能が比較的低いもの
しか得られず、特にそのままでは高性能エアフィルター
用途に展開することが出来なかった。
本発明の目的は、従来のポリプロピレン極細繊維不織
布における前記した問題点を解決し、フィルター性能に
優れ、強力が高く、ポリマー玉のない良質なポリプロピ
レン極細繊維不織布を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段とその作用〕
本発明者らは、特にポリプロピレン極細繊維の平均分
子量と分子量分布(Mw/Mnの比)が特定範囲内にある
と、強力が高くポリマー玉のない良質な極細繊維が得ら
れ、しかも驚くべきことに、この不織布のフィルター性
能が著しく高まることを見い出し、本発明を完成したも
のである。
即ち、本発明は、平均繊維径が0.1〜5.0μm、平均分
子量が下記の一般式の範囲にあるポリプロピレン極細繊
維からなるポリプロピレン極細繊維不織布である。
一般式 5.0×104Mw9.0×104 4.0Mw/Mn6.0 (但し、上式中Mwは重量平均分子量、Mnは数平均分子量
を示す)。
本発明のポリプロピレン極細繊維の重量平均分子量
(Mw)は、5.0×104〜9.0×104、好ましくは5.5×104
8.5×104、特に好ましくは6.0×104〜8.0×104である。
Mwが5.0×104より小さいと、繊維強力が低下するため不
織布の強力が低下する。一方、9.0×104より大きいとポ
リマー玉の多い不織布しか得られず、この様な不織布は
フィルター性能が著しく低下する。Mwが5.0×104〜9.0
×104で初めて、フィルター性能が高く、強力の高い、
ポリマー玉のない良質な極細繊維不織布となる。また、
分子量分布の指標となる重量平均分子量(Mw)と数平均
分子量(Mn)の比、Mw/Mnは4.0〜6.0、好ましくは4.5〜
5.5である。Mw/Mnは特に重要であり、これが4.0より小
さいと不織布のフィルター性能が低下する。反面、6.0
より大きいと、フィルター性能が著しく低下し、また、
ポリマー玉のない良質な極細繊維が得られない。Mw/Mn
が4.0〜6.0の範囲にあるとフィルター性能が顕著に高ま
る。その理由については必ずしも明確ではないが、この
範囲内にある不織布は、ポリマー玉がなく、極細繊維の
繊維径のバラツキが小さくて繊維径分布がシャープとな
っていること、更に、極細繊維が複数本集束したいわゆ
る繊維束状の繊維が極めて少なく、単糸分散性が著しく
向上していることから、これらによりフィルター性能が
顕著に向上し、しかも不織布の強力までも高めるという
効果も併せて生み出したものと考えられる。極細繊維の
繊維径の分布は必ずしも正規分布になるとは限らない
(特にメルトブロー法で得られた極細繊維は繊維径が大
の方にテーリングした様な分布をもつことが多い)が、
この分布の標準偏差値(σn-1)を測定すると、本発明
でいうMw/Mnが4.0〜6.0のものはσn-1が0.70μm以下、
特に0.20〜0.50μmの範囲にあるのに対し、MW/Mnが本
発明の範囲外のものは、繊維径の標準偏移値σn-1が0.8
0μm以上、一般的には1.00μm以上となることが見い
出された。なお、MwおよびMnはゲルパーミュエイション
クロマトグラフ(GPC:日本ウォーターズ社製150C)を用
い、ポリスチレンスタンダード換算により求めた。Mw/M
nは分子量分布の尺度であり、Mw/Mnが小さいほど分子量
分布が狭いことを示す。
本発明の不織布を構成するポリプロピレン繊維の平均
繊維径は0.1〜5.0μmであり、好ましくは0.5〜4.0μ
m、特に好ましくは1.0〜3.5μmである。0.1μm以下
の場合、柔軟であるが繊維強力が低くなり、その結果不
織布強力も低い。また、フィルター性能も逆に低下する
ことが見い出された。これは、単糸分散性が悪化するた
めと考えられる。一方、5.0μm以上ではフィルター性
能、柔軟性が著しく低下する。また、この極細繊維は極
めて小さな繊維径を有しているため、繊維の平均長さを
測定することが難しいが、30mm以上、多くの場合100〜5
00mmが好ましい。
本発明のポリプロピレン不織布の目付量は5〜500g/m
2が好ましく、より好ましくは10〜300g/m2である。5g/m
2以下では不織布の強力並びにフィルター性能が低下す
る。一方、500g/m2以上では捕集効率は高いが反面、圧
力損失が高くなるすぎる傾向がある。
また、本発明の不織布の嵩密度は0.05〜0.50g/cm3
好ましく、特に0.08〜0.30g/cm3が好ましい。0.05g/cm3
以下では不織布の強力が低く、また0.50g/cm3以上では
圧力損失が高くなる。不織布の強力およびフィルター性
能は、不織布の目付量と嵩密度との両方に関連してお
り、目付量5〜500g/m2、嵩密度0.05〜0.50g/cm3の両方
を満たすと更に優れた効果が得られる。
本発明の不織布は、極細繊維が単繊維状にランダムに
分散していることがフィルター性能を著しく高めるので
更に好ましい。また、本発明の不織布はポリプロピレン
繊維単独であるのが好ましいが、異素材の繊維や粉体等
が混合されてあってもよい。
本発明の極細繊維不織布を得るのには特にメルトブロ
ー法を用いると好ましい。以下本発明のメルトブロー法
の一例を説明する。
ポリプロピレン重合体を押出機により溶融してダイに
送り込み、ノズルに設けた一列に並んだ多数の紡糸オリ
フィスから押出す。溶融ポリマーはポリマー流路を経て
オリフィスから押出される。それと同時に、ガス導入口
を経て供給された加熱された高速のガスをガスヘッダー
を経て、オリフィスの両側に設けられたスリットから噴
射させ、押出された溶融ポリマーの流れに吹き当てる。
ガスヘッダーおよび噴射スリットはノズルとリップとの
間に設けることができる。その高速気流の作用により押
出された溶融ポリマーを極細繊維の形状にけん引、細化
し、固化させる。このようにして形成された極細繊維
は、1対の回転ローラーの間で循環しているスクリーン
(コレクター)上に堆積されてランダムウェブを形成す
る。ガスとしては、スチーム、空気などが好適であり、
ガス条件としては、温度300〜400℃、好ましくは320〜3
80℃、圧力は1.0kg/cm2G以上、好ましくは1.5〜5.0kg/c
m2Gである。押出機温度は170〜300℃、好ましくは190〜
280℃、ダイ温度は190〜340℃、好ましくは200〜330℃
である。
本明細書でいうポリマー玉とは、ウェブ構成繊維の直
径の数倍〜500倍程度の直径を有する玉状ポリマーまた
は繊維の端部や中間部に生成したコブ状ポリマーのこと
である。このポリマー玉は極めて小さく肉眼で見出すこ
とができないものが多い。顕微鏡を用いて観察するか、
または、ウェブをそのまま、もしくはウェブをプレス、
カレンダー、交絡処理その他の手段によって繊維密度を
高めることによって検知が容易となる。このポリマー玉
が多く存在すると、用途が大きく制限され、特に高性能
フィルターやバッテリセパレーター用としては用いられ
なくなる。
本発明で用いられるポリプロピレン樹脂は、温度230
℃、荷重2,160gにおけるメルトインデックス(MFR)が7
0〜500g/10分の範囲にあることが好ましく、特に100〜3
00g/10分であることが最も好適である。メルトインデッ
クスはポリマーの溶融粘度、重合度の指標として用いら
れる。また、本発明で使用するポリプロピレン樹脂の分
子量分布は特に限定されるものではないが、Mw/Mnが3.0
〜7.0、特に4.0〜6.0のものがブロー性の面で好まし
い。この様なポリプロピレン樹脂を用いると、本発明の
重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)をもち、
平均繊維径が0.1〜5.0μmであり、ポリマー玉のない良
質な極細繊維ウェブを容易に得ることが出来る。
上述のような高いメルトインデックスを有するポリプ
ロピレン樹脂は、重合法によって製造することも可能で
あるが、ポリプロピレン樹脂に分子量低減剤を添加し適
当な温度に加熱して分子量を減少させる方法によって製
造するのが便利である。
分子量低減剤としては、有機過酸化物錫化合物、硫黄
化合物等が知られている。具体的には、有機過酸化物と
しては、2,5−ジメチル−2,5−tブチルパーオキシヘキ
サン、2,5−ジメチル−2,5−tブチルパーオキシヘキセ
ン−3、ビス(1−tブチルパーオキシ−1−メチルエ
チル)ベンゼンジクミルパーオキサイドなどのジアルキ
ルパーオキサイド類、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ
ハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオ
キサイドなどのハイドロパーオキサイド類及びケトンパ
ーオキサイド類、パーオキシエステル類の中の100℃に
おける半減期が10時間をこえるものなどが適当である。
錫化合物としては、(C4H9)Sn(OOC・C11H28、(C
4H92Sn(OOC・C11H28、(C6H52Sn(OOC・C11H
23など一般式Rl Sn(OOCR′)(但し、R及び
R′はC1〜C18のアルキル基、アリール基、シクロヘキ
シル基であり、l=1,2,3、m=1,2,3でl+m=4であ
る)で表わされる化合物が適当である。硫黄化合物とし
ては、ジベンゾチアゾルジスルフイド、2−メルカプト
ベンゾチアゾール亜鉛塩および銅塩、シクロヘキシルベ
ンゾチアジルスルフエンアミド等の2−メルカプトベン
ゾチアゾール類等が適当である。分子量低減剤の使用量
はポリプロピレン樹脂に対し0.01〜0.5重量%が好まし
く、この程度の分子量低減剤を配合して180℃〜300℃の
温度に加熱すればポリプロピレン樹脂の分子量は所望程
度まで低減する。
ポリプロピレンは、プロピレンの単独結晶性重合体が
紡糸性等ですぐれるが、エチレン等他のオレフインを1
モル%以下含む共重合体も使用できる。
本発明において示差走査熱量計(DSC)で得られる溶
融状態から10℃/分の速度で冷却した時の結晶化開始温
度が120℃以上であるポリプロピレン樹脂を用いると更
に良い結果が得られる。通常のポリプロピレン樹脂の結
晶化開始温度は115℃近辺であり、結晶化開始温度を120
℃以上のポリプロピレン樹脂は、いわゆる結晶核剤と称
される無機、有機化合物をポリプロピレン樹脂に対して
0.05〜0.5重量パーセント程度添加することによって容
易に得られる。代表的な結晶核剤としては、シリカ等の
無機物の微粉末、脂肪族および芳香族のジカルボン酸及
びこれらの無水物およびそれらの金属塩、ベンズアルデ
ヒドおよびその環置換体と5価以上の多価アルコールの
縮合物等を用いることができる。
結晶化開始温度が120℃以上であるポリプロピレン樹
脂は、この温度が115℃近辺である通常のポリプロピレ
ン樹脂に比べて、得られるウェブを構成する極細繊維相
互の熱融着が実質的に全く起らず極めてフィルター性能
が高くしかも柔軟なウェブが得られるので好ましい。
本発明のメルトブロー法で得られたウェブは適度な強
力を有しているためそのままでフィルター材等に用いる
ことが出来るが、プレスして嵩密度、強力を高めること
もできる。また必要により、熱プレスやエンボス加工、
超音波結合等を行うことが出来る。また、コロナ放電法
などによりエレクトレット化することによりフィルター
性能を高めることも可能である。
〔実施例〕
以下実施例にて本発明を更に説明するが、本発明がこ
れら実施例によって限定されるものではない。
実施例の説明に先立ち、以下の説明中に用いられる物
性値の測定方法を下記に示す。
◎見かけ密度(g/cm3):130g/cm2の一定荷重下で厚みを
測定して目付量との計算により求めた値である。
◎引張り強度(g/cm):長さ20cm×幅1cmのサンプルを
取り、把持長1cmとしてテンシロンにより伸長切断し、
その時の最大強力を求める。
◎平均繊維径(μm)、標準偏差(μm) サンプルの任意な10箇所を電子顕微鏡で倍率2000倍で
5枚の写真撮影を行う。1枚の写真につき任意の10本の
繊維の直径を測定し、これを10枚の写真について行う。
合計50本の繊維径測定値を求め平均値()および標準
偏差(σn-1)を計算する。
◎捕集効率・圧力損失 JIS Z−8901試験用ダスト13種B法の0.3μm平均のス
テアリング酸エアゾルのダスト捕集効率測定及び圧力損
失測定法により測定した。
実施例1. 温度230℃、荷重2,160gにおけるメルトインデックス1
0g/10分(ASTM D 1238に準じて測定)のポリプロピレン
・パウダーにビス(1−t−ブチルパーオキシ−1−メ
チルエチル)ベンゼン0.07重量パーセント、および、ジ
−ベンジリデンソルビトール0.2重量パーセントを添加
して均一に混合したのち、加熱した押出機を通過させる
ことにより、メルトインデックス206g/10分、DSCにおい
て溶融状態から10℃/分の速度で冷却した時の結晶化開
始温度が125℃、融点が165℃のポリプロピレン・ペレッ
トを得た。このようにして得たポリプロピレン樹脂を押
出機に投入して加熱溶融し、次の条件でメルトブローし
た。ダイに設けられたノズルに1mmピッチで0.3mmφのオ
リフィスが1列で1,500個並んでおり、このオリフィス
から溶融ポリマーを吐出量0.2g/分/オリフィスで吐出
させた。このオリフィスの両側のスリットから加熱蒸気
を噴射して吹当て、溶融ポリマーをけん引細化し、移動
するネットコンベア上にこの繊維群を捕集し、プレス後
1.5m巾、目付80g/m2、嵩密度0.14g/cm3のウェブとし
た。押出機温度は210℃、ダイ温度290℃、ガス温度は37
0℃、ガス圧力は2.5kg/cm2Gであった。得られたウェブ
の平均繊維径は1.4μm、σn-1は0.28μmであり、ポリ
マー玉を全く含まない柔軟で良質なものであった。極細
繊維のMwは6.5×104、Mw/Mnは4.8であり、このウェブの
捕集効率は96%、圧力損失は13mmH2Oと優れたものであ
り、引張強度は430g/cmであった。
実施例2. 実施例1のビス(1−t−ブチルパーオキシ−1−メ
チルエチル)ベンゼンの添加量を種々変え他は実施例1
と同様にして、メルトインデックスおよび分子量分布の
異なる種々のポリプロピレンペレットを得た。この樹脂
を用いて、ブローガス温度と圧力を種々変え、他は実施
例1と同様にしてメルトブローして表1に示す平均分子
量を有する極細繊維ウェブを得た。なお、ウェブの目付
量は100g/m2、嵩密度は0.13g/cm3、平均繊維径は2.0μ
mであった。この結果を表1に示す。
表1から明らかなように、本発明の平均分子量の範囲
が、フィルター性能、引張り強度ともに優れたポリマー
玉のない良質なウェブが得られることが判る。
実施例3. 実施例1のポリプロピレン・ペレットを用い、ブロー
ガス温度、圧力を種々変えて平均繊維径の異なるウェブ
を得た。他の条件は実施例1と同様にした。この結果を
表2に示す。尚、ウェブの目付量は50g/m2で嵩密度は0.
20g/cm3であった。また、極細繊維のMwは6.8〜7.7×1
04、Mw/Mnは4.5〜5.5の範囲であった。
表2から明らかなように、本発明の平均繊維径の範囲
の極細繊維ウェブがフィルター性能、引張強度とともに
優れていることが判る。
比較例1. 温度230℃、荷重2,160gにおけるメルトインデックス1
0g/10分のポリプロピレン樹脂を実施例1と同様にして
メルトブローして、目付量80g/m2、嵩密度0.15g/cm3
ウェブを得た。このウェブの平均繊維径は5.5μm、σ
n-1は2.02μm、しかもポリマー玉が多発した不良なも
のであった。この繊維のMwは11×104、Mw/Mnは6.7であ
り、ウェブの捕集効率は58%、圧力損失は4mm H2Oと不
良であった。
比較例2. 比較例1で用いたポリプロピレン樹脂を押出機温度35
0℃、ダイ温度350℃として、ポリプロピレン樹脂を熱劣
化させ、他の条件は実施例1と同条件にしてメルトブロ
ーした。
このウェブの平均繊維径は2.5μm、σn-1は1.30μm
であり、しかもポリマー玉の発生の多いものであった。
この繊維のMwは6.5×104、Mw/Mnは3.4であり、ウェブ
の捕集効率は74%、圧力損失は7mm H2Oと不良であっ
た。
〔発明の効果〕
本発明のポリプロピレン極細繊維不織布は、極細繊維
の平均繊維径が0.1〜5.0μmと極めて細く、しかも、極
細繊維の分子量分布が小さい範囲にある不織布であるた
め、ポリマー玉がなく、極細繊維の繊維径分布がシャー
プであり、単糸分散性の優れたものが得られ、フィルタ
ー性能(特に捕集効率)が著しく高いものが得られた。
更には、極細繊維の平均分子量も適正な範囲を見い出
し、これにより優れた強力をもったポリマー玉のない良
質な不織布が得られると同時に、フィルター性能を更に
高めることが出来たものである。
本発明の不織布は、特に高性能フィルター材として好
適ではあるが、バッテリセパレーター、衛生材、ワイパ
ー、建材等の産業資材用、断熱衣、防塵衣等の衣料等の
種々の用途に適したものである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均繊維径が0.1〜5.0μm、平均分子量が
    下記の一般式の範囲にあるポリプロピレン極細繊維から
    なるポリプロピレン極細繊維不織布。 一般式: 5.0×104Mw9.0×104 4.0Mw/Mn6.0 (但し、上式中Mwは重量平均分子量、Mnは数平均分子量
    を示す)。
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