JPH05302255A - 伸縮性を有するポリエステル系弾性不織布及びその製造方法 - Google Patents

伸縮性を有するポリエステル系弾性不織布及びその製造方法

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JPH05302255A
JPH05302255A JP10092692A JP10092692A JPH05302255A JP H05302255 A JPH05302255 A JP H05302255A JP 10092692 A JP10092692 A JP 10092692A JP 10092692 A JP10092692 A JP 10092692A JP H05302255 A JPH05302255 A JP H05302255A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はシート地合および弾性特性が良好な
不織布およびその製法を提供することを目的とする。 【構成】 本発明はポリブチレンテレフタレートを主成
分とするポリエステルとポリテトラメチレングリコール
を主成分とするポリエーテルからなる共重合ポリエステ
ル系エラストマーで、ポリエステル成分が49〜20重
量%、ポリエーテル成分が51〜80重量%からなるポ
リエーテル量比の多い成分を芯成分に、ポリエステル成
分が90〜51重量%、ポリエーテル成分が10〜49
重量%からなるポリエーテル量比の少ない成分を鞘成分
に配置せしめた芯鞘複合長繊維が部分熱圧着されている
ことを特徴とする伸縮性を有するポリエステル系弾性不
織布およびその製法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は共重合ポリエステル系の
弾性複合繊維からなる伸縮性不織布に関するものであ
り、パップ材、芯地、サポータ、伸縮テープ等に利用で
きる。さらに詳しくは、伸張性を有する弾性ポリエステ
ルは、ポリマー自体が粘着性を示すため、糸状形成時に
フィラメント間で粘着(ブロッキング)し、開繊性が悪
い。それを改良した伸縮性を有するポリエステル系弾性
不織布及び製造方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】スパンデックスと呼ばれるポリマーの代
表例としてはポリウレタンが挙げられているが、耐熱
性、耐光性、あるいは耐湿熱性に欠点があると同時に、
コスト的にも高価であるという問題を有している。この
ため、ポリエステル系の弾性ポリマーの開発が行われて
おり、特開昭56−118911号公報に開示されてい
るように、ポリブチレンテレフタレート(以下、PBT
と略す)を主成分としてなるポリエステルと、ポリテト
ラメチレングリコール(以下、PTMGと略す)を主成分
とするポリエーテルを共重合したポリマーがよく知られ
ている。そして、このようなポリマーを用いて、不織布
とする目的で、例えば特開昭57−82552号公報に
は、ニードルパンチ法による不織布、及びその方法が開
示されているが、ニードルパンチ法のため、目付の小さ
い不織布の製法には適さないと同時にニードルパンチ処
理時にウエップまたはシートの片面あるいは両面に他の
布はく、紙等を使用しなければならないという問題を有
している。また特開昭57−82553号公報、あるい
は特開平3−8855にも不織布を製造する方法が説明
されてはいるが、ポリマーの粘着性のためと類推する
が、いずれも単糸本数として30本以下が開繊性の問題
で適切と有り、生産性に問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、PTMG量比の
多い共重合成分は、製糸工程においてフィラメントが粘
着性を有する為、フィラメント間の融着、いわゆるブロ
ッキングが発生して開繊性が悪い。がしかし、得られた
不織布の弾性特性は優れている。また、PTMG量比の
少ない共重合成分はブロッキングの発生は少ない為開繊
性は良いが得られた不織布の弾性特性は悪いという問題
点がある。
【0004】本発明は上記問題点を解決するものであ
る。即ち、PTMG量比の多い共重合成分を芯に、PT
MG量比の少ない共重合成分を鞘の芯鞘複合に両成分を
位置せしめるにより、シート地合及び弾性特性が良好な
不織布及びその製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果本発明に
到達したものである。
【0006】即ち本発明は、ポリブチレンテレフタレー
トを主成分とするポリエステルとポリテトラメチレング
リコールを主成分とするポリエーテルからなる共重合ポ
リエステル系エラストマーで、ポリエステル成分が49
〜20重量%、ポリエーテル成分が51〜80重量%か
らなるポリエーテル量比の多い成分を芯成分に、ポリエ
ステル成分が90〜51重量%、ポリエーテル成分が1
0〜49重量%からなるポリエーテル量比の少ない成分
を鞘成分に配置せしめた芯鞘複合長繊維により構成され
ていることを特徴とする伸縮性を有するポリエステル系
弾性不織布。
【0007】不織布を構成する単糸繊度が2〜12デニ
ールであり、DSCで測定して求められる複合繊維の鞘
成分の融点よりも5〜30℃低い温度でかつ圧積面積率
が4〜40%であるエンボスロールで該不織布を部分的
に熱圧着する事を特徴とする特許請求範囲第1項記載の
ポリエステル系弾性不織布の製造方法。
【0008】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明でいうポリエステル系エラストマーは、特開昭56
−118911号公報に述べられているポリマーであ
り、PBTが主成分であるポリエステルとPTMGを主
成分とするポリエーテルからなる共重合ポリマーであ
る。ポリエステル成分としては、ジカルボン酸成分とし
てテレフタル酸を、ジオール成分としてブタンジオール
からなるPBTが主成分であり、他に共重合成分とし
て、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン
イソフタレート、ポリブチレンイソフタレート、あるい
はポリブチレンアジペート等が紡糸性、弾性特性を損な
わない範囲で、例えば10重合部程度共重合されていて
も差し支えない。
【0009】一方ポリエーテル成分としては、テトラメ
チレングリコールからなるPTMGが主成分であり、紡
糸性、弾性特性から数平均分子量として1000〜30
00が好ましい。他にエチレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリメチレングリコール等が共重合されて
いても何ら差し支えない。
【0010】また、前記両成分には、本発明の目的を阻
害しない範囲で、艶消し剤、顔料、防炎剤、消臭剤、帯
電防止剤、酸化防止剤、紫外線の吸収剤等の任意の添加
剤を添加する事ができる。
【0011】本発明でいうポリエステル系エラストマー
とは、これらからなる共重合ポリエステル・ポリエーテ
ルであり、芯成分に適用する共重合比率は、ポリエステ
ル成分が49〜20重量%、ポリエーテル成分が51〜
80%重量%でなければならない。すなわち、ポリエス
テル成分が50重量%以上であると優れた機械的特性を
示すものの、弾性回復率に劣り、逆にポリエステル成分
が19重量%以下であると、該成分の溶融押し出し機で
の食い込み不良及び製糸工程において糸の切断等が発生
し、本発明の範囲外では到底目的の不織布は得られな
い。
【0012】芯成分に適用する共重合比率は、ポリエス
テル成分が90〜51重量%、ポリエーテル成分が10
〜49重量%でなければならない。即ち、ポリエステル
成分が90重量%以上であると、あまりにも芯成分との
弾性特性が異なる為、芯鞘複合断面においてわずかに偏
芯していても不織布表面にループ状の糸状が発生し品位
が劣り、弾性特性にも劣る結果となる。
【0013】逆に50重量%以下であれば、糸状にブロ
ッキングが発生し開繊性が劣る為本発明の目的とするも
のではない。更に両成分の共重合比率の好都合な範囲は
以下の通りである。
【0014】芯成分=ポリエステル:ポリエーテル=4
0〜25重量%:60〜75重量%、鞘成分=ポリエス
テル:ポリエーテル=80〜60重量%:20〜40重量
%、なお、重合ポリエステル・ポリエーテルは、四塩化
エタン/フェノールの1/1重量比で20℃の温度で測
定した相対粘度が1.3〜3.0が好ましい。
【0015】比較として、本発明の両成分を芯鞘複合紡
糸でなく、各々成分を単体で溶融紡糸を行うと以下の問
題点につき当たる。即ち、芯成分を単体で紡糸すると、
フィラメントが粘着性を有しているため、例えばジェッ
ト紡糸法ではジェットの中でフィラメントが相互に融着
し、続いて行われる開繊工程では全く開繊しないという
問題点が発生するとともに得られる不織布の機械的性能
が劣る。他方、鞘成分を単体で紡糸すると、あまりにも
PTMG量が少ない為、充分な弾性特性が得られない。
【0016】このため、本発明の如き、粘着性の少ない
PTMG量比の少ない共重合ポリエステル・ポリエーテ
ル成分を鞘成分に、PTMG量比の多いすなわち、弾性
特性に優れる共重合ポリエステル・ポリエーテル成分を
芯成分に配置する事により、開繊性及び弾性特性に優れ
た不織布を得ることができるのである。
【0017】本発明の芯鞘複合長繊維において、芯成分
であるPTMG量比の多い共重合ポリエステル・エーテ
ルの複合比を多くした場合には、弾性特性により優れた
不織布が得ることができる。一方、鞘成分であるPTM
G量比の少ない共重合ポリエステル・エーテルの複合比
を多くした場合には、弾性特性にはやや劣るものの、機
械的特性に優れた不織布が得ることができる。
【0018】この複合比は、要求される不織布性能によ
り決定されるべきであるが、芯/鞘=1/3〜3/1が
好ましい範囲である。
【0019】本発明で用いる芯鞘複合連続単糸は、従来
公知の溶融複合紡糸機でPTMG量の異なる2つのポリ
マーを溶融紡糸される。高融点である鞘成分のポリエス
テル系エラストマーの融点より15〜80℃高い温度で
溶融し、紡糸口金から吐出した後、従来公知の冷却装置
を用いて冷却する。次いで目的繊度となるように、20
00m/分以上かつ4000m/分以下の速度で牽引す
る。これは高速気流で弾性繊維を加速すると同時に配向
させる。牽引速度が4000m/分を越えると糸状の切
断あるいは配向が上がりすぎるため得られる繊維の弾性
回復率が損なわれる。ついで得られたフィラメントは、
開繊機を通し均一に開繊され、ネットコンベアーでシー
ト状に補集され、所定の厚さ、フィラメント配列を有し
た繊維ウェブに形成される。
【0020】その後、繊維ウェブは、加熱されたエンボ
スローラーで構成フィラメント相互を熱で部分的に熱圧
着される。エンボスローラーの温度としては、使用され
るポリエステル系エラストマーの共重合組成に最も大き
な影響を受けるが、鞘成分であるPTMG量比の少ない
成分であるポリエステル系エラストマーの融点より5〜
30℃以上低い温度で圧接されるべきである。5℃未満
であるとあまりにも温度が高いために、該不織布がエン
ボスローラーに付着し易く、作業性に劣るとともに、得
られる不織布の柔軟性が著しく損なわれる。また30℃
以上であると該不織布に対し充分な熱圧着が施されてい
ない為、形態保持性が悪く、不織布表面の毛羽立ちが発
生しやすいとともに、機械的特性に劣る結果となる。
【0021】またエンボスロールの圧接面積率は4〜4
0%で熱圧着されるべきである。4%未満であると該不
織布に対し熱圧着部分があまりにも少ないため、形態保
持性、表面の毛羽立ち性、機械的性能に劣る結果とな
る。逆に40%越えると、弾性繊維が自由に伸縮する長
さが短くなるとともに、柔軟性に劣る結果となる。
【0022】以上の方法で伸縮性を有する弾性ポリエス
テル系不織布が得られるが、繊維ウェブを形成するフィ
ラメントの形状、数、目付等は特に限定されるものでは
ないが、単糸デニールで2〜12デニールにすべきであ
る。2デニール未満であると生産性が劣るばかりか、あ
まりにも小さい為弾性応力が不十分であり、目的の弾性
不織布は得られない。逆に12デニール以上であると粗
硬感が大となり良好な品位の不織布は得られない。この
ような伸縮性を有する弾性ポリエステル不織布は50%
の伸張時の瞬間弾性回復率として、25%以上の数値を
示し、伸縮性はもちろんのこと、ドレープ性も有してお
り、かつ耐熱性、耐湿熱性にも優れた特性を備えてい
る。
【0023】以下、図面により本発明の好ましい態様を
説明するが、本発明はこの方法に限られる必要はない。
【0024】図−1は、本発明の不織布の製造方法の一
実施態様例を説明する工程図である。紡糸装置は、成分
Aと成分Bの個別溶融押し出しと、計量部1、2を有す
る。計量された両成分は口金3で複合され、多数のモノ
フィラメントの集合4として紡出される。この際、口金
吐出孔は、図−2、3、4に例示される如き両成分が、
芯鞘構造に配置されている。図−3の如き芯部が偏芯し
ていても何ら差し支えない。
【0025】吐出されたモノフィラメントの集合4は冷
却装置5による冷却を受けた後、ジェット6からなる引
き取り手段により芯鞘複合糸として引き取られ、次い
で、高圧電場中のコロナ放電開繊器7を介してスクリー
ンからなる移動堆積装置8上に開繊されてウェブ9とな
る。ウェブ9は、熱エンボスロール10により部分的に
熱圧着され、不織布11として捲き取られる。
【0026】
【実施例】以下実施例を挙げ、本発明を詳細に説明する
が、これによって本発明が限定されるものではない。な
お、実施例中、各項目の測定方法、測定条件は次の通り
である。
【0027】(1)不織布の強力 東洋ボールドウイン社製のテンシロンTM−4−1−1
00を用いて、JIS−L−1096Aに記載の方法に
従い、試料長10cm、幅5cm試料片で引張速度10cm/
分で測定した。
【0028】(2)不織布の伸度 (1)に記載の方法と同じ。
【0029】(3)不織布の弾性回復率 試料長10cm、幅5cm試料片で引張速度10cm/分の条
件で、50%伸張時の回復率から求めた。
【0030】(4)ポリマーの融点 パーキンエルマー社製DSC2型の示差走査熱量計を用
い、昇温速度20℃/分で測定した融解吸熱ピークの最
大値を示す温度を融点とした。
【0031】
【実施例1】DSCで測定して得られる融点が208
℃、相対粘度が1.92、数平均分子量1500のPT
MGとPBTの共重合量比がPTMG/PBT=40/
60の共重合ポリエステル系エラストマーを鞘成分に、
融点が187℃、相対粘度が2.07、数平均分子量1
500のPTMGとPBTの共重合量比がPTMG/P
BT=57/43の共重合ポリエステル系エラストマー
を芯成分にして、鞘成分と芯成分の複合比を1:1と
し、鞘成分の溶融温度255℃、芯成分の溶融温度23
5℃、単孔吐出量1.5g/分で溶融押し出しした。
【0032】この条件下で0.5φの孔径の紡糸口金か
ら紡出し、冷却装置にて多数の芯鞘複合糸を冷却し、つ
いで口金下190cmの位置に配置された複数個のジェッ
トにより3000m/分の速度で引き取り、コロナ放電
開繊機にて開繊させ、移動する金網製の堆積装置にて堆
積させウェブとした。この際、単糸デニールは4.5dで
あった。ついで、圧接面積率が12%、ポイント柄、表
面温度が175℃の熱エンボスロールにて部分的に熱圧
着し、伸縮性弾性不織布を得た。
【0033】得られた伸縮性弾性不織布性能は表−1に
示すが、開繊性は良く、シート地合が良好で、しかも優
れた弾性特性をあわせもつ不織布が得られた。
【0034】
【表1】 表−1 <操業性> 粘着性 : 無し 開繊性 : 良い <不織布性能> 目付 : 80 (g/m2) 縦引張強力 : 8.8 (kg/5cm) 縦引張伸度 : 121 (%) 弾性回復率 : 34 (%)
【0035】
【実施例2】DSCで測定して得られる融点が220
℃、相対粘度が1.90、数平均分子量1500のPT
MGとPBTの共重合量比がPTMG/PBT=20/
80の共重合ポリエステル系エラストマーを鞘成分に、
融点が187℃、相対粘度が2.07、数平均分子量1
500のPTMGとPBTの共重合量比がPTMG/P
BT=57/43の共重合ポリエステル系エラストマー
を芯成分にして、鞘成分と芯成分の複合比を1:1と
し、鞘成分の溶融温度265℃、芯成分の溶融温度23
5℃、単孔吐出量1.5g/分で溶融押し出しした。
【0036】この条件下で0.5φの孔径の紡糸口金か
ら紡出し、冷却装置にて多数の芯鞘複合糸を冷却し、つ
いで口金下170cmの位置に配置された複数個のジェッ
トにより3250m/分の速度で引き取り、コロナ放電
開繊機にて開繊させ、移動する金網製の堆積装置に堆積
させウェブとした。この際単糸デニールは4.2dであっ
た。ついで、圧接面積率が12%、ポイント柄、表面温
度が190℃熱エンボスロールにて部分的に熱圧着し、
伸縮性弾性不織布を得た。
【0037】得られた伸縮性弾性不織布性能は表−2に
示すが、開繊性の向上により、よりシート地合の良好な
伸縮性弾性不織布が得られた。
【0038】
【表2】 表−2 <操業性> 粘着性 : 無し 開繊性 : 非常に良い <不織布性能> 目付 : 83 (g/m2) 縦引張強力 : 9.1 (kg/5cm) 縦引張伸度 : 104 (%) 弾性回復率 : 30 (%)
【0039】
【実施例3】実施例1と同じポリマーを用いて、鞘成分
と芯成分の複合比を鞘/芯=1/2とし、実施例1と同
じ溶融温度、単孔吐出量で溶融押し出しした。
【0040】この条件下で0.5φの孔径の紡糸口金か
ら紡出し、冷却装置にて多数の芯鞘複合糸を冷却し、つ
いで口金下200cmの位置に配置された複数個のジェッ
トにより2850m/分の速度で引き取り、コロナ放電
開繊機にて開繊させ、移動する金網製の堆積装置にて堆
積させウェブとした。この際、単糸デニールは4.7dで
あった。ついで、圧接面積率が12%、ポイント柄、表
面温度が190℃の熱エンボスロールにて部分的に熱圧
着し、伸縮性弾性不織布を得た。
【0041】得られた伸縮性弾性不織布性能は表−3に
示すが、優れた弾性特性をもつ不織布が得られた。
【0042】
【表3】 表−3 <操業性> 粘着性 : 無し 開繊性 : 良い <不織布性能> 目付 : 80 (g/m2) 縦引張強力 : 8.5 (kg/5cm) 縦引張伸度 : 131 (%) 弾性回復率 : 38 (%)
【0043】
【実施例4】実施例1と同じポリマーを用いて、鞘成分
と芯成分の複合比を鞘/芯=2/1とし、実施例1と同
じ溶融温度、単孔吐出量で溶融押し出しした。
【0044】この条件下で0.5φの孔径の紡糸口金か
ら紡出し、冷却装置にて多数の芯鞘複合糸を冷却し、つ
いで口金下180cmの位置に配置された複数個のジェッ
トにより3100m/分の速度で引き取り、コロナ放電
開繊機にて開繊させ、移動する金網製の堆積装置にて堆
積させウェブとした。この際、単糸デニールは4.4dで
あった。ついで、圧接面積率が12%、ポイント柄、表
面温度が190℃の熱エンボスロールにて部分的に熱圧
着し、伸縮性弾性不織布を得た。
【0045】得られた伸縮性弾性不織布性能は表−4に
示すが、シート地合も良く、機械的性能に優れた不織布
が得られた。
【0046】
【表4】 表−4 <操業性> 粘着性 : 無し 開繊性 : 良い <不織布性能> 目付 : 82 (g/m2) 縦引張強力 : 9.3 (kg/5cm) 縦引張伸度 : 112 (%) 弾性回復率 : 31 (%)
【0047】
【比較例1】DSCで測定して得られる融点が226
℃、相対粘度が1.88、数平均分子量1500のPT
MGとPBTの共重合量比がPTMG/PBT=5/9
5の共重合ポリエステル系エラストマーを鞘成分に、融
点が187℃、相対粘度が2.07、数平均分子量15
00のPTMGとPBTの共重合量比がPTMG/PB
T=57/43の共重合ポリエステル系エラストマーを
芯成分にして、鞘成分と芯成分の複合比を1:1とし、
鞘成分の溶融温度275℃、芯成分の溶融温度235
℃、単孔吐出量1.5g/分で溶融押し出しした。
【0048】この条件下で0.5φの孔径の紡糸口金か
ら紡出し、冷却装置にて多数の芯鞘複合糸を冷却し、つ
いで口金下190cmの位置に配置された複数個のジェッ
トにより3530m/分の速度で引き取り、コロナ放電
開繊機にて開繊させ、移動する金網製の堆積装置にて堆
積させウェブとした。この際、単糸デニールは3.8d
であった。ついで、圧接面積率が12%、ポイント柄、
表面温度が195℃の熱エンボスロールにて部分的に熱
圧着し、伸縮性弾性不織布を得た。
【0049】得られた伸縮性弾性不織布性能は表−5に
示すが、開繊性は良く、シート地合の良好な不織布が得
られたが、弾性特性の劣る不織布しか得られなかった。
【0050】
【表5】 表−5 <操業性> 粘着性 : 無し 開繊性 : 良い <不織布性能> 目付 : 81 (g/m2) 縦引張強力 : 10.1 (kg/5cm) 縦引張伸度 : 98 (%) 弾性回復率 : 23 (%)
【0051】
【比較例2】DSCで測定して得られる融点が187
℃、相対粘度が2.07、数平均分子量1500のPT
MGとPBTの共重合量比がPTMG/PBT=57/
43の共重合ポリエステル系エラストマーを、単孔吐出
量1.5g/分の条件で単体で溶融押し出しした。
【0052】この条件下で0.5φの孔径の紡糸口金か
ら紡出し、冷却装置にて多数の芯鞘複合糸を冷却し、つ
いで口金下210cmの位置に配置された複数個のジェッ
トにより2650m/分の速度で引き取り、コロナ放電
開繊機にて開繊させ、移動する金網製の堆積装置にて堆
積させウェブとした。この際単糸デニールは5.1dで
あった。ついで、圧接面積率が12%、ポイント柄、表
面温度が155℃の熱エンボスロールにて部分的に熱圧
着し、伸縮性弾性不織布を得た。
【0053】得られた伸縮性弾性不織布性能は表−6に
示すが、不織布の弾性特性には優れているものの、開繊
性は悪く、地合の良好な不織布は得られなかった。
【0054】
【表6】 表−6 <操業性> 粘着性 : 有り 開繊性 : 悪い <不織布性能> 目付 : 83 (g/m2) 縦引張強力 : 7.4 (kg/5cm) 縦引張伸度 : 145 (%) 弾性回復率 : 45 (%)
【0055】
【比較例3】DSCで測定して得られる融点が208
℃、相対粘度が1.92、数平均分子量1500のPT
MGとPBTの共重合量比がPTMG/PBT=40/
60の共重合ポリエステル系エラストマーを溶融温度2
55℃、単孔吐出量1.5g/分の条件で単体で溶融押し
出しした。
【0056】この条件下で0.5φの孔径の紡糸口金か
ら紡出し、冷却装置にて多数の芯鞘複合糸を冷却し、つ
いで口金下170cmの位置に配置された複数個のジェッ
トにより3150m/分の速度で引き取り、コロナ放電
開繊機にて開繊させ、移動する金網製の堆積装置にて堆
積させウェブとした。この際、単糸デニールは4.3d
であった。ついで、圧接面積率が12%、ポイント柄、
表面温度が155℃の熱エンボスロールにて部分的に熱
圧着し、伸縮性弾性不織布を得た。
【0057】得られた伸縮性弾性不織布性能は表−7に
示すが、開繊性も良く、シート地合の良好な不織布が得
られたものの、弾性特性の劣る不織布しか得られなかっ
た。
【0058】
【表7】 表−7 <操業性> 粘着性 : 無し 開繊性 : 良い <不織布性能> 目付 : 82 (g/m2) 縦引張強力 : 8.3 (kg/5cm) 縦引張伸度 : 104 (%) 弾性回復率 : 24 (%)
【0059】
【発明の効果】本発明により、上述の通り、従来には無
い弾性特性に優れたポリエステル系不織布が、経済的に
安定して提供できる。本発明の新規ポリエステル系弾性
不織布は、パップ材、芯地、サポーター、伸縮テープ等
広範囲に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わるポリエステル系弾性不織布
の製造方法の一実施態様を示す工程概略図である。
【図2】 本発明に使用する複合繊維の単糸の横断面
の組み合わせの一例を示した模式図である。
【図3】 本発明に使用する複合繊維の単糸の横断面
の組み合わせの一例を示した模式図である。
【図4】 本発明に使用する複合繊維の単糸の横断面
の組み合わせの一例を示した模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 弘 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリブチレンテレフタレートを主成分
    とするポリエステルとポリテトラメチレングリコールを
    主成分とするポリエーテルからなる共重合ポリエステル
    系エラストマーで、ポリエステル成分が49〜20重量
    %、ポリエーテル成分が51〜80重量%からなるポリ
    エーテル量比の多い成分を芯成分に、ポリエステル成分
    が90〜51重量%、ポリエーテル成分が10〜49重
    量%からなるポリエーテル量比の少ない成分を鞘成分に
    配置せしめた芯鞘複合長繊維が部分熱圧着されているこ
    とを特徴とする伸縮性を有するポリエステル系弾性不織
    布。
  2. 【請求項2】 複合長繊維の鞘成分のポリエステル系
    エラストマーの融点より15〜80℃高い温度で溶融紡
    糸し、2,000〜4,000m/分で、牽引し、開繊維補集して
    繊維ウェブを形成し、DSCで測定して求められる複合
    長繊維の鞘成分の融点よりも5〜30℃低い温度でかつ
    圧積面積率が4〜40%であるエンボスロールで該不織
    布を部分的に熱圧着する事を特徴とする特許請求範囲第
    1項記載のポリエステル系弾性不織布の製造方法。
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