JP3452374B2 - ベンジルホスホネート誘導体の製造方法 - Google Patents

ベンジルホスホネート誘導体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、ベンジルホスホネート
誘導体を製造する方法に関する。ホスホネート誘導体は
種々のアルデヒド類と反応して医農薬等各種ファインケ
ミカル化合物となるオレフィン誘導体を合成する際の重
要な中間体である。 【0002】 【従来の技術および発明が解決しようとする課題】アル
コール誘導体からホスホネート誘導体を合成する方法と
しては、アルコール誘導体をハロゲン化体に変換してか
ら亜リン酸エステル類を反応させるアルブゾフ反応がよ
く知られている(Chem.Rev.81 415(1
981))。一段でホスホネート誘導体を合成する方法
としては、アルコール誘導体に塩基存在下、ホスホロハ
ロゲネートを作用させる方法が知られている(J.Ch
em.Soc.Chem.Commun.988(19
89))。 【0003】メチロールアルキル(およびアリル)アミ
ド誘導体あるいはスルホンアミド誘導体と亜リン酸エス
テル類との相互作用により生成するジアルキル(スルホ
ン)アミドメチルホスファイト誘導体からの熱転位によ
るホスホネート誘導体生成についても報告されている
(J.Org.Chem.41(1)28(197
6))が、ベンジルホスファイト誘導体の場合は、熱だ
けの作用では転位せず、ほとんどホスホネート誘導体は
得られない。 【0004】また、アルブゾフ反応やホスホロハロゲネ
ート法では、収率は良好であるが、アルブゾフ反応の場
合、工程数が増え、アルキルハライドが副生するという
工業上大きな問題があり、またホスホロハロゲネート法
では、ハロゲン化物の取扱いや安定性等の問題があっ
た。そこで、工業的に有利な新規なホスホネート誘導体
の合成法が望まれた。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するため鋭意検討した結果、ベンジルアルコール誘
導体と亜リン酸エステル類から中間体としてベンジルホ
スファイト誘導体を生成させ、このベンジルホスファイ
ト誘導体をヨウ化物と亜リン酸エステル類の存在下転位
させることによりベンジルホスホネート誘導体が収率良
く生成することを見いだし、本発明を完成するに到っ
た。 【0006】すなわち本発明の要旨は、ベンジルアルコ
ール誘導体と亜リン酸エステル類を反応させ、得られる
ベンジルホスファイト誘導体を亜リン酸エステル類およ
びヨウ化物触媒存在下、転位させることを特徴とするベ
ンジルホスホネート誘導体の製造方法に存する。以下、
本発明を詳細に説明する。本発明においては、ベンジル
アルコール誘導体と亜リン酸エステル類との反応により
中間体としてのベンジルホスファイト誘導体を生成さ
せ、次いでこのホスファイト誘導体をヨウ化物と過剰の
亜リン酸エステル類の作用でベンジルホスファイト誘導
体からの転位反応によりベンジルホスホネート誘導体を
生成させる。副生成物はアルコールと、過剰の亜リン酸
エステル類の転位物であり、蒸留留去が可能である。 【0007】本発明で用いるベンジルアルコール誘導体
とは、ベンジルアルコールまたはそのベンゼン環もしく
はベンジル位の炭素に反応に不活性な置換基を有するベ
ンジルアルコール誘導体であり、具体的には、例えば下
記一般式(A)で表される化合物が用いられる。 【0008】 【化1】 【0009】(置換基Rは、反応に不活性であれば特に
限定されないが、好ましくはアルキル基、アルコキシ基
等の置換基、より好ましくは炭素数1〜8の低級アルキ
ル基または炭素数1〜8の低級アルコキシ基を表す。) 本発明で用いる、ベンジルアルコール誘導体に反応させ
る亜リン酸エステル類とは、トリアルキルあるいはトリ
アリールホスファイト等の亜リン酸エステル類のことで
あり、具体的には、例えば下記一般式(B)で表される
化合物が用いられる。 【0010】 【化2】P−(OR′)3 (B) (R′は反応に不活性であれば特に限定されないが、好
ましくはアルキル基、アリール基、より好ましくは炭素
数1〜8の低級アルキル基またはアリール基を表す。) 【0011】本発明の製造方法では、一般式(A)で表
されるベンジルアルコール誘導体に一般式(B)で表さ
れる亜リン酸エステル類を過剰量作用させ、下記一般式
(C)で表されるベンジルホスファイト誘導体を得、次
いで触媒量のヨウ化物を添加して下記一般式(D)で表
されるベンジルホスホネート誘導体を製造する。 【0012】 【化3】 【0013】一般式(B)で表される亜リン酸エステル
類は、(A)から(C)を得るに必要な量に加えて、一
般式(C)から(D)を得るのにも少量を必要とする。
つまり、(B)の使用量としては、(A)に対して1.
2モル等量以上であれば特に限定されないが、好ましく
1.5〜5モル等量程度である。 【0014】本発明の反応では、ベンジルアルコール誘
導体に亜リン酸エステル類を作用させて得られたベンジ
ルホスファイト誘導体に、触媒として添加したヨウ化物
の作用により一旦ヨウ化ベンジル誘導体が生成して、目
的物であるホスホネート誘導体が得られると考えられる
が、本発明はこの提案した機構によって限定されるもの
ではない。 【0015】本発明で用いるヨウ化物としては、無機ヨ
ウ化物、有機ヨウ化物どらちでも良い。好ましい無機ヨ
ウ化物としてはアルカリ金属のヨウ化物、ヨウ素等が挙
げられ、好ましい有機ヨウ化物としてはヨウ化アンモニ
ウム塩、ヨウ化ホスホニウム塩等の相関移動触媒が挙げ
られる。ヨウ化物の使用量としては触媒量が望ましい
が、好ましくはベンジルアルコール誘導体に対して0.
02〜1.0モル等量である。 【0016】本発明において、溶媒は特に使用する必要
はないが、反応にある程度の高温を要するため、高沸点
で反応に関与しない溶媒であれば、使用してもよく、例
えばキシレン、ダイグライム等が挙げられる。反応温度
は、一般式(A)から(C)を得るには用いる亜リン酸
エステル類(B)の還流温度が必要であるが、(C)か
ら(D)を得るには室温以上、亜リン酸エステル類の沸
点以下が望ましい。 【0017】本発明方法において、ヨウ化物触媒を反応
初期の段階から添加しても反応の進行は認められるが、
ヨウ化物が特に無機ヨウ化物の場合は一般式(B)の亜
リン酸エステル類の転位が速いために必要量以上の亜リ
ン酸エステル類が先に転位してしまう。そこで、一旦反
応系中で一般式(C)のホスファイト誘導体を得てから
ヨウ化物触媒を添加する方法の方が高い収率が得られ
る。 【0018】 【実施例】以下、実施例にて本発明をより詳細に説明す
るが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に
限定されるものではない。 【0019】実施例1 m−メトキシベンジルアルコール0.5g(3.6mm
ol)にトリエチルホスファイト0.9g(5.4mm
ol)を加え加熱還流させた。1時間後、ヨウ化テトラ
n−ブチルアンモニウム0.03g(0.07mmo
l)を加えて160℃で2時間反応させた。反応終了後
HPLC(高速液体クロマトグラフィー)で分析する
と、目的物であるジエチルm−メトキシベンジルホスホ
ネート体0.80g(収率:86%)が得られた。 【0020】実施例2 m−メトキシベンジルアルコール0.5g(3.6mm
ol)にトリエチルホスファイト1.50g(9.0m
mol)を加え加熱還流させた。1時間後、ヨウ化ナト
リウム0.14g(0.9mmol)を加えて160℃
で2.5時間反応させた。反応終了後HPLCで分析す
ると、目的物であるジエチルm−メトキシベンジルホス
ホネート体0.87g(収率:93%)が得られた。 【0021】実施例3 m−メトキシベンジルアルコール0.5g(3.6mm
ol)にトリエチルホスファイト1.50g(9.0m
mol)、ヨウ素0.09g(0.4mmol)を加
え、1.5時間加熱還流させた。反応終了後HPLCで
分析すると、目的物であるジエチルm−メトキシベンジ
ルホスホネート体0.81g(収率:87%)が得られ
た。 【0022】実施例4 m−メトキシベンジルアルコール0.5g(3.6mm
ol)にトリエチルホスファイト0.9g(5.4mm
ol)を加え加熱還流させた。1時間後、ヨウ化トリフ
ェニルメチルホスホニウム0.36g(0.9mmo
l)を加えて160℃で2時間反応させた。反応終了後
HPLCで分析すると、目的物であるジエチルm−メト
キシベンジルホスホネート体0.73g(収率:78
%)が得られた。 【0023】比較例1 m−メトキシベンジルアルコール0.5g(3.6mm
ol)にトリエチルホスファイト1.50g(9.0m
mol)を加え加熱還流させた。1時間後、フッ化カリ
ウム0.21g(3.6mmol)を加えて160℃で
2時間反応させた。反応終了後HPLCで分析すると、
目的物であるジエチルm−メトキシベンジルホスホネー
ト体はほとんど得られず、中間体であるベンジルエチル
ホスファイトで反応は止まっていた。 【0024】比較例2 m−メトキシベンジルアルコール0.5g(3.6mm
ol)にトリエチルホスファイト0.9g(5.4mm
ol)を加え加熱還流させた。1時間後、臭化テトラn
−ブチルアンモニウム0.29g(0.9mmol)を
加えて160℃で2時間反応させた。反応終了後HPL
Cで分析すると、目的物であるジエチルm−メトキシベ
ンジルホスホネート体は0.22g(収率:24%)し
か得られなかった。 【0025】比較例3 m−メトキシベンジルアルコール0.5g(3.6mm
ol)にトリエチルホスファイト1.50g(9.0m
mol)を加え加熱還流させた。2.5時間反応させた
後HPLC分析すると、目的物であるジエチルm−メト
キシベンジルホスホネート体は0.09g(収率:10
%)しか得られず、中間体であるベンジルエチルホスフ
ァイトで反応は止まってしまった。 【0026】 【発明の効果】本発明方法によれば、ベンジルアルコー
ル誘導体からベンジルホスホネート誘導体を得る方法と
して、従来のハロゲン体から変換するアルブゾフ反応や
塩基存在下ホスホロハロゲネートを作用させる方法に比
べ、工程数を短縮でき、取扱いや安定性が問題となるハ
ロゲン化物を扱うことなく、良好にベンジルホスホネー
ト誘導体を生成することができる。 【0027】また、触媒としてヨウ化物を添加すること
により、熱転位だけでは生成しにくいホスホネート誘導
体を良好に得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−19625(JP,A) 特開 昭57−48994(JP,A) 特開 平3−170490(JP,A) 特開 昭50−84587(JP,A) 特開 昭47−18802(JP,A) 特開 昭47−42741(JP,A) 特開 昭48−19519(JP,A) 特開 平5−194564(JP,A) 特開 平5−178868(JP,A) 特公 昭40−4049(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07F 9/38

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ベンジルアルコール誘導体と亜リン酸エ
    ステル類を反応させ、得られるベンジルホスファイト誘
    導体を亜リン酸エステル類およびヨウ化物触媒存在下、
    転位させることを特徴とするベンジルホスホネート誘導
    体の製造方法。
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