JPH05132491A - アリールリン酸クロライド類の製造方法 - Google Patents

アリールリン酸クロライド類の製造方法

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JPH05132491A
JPH05132491A JP29399191A JP29399191A JPH05132491A JP H05132491 A JPH05132491 A JP H05132491A JP 29399191 A JP29399191 A JP 29399191A JP 29399191 A JP29399191 A JP 29399191A JP H05132491 A JPH05132491 A JP H05132491A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 医薬、農薬、可塑剤及びポリマー難燃剤等の
中間原料として使用出来るアリールリン酸クロライド類
の新規な製造方法であって、アリールリン酸クロライド
類を生産効率良くかつ経済的に製造する処方を提供する
ものである。 【構成】 フェノール、アルキルフェノール類、アリー
ルフェノール類あるいはハロゲン化フェノール類等の群
から得らばれた少なくとも一つのフェノール類と三塩化
ホスホリルを反応させてアリールリン酸クロライド類を
製造するに際し、触媒として第4級アンモニウム塩を使
用することを特徴とするアリールリン酸クロライド類の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医薬、農薬、可塑剤、合
成繊維の難燃剤等の中間体として有用なアリールリン酸
クロライド類の新規な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アリールリン酸クロライド類を製
造する方法としては、フェノール類と三塩化ホスホリル
を無触媒で反応させる方法が Ber. 72, 2121(1939)
(文献A)、J. Am. Chem. Soc. 78, 2568-9(1956)
(文献B)、米国特許第2,844,582(1958)(文献
C)、Trudy Tallin, Politekh. Inst. Ser. A.(195
8)No.97,1662-82(文献D)等に開示されている。ま
た、金属塩化物、アミン類その他各種の触媒の存在下反
応させる方法も多く開示されている。金属塩化物とし
て、塩化アルミニウムを用いる方法は Trudy Tallin, P
olite-kh. Inst. Ser. A.(1958)No.97, 183-206(文
献E)、Neth. Appl. 6,611,298(1967)(文献F)、M
etody Poluck. Khim. Reaktivov. Prep.(1969)No.18,
207-9(文献G)等に開示されている。なお、文献Eに
は塩化アルミニウムの他に塩化カルシウム、塩化ナトリ
ウムを触媒とする方法が開示されている。また、Zhur.
Obschei. Khim. 26, 3060-6(1966)(文献H)には塩
化カリウムを触媒とする方法が開示されている。尿素、
1,1,3,3-テトラメチル尿素、1,3-ジフェニル
尿素等の尿素類を触媒とする方法が米国特許第3,772,41
4(1973)(文献I)に開示されている。硫酸アンモニ
ウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、酢酸アン
モニウム等のアンモニウム塩を触媒とする方法が Ger.
Offenn. 2,230,913(1972)(文献J)に開示されてい
る。N,N-ジメチルアニリン、1-メチルイミダゾー
ル、ジエチルアミン塩酸塩及びピリジン等のアミン類を
触媒とする方法が米国特許第3,965,220(1976)(文献
K)に開示されている。エチル-N-エチルカーバメー
ト、イソプロピルカーバメート、エチル-N-フェニルカ
ーバメート等のカーバメート類を触媒とする方法が Ge
r. Offenn. 2,230,912(1972)(文献L)に、N-メチ
ルピロリドンを触媒とする方法が米国特許第3,790,649
(1974)(文献M)に開示されている。酸化マグネシウ
ムを触媒としてフェノール対三塩化ホスホリルのモル比
で0.33で反応させフェニルリン酸ジクロライドを得る方
法及びフェノール対三塩化ホスホリルのモル比が0.67で
反応させジフェニルリン酸クロライドをそれぞれ選択的
に製造する方法が Ger.(East)134,104(1979)(文献
N)に開示されている。マグネシウムを触媒とする方法
が Brit. 734,764(1955)(文献O)及びPr. Nauk. Ln
st. Technal Org. Tworzyw. Sztucznych Politech. Wro
claw.(1975)17, 3-22(文献P)に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術におい
て、無触媒で反応させる場合は、反応が遅くフェノール
類と三塩化ホスホリルが未反応物として残り易く、トリ
アリールホスフェート類の副生量が多く本発明の目的物
であるモノ又はジアリールホスフェート類の収量が低
い。又、文献E〜Pの触媒を用いた反応においては何れ
も、無触媒の場合に比して反応速度は速くなるが、トリ
アリールホスフェート類の副生量が多い。又、塩化アル
ミニウムを触媒として用いる場合は、アルミニウムフェ
ノラートが反応器内壁に付着して反応後の処理が厄介に
なる。酸化マグネシウムを触媒として用いた場合は三塩
化ホスホリルが未反応物として残留し、マグネシウムを
触媒として用いた場合は、熱、水、塩酸等の酸性物質と
の接触によって水素ガスを発生し、その水素ガスが爆発
する危険性がある等の欠点を有している。
【0004】本発明は上記従来のようなフェノール類と
三塩化ホスホリルとを反応させてアリールリン酸クロラ
イド類を得る製法において、原料であるフェノール類及
び三塩化ホスホリルの損失が少なく、かつ副生物である
トリアリールホスフェート類の生成量を極力抑制し、有
用なアリールリン酸ジクロライドあるいは/及びジアリ
ールリン酸クロライド類を高選択的にかつ生産効率良く
製造する新規製法を提供することを目的とするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決する目的で鋭意研究の結果、フェノール類と三塩化
ホスホリルとを第4級アンモニウム塩を触媒として反応
させたら、トリアリールホスフェート類の生成を抑制
し、未反応の三塩化ホスホリルも残存せず、かつ工業的
に操作容易にアリールリン酸ジクロライドあるいは/及
びジアリールリン酸クロライド類を高選択的に得られる
ことを見出し本発明を完成した。
【0006】フェノールあるいはフェニル核にアルキル
基、アリール基、又はハロゲン原子を有する置換フェノ
ール類と三塩化ホスホリルを第4級アンモニウム塩を触
媒として使用し反応させることを特徴とするアリールリ
ン酸クロライド類の製造方法。
【0007】本発明の触媒に用いる第4級アンモニウム
塩は特に限定するものではないが、通常はハロゲンを含
む第4級アンモニウム塩であり、好ましくは、テトラメ
チルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウ
ムブロマイド、テトラメチルアンモニウムイオダイド、
テトラメチルアンモニウムフルオライド、テトラ-n-ブ
チルアンモニウムクロライド、テトラ-n-ブチルアンモ
ニウムブロマイド、テトラ-n-ブチルアンモニウムイオ
ダイド、テトラ-n-ブチルアンモニウムフルオライド、
テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルア
ンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムイオ
ダイド、テトラエチルアンモニウムフルオライド、ベン
ジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリ
メチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルア
ンモニウムイオダイド、ベンジルトリメチルアンモニウ
ムフルオライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロ
ライド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロマイド、
ベンジルトリエチルアンモニウムイオダイド、ベンジル
トリエチルアンモニウムフルオライド、セチルトリメチ
ルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニ
ウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニウムイオダ
イド、セチルトリメチルアンモニウムフルオライド、ト
リオクチルメチルアンモニウムクロライド、トリオクチ
ルメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルジメチルセ
チルアンモニウムクロライド等が挙げられる。これらの
中でも特に好ましいのはクロル又はブロムを含む第4級
アンモニウム塩である。第4級アンモニウム塩の使用量
は特に限定はないが、通常は仕込み三塩化ホスホリルに
対し0.01〜10mol%、好ましくは0.1〜5.0mol%使用する
のが好適である。又、これらの触媒が、反応液の冷却に
よって析出する場合は、濾過により触媒を分離し繰り返
し使用することができる。
【0008】本発明の原料であるフェノール及び置換フ
ェノール類としてはフェノール、o-,m-,p-クレゾ
ール、2,4-、2,5-、2,6-、3,4-、3,5-
キシレノール、o-,m-,p-エチルフェノール、o-,
m-,p-イソプロピルフェノール、p-tert-ブチルフェ
ノール等のアルキルフェノール類、p-フェニルフェノ
ール等のアリールフェノール類、クロルフェノール、ブ
ロモフェノール、フルオロフェノール等のハロゲン化フ
ェノール類等である。
【0009】フェノール類と三塩化ホスホリルのモル比
(フェノール類/POCl3)の調整によりアリールリン酸
ジクロライド類及び/又はジアリールリン酸クロライド
類を各々高選択率で製造することができる。アリールリ
ン酸ジクロライド類を選択的に得るには少なくともフェ
ノール類/POCl3のモル比を1.0以下とすることが好まし
い。なお、フェノール類/POCl3のモル比を小にするほ
どアリールリン酸ジクロライド類の選択率は向上する
が、三塩化ホスホリルが未反応で回収される量が多くな
る。従って、アリールリン酸ジクロライド類の選択率と
その生産効率を考慮するとフェノール類/POCl3のモル
比の範囲は0.3〜1.0が一層好ましい。一方、ジアリール
リン酸クロライド類を選択的に得るには、アリールリン
酸ジクロライド類とジアリールリン酸クロライド類を共
に生産する場合は、フェノール類/POCl3のモル比を少
なくとも2.0以下にすることが好ましい。なお、フェノ
ール類/POCl3のモル比を大にするとトリアリールホス
フェート類の生産量が増加し、かつ、原料のフェノール
類が未反応物として残り易い。又フェノール類/POCl3
のモル比が小でありすぎると前記の通りアリールリン酸
ジクロライド類の生成割合が大となる。従って、ジアリ
ールリン酸クロライド類を生産効率良く製造するには、
フェノール類及び三塩化ホスホリルが未反応物として残
存しない条件が望ましい。この条件を満たす好ましいフ
ェノール類/POCl3のモル比は0.8〜1.8の範囲である。
【0010】フェノール類と三塩化ホスホリルとの反応
温度は特に限定はないが、通常80〜160℃が好ましい。
反応温度が低すぎると反応が遅く、逆に高すぎると三塩
化ホスホリルの損失が大となり、目的のアリールリン酸
クロライド類の選択率に影響を与える。従って、フェノ
ール類/POCl3のモル比が1.0以下の場合、あるいは1.0
以上でも反応初期で三塩化ホスホリルの未反応量が多い
場合は、80〜120℃の低温とし、その後徐々に140〜160
℃に昇温することが好ましい。それによって三塩化ホス
ホリルの損失を小とし、トリアリールホスフェート類の
副生を抑制し、かつ未反応フェノール類の残存をなくす
ことができる。このようにして得られた反応液を分溜す
ることによって、ジアリールリン酸クロライド類とアリ
ールリン酸ジクロライド類の併産が可能である。その場
合、分溜で得たアリールリン酸ジクロライド類を本反応
に繰り返し使用するとジアリールリン酸クロライド類を
選択的に製造することができる。
【0011】本発明の製法において、原料及び触媒の仕
込方法は、低温(少なくとも80℃以下)で全部を一括し
て仕込んでもよいが、三塩化ホスホリルと触媒とを低温
で仕込んだ後に、所定温度(80〜120℃)でフェノール
類を添加反応させる方法が好適である。原料である三塩
化ホスホリル、触媒及び反応物であるアリールリン酸ク
ロライド類はいずれも吸湿し易く、加水分解し易いの
で、水分の混入を防止するため原料仕込時及び反応終了
後に窒素ガス等の置換を行うと更に効果がある。反応の
終点は仕込フェノール類が殆ど消費された時点とするこ
とが好ましい。また、反応液をガスクロマトグラフィー
分析(GC分析)、液体クロマトグラフィー分析(HP
LC分析)あるいはゲルバーミエーションクロマトグラ
フィー(GPC分析)等により分析することによって追
跡することができる。また、発生塩酸ガス量によっても
反応の進行程度をおおよそ把握することができる。
【0012】
【実施例】以下実施例により、本発明のアリールリン酸
クロライド類の製造方法を詳細に説明するが、本発明は
これらの実施例によって限定されるものではない。 実施例1 撹拌機、温度計及び発生塩酸ガスの吸収装置に接続させ
た還流コンデンサーを備えた500ml四つ口フラスコに三
塩化ホスホリル(POCl3)153.5g(1.0mol)、フェノー
ル(PhOH)47g(0.5mol)及びテトラメチルアンモニウ
ムクロライド(TMAC)2.0gを仕込み、撹拌しなが
ら昇温する。内温95〜110℃で5時間反応した後、窒素
ガス置換しつつ室温まで冷却し、濾過し、TMAC1.8
gを回収した。濾液から未反応の三塩化ホスホリルを蒸
溜により回収した後、分溜によりフェニルリン酸ジクロ
ライド(PPDC)96.0g(仕込フェノールに対する理
論収率91.0%)を得た。反応条件、反応液のGC分析に
よる組成は〔表1〕で示した。
【0013】実施例2 実施例1と同様の装置に三塩化ホスホリル153.5g(1.0
mol)、テトラメチルアンモニウムクロライド(TMA
C)2.0g及びフェノール94g(1mol)を仕込み、撹拌
しながら昇温する、内温100〜130℃で3.5時間反応した
後、窒素ガス置換しつつ室温まで冷却し、TMACを濾
別した後の反応液の組成は〔表1〕に示した通りであっ
た。なお、反応条件も〔表1〕で示した。
【0014】実施例3 撹拌機、温度計、保温装置を備えた滴下濾斗及び発生塩
酸ガスの吸収装置に接続させた還流コンデンサーを備え
た500ml四つ口フラスコに三塩化ホスホリル153.5g(1.
0mol)及びテトラメチルルアンモニウムクロライド(T
MAC)2.0gを仕込み撹拌する。フラスコ仕込液を撹
拌しつつ昇温し、内温が80℃に達した時点からフェノー
ルの滴下を開始し、内温90〜105℃に保ちつつフェノー
ル141g(1.50mol)を約2時間で滴下する。その後内温
105〜110℃で1時間撹拌を続けた後、150℃まで徐々に
昇温し、更に3時間反応を継続する、総反応時間は6時
間である。反応終了後窒素ガスにより系内の塩酸ガスを
排出しつつ冷却し、濾過によりTMAC1.9gを回収
し、濾液を分溜するとフェニルリン酸ジクロライド(P
PDC)69.2g、ジフェニルリン酸クロライド(DPP
C)33gが得られた。これは仕込フェノールに対する理
論収率は、フェニルリン酸ジクロライド(PPDC)が
21.9%、ジフェニルリン酸クロライド(DPPC)が6
6.0%であり、両者の全収率は87.9%であった。なお、
反応条件、反応液のGC分析による組成を〔表1〕に示
した。
【0015】実施例4 実施例3と同様の装置に実施例3で得られたフェニルリ
ン酸ジクロライド溜分69g(0.33mol)、三塩化ホスホ
リル103g(0.67mol)及びテトラメチルアンモニウムク
ロライド(TMAC)2.5gを仕込み、撹拌しつつ100℃
まで昇温する。内温が80℃に達した時点からフェノール
の滴下を開始し、内温を80〜100℃に保ちつつフェノー
ル110.0g(1.17mol)を約2時間で滴下する。以下実施
例1の操作に準じて反応を続けかつ後処理を行い、TM
AC回収後の反応液はGC分析により実施例3の反応液
組成とほぼ同じ組成であることが確認された。この反応
液を分溜し、フェニルリン酸ジクロライド(PPDC)
70.3g(収率差引0.5%)及びジフェニルリン酸クロラ
イド(DPPC)130g(収率82.8%)を得た。なお、
反応条件、反応液のGC分析による組成を〔表1〕に示
した。
【0016】実施例5 実施例1と同様の装置に、三塩化ホスホリル153.5g(1
0mol)、フェノール141g(1.50mol)及び回収されたテ
トラメチルアンモニウムクロライド(TMAC)2.5g
を仕込み、撹拌しつつ昇温し、100〜150℃で16時間で反
応を終え、窒素ガス置換しつつ室温まで冷却し、後テト
ラメチルアンモニウムクロライドを濾別し回収する。反
応液はGC分析によりその組成を分析したところ、新し
く調製したテトラメチルアンモニウムクロライドを用い
た場合と大差のないことが確認された。反応条件及び反
応液のGC分析組成を〔表1〕に示した。
【0017】
【表1】 PhOH(%)は未反応フェノール、PPDC(%)は
フェニルリン酸ジクロライド、DPPC(%)はジフェ
ニルリン酸クロライド、TPP(%)はトリフェニルホ
スフェートの各GC分析値を示す。
【0018】実施例6〜17 実施例1のテトラメチルアンモニウムクロライド(TM
AC)の代りに下記に示す第4級アンモニウム塩を触媒
として実施例1と同様にフェノールと三塩化ホスホリル
の反応を行った。 実施例6 触媒:テトラメチルアンモニウムブロマイド
(TMAB) 実施例7 触媒:テトラメチルアンモニウムイオダイド
(TMAI) 実施例8 触媒:テトラエチルアンモニウムクロライド
(TEAC) 実施例9 触媒:テトラエチルアンモニウムブロマイド
(TEAB) 実施例10 触媒:テトラ-n-ブチルアンモニウムクロ
ライド(TBAC) 実施例11 触媒:テトラ-n-ブチルアンモニウムブロマ
イド(TBAB) 実施例12 触媒:テトラ-n-ブチルアンモニウムイオダ
イド(TBAI) 実施例13 触媒:テトラエチルアンモニウムイオダイド
(TEAI) 実施例14 触媒:ベンジルトリエチルアンモニウムクロ
ライド(BTEAC) 実施例15 触媒:ベンジルトリメチルアンモニウムクロ
ライド(BTMAC) 実施例16 触媒:セチルトリメチルアンモニウムブロマ
イド(CTMAB) 実施例17 触媒:トリオクチルメチルアンモニウムクロ
ライド(TOMAC) 上記実施例6〜17の反応条件及び反応液のGC分析値を
〔表2〕で示す。
【0019】
【表2】 PhOH(%)は未反応フェノール、PPDC(%)は
フェニルリン酸ジクロライド、DPPC(%)はジフェ
ニルリン酸クロライド、TPP(%)はトリフェニルホ
スフェートの各GC分析値を示す。
【0020】実施例18 実施例1と同じ装置を備えた100ml四つ口フラスコに、
三塩化ホスホリル28.4g(0.185mol)、p-クレゾール3
0g(0.278mol)及びテトラメチルアンモニウムクロラ
イド(TMAC)0.5g(0.0046mol)を仕込み撹拌しつ
つ昇温し、100℃で1時間反応した後に更に昇温し150℃
で4.5時間反応を行った。その反応条件、反応液のGC
分析結果を〔表3〕に示す。
【0021】実施例19〜22 実施例18のp-クレーゾールの代りに下記のフェノール
類をテトラメチルアンモニウムクロライド(TMAC)
の存在下三塩化ホスホルと実施例18と同様の操作で反応
した。 実施例19 原料フェノール類:2,5-キシレノール 実施例20 原料フェノール類:p-tert-ブチルフェノー
ル(PTBP) 実施例21 原料フェノール類:p-クロルフェノール 実施例22 原料フェノール類:p-フェニルフェノール 上記実施例19〜22の反応条件、反応液のGC分析あるい
はGPC分析結果を〔表3〕に示す。
【0022】
【表3】 mono-(%)はアリールリン酸ジクロライド、di-(%)
はジアリールリン酸クロライド、tri-(%)はトリアリ
ールホスフェートのGC分析値を示す。
【0023】上記本発明の製法の優位性を明らかにする
ため次に比較例を示す。 比較例1 実施例1と同様の装置を備えた100ml四つ口フラスコ
に、三塩化ホスホリル50g(0.326mol)、フェノール10g
(0.106mol)を仕込み撹拌しつつ昇温する。100〜105℃
で4時間反応後、未反応の三塩化ホスホリルを回収し、
その反応液の組成をGC分析により分析した。そのGC
分析値及び反応条件を〔表4〕に示す。
【0024】比較例2〜4 実施例1と同様の装置を備えた100ml四つ口フラスコに
三塩化ホスホリル30g(0.195mol)及び仕込フェノール
の量を変化させて、無触媒条件下の下記の仕込モル比で
反応した。 比較例2 仕込モル比(フェノール/POCl3)=1.0 比較例3 仕込モル比(フェノール/POCl3)=1.5 比較例4 仕込モル比(フェノール/POCl3)=2.0 この比較例2〜4の反応条件、反応液のGC分析値を
〔表4〕に示す。
【0025】比較例5 実施例1と同様の装置を備えた100ml四つ口フラスコ
に、三塩化ホスホリル30g(0.195mol)、塩化アルミニ
ウム(AlCl3)0.2g(0.0015mol)を仕込み、撹拌後フ
ェノール9.5g(0.101mol)を添加し反応した。
【0026】比較例6 比較例5において、撹拌後のフェノールを36g(0.383m
ol)添加して反応した。
【0027】比較例7〜12 実施例1と同様の装置を備えた100ml四つ口フラスコ
に、フェノール27.0g(0.287mol)に対し、三塩化ホス
ホリル30g(0.195mol)あるいは44.0g(0.287mol)を
仕込み、下記触媒0.3〜0.5gの存在下、種々の条件で反
応した。 比較例7 触媒:塩化カリウム(KCl) 比較例8 触媒:尿素(Urea) 比較例9 触媒:硫酸アンモニウム〔(NH4)2SO4〕 比較例10 触媒:N,N-ジメチルアニリン(DMA
N) 比較例11 触媒:ピリジン(Pyridine) 比較例12 触媒:トリエチルアミン(Et3N) 以上の比較例3〜12の反応条件、反応液のGC分析値を
〔表4〕に示す。
【0028】この〔表4〕で示される反応液の組成から
明らかなように、トリフェニルホスフェート(TPP)
の生成が多いため、本発明の目的とするフェニルリン酸
クロライドの収率並びに選択率が低い結果を得た。又、
触媒を用いない場合は反応速度も遅く、未反応の三塩化
ホスホリルの残存も見られた。
【0029】
【表4】 PhOH(%)は未反応フェノール、PPDC(%)は
フェニルリン酸ジクロライド、DPPC(%)はジフェ
ニルリン酸クロライド、TPP(%)はトリフェニルホ
スフェートの各GC分析値を示す。
【0030】
【発明の効果】本発明はフェノール類と三塩化ホスホリ
ル(POCl3)の反応において触媒として第4級アンモニ
ウム塩を用いたことにより、公知の方法に比してフェノ
ール類及び三塩化ホスホリルの損失が少なく、かつトリ
アリールホスフェートの副生を抑制し、アリールリン酸
クロライド類を収率よくかつ高選択的に製造する極めて
有利な方法である。従って、本発明の方法はアリールリ
ン酸クロライド類を中間原料とした医薬、農薬、可塑剤
及びポリマー難燃剤の製造を効率的かつ経済的に行うこ
とができる工業的に極めて有用な発明である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノールあるいはフェニル核にアルキ
    ル基、アリール基、又はハロゲン原子を有する置換フェ
    ノール類と三塩化ホスホリルを第4級アンモニウム塩を
    触媒として使用し反応させることを特徴とするアリール
    リン酸クロライド類の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100386335C (zh) * 2005-12-07 2008-05-07 中山大学 一种取代二芳基磷酸酯盐的制备方法
DE102011015104A1 (de) 2011-03-25 2012-09-27 Skw Stickstoffwerke Piesteritz Gmbh Verfahren zur Herstellung von Phosphorsäurearylesterdichloriden
JP2013151552A (ja) * 2006-04-24 2013-08-08 Albemarle Corp 燐酸トリフェニル含有量が低くて燐含有量が高くかつオルソアルキル置換度が高い燐酸イソプロピルフェニルの製造方法
DE102019216652B4 (de) 2019-10-29 2023-03-02 Skw Stickstoffwerke Piesteritz Gmbh Verfahren zur Herstellung von Phosphorsäurearylesterdiamiden

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