JP3637612B2 - フェネチルアルコール誘導体の製造方法 - Google Patents
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は感熱記録材料における発色画像の保存安定性を改善する新規なフェネチルアルコール誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、フェノール(アルコール)類とエポキシ基を有する化合物とを反応させエーテル結合を有する化合物を製造する場合、触媒に三級アミン類,四級アンモニウム塩類等を使用して有機溶媒中等で付加反応する方法が一般的に知られている。しかしながら、エポキシ基を有する化合物は酸性又はアルカリ性化合物の存在下では一般的に不安定でポリマーを作りやすいことが知られており、そのような条件下でのエポキシ基を有する化合物の付加反応は容易でなかった。又ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物のような2価のフェノール性化合物に対し、保護基を用いず、片方だけの水酸基を選択的にエポキシ基を有する化合物を付加させる反応を行わしめるのは非常に困難とされていた。
それに加え、エポキシ環の開裂方向にはα開裂とβ開裂とがあり、その開裂方向により二種類の化合物が生成することが知られており(Makromol.Chem.183.587(1982))、一方の目的物のみを高収率で得ることを困難にしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はジヒドロキシジフェニルスルホン化合物とスチレンオキサイド化合物とを反応させ、一方の水酸基とエポキシ基が反応し、且つα開裂したエーテル結合を有する化合物を高収率で得る製造方法を提案するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一般式(II)で表されるジヒドロキシジフェニルスルホン化合物とスチレンオキサイド化合物とを、水溶媒中、アルカリ性化合物の存在下で反応させることを特徴とする一般式(I)で表されるフェネチルアルコール誘導体の製造方法である。
【化2】
(式中、R1 、R2 及びR3 はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基及び低級アルケニル基を、R4 は水素原子及び低級アルキル基を、n、m及びpは1〜4の整数を示す。)
【0005】
本発明の製造方法を説明する。
【化3】
反応式で示した通り、スチレンオキサイド化合物の開裂方向により、α開裂した一般式(I)で表される目的化合物の他、β開裂した一般式(III)で表される化合物も副生する。勿論、この他に両方の水酸基に反応した副生物であるジ置換体が生成することは言うまでもなく、極めて難しい製造方法である。
【0006】
式中、R1 、R2 及びR3 はそれぞれ独立に水素原子、塩素、臭素、フッ素などのハロゲン原子、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ter−ブチルなどのC1 〜C4 の低級アルキル基及びビニル、アリル、イソプロペニル、メタリルなどのC2 〜C4 の低級アルケニル基を、R4 は水素原子及びメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ter−ブチルなどのC1 〜C4 の低級アルキル基を、n、m及びpは1〜4の整数を示す。
【0007】
本発明の製造方法を説明する。具体的には、一般式(II)で表される4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物1モルに対して、0.5〜6モルのアルカリ性化合物の存在下、該ジフェニルスルホン化合物1重量部に対し、0.5〜 5重量部の水溶媒中に、該ジフェニルスルホン化合物を加え、更にスチレンオキサイド化合物を加えて反応させる。反応温度は0〜90℃で可能であり、好ましくは、10〜60℃、特に好ましくは10〜30℃で数時間〜数十時間反応させる。10℃以下では収率が低下し、また、60℃以上では同様に選択率低下による収率低下、及びジ置換体の生成が多くなる傾向がある。
【0008】
ここで、該ジフェニルスルホン化合物1モルに対する各々の使用量は、アルカリ性化合物は0.5〜6モル、好ましくは1.5〜3.0モルであり、スチレンオキサイド化合物は0.2〜2モル、好ましくは0.4〜1.0モルである。また、水溶媒量は、該ジフェニルスルホン化合物1重量部に対して0.5〜5重量部、好ましくは1〜3重量部である。
【0009】
反応終了後の処理方法は種々可能である。例えば、反応液に硫酸等の酸性化合物を加えてpHを弱アルカリ性に調整し、水層を分離する。その後、有機溶媒層に熱アルカリ性物質水溶液を加え水層に目的物を抽出し、酸性にする等して結晶を析出させ目的化合物の一般式(I)のフェネチルアルコール誘導体を得る方法がある。
【0010】
このようにして副生物等の含量の少ないα開裂した目的化合物が得られるが、必要により酢酸エステル類、ジアルキルケトン類等の有機溶媒或いは加熱アルカリ性化合物水溶液を使用して、更には両者を併用して再結晶を行えば、より純度の高い目的化合物を製造することができる。
【0011】
アルカリ性化合物としては、例えばアルカリ金属やアルカリ土類金属類の水酸化物或いは炭酸塩が、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム等が挙げられる。
【0012】
以下具体的に実施例を挙げて発明の詳細について述べるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0013】
実施例1
300ml四径フラスコに水70ml、水酸化ナトリウム9.6g(0.24モル)、4,4’−ジヒドロシジフェニルスルホン(以下、「BPS」と略す)30g(0.12モル)を入れた。次いで、スチレンオキサイド7.2g(0.06モル)を加えた後、20〜25℃で20時間反応した。反応終了後、メチルイソブチルケトン(以下MIBKと略す)を80ml加えた後、希硫酸を加えて水層を酸性とし、水層を分離した。有機溶媒層を1%NaOH水溶液で洗浄して未反応のBPSを回収した後、高速液体クロマトグラフィーにて測定したところ、目的化合物である4−(4−(2−ヒドロキシ−1−フェニル−エチルオキシ)フェニルスルホニル)フェノールが20.7g含まれており、目的化合物の選択率93%、スチレンオキサイドよりの生成率93%であった。この有機溶媒層を4%熱水酸化ナトリウム水溶液50mlを使用して2回抽出した。分液して有機溶媒層を除き、水層を冷却して目的化合物のナトリウム塩22gを得た。このナトリウム塩にMIBK80ml、熱水90mlを加えた後、希硫酸で中和、水洗を行った。分液して水層を除き、有機溶媒層を濃縮・冷却して、目的化合物の白色結晶、16.0g、融点194.0〜196.0℃を得た。高速液体クロマトグラフィーにて純度を測定したところ99.4%であり、スチレンオキサイドからの収率は72%であった。
【0014】
実施例2
実施例1と同様にして、水35ml、水酸化ナトリウム9.6g(0.24モル)、BPS30g(0.12モル)、スチレンオキサイド7.2g(0.06モル)を使用し、20〜25℃で20時間反応した。反応後、MIBKを80ml加えた後、希硫酸を加えて水層を酸性とし、水層を分離した。有機溶媒層を1%NaOH水溶液で洗浄して未反応のBPSを回収した後、有機溶媒層を高速液体クロマトグラフィーにて測定したところ、目的物である4−(4−(β−ヒドロキシフェネチルオキシ)フェニルスルホニル)フェノールが20.5g含まれており、目的物の選択率92%、スチレンオキサイドよりの生成率92%であった。以下同様に後処理をして、目的化合物の白色結晶15.6gを得た。液体クロマトグラフィーで純度を測定したところ99.3%であり、スチレンオキサイドからの収率は70%であった。また、融点は194.1〜196.0℃であった。
【0015】
実施例3
実施例1と同様にして、水35ml、水酸化ナトリウム4.8g(0.12モル)、BPS30g(0.12モル)、スチレンオキサイド7.2g(0.06モル)を使用し、20〜25℃で20時間反応した。反応後、MIBKを80ml加えた後、希硫酸を加えて水層を酸性とし、水層を分離した。有機溶媒層を1%NaOH水溶液で洗浄して未反応のBPSを回収した後、有機溶媒層を高速液体クロマトグラフィーにて測定したところ、目的物である4−(4−(β−ヒドロキシフェネチルオキシ)フェニルスルホニル)フェノールが16.7g含まれており、目的物の選択率91%、スチレンオキサイドよりの生成率75%であった。以下同様に後処理をして、目的化合物の白色結晶12.7gを得た。液体クロマトグラフィーで純度を測定したところ99.4%であり、スチレンオキサイドからの収率は57%であった。融点は194.1〜196.0℃であった。
【0016】
比較例
実施例1と同様にして、水84ml、水酸化ナトリウム4.8g(0.12モル)、BPS30g(0.12モル)、MIBK84ml、スチレンオキサイド7.2g(0.06モル)を使用し、60〜65℃で5時間反応した。反応後、有機溶媒層を高速液体クロマトグラフィーにて測定したところ、目的物である4−(4−(β−ヒドロキシフェネチルオキシ)フェニルスルホニル)フェノールが10.4g含まれており、目的物の選択率88%、スチレンオキサイドよりの生成率47%であった。以下同様に後処理をして、目的化合物の白色結晶7.6gを得た。液体クロマトグラフィーで純度を測定したところ99.3%であり、スチレンオキサイドからの収率は34%であった。また、融点は194.0〜196.0℃であった。
【0017】
【発明の効果】
ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物とスチレンオキサイド化合物とを反応する場合、ジ置換体、ポリマー更にはエポキシ基の開裂方向等により極めて多くの副生物が生成する。しかしながら、本発明の製造方法によれば、一方の水酸基とエポキシ基が反応し、α開裂したエーテル結合を有するフェネルアルコール誘導体を高収率、高純度で得ることができる。
【産業上の利用分野】
本発明は感熱記録材料における発色画像の保存安定性を改善する新規なフェネチルアルコール誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、フェノール(アルコール)類とエポキシ基を有する化合物とを反応させエーテル結合を有する化合物を製造する場合、触媒に三級アミン類,四級アンモニウム塩類等を使用して有機溶媒中等で付加反応する方法が一般的に知られている。しかしながら、エポキシ基を有する化合物は酸性又はアルカリ性化合物の存在下では一般的に不安定でポリマーを作りやすいことが知られており、そのような条件下でのエポキシ基を有する化合物の付加反応は容易でなかった。又ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物のような2価のフェノール性化合物に対し、保護基を用いず、片方だけの水酸基を選択的にエポキシ基を有する化合物を付加させる反応を行わしめるのは非常に困難とされていた。
それに加え、エポキシ環の開裂方向にはα開裂とβ開裂とがあり、その開裂方向により二種類の化合物が生成することが知られており(Makromol.Chem.183.587(1982))、一方の目的物のみを高収率で得ることを困難にしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はジヒドロキシジフェニルスルホン化合物とスチレンオキサイド化合物とを反応させ、一方の水酸基とエポキシ基が反応し、且つα開裂したエーテル結合を有する化合物を高収率で得る製造方法を提案するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一般式(II)で表されるジヒドロキシジフェニルスルホン化合物とスチレンオキサイド化合物とを、水溶媒中、アルカリ性化合物の存在下で反応させることを特徴とする一般式(I)で表されるフェネチルアルコール誘導体の製造方法である。
【化2】
(式中、R1 、R2 及びR3 はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基及び低級アルケニル基を、R4 は水素原子及び低級アルキル基を、n、m及びpは1〜4の整数を示す。)
【0005】
本発明の製造方法を説明する。
【化3】
反応式で示した通り、スチレンオキサイド化合物の開裂方向により、α開裂した一般式(I)で表される目的化合物の他、β開裂した一般式(III)で表される化合物も副生する。勿論、この他に両方の水酸基に反応した副生物であるジ置換体が生成することは言うまでもなく、極めて難しい製造方法である。
【0006】
式中、R1 、R2 及びR3 はそれぞれ独立に水素原子、塩素、臭素、フッ素などのハロゲン原子、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ter−ブチルなどのC1 〜C4 の低級アルキル基及びビニル、アリル、イソプロペニル、メタリルなどのC2 〜C4 の低級アルケニル基を、R4 は水素原子及びメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ter−ブチルなどのC1 〜C4 の低級アルキル基を、n、m及びpは1〜4の整数を示す。
【0007】
本発明の製造方法を説明する。具体的には、一般式(II)で表される4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物1モルに対して、0.5〜6モルのアルカリ性化合物の存在下、該ジフェニルスルホン化合物1重量部に対し、0.5〜 5重量部の水溶媒中に、該ジフェニルスルホン化合物を加え、更にスチレンオキサイド化合物を加えて反応させる。反応温度は0〜90℃で可能であり、好ましくは、10〜60℃、特に好ましくは10〜30℃で数時間〜数十時間反応させる。10℃以下では収率が低下し、また、60℃以上では同様に選択率低下による収率低下、及びジ置換体の生成が多くなる傾向がある。
【0008】
ここで、該ジフェニルスルホン化合物1モルに対する各々の使用量は、アルカリ性化合物は0.5〜6モル、好ましくは1.5〜3.0モルであり、スチレンオキサイド化合物は0.2〜2モル、好ましくは0.4〜1.0モルである。また、水溶媒量は、該ジフェニルスルホン化合物1重量部に対して0.5〜5重量部、好ましくは1〜3重量部である。
【0009】
反応終了後の処理方法は種々可能である。例えば、反応液に硫酸等の酸性化合物を加えてpHを弱アルカリ性に調整し、水層を分離する。その後、有機溶媒層に熱アルカリ性物質水溶液を加え水層に目的物を抽出し、酸性にする等して結晶を析出させ目的化合物の一般式(I)のフェネチルアルコール誘導体を得る方法がある。
【0010】
このようにして副生物等の含量の少ないα開裂した目的化合物が得られるが、必要により酢酸エステル類、ジアルキルケトン類等の有機溶媒或いは加熱アルカリ性化合物水溶液を使用して、更には両者を併用して再結晶を行えば、より純度の高い目的化合物を製造することができる。
【0011】
アルカリ性化合物としては、例えばアルカリ金属やアルカリ土類金属類の水酸化物或いは炭酸塩が、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム等が挙げられる。
【0012】
以下具体的に実施例を挙げて発明の詳細について述べるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0013】
実施例1
300ml四径フラスコに水70ml、水酸化ナトリウム9.6g(0.24モル)、4,4’−ジヒドロシジフェニルスルホン(以下、「BPS」と略す)30g(0.12モル)を入れた。次いで、スチレンオキサイド7.2g(0.06モル)を加えた後、20〜25℃で20時間反応した。反応終了後、メチルイソブチルケトン(以下MIBKと略す)を80ml加えた後、希硫酸を加えて水層を酸性とし、水層を分離した。有機溶媒層を1%NaOH水溶液で洗浄して未反応のBPSを回収した後、高速液体クロマトグラフィーにて測定したところ、目的化合物である4−(4−(2−ヒドロキシ−1−フェニル−エチルオキシ)フェニルスルホニル)フェノールが20.7g含まれており、目的化合物の選択率93%、スチレンオキサイドよりの生成率93%であった。この有機溶媒層を4%熱水酸化ナトリウム水溶液50mlを使用して2回抽出した。分液して有機溶媒層を除き、水層を冷却して目的化合物のナトリウム塩22gを得た。このナトリウム塩にMIBK80ml、熱水90mlを加えた後、希硫酸で中和、水洗を行った。分液して水層を除き、有機溶媒層を濃縮・冷却して、目的化合物の白色結晶、16.0g、融点194.0〜196.0℃を得た。高速液体クロマトグラフィーにて純度を測定したところ99.4%であり、スチレンオキサイドからの収率は72%であった。
【0014】
実施例2
実施例1と同様にして、水35ml、水酸化ナトリウム9.6g(0.24モル)、BPS30g(0.12モル)、スチレンオキサイド7.2g(0.06モル)を使用し、20〜25℃で20時間反応した。反応後、MIBKを80ml加えた後、希硫酸を加えて水層を酸性とし、水層を分離した。有機溶媒層を1%NaOH水溶液で洗浄して未反応のBPSを回収した後、有機溶媒層を高速液体クロマトグラフィーにて測定したところ、目的物である4−(4−(β−ヒドロキシフェネチルオキシ)フェニルスルホニル)フェノールが20.5g含まれており、目的物の選択率92%、スチレンオキサイドよりの生成率92%であった。以下同様に後処理をして、目的化合物の白色結晶15.6gを得た。液体クロマトグラフィーで純度を測定したところ99.3%であり、スチレンオキサイドからの収率は70%であった。また、融点は194.1〜196.0℃であった。
【0015】
実施例3
実施例1と同様にして、水35ml、水酸化ナトリウム4.8g(0.12モル)、BPS30g(0.12モル)、スチレンオキサイド7.2g(0.06モル)を使用し、20〜25℃で20時間反応した。反応後、MIBKを80ml加えた後、希硫酸を加えて水層を酸性とし、水層を分離した。有機溶媒層を1%NaOH水溶液で洗浄して未反応のBPSを回収した後、有機溶媒層を高速液体クロマトグラフィーにて測定したところ、目的物である4−(4−(β−ヒドロキシフェネチルオキシ)フェニルスルホニル)フェノールが16.7g含まれており、目的物の選択率91%、スチレンオキサイドよりの生成率75%であった。以下同様に後処理をして、目的化合物の白色結晶12.7gを得た。液体クロマトグラフィーで純度を測定したところ99.4%であり、スチレンオキサイドからの収率は57%であった。融点は194.1〜196.0℃であった。
【0016】
比較例
実施例1と同様にして、水84ml、水酸化ナトリウム4.8g(0.12モル)、BPS30g(0.12モル)、MIBK84ml、スチレンオキサイド7.2g(0.06モル)を使用し、60〜65℃で5時間反応した。反応後、有機溶媒層を高速液体クロマトグラフィーにて測定したところ、目的物である4−(4−(β−ヒドロキシフェネチルオキシ)フェニルスルホニル)フェノールが10.4g含まれており、目的物の選択率88%、スチレンオキサイドよりの生成率47%であった。以下同様に後処理をして、目的化合物の白色結晶7.6gを得た。液体クロマトグラフィーで純度を測定したところ99.3%であり、スチレンオキサイドからの収率は34%であった。また、融点は194.0〜196.0℃であった。
【0017】
【発明の効果】
ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物とスチレンオキサイド化合物とを反応する場合、ジ置換体、ポリマー更にはエポキシ基の開裂方向等により極めて多くの副生物が生成する。しかしながら、本発明の製造方法によれば、一方の水酸基とエポキシ基が反応し、α開裂したエーテル結合を有するフェネルアルコール誘導体を高収率、高純度で得ることができる。
Claims (1)
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP27436694A JP3637612B2 (ja) | 1994-10-13 | 1994-10-13 | フェネチルアルコール誘導体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27436694A JP3637612B2 (ja) | 1994-10-13 | 1994-10-13 | フェネチルアルコール誘導体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08113558A JPH08113558A (ja) | 1996-05-07 |
JP3637612B2 true JP3637612B2 (ja) | 2005-04-13 |
Family
ID=17540663
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP27436694A Expired - Fee Related JP3637612B2 (ja) | 1994-10-13 | 1994-10-13 | フェネチルアルコール誘導体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3637612B2 (ja) |
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1994
- 1994-10-13 JP JP27436694A patent/JP3637612B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH08113558A (ja) | 1996-05-07 |
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