JPH06219987A - α−フルオロ−β−ジカルボニル化合物の製造方法 - Google Patents
α−フルオロ−β−ジカルボニル化合物の製造方法Info
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Abstract
化合物が、一般式IIのハロゲン化ジカルボニル化合物と
弗化水素とトリアルキルアミンの付加物とを、20から
100℃で反応させることにより得られる。 [2個の基Aは同一または異なってもよく、それぞれア
ルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ
基またはアミノ基、Rは水素、弗素、アルキル基または
アリール基である] [Xは塩素、臭素、またはヨウ素、Aは式(I)と同
じ、R′は式(I)のRと同じであるか、塩素、臭素、
ヨウ素である] 【効果】 入手容易な原料と副原料を用いる工業的大規
模に実施しやすいα‐フルオロ‐β‐ジカルボニル化合
物の製造方法が提供される。
Description
容易に実施可能なα−フルオロ−β−ジカルボニル化合
物の製造方法に関する。
−n−ブチルホスフィンと反応して相当するホスホニウ
ム塩になり、後者化合物は−78℃でn−ブチルリチウ
ムと反応することにより相当するイレンに変換し、さら
にアシル化、けん化反応によりα−フルオロ−β−ケト
−エステル類に変換されることが知られている(J.O
rg.Chem.56,273−277(1991)を
参照)。
易に入手できるものでないこと、数工程を経る製造法で
あること、特別な安全処置と低温での取扱いが要求され
るホスフィンやn−ブチルリチウムを取り扱うことなど
により複雑な操作手順をふまえなければならないことな
どが挙げられる。
タンとジオキセンを反応させ、次に酸触媒によりアルコ
ール分解を行うことによって α−フルオロ−β−ジカ
ルボニル化合物を製造することが可能なことが知られて
いる(J.Org.Chem.54,5618−562
0(1989)参照)。
オロジクロロメタン、ジオキセンの取扱いが難しいこ
と、けん化に要する反応時間が一週間にもおよぶことで
ある。また最後になるが、1,3−ジカルボニル化合物
のアルファ位が、N−フルオロ−パーフルオロアルキル
スルホンイミド類と反応させることにより、選択的に弗
素化されることが知られている(J.Chem.So
c.Chem.Comm.1991,179参照)。
ンイミドが容易に入手できないことである。
オロ−β−ジカルボニル化合物の製造を容易、かつ工業
規模で行う方法は、いまもって存在していない。
く、それぞれがアルキル基、アリール基、アルコキシ
基、アリールオキシ基またはアミノ基を示しており、R
は水素、弗素、アルキル基またはアリール基である]で
表されるα−フルオロ−β−ジカルボニル化合物の製造
方法において、式(II)
(I)で定義されたものであり、R′は、式( )のR
として定義されたものであり、さらに塩素、臭素、ヨウ
素でもありうる]で表されるジカルボニル化合物の一種
を、20℃から100℃の温度で、弗化水素とトリアル
キルアミンの一種との付加生成物と反応させることを特
徴とする方法が見いだされた。
素、臭素またはヨウ素であれば、即ち、式(I)で表さ
れる化合物においてRが弗素であるα,α−ジフルオロ
−β−ジカルボニル化合物が得られる。
ば直鎖状または分岐状、非置換または置換されたアルキ
ル基でもよく、非置換または置換されたアリール基でも
よく、直鎖または分岐、非置換または置換されたアルコ
キシ基でもよく、非置換、置換されたアリールオキシ基
でもよく、または非置換、置換された式(III)から
式(V)のアミノ基でもよい。
−C6−アルキル、またはアリール、好ましくはフェニ
ル、であり、R2およびR3は同一であっても異なってい
てもよい。
よい置換基としては、ハロゲン原子、好ましくは弗素、
塩素および/もしくは臭素、またはニトロ基を例示でき
る。アリールまたはアリールオキシ基に存在してもよい
置換基としては、C1−C6−アルキル基、好ましくはメ
チルもしくはエチルまたはハロゲン原子、好ましくは弗
素、塩素および/もしくは臭素、またはニトロ基を例示
できる。
は炭素原子を1から6個もつものが好ましく、特に1か
ら2個の炭素原子を持つものが好ましい。またアリール
基またはアリールオキシ基として、Aはフェニルである
ことが好ましい。
としては、水素、直鎖または分岐の、非置換または置換
のC1−C12−アルキル基または非置換または置換のフ
ェニル基を例示できる。アルキル基の置換基として適当
なものの例としては、ハロゲン原子、またはニトロ基が
挙げられ、そしてアリール基の置換基として適当なもの
の例としては、C1−C6−アルキル基、ハロゲン原子ま
たはニトロ基が挙げられる。式(II)において、R′
はさらに塩素、臭素またはヨウ素であってもよく、特に
塩素または臭素であってよい。
であることが望ましい。
ル化合物のいくつかの例としては、
るいくつかのα−フルオロ−β−ジカルボニル化合物の
いくつかを選択して例示すると、
は50゜から90℃の範囲にある。弗化水素とトリアル
キルアミンの付加生成物の例として、トリアルキルアミ
ン1モル当り弗化水素を1から2.8モルを含有するも
のであることができる。この割合は好ましくは1:1.
5から2.5であり、とくに好ましくは1:1.8から
2.2である。
アミンとの付加生成物は、容易に得られるものであり、
これを用いて、その反応の場で、適当な量のフリーのト
リアルキルアミンを添加することにより、弗化水素含有
量の低い付加生成物を製造できる。
れが1から6個の炭素原子をもち同一または異なる形の
アルキル基を含有するものがあるが、好ましくは3個の
同一のアルキル基を含有していることが望ましく、トリ
エチルアミンが特に好ましい。
物は、式(IIで表されるジカルボニル化合物をベース
として1から4モル使用することができる。好ましくは
式(II)で表されるジカルボニル化合物1モルに対し
て1から3モルの付加生成物を使用することが望まし
い。
たは非存在下で実施できるが、好ましい溶媒例としてニ
トリル類、特にアセトニトリル、ジアルキルアミド類、
特にジメチルホルムアミド、及び塩素化炭化水素類、特
にメチレンクロライドが挙げられる。
最初に存在する溶媒の全てを真空下で留去し、次に当該
混合物を水中に排出し、水と混合しない有機溶媒、例え
ばメチレンクロライドで抽出し、次いで製造されたα−
フルオロ−ジカルボニル化合物を最後に有機溶媒相から
の分溜により分離する一連の操作により仕上げられる。
来の製造方法と区別される。
と補助原料とを必要とするだけで、それらの大部分のも
のは商業的に利用できるものであり、式(I)で表され
るα−フルオロ−β−ジカルボニル化合物を容易かつ高
収率で得ることができ、さらに特に毒物を取り扱うのに
必要な特殊な処置をなんら必要としない。
合物は、例えば、ヨーロッパ特許出願公開第20346
2号明細書に記載された製造方法によるα−フルオロア
クリル酸製造のための重要な中間体であり、またα−フ
ルオロアクリル酸エステル類は透明で、軟化温度が10
0℃以上の高分子量の非結晶性ポリマーを製造するのに
使用される。
セトニトリルに溶解し、湿気の無い状態で、この溶液に
320gの3モルの弗化水素と1モルのトリエチルアミ
ンからなる付加生成物を加えた。しかる後100gのト
リエチルアミンを加え、該混合物を反応が完結するま
で、内温80℃で撹はんした。溶媒を蒸留除去し、残留
物を水中に注いだ。得られる式(Ia)で表されるジエ
チルフルオロマロネートをメチレンクロライドで抽出
し、抽出液は炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液 で洗浄
し、硫酸マグネシウム上で乾燥してから、高真空下、分
溜を行った。 収率は147g=理論値の83%であっ
た。
のアセトニトリルに溶解し、湿気の無い状態で、この溶
液に320gの3モルの弗化水素と1モルのトリエチル
アミンからなる付加生成物を加えた。しかる後100g
のトリエチルアミンを加え、該混合物を反応が完結する
まで、内温80℃で撹はんした。溶媒を蒸留除去し、残
留物を水中に注いだ。得られる式(Ib)で表されるエ
チルフルオロアセトアセテートをメチレンクロライドで
抽出し、抽出液は炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液 で
洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥してから、高真空
下、分溜を行った。収率は96g=理論値の65%であ
った。
ンからなる付加生成物を243gのジエチル 2,2−
ジブロモマロネートに加え、しかる後150gのトリエ
チルアミンを加え、GCによる測定で反応が完結するま
で、該混合物を、内温70℃で撹はんした。次に該反応
混合液を冷却し、水中に注いだ。式(Ic)で表される
生成物をメチレンクロライドで抽出し、抽出液は炭酸水
素ナトリウムの飽和水溶液 で洗浄し、硫酸マグネシウ
ム上で乾燥した。真空下、蒸留を行い、10mbarで
沸点70−80℃のジエチル 2,2−ジフルオロマロ
ネート108g(=理論値の72%)を得た。
00mlのアセトニトリルに溶解し、湿気のない状態
で、この溶液に320gの3モルの弗化水素と1モルの
トリエチルアミンからなる付加生成物を加えた。しかる
後100gのトリエチルアミンを加え、反応が完結する
まで内温80℃で該混合液を撹はんした。次に400m
lの溶媒を蒸留除去し、残留物を水中に注いだ。該生成
物をメチレンクロライドで抽出し、抽出液は炭酸水素ナ
トリウムの飽和水溶液 で洗浄し、硫酸マグネシウム上
で乾燥した。真空下、分溜を行い30mbarで88℃
の沸点を持つ3−フルオロ−ペンタン−2,4−ジオン
38g(=理論値の32%)を得た。
イドを75mlのアセトニトリルに溶解し、湿気のない
状態で、この溶液に32gの3モルの弗化水素と1モル
のトリエチルアミンからなる付加生成物を加えた。しか
る後10gのトリエチルアミンを加え、反応が完結する
まで内温80℃で該混合液を撹はんした。次に60ml
の溶媒を蒸留除去し、残留物を水中に注いだ。該生成物
をメチレンクロライドで抽出し、抽出液は炭酸水素ナト
リウムの飽和水溶液 で洗浄し、硫酸マグネシウム上で
乾燥し、エバポレーターを用いて濃縮した。該生成物を
メチレンクロライドを溶離剤としたシリカゲルを用いた
クロマトグラフィーで精製し、式(Ie)で表される2
−フルオロアセト酢酸オルソクロロアニリド15.8g
(=理論値の69%)を得た。
おりである。
く、それぞれがアルキル基、アリール基、アルコキシ
基、アリールオキシ基またはアミノ基を示しており、R
は水素、弗素、アルキル基またはアリール基である]で
表されるα−フルオロ−β−ジカルボニル化合物の製造
方法において、式(II)
(I)で定義されたものであり、R′は、式(I)のR
として定義されたものであり、さらに塩素、臭素、ヨウ
素でもありうる]のジカルボニル化合物の一種を、20
℃から100℃の温度で、弗化水素とトリアルキルアミ
ンの付加生成物と反応させることを特徴とする方法。
例えば直鎖状または分岐状、非置換または置換されたア
ルキル基でもよく、非置換または置換されたアリール基
でもよく、直鎖または分岐、非置換または置換されたア
ルコキシ基でもよく、非置換または置換されたアリール
オキシ基でもよく、または非置換または置換された式
(III)から式(V)のアミノ基
−C6−アルキル、またはアリール、好ましくはフェニ
ル、であり、R2およびR3は同一であっても異なってい
てもよいでもよいことを特徴とする上記1記載の製造方
法。
して1個から6個の炭素原子を有することまたはフェニ
ル基であることを特徴とする上記1および2記載の方
法。 4.式(I)および式(II)において、Rならびに
R′が水素、直鎖状または分岐状の、非置換または置換
されたC1−C12−アルキル基もしくは非置換または置
換されたフェニル基であり、さらにR′が塩素、臭素ま
たはヨウ素でもあることができることを特徴とする上記
1から3に記載された製造方法。
RならびにR′が水素であることを特徴とする上記1か
ら4に記載された製造方法。
付加生成物がトリアルキルアミン1モル当り1から2.
8モルの弗化水素を含有することを特徴とする上記1か
ら5に記載された製造方法。
ミンであることを特徴とする上記1から6に記載された
製造方法。
合物類を基礎として、1から4モルの該弗化水素とトリ
アルキルアミンの付加生成物が使用されることを特徴と
する上記1から7に記載された製造方法。
ることを特徴とする上記1から8に記載された製造方
法。
下、該混合物中に存在する溶媒をまず留去し、次いで該
混合物を水中に排出し、次いで水と混合しない有機溶媒
で抽出し、最後に該有機相を分留することにより式
(I)で表されるα−フルオロ−β−ジカルボニル化合
物を得る一連の操作で、仕上げることを特徴とする上記
1から9に記載された製造方法。
Claims (1)
- 【請求項1】 式(I) 【化1】 [式中、2個の基Aは、同一または異なっていてもよ
く、それぞれがアルキル基、アリール基、アルコキシ
基、アリールオキシ基またはアミノ基を示しており、R
は水素、弗素、アルキル基またはアリール基である]で
表されるα−フルオロ−β−ジカルボニル化合物の製造
方法において、 式(II) 【化2】 [式中、Xは、塩素、臭素、またはヨウ素Aは、式
(I)で定義されたものであり、R′は、式(I)のR
として定義されたものであり、さらに塩素、臭素、ヨウ
素でもありうる]のジカルボニル化合物の一種を、20
℃から100℃の温度で、弗化水素とトリアルキルアミ
ンの付加生成物と反応させることを特徴とする方法。
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