JP3163148B2 - ヘミケタールおよびヘミチオケタールの製造方法 - Google Patents

ヘミケタールおよびヘミチオケタールの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヘミケタール類および
ヘミチオケタール類を製造する新規で有用な方法に関す
る。詳しくは本発明は、4,4,4−トリフルオロアセ
ト酢酸アルキルまたは4,4,4−トリフルオロアセト
酢酸チオアルキルを製造するのに有用ないくつかのヘミ
ケタール類およびヘミチオケタール類を製造する方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】それらの化学構造の一部分として、多く
の農業上または薬学的に活性な化合物は、少くとも一つ
のトリフルオロメチル機能性基を含む。化合物中に一以
上のそのような基が存在するとその化合物の所望の活性
に寄与する。米国特許4,785,129号には、トリ
フルオロアセト酢酸チオアルキルとも呼ばれるアルキル
4,4,4−トリフルオロ−3−オキソ−ブタンチオエ
ートが、4,4,4−トリフルオロ−3−オキソ−ブタ
ン酸のメチルおよびエチルエステルが商業的に入手出来
る化合物であるという事実と共に、開示されている。そ
の特許には、そのような化合物は除草性のピリジンジカ
ルボチオエート類および除草性のピリジンジカルボキシ
レートの製造のための有用な中間体であることも開示さ
れている。
【0003】米国特許第4,618,679号には、中
間体として3−ケトエステルおよび適当なアルデヒド類
を用いた除草剤の製造が開示されている。
【0004】トリフルオロアセト酢酸化合物を製造する
種々の方法は公知である。例えば英国明細書第931,
689号はフッ素化アセト酢酸クロライドの製造を開示
し、その方法ではフッ素化アセチルクロライドをケテン
と、好ましくは適切な溶媒の存在下に反応させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】木発明はヘミケタール
類およびヘミチオケタール類を製造する新規で有用な方
法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】ヘミケタール類またはヘ
ミチオケタール類を製造する方法は、アルコールまたは
メルカプタンを、次式、
【0007】
【化5】
【0008】(式中はHalはハロゲンである)を有す
るオキセタン−2−オン化合物と、反応させ構造式
【0009】
【化6】
【0010】(式中XはOまたはSであり、Rは低級ア
ルキルすなわちC−C12アルキルである)を有する
ヘミケタールまたはヘミチオケタールを製造することよ
りなる。最良の収率を得るためにはメルカプタンまたは
アルコールは化学量論量近くまたは以上用いる。メルカ
プタンを反応物として用いる場合には反応を触媒の3級
アミン存在下で行うのが好ましい。オキセタン−2−オ
ン化合物の好ましい源は、上記英国明細書に開示された
ような方法を用いるフッ素化アセト酢酸クロライドの製
造から生じた回収された副生物である。
【0011】ここで「低級アルキル」および「アルキ」
等のその同語源の語は、1〜約12の炭素原子を有する
直鎖または分枝のアルキル部分を指す。
【0012】公知の方法では、ケテンをトリフルオロア
セチルハライド、好ましくはトリフルオロアセチルクロ
ライドと溶媒中低温で反応させ、トリフルオロアセトア
セチルハライドを製造する。次式は反応を示す。
【0013】
【化7】
【0014】式中Halはcl,Br,または下のよう
なハロゲンである。また、次の構造式、
【0015】
【化8】
【0016】(式中Halはcl,Br,またはFのよ
うなハロゲンである)の構造式を有する4−ハロ−4−
トリフルオロメチルオキセテン−2−オン化合物が、ケ
テンとトリフルオロアセチルハライドの間の反応で、実
質的な量、約10重量%製造される。低級アルコールま
たはメルカプタンでクエンチングした後、反応混合物を
蒸留して、オキセタン−2−オン化合物、溶媒、トリフ
ルオロアセトアセテート化合物を互いに分離する。好ま
しくは蒸留は減圧下で行い、望ましくない副生物の生成
を最小限にする。
【0017】蒸留操作により回収したオキセタン−2−
オン化合物は、その物を過剰の低級アルキル一価アルコ
ールまたはメルカプタンとそれぞれ反応させて、ヘミケ
タールまたはヘミチオケタールに変換する。最良の結果
を得るためには、アルコールまたはメルカプタンとオキ
セタン−2−オン化合物のモル比は約5:1〜1:1の
範囲である。好ましい比は3.5:1〜2.5:1であ
る。その混合物を還流下加熱して、次式に従いヘミケタ
ールまたはヘミチオケタールに変換する。
【0018】
【化9】
【0019】式中X,R,およひHalは上に定義した
とおりである。
【0020】生じた生成物は、エタノールを反応物とし
て用いた場合、4,4,4トリフルオロ−3−エトキシ
−3−ヒドロキシ−ブタン酸エチルエステルであり、メ
チルメルカプタンを反応物として用いた場合4,4,4
−トリフルオロ−3−チオメチル−3−ヒドロキシ−ブ
タン酸メチルチオエステルである。
【0021】好ましくはそのヘミケタールまたはヘミチ
オケタールはトリフルオロアセト酢酸アルキルまたはS
−アルキルに変換する。これは、反応混合物から過剰の
アルコールまたはメルカプタンを除去し、同時にヘミケ
タールからアルコキシまたはチオアルキル基を、アルコ
ールまたはメルカプタンの形で開裂することにより行わ
れる。除去および開裂は好ましくは大気圧で還流比1
0:1〜1:1、最も好ましくは約5:1で行う。この
操作は、約90℃以上の温度がヘミケタールを所望の
4,4,4−トリフルオロアセト酢酸アルキルまたはS
−アルキルに分解するために必要なので、好ましくは大
気圧下または大気圧近辺で行う。ヘミケタールまたはヘ
ミチオケタールの変換から生じたトリフルオロアセトア
セテートは、オキセタン−2−オン化合物が副生物とし
て製造される反応から生じたトリフルオロアセトアセテ
ートといっしょにし、その後除草性のピリジン化合物の
製造に用いることができる。かくしてフッ素化アセチル
ハライドおよびケテンからのトリフッ素化アセト酢酸化
合物の製造において不要生成物と以前には見なされてい
た生成物が、付加的な量のトリフルオロアセトアセテー
トを製造するのに有用な生成物に変換することができ、
それによってトリフルオロアセトアセテートの全体の収
量を約5〜10%も増加させる。
【0022】オキセタン−2−オン化合物をチオエート
へ最良の結果で変換させるためにはトリエチルアミンの
ような3級アミンの触媒量存在下で行うべきであること
が見出された。触媒量は用いるメルカプタン重量の約5
〜30%の範囲である。アミンに対するオキセタン−2
−オン化合物のモル比は約1.5:1〜0.5:1の範
囲である。オキセタン−2−オン化合物とメルカプタン
との間の反応促進に有用な3級アミンの例としては、ト
リメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミ
ン、トリ−t−ブチルアミン、N,N−ジイソプロピル
エチルアミン、4−ジメチル−アミノピリジン、1,8
−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデス−7−エン、
1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)ノン−5−エ
ン、1,4−ジアザビシクロ(2.2.2)オクタンが
ある。
【0023】
【実施例】次の実施例は本発明をより詳細に説明するも
のであり、本発明はそれらに限定されると見なされるべ
きではない。特記しない限りすべての「部」は重量部で
与えられる。
【0024】実施例1 無水のエタノール3部およびケテンとフッ素化アセト酢
酸クロライドとの反応生成物の低沸点蒸留物中に含まれ
る4−クロロ−4−トリフルオロメチル−オキセタン−
2−オン 1部を混合し、約100℃の温度で還流下一
時間加熱した。反応生成物は約40重量%の4,4,4
−トリフルオロ−3−エトキシ−3−ヒドロキシ−ブタ
ン酸エチルエステルを含むことが測定された。
【0025】実施例2 メチルメルカプタン 3部、ケテンとフッ素化アセト酢
酸クロライドの反応生成物の低沸点蒸留物中に含まれる
4−クロロ−4−トリフルオロメチル−オキセタン−2
−オン 1部、およびトリエチルアミン0.2部を約1
00℃の温度で還流下一時間加熱した。反応生成物は約
40重量%の4,4,4−トリフルオロ−3−エトキシ
−3−ヒドロキシ−ブタン酸メチルチオエートを含むこ
とが測定された。
【0026】本発明の説明のための実施態様を具体的に
記載したが、様々な他の改変は、本発明の思想と範囲を
離れることなく当業者に明らかであり容易になされるこ
とが理解される。したがって特許請求の範囲は実施例お
よび上に説明した記述に限定されることを意図するもの
ではなく、むしろ本発明が関係する分野の当業者により
均等として扱われるすべての特徴を含めて、本発明に存
するすべての特許性のある新規性を有する特徴を含むも
のと、特許請求の範囲は解釈されるべきことを意図する
ものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造式、 【化1】 (式中Halはハロゲンである)を有するオキセタン−
    2−オン化合物を、アルコールと反応させて、式、 【化2】 (式中Rは低級アルキル基である)を有するヘミケター
    ルを製造することよりなる、ヘミケタールの製造方法。
  2. 【請求項2】 アルコールが化学量論量近くまたは以上
    存在する、請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 アルコールおよびオキセタン−2−オン
    化合物を還流下加熱してヘミケタールを製造する、請求
    項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 アルコールとオキセタン−2−オン化合
    物のモル比が約5:1〜1.5:1の範囲である、請求
    項2の方法。
  5. 【請求項5】 モル比が3.5:1〜2.5:1であ
    る、請求項3の方法。
  6. 【請求項6】 アルコールがエタノールである、請求項
    1の方法。
  7. 【請求項7】 アルコールがエタノールである、請求項
    2の方法。
  8. 【請求項8】 アルコールがエタノールである、請求項
    3の方法。
  9. 【請求項9】 式、 【化3】 (式中Halはハロゲンである)を有するオキセタン−
    2−オン化合物を、触媒量の3級アミン存在下にメルカ
    プタンと反応させて、式 【化4】 (式中Rは低級アルキル基である)を有するヘミチオケ
    タールを製造する、ヘミチオケタールの製造方法。
  10. 【請求項10】 メルカプタンが化学量論量近くまたは
    以上存在する、請求項9の方法。
  11. 【請求項11】 メタカプタンとオキセタン−2−オン
    化合物を還流下に加熱しヘミチオケタールを製造する、
    請求項10の方法。
  12. 【請求項12】 メルカプタンとオキセタン−2−オン
    化合物のモル比が約5:1〜1.5:1の範囲である、
    請求項9の方法。
  13. 【請求項13】 メルカプタンとオキセタン−2−オン
    化合物のモル比が約3.5:1〜2.5:1の範囲であ
    る、請求項12の方法。
  14. 【請求項14】 メルカプタンがメチルメルカプタンで
    ある、請求項9の方法。
  15. 【請求項15】 メルカプタンがメチルメルカプタンで
    ある、請求項10の方法。
  16. 【請求項16】 メルカプタンがメチルメルカプタンで
    ある、請求項11の方法。
  17. 【請求項17】 ハロゲンが塩素である、請求項1の方
    法。
  18. 【請求項18】 ハロゲンが塩素である、請求項9の方
    法。
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DE (1) DE69201972D1 (ja)
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ES (1) ES2072131T3 (ja)
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ATE121068T1 (de) 1995-04-15
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DK0496720T3 (da) 1995-07-31
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