JP3450535B2 - 自動変速機の摩擦係合装置 - Google Patents
自動変速機の摩擦係合装置Info
- Publication number
- JP3450535B2 JP3450535B2 JP20391395A JP20391395A JP3450535B2 JP 3450535 B2 JP3450535 B2 JP 3450535B2 JP 20391395 A JP20391395 A JP 20391395A JP 20391395 A JP20391395 A JP 20391395A JP 3450535 B2 JP3450535 B2 JP 3450535B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- clutch
- automatic transmission
- drum
- piston
- engagement device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Gear-Shifting Mechanisms (AREA)
- Structure Of Transmissions (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のクラッチ,
ブレーキ等の摩擦係合要素を備えた自動変速機及びその
クラッチ装置に係わり、特に自動変速機の小型化が可能
な自動変速機の摩擦係合装置及び摩擦係合要素配設部分
の構造に関する。
ブレーキ等の摩擦係合要素を備えた自動変速機及びその
クラッチ装置に係わり、特に自動変速機の小型化が可能
な自動変速機の摩擦係合装置及び摩擦係合要素配設部分
の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】発明の背景
一般に、車両用の自動変速機としては、エンジンの回転
をトルクコンバータを介して入力し、複数組のプラネタ
リギアを有する補助変速機により変速してプロペラシャ
フト(車軸側)に出力するものが普及している。そし
て、この種の自動変速機における補助変速機には、トル
クコンバータからのインプットシャフトの回転を、シフ
ト位置に応じて、プラネタリギアを構成する特定のギア
又はキャリアに伝動したり、特定のギア又はキャリアの
回転を適宜アウトプットシャフトに伝動したり、あるい
は適宜特定のギア又はキャリアの回転を拘束するため
に、複数のクラッチ,ブレーキ等の摩擦係合要素が設け
られる。そして、車両の居住スペース等の拡大とともに
安全装備等の搭載部品の増加、走行性能の向上等が求め
られる近年にあっては、自動変速機にもよりきめこまか
で円滑な変速動作が求められるとともに、車両における
設置スペースの縮小を可能とする小型化が求められてい
る。このため、自動変速機の補助変速機においては、ク
ラッチ装置やブレーキ装置等の摩擦係合装置の小型化、
あるいは、より複数の摩擦係合要素又はそのためのアク
チュエータ等の要素をより高密度に配設することが要求
される。
をトルクコンバータを介して入力し、複数組のプラネタ
リギアを有する補助変速機により変速してプロペラシャ
フト(車軸側)に出力するものが普及している。そし
て、この種の自動変速機における補助変速機には、トル
クコンバータからのインプットシャフトの回転を、シフ
ト位置に応じて、プラネタリギアを構成する特定のギア
又はキャリアに伝動したり、特定のギア又はキャリアの
回転を適宜アウトプットシャフトに伝動したり、あるい
は適宜特定のギア又はキャリアの回転を拘束するため
に、複数のクラッチ,ブレーキ等の摩擦係合要素が設け
られる。そして、車両の居住スペース等の拡大とともに
安全装備等の搭載部品の増加、走行性能の向上等が求め
られる近年にあっては、自動変速機にもよりきめこまか
で円滑な変速動作が求められるとともに、車両における
設置スペースの縮小を可能とする小型化が求められてい
る。このため、自動変速機の補助変速機においては、ク
ラッチ装置やブレーキ装置等の摩擦係合装置の小型化、
あるいは、より複数の摩擦係合要素又はそのためのアク
チュエータ等の要素をより高密度に配設することが要求
される。
【0003】従来の自動変速機
従来の自動変速機においては、例えば特開平2−722
50号公報の第5図に示すように、入力軸5の回転を適
宜所定のギア等に伝達するためのクラッチC1,C3,
C4を高密度に配設した構造が知られている。これは、
入力軸5に連結された有底筒状のクラッチドラム6の外
周側円筒状部分から底部6bに向うコーナー部にかけ
て、このクラッチドラム6の外面に沿うようにクラッチ
C3用のアクチュエータ(ピストン)7が配設されたも
ので、クラッチC1,C3,C4やクラッチC1,C4
を作動させるためのピストンやリターンスプリングがク
ラッチドラム6の内側に収納されて高密度配置が実現さ
れている。ところが、クラッチC3用のリターンスプリ
ングは、クラッチドラム6の円筒状部分の径方向外側に
配置されている。また、クラッチC3用のリターンスプ
リングも、クラッチC4用のリターンスプリングも、ア
クチュエータ(ピストン)の内側(前面側)に配置され
ている。
50号公報の第5図に示すように、入力軸5の回転を適
宜所定のギア等に伝達するためのクラッチC1,C3,
C4を高密度に配設した構造が知られている。これは、
入力軸5に連結された有底筒状のクラッチドラム6の外
周側円筒状部分から底部6bに向うコーナー部にかけ
て、このクラッチドラム6の外面に沿うようにクラッチ
C3用のアクチュエータ(ピストン)7が配設されたも
ので、クラッチC1,C3,C4やクラッチC1,C4
を作動させるためのピストンやリターンスプリングがク
ラッチドラム6の内側に収納されて高密度配置が実現さ
れている。ところが、クラッチC3用のリターンスプリ
ングは、クラッチドラム6の円筒状部分の径方向外側に
配置されている。また、クラッチC3用のリターンスプ
リングも、クラッチC4用のリターンスプリングも、ア
クチュエータ(ピストン)の内側(前面側)に配置され
ている。
【0004】また、例えば特開平2−296042号公
報の第3図に示すように、入力軸240の回転を適宜所
定のギア等に伝達するためのクラッチ11,12,13
を高密度に配設した構造が知られている。これは、入力
軸240に連結されたクラッチドラム430の内周側に
クラッチ11を配設し、このクラッチドラム430に対
して軸方向リア側に位置をずらして配置されたハブ52
0の外周にクラッチ12を配設するとともに、クラッチ
ドラム430の外周側からクラッチドラム430とハブ
520との間を通ってハブ520の下側に伸びるハブ4
60を配設し、さらにこのハブ460におけるクラッチ
ドラム430の外周側の位置にクラッチ13を配設した
ものである。ところが、ハブ460を挟んで向合うクラ
ッチドラム430の端面とハブ520の端面は、それぞ
れ直角に張出す形状となっていた。
報の第3図に示すように、入力軸240の回転を適宜所
定のギア等に伝達するためのクラッチ11,12,13
を高密度に配設した構造が知られている。これは、入力
軸240に連結されたクラッチドラム430の内周側に
クラッチ11を配設し、このクラッチドラム430に対
して軸方向リア側に位置をずらして配置されたハブ52
0の外周にクラッチ12を配設するとともに、クラッチ
ドラム430の外周側からクラッチドラム430とハブ
520との間を通ってハブ520の下側に伸びるハブ4
60を配設し、さらにこのハブ460におけるクラッチ
ドラム430の外周側の位置にクラッチ13を配設した
ものである。ところが、ハブ460を挟んで向合うクラ
ッチドラム430の端面とハブ520の端面は、それぞ
れ直角に張出す形状となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記特開平
2−72250号公報記載の自動変速機では、クラッチ
C3用のリターンスプリングも、クラッチC4用のリタ
ーンスプリングも、アクチュエータ(ピストン)の内側
(前面側)に配置されているため、アクチュエータ(ピ
ストン)の内側(前面側)にさらに他の要素を追加して
配設し、しかも小型化を図るといった改良を図ることは
困難であった。また、クラッチC3用のリターンスプリ
ングが、クラッチドラム6の円筒状部分の径方向外側
(クラッチドラム6の円筒状部分とアクチュエータ7の
円筒状部分との間)に配置されているため、その分アク
チュエータ7の円筒状部分が径方向外方に張出し、自動
変速機の小型化の支障となっており、自動変速機の少な
くとも径方向でのさらなる設置スペースの縮小化には限
界があった。
2−72250号公報記載の自動変速機では、クラッチ
C3用のリターンスプリングも、クラッチC4用のリタ
ーンスプリングも、アクチュエータ(ピストン)の内側
(前面側)に配置されているため、アクチュエータ(ピ
ストン)の内側(前面側)にさらに他の要素を追加して
配設し、しかも小型化を図るといった改良を図ることは
困難であった。また、クラッチC3用のリターンスプリ
ングが、クラッチドラム6の円筒状部分の径方向外側
(クラッチドラム6の円筒状部分とアクチュエータ7の
円筒状部分との間)に配置されているため、その分アク
チュエータ7の円筒状部分が径方向外方に張出し、自動
変速機の小型化の支障となっており、自動変速機の少な
くとも径方向でのさらなる設置スペースの縮小化には限
界があった。
【0006】また、特開平2−296042号公報記載
の自動変速機では、ハブ460を挟んで向合うクラッチ
ドラム430の端面とハブ520の端面が、それぞれ直
角に張出す形状となっていたため、これら端面とハブ4
60(傾斜部分)との干渉がおき易く、クラッチ11と
クラッチ12とを極端に近接させて配置することはでき
ず、やはり自動変速機の小型化の支障となっていた。
の自動変速機では、ハブ460を挟んで向合うクラッチ
ドラム430の端面とハブ520の端面が、それぞれ直
角に張出す形状となっていたため、これら端面とハブ4
60(傾斜部分)との干渉がおき易く、クラッチ11と
クラッチ12とを極端に近接させて配置することはでき
ず、やはり自動変速機の小型化の支障となっていた。
【0007】そこで本発明は、従来の限界を越えて摩擦
係合要素を含む多数の要素の高密度配置が可能となり、
高性能化とともに小型化が図れる自動変速機の摩擦係合
装置及び自動変速機を提供することを目的としている。
係合要素を含む多数の要素の高密度配置が可能となり、
高性能化とともに小型化が図れる自動変速機の摩擦係合
装置及び自動変速機を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の自動変速機の摩擦係合装置は、円筒
部と底部を有する第1部材と、この第1部材の内側に沿
うように円筒部と底部を有する第2部材と、前記第1部
材又は第2部材のうちの一方の円筒部に設けられたフリ
クションプレートとを備え、前記第1部材と第2部材と
の間に形成された油室への油圧供給により生じる前記第
1部材と第2部材の相対移動に伴って、前記第1部材又
は第2部材のうちの他方が前記フリクションプレートを
密着方向に押圧することにより接続動作を行い、リター
ンスプリングの復元力により前記第1部材と第2部材の
相対位置を復帰させて前記接続動作を解除する自動変速
機の摩擦係合装置において、前記第2部材に、前記第1
部材に設けた穴を貫通して第1部材外方に延在する爪状
部を設け、この爪状部に設けた係止部と前記第1部材外
面との間に前記リターンスプリングを配置したことを特
徴とする。
め、請求項1記載の自動変速機の摩擦係合装置は、円筒
部と底部を有する第1部材と、この第1部材の内側に沿
うように円筒部と底部を有する第2部材と、前記第1部
材又は第2部材のうちの一方の円筒部に設けられたフリ
クションプレートとを備え、前記第1部材と第2部材と
の間に形成された油室への油圧供給により生じる前記第
1部材と第2部材の相対移動に伴って、前記第1部材又
は第2部材のうちの他方が前記フリクションプレートを
密着方向に押圧することにより接続動作を行い、リター
ンスプリングの復元力により前記第1部材と第2部材の
相対位置を復帰させて前記接続動作を解除する自動変速
機の摩擦係合装置において、前記第2部材に、前記第1
部材に設けた穴を貫通して第1部材外方に延在する爪状
部を設け、この爪状部に設けた係止部と前記第1部材外
面との間に前記リターンスプリングを配置したことを特
徴とする。
【0009】請求項2記載の自動変速機の摩擦係合装置
は、前記フリクションプレートを前記第1部材又は第2
部材のうちの一方の円筒部の内周面側に配置するととも
に、前記リターンスプリングを、前記第1部材又は第2
部材のそれぞれの円筒部のうち、外周が大きい方の円筒
部の外周よりも径方向内側に配置したことを特徴とす
る。
は、前記フリクションプレートを前記第1部材又は第2
部材のうちの一方の円筒部の内周面側に配置するととも
に、前記リターンスプリングを、前記第1部材又は第2
部材のそれぞれの円筒部のうち、外周が大きい方の円筒
部の外周よりも径方向内側に配置したことを特徴とす
る。
【0010】請求項3記載の自動変速機の摩擦係合装置
は、前記第1部材と第2部材の底部に、内周側が張出す
方向の段部をそれぞれ設け、前記相対移動に伴い摺接又
は離間するこれら段部の内面間に、前記油室を形成する
とともに、前記第1部材の段部外周側に形成された空間
に前記リターンスプリングを配置したことを特徴とす
る。
は、前記第1部材と第2部材の底部に、内周側が張出す
方向の段部をそれぞれ設け、前記相対移動に伴い摺接又
は離間するこれら段部の内面間に、前記油室を形成する
とともに、前記第1部材の段部外周側に形成された空間
に前記リターンスプリングを配置したことを特徴とす
る。
【0011】請求項4記載の自動変速機の摩擦係合装置
は、前記係止部に、前記爪状部から径方向外側に突出す
るくし歯状部を全周にわたって一定ピッチで複数形成
し、このくし歯状部を、前記第1部材又は第2部材の回
転数に応じたパルス信号を出力する非接触式回転センサ
の被検出部として機能させたことを特徴とする。
は、前記係止部に、前記爪状部から径方向外側に突出す
るくし歯状部を全周にわたって一定ピッチで複数形成
し、このくし歯状部を、前記第1部材又は第2部材の回
転数に応じたパルス信号を出力する非接触式回転センサ
の被検出部として機能させたことを特徴とする。
【0012】
【0013】
【0014】請求項1記載の発明では、第1部材又は第
2部材のうちの一方がフリクションプレートを有するド
ラム又はハブとして機能し、第1部材又は第2部材のう
ちの他方がフリクションプレートを押圧するアクチュエ
ータ(ピストン)として機能するわけであるが、このア
クチュエータの作動を解除するリターンスプリングが、
第1部材に設けた穴を貫通して第1部材外方に延在する
第2部材の爪状部に設けた係止部と、第1部材外面との
間に配置されているから、ドラム等とアクチュエータの
構造を内側に他の要素を高密度に配置可能な有底筒状の
構造に維持しつつ、リターンスプリングをこの有底筒状
の構造の外側に配置して機能させることができる。
2部材のうちの一方がフリクションプレートを有するド
ラム又はハブとして機能し、第1部材又は第2部材のう
ちの他方がフリクションプレートを押圧するアクチュエ
ータ(ピストン)として機能するわけであるが、このア
クチュエータの作動を解除するリターンスプリングが、
第1部材に設けた穴を貫通して第1部材外方に延在する
第2部材の爪状部に設けた係止部と、第1部材外面との
間に配置されているから、ドラム等とアクチュエータの
構造を内側に他の要素を高密度に配置可能な有底筒状の
構造に維持しつつ、リターンスプリングをこの有底筒状
の構造の外側に配置して機能させることができる。
【0015】請求項2記載の発明では、フリクションプ
レートを第1部材又は第2部材のうちの一方の円筒部の
内周面側に配置するとともに、リターンスプリングを、
第1部材又は第2部材のそれぞれの円筒部のうち、外周
が大きい方の円筒部の外周よりも径方向内側に配置した
から、摩擦係合装置の外径、すなわち第1部材又は第2
部材(例えば、ドラム又はピストン)の円筒部の外径
は、所定のトルクを伝達するための必要最小限の大きさ
とすることができ、リターンスプリングを配置するため
に余分に径方向外側に張出すことはない。
レートを第1部材又は第2部材のうちの一方の円筒部の
内周面側に配置するとともに、リターンスプリングを、
第1部材又は第2部材のそれぞれの円筒部のうち、外周
が大きい方の円筒部の外周よりも径方向内側に配置した
から、摩擦係合装置の外径、すなわち第1部材又は第2
部材(例えば、ドラム又はピストン)の円筒部の外径
は、所定のトルクを伝達するための必要最小限の大きさ
とすることができ、リターンスプリングを配置するため
に余分に径方向外側に張出すことはない。
【0016】請求項3記載の発明では、第1部材と第2
部材の底部に、内周側が張出す方向の段部をそれぞれ設
け、相対移動に伴い摺接又は離間するこれら段部の内面
間に、前記油室を形成するとともに、第1部材の段部外
周側に形成された空間にリターンスプリングを配置した
から、ドラム又はピストンとして機能する第1部材とリ
ターンスプリングと油室とを高密度に配置することがで
き、リターンスプリングを配置するために余分に軸方向
及び係方向の外側に張出すことはない。
部材の底部に、内周側が張出す方向の段部をそれぞれ設
け、相対移動に伴い摺接又は離間するこれら段部の内面
間に、前記油室を形成するとともに、第1部材の段部外
周側に形成された空間にリターンスプリングを配置した
から、ドラム又はピストンとして機能する第1部材とリ
ターンスプリングと油室とを高密度に配置することがで
き、リターンスプリングを配置するために余分に軸方向
及び係方向の外側に張出すことはない。
【0017】請求項4記載の発明では、係止部に、爪状
部から径方向外側に突出するくし歯状部を全周にわたっ
て一定ピッチで複数形成し、このくし歯状部を、第1部
材又は第2部材の回転数に応じたパルス信号を出力する
非接触式回転センサの被検出部として機能させたから、
係止部が第1部材又は第2部材の回転数を検出するため
のロータとしても機能する。
部から径方向外側に突出するくし歯状部を全周にわたっ
て一定ピッチで複数形成し、このくし歯状部を、第1部
材又は第2部材の回転数に応じたパルス信号を出力する
非接触式回転センサの被検出部として機能させたから、
係止部が第1部材又は第2部材の回転数を検出するため
のロータとしても機能する。
【0018】
【0019】
【0020】
【発明の実施の形態】第1実施例
以下、本発明の実施の形態を、自動変速機に適用した一
実施例として、図面に基づいて説明する。図1は本実施
例の自動変速機全体の断面図、図2はこの自動変速機を
構成する補助変速機のスケルトンを示す図、図3乃至図
4は図1の部分拡大図であり、このうち図3は本発明の
要部を示している。なお便宜上、図1乃至図4におい
て、左側(エンジン側)をフロント側、右側(エンジン
から遠い側)をリア側とする。 (A)全体構成 本実施例の自動変速機は、図1に示すように、一体のケ
ース10内にトルクコンバータ20、オイルポンプ5
0、及び補助変速機100を備え、ケース10の下部に
コントロールバルブユニット300を備える。
実施例として、図面に基づいて説明する。図1は本実施
例の自動変速機全体の断面図、図2はこの自動変速機を
構成する補助変速機のスケルトンを示す図、図3乃至図
4は図1の部分拡大図であり、このうち図3は本発明の
要部を示している。なお便宜上、図1乃至図4におい
て、左側(エンジン側)をフロント側、右側(エンジン
から遠い側)をリア側とする。 (A)全体構成 本実施例の自動変速機は、図1に示すように、一体のケ
ース10内にトルクコンバータ20、オイルポンプ5
0、及び補助変速機100を備え、ケース10の下部に
コントロールバルブユニット300を備える。
【0021】トルクコンバータ20は、エンジンのクラ
ンクシャフトに連結されて回転するフロントカバー21
と、フロントカバー21の後部に連結されたリヤカバー
22と、リヤカバー22の内側に形成されたポンプイン
ペラ23と、ポンプインペラ23に対向して配設された
タービンランナ24と、タービンランナ24を保持する
タービンシェル25と、ポンプインペラ23とタービン
ランナ24との間に配設されたステータ26と、ステー
タ26を支持するワンウエイクラッチ27と、フロント
カバー21とタービンシェル25との間に配設されたロ
ックアップピストン28とを備える。トルクコンバータ
20の中心軸線上には、補助変速機100のインプット
シャフト110のフロント側端部が挿通され、タービン
シェル25とロックアップピストン28とは、その内周
部においてこのインプットシャフト110のフロント側
端部に連結されている。ステータ26の内周は、ワンウ
エイクラッチ27のアウタレースに連結され、ワンウエ
イクラッチ27のインナレースは、後述するオイルポン
プカバー52のフロント側ボス53の外周に連結され、
固定状態とされている。リヤカバー22には、前記フロ
ント側ボス53の外周に隙間を有して嵌挿されたボス2
9が固設されている。
ンクシャフトに連結されて回転するフロントカバー21
と、フロントカバー21の後部に連結されたリヤカバー
22と、リヤカバー22の内側に形成されたポンプイン
ペラ23と、ポンプインペラ23に対向して配設された
タービンランナ24と、タービンランナ24を保持する
タービンシェル25と、ポンプインペラ23とタービン
ランナ24との間に配設されたステータ26と、ステー
タ26を支持するワンウエイクラッチ27と、フロント
カバー21とタービンシェル25との間に配設されたロ
ックアップピストン28とを備える。トルクコンバータ
20の中心軸線上には、補助変速機100のインプット
シャフト110のフロント側端部が挿通され、タービン
シェル25とロックアップピストン28とは、その内周
部においてこのインプットシャフト110のフロント側
端部に連結されている。ステータ26の内周は、ワンウ
エイクラッチ27のアウタレースに連結され、ワンウエ
イクラッチ27のインナレースは、後述するオイルポン
プカバー52のフロント側ボス53の外周に連結され、
固定状態とされている。リヤカバー22には、前記フロ
ント側ボス53の外周に隙間を有して嵌挿されたボス2
9が固設されている。
【0022】オイルポンプ50は、オイルポンプハウジ
ング51とオイルポンプカバー52とよりなる外枠内に
ロータ等が収納されたベーン式のポンプで、トルクコン
バータ20のボス29の先端にロータが連結されて駆動
され、ケース10の下面側に取付けられたオイルパン3
01内の油を吸引して所定油圧を発生させる。オイルポ
ンプカバー52には、インプットシャフト110の外周
に沿ってフロント側に伸びるフロント側ボス53と、イ
ンプットシャフト110の外周に沿ってリア側に伸びる
リア側ボス54とが形成され、フロント側ボス53の先
端部には前述のようにワンウエイクラッチ27のインナ
レースが連結されている。このオイルポンプ50のオイ
ルポンプハウジング51とオイルポンプカバー52は、
ボルト55によりケース10に固定されている。
ング51とオイルポンプカバー52とよりなる外枠内に
ロータ等が収納されたベーン式のポンプで、トルクコン
バータ20のボス29の先端にロータが連結されて駆動
され、ケース10の下面側に取付けられたオイルパン3
01内の油を吸引して所定油圧を発生させる。オイルポ
ンプカバー52には、インプットシャフト110の外周
に沿ってフロント側に伸びるフロント側ボス53と、イ
ンプットシャフト110の外周に沿ってリア側に伸びる
リア側ボス54とが形成され、フロント側ボス53の先
端部には前述のようにワンウエイクラッチ27のインナ
レースが連結されている。このオイルポンプ50のオイ
ルポンプハウジング51とオイルポンプカバー52は、
ボルト55によりケース10に固定されている。
【0023】補助変速機100は、図1及び図2に示す
ように、インプットシャフト110、中間シャフト12
0、アウトプットシャフト130、第1プラネタリーギ
ア140、第2プラネタリーギア150、第3プラネタ
リーギア160、ロークラッチ(L/C)170、ハイ
クラッチ(H/C)180、リバースクラッチ(R/
C)190、サードブレーキ(3rd/B)200、サ
ードワンウエイクラッチ(3rd/OWC)210、オ
ーバードライブブレーキ(OD/B)220、セカンド
ブレーキ(2nd/B)230、セカンドワンウエイク
ラッチ(2nd/OWC)240、リバースブレーキ
(R/B)250、ローコーストブレーキ(LOWコー
スト/B)260、ローブレーキ(LOW/B)27
0、及びローワンウエイクラッチ(LOW/OWC)2
80を備える。
ように、インプットシャフト110、中間シャフト12
0、アウトプットシャフト130、第1プラネタリーギ
ア140、第2プラネタリーギア150、第3プラネタ
リーギア160、ロークラッチ(L/C)170、ハイ
クラッチ(H/C)180、リバースクラッチ(R/
C)190、サードブレーキ(3rd/B)200、サ
ードワンウエイクラッチ(3rd/OWC)210、オ
ーバードライブブレーキ(OD/B)220、セカンド
ブレーキ(2nd/B)230、セカンドワンウエイク
ラッチ(2nd/OWC)240、リバースブレーキ
(R/B)250、ローコーストブレーキ(LOWコー
スト/B)260、ローブレーキ(LOW/B)27
0、及びローワンウエイクラッチ(LOW/OWC)2
80を備える。
【0024】インプットシャフト110,中間シャフト
120及びアウトプットシャフト130は、図1に示す
ように、ケース10内の中心軸線上に、フロント側から
リア側に向って順次配設され、それぞれ独立に回転でき
るよう支持されている。中間シャフト120の外周側に
は、図2及び図4に示すように、中空軸部材121,1
22が順次同心円状に配設され、それぞれ独立に回転す
るよう支持されている。ここで、中空軸部材121のフ
ロント側は、後述するハブ182に連結され、またその
リア側には後述する第1キャリア144がスプラインに
より連結されている。また、中空軸部材122のフロン
ト側は、後述するハブ192,222に連結されるとと
もに、サードワンウエイクラッチ210のインナーレー
スとして機能しており、またそのリア側には後述する第
1サンギア141が一体に形成されている。
120及びアウトプットシャフト130は、図1に示す
ように、ケース10内の中心軸線上に、フロント側から
リア側に向って順次配設され、それぞれ独立に回転でき
るよう支持されている。中間シャフト120の外周側に
は、図2及び図4に示すように、中空軸部材121,1
22が順次同心円状に配設され、それぞれ独立に回転す
るよう支持されている。ここで、中空軸部材121のフ
ロント側は、後述するハブ182に連結され、またその
リア側には後述する第1キャリア144がスプラインに
より連結されている。また、中空軸部材122のフロン
ト側は、後述するハブ192,222に連結されるとと
もに、サードワンウエイクラッチ210のインナーレー
スとして機能しており、またそのリア側には後述する第
1サンギア141が一体に形成されている。
【0025】なお、アウトプットシャフト130のリア
側端部は、ケース10のリア側に取付けられたリア側ケ
ース11内を通ってリア側に伸びており、出力フランジ
部材131を介して車両のプロペラシャフトに連結され
る。また、アウトプットシャフト130の略中央部外周
には、パーキングギア132がスプラインにより連結さ
れ、パーキング操作時にセレクトレバーと連動するパー
キングポール(図示省略)がこのパーキングギア132
と噛み合うことにより、アウトプットシャフト130を
機械的にロックする構成となっている。そして、このパ
ーキングギア132の外周面に望む位置には、パーキン
グギア132の外周面の歯を検出することにより、アウ
トプットシャフト130の回転数に応じた周波数のパル
ス信号を出力する車速センサー133が取付けられてい
る。
側端部は、ケース10のリア側に取付けられたリア側ケ
ース11内を通ってリア側に伸びており、出力フランジ
部材131を介して車両のプロペラシャフトに連結され
る。また、アウトプットシャフト130の略中央部外周
には、パーキングギア132がスプラインにより連結さ
れ、パーキング操作時にセレクトレバーと連動するパー
キングポール(図示省略)がこのパーキングギア132
と噛み合うことにより、アウトプットシャフト130を
機械的にロックする構成となっている。そして、このパ
ーキングギア132の外周面に望む位置には、パーキン
グギア132の外周面の歯を検出することにより、アウ
トプットシャフト130の回転数に応じた周波数のパル
ス信号を出力する車速センサー133が取付けられてい
る。
【0026】第1プラネタリーギア140は、図2及び
図4に示すように、第1サンギア(S1)141と、第
1ピニオンギア(P1)142と、第1リングギア(R
1)143とよりなる。第1サンギア141は、図4に
示すように、前述の中空軸部材122のリア側端部に一
体に形成されている。また、第1ピニオンギア142を
支持する第1キャリア(C1)144は、そのリア側端
部内周が、前述の中空軸部材121のリア側端部外周に
スプラインにより連結され、またそのフロント側端部内
周側が、セカンドワンウエイクラッチ240の後述のイ
ンナーレース241にスプラインにより連結され、さら
にそのフロント側端部外周側が、後述のリバースブレー
キドラム251に連結されている。
図4に示すように、第1サンギア(S1)141と、第
1ピニオンギア(P1)142と、第1リングギア(R
1)143とよりなる。第1サンギア141は、図4に
示すように、前述の中空軸部材122のリア側端部に一
体に形成されている。また、第1ピニオンギア142を
支持する第1キャリア(C1)144は、そのリア側端
部内周が、前述の中空軸部材121のリア側端部外周に
スプラインにより連結され、またそのフロント側端部内
周側が、セカンドワンウエイクラッチ240の後述のイ
ンナーレース241にスプラインにより連結され、さら
にそのフロント側端部外周側が、後述のリバースブレー
キドラム251に連結されている。
【0027】第2プラネタリーギア150は、図2及び
図4に示すように、第2サンギア(S2)151と、第
2ピニオンギア(P2)152と、第2リングギア(R
2)153とよりなる。第2サンギア151は、図4に
示すように、第3プラネタリーギア160を構成する後
述の第3サンギア161に連結されて一体に回転する。
また、第2ピニオンギア152を支持する第2キャリア
(C2)154は、そのリア側端部が後述の第3キャリ
ア(C2)164に一体に連結され、またそのフロント
側端部が第1リングギア143に一体に連結されてい
る。
図4に示すように、第2サンギア(S2)151と、第
2ピニオンギア(P2)152と、第2リングギア(R
2)153とよりなる。第2サンギア151は、図4に
示すように、第3プラネタリーギア160を構成する後
述の第3サンギア161に連結されて一体に回転する。
また、第2ピニオンギア152を支持する第2キャリア
(C2)154は、そのリア側端部が後述の第3キャリ
ア(C2)164に一体に連結され、またそのフロント
側端部が第1リングギア143に一体に連結されてい
る。
【0028】第3プラネタリーギア160は、図2及び
図4に示すように、第3サンギア(S3)161と、第
3ピニオンギア(P3)162(図1に示す)と、第3
リングギア(R3)163とよりなる。第3サンギア1
61は、図4に示すように、スプラインにより中間シャ
フト120に連結されるとともに、第2サンギア151
に連結されて一体に回転する。また、第3ピニオンギア
162を支持する第3キャリア(C3)164は、その
リア側端部内周がアウトプットシャフト130のフロン
ト側端部外周にスプラインにより連結され、またそのフ
ロント側端部が第2キャリア154に連結されている。
図4に示すように、第3サンギア(S3)161と、第
3ピニオンギア(P3)162(図1に示す)と、第3
リングギア(R3)163とよりなる。第3サンギア1
61は、図4に示すように、スプラインにより中間シャ
フト120に連結されるとともに、第2サンギア151
に連結されて一体に回転する。また、第3ピニオンギア
162を支持する第3キャリア(C3)164は、その
リア側端部内周がアウトプットシャフト130のフロン
ト側端部外周にスプラインにより連結され、またそのフ
ロント側端部が第2キャリア154に連結されている。
【0029】ロークラッチ(L/C)170(第1摩擦
係合要素)は、図3に示すように、ドラム171(第1
円筒部材)にスプラインで連結されたドリブンプレート
と、ハブ172にスプラインで連結されたドライブプレ
ートとを交互に積層してなる多板式のもので、図3にお
いて左右に(軸方向に)摺動するピストン173により
各プレートが密着方向に押し付けられて発生する摩擦力
により、ドラム171とハブ172とを接続する。ドラ
ム171はインプットシャフト110に連結され、ハブ
172は中間シャフト120に連結されているため、結
局このロークラッチ170は、インプットシャフト11
0と第2サンギア151又は第3サンギア161とを接
続する機能を有する。なお、ピストン173は、ドラム
171とこのピストン173との間に形成された油室
に、インプットシャフト110に形成された油路111
を介して圧油が供給されることにより作動位置に移動
し、リテーナ174とこのピストン173との間に圧縮
状態に介装されたスプリング175の復元力により非作
動位置に復帰する。
係合要素)は、図3に示すように、ドラム171(第1
円筒部材)にスプラインで連結されたドリブンプレート
と、ハブ172にスプラインで連結されたドライブプレ
ートとを交互に積層してなる多板式のもので、図3にお
いて左右に(軸方向に)摺動するピストン173により
各プレートが密着方向に押し付けられて発生する摩擦力
により、ドラム171とハブ172とを接続する。ドラ
ム171はインプットシャフト110に連結され、ハブ
172は中間シャフト120に連結されているため、結
局このロークラッチ170は、インプットシャフト11
0と第2サンギア151又は第3サンギア161とを接
続する機能を有する。なお、ピストン173は、ドラム
171とこのピストン173との間に形成された油室
に、インプットシャフト110に形成された油路111
を介して圧油が供給されることにより作動位置に移動
し、リテーナ174とこのピストン173との間に圧縮
状態に介装されたスプリング175の復元力により非作
動位置に復帰する。
【0030】ハイクラッチ(H/C)180(第3摩擦
係合要素)は、図3に示すように、ドラム181にスプ
ラインで連結されたドリブンプレートと、ハブ182
(第3円筒部材)にスプラインで連結されたドライブプ
レートとを交互に積層してなる多板式のもので、図3に
おいて左右に摺動するピストン183により各プレート
が密着方向に押し付けられて発生する摩擦力により、ド
ラム181とハブ182とを接続する。ドラム181
は、インプットシャフト110に連結され、ハブ182
は、このハブ182と一体的に形成された前述の中空軸
部材121を介して第1キャリア144に連結されてい
る。このため、結局このハイクラッチ180は、インプ
ットシャフト110と第1キャリア144とを接続する
機能を有する。なお、ピストン183は、ドラム181
の後述の壁状部181cとこのピストン183との間に
形成された油室に、ドラム181の後述の内周側円筒部
181bに形成された油路184を介して圧油が供給さ
れることにより作動位置に移動し、リテーナ188とこ
のピストン183との間に圧縮状態に介装された第1図
に示すスプリング187の復元力により非作動位置に復
帰する。ロークラッチ170のドラム171とこのピス
トン183との間に形成された油室には、ドラム181
の内周側円筒部181bに形成された油路185を介し
て油が供給される。これにより、壁状部181cとピス
トン183との間に形成された油室に発生する遠心油圧
を打ち消すことができ、円滑な変速のための油圧制御が
容易になる。
係合要素)は、図3に示すように、ドラム181にスプ
ラインで連結されたドリブンプレートと、ハブ182
(第3円筒部材)にスプラインで連結されたドライブプ
レートとを交互に積層してなる多板式のもので、図3に
おいて左右に摺動するピストン183により各プレート
が密着方向に押し付けられて発生する摩擦力により、ド
ラム181とハブ182とを接続する。ドラム181
は、インプットシャフト110に連結され、ハブ182
は、このハブ182と一体的に形成された前述の中空軸
部材121を介して第1キャリア144に連結されてい
る。このため、結局このハイクラッチ180は、インプ
ットシャフト110と第1キャリア144とを接続する
機能を有する。なお、ピストン183は、ドラム181
の後述の壁状部181cとこのピストン183との間に
形成された油室に、ドラム181の後述の内周側円筒部
181bに形成された油路184を介して圧油が供給さ
れることにより作動位置に移動し、リテーナ188とこ
のピストン183との間に圧縮状態に介装された第1図
に示すスプリング187の復元力により非作動位置に復
帰する。ロークラッチ170のドラム171とこのピス
トン183との間に形成された油室には、ドラム181
の内周側円筒部181bに形成された油路185を介し
て油が供給される。これにより、壁状部181cとピス
トン183との間に形成された油室に発生する遠心油圧
を打ち消すことができ、円滑な変速のための油圧制御が
容易になる。
【0031】リバースクラッチ(R/C)190(第2
摩擦係合要素)は、図3に示すように、ドラム181
(第2部材)にスプラインで連結されたドリブンプレー
ト(クラッチプレート)と、ハブ192(第2円筒部
材)にスプラインで連結されたドライブプレート(クラ
ッチプレート)とを交互に積層してなる多板式のもの
で、図3において左右に摺動するピストン193により
押圧フランジ194を介して各プレートが相互に押し付
けられ、これにより発生する摩擦力により、ドラム18
1とハブ192とを接続する。ここで、ドラム181
は、インプットシャフト110に連結され、ハブ192
は、このハブ192と一体的に形成された前述の中空軸
部材122を介して第1サンギア141に連結されてい
る。このため、結局このリバースクラッチ190は、イ
ンプットシャフト110と第1サンギア141とを接続
する機能を有する。なおここでは、一体に連結されたピ
ストン193と押圧フランジ194が本発明の第1部材
を構成しており、ピストン193が底部に、押圧フラン
ジ194が円筒部に相当している。また、ドラム181
が本発明の第2部材に相当する。また、ピストン193
は、ドラム181の後述の壁状部181cとこのピスト
ン193との間に形成された油室に、ドラム181の内
周側円筒部181bに形成された油路186を介して圧
油が供給されることにより作動位置に移動し、リテーナ
195とこのピストン193との間に圧縮状態に介装さ
れたスプリング196の復元力により非作動位置に復帰
する。
摩擦係合要素)は、図3に示すように、ドラム181
(第2部材)にスプラインで連結されたドリブンプレー
ト(クラッチプレート)と、ハブ192(第2円筒部
材)にスプラインで連結されたドライブプレート(クラ
ッチプレート)とを交互に積層してなる多板式のもの
で、図3において左右に摺動するピストン193により
押圧フランジ194を介して各プレートが相互に押し付
けられ、これにより発生する摩擦力により、ドラム18
1とハブ192とを接続する。ここで、ドラム181
は、インプットシャフト110に連結され、ハブ192
は、このハブ192と一体的に形成された前述の中空軸
部材122を介して第1サンギア141に連結されてい
る。このため、結局このリバースクラッチ190は、イ
ンプットシャフト110と第1サンギア141とを接続
する機能を有する。なおここでは、一体に連結されたピ
ストン193と押圧フランジ194が本発明の第1部材
を構成しており、ピストン193が底部に、押圧フラン
ジ194が円筒部に相当している。また、ドラム181
が本発明の第2部材に相当する。また、ピストン193
は、ドラム181の後述の壁状部181cとこのピスト
ン193との間に形成された油室に、ドラム181の内
周側円筒部181bに形成された油路186を介して圧
油が供給されることにより作動位置に移動し、リテーナ
195とこのピストン193との間に圧縮状態に介装さ
れたスプリング196の復元力により非作動位置に復帰
する。
【0032】サードブレーキ(3rd/B)200は、
図4に示すように、ケース10に固定された固定ドラム
70にスプラインで連結されたドリブンプレートと、ハ
ブ202にスプラインで連結されたドライブプレートと
を交互に積層してなる多板式のもので、固定ドラム70
のフロント外周側に形成された凹部に収納されて図4に
おいて左右に摺動するピストン203により、各プレー
トが密着方向に押し付けられ、これにより発生する摩擦
力により、ハブ202に制動力を働かせる。ここでハブ
202は、サードワンウエイクラッチ210のアウター
レース211に固定されており、結局このサードブレー
キ200は、サードワンウエイクラッチ210を介して
第1サンギア141が形成された中空軸部材122の一
方向の回転に対して制動力を働かせる機能を有する。な
お、ピストン203は、固定ドラム70とこのピストン
203との間に形成された油室に、固定ドラム70に形
成された油路71を介して圧油が供給されることにより
作動位置に移動し、バネ204の復元力により非作動位
置に復帰する。また、サードワンウエイクラッチ(3r
d/OWC)210は、4速へのシフトアップ時の変速
制御を容易にするもので、後述のようにロークラッチ1
70とサードブレーキ200が作動させられて3速とな
っている時に、ハイクラッチ180を作動させると、こ
のサードワンウエイクラッチ210が開放され、サード
ブレーキ200が作動したままで4速に変速することが
できる。
図4に示すように、ケース10に固定された固定ドラム
70にスプラインで連結されたドリブンプレートと、ハ
ブ202にスプラインで連結されたドライブプレートと
を交互に積層してなる多板式のもので、固定ドラム70
のフロント外周側に形成された凹部に収納されて図4に
おいて左右に摺動するピストン203により、各プレー
トが密着方向に押し付けられ、これにより発生する摩擦
力により、ハブ202に制動力を働かせる。ここでハブ
202は、サードワンウエイクラッチ210のアウター
レース211に固定されており、結局このサードブレー
キ200は、サードワンウエイクラッチ210を介して
第1サンギア141が形成された中空軸部材122の一
方向の回転に対して制動力を働かせる機能を有する。な
お、ピストン203は、固定ドラム70とこのピストン
203との間に形成された油室に、固定ドラム70に形
成された油路71を介して圧油が供給されることにより
作動位置に移動し、バネ204の復元力により非作動位
置に復帰する。また、サードワンウエイクラッチ(3r
d/OWC)210は、4速へのシフトアップ時の変速
制御を容易にするもので、後述のようにロークラッチ1
70とサードブレーキ200が作動させられて3速とな
っている時に、ハイクラッチ180を作動させると、こ
のサードワンウエイクラッチ210が開放され、サード
ブレーキ200が作動したままで4速に変速することが
できる。
【0033】オーバードライブブレーキ(OD/B)2
20は、図4に示すように、ケース10に固定された固
定ドラム70にスプラインで連結されたドリブンプレー
トと、ハブ222にスプラインで連結されたドライブプ
レートとを交互に積層してなる多板式のもので、固定ド
ラム70のフロント内周側に形成された凹部に収納され
て図4において左右に摺動するピストン223により、
各プレートが密着方向に押し付けられ、これにより発生
する摩擦力により、ハブ222に制動力を働かせる。こ
こでハブ222は、第1サンギア141が形成された中
空軸部材122のフロント側端部に連結されており、結
局このオーバードライブブレーキ220は、第1サンギ
ア141に対して制動力を働かせる機能を有する。な
お、ピストン223は、固定ドラム70とこのピストン
223との間に形成された油室に、固定ドラム70に形
成された油路72を介して圧油が供給されることにより
作動位置に移動し、バネ224の復元力により非作動位
置に復帰する。
20は、図4に示すように、ケース10に固定された固
定ドラム70にスプラインで連結されたドリブンプレー
トと、ハブ222にスプラインで連結されたドライブプ
レートとを交互に積層してなる多板式のもので、固定ド
ラム70のフロント内周側に形成された凹部に収納され
て図4において左右に摺動するピストン223により、
各プレートが密着方向に押し付けられ、これにより発生
する摩擦力により、ハブ222に制動力を働かせる。こ
こでハブ222は、第1サンギア141が形成された中
空軸部材122のフロント側端部に連結されており、結
局このオーバードライブブレーキ220は、第1サンギ
ア141に対して制動力を働かせる機能を有する。な
お、ピストン223は、固定ドラム70とこのピストン
223との間に形成された油室に、固定ドラム70に形
成された油路72を介して圧油が供給されることにより
作動位置に移動し、バネ224の復元力により非作動位
置に復帰する。
【0034】セカンドブレーキ(2nd/B)230
は、図4に示すように、ケース10に固定された固定ド
ラム70にスプラインで連結されたドリブンプレート
と、セカンドワンウエイクラッチ240のアウターレー
ス242にスプラインで連結されたドライブプレートと
を交互に積層してなる多板式のもので、固定ドラム70
のリア側に形成された凹部に収納されて図4において左
右に摺動するピストン233により、各プレートが密着
方向に押し付けられ、これにより発生する摩擦力によ
り、アウターレース242に制動力を働かせる。セカン
ドワンウエイクラッチ240のインナーレース241
は、前述したように第1キャリア144に連結されてい
るから、結局このセカンドブレーキ230は、セカンド
ワンウエイクラッチ240を介して第1キャリア144
及び第2リングギア153の一方向の回転に対して制動
力を働かせる機能を有する。なお、ピストン233は、
固定ドラム70とこのピストン233との間に形成され
た油室に、固定ドラム70に形成された油路73を介し
て圧油が供給されることにより作動位置に移動し、バネ
234の復元力により非作動位置に復帰する。また、セ
カンドワンウエイクラッチ(2nd/OWC)240
は、3速へのシフトアップ時の変速制御を容易にするた
めのもので、ロークラッチ170とセカンドブレーキ2
30が作動させられて2速となっている時に、サードブ
レーキ200を作動させると、このセカンドワンウエイ
クラッチ240が開放され、セカンドブレーキ230を
作動したままで3速に変速することができる。
は、図4に示すように、ケース10に固定された固定ド
ラム70にスプラインで連結されたドリブンプレート
と、セカンドワンウエイクラッチ240のアウターレー
ス242にスプラインで連結されたドライブプレートと
を交互に積層してなる多板式のもので、固定ドラム70
のリア側に形成された凹部に収納されて図4において左
右に摺動するピストン233により、各プレートが密着
方向に押し付けられ、これにより発生する摩擦力によ
り、アウターレース242に制動力を働かせる。セカン
ドワンウエイクラッチ240のインナーレース241
は、前述したように第1キャリア144に連結されてい
るから、結局このセカンドブレーキ230は、セカンド
ワンウエイクラッチ240を介して第1キャリア144
及び第2リングギア153の一方向の回転に対して制動
力を働かせる機能を有する。なお、ピストン233は、
固定ドラム70とこのピストン233との間に形成され
た油室に、固定ドラム70に形成された油路73を介し
て圧油が供給されることにより作動位置に移動し、バネ
234の復元力により非作動位置に復帰する。また、セ
カンドワンウエイクラッチ(2nd/OWC)240
は、3速へのシフトアップ時の変速制御を容易にするた
めのもので、ロークラッチ170とセカンドブレーキ2
30が作動させられて2速となっている時に、サードブ
レーキ200を作動させると、このセカンドワンウエイ
クラッチ240が開放され、セカンドブレーキ230を
作動したままで3速に変速することができる。
【0035】リバースブレーキ(R/B)250は、図
4に示すように、リバースブレーキドラム251の外周
に巻回されたブレーキバンドよりなるバンド式のもの
で、図示省略したサーボピストンによりブレーキバンド
が締め付けられることにより、リバースブレーキドラム
251に制動力を働かせる。リバースブレーキドラム2
51は、前述したように第1キャリア144に連結さ
れ、しかも第2リングギア153が一体に形成されてい
るので、結局このリバースブレーキ250は、第1キャ
リア144及び第2リングギア153に対して制動力を
働かせる機能を有する。
4に示すように、リバースブレーキドラム251の外周
に巻回されたブレーキバンドよりなるバンド式のもの
で、図示省略したサーボピストンによりブレーキバンド
が締め付けられることにより、リバースブレーキドラム
251に制動力を働かせる。リバースブレーキドラム2
51は、前述したように第1キャリア144に連結さ
れ、しかも第2リングギア153が一体に形成されてい
るので、結局このリバースブレーキ250は、第1キャ
リア144及び第2リングギア153に対して制動力を
働かせる機能を有する。
【0036】ローコーストブレーキ(LOWコースト/
B)260は、図4に示すように、ケース10にスプラ
インで連結されたドリブンプレートと、ハブ262にス
プラインで連結されたドライブプレートとを交互に積層
してなる多板式のもので、ピストン263により、各プ
レートが密着方向に押し付けられ、これにより発生する
摩擦力により、ハブ262に制動力を働かせる。ハブ2
62は、ローワンウエイクラッチ280のインナーレー
ス281に固定されており、さらにインナーレース28
1は第3リングギア163にスプラインで連結されてい
るため、結局このローコーストブレーキ260は、第3
リングギア163に対して制動力を働かせる機能を有す
る。ここでピストン263は、ケース10のリア側に軸
直角方向に形成された壁状部10aと、この壁状部10
aの内周端部からアウトプットシャフト130の外周に
沿ってフロント側へ伸びるように形成された内側円筒状
部10bとで囲まれた凹部に、後述のローブレーキ27
0のピストン273と直列に収納されて、図4において
左右に摺動する。そしてこのピストン263は、ピスト
ン273とこのピストン263との間に形成された油室
に、ピストン273に形成された油路273a(図1に
示す)を介して圧油が供給されることにより作動位置に
移動し、リテーナ264とこのピストン263との間に
介装されたスプリング265の復元力により非作動位置
に復帰する。
B)260は、図4に示すように、ケース10にスプラ
インで連結されたドリブンプレートと、ハブ262にス
プラインで連結されたドライブプレートとを交互に積層
してなる多板式のもので、ピストン263により、各プ
レートが密着方向に押し付けられ、これにより発生する
摩擦力により、ハブ262に制動力を働かせる。ハブ2
62は、ローワンウエイクラッチ280のインナーレー
ス281に固定されており、さらにインナーレース28
1は第3リングギア163にスプラインで連結されてい
るため、結局このローコーストブレーキ260は、第3
リングギア163に対して制動力を働かせる機能を有す
る。ここでピストン263は、ケース10のリア側に軸
直角方向に形成された壁状部10aと、この壁状部10
aの内周端部からアウトプットシャフト130の外周に
沿ってフロント側へ伸びるように形成された内側円筒状
部10bとで囲まれた凹部に、後述のローブレーキ27
0のピストン273と直列に収納されて、図4において
左右に摺動する。そしてこのピストン263は、ピスト
ン273とこのピストン263との間に形成された油室
に、ピストン273に形成された油路273a(図1に
示す)を介して圧油が供給されることにより作動位置に
移動し、リテーナ264とこのピストン263との間に
介装されたスプリング265の復元力により非作動位置
に復帰する。
【0037】ローブレーキ(LOW/B)270は、図
4に示すように、ケース10にスプラインで連結された
ドリブンプレートと、ローワンウエイクラッチ280の
アウターレース282にスプラインで連結されたドライ
ブプレートとを交互に積層してなる多板式のもので、ピ
ストン273により各プレートが密着方向に押し付けら
れて発生する摩擦力により、アウターレース282に制
動力を働かせる。ローワンウエイクラッチ280のイン
ナーレース281は、前述したように第3リングギア1
63に連結されているから、結局このローブレーキ27
0は、ローワンウエイクラッチ280を介して第3リン
グギア163の一方向の回転に対して制動力を働かせる
機能を有する。ここでピストン273は、ケース10の
前述の壁状部10aと内側円筒状部10bとで囲まれた
凹部に収納されて図4において左右に摺動するもので、
前述の壁状部10aとこのピストン273との間に形成
された油室に、前述の壁状部10aに形成された油路2
74(図1に示す)を介して圧油が供給されることによ
り作動位置に移動し、スプリング265の復元力により
非作動位置に復帰する。なお、ピストン273の押圧部
(各プレートを押圧する部分)273bは、ローコース
トブレーキ260の各プレートの隙間を突き抜けてロー
ブレーキ270のプレート側面(厳密にはディッシュプ
レート側面)に当接している。また、ローワンウエイク
ラッチ(LOW/OWC)280は、2速へのシフトア
ップ時の変速制御を容易にするためのもので、ロークラ
ッチ170とローブレーキ270が作動させられて1速
となっているときに、セカンドブレーキ230を作動さ
せると、このローワンウエイクラッチ280が開放さ
れ、ローブレーキ270が作動したままで2速に変速で
きる。
4に示すように、ケース10にスプラインで連結された
ドリブンプレートと、ローワンウエイクラッチ280の
アウターレース282にスプラインで連結されたドライ
ブプレートとを交互に積層してなる多板式のもので、ピ
ストン273により各プレートが密着方向に押し付けら
れて発生する摩擦力により、アウターレース282に制
動力を働かせる。ローワンウエイクラッチ280のイン
ナーレース281は、前述したように第3リングギア1
63に連結されているから、結局このローブレーキ27
0は、ローワンウエイクラッチ280を介して第3リン
グギア163の一方向の回転に対して制動力を働かせる
機能を有する。ここでピストン273は、ケース10の
前述の壁状部10aと内側円筒状部10bとで囲まれた
凹部に収納されて図4において左右に摺動するもので、
前述の壁状部10aとこのピストン273との間に形成
された油室に、前述の壁状部10aに形成された油路2
74(図1に示す)を介して圧油が供給されることによ
り作動位置に移動し、スプリング265の復元力により
非作動位置に復帰する。なお、ピストン273の押圧部
(各プレートを押圧する部分)273bは、ローコース
トブレーキ260の各プレートの隙間を突き抜けてロー
ブレーキ270のプレート側面(厳密にはディッシュプ
レート側面)に当接している。また、ローワンウエイク
ラッチ(LOW/OWC)280は、2速へのシフトア
ップ時の変速制御を容易にするためのもので、ロークラ
ッチ170とローブレーキ270が作動させられて1速
となっているときに、セカンドブレーキ230を作動さ
せると、このローワンウエイクラッチ280が開放さ
れ、ローブレーキ270が作動したままで2速に変速で
きる。
【0038】コントロールバルブユニット300は、制
御用の油路が形成されたボディ内に、図示省略したコン
トロールユニット(電気回路)により制御される各種ソ
レノイドバルブや、セレクトレバーの操作に応じて作動
するマニュアルバルブ等を含む複数のバルブが取付けら
れて、油圧制御回路を構成するもので、ケース10の下
面側にオイルパン301に覆われた状態で取付けられ、
セレクトレバーの操作やコントロールユニットの制御に
基づき、油圧ポンプ50で発生する圧油を、必要に応じ
て圧力を調整しつつ、ケース10等に形成された所定の
油路を介して、適宜トルクコンバータ20や補助変速機
100の所定の油室等に供給するものである。これによ
り、補助変速機100の各部位の潤滑や冷却等が行われ
るとともに、トルクコンバータ20のロックアップピス
トン28や、補助変速機100の各クラッチ又はブレー
キのピストンが適宜作動する構成となっている。なおこ
の場合、主なセレクトレバーの操作位置(レンジ)又は
Dレンジでのシフト位置に対する補助変速機100の各
クラッチ又はブレーキの作動状態は、図8の如く設定さ
れている。
御用の油路が形成されたボディ内に、図示省略したコン
トロールユニット(電気回路)により制御される各種ソ
レノイドバルブや、セレクトレバーの操作に応じて作動
するマニュアルバルブ等を含む複数のバルブが取付けら
れて、油圧制御回路を構成するもので、ケース10の下
面側にオイルパン301に覆われた状態で取付けられ、
セレクトレバーの操作やコントロールユニットの制御に
基づき、油圧ポンプ50で発生する圧油を、必要に応じ
て圧力を調整しつつ、ケース10等に形成された所定の
油路を介して、適宜トルクコンバータ20や補助変速機
100の所定の油室等に供給するものである。これによ
り、補助変速機100の各部位の潤滑や冷却等が行われ
るとともに、トルクコンバータ20のロックアップピス
トン28や、補助変速機100の各クラッチ又はブレー
キのピストンが適宜作動する構成となっている。なおこ
の場合、主なセレクトレバーの操作位置(レンジ)又は
Dレンジでのシフト位置に対する補助変速機100の各
クラッチ又はブレーキの作動状態は、図8の如く設定さ
れている。
【0039】(B)要部詳細構成
次に、本発明が適用された要部の詳細構成について、図
3により説明する。まず、請求項1乃至4に記載した発
明は、本実施例の場合、リバースクラッチ(R/C)1
90を含むクラッチ装置(摩擦係合装置)について適用
されている。すなわち、ハイクラッチ180とともにリ
バースクラッチ190を支持するドラム181は、本発
明の第2部材に相当し、外周側円筒部181aと、内周
側円筒部181bと、この内周側円筒部181bから外
周方向に伸びて外周側円筒部181aに連結された底部
181cとよりなり、底部181cには、ハイクラッチ
180のピストン183等を高密度に収納するために、
内周側が張出す方向の段部181dが形成されたもの
で、内周側円筒部181bのリア側においてインプット
シャフト110にスプラインで連結され、内周側円筒部
181bのフロント側がオイルポンプカバー52のリア
側ボス54の外周に摺接しつつ回転する部材となってい
る。そして、このドラム181の外周側円筒部181a
のフロント側端部は、図5に示すように、矩形の切り欠
き181eが周方向に複数形成された、くし歯状の形状
とされ、くし歯の部分が本発明の爪状部181fを構成
している。
3により説明する。まず、請求項1乃至4に記載した発
明は、本実施例の場合、リバースクラッチ(R/C)1
90を含むクラッチ装置(摩擦係合装置)について適用
されている。すなわち、ハイクラッチ180とともにリ
バースクラッチ190を支持するドラム181は、本発
明の第2部材に相当し、外周側円筒部181aと、内周
側円筒部181bと、この内周側円筒部181bから外
周方向に伸びて外周側円筒部181aに連結された底部
181cとよりなり、底部181cには、ハイクラッチ
180のピストン183等を高密度に収納するために、
内周側が張出す方向の段部181dが形成されたもの
で、内周側円筒部181bのリア側においてインプット
シャフト110にスプラインで連結され、内周側円筒部
181bのフロント側がオイルポンプカバー52のリア
側ボス54の外周に摺接しつつ回転する部材となってい
る。そして、このドラム181の外周側円筒部181a
のフロント側端部は、図5に示すように、矩形の切り欠
き181eが周方向に複数形成された、くし歯状の形状
とされ、くし歯の部分が本発明の爪状部181fを構成
している。
【0040】また、ピストン193と押圧フランジ19
4とは、本発明の第1部材を構成している。ピストン1
93は、図5に示すように外周部がくし歯状とされて、
ドラム181の切り欠き181eに対応する位置に矩形
の爪状部193aを有し、ドラム181の底部181c
の形状に沿うように段部193bを有する形状となって
いる。そして、このピストン193を作動させる油室
は、シールリング193c及び193dでシールされた
空間、すなわちピストン193の移動に伴い摺接又は離
間する段部181d及び193bの内面間に形成されて
いる。一方、押圧フランジ194のフロント側端部に
は、図3及び図5に示す如く、ドラム181の切り欠き
181eに対応する位置に矩形の切り欠き194aが形
成されている。そして、ピストン193の爪状部193
aは、ドラム181の切り欠き181eを突き抜けてこ
の押圧フランジ194の切り欠き194aにはめ込ま
れ、スナップリング194bにより押圧フランジ194
のフロント側端部に取付けられ、これにより、ピストン
193と押圧フランジ194が一体に連結されている。
また結果として、ドラム181の爪状部181fは、ピ
ストン193の隣り合う爪状部193aの間に形成され
た開口(本発明の穴に相当)を貫通して、ピストン19
3のフロント側外方に延在する構成となっている。
4とは、本発明の第1部材を構成している。ピストン1
93は、図5に示すように外周部がくし歯状とされて、
ドラム181の切り欠き181eに対応する位置に矩形
の爪状部193aを有し、ドラム181の底部181c
の形状に沿うように段部193bを有する形状となって
いる。そして、このピストン193を作動させる油室
は、シールリング193c及び193dでシールされた
空間、すなわちピストン193の移動に伴い摺接又は離
間する段部181d及び193bの内面間に形成されて
いる。一方、押圧フランジ194のフロント側端部に
は、図3及び図5に示す如く、ドラム181の切り欠き
181eに対応する位置に矩形の切り欠き194aが形
成されている。そして、ピストン193の爪状部193
aは、ドラム181の切り欠き181eを突き抜けてこ
の押圧フランジ194の切り欠き194aにはめ込ま
れ、スナップリング194bにより押圧フランジ194
のフロント側端部に取付けられ、これにより、ピストン
193と押圧フランジ194が一体に連結されている。
また結果として、ドラム181の爪状部181fは、ピ
ストン193の隣り合う爪状部193aの間に形成され
た開口(本発明の穴に相当)を貫通して、ピストン19
3のフロント側外方に延在する構成となっている。
【0041】そして、この外方に延在する爪状部181
fに、スナップリング195aによりリテーナ195
(係止部)が取付けられ、このリテーナ195の内周側
とピストン193の背面上部(段部193bの外周側凹
部分)との間に、ピストン193を復帰させるリターン
スプリング196が圧縮状態に介装されている。こうし
て、リターンスプリング196は、段部193bの外周
側の空間であって、ドラム181の外周側円筒部181
aの外径よりも内側(内周側)に配置され、ピストン1
93とともに僅かな空間に高密度に配置され、径方向に
も軸方向にも余分に張出す部分を形成しない。
fに、スナップリング195aによりリテーナ195
(係止部)が取付けられ、このリテーナ195の内周側
とピストン193の背面上部(段部193bの外周側凹
部分)との間に、ピストン193を復帰させるリターン
スプリング196が圧縮状態に介装されている。こうし
て、リターンスプリング196は、段部193bの外周
側の空間であって、ドラム181の外周側円筒部181
aの外径よりも内側(内周側)に配置され、ピストン1
93とともに僅かな空間に高密度に配置され、径方向に
も軸方向にも余分に張出す部分を形成しない。
【0042】したがって、リバースクラッチ190を含
むクラッチ装置を、従来の限界を越えたコンパクトなク
ラッチ装置として自動変速機の補助変速機内に高密度に
配置することができるようになり、軸方向のコンパクト
さを維持しつつ自動変速機の径方向の小型化が実現でき
る。なお、多板式のクラッチ装置は、一般にクラッチプ
レートの枚数及び径と、ピストンの押圧力とにより伝達
トルク性能が決るから、クラッチプレートの枚数や油圧
の圧力が制限されるなか、要求される伝達トルク性能を
満足するためには、クラッチプレートにはおのずと必要
最小限の大きさが決ってくるわけであるが、本実施例の
リバースクラッチ190からなるクラッチ装置の外径
(押圧フランジ194の外径)は、ほとんどクラッチプ
レートの外径に等しくなっており、性能上ぎりぎりまで
径方向に小型化されている。
むクラッチ装置を、従来の限界を越えたコンパクトなク
ラッチ装置として自動変速機の補助変速機内に高密度に
配置することができるようになり、軸方向のコンパクト
さを維持しつつ自動変速機の径方向の小型化が実現でき
る。なお、多板式のクラッチ装置は、一般にクラッチプ
レートの枚数及び径と、ピストンの押圧力とにより伝達
トルク性能が決るから、クラッチプレートの枚数や油圧
の圧力が制限されるなか、要求される伝達トルク性能を
満足するためには、クラッチプレートにはおのずと必要
最小限の大きさが決ってくるわけであるが、本実施例の
リバースクラッチ190からなるクラッチ装置の外径
(押圧フランジ194の外径)は、ほとんどクラッチプ
レートの外径に等しくなっており、性能上ぎりぎりまで
径方向に小型化されている。
【0043】また、リターンスプリング196のリテー
ナ195の外周側端部は、図5に示す如く、逆L字状の
くし歯状部195bが複数形成されたくし歯状の形状と
され、その逆L字状のくし歯状部195bがドラム18
1の切り欠き181eを突き抜けている。そして、リテ
ーナ195のくし歯状部195bの外周面に望む位置に
は、爪状部195bを検出することにより、インプット
シャフト110(すなわち、タービンランナー24)の
回転数に応じた周波数のパルス信号を出力する入力軸回
転速度センサー197が取付けられている。このため、
リテーナ195が入力軸回転速度検出のためのロータ
(被検出部)としても機能し、自動変速機の部品点数の
削減等が実現できる。
ナ195の外周側端部は、図5に示す如く、逆L字状の
くし歯状部195bが複数形成されたくし歯状の形状と
され、その逆L字状のくし歯状部195bがドラム18
1の切り欠き181eを突き抜けている。そして、リテ
ーナ195のくし歯状部195bの外周面に望む位置に
は、爪状部195bを検出することにより、インプット
シャフト110(すなわち、タービンランナー24)の
回転数に応じた周波数のパルス信号を出力する入力軸回
転速度センサー197が取付けられている。このため、
リテーナ195が入力軸回転速度検出のためのロータ
(被検出部)としても機能し、自動変速機の部品点数の
削減等が実現できる。
【0044】次に、本実施例の場合、摩擦係合要素であ
るロークラッチ170,ハイクラッチ180及びリバー
スクラッチ190の配置構成及びその周辺構成は、次の
ようになっている。すなわち、図3に示すように、リバ
ースクラッチ190のハブ192(第2円筒部材)は、
ロークラッチ170のドラム171(第1円筒部材)に
対してリア方向及び外周方向に僅かに位置をずらして近
接して配置され、さらにハイクラッチ180のハブ18
2(第3円筒部材)が、これらドラム171及びハブ1
92の部材間に挟まれるようにして、ドラム171の円
筒部の外周側からハブ192の円筒部の内周側に伸びる
ように近接して配置されている。そしてこのような構成
としたうえで、ハブ182におけるドラム171とハブ
192の端面間の位置には、軸方向に対して斜方向の傾
斜部182aが形成されており、ドラム171とハブ1
92の端部は、図6及び図7に示す如く、このハブ18
2の傾斜部182aに沿うようにテーパ状とされ、その
端部外周にはそれぞれ傾斜面171a,192aが形成
されている。これにより、ドラム171とハブ192の
端面とハブ182との干渉が起き難く、これら部材をよ
り近接させて配置することが可能となり、各クラッチ1
70,180,190をさらに高密度に配置できる。そ
して、ロークラッチ170(第1摩擦係合要素)のドリ
ブンプレート及びリバースクラッチ190(第2摩擦係
合要素)のドライブプレートは、それぞれドラム171
の内周側に形成されたスプライン171bと、ハブ19
2の外周側に形成されたスプライン192bとにより回
り止めして、ドラム171又はハブ192に取り付けら
れ、前記テーパ状の傾斜面171a,192aは、これ
らスプライン171b又はスプライン192bの背面側
端部に形成されている。このため、ロークラッチ170
のドリブンプレート及びリバースクラッチ190のドラ
イブプレートを取り付けるスプライン171b又はスプ
ライン192bのスプライン長を充分長く確保しつつ、
テーパにした分軽量化や小型化が図れる。
るロークラッチ170,ハイクラッチ180及びリバー
スクラッチ190の配置構成及びその周辺構成は、次の
ようになっている。すなわち、図3に示すように、リバ
ースクラッチ190のハブ192(第2円筒部材)は、
ロークラッチ170のドラム171(第1円筒部材)に
対してリア方向及び外周方向に僅かに位置をずらして近
接して配置され、さらにハイクラッチ180のハブ18
2(第3円筒部材)が、これらドラム171及びハブ1
92の部材間に挟まれるようにして、ドラム171の円
筒部の外周側からハブ192の円筒部の内周側に伸びる
ように近接して配置されている。そしてこのような構成
としたうえで、ハブ182におけるドラム171とハブ
192の端面間の位置には、軸方向に対して斜方向の傾
斜部182aが形成されており、ドラム171とハブ1
92の端部は、図6及び図7に示す如く、このハブ18
2の傾斜部182aに沿うようにテーパ状とされ、その
端部外周にはそれぞれ傾斜面171a,192aが形成
されている。これにより、ドラム171とハブ192の
端面とハブ182との干渉が起き難く、これら部材をよ
り近接させて配置することが可能となり、各クラッチ1
70,180,190をさらに高密度に配置できる。そ
して、ロークラッチ170(第1摩擦係合要素)のドリ
ブンプレート及びリバースクラッチ190(第2摩擦係
合要素)のドライブプレートは、それぞれドラム171
の内周側に形成されたスプライン171bと、ハブ19
2の外周側に形成されたスプライン192bとにより回
り止めして、ドラム171又はハブ192に取り付けら
れ、前記テーパ状の傾斜面171a,192aは、これ
らスプライン171b又はスプライン192bの背面側
端部に形成されている。このため、ロークラッチ170
のドリブンプレート及びリバースクラッチ190のドラ
イブプレートを取り付けるスプライン171b又はスプ
ライン192bのスプライン長を充分長く確保しつつ、
テーパにした分軽量化や小型化が図れる。
【0045】(C)全体の動作
次に、上記自動変速機の全体の動作の概略について説明
する。セレクトレバーがPレンジ又はNレンジにあると
きには、コントロールユニット及びコントロールバルブ
ユニット300の制御により、図8に示すように全ての
クラッチ又はブレーキが非作動状態に維持される。この
ため、インプットシャフト110の回転がアウトプット
シャフト130に伝達されず、車両は停止状態に維持さ
れる。なお、セレクトレバーがPレンジに操作される
と、前述したようにパーキングボール(図示略)がパー
キングギア132と噛み合い、アウトプットシャフト1
30が機械的に固定される。
する。セレクトレバーがPレンジ又はNレンジにあると
きには、コントロールユニット及びコントロールバルブ
ユニット300の制御により、図8に示すように全ての
クラッチ又はブレーキが非作動状態に維持される。この
ため、インプットシャフト110の回転がアウトプット
シャフト130に伝達されず、車両は停止状態に維持さ
れる。なお、セレクトレバーがPレンジに操作される
と、前述したようにパーキングボール(図示略)がパー
キングギア132と噛み合い、アウトプットシャフト1
30が機械的に固定される。
【0046】次に、セレクトレバーがDレンジにあると
きには、コントロールユニットが、車速センサ133等
に基づく車速信号や、車両のエンジンに取付けられたス
ロットルセンサ等からのスロットル開度信号等を受け
て、予め設定された変速特性パターンに基づいてシフト
位置(1速乃至5速)を決定し、コントロールユニット
及びコントロールバルブユニット300の制御により、
図8の如く各シフト位置に応じて補助変速機100の所
定のクラッチ又はブレーキを作動させる。
きには、コントロールユニットが、車速センサ133等
に基づく車速信号や、車両のエンジンに取付けられたス
ロットルセンサ等からのスロットル開度信号等を受け
て、予め設定された変速特性パターンに基づいてシフト
位置(1速乃至5速)を決定し、コントロールユニット
及びコントロールバルブユニット300の制御により、
図8の如く各シフト位置に応じて補助変速機100の所
定のクラッチ又はブレーキを作動させる。
【0047】すなわち、1速では、ロークラッチ(L/
C)170と、ローブレーキ(LOW/B)270及び
ローワンウエイクラッチ(LOW/OWC)280とを
無条件で作動させ、さらに所定のエンジンブレーキ作動
条件が満足された場合にローコーストブレーキ(LOW
コースト/B)260を作動させる。これにより、イン
プットシャフト110の駆動力は、中間シャフト120
を介して第3サンギア161に伝達され、第3リングギ
ア163が停止した状態での第3サンギア161の回転
に伴う第3ピニオンギア162の公転(第3キャリア1
64の公転)として、アウトプットシャフト130に大
きくトルク増幅(減速)されて出力される。なお、図9
は、入力(インプットシャフト110)の回転数を一定
とした場合に、縦軸に各プラネタリギアの各要素の回転
数を示した共線図であり、この1速の場合の出力軸(ア
ウトプットシャフト130)の回転数は、符合D1で示
す点が表わしている。
C)170と、ローブレーキ(LOW/B)270及び
ローワンウエイクラッチ(LOW/OWC)280とを
無条件で作動させ、さらに所定のエンジンブレーキ作動
条件が満足された場合にローコーストブレーキ(LOW
コースト/B)260を作動させる。これにより、イン
プットシャフト110の駆動力は、中間シャフト120
を介して第3サンギア161に伝達され、第3リングギ
ア163が停止した状態での第3サンギア161の回転
に伴う第3ピニオンギア162の公転(第3キャリア1
64の公転)として、アウトプットシャフト130に大
きくトルク増幅(減速)されて出力される。なお、図9
は、入力(インプットシャフト110)の回転数を一定
とした場合に、縦軸に各プラネタリギアの各要素の回転
数を示した共線図であり、この1速の場合の出力軸(ア
ウトプットシャフト130)の回転数は、符合D1で示
す点が表わしている。
【0048】またこの際、ローコーストブレーキ(LO
Wコースト/B)260が非作動状態の場合には、第3
リングギア163の一方向への空転により、アウトプッ
トシャフト130からの逆駆動力がインプットシャフト
110に伝達されないので、いわゆるエンジンブレーキ
は働かず、この1速へのシフトダウンもショックなく円
滑に行われる。ただし、エンジンブレーキ作動条件が満
足されローコーストブレーキ260が作動すると、第3
リングギア163はいずれの方向にも制動されるため、
車両の走行状況や操作状況によってはエンジンブレーキ
が働くようになる。エンジンブレーキ作動条件は、例え
ばセレクトレバーに設けられたパワースイッチによりコ
ントロールユニットに対してパワーモード等の特殊モー
ドが設定され、かつアクセル開度が所定値以下である場
合である。
Wコースト/B)260が非作動状態の場合には、第3
リングギア163の一方向への空転により、アウトプッ
トシャフト130からの逆駆動力がインプットシャフト
110に伝達されないので、いわゆるエンジンブレーキ
は働かず、この1速へのシフトダウンもショックなく円
滑に行われる。ただし、エンジンブレーキ作動条件が満
足されローコーストブレーキ260が作動すると、第3
リングギア163はいずれの方向にも制動されるため、
車両の走行状況や操作状況によってはエンジンブレーキ
が働くようになる。エンジンブレーキ作動条件は、例え
ばセレクトレバーに設けられたパワースイッチによりコ
ントロールユニットに対してパワーモード等の特殊モー
ドが設定され、かつアクセル開度が所定値以下である場
合である。
【0049】また、2速では、ロークラッチ(L/C)
170と、セカンドブレーキ(2nd/B)230及び
セカンドワンウエイクラッチ(2nd/OWC)240
とを無条件で作動させ、さらに所定のエンジンブレーキ
作動条件が満足された場合にリバースブレーキ(R/
B)250を作動させる。これにより、インプットシャ
フト110の駆動力は、中間シャフト120を介して第
2サンギア151に伝達され、第2リングギア153が
停止した状態での第2サンギア151の回転に伴う第2
ピニオンギア152の公転(第2キャリア154の公
転)として、アウトプットシャフト130にある程度ト
ルク増幅(減速)されて出力される。なお、図9の共線
図において、この2速の場合の出力軸(アウトプットシ
ャフト130)の回転数は、符合D2で示す点が表わし
ている。
170と、セカンドブレーキ(2nd/B)230及び
セカンドワンウエイクラッチ(2nd/OWC)240
とを無条件で作動させ、さらに所定のエンジンブレーキ
作動条件が満足された場合にリバースブレーキ(R/
B)250を作動させる。これにより、インプットシャ
フト110の駆動力は、中間シャフト120を介して第
2サンギア151に伝達され、第2リングギア153が
停止した状態での第2サンギア151の回転に伴う第2
ピニオンギア152の公転(第2キャリア154の公
転)として、アウトプットシャフト130にある程度ト
ルク増幅(減速)されて出力される。なお、図9の共線
図において、この2速の場合の出力軸(アウトプットシ
ャフト130)の回転数は、符合D2で示す点が表わし
ている。
【0050】またこの際、リバースブレーキ(R/B)
250が非作動状態の場合には、第2リングギア153
の一方向への空転により、アウトプットシャフト130
からの逆駆動力がインプットシャフト110に伝達され
ないので、いわゆるエンジンブレーキは働かず、この2
速へのシフトダウンもショックなく円滑に行われる。た
だし、エンジンブレーキ作動条件が満足されリバースブ
レーキ(R/B)250が作動すると、第2リングギア
153はいずれの方向にも制動されるため、車両の走行
状況や操作状況によってはエンジンブレーキが働くよう
になる。
250が非作動状態の場合には、第2リングギア153
の一方向への空転により、アウトプットシャフト130
からの逆駆動力がインプットシャフト110に伝達され
ないので、いわゆるエンジンブレーキは働かず、この2
速へのシフトダウンもショックなく円滑に行われる。た
だし、エンジンブレーキ作動条件が満足されリバースブ
レーキ(R/B)250が作動すると、第2リングギア
153はいずれの方向にも制動されるため、車両の走行
状況や操作状況によってはエンジンブレーキが働くよう
になる。
【0051】次に、3速では、ロークラッチ(L/C)
170と、サードブレーキ(3rd/B)200及びサ
ードワンウエイクラッチ(3rd/OWC)210とを
無条件で作動させ、さらに所定のエンジンブレーキ作動
条件が満足された場合にオーバードライブブレーキ(O
D/B)220を作動させる。これにより、インプット
シャフト110の駆動力は、中間シャフト120を介し
て第2サンギア151に伝達され、第1サンギア141
が停止した状態での第2サンギア151の回転に伴う第
2ピニオンギア152の公転(第1リングギア143の
回転、第2キャリア154の回転)として、アウトプッ
トシャフト130に僅かにトルク増幅(減速)されて出
力される。なお、図9の共線図において、この3速の場
合の出力軸(アウトプットシャフト130)の回転数
は、符合D3で示す点が表わしている。
170と、サードブレーキ(3rd/B)200及びサ
ードワンウエイクラッチ(3rd/OWC)210とを
無条件で作動させ、さらに所定のエンジンブレーキ作動
条件が満足された場合にオーバードライブブレーキ(O
D/B)220を作動させる。これにより、インプット
シャフト110の駆動力は、中間シャフト120を介し
て第2サンギア151に伝達され、第1サンギア141
が停止した状態での第2サンギア151の回転に伴う第
2ピニオンギア152の公転(第1リングギア143の
回転、第2キャリア154の回転)として、アウトプッ
トシャフト130に僅かにトルク増幅(減速)されて出
力される。なお、図9の共線図において、この3速の場
合の出力軸(アウトプットシャフト130)の回転数
は、符合D3で示す点が表わしている。
【0052】またこの際、オーバードライブブレーキ
(OD/B)220が非作動状態の場合には、第1サン
ギア141の一方向への空転により、アウトプットシャ
フト130からの逆駆動力がインプットシャフト110
に伝達されないので、いわゆるエンジンブレーキは働か
ず、この3速へのシフトダウンもショックなく円滑に行
われる。ただし、エンジンブレーキ作動条件が満足され
オーバードライブブレーキ(OD/B)220が作動す
ると、第1サンギア141はいずれの方向にも制動され
るため、車両の走行状況や操作状況によってはエンジン
ブレーキが働くようになる。
(OD/B)220が非作動状態の場合には、第1サン
ギア141の一方向への空転により、アウトプットシャ
フト130からの逆駆動力がインプットシャフト110
に伝達されないので、いわゆるエンジンブレーキは働か
ず、この3速へのシフトダウンもショックなく円滑に行
われる。ただし、エンジンブレーキ作動条件が満足され
オーバードライブブレーキ(OD/B)220が作動す
ると、第1サンギア141はいずれの方向にも制動され
るため、車両の走行状況や操作状況によってはエンジン
ブレーキが働くようになる。
【0053】また、4速では、ロークラッチ(L/C)
170とハイクラッチ(H/C)180とを無条件で作
動させる。これにより、インプットシャフト110の駆
動力は、中間シャフト120及び中空軸部材121を介
して第2サンギア151,第3サンギア161,第1キ
ャリア144及び第2リングギア153に伝達され、そ
のままアウトプットシャフト130から出力される。こ
の際、結果的に各プラネタリギア140,150,16
0の全てのギア、及びアウトプットシャフト130が、
インプットシャフト110と一体的に回転することにな
る。なお、図9の共線図において、この4速の場合の出
力軸(アウトプットシャフト130)の回転数は、符合
D4で示す点が表わしている。
170とハイクラッチ(H/C)180とを無条件で作
動させる。これにより、インプットシャフト110の駆
動力は、中間シャフト120及び中空軸部材121を介
して第2サンギア151,第3サンギア161,第1キ
ャリア144及び第2リングギア153に伝達され、そ
のままアウトプットシャフト130から出力される。こ
の際、結果的に各プラネタリギア140,150,16
0の全てのギア、及びアウトプットシャフト130が、
インプットシャフト110と一体的に回転することにな
る。なお、図9の共線図において、この4速の場合の出
力軸(アウトプットシャフト130)の回転数は、符合
D4で示す点が表わしている。
【0054】また、5速では、ハイクラッチ(H/C)
180とオーバードライブブレーキ(OD/B)220
とを無条件で作動させる。これにより、インプットシャ
フト110の駆動力は、中空軸部材121を介して第1
キャリア144に伝達され、第1サンギア141が停止
した状態での第1ピニオンギア142の回転に伴う第1
リングギア143の回転(第2キャリア154の回転)
として、アウトプットシャフト130にトルク減幅(増
速)されて出力される。なお、図9の共線図において、
この5速の場合の出力軸(アウトプットシャフト13
0)の回転数は、符合D5で示す点が表わしている。
180とオーバードライブブレーキ(OD/B)220
とを無条件で作動させる。これにより、インプットシャ
フト110の駆動力は、中空軸部材121を介して第1
キャリア144に伝達され、第1サンギア141が停止
した状態での第1ピニオンギア142の回転に伴う第1
リングギア143の回転(第2キャリア154の回転)
として、アウトプットシャフト130にトルク減幅(増
速)されて出力される。なお、図9の共線図において、
この5速の場合の出力軸(アウトプットシャフト13
0)の回転数は、符合D5で示す点が表わしている。
【0055】また、Dレンジの各変速段においては、所
定のロックアップ作動条件が満足されると、トルクコン
バータ20のロックアップピストン28を作動させ、エ
ンジンのクランク軸とインプットシャフト110とを直
結することにより、伝達効率向上、燃費向上が図られ
る。この際、ロックアップピストン28を作動させる油
圧は、例えば入力軸回転速度センサー197の出力信号
によりトルクコンバータ20のタービンランナー24の
回転数を検知しつつ、締結(ポンプインペラー23とタ
ービンランナー24との回転数の一致)が徐々に行われ
るように制御される。また、ロックアップ作動条件は、
例えばパワーモードが設定されておらず、かつ設定車速
以上で設定スロットル開度以下の場合である。
定のロックアップ作動条件が満足されると、トルクコン
バータ20のロックアップピストン28を作動させ、エ
ンジンのクランク軸とインプットシャフト110とを直
結することにより、伝達効率向上、燃費向上が図られ
る。この際、ロックアップピストン28を作動させる油
圧は、例えば入力軸回転速度センサー197の出力信号
によりトルクコンバータ20のタービンランナー24の
回転数を検知しつつ、締結(ポンプインペラー23とタ
ービンランナー24との回転数の一致)が徐々に行われ
るように制御される。また、ロックアップ作動条件は、
例えばパワーモードが設定されておらず、かつ設定車速
以上で設定スロットル開度以下の場合である。
【0056】そして、セレクトレバーがRレンジに操作
されると、コントロールユニット及びコントロールバル
ブユニット300の制御により、リバースクラッチ(R
/C)190及びリバースブレーキ(R/B)250が
無条件で作動する。すると、インプットシャフト110
の駆動力は、中空軸部材122を介して第1サンギア1
41に伝達され、第1キャリア144(第1ピニオンギ
ア142の公転)が停止した状態での第1サンギア14
1の回転に伴う第1リングギア143の逆転(第2キャ
リア154の逆転)として、アウトプットシャフト13
0に回転方向が反転されかつトルク増幅(減速)されて
出力される。このため、車両の後退が可能となる。な
お、図9の共線図において、このRレンジの場合の出力
軸(アウトプットシャフト130)の回転数は、符合R
で示す点が表わしている。
されると、コントロールユニット及びコントロールバル
ブユニット300の制御により、リバースクラッチ(R
/C)190及びリバースブレーキ(R/B)250が
無条件で作動する。すると、インプットシャフト110
の駆動力は、中空軸部材122を介して第1サンギア1
41に伝達され、第1キャリア144(第1ピニオンギ
ア142の公転)が停止した状態での第1サンギア14
1の回転に伴う第1リングギア143の逆転(第2キャ
リア154の逆転)として、アウトプットシャフト13
0に回転方向が反転されかつトルク増幅(減速)されて
出力される。このため、車両の後退が可能となる。な
お、図9の共線図において、このRレンジの場合の出力
軸(アウトプットシャフト130)の回転数は、符合R
で示す点が表わしている。
【0057】第2実施例
次に、請求項1乃至4記載のクラッチ装置の第2実施例
について説明する。図10は、この実施例のクラッチ装
置が設けられた自動変速機の部分断面拡大図である。な
お、第1実施例と同様の要素には、同符合を付してその
説明を省略する。この実施例では、本発明の第1部材と
して、クラッチ400を支持するドラム410を備え、
本発明の第2部材として、クラッチ400を押圧するピ
ストン420を備え、クラッチ400を支持するハブ4
30と、遠心力により発生する油圧を打消すための油圧
を作り出す油室を隔成する壁部材440とが設けられて
いる。
について説明する。図10は、この実施例のクラッチ装
置が設けられた自動変速機の部分断面拡大図である。な
お、第1実施例と同様の要素には、同符合を付してその
説明を省略する。この実施例では、本発明の第1部材と
して、クラッチ400を支持するドラム410を備え、
本発明の第2部材として、クラッチ400を押圧するピ
ストン420を備え、クラッチ400を支持するハブ4
30と、遠心力により発生する油圧を打消すための油圧
を作り出す油室を隔成する壁部材440とが設けられて
いる。
【0058】クラッチ400は、ドラム410にスプラ
インで支持されたドライブプレートと、ハブ430にス
プラインで支持されたドリブンプレートとを積層配置し
てなる。ドラム410は、外周円筒部411と底部41
2と内周円筒部413を有し、底部412には後述する
爪状部424を貫通させる穴414が形成されている。
またこのドラム410の底部412には、内周側が張出
す方向の段部415が設けられ、この段部415の外周
側に形成された空間にリターンスプリング195が配置
されている。ピストン420は、ドラム410の内側に
沿うように、円筒部421と底部422を有し、底部4
22には段部423が形成されている。このピストン4
20には、ドラム410に設けた穴414を貫通してド
ラム410のフロント側外方に延在する爪状部424が
形成され、この爪状部424に取付けたリテーナ195
とドラム410の底部412の外面との間にリターンス
プリング196が配置されている。
インで支持されたドライブプレートと、ハブ430にス
プラインで支持されたドリブンプレートとを積層配置し
てなる。ドラム410は、外周円筒部411と底部41
2と内周円筒部413を有し、底部412には後述する
爪状部424を貫通させる穴414が形成されている。
またこのドラム410の底部412には、内周側が張出
す方向の段部415が設けられ、この段部415の外周
側に形成された空間にリターンスプリング195が配置
されている。ピストン420は、ドラム410の内側に
沿うように、円筒部421と底部422を有し、底部4
22には段部423が形成されている。このピストン4
20には、ドラム410に設けた穴414を貫通してド
ラム410のフロント側外方に延在する爪状部424が
形成され、この爪状部424に取付けたリテーナ195
とドラム410の底部412の外面との間にリターンス
プリング196が配置されている。
【0059】そして、ピストン420は、このピストン
420とドラム410の段部423,415の内面間に
形成された油室(シールリング425,426でシール
されたピストン420のフロント側の油室)に、ドラム
410の内周円筒部413に形成された油路416から
圧油が供給されることで作動し、リターンスプリング1
96の復元力で復帰する構成となっている。またこの場
合、壁部材440とピストン420の底部422との間
に形成された油室(ピストン420のリア側の油室)
に、ドラム410の内周円筒部413に形成された油路
417から油が供給され、この油室に油が満たされるこ
とにより、ピストン420のフロント側の前記油室に発
生する遠心力による圧力が打消されて、ピストン420
の円滑な作動が実現される。というのは、ドラム420
及びピストン420の運転中の回転により、ピストン4
20のフロント側の油室内には遠心力による圧力(遠心
油圧)が発生するが、この遠心油圧はピストン420の
復帰を阻害する方向に働くため、ピストン420の円滑
な作動が困難になる。しかし、本実施例の構成であれ
ば、ピストン420のリア側の油室内にも同等の遠心油
圧が発生し、これら遠心油圧による力がバランスして解
消されるのである。
420とドラム410の段部423,415の内面間に
形成された油室(シールリング425,426でシール
されたピストン420のフロント側の油室)に、ドラム
410の内周円筒部413に形成された油路416から
圧油が供給されることで作動し、リターンスプリング1
96の復元力で復帰する構成となっている。またこの場
合、壁部材440とピストン420の底部422との間
に形成された油室(ピストン420のリア側の油室)
に、ドラム410の内周円筒部413に形成された油路
417から油が供給され、この油室に油が満たされるこ
とにより、ピストン420のフロント側の前記油室に発
生する遠心力による圧力が打消されて、ピストン420
の円滑な作動が実現される。というのは、ドラム420
及びピストン420の運転中の回転により、ピストン4
20のフロント側の油室内には遠心力による圧力(遠心
油圧)が発生するが、この遠心油圧はピストン420の
復帰を阻害する方向に働くため、ピストン420の円滑
な作動が困難になる。しかし、本実施例の構成であれ
ば、ピストン420のリア側の油室内にも同等の遠心油
圧が発生し、これら遠心油圧による力がバランスして解
消されるのである。
【0060】この第2実施例の場合にも、リターンスプ
リング196を配設するために、装置の外径が余分に大
きくなることがなく、また軸方向に大きくなることもな
いので、従来の限界を越えてクラッチ装置の小型化、ひ
いては自動変速機の小型化が実現できる。また、リテー
ナ195が入力軸回転数センサーのロータ(被検出部)
としても機能して、部品点数の削減が可能となる。しか
も、リターンスプリング196がドラム410のフロン
ト側外方に配置されているため、その分ドラム410及
びピストン420のリア側内方に他の部材を高密度に配
置して、小型さを維持しつつ性能向上等が図れる。とい
うのは、この実施例の場合、ピストン420のリア側内
方にスプリングを配設してピストン420に復元力を作
用させることもできるが、そうするとその分ピストン4
20のリア側内方に他の部材を配置できなくなる。とこ
ろが、リターンスプリング196がドラム410の外方
に配置されていれば、上記実施例のように、壁部材44
0を配設してクラッチ400の円滑な作動が実現でき
る。
リング196を配設するために、装置の外径が余分に大
きくなることがなく、また軸方向に大きくなることもな
いので、従来の限界を越えてクラッチ装置の小型化、ひ
いては自動変速機の小型化が実現できる。また、リテー
ナ195が入力軸回転数センサーのロータ(被検出部)
としても機能して、部品点数の削減が可能となる。しか
も、リターンスプリング196がドラム410のフロン
ト側外方に配置されているため、その分ドラム410及
びピストン420のリア側内方に他の部材を高密度に配
置して、小型さを維持しつつ性能向上等が図れる。とい
うのは、この実施例の場合、ピストン420のリア側内
方にスプリングを配設してピストン420に復元力を作
用させることもできるが、そうするとその分ピストン4
20のリア側内方に他の部材を配置できなくなる。とこ
ろが、リターンスプリング196がドラム410の外方
に配置されていれば、上記実施例のように、壁部材44
0を配設してクラッチ400の円滑な作動が実現でき
る。
【0061】なお、本発明は上記各実施例に限られず、
各種の態様があり得る。
各種の態様があり得る。
【0062】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、第1部材
又は第2部材のうちの一方がフリクションプレートが設
けられたドラム又はハブとして機能し、第1部材又は第
2部材のうちの他方がフリクションプレートを押圧する
アクチュエータ(ピストン)として機能するわけである
が、このドラム等とアクチュエータの構造を内側に他の
要素を高密度に配置可能な有底筒状の構造としつつ、リ
ターンスプリングをこの有底筒状の構造の外側に配置し
て機能させることができる。したがって、摩擦係合装置
を、自動変速機内により多くの部品とともに高密度に配
置できるようになり、自動変速機の小型さを維持しつつ
性能向上等に貢献できる。
又は第2部材のうちの一方がフリクションプレートが設
けられたドラム又はハブとして機能し、第1部材又は第
2部材のうちの他方がフリクションプレートを押圧する
アクチュエータ(ピストン)として機能するわけである
が、このドラム等とアクチュエータの構造を内側に他の
要素を高密度に配置可能な有底筒状の構造としつつ、リ
ターンスプリングをこの有底筒状の構造の外側に配置し
て機能させることができる。したがって、摩擦係合装置
を、自動変速機内により多くの部品とともに高密度に配
置できるようになり、自動変速機の小型さを維持しつつ
性能向上等に貢献できる。
【0063】請求項2記載の発明によれば、摩擦係合装
置の外径を所定のトルクを伝達するための必要最小限の
大きさとすることができ、リターンスプリングを配置す
るために余分に径方向外側に張出すことはない。このた
め、少なくとも径方向の大きさにおいて従来の限界を越
えたコンパクトな摩擦係合装置が実現でき、自動変速機
の小型化に貢献できる。
置の外径を所定のトルクを伝達するための必要最小限の
大きさとすることができ、リターンスプリングを配置す
るために余分に径方向外側に張出すことはない。このた
め、少なくとも径方向の大きさにおいて従来の限界を越
えたコンパクトな摩擦係合装置が実現でき、自動変速機
の小型化に貢献できる。
【0064】請求項3記載の発明によれば、第1部材と
リターンスプリングと油室とを高密度に配置することが
でき、リターンスプリングを配置するために余分に軸方
向外側に張出すこともない。したがって、摩擦係合装置
の軸方向のコンパクトさを維持しつつ、径方向の小型化
を図って、自動変速機の全体的な小型化に貢献できる。
リターンスプリングと油室とを高密度に配置することが
でき、リターンスプリングを配置するために余分に軸方
向外側に張出すこともない。したがって、摩擦係合装置
の軸方向のコンパクトさを維持しつつ、径方向の小型化
を図って、自動変速機の全体的な小型化に貢献できる。
【0065】請求項4記載の発明によれば、リテーナが
第1部材又は第2部材の回転数を検出するためのロータ
(非検出部)としても機能するため、部品点数が削減さ
れコスト低減が図れる。
第1部材又は第2部材の回転数を検出するためのロータ
(非検出部)としても機能するため、部品点数が削減さ
れコスト低減が図れる。
【0066】
【0067】
【図1】本発明の第1実施例である自動変速機の全体構
成を示す断面図である。
成を示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施例である自動変速機の補助変
速機のスケルトンを示す図である。
速機のスケルトンを示す図である。
【図3】本発明の第1実施例である自動変速機の要部断
面図であって、図1の部分拡大図である。
面図であって、図1の部分拡大図である。
【図4】本発明の第1実施例である自動変速機の部分断
面図であって、図1の部分拡大図である。
面図であって、図1の部分拡大図である。
【図5】本発明の第1実施例である自動変速機の要部斜
視図である。
視図である。
【図6】本発明の第1実施例である自動変速機における
第1円筒部材(ドラム)の斜視図である。
第1円筒部材(ドラム)の斜視図である。
【図7】本発明の第1実施例である自動変速機における
第2円筒部材(ハブ)の斜視図である。
第2円筒部材(ハブ)の斜視図である。
【図8】本発明の第1実施例である自動変速機の各摩擦
係合要素の作動状態を示す図である。
係合要素の作動状態を示す図である。
【図9】本発明の第1実施例である自動変速機の変速状
態(プラネタリギアにおける各要素の回転数の関係)を
示す共線図である。
態(プラネタリギアにおける各要素の回転数の関係)を
示す共線図である。
【図10】本発明の第2実施例である自動変速機の要部
断面図である。
断面図である。
170 ロークラッチ(L/C)(第1摩擦係合要素)
171 ドラム(第1円筒部材)
180 ハイクラッチ(H/C)(第3摩擦係合要素)
181 ドラム(第2部材)
181a 円筒部
181c 底部
181d 段部
181f 爪状部
182 ハブ(第3円筒部材)
190 リバースクラッチ(R/C)(第2摩擦係合要
素) 192 ハブ(第2円筒部材) 193 ピストン(第1部材、底部) 193b 段部 194 押圧フランジ(第1部材、円筒部) 195 リテーナ(係止部) 195b くし歯状部 196 リターンスプリング
素) 192 ハブ(第2円筒部材) 193 ピストン(第1部材、底部) 193b 段部 194 押圧フランジ(第1部材、円筒部) 195 リテーナ(係止部) 195b くし歯状部 196 リターンスプリング
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
F16H 61/26 - 61/36
F16H 63/00 - 63/38
F16H 3/00 - 3/78
Claims (4)
- 【請求項1】 円筒部と底部を有する第1部材と、この
第1部材の内側に沿うように円筒部と底部を有する第2
部材と、前記第1部材又は第2部材のうちの一方の円筒
部に設けられたフリクションプレートとを備え、 前記第1部材と第2部材との間に形成された油室への油
圧供給により生じる前記第1部材と第2部材の相対移動
に伴って、前記第1部材又は第2部材のうちの他方が前
記フリクションプレートを密着方向に押圧することによ
り接続動作を行い、リターンスプリングの復元力により
前記第1部材と第2部材の相対位置を復帰させて前記接
続動作を解除する自動変速機の摩擦係合装置において、 前記第2部材に、前記第1部材に設けた穴を貫通して第
1部材外方に延在する爪状部を設け、この爪状部に設け
た係止部と前記第1部材外面との間に前記リターンスプ
リングを配置したことを特徴とする自動変速機の摩擦係
合装置。 - 【請求項2】 前記フリクションプレートを前記第1部
材又は第2部材のうちの一方の円筒部の内周面側に配置
するとともに、 前記リターンスプリングを、前記第1部材又は第2部材
のそれぞれの円筒部のうち、外周が大きい方の円筒部の
外周よりも径方向内側に配置したことを特徴とする請求
項1記載の自動変速機の摩擦係合装置。 - 【請求項3】 前記第1部材と第2部材の底部に、内周
側が張出す方向の段部をそれぞれ設け、前記相対移動に
伴い摺接又は離間するこれら段部の内面間に、前記油室
を形成するとともに、前記第1部材の段部外周側に形成
された空間に前記リターンスプリングを配置したことを
特徴とする請求項1又は2記載の自動変速機の摩擦係合
装置。 - 【請求項4】 前記係止部に、前記爪状部から径方向外
側に突出するくし歯状部を全周にわたって一定ピッチで
複数形成し、このくし歯状部を、前記第1部材又は第2
部材の回転数に応じたパルス信号を出力する非接触式回
転センサの被検出部として機能させたことを特徴とする
請求項1乃至3の何れかに記載の自動変速機の摩擦係合
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20391395A JP3450535B2 (ja) | 1995-07-17 | 1995-07-17 | 自動変速機の摩擦係合装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20391395A JP3450535B2 (ja) | 1995-07-17 | 1995-07-17 | 自動変速機の摩擦係合装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0932918A JPH0932918A (ja) | 1997-02-07 |
JP3450535B2 true JP3450535B2 (ja) | 2003-09-29 |
Family
ID=16481775
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20391395A Expired - Lifetime JP3450535B2 (ja) | 1995-07-17 | 1995-07-17 | 自動変速機の摩擦係合装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3450535B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002250367A (ja) | 2001-02-22 | 2002-09-06 | Exedy Corp | 多板クラッチ装置 |
JP2005273769A (ja) | 2004-03-24 | 2005-10-06 | Jatco Ltd | 自動変速機 |
JP2005282811A (ja) | 2004-03-30 | 2005-10-13 | Jatco Ltd | 自動変速機 |
JP5101028B2 (ja) | 2006-03-24 | 2012-12-19 | 日本発條株式会社 | 皿ばねの製造方法およびクラッチ装置 |
JP5197984B2 (ja) | 2007-04-03 | 2013-05-15 | 日本発條株式会社 | 皿ばねの製造方法 |
JP5573893B2 (ja) * | 2012-07-09 | 2014-08-20 | マツダ株式会社 | 自動変速機 |
-
1995
- 1995-07-17 JP JP20391395A patent/JP3450535B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0932918A (ja) | 1997-02-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6139463A (en) | Automatic transmission for vehicle | |
CA1045416A (en) | Multiple ratio hydrokinetic split torque transmission | |
US4454786A (en) | Four speed torque converter transaxle and accessory drive system | |
JPH0932919A (ja) | 自動変速機の摩擦係合装置 | |
US4938096A (en) | Automatic transmission for vehicle having forward clutch and counter drive gear positioned between torque converter and gear mechanism | |
JP3667775B2 (ja) | 自動変速装置 | |
JP3450535B2 (ja) | 自動変速機の摩擦係合装置 | |
JP3301546B2 (ja) | 自動変速機 | |
US5348518A (en) | Automatic transmission | |
JP2888938B2 (ja) | 自動変速機 | |
JP2774514B2 (ja) | 自動変速機におけるスナップリング支持装置 | |
JP3607373B2 (ja) | 自動変速機の組立方法 | |
JPH04248047A (ja) | 自動変速機の動力伝達装置 | |
JPH0868456A (ja) | トランスミッションにおけるオイルポンプ支持構造 | |
JPH0649959Y2 (ja) | 自動変速機 | |
JPH0932920A (ja) | 自動変速機のタンデムピストン構造 | |
JP2893532B2 (ja) | 自動変速機のクラツチ装置 | |
JP3301545B2 (ja) | トランスアクスル | |
JP2514713B2 (ja) | 変速機のクラッチドラム | |
JP2001221300A (ja) | 自動変速機 | |
JP2002161950A (ja) | 自動変速機 | |
JP3408553B2 (ja) | 自動変速機 | |
JP2002161952A (ja) | 自動変速機 | |
JPH01279138A (ja) | オートマチックトランスアクスル | |
JP2832444B2 (ja) | 自動変速機の摩擦係合要素の配設構造 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080711 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090711 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090711 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100711 Year of fee payment: 7 |