JPH0932919A - 自動変速機の摩擦係合装置 - Google Patents

自動変速機の摩擦係合装置

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JPH0932919A
JPH0932919A JP7203914A JP20391495A JPH0932919A JP H0932919 A JPH0932919 A JP H0932919A JP 7203914 A JP7203914 A JP 7203914A JP 20391495 A JP20391495 A JP 20391495A JP H0932919 A JPH0932919 A JP H0932919A
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JP
Japan
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piston
friction engagement
engagement element
wall member
input shaft
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Application number
JP7203914A
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English (en)
Inventor
Takeo Yoshida
吉田武雄
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JATCO Corp
Original Assignee
JATCO Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 同心円状に配設された二つのクラッチ17
0,180と、外周側のクラッチ180を作動させる有
底筒状の第1ピストン183と、この第1ピストン18
3の後面側及び外周側を覆うように配設されて、第1ピ
ストン183を保持する第1シリンダ181と、第1ピ
ストン183の前面内周側に配設されて、遠心油圧キャ
ンセル室171bを形成する壁部材171とを備えた自
動変速機の摩擦係合装置において、従来の限界を越えて
部品点数の削減及び小型化を図る。 【構成】 壁部材171の外周に軸方向に伸びる円筒部
を形成し、この円筒部においてクラッチ170を支持す
るとともに、壁部材171の底部内周側を入力軸110
に連結することにより、壁部材171を、クラッチ17
0に入力軸110の回転を伝えるドラム部材としても機
能させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クラッチ,ブレー
キ等の摩擦係合要素を備えた自動変速機の摩擦係合装置
に係わり、特に自動変速機の部品点数低減及び小型化が
可能な自動変速機の摩擦係合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】発明の背景 一般に、車両用の自動変速機としては、エンジンの回転
をトルクコンバータを介して入力し、複数組のプラネタ
リギアを有する補助変速機により変速してプロペラシャ
フト(車軸側)に出力するものが普及している。そし
て、この種の自動変速機における補助変速機には、トル
クコンバータからのインプットシャフトの回転を、シフ
ト位置に応じて、プラネタリギアを構成する特定のギア
又はキャリアに伝動したり、特定のギア又はキャリアの
回転を適宜アウトプットシャフトに伝動したり、あるい
は適宜特定のギア又はキャリアの回転を拘束するため
に、クラッチ又はブレーキからなる摩擦係合装置が設け
られる。これらクラッチ又はブレーキとしては、複数の
摩擦板からなる多板式のものが多く採用され、前記摩擦
板を密着させるアクチュエータとしては、シリンダ内に
摺動自在に保持されたピストンからなる油圧式のものが
通常設けられる。このピストンは、シリンダとの間に形
成された油室にオイルポンプからの圧油が供給されるこ
とにより、前記摩擦板を押圧して密着させる方向に移動
し、前記油室への圧油供給が停止されるとリターンスプ
リングの復元力により前記摩擦板を押圧しない非作動位
置に復帰するものである。
【0003】そして、上記アクチュエータのシリンダ及
びピストンは、特にクラッチ装置では、構造上摩擦結合
される回転要素(クラッチドラム等)とともに回転する
構成とならざるを得ない場合がほとんどである。この場
合、前記油室には、オイルポンプからの圧油が供給され
ていなくても、残留した油に遠心力による油圧(以下、
遠心油圧という。)が発生し、この遠心油圧がリターン
スプリングに対抗するように作用して、結合解除時のピ
ストンの復帰動作を阻害する。そこで、この種の自動変
速機においては、この問題を回避するための第1の手段
として、ピストンに形成した袋状の貫通孔と、この貫通
孔内に配置されて供給された油圧又は遠心力により前記
貫通孔を開閉するチェックボールとよりなるチェックバ
ルブを設け、結合解除時には油室内に残留した油をこの
チェックバルブから油室外へ逃す方式を採用している。
しかし、このチェックバルブを設けた場合には、(a)
チェックバルブを設けた位置より外周側にある油は排出
できず前記遠心油圧を完全に解消できない、(b)結合
解除後に油室内に空気が溜まる等の理由で、油室内を油
で満たして油圧を上昇させるのに時間がかかり、速やか
なクラッチの結合動作(接続動作)が実現し難い、とい
った問題がある。このため、上記第1の手段では要求さ
れる円滑な作動が達成できない場合には、前記遠心油圧
を解消するための第2の手段として、ピストンの前面側
に隔壁を配設して、ピストンを駆動するための前記油室
に作用力が対抗する油室(以下、遠心油圧キャンセル室
という。)を設ける方式が採用されている。ところが、
この方式を採用した場合には、ピストンの前面側に隔壁
を配置する分だけ変速機の軸方向に所要スペースが増大
するとともに部品点数が増えて、変速機の大型化やコス
トアップを招来し易いという問題がある。ところで、車
両の居住スペース等の拡大とともに安全装備等の搭載部
品の増加、走行性能の向上等が求められる近年にあって
は、また車両のさらなるコストパフォーマンス向上が要
求される状況にあっては、自動変速機にもよりきめこま
かで円滑な変速動作が求められるとともに、車両におけ
る設置スペースの縮小を可能とする小型化や部品点数の
削減が求められている。このため、自動変速機の補助変
速機においては、上記遠心油圧キャンセル油室を設けた
方式を採用していながら、小型化や部品点数削減が実現
されたクラッチ装置等が要望されている。
【0004】従来の自動変速機 そこで、従来の自動変速機においては、例えば特開昭6
2−52249号公報の第1図に示すように、入力軸の
回転を適宜所定のギア等に伝達するために同芯円状に配
設された二つの多板式クラッチ(第1クラッチ,第2ク
ラッチ)からなるクラッチ装置であって、それぞれのク
ラッチについて遠心油圧キャンセル室(第1遠心油圧
室,第2遠心油圧室)が設けられたものをコンパクトに
実現した構造が知られている。これは、入力軸に連結さ
れた有底筒状の部材(第1リテーナ)の内周側に、やは
り有底筒状の第1クラッチ用のピストン(第1ピスト
ン)を摺動自在に保持して、前記第1リテーナを第1シ
リンダとして機能させるとともに、前記第1リテーナの
内周側に形成されたボス部の外周における端側(第1ピ
ストンの前面側)に、第1遠心油圧室を形成する第1隔
壁を取付けたものである。そして、この第1隔壁の前面
側に形成したシリンダ状凹部の内周側には、第2クラッ
チ用のピストン(第2ピストン)を摺動自在に保持し
て、前記第1隔壁を第2シリンダとしても機能させると
ともに、前記第1リテーナのボス部の外周におけるさら
に端側(第2ピストンの前面側)に、第2遠心油圧室を
形成する第2隔壁を取付けたものである。すなわち、こ
の構造では、第1隔壁を第2シリンダとしても機能させ
ることで、二つのクラッチからなる装置全体の小型化を
実現している。またこの従来の構造では、二つのクラッ
チの間に配設された共通のクラッチドラム(リング状連
結部材)の後端と、前記第1リテーナの外周側円筒状部
(シリンダ状延在部)の先端と、第1ピストンの外周側
円筒状部(リング状延在部)の先端とが、いずれも櫛歯
状とされ、それら櫛歯状部分が相互に噛み合った構成と
なっている。すなわち、このような構成により、リング
状連結部材を第1リテーナに連結して、第1リテーナを
介して入力軸の回転をリング状連結部材に伝達するとと
もに、第1シリンダがこの連結部に干渉することなく作
動して、そのクラッチ押圧部がこの連結部を通り抜けて
第1クラッチに圧接するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開昭62−52249号公報等に記載された従来のクラ
ッチ装置は、第1クラッチ作動用の第1ピストンを内周
側に保持する第1シリンダ(第1リテーナ)を、第1ク
ラッチの内周側に配置されたクラッチドラムに連結する
ことにより、この第1シリンダを介して入力軸の回転を
クラッチに伝える構成であり、第1ピストンの押圧部と
の干渉を避けるためには、上記従来例のようにクラッチ
ドラムを構成する部材(リング状連結部材)を第1シリ
ンダとは別部品として構成しなければならない。また、
第1隔壁も独立の部材として設けられているため、この
分だけ部品点数が多く、さらなるコスト低減又は小型化
を図るには限界があった。
【0006】そこで本発明は、従来の限界を越えて部品
点数の削減及び小型化が図れる自動変速機の摩擦係合装
置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の自動変速機の摩擦係合装置は、入力
軸の回転を伝達するための第1摩擦係合要素、及びこの
第1摩擦係合要素の内周側に配設された第2摩擦係合要
素と、底部の外周側に円筒部が形成されてなり、円筒部
の先端が前記第1摩擦係合要素の作動用押圧部として前
記第1摩擦係合要素に対向配置された第1ピストンと、
この第1ピストンの後面側及び外周側を覆うように配設
されて、前記第1ピストンとの間に前記第1ピストンを
駆動する第1液室を形成するとともに、前記第1ピスト
ンを摺動自在に保持する第1シリンダと、前記第1ピス
トンの前面内周側に配設されて、前記第1ピストンとの
間に前記第1液室と作用力が対抗する遠心油圧キャンセ
ル室を形成する壁部材とを備えた自動変速機の摩擦係合
装置において、前記壁部材の外周に軸方向に伸びる円筒
部を形成し、この円筒部において前記第1又は第2摩擦
係合要素、或いはその両方を支持するとともに、前記壁
部材の底部内周側を入力軸に連結することにより、前記
壁部材を、前記第1又は第2摩擦係合要素、或いはその
両方に入力軸の回転を伝えるドラム部材として機能させ
たことを特徴とする自動変速機の摩擦係合装置。
【0008】請求項2記載の自動変速機の摩擦係合装置
は、前記壁部材の円筒部内周において前記第2摩擦係合
要素を支持するとともに、前記壁部材の前面内周側に摺
動自在に配設され、前記壁部材との間に形成された第2
液室の油圧力により駆動されて前記第2摩擦係合要素を
押圧して作動させる第2ピストンを設けたことを特徴と
する。
【0009】請求項3記載の自動変速機の摩擦係合装置
は、前記第1シリンダの外周に、前記第1摩擦係合要素
の外周側に伸びて前記第1摩擦係合要素を支持する円筒
状延在部を形成するとともに、前記第1シリンダの内周
部を入力軸に連結することにより、前記第1シリンダ
を、前記第1摩擦係合要素に入力軸の回転を伝えるドラ
ム部材として機能させたことを特徴とする。
【0010】請求項4記載の自動変速機の摩擦係合装置
は、入力軸の回転を伝達するための摩擦係合要素と、底
部の外周側に円筒部が形成されてなり、円筒部の先端が
前記摩擦係合要素の作動用押圧部として前記摩擦係合要
素に対向配置されたピストンと、このピストンの後面側
及び外周側を覆うように配設されて、前記ピストンとの
間に前記ピストンを駆動する液室を形成するとともに、
前記ピストンを摺動自在に保持するシリンダと、前記ピ
ストンの前面内周側に配設されて、前記ピストンとの間
に前記液室と作用力が対抗する遠心油圧キャンセル室を
形成する壁部材とを備えた自動変速機の摩擦係合装置に
おいて、前記壁部材の外周に軸方向に伸びる円筒部を形
成し、この円筒部の外周において前記摩擦係合要素を支
持するとともに、前記壁部材の底部内周側を入力軸に連
結することにより、前記壁部材を前記摩擦係合要素に入
力軸の回転を伝えるドラム部材として機能させたことを
特徴とする。
【0011】請求項1記載の発明では、第1ピストンと
の間に遠心油圧キャンセル室を形成する壁部材が、第1
又は第2摩擦係合要素、或いはその両方に入力軸の回転
を伝えるドラム部材としても機能する。
【0012】請求項2記載の発明では、前記壁部材が、
第2摩擦係合要素を作動させる第2ピストンを保持する
シリンダとしても機能する。
【0013】請求項3記載の発明では、第1シリンダ
が、第1摩擦係合要素(例えば、ドライブ側のクラッチ
プレート)を外周側から支持し、この第1摩擦係合要素
に入力軸の回転を伝えるドラム部材としても機能する。
そしてこの場合、第1摩擦係合要素を介して入力軸の回
転が伝えられる被結合部材(例えば、クラッチハブ)
は、第1摩擦係合要素の内周側に配設されることになる
から、第1摩擦係合要素の軸方向に隣接する位置に空き
スペースができ、このスペースにさらに他の摩擦係合要
素等を配設することが容易に可能となる。またこの場合
には、前述した従来例のように、外周側の摩擦係合要素
(第1摩擦係合要素)に回転を伝えるドラム部材(第1
シリンダ)と、第1ピストンの先端とを櫛歯状にして噛
み合わせるといった複雑な構造にする必要がない。
【0014】請求項4記載の発明では、ピストンとの間
に遠心油圧キャンセル室を形成する壁部材が、摩擦係合
要素に入力軸の回転を伝えるドラム部材としても機能す
る。
【0015】
【発明の実施の形態】第1実施例 以下、本発明の実施の形態を、自動変速機に適用した一
実施例として、図面に基づいて説明する。図1は本実施
例の自動変速機全体の断面図、図2はこの自動変速機を
構成する補助変速機のスケルトンを示す図、図3乃至図
4は図1の部分拡大図であり、このうち図3は本発明の
要部を示している。なお便宜上、図1乃至図4におい
て、左側(エンジン側)をフロント側、右側(エンジン
から遠い側)をリア側とする。 (A)全体構成 本実施例の自動変速機は、図1に示すように、一体のケ
ース10内にトルクコンバータ20、オイルポンプ5
0、及び補助変速機100を備え、ケース10の下部に
コントロールバルブユニット300を備える。
【0016】トルクコンバータ20は、エンジンのクラ
ンクシャフトに連結されて回転するフロントカバー21
と、フロントカバー21の後部に連結されたリヤカバー
22と、リヤカバー22の内側に形成されたポンプイン
ペラ23と、ポンプインペラ23に対向して配設された
タービンランナ24と、タービンランナ24を保持する
タービンシェル25と、ポンプインペラ23とタービン
ランナ24との間に配設されたステータ26と、ステー
タ26を支持するワンウエイクラッチ27と、フロント
カバー21とタービンシェル25との間に配設されたロ
ックアップピストン28とを備える。トルクコンバータ
20の中心軸線上には、補助変速機100のインプット
シャフト110(入力軸)のフロント側端部が挿通さ
れ、タービンシェル25とロックアップピストン28と
は、その内周部においてこのインプットシャフト110
のフロント側端部に連結されている。ステータ26の内
周は、ワンウエイクラッチ27のアウタレースに連結さ
れ、ワンウエイクラッチ27のインナレースは、後述す
るオイルポンプカバー52のフロント側ボス53の外周
に連結され、固定状態とされている。リヤカバー22に
は、前記フロント側ボス53の外周に隙間を有して嵌挿
されたボス29が固設されている。
【0017】オイルポンプ50は、オイルポンプハウジ
ング51とオイルポンプカバー52とよりなる外枠内に
ロータ等が収納されたベーン式のポンプで、トルクコン
バータ20のボス29の先端にロータが連結されて駆動
され、ケース10の下面側に取付けられたオイルパン3
01内の油を吸引して所定油圧を発生させる。オイルポ
ンプカバー52には、インプットシャフト110の外周
に沿ってフロント側に伸びるフロント側ボス53と、イ
ンプットシャフト110の外周に沿ってリア側に伸びる
リア側ボス54とが形成され、フロント側ボス53の先
端部には前述のようにワンウエイクラッチ27のインナ
レースが連結されている。このオイルポンプ50のオイ
ルポンプハウジング51とオイルポンプカバー52は、
ボルト55によりケース10に固定されている。
【0018】補助変速機100は、図1及び図2に示す
ように、インプットシャフト110、中間シャフト12
0、アウトプットシャフト130、第1プラネタリーギ
ア140、第2プラネタリーギア150、第3プラネタ
リーギア160、ロークラッチ(L/C)170、ハイ
クラッチ(H/C)180、リバースクラッチ(R/
C)190、サードブレーキ(3rd/B)200、サ
ードワンウエイクラッチ(3rd/OWC)210、オ
ーバードライブブレーキ(OD/B)220、セカンド
ブレーキ(2nd/B)230、セカンドワンウエイク
ラッチ(2nd/OWC)240、リバースブレーキ
(R/B)250、ローコーストブレーキ(LOWコー
スト/B)260、ローブレーキ(LOW/B)27
0、及びローワンウエイクラッチ(LOW/OWC)2
80を備える。
【0019】インプットシャフト110,中間シャフト
120及びアウトプットシャフト130は、図1に示す
ように、ケース10内の中心軸線上に、フロント側から
リア側に向って順次配設され、それぞれ独立に回転でき
るよう支持されている。中間シャフト120の外周側に
は、図2及び図4に示すように、中空軸部材121,1
22が順次同心円状に配設され、それぞれ独立に回転す
るよう支持されている。ここで、中空軸部材121のフ
ロント側は、後述するハブ182に連結され、またその
リア側には後述する第1キャリア144がスプラインに
より連結されている。また、中空軸部材122のフロン
ト側は、後述するハブ192,222に連結されるとと
もに、サードワンウエイクラッチ210のインナーレー
スとして機能しており、またそのリア側には後述する第
1サンギア141が一体に形成されている。
【0020】なお、アウトプットシャフト130のリア
側端部は、ケース10のリア側に取付けられたリア側ケ
ース11内を通ってリア側に伸びており、出力フランジ
部材131を介して車両のプロペラシャフトに連結され
る。また、アウトプットシャフト130の略中央部外周
には、パーキングギア132がスプラインにより連結さ
れ、パーキング操作時にセレクトレバーと連動するパー
キングポール(図示省略)がこのパーキングギア132
と噛み合うことにより、アウトプットシャフト130を
機械的にロックする構成となっている。そして、このパ
ーキングギア132の外周面に望む位置には、パーキン
グギア132の外周面の歯を検出することにより、アウ
トプットシャフト130の回転数に応じた周波数のパル
ス信号を出力する車速センサー133が取付けられてい
る。
【0021】第1プラネタリーギア140は、図2及び
図4に示すように、第1サンギア(S1)141と、第
1ピニオンギア(P1)142と、第1リングギア(R
1)143とよりなる。第1サンギア141は、図4に
示すように、前述の中空軸部材122のリア側端部に一
体に形成されている。また、第1ピニオンギア142を
支持する第1キャリア(C1)144は、そのリア側端
部内周が、前述の中空軸部材121のリア側端部外周に
スプラインにより連結され、またそのフロント側端部内
周側が、セカンドワンウエイクラッチ240の後述のイ
ンナーレース241にスプラインにより連結され、さら
にそのフロント側端部外周側が、後述のリバースブレー
キドラム251に連結されている。
【0022】第2プラネタリーギア150は、図2及び
図4に示すように、第2サンギア(S2)151と、第
2ピニオンギア(P2)152と、第2リングギア(R
2)153とよりなる。第2サンギア151は、図4に
示すように、第3プラネタリーギア160を構成する後
述の第3サンギア161に連結されて一体に回転する。
また、第2ピニオンギア152を支持する第2キャリア
(C2)154は、そのリア側端部が後述の第3キャリ
ア(C2)164に一体に連結され、またそのフロント
側端部が第1リングギア143に一体に連結されてい
る。
【0023】第3プラネタリーギア160は、図2及び
図4に示すように、第3サンギア(S3)161と、第
3ピニオンギア(P3)162(図1に示す)と、第3
リングギア(R3)163とよりなる。第3サンギア1
61は、図4に示すように、スプラインにより中間シャ
フト120に連結されるとともに、第2サンギア151
に連結されて一体に回転する。また、第3ピニオンギア
162を支持する第3キャリア(C3)164は、その
リア側端部内周がアウトプットシャフト130のフロン
ト側端部外周にスプラインにより連結され、またそのフ
ロント側端部が第2キャリア154に連結されている。
【0024】ロークラッチ(L/C)170(第2摩擦
係合要素)は、図3に示すように、後述する壁部材17
1の円筒部にスプラインで連結されたドリブンプレート
と、ハブ172にスプラインで連結されたドライブプレ
ートとを交互に積層してなる多板式のもので、図3にお
いて左右に(軸方向に)摺動するピストン173(第2
ピストン)により各プレートが密着方向に押し付けられ
て発生する摩擦力により、壁部材171とハブ172と
を接続する。壁部材171はインプットシャフト110
に連結され、ハブ172は中間シャフト120に連結さ
れているため、結局このロークラッチ170は、インプ
ットシャフト110と第2サンギア151又は第3サン
ギア161とを接続する機能を有する。なお、ピストン
173は、壁部材171とこのピストン173との間に
形成された油室173a(第2液室)に、インプットシ
ャフト110に形成された油路111を介して圧油が供
給されることにより作動位置に移動し、リテーナ174
とこのピストン173との間に圧縮状態に介装されたス
プリング175の復元力により非作動位置に復帰する。
【0025】ハイクラッチ(H/C)180(第1摩擦
係合要素)は、図3に示すように、シリンダ181(第
1シリンダ)の後述する外周側円筒部181a(円筒状
延在部)にスプラインで連結されたドリブンプレート
と、ハブ182(第3円筒部材)にスプラインで連結さ
れたドライブプレートとを交互に積層してなる多板式の
もので、図3において左右に摺動するピストン183
(第1ピストン)により各プレートが密着方向に押し付
けられて発生する摩擦力により、シリンダ181とハブ
182とを接続する。シリンダ181は、インプットシ
ャフト110に連結され、ハブ182は、このハブ18
2と一体的に形成された前述の中空軸部材121を介し
て第1キャリア144に連結されている。このため、結
局このハイクラッチ180は、インプットシャフト11
0と第1キャリア144とを接続する機能を有する。な
お、ピストン183は、シリンダ181の後述の壁状部
181cとこのピストン183との間に形成された油室
183a(第1液室)に、シリンダ181の後述の内周
側円筒部181bに形成された油路184を介して圧油
が供給されることにより作動位置に移動し、リテーナ1
88とこのピストン183との間に圧縮状態に介装され
た第1図に示すスプリング187の復元力により非作動
位置に復帰する。壁部材171とこのピストン183と
の間に形成された油室171b(遠心油圧キャンセル
室)には、シリンダ181の内周側円筒部181bに形
成された油路185を介して油が供給される。これによ
り、壁状部181cとピストン183との間に形成され
た油室183aに発生する遠心油圧を打ち消すことがで
き、円滑な変速のための油圧制御が容易になる。
【0026】リバースクラッチ(R/C)190は、図
3に示すように、シリンダ181にスプラインで連結さ
れたドリブンプレートと、ハブ192にスプラインで連
結されたドライブプレートとを交互に積層してなる多板
式のもので、図3において左右に摺動するピストン19
3により押圧フランジ194を介して各プレートが相互
に押し付けられ、これにより発生する摩擦力により、シ
リンダ181とハブ192とを接続する。ここで、シリ
ンダ181は、インプットシャフト110に連結され、
ハブ192は、このハブ192と一体的に形成された前
述の中空軸部材122を介して第1サンギア141に連
結されている。このため、結局このリバースクラッチ1
90は、インプットシャフト110と第1サンギア14
1とを接続する機能を有する。また、ピストン193
は、シリンダ181の後述の壁状部181cとこのピス
トン193との間に形成された油室に、シリンダ181
の内周側円筒部181bに形成された油路186を介し
て圧油が供給されることにより作動位置に移動し、リテ
ーナ195とこのピストン193との間に圧縮状態に介
装されたリターンスプリング196の復元力により非作
動位置に復帰する。
【0027】なお、ハイクラッチ180とともにリバー
スクラッチ190を支持するシリンダ181は、本発明
の第1シリンダに相当し、外周側円筒部181aと、内
周側円筒部181bと、この内周側円筒部181bから
外周方向に伸びて外周側円筒部181aに連結された底
部181cとよりなり、底部181cには、ハイクラッ
チ180のピストン183等を高密度に収納するため
に、内周側が張出す方向の段部181dが形成されたも
ので、内周側円筒部181bのリア側においてインプッ
トシャフト110にスプラインで連結され、内周側円筒
部181bのフロント側がオイルポンプカバー52のリ
ア側ボス54の外周に摺接しつつ回転する部材となって
いる。そして、このシリンダ181の外周側円筒部18
1aのフロント側端部は、矩形の切り欠き181eが周
方向に複数形成された、くし歯状の形状とされ、くし歯
の部分が爪状部181fを構成している。
【0028】また、ピストン193は、外周部がくし歯
状とされて、シリンダ181の切り欠き181eに対応
する位置に矩形の爪状部193aを有し、シリンダ18
1の底部181cの形状に沿うように段部193bを有
する形状となっている。そして、このピストン193を
作動させる油室は、シールリング193c及び193d
でシールされた空間、すなわちピストン193の移動に
伴い摺接又は離間する段部181d及び193bの内面
間に形成されている。一方、押圧フランジ194のフロ
ント側端部には、図3に示す如く、シリンダ181の切
り欠き181eに対応する位置に矩形の切り欠き194
aが形成されている。そして、ピストン193の爪状部
193aは、シリンダ181の切り欠き181eを突き
抜けてこの押圧フランジ194の切り欠き194aには
め込まれ、スナップリング194bにより押圧フランジ
194のフロント側端部に取付けられ、これにより、ピ
ストン193と押圧フランジ194が一体に連結されて
いる。また結果として、シリンダ181の爪状部181
fは、ピストン193の隣り合う爪状部193aの間に
形成された開口を貫通して、ピストン193のフロント
側外方に延在する構成となっている。
【0029】そして、この外方に延在する爪状部181
fに、スナップリング195aによりリテーナ195が
取付けられ、このリテーナ195の内周側とピストン1
93の背面上部(段部193bの外周側凹部分)との間
に、ピストン193を復帰させるリターンスプリング1
96が圧縮状態に介装されている。こうして、リターン
スプリング196は、段部193bの外周側の空間であ
って、シリンダ181の外周側円筒部181aの外径よ
りも内側(内周側)に配置され、ピストン193ととも
に僅かな空間に高密度に配置され、径方向にも軸方向に
も余分に張出す部分を形成しない。
【0030】また、リターンスプリング196のリテー
ナ195の外周側端部は、逆L字状のくし歯状部195
bが複数形成されたくし歯状の形状とされ、その逆L字
状のくし歯状部195bがシリンダ181の切り欠き1
81eを突き抜けている。そして、リテーナ195のく
し歯状部195bの外周面に望む位置には、爪状部19
5bを検出することにより、インプットシャフト110
(すなわち、タービンランナー24)の回転数に応じた
周波数のパルス信号を出力する入力軸回転速度センサー
197が取付けられている。このため、リテーナ195
が入力軸回転速度検出のためのロータ(被検出部)とし
ても機能している。
【0031】また、図3に示すように、リバースクラッ
チ190のハブ192は、ロークラッチ170の壁部材
171に対してリア方向及び外周方向に僅かに位置をず
らして近接して配置され、さらにハイクラッチ180の
ハブ182が、これら壁部材171及びハブ192の部
材間に挟まれるようにして、壁部材171の円筒部の外
周側からハブ192の円筒部の内周側に伸びるように近
接して配置されている。そしてこのような構成としたう
えで、ハブ182における壁部材171とハブ192の
端面間の位置には、軸方向に対して斜方向の傾斜部18
2aが形成されており、壁部材171とハブ192の端
部は、図3に示す如く、このハブ182の傾斜部182
aに沿うようにテーパ状とされ、その端部外周にはそれ
ぞれ傾斜面171a,192aが形成されている。これ
により、壁部材171とハブ192の端面とハブ182
との干渉が起き難く、これら部材をより近接させて配置
することが可能となり、各クラッチ170,180,1
90を高密度に配置している。
【0032】サードブレーキ(3rd/B)200は、
図4に示すように、ケース10に固定された固定ドラム
70にスプラインで連結されたドリブンプレートと、ハ
ブ202にスプラインで連結されたドライブプレートと
を交互に積層してなる多板式のもので、固定ドラム70
のフロント外周側に形成された凹部に収納されて図4に
おいて左右に摺動するピストン203により、各プレー
トが密着方向に押し付けられ、これにより発生する摩擦
力により、ハブ202に制動力を働かせる。ここでハブ
202は、サードワンウエイクラッチ210のアウター
レース211に固定されており、結局このサードブレー
キ200は、サードワンウエイクラッチ210を介して
第1サンギア141が形成された中空軸部材122の一
方向の回転に対して制動力を働かせる機能を有する。な
お、ピストン203は、固定ドラム70とこのピストン
203との間に形成された油室に、固定ドラム70に形
成された油路71を介して圧油が供給されることにより
作動位置に移動し、バネ204の復元力により非作動位
置に復帰する。また、サードワンウエイクラッチ(3r
d/OWC)210は、4速へのシフトアップ時の変速
制御を容易にするもので、後述のようにロークラッチ1
70とサードブレーキ200が作動させられて3速とな
っている時に、ハイクラッチ180を作動させると、こ
のサードワンウエイクラッチ210が開放され、サード
ブレーキ200が作動したままで4速に変速することが
できる。
【0033】オーバードライブブレーキ(OD/B)2
20は、図4に示すように、ケース10に固定された固
定ドラム70にスプラインで連結されたドリブンプレー
トと、ハブ222にスプラインで連結されたドライブプ
レートとを交互に積層してなる多板式のもので、固定ド
ラム70のフロント内周側に形成された凹部に収納され
て図4において左右に摺動するピストン223により、
各プレートが密着方向に押し付けられ、これにより発生
する摩擦力により、ハブ222に制動力を働かせる。こ
こでハブ222は、第1サンギア141が形成された中
空軸部材122のフロント側端部に連結されており、結
局このオーバードライブブレーキ220は、第1サンギ
ア141に対して制動力を働かせる機能を有する。な
お、ピストン223は、固定ドラム70とこのピストン
223との間に形成された油室に、固定ドラム70に形
成された油路72を介して圧油が供給されることにより
作動位置に移動し、バネ224の復元力により非作動位
置に復帰する。
【0034】セカンドブレーキ(2nd/B)230
は、図4に示すように、ケース10に固定された固定ド
ラム70にスプラインで連結されたドリブンプレート
と、セカンドワンウエイクラッチ240のアウターレー
ス242にスプラインで連結されたドライブプレートと
を交互に積層してなる多板式のもので、固定ドラム70
のリア側に形成された凹部に収納されて図4において左
右に摺動するピストン233により、各プレートが密着
方向に押し付けられ、これにより発生する摩擦力によ
り、アウターレース242に制動力を働かせる。セカン
ドワンウエイクラッチ240のインナーレース241
は、前述したように第1キャリア144に連結されてい
るから、結局このセカンドブレーキ230は、セカンド
ワンウエイクラッチ240を介して第1キャリア144
及び第2リングギア153の一方向の回転に対して制動
力を働かせる機能を有する。なお、ピストン233は、
固定ドラム70とこのピストン233との間に形成され
た油室に、固定ドラム70に形成された油路73を介し
て圧油が供給されることにより作動位置に移動し、バネ
234の復元力により非作動位置に復帰する。また、セ
カンドワンウエイクラッチ(2nd/OWC)240
は、3速へのシフトアップ時の変速制御を容易にするた
めのもので、ロークラッチ170とセカンドブレーキ2
30が作動させられて2速となっている時に、サードブ
レーキ200を作動させると、このセカンドワンウエイ
クラッチ240が開放され、セカンドブレーキ230を
作動したままで3速に変速することができる。
【0035】リバースブレーキ(R/B)250は、図
4に示すように、リバースブレーキドラム251の外周
に巻回されたブレーキバンドよりなるバンド式のもの
で、図示省略したサーボピストンによりブレーキバンド
が締め付けられることにより、リバースブレーキドラム
251に制動力を働かせる。リバースブレーキドラム2
51は、前述したように第1キャリア144に連結さ
れ、しかも第2リングギア153が一体に形成されてい
るので、結局このリバースブレーキ250は、第1キャ
リア144及び第2リングギア153に対して制動力を
働かせる機能を有する。
【0036】ローコーストブレーキ(LOWコースト/
B)260は、図4に示すように、ケース10にスプラ
インで連結されたドリブンプレートと、ハブ262にス
プラインで連結されたドライブプレートとを交互に積層
してなる多板式のもので、ピストン263により、各プ
レートが密着方向に押し付けられ、これにより発生する
摩擦力により、ハブ262に制動力を働かせる。ハブ2
62は、ローワンウエイクラッチ280のインナーレー
ス281に固定されており、さらにインナーレース28
1は第3リングギア163にスプラインで連結されてい
るため、結局このローコーストブレーキ260は、第3
リングギア163に対して制動力を働かせる機能を有す
る。ここでピストン263は、ケース10のリア側に軸
直角方向に形成された壁状部10aと、この壁状部10
aの内周端部からアウトプットシャフト130の外周に
沿ってフロント側へ伸びるように形成された内側円筒状
部10bとで囲まれた凹部に、後述のローブレーキ27
0のピストン273と直列に収納されて、図4において
左右に摺動する。そしてこのピストン263は、ピスト
ン273とこのピストン263との間に形成された油室
に、ピストン273に形成された油路273a(図1に
示す)を介して圧油が供給されることにより作動位置に
移動し、リテーナ264とこのピストン263との間に
介装されたスプリング265の復元力により非作動位置
に復帰する。
【0037】ローブレーキ(LOW/B)270は、図
4に示すように、ケース10にスプラインで連結された
ドリブンプレートと、ローワンウエイクラッチ280の
アウターレース282にスプラインで連結されたドライ
ブプレートとを交互に積層してなる多板式のもので、ピ
ストン273により各プレートが密着方向に押し付けら
れて発生する摩擦力により、アウターレース282に制
動力を働かせる。ローワンウエイクラッチ280のイン
ナーレース281は、前述したように第3リングギア1
63に連結されているから、結局このローブレーキ27
0は、ローワンウエイクラッチ280を介して第3リン
グギア163の一方向の回転に対して制動力を働かせる
機能を有する。ここでピストン273は、ケース10の
前述の壁状部10aと内側円筒状部10bとで囲まれた
凹部に収納されて図4において左右に摺動するもので、
前述の壁状部10aとこのピストン273との間に形成
された油室に、前述の壁状部10aに形成された油路2
74(図1に示す)を介して圧油が供給されることによ
り作動位置に移動し、スプリング265の復元力により
非作動位置に復帰する。なお、ピストン273の押圧部
(各プレートを押圧する部分)273bは、ローコース
トブレーキ260の各プレートの隙間を突き抜けてロー
ブレーキ270のプレート側面(厳密にはディッシュプ
レート側面)に当接している。また、ローワンウエイク
ラッチ(LOW/OWC)280は、2速へのシフトア
ップ時の変速制御を容易にするためのもので、ロークラ
ッチ170とローブレーキ270が作動させられて1速
となっているときに、セカンドブレーキ230を作動さ
せると、このローワンウエイクラッチ280が開放さ
れ、ローブレーキ270が作動したままで2速に変速で
きる。
【0038】コントロールバルブユニット300は、制
御用の油路が形成されたボディ内に、図示省略したコン
トロールユニット(電気回路)により制御される各種ソ
レノイドバルブや、セレクトレバーの操作に応じて作動
するマニュアルバルブ等を含む複数のバルブが取付けら
れて、油圧制御回路を構成するもので、ケース10の下
面側にオイルパン301に覆われた状態で取付けられ、
セレクトレバーの操作やコントロールユニットの制御に
基づき、油圧ポンプ50で発生する圧油を、必要に応じ
て圧力を調整しつつ、ケース10等に形成された所定の
油路を介して、適宜トルクコンバータ20や補助変速機
100の所定の油室等に供給するものである。これによ
り、補助変速機100の各部位の潤滑や冷却等が行われ
るとともに、トルクコンバータ20のロックアップピス
トン28や、補助変速機100の各クラッチ又はブレー
キのピストンが適宜作動する構成となっている。なおこ
の場合、主なセレクトレバーの操作位置(レンジ)又は
Dレンジでのシフト位置に対する補助変速機100の各
クラッチ又はブレーキの作動状態は、図5の如く設定さ
れている。
【0039】(B)要部詳細構成 次に、請求項1乃至3に記載された発明が適用された要
部の詳細構成について、図3により説明する。上記発明
は、本実施例の場合、ロークラッチ(L/C)170
(第2摩擦係合要素)及びハイクラッチ(H/C)18
0(第1摩擦係合要素)を含むクラッチ装置について適
用されている。すなわち、ピストン183は、本発明の
第1ピストンに相当し、外周側の円筒部の先端がハイク
ラッチ(H/C)180を押圧する構成となっている。
また、シリンダ181は、本発明の第1シリンダに相当
し、ピストン183の後面側及び外周側を覆うように配
設されて、ピストン183との間にピストン183を駆
動する油室183a(第1油室)を形成するとともに、
ピストン183を摺動自在に保持する。また、壁部材1
71は、ピストン183の前面内周側に配設されて、ピ
ストン183との間に前記油室183aと作用力が対抗
する油室171b(遠心油圧キャンセル室)を形成す
る。
【0040】そして、壁部材171の外周には軸方向に
伸びる円筒部を形成し、この円筒部の内周においてロー
クラッチ(L/C)170のドライブプレートを支持す
るとともに、壁部材171の底部内周側を入力軸110
に溶接により固定することにより、壁部材171を、ロ
ークラッチ(L/C)170のドライブプレートに入力
軸110の回転を伝えるドラム部材として機能させてい
る。また、本発明の第2ピストンとしては、壁部材17
1の前面内周側に摺動自在に配設され、壁部材171と
の間に形成された油室173a(第2油室)の油圧力に
より駆動されてロークラッチ(L/C)170を押圧し
て作動させるピストン173が設けられている。したが
って、壁部材171が、ロークラッチ(L/C)170
に入力軸110の回転を伝えるドラム部材としても、ま
た、ロークラッチ(L/C)170を作動させるピスト
ン173を保持するシリンダとしても機能し、部品点数
の大幅な削減がなされて、従来の限界を越えた小型化及
び低コスト化が図られている。なお、スプリング175
のリテーナ174は、この場合ピストン173との間
に、前記油室173aと作用力が対抗する油室174a
(遠心油圧キャンセル室)を形成する壁部材としても機
能しており、この点においても部品点数の削減がなされ
ている。
【0041】また、シリンダ181(第1シリンダ)の
外周には、ハイクラッチ(H/C)180の外周側に伸
びてハイクラッチ(H/C)180のドライブプレート
を支持する外周側円筒部181a(円筒状延在部)を形
成するとともに、シリンダ181の内周部を入力軸11
0に連結することにより、シリンダ181を、ハイクラ
ッチ(H/C)180に入力軸110の回転を伝えるド
ラム部材として機能させている。したがって、シリンダ
181が、ピストン183を摺動自在に保持するシリン
ダとしても機能するとともに、ハイクラッチ(H/C)
180に入力軸110の回転を伝えるドラム部材として
も機能し、さらなる部品点数の削減が実現されている。
また、前述した従来例のように、外周側のクラッチ(ハ
イクラッチ180)に回転を伝えるドラム部材(シリン
ダ181)と、ピストン183の先端とを櫛歯状にして
噛み合わせるといった複雑な構造にする必要がないた
め、さらにコスト低減が図られる。しかも、ハイクラッ
チ(H/C)180を介して入力軸110の回転が伝え
られる被結合部材(ハブ182)は、ハイクラッチ(H
/C)180の内周側に配設されているから、ハイクラ
ッチ(H/C)180の軸方向リア側に隣接する位置に
空きスペースができ、本実施例ではこのスペースに他の
摩擦係合要素(リバースクラッチ(R/C)190)が
配設されて、さらに高密度な要素配置が実現されてい
る。
【0042】(C)全体の動作 次に、上記自動変速機の全体の動作の概略について説明
する。セレクトレバーがPレンジ又はNレンジにあると
きには、コントロールユニット及びコントロールバルブ
ユニット300の制御により、図5に示すように全ての
クラッチ又はブレーキが非作動状態に維持される。この
ため、インプットシャフト110の回転がアウトプット
シャフト130に伝達されず、車両は停止状態に維持さ
れる。なお、セレクトレバーがPレンジに操作される
と、前述したようにパーキングボール(図示略)がパー
キングギア132と噛み合い、アウトプットシャフト1
30が機械的に固定される。
【0043】次に、セレクトレバーがDレンジにあると
きには、コントロールユニットが、車速センサ133等
に基づく車速信号や、車両のエンジンに取付けられたス
ロットルセンサ等からのスロットル開度信号等を受け
て、予め設定された変速特性パターンに基づいてシフト
位置(1速乃至5速)を決定し、コントロールユニット
及びコントロールバルブユニット300の制御により、
図5の如く各シフト位置に応じて補助変速機100の所
定のクラッチ又はブレーキを作動させる。
【0044】すなわち、1速では、ロークラッチ(L/
C)170と、ローブレーキ(LOW/B)270及び
ローワンウエイクラッチ(LOW/OWC)280とを
無条件で作動させ、さらに所定のエンジンブレーキ作動
条件が満足された場合にローコーストブレーキ(LOW
コースト/B)260を作動させる。これにより、イン
プットシャフト110の駆動力は、中間シャフト120
を介して第3サンギア161に伝達され、第3リングギ
ア163が停止した状態での第3サンギア161の回転
に伴う第3ピニオンギア162の公転(第3キャリア1
64の公転)として、アウトプットシャフト130に大
きくトルク増幅(減速)されて出力される。なお、図6
は、入力(インプットシャフト110)の回転数を一定
とした場合に、縦軸に各プラネタリギアの各要素の回転
数を示した共線図であり、この1速の場合の出力軸(ア
ウトプットシャフト130)の回転数は、符合D1で示
す点が表わしている。
【0045】またこの際、ローコーストブレーキ(LO
Wコースト/B)260が非作動状態の場合には、第3
リングギア163の一方向への空転により、アウトプッ
トシャフト130からの逆駆動力がインプットシャフト
110に伝達されないので、いわゆるエンジンブレーキ
は働かず、この1速へのシフトダウンもショックなく円
滑に行われる。ただし、エンジンブレーキ作動条件が満
足されローコーストブレーキ260が作動すると、第3
リングギア163はいずれの方向にも制動されるため、
車両の走行状況や操作状況によってはエンジンブレーキ
が働くようになる。エンジンブレーキ作動条件は、例え
ばセレクトレバーに設けられたパワースイッチによりコ
ントロールユニットに対してパワーモード等の特殊モー
ドが設定され、かつアクセル開度が所定値以下である場
合である。
【0046】また、2速では、ロークラッチ(L/C)
170と、セカンドブレーキ(2nd/B)230及び
セカンドワンウエイクラッチ(2nd/OWC)240
とを無条件で作動させ、さらに所定のエンジンブレーキ
作動条件が満足された場合にリバースブレーキ(R/
B)250を作動させる。これにより、インプットシャ
フト110の駆動力は、中間シャフト120を介して第
2サンギア151に伝達され、第2リングギア153が
停止した状態での第2サンギア151の回転に伴う第2
ピニオンギア152の公転(第2キャリア154の公
転)として、アウトプットシャフト130にある程度ト
ルク増幅(減速)されて出力される。なお、図6の共線
図において、この2速の場合の出力軸(アウトプットシ
ャフト130)の回転数は、符合D2で示す点が表わし
ている。
【0047】またこの際、リバースブレーキ(R/B)
250が非作動状態の場合には、第2リングギア153
の一方向への空転により、アウトプットシャフト130
からの逆駆動力がインプットシャフト110に伝達され
ないので、いわゆるエンジンブレーキは働かず、この2
速へのシフトダウンもショックなく円滑に行われる。た
だし、エンジンブレーキ作動条件が満足されリバースブ
レーキ(R/B)250が作動すると、第2リングギア
153はいずれの方向にも制動されるため、車両の走行
状況や操作状況によってはエンジンブレーキが働くよう
になる。
【0048】次に、3速では、ロークラッチ(L/C)
170と、サードブレーキ(3rd/B)200及びサ
ードワンウエイクラッチ(3rd/OWC)210とを
無条件で作動させ、さらに所定のエンジンブレーキ作動
条件が満足された場合にオーバードライブブレーキ(O
D/B)220を作動させる。これにより、インプット
シャフト110の駆動力は、中間シャフト120を介し
て第2サンギア151に伝達され、第1サンギア141
が停止した状態での第2サンギア151の回転に伴う第
2ピニオンギア152の公転(第1リングギア143の
回転、第2キャリア154の回転)として、アウトプッ
トシャフト130に僅かにトルク増幅(減速)されて出
力される。なお、図6の共線図において、この3速の場
合の出力軸(アウトプットシャフト130)の回転数
は、符合D3で示す点が表わしている。
【0049】またこの際、オーバードライブブレーキ
(OD/B)220が非作動状態の場合には、第1サン
ギア141の一方向への空転により、アウトプットシャ
フト130からの逆駆動力がインプットシャフト110
に伝達されないので、いわゆるエンジンブレーキは働か
ず、この3速へのシフトダウンもショックなく円滑に行
われる。ただし、エンジンブレーキ作動条件が満足され
オーバードライブブレーキ(OD/B)220が作動す
ると、第1サンギア141はいずれの方向にも制動され
るため、車両の走行状況や操作状況によってはエンジン
ブレーキが働くようになる。
【0050】また、4速では、ロークラッチ(L/C)
170とハイクラッチ(H/C)180とを無条件で作
動させる。これにより、インプットシャフト110の駆
動力は、中間シャフト120及び中空軸部材121を介
して第2サンギア151,第3サンギア161,第1キ
ャリア144及び第2リングギア153に伝達され、そ
のままアウトプットシャフト130から出力される。こ
の際、結果的に各プラネタリギア140,150,16
0の全てのギア、及びアウトプットシャフト130が、
インプットシャフト110と一体的に回転することにな
る。なお、図6の共線図において、この4速の場合の出
力軸(アウトプットシャフト130)の回転数は、符合
D4で示す点が表わしている。
【0051】また、5速では、ハイクラッチ(H/C)
180とオーバードライブブレーキ(OD/B)220
とを無条件で作動させる。これにより、インプットシャ
フト110の駆動力は、中空軸部材121を介して第1
キャリア144に伝達され、第1サンギア141が停止
した状態での第1ピニオンギア142の回転に伴う第1
リングギア143の回転(第2キャリア154の回転)
として、アウトプットシャフト130にトルク減幅(増
速)されて出力される。なお、図6の共線図において、
この5速の場合の出力軸(アウトプットシャフト13
0)の回転数は、符合D5で示す点が表わしている。
【0052】また、Dレンジの各変速段においては、所
定のロックアップ作動条件が満足されると、トルクコン
バータ20のロックアップピストン28を作動させ、エ
ンジンのクランク軸とインプットシャフト110とを直
結することにより、伝達効率向上、燃費向上が図られ
る。この際、ロックアップピストン28を作動させる油
圧は、例えば入力軸回転速度センサー197の出力信号
によりトルクコンバータ20のタービンランナー24の
回転数を検知しつつ、締結(ポンプインペラー23とタ
ービンランナー24との回転数の一致)が徐々に行われ
るように制御される。また、ロックアップ作動条件は、
例えばパワーモードが設定されておらず、かつ設定車速
以上で設定スロットル開度以下の場合である。
【0053】そして、セレクトレバーがRレンジに操作
されると、コントロールユニット及びコントロールバル
ブユニット300の制御により、リバースクラッチ(R
/C)190及びリバースブレーキ(R/B)250が
無条件で作動する。すると、インプットシャフト110
の駆動力は、中空軸部材122を介して第1サンギア1
41に伝達され、第1キャリア144(第1ピニオンギ
ア142の公転)が停止した状態での第1サンギア14
1の回転に伴う第1リングギア143の逆転(第2キャ
リア154の逆転)として、アウトプットシャフト13
0に回転方向が反転されかつトルク増幅(減速)されて
出力される。このため、車両の後退が可能となる。な
お、図6の共線図において、このRレンジの場合の出力
軸(アウトプットシャフト130)の回転数は、符合R
で示す点が表わしている。
【0054】第2実施例 次に、請求項1乃至2及び請求項4記載の発明を適用し
た第2実施例のクラッチ装置について説明する。図7
は、この実施例のクラッチ装置が設けられた自動変速機
の部分断面拡大図である。なお、第1実施例と同等の要
素には同符合を付し、同様の構成についてはその説明を
省略する。この実施例では、壁部材171の外周側の円
筒部には、内周側にロークラッチ(L/C)170(第
2摩擦係合要素)が、外周側にハイクラッチ(H/C)
180(第1摩擦係合要素)が支持されている。このた
め、壁部材171が、入力軸110の回転をロークラッ
チ(L/C)170に伝えるドラムとしても、また、入
力軸110の回転をハイクラッチ(H/C)180に伝
えるドラムとしても機能し、さらに、ピストン173
(第2ピストン)を保持するシリンダとしても機能して
おり、大幅な部品点数の削減及び小型化が実現されてい
る。なお、この場合シリンダ181には、円筒状延在部
は形成されておらず、クラッチドラムとしては機能して
いない。また、ハイクラッチ(H/C)180により回
転力を伝えられるハブ182は、その外周側円筒部がハ
イクラッチ(H/C)180の外周に配置された構成と
されている。またなお、図7において符号401で示す
ものは、ピストン183を非作動位置に復帰させるリタ
ーンスプリングであり、この場合、締結解除時に油室1
71b(遠心油圧キャンセル室)に圧油を供給して昇圧
する必要はなく、油路185からは大気圧の油を供給し
て、必要な遠心油圧のみが生じるようにすればよい。
【0055】なお、本発明は上記各実施例に限られず、
各種の態様があり得る。例えば、摩擦係合要素は、通常
のクラッチに限られず、ブレーキであってもよい。ま
た、第2実施例におけるスプリング175のリテーナ1
74を、第1実施例と同様に、油室173aと作用力が
対抗する油室(遠心油圧キャンセル室)を形成する壁部
材として機能させることもできる。
【0056】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、第1ピス
トンとの間に遠心油圧キャンセル室を形成する壁部材
が、第1又は第2摩擦係合要素、或いはその両方に入力
軸の回転を伝えるドラム部材としても機能する。このた
め、部品点数の削減がなされて、従来の限界を越えた小
型化及び低コスト化が図られる。
【0057】請求項2記載の発明によれば、前記壁部材
が、さらに、第2摩擦係合要素を作動させる第2ピスト
ンを保持するシリンダとしても機能するため、部品点数
の大幅な削減がなされて、従来の限界を越えた小型化及
び低コスト化が図られている。
【0058】請求項3記載の発明によれば、第1シリン
ダが、第1摩擦係合要素(例えば、ドライブ側のクラッ
チプレート)を外周側から支持し、この第1摩擦係合要
素に入力軸の回転を伝えるドラム部材としても機能する
から、さらなる部品点数削減によりさらにコスト低減等
が図られる。そしてこの場合、第1摩擦係合要素を介し
て入力軸の回転が伝えられる被結合部材(例えば、クラ
ッチハブ)は、第1摩擦係合要素の内周側に配設される
ことになるから、第1摩擦係合要素の軸方向に隣接する
位置に空きスペースができ、このスペースにさらに他の
摩擦係合要素等を配設することが容易に可能となる。し
たがって、高密度な要素配置が実現され、さらなる小型
化が達成できる。またこの場合には、前述した従来例の
ように、外周側の摩擦係合要素(第1摩擦係合要素)に
回転を伝えるドラム部材(第1シリンダ)と、第1ピス
トンの先端とを櫛歯状にして噛み合わせるといった複雑
な構造にする必要がないので、この点においても、コス
ト低減が実現できる。
【0059】請求項4記載の発明によれば、ピストンと
の間に遠心油圧キャンセル室を形成する壁部材が、摩擦
係合要素に入力軸の回転を伝えるドラム部材としても機
能する。このため、部品点数の削減がなされて、従来の
限界を越えた小型化及び低コスト化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である自動変速機の全体構
成を示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施例である自動変速機の補助変
速機のスケルトンを示す図である。
【図3】本発明の第1実施例である自動変速機の要部断
面図であって、図1の部分拡大図である。
【図4】本発明の第1実施例である自動変速機の部分断
面図であって、図1の部分拡大図である。
【図5】本発明の第1実施例である自動変速機の各摩擦
係合要素の作動状態を示す図である。
【図6】本発明の第1実施例である自動変速機の変速状
態(プラネタリギアにおける各要素の回転数の関係)を
示す共線図である。
【図7】本発明の第2実施例である自動変速機の要部断
面図である。
【符号の説明】 170 ロークラッチ(第2摩擦係合要素) 171 壁部材 173 ピストン(第2ピストン) 173a 油室(第2液室) 180 ハイクラッチ(第1摩擦係合要素、摩擦係合要
素) 181 シリンダ(第1シリンダ) 181a 外周側円筒部(円筒状延在部) 183 ピストン(第1ピストン) 183a 油室(第1液室) 171b 油室(遠心油圧キャンセル室)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力軸の回転を伝達するための第1摩擦
    係合要素、及びこの第1摩擦係合要素の内周側に配設さ
    れた第2摩擦係合要素と、底部の外周側に円筒部が形成
    されてなり、円筒部の先端が前記第1摩擦係合要素の作
    動用押圧部として前記第1摩擦係合要素に対向配置され
    た第1ピストンと、この第1ピストンの後面側及び外周
    側を覆うように配設されて、前記第1ピストンとの間に
    前記第1ピストンを駆動する第1液室を形成するととも
    に、前記第1ピストンを摺動自在に保持する第1シリン
    ダと、前記第1ピストンの前面内周側に配設されて、前
    記第1ピストンとの間に前記第1液室と作用力が対抗す
    る遠心油圧キャンセル室を形成する壁部材とを備えた自
    動変速機の摩擦係合装置において、 前記壁部材の外周に軸方向に伸びる円筒部を形成し、こ
    の円筒部において前記第1又は第2摩擦係合要素、或い
    はその両方を支持するとともに、前記壁部材の底部内周
    側を入力軸に連結することにより、前記壁部材を、前記
    第1又は第2摩擦係合要素、或いはその両方に入力軸の
    回転を伝えるドラム部材として機能させたことを特徴と
    する自動変速機の摩擦係合装置。
  2. 【請求項2】 前記壁部材の円筒部内周において前記第
    2摩擦係合要素を支持するとともに、 前記壁部材の前面内周側に摺動自在に配設され、前記壁
    部材との間に形成された第2液室の油圧力により駆動さ
    れて前記第2摩擦係合要素を押圧して作動させる第2ピ
    ストンを設けたことを特徴とする請求項1記載の自動変
    速機の摩擦係合装置。
  3. 【請求項3】 前記第1シリンダの外周に、前記第1摩
    擦係合要素の外周側に伸びて前記第1摩擦係合要素を支
    持する円筒状延在部を形成するとともに、前記第1シリ
    ンダの内周部を入力軸に連結することにより、前記第1
    シリンダを、前記第1摩擦係合要素に入力軸の回転を伝
    えるドラム部材として機能させたことを特徴とする請求
    項2記載の自動変速機の摩擦係合装置。
  4. 【請求項4】 入力軸の回転を伝達するための摩擦係合
    要素と、底部の外周側に円筒部が形成されてなり、円筒
    部の先端が前記摩擦係合要素の作動用押圧部として前記
    摩擦係合要素に対向配置されたピストンと、このピスト
    ンの後面側及び外周側を覆うように配設されて、前記ピ
    ストンとの間に前記ピストンを駆動する液室を形成する
    とともに、前記ピストンを摺動自在に保持するシリンダ
    と、前記ピストンの前面内周側に配設されて、前記ピス
    トンとの間に前記液室と作用力が対抗する遠心油圧キャ
    ンセル室を形成する壁部材とを備えた自動変速機の摩擦
    係合装置において、 前記壁部材の外周に軸方向に伸びる円筒部を形成し、こ
    の円筒部の外周において前記摩擦係合要素を支持すると
    ともに、前記壁部材の底部内周側を入力軸に連結するこ
    とにより、前記壁部材を前記摩擦係合要素に入力軸の回
    転を伝えるドラム部材として機能させたことを特徴とす
    る自動変速機の摩擦係合装置。
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