JP3446993B2 - 圧電トランス駆動回路 - Google Patents

圧電トランス駆動回路

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JP3446993B2
JP3446993B2 JP25661097A JP25661097A JP3446993B2 JP 3446993 B2 JP3446993 B2 JP 3446993B2 JP 25661097 A JP25661097 A JP 25661097A JP 25661097 A JP25661097 A JP 25661097A JP 3446993 B2 JP3446993 B2 JP 3446993B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧電セラミック等の
圧電体の電気・機械相互変換を行う圧電効果により、交
流電圧の振幅を変換する圧電トランスの駆動回路に関す
る。
【0002】
【従来の技術】1950年代末に開発された圧電トラン
スは、もともと高圧電源用の昇圧トランスとして着目さ
れていたが、圧電セラミック材料の破壊強度が弱いこと
等の材料的制約があったため、これといった大きな製品
化が行われないまま開発が長らく中断されていた。しか
し、近年、材料技術の進歩により圧電セラミックの高強
度化が進み、過去に実用化の障壁となっていた課題が解
決されるに伴い、また、ノートパソコン、電子手帳、ゲ
ーム機等の携帯用情報機器の小型化・薄型化の要求が強
くなるに伴い、これらの機器に搭載される液晶バックラ
イトのインバータ電源用昇圧トランスとして再び注目さ
れている。
【0003】携帯用情報機器に用いられる液晶バックラ
イト用インバータは、バックライト光源として使用され
る冷陰極蛍光灯の点灯用電源に使用されるものであり、
電池等による3V、6V、9V、12V等の直流低電圧
から、点灯時1000Vrms程度、定常時500Vrms程
度の高周波高電圧への変換を行う。現在、バックライト
用インバータに使用されている電磁式巻線トランスは、
特殊コアによる横型構造のトランスを用いることにより
薄型化に対応しているが、絶縁耐圧の確保のため小型・
薄型化には限度がある。また、細い銅線を使用すること
による巻線ロス、及びコアロスが大きくなり、変換効率
が低下する欠点もある。
【0004】これに対し、圧電トランスはチタン酸ジル
コン酸鉛(PZT)等の圧電セラミック材料またはニオ
ブ酸リチウムなどの圧電結晶材料に1次側(入力側)及
び2次側(出力側)の電極を取付け、1次側電極に圧電
トランスの共振周波数近傍の交流電圧を印加して圧電ト
ランスを機械的に共振させ、この機械的振動を圧電効果
により変換して2次側電極から高電圧出力を取り出すも
のである。そして、電磁トランスよりも小型化、特に薄
型化を実現することができ、また高変換効率を達成する
ことができるという特徴を持つ。このような液晶表示装
置のバックライト用の圧電トランスは、例えば、日経エ
レクトロニクス誌1994年11月7日号の147頁に
記載されている。
【0005】電磁トランスが50kHzから60kHz
程度までの任意の交流周波数で駆動できるのに対し、圧
電トランスは他の圧電素子と同様に機械的共振周波数近
傍の限られた交流周波数で駆動する。図12は従来の圧
電トランスの他励発振方式駆動回路のブロック図であ
る。同図において、101は圧電トランス104を駆動
する交流駆動信号を発生する可変発振回路であり、電圧
制御等によって発振周波数を圧電トランス104の共振
周波数近傍に設定することができる。
【0006】可変発振回路101の出力は通常はパルス
波形であるので高周波数成分を多く含み、この高周波数
成分は圧電トランス104で熱に変わり圧電トランス1
04の信頼性を低下させる。そこで、波形整形回路10
2により高周波数成分を取り除いて正弦波に近い交流信
号に変換する。波形整形回路102として、バンドパス
フィルタ又はローパスフィルタが用いられる。
【0007】波形整形回路102の出力はドライブ回路
103により圧電トランス104を駆動するのに十分な
レベルに電力増幅されて圧電トランス104の1次側電
極105に入力される。圧電トランス104は入力した
電圧を圧電効果により昇圧して2次側電極106から出
力する。2次側電極106から出力された高圧電圧は冷
陰極蛍光灯107に印加され、冷陰極蛍光灯107が点
灯する。図13は圧電トランスのアドミッタンスと昇圧
比との周波数特性図であり、共振周波数frの近傍で昇
圧比が大きくなることを示している。
【0008】図14は従来の圧電トランスの自励発振方
式駆動回路のブロック図である。同図において、101
は圧電トランス104を駆動する交流駆動信号を発生す
る可変発振回路である。可変発振回路101の出力は通
常はパルス波形であり、波形整形回路102により高周
波数成分を取り除かれて正弦波に近い交流信号に変換さ
れる。波形整形回路102の出力はドライブ回路103
により圧電トランス104を駆動するのに十分なレベル
に電力増幅され、圧電トランス104の1次側電極10
5に入力される。圧電トランス104の圧電効果により
昇圧された出力電圧は2次側電極106から取り出され
る。
【0009】2次側電極106から出力された高圧電圧
は冷陰極蛍光灯107と帰還抵抗108との直列回路に
印加される。直列回路に流れる電流によって帰還抵抗1
08の両端に発生する電圧が発振制御回路109に入力
され、発振制御回路109は冷陰極蛍光灯107にほぼ
一定電流が流れるように可変発振回路101を制御す
る。このようにして、冷陰極蛍光灯107は安定に点灯
する。自励発振方式で駆動する場合は、温度によって共
振周波数が変化しても、自動的に駆動周波数が共振周波
数に追従する。
【0010】図13に示したように、圧電トランスは他
の圧電素子と同様の共振特性を示し、共振周波数近傍の
交流電圧を1次側電極に入力すると、圧電効果により2
次側電極から電圧変換された出力を取り出すことができ
る。つまり、低圧電圧を高圧電圧に変換して取り出すこ
とができる。しかし、共振周波数以外の周波数成分は圧
電トランスの中で損失となり、結果的に熱に変わる。こ
の熱が圧電トランスの信頼性を低下させてしまう。従っ
て、圧電トランスはできる限り共振周波数近傍の正弦波
電圧で駆動することが好ましい。正弦波電圧を生成し、
それを電力増幅することは回路効率を低下させ、またコ
ストも高くなるので、通常は最終段に近いところで正弦
波に近くなるように駆動電圧信号が波形整形される。
【0011】図15及び16は圧電トランス104を駆
動するための駆動信号の電力増幅を行うドライブ回路1
03の具体例である。図15では電流増幅回路110で
電流増幅を行い、昇圧トランス111で電圧増幅を行っ
て、圧電トランス104を駆動するのに十分な駆動信号
を得ている。また、図16では電流増幅回路110で電
流僧服を行い、昇圧コイル112で電圧増幅を行って、
圧電トランス104を駆動するのに十分な駆動信号を得
ている。
【0012】電流増幅回路110は、FETをソース接
地回路で用いることにより簡単に構成できる。そして、
圧電トランス104の信頼性向上と効率向上を目的とし
て、圧電トランス104の1次側電極105に入力する
電圧波形を正弦波に近づける。このために、図15では
昇圧トランス111の2次側のインダクタンスと圧電ト
ランス104の1次側電極105の静電容量との直列共
振周波数を圧電トランス104の共振周波数近傍(すな
わち駆動周波数近傍)に設定している。また図16では
昇圧コイル112の2次側のインダクタンスと圧電トラ
ンス104の1次側電極105の静電容量との直列共振
周波数を圧電トランス104の共振周波数近傍に設定し
ている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、冷陰極蛍光灯
は起動時と定常動作時とでインピーダンスが大きく変化
し、圧電トランスの特性もこれに伴い大きく変化する。
また、圧電トランスの共振周波数は温度及び負荷により
変化する特性を持っている。このため、図12に示した
ような他励発振方式で駆動した場合には駆動回路を簡単
にすることができるが、起動時と定常動作時との大きな
変化、温度や負荷の変化により圧電トランスの共振周波
数と駆動周波数が大きくずれてしまう。その結果、昇圧
比の低下または効率の低下が生ずる。圧電トランスの1
次側電極から見たアドミッタンスの周波数特性と昇圧比
の周波数特性とを示す図13より、圧電トランスの共振
周波数近傍で駆動したときは大きな昇圧比が得られる
が、共振周波数から離れるにつれて昇圧比が低下してい
るのがわかる。つまり、圧電トランスの共振周波数から
離れたところで駆動すれば電圧変換効率が低下する。
【0014】一方、自励発振で駆動する場合は、圧電ト
ランスの共振状態を検知して帰還することにより、温度
や負荷により共振周波数が変化しても自動的に駆動周波
数が共振周波数に追従するので、安定した出力が得られ
る。しかし、前述したように、冷陰極蛍光灯は点灯開始
時と点灯時とでインピーダンスが大きく変化する。この
ため、図14に示した従来の自励発振方式駆動回路で
は、帰還ループが一定のゲインと位相を有するので、点
灯開始時の安定性を良くすれば点灯時の安定性が悪く、
点灯時の安定性を良くすれば点灯開始時の安定性が悪く
なる。また、温度や負荷が変化すると安定性が悪くなる
という問題もある。
【0015】また、従来の圧電トランスの駆動回路は、
前述のように、圧電トランスの1次側電極に入力する交
流信号を正弦波に近づけるために、昇圧トランスの2次
側のインダクタンスと圧電トランスの1次側電極の静電
容量との直列共振周波数、又は、昇圧コイルの2次側の
インダクタンスと圧電トランス1次側電極の静電容量と
の直列共振周波数を圧電トランスの共振周波数近傍に設
定している。したがって、圧電トランスの1次側電極の
静電容量が小さくなると必要なインダクタンスの値が大
きくなり、その結果、昇圧トランス又は昇圧コイルの巻
き数が大きくなり、巻線抵抗が大きくなって損失が増加
する。昇圧トランス又は昇圧コイルの大きさが大きくな
る問題もある。
【0016】本発明は、起動時と定常動作時とで変動が
大きい負荷を駆動する圧電トランスであっても、または
定常動作時に温度や負荷が変化する場合であっても、圧
電トランスを安定に起動し、かつ、定常駆動する簡単な
回路構成の駆動回路を提供することを目的とする。ま
た、圧電トランスの1次側電極の静電容量が小さくなっ
ても効率が高く、昇圧トランス又は昇圧コイルの大きさ
が小さいドライブ回路を提供することをも目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明による圧電トラン
ス駆動回路の第1の構成は、圧電トランスの1次側電極
に入力される交流電圧を発生する発振回路と、圧電トラ
ンスの起動時は発振回路の発振周波数を、あらかじめ無
負荷又は無負荷に近い負荷で測定された圧電トランスの
共振周波数近傍の周波数に設定し、定常動作時は動作を
停止する起動制御回路と、圧電トランスの起動時は動作
を停止し、定常動作時は圧電トランスの2次側電極から
冷陰極蛍光灯に供給される電流がほぼ一定になるように
発振回路の発振周波数を制御する発振制御回路とを備え
ていることを特徴とする。
【0018】本発明による圧電トランス駆動回路の第2
の構成は、圧電トランスの1次側電極に入力される交流
電圧を発生する発振回路と、圧電トランスの起動時は発
振回路の発振周波数を、あらかじめ無負荷又は無負荷に
近い負荷で測定された圧電トランスの共振周波数近傍で
ある第1の周波数範囲内の周波数に設定し、定常動作時
は動作を停止する起動制御回路と、圧電トランスの起動
時は動作を停止し、定常動作時は発振回路の発振周波数
、あらじめ負荷を接続し定常動作させて測定された圧
電トランスの共振周波数近傍である第2の周波数範囲内
の周波数に設定する動作制御回路とを備えていることを
特徴とする
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】本発明による圧電トランス駆動回路の第6
の構成は、交流駆動信号を電流増幅する電流増幅回路
と、電流増幅回路の出力信号を電圧増幅する昇圧トラン
スと、昇圧トランスの2次側に直列接続されたコイルと
を備え、昇圧トランスの2次側及びコイルの合成インダ
クタンスと圧電トランスの1次側静電容量との直列共振
周波数が圧電トランスの共振周波数近傍に設定されてい
ることを特徴とする。
【0023】本発明による圧電トランス駆動回路の第7
の構成は、交流駆動信号を電流増幅する電流増幅回路
と、電流増幅回路の出力信号を電圧増幅する昇圧コイル
と、昇圧コイルの2次側に直列接続されたコイルとを備
え、昇圧コイルの2次側及びコイルの合成インダクタン
スと圧電トランスの1次側静電容量との直列共振周波数
が圧電トランスの共振周波数近傍に設定されていること
を特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面に従って本発明の実施
形態について詳細に説明する。 (実施形態1)図1は本発明の実施形態1による圧電ト
ランス駆動回路のブロック図である。図2は圧電トラン
スの1次側(入力側)電極から見たアドミッタンスと昇
圧比との周波数特性を示すグラフである。
【0025】冷陰極蛍光灯を負荷にした圧電トランスは
図2に示すように動作開始(起動)時と定常動作時では
特性が大きく異なる。冷陰極蛍光灯は点灯開始時には大
きなインピーダンスを示し、点灯状態の定常動作時には
インピーダンスが小さくなる。従って、圧電トランスは
起動時は無負荷に近い条件で使用され、定常動作時は比
較的重い負荷が与えられる。
【0026】その結果、起動時は圧電トランスの1次側
電極からみたアドミッタンス(インピーダンスの逆数)
が鋭いピークを示し、共振周波数frと反共振周波数f
aにおけるアドミッタンス差が大きい。そして昇圧比も
共振周波数frで鋭いピークを示し、その値も大きい。
それに対して定常動作時は、圧電トランスの1次側電極
からみたアドミッタンスのピークは低くなり、共振周波
数fr1と反共振周波数fa1におけるアドミッタンス
差も小さくなる。そして昇圧比のピークも低くなり、ま
たその値も小さくなる。冷陰極蛍光灯のような負荷の変
化が大きい圧電トランス駆動回路は、このような大きな
負荷変動に追随できることが必要である。
【0027】図1において、4は2分の1波長振動モー
ドまたは1波長振動モードのローゼン型圧電トランスで
ある。1は圧電トランス4を駆動する交流駆動信号を発
生する可変発振回路である。可変発振回路1の出力は通
常はパルス波形であり、波形整形回路2により高周波数
成分を取り除かれ正弦波に近い交流信号に変換される。
波形整形回路2の出力はドライブ回路3により圧電トラ
ンス4を駆動するのに十分なレベルに電力増幅された
後、圧電トランス4の1次側電極5に入力され、圧電効
果により昇圧されて2次側電極6から取り出される。2
次側電極6から出力された高圧電圧は冷陰極蛍光灯7と
帰還抵抗8との直列回路に印加され、冷陰極蛍光灯7が
点灯する。
【0028】冷陰極蛍光灯7の点灯時(圧電トランス駆
動回路の起動時)は、圧電トランス4の共振周波数近傍
では1次側電極5から見たアドミッタンスが大きく電流
が流れやすい。また圧電トランス4の昇圧比も大きいの
で、おおよそ共振周波数fr近傍で駆動すれば冷陰極蛍
光灯7を点灯するのに十分な駆動信号が2次側電極6か
ら得られる。そこで、起動時は発振制御回路10の動作
を停止しておき、起動制御回路9のみを動作させる。起
動制御回路9は、あらかじめ無負荷又は無負荷に近い負
荷で測定された圧電トランス4の共振周波数fr近傍の
設定周波数の駆動信号を可変発振回路1が出力するよう
に可変発振回路1を制御する。このようにして起動制御
回路9の制御によって冷陰極蛍光灯7が点灯を開始す
る。
【0029】起動制御回路9により冷陰極蛍光灯7が点
灯した後は、起動制御回路9の動作を停止し、発振制御
回路10の動作を開始する。これにより、圧電トランス
4の2次側電極6から冷陰極蛍光灯7と帰還抵抗8との
直列回路に供給される電流が帰還抵抗8の両端の電圧と
して検出され、発振制御回路10に帰還される。発振制
御回路10は冷陰極蛍光灯7にほぼ一定の電流が流れる
ように可変発振回路1の出力周波数を制御するので、冷
陰極蛍光灯7が安定に点灯する。つまり、発振制御回路
10は、冷陰極蛍光灯7に流れる電流が設定値より大き
くなれば駆動周波数を圧電トランス4の共振周波数fr
1から離れる方向に制御し、電流が設定値より小さくな
れば駆動周波数を圧電トランス4の共振周波数fr1に
近付く方向に制御する。
【0030】起動時は圧電トランス4の非線形性が小さ
いので共振周波数fr近傍の周波数領域で起動してもよ
いが、定常動作時は図3に示すように圧電トランス4の
非線形性が大きくなり、共振周波数fr1の近傍で大き
なヒステリシス特性を示すので、このヒステリシス特性
を示す領域(図3中にハッチングで示す領域)よりも高
い周波数領域、例えば図3中の周波数f1からf2の領
域で動作させることが必要である。
【0031】本実施形態では、起動時は帰還ループのな
い他励方式で駆動し、定常動作時には電流を一定にする
自励方式で駆動することにより、冷陰極蛍光灯のように
点灯開始時と定常点灯時とでインピーダンスが大きく変
化する場合も安定した起動及び定常点灯を得ることがで
きる。また温度や負荷が変化しても圧電トランスを安定
に起動し安定点灯させることができる。
【0032】圧電トランスは、2分の1波長振動モード
又は1波長振動モードのローゼン型圧電トランスに限ら
ず、他の圧電トランスの場合も同様の効果が得られる。
また、起動時には他励方式で駆動し、定常動作時には自
励方式で駆動する方法を、定常動作時の冷陰極蛍光灯の
電流を一定にするために駆動周波数だけでなく1次側電
極に印加する駆動電圧の大きさをも変える点灯方法と組
み合わせても同様の効果が得られる。
【0033】(実施形態2)図4は本発明の実施形態2
による圧電トランス駆動回路のブロック図である。冷陰
極蛍光灯を負荷にした圧電トランスは、実施形態1で図
2を用いて説明したように動作開始(起動)時と定常動
作時とで特性が大きく異なる。冷陰極蛍光灯は点灯時に
は大きなインピーダンスを示し、点灯状態の定常動作時
にはインピーダンスが小さくなる。従って、圧電トラン
スは起動時は無負荷に近い条件で使用され、定常動作時
は比較的重い負荷がかかる。その結果、起動時は圧電ト
ランスの1次側電極からみたアドミッタンス(インピー
ダンスの逆数)が鋭いピークを示し、共振周波数frと
反共振周波数faにおけるアドミッタンス差も大きい。
そして昇圧比は同様に共振周波数で鋭いピークを示し、
その値も大きくなる。
【0034】これに対して定常動作時は、圧電トランス
の1次側電極からみたアドミッタンスのピークは低くな
り、共振周波数fr1と反共振周波数fa1におけるア
ドミッタンス差が小さくなる。そして昇圧比のピークも
低くなり、その値も小さくなる。冷陰極蛍光灯のような
負荷の変化が大きい駆動回路はこのような大きな変動に
追随できることが必要である。
【0035】図4において、14は2分の1波長振動モ
ードまたは1波長振動モードのローゼン型圧電トランス
である。11は圧電トランス4を駆動する交流駆動信号
を発生する可変発振回路である。可変発振回路11の出
力は通常はパルス波形であり、波形整形回路12により
高周波数成分を取り除かれ正弦波に近い交流信号に変換
される。波形整形回路12の出力はドライブ回路13に
より圧電トランス14を駆動するのに十分なレベルに電
力増幅された後、圧電トランス14の1次側電極15に
入力され、圧電効果により昇圧されて2次側電極16よ
り取り出される。2次側電極16より出力された高圧電
圧は冷陰極蛍光灯17に印加され、冷陰極蛍光灯7が点
灯する。
【0036】冷陰極蛍光灯17の点灯時(駆動回路の起
動時)には、圧電トランス14の共振周波数近傍では1
次側電極15から見たアドミッタンスが大きく電流が流
れ易い。また昇圧比も大きいので、おおよそ共振周波数
fr近傍の広い周波数範囲内で駆動すれば冷陰極蛍光灯
17を点灯するのに十分な駆動信号が2次側電極16か
ら得られる。そこで、起動時は動作制御回路19の動作
を停止しておき、起動制御回路18のみを動作させる。
起動制御回路18は、あらかじめ無負荷または無負荷に
近い負荷で測定された圧電トランス14の共振周波数f
r近傍の第1の周波数領域内の周波数を有する駆動信号
を可変発振回路11が出力するように可変発振回路11
を制御する。このようにして起動制御回路18によって
冷陰極蛍光灯17の点灯が開始する。
【0037】起動制御回路18により冷陰極蛍光灯17
が点灯した後は、起動制御回路18を停止し、動作制御
回路19の動作を開始する。動作制御回路19は、あら
かじめ定常点灯中の冷陰極蛍光灯17を負荷とした測定
された圧電トランス14の共振周波数fr1近傍の第2
の周波数領域内の周波数を有する駆動信号を可変発振回
路11が出力するように可変発振回路11を制御する。
これにより、冷陰極蛍光灯7は安定に点灯する。
【0038】起動時は圧電トランス14の非線形性が小
さいので共振周波数fr近傍の周波数領域で起動しても
よいが、定常動作時は図3に示したように圧電トランス
14の非線形性が大きくなり、共振周波数fr1近傍で
大きなヒステリシス特性を示すので、このヒステリシス
特性を示す領域(図3中に斜線で示す領域)よりも高い
周波数領域、例えば図3中の周波数f1からf2の領域
に第2の周波数領域を設定することが必要である。ま
た、起動時の駆動周波数範囲より定常動作時の周波数範
囲を狭く設定する必要がある。
【0039】本実施形態では、起動時と定常動作時のそ
れぞれにおける圧電トランスの共振周波数をあらかじめ
測定しておき、起動制御回路又は動作制御回路がそれぞ
れの共振周波数近傍の第1の駆動周波数領域又は第2の
駆動周波数領域内の周波数で圧電トランスを駆動する。
この結果、冷陰極蛍光灯のように点灯開始時と点灯時で
インピーダンスが大きく変化し、また温度や負荷が変化
する場合にも圧電トランスを安定に起動し定常駆動する
ことができる。
【0040】圧電トランスは、2分の1波長振動モード
または1波長振動モードのローゼン型圧電トランスに限
らず、他の圧電トランスを用いた場合にも同様の効果が
得られる。
【0041】(実施形態3)図5は本発明の実施形態3
による圧電トランス駆動回路のブロック図である。図6
は圧電トランスの1次側(入力側)電極から見たアドミ
ッタンスと位相の周波数特性を示すグラフである。
【0042】冷陰極蛍光灯を負荷にした圧電トランスは
図6に示すように動作開始(起動)時と定常動作時では
特性が大きく異なる。冷陰極蛍光灯は点灯開始時には大
きなインピーダンスを示し、点灯中の定常動作時にはイ
ンピーダンスが小さくなる。従って、圧電トランスは起
動時は無負荷に近い条件で使用され、定常動作時は比較
的重い負荷がかかる。
【0043】その結果、起動時は圧電トランスの1次側
電極からみたアドミッタンス(インピーダンスの逆数)
が鋭いピークを示し、位相が90度から−90度に鋭く
変化する。一方、定常動作時は機械的Qが低下し、1次
側電極からみたアドミッタンスのピークは低くなり、位
相は90度から−90度までは変化しない。冷陰極蛍光
灯を負荷とする圧電トランス駆動回路はこのような大き
な変動に追随できることが必要である。
【0044】図5において、30は2分の1波長振動モ
ードまたは1波長振動モードのローゼン型圧電トランス
である。31は圧電トランス30に形成された1次側電
極であり、32は圧電トランス30に形成された2次側
電極である。1次側電極31に入力された交流電圧は圧
電トランス30により昇圧され2次側電極32から出力
される。2次側電極32から出力された高圧電圧は冷陰
極蛍光灯33と帰還抵抗34の直列回路に印加される。
冷陰極蛍光灯33に電流が流れると冷陰極蛍光灯33は
点灯を開始する。電流は帰還抵抗34により電圧に変換
され電流検出回路35に帰還される。電流検出回路35
は帰還された電圧値に応じた位相シフト量指示値を位相
シフト回路36に与え、これに基づいて位相シフト回路
36が所定量だけ位相をシフトする。位相シフト回路3
6の出力は増幅回路37により増幅され、1次側電極3
1に入力される。圧電トランス30、冷陰極蛍光灯3
3、帰還抵抗34、電流検出回路35、位相シフト回路
36および増幅回路37は発振ループを構成している。
【0045】位相シフト回路36によりシフトされる電
流の位相量は、定常動作時に圧電トランス30が共振周
波数近傍で駆動されるように決められる。つまり、定常
動作時に測定した圧電トランス30の特性に基づいて、
位相シフト回路36は共振周波数での位相0度からの位
相ずれ分だけ、または共振周波数より少し高い周波数で
駆動する場合は位相ずれ分より小さい量だけ位相を逆方
向にシフトする。これにより、定常動作時の発振ループ
の位相は圧電トランス30の共振周波数でほぼ0度とな
り安定に発振する。もちろん、このときの増幅回路37
の増幅率は発振ループのループゲインが1以上になるよ
うに設定しておく。
【0046】起動時は圧電トランス30の共振周波数で
の位相ずれが上記のシフトした位相ずれ分より小さいの
で、起動時は共振周波数よりずれたところで駆動するこ
とになる。しかし、実施形態1で図2を用いて説明した
ように、起動時は昇圧比が大きいので、共振周波数から
多少ずれて駆動したとしても冷陰極蛍光灯33は安定に
点灯を開始する。
【0047】本実施形態では、定常動作時に測定した圧
電トランスの特性に基づいて、共振周波数での位相0度
からのずれ分だけ検出電流の位相を逆方向にシフトする
自励発振回路を構成する。これにより、点灯開始時と定
常点灯時とでインピーダンスが大きく変化する場合で
も、また、定常動作時に温度や負荷が変化しても、発振
ループの発振周波数は常に圧電トランスの共振周波数近
傍となるので、圧電トランスを安定に起動し定常駆動す
ることができる。
【0048】圧電トランスは2分の1波長振動モードま
たは1波長振動モードのローゼン型圧電トランスに限ら
ず、他の圧電トランスの場合でも同様の効果が得られ
る。 (実施の形態4)図7は本発明の実施形態4による圧電
トランス駆動回路のブロック図である。冷陰極蛍光灯を
負荷にした圧電トランスは、実施形態3で図6を用いて
説明したように動作開始(起動)時と定常動作時とで特
性が大きく異なる。冷陰極蛍光灯は点灯時には大きなイ
ンピーダンスを示し、点灯中の定常動作時にはインピー
ダンスが小さくなる。従って、圧電トランスは起動時は
無負荷に近い条件で使用され、定常動作時は比較的重い
負荷がかかる。その結果、起動時は圧電トランスの1次
側電極からみたアドミッタンス(インピーダンスの逆
数)が鋭いピークを示し、位相は90度から−90度に
鋭く変化する。
【0049】一方、定常動作時は機械的Qが低下し、1
次側電極からみたアドミッタンスのピークは低くなり、
位相は90度から−90度までは変化しない。冷陰極蛍
光灯を負荷とする圧電トランス駆動回路はこのような大
きな変動に追随できることが必要である。
【0050】図7において、41は2分の1波長振動モ
ードまたは1波長振動モードのローゼン型圧電トランス
である。42は圧電トランス41に形成された1次側電
極であり、43は圧電トランス41に形成された2次側
電極である。1次側電極42に入力された交流電圧は圧
電トランス41により昇圧され2次側電極43から出力
される。2次側電極43から出力された高圧電圧は冷陰
極蛍光灯44と帰還抵抗45の直列回路に印加される。
冷陰極蛍光灯44に電流が流れると冷陰極蛍光灯44は
点灯を開始する。電流は帰還抵抗45により電圧に変換
され電流検出回路46に帰還される。電流検出回路46
は帰還された電圧値に応じた位相シフト量指示値をスイ
ッチ回路50を介して位相シフト回路47に与え、これ
に基づいて位相シフト回路47が所定量だけ位相をシフ
トする。位相シフト回路47の出力は増幅回路48によ
り増幅され、1次側電極42に入力される。圧電トラン
ス41、冷陰極蛍光灯44、帰還抵抗45、電流検出回
路46、位相シフト回路47および増幅回路48は発振
ループを構成している。
【0051】位相シフト回路47によりシフトされる電
流の位相量は、定常動作時に圧電トランス41が共振周
波数近傍で駆動されるように決められる。つまり、定常
動作時に測定した圧電トランス41の特性に基づいて、
位相シフト回路47は共振周波数での位相0度からのず
れの分だけ、または共振周波数よりも少し高い周波数で
駆動する場合は位相ずれ分より小さい量だけ位相を逆方
向にシフトする。これにより、定常動作時の発振ループ
の位相は圧電トランス41の共振周波数でほぼ0度とな
り安定に発振する。このときの増幅回路48の増幅率は
発振ループのループゲインが1以上となるように設定し
ておく。
【0052】これらの設定により、定常動作時はスイッ
チ回路50が電流検出回路46側に切り替わり、圧電ト
ランス41、冷陰極蛍光灯44、帰還抵抗45、電流検
出回路46、位相シフト回路47および増幅回路48が
発振ループを構成する。この結果、圧電トランス41が
共振周波数近傍で安定に駆動される。
【0053】起動時は、実施形態3で図6を用いて説明
したように、圧電トランス41の特性が定常動作時と大
きく異なる。そこで、スイッチ回路50を発振回路49
側に切り替える。この結果、上記の発振回路ループは切
断され、無負荷または無負荷に近い負荷で測定された圧
電トランス41の共振周波数近傍の周波数を有する信号
が発振回路49からスイッチ回路50を経て位相シフト
回路47に入力される。位相シフト回路47の出力は増
幅回路48で増幅されて圧電トランス41を駆動する。
起動時は圧電トランス41の昇圧比は大きいので、多少
共振周波数よりずれて駆動したとしても冷陰極蛍光灯4
4は安定に点灯を開始する。
【0054】本実施形態では、定常動作時に測定した圧
電トランスの特性に基づいて、共振周波数での位相0度
からのずれ分だけ検出電流の位相を逆方向にシフトする
自励発振回路を構成する。また、起動時には圧電トラン
スの無負荷または無負荷に近い負荷で測定された共振周
波数に近い周波数で他励駆動する。したがって、点灯開
始時と点灯時とでインピーダンスが大きく変化する場合
でも、また定常動作時に温度や負荷が変化しても、発振
ループの発振周波数は常に圧電トランスの共振周波数近
傍となるので、圧電トランスを安定に起動し定常駆動す
ることができる。圧電トランスは2分の1波長振動モー
ドまたは1波長振動モードのローゼン型圧電トランスに
限らず、他の圧電トランスの場合でも同様の効果が得ら
れる。
【0055】(実施の形態5)図8は本発明の実施形態
5による圧電トランス駆動回路のブロック図である。図
9は圧電トランスの1次側(入力側)電極から見たアド
ミッタンスと2次側(出力側)電極からの出力電流の周
波数特性を示すグラフである。
【0056】冷陰極蛍光灯を負荷にした圧電トランスは
図9に示すように動作開始(起動)時と定常動作時では
特性が大きく異なる。冷陰極蛍光灯は点灯開始時には大
きなインピーダンスを示し、点灯している定常動作時に
はインピーダンスが小さくなる。従って、圧電トランス
は起動時には無負荷に近い条件で使用され、定常動作時
には比較的重い負荷となる。その結果、起動時には圧電
トランスの1次側電極からみたアドミッタンスは鋭いピ
ークを示し、その共振周波数frと反共振周波数faに
おけるアドミッタンス差も大きい。そして出力電流も同
様に共振周波数で鋭いピークを示し、またその値も大き
くなる。
【0057】これに対して定常動作時は圧電トランスの
1次側電極からみたアドミッタンスのピークが低くな
り、その共振周波数fr1と反共振周波数fa1におけ
るアドミッタンス差も小さくなる。そして出力電流のピ
ークも低くなり、またその値も小さくなる。冷陰極蛍光
灯のような負荷の変化が大きい圧電トランス駆動回路
は、このような大きな負荷変動に追随できることが必要
である。
【0058】図8において、51は2分の1波長振動モ
ードまたは1波長振動モードのローゼン型圧電トランス
である。52は圧電トランス51に形成された1次側電
極であり、53は圧電トランス51に形成された2次側
電極である。57は圧電トランス51を駆動する交流駆
動信号を発生する可変発振回路であり、可変発振回路5
7の出力は通常はパルス波形であり、波形整形回路58
により高周波数成分を取り除かれ正弦波に近い交流信号
に変換される。波形整形回路58の出力はドライブ回路
59により圧電トランス51を駆動するのに十分なレベ
ルに電力増幅された後、圧電トランス51の1次側電極
52に入力され、圧電効果により昇圧されて2次側電極
53より取り出される。2次側電極53より出力された
高圧電圧は冷陰極蛍光灯54と帰還抵抗55との直列回
路に印加され、冷陰極蛍光灯54に電流が流れると冷陰
極蛍光灯54の点灯が開始する。
【0059】冷陰極蛍光灯54の点灯時(圧電トランス
駆動回路の起動時)には、図9に示すように圧電トラン
ス51の共振周波数fr近傍では1次側電極52から見
たアドミッタンスが大きく電流が流れ易い。また圧電ト
ランス51の昇圧比も大きいので、圧電トランス51の
信頼性の点からも負荷である冷陰極蛍光灯54に過剰な
電流が流れないように注意する必要がある。また、先に
図3を用いて説明したような非線形性がこの圧電トラン
ス51にも小さいながら存在し、この非線形領域を避け
るように駆動することが望ましい。
【0060】本実施形態では、あらかじめ測定しておい
た圧電トランス51の特性に基づいて、起動時の共振周
波数frよりも高い周波数を可変発振回路57が出力し
て低い方へ駆動周波数を掃引させるように、起動制御回
路56が可変発振回路57を制御する。そして、圧電ト
ランス51の出力電流を帰還抵抗55で検出し、出力電
流が図9に示す第1の電流設定値i1に到達したら可変
発振回路57による駆動周波数の掃引を停止する。この
起動動作により冷陰極蛍光灯7の点灯を安定に開始す
る。起動制御回路56により冷陰極蛍光灯54が点灯し
た後は、起動制御回路56の動作を停止し、動作制御回
路60の動作を開始する。圧電トランス51の2次側電
極52から冷陰極蛍光灯54と帰還抵抗55との直列回
路に供給される電流は、帰還抵抗55の両端電圧として
検出され、動作制御回路60に帰還される。動作制御回
路60は、冷陰極蛍光灯54に第2の電流設定値i2が
流れるように可変発振回路57の出力周波数を制御す
る。つまり、冷陰極蛍光灯54に流れる電流が電流設定
値i2より大きくなれば駆動周波数を圧電トランス51
の共振周波数fr1から離し、電流が電流設定値i2よ
り小さくなったら駆動周波数を圧電トランス51の共振
周波数fr1に近づけるように制御する。
【0061】図9に示すように、第1の電流設定値i1
を第2の電流設定値i2より大きく設定したが、冷陰極
蛍光灯54の特性によっては第1の電流設定値i1を第
2の電流設定値i2より小さく設定し、または同じ値に
設定しても同様の効果が得られる。また、通常動作時
は、実施形態1の図3に示したように、圧電トランス5
1の非線形性が大きくなり、共振周波数fr1の近傍で
大きなヒステリシスを示すので、ヒステリシス特性を示
す領域(図3中にハッチングで示した領域)より高い周
波数領域、例えば図3中の周波数f1からf2の領域で
定常動作させるように第2の電流設定値i2を設定する
ことが必要である。
【0062】本実施形態では、起動時は圧電トランスの
無負荷時の共振周波数よりも高い周波数から駆動周波数
を掃引して、圧電トランスの出力電流が第1の電流設定
値i1に到達したら駆動周波数の掃引を停止し、定常動
作時は出力電流を第2の電流設定値i2にほぼ等しく保
つ自励方式で駆動する。これにより、冷陰極蛍光灯のよ
うに点灯開始時と点灯時でインピーダンスが大きく変化
する場合であっても、また温度や負荷が変化しても、圧
電トランスを安定に起動し定常駆動することができる。
【0063】圧電トランスは2分の1波長振動モードま
たは1波長振動モードのローゼン型圧電トランスに限ら
ず、他の圧電トランスの場合でも同様の効果が得られ
る。また、定常動作時に冷陰極蛍光灯に流れる電流を一
定に維持するために、駆動周波数のみの制御ではなく、
1次側電極に印加する駆動電圧の大きさを変える制御を
同時に行っても同様の効果が得られる。
【0064】(実施の形態6)図10は本発明の実施形
態6による圧電トランス駆動回路、特に圧電トランスを
駆動するために駆動信号の電力増幅を行うドライブ回路
周辺のブロック図である。図10において、61は圧電
トランスであり、62は1次側電極、63は2次側電極
である。圧電トランス61は他の圧電素子と同様に共振
特性を示し、共振周波数近傍の交流電圧を1次側電極6
2に入力すると、圧電効果により昇圧された電圧出力が
2次側電極63から取り出される。しかし、共振周波数
以外の周波数成分は圧電トランス61の中で損失とな
り、結果的に熱となって圧電トランス61の信頼性を低
下させてしまう。従って、圧電トランス61はできる限
り共振周波数近傍の正弦波電圧で駆動することが好まし
い。一方、正弦波電圧を生成し、それを電力増幅して駆
動波形を得ることは回路効率を低下させコスト上昇を招
くことになるので、通常は最終段に近いところで正弦波
に近くなるように駆動電圧信号を波形整形する。
【0065】図10では圧電トランス61を駆動するド
ライブ回路65は電流増幅回路65aと昇圧トランス6
5bで構成されている。ドライブ回路65に入力された
駆動信号は電流増幅回路65aで電流増幅され、昇圧ト
ランス65bで電圧増幅されて、圧電トランス61を駆
動するのに十分な駆動信号となる。電流増幅回路65a
は、FETをソース接地回路で用いることにより簡単に
構成できる。従来は圧電トランス61の信頼性向上と効
率向上のために、昇圧トランス65bの2次側のインダ
クタンスと圧電トランス61の1次側電極62の静電容
量との直列共振周波数を圧電トランス61の共振周波数
近傍に設定することにより、圧電トランス61の1次側
電極62に入力される電圧波形を正弦波に近づけてい
た。本実施形態では、昇圧トランス65bと圧電トラン
ス61の1次側電極62との間にコイル66を挿入し、
昇圧トランス65bの2次側インダクタンスとコイル6
6のインダクタンスの和と圧電トランス61の1次側電
極62の静電容量との直列共振周波数を圧電トランス6
1の共振周波数近傍に設定することによりバンドパスフ
ィルタを構成し、これによって圧電トランス61の1次
側電極62に入力される電圧波形を正弦波に近づけてい
る。
【0066】上記の構成により、必要とされるインダク
タンスは昇圧トランス65bの2次側のインダクタンス
とコイル66のインダクタンスとの和で得られる。した
がって、圧電トランス61の1次側電極62の静電容量
値が小さくなっても、昇圧トランス65bの巻き数を大
きくしてインダクタンスをかせぐ必要が無い。この結
果、昇圧トランス65bの巻線抵抗を小さくして損失を
小さくすることができる。また、昇圧トランス65bの
小形化、ひいては圧電トランス駆動回路全体の小形化を
図ることができる。
【0067】(実施の形態7)図11は本発明の実施形
態7による圧電トランス駆動回路、特に圧電トランスを
駆動するために駆動信号の電力増幅を行うドライブ回路
周辺のブロック図である。図11において、71は圧電
トランスであり、72は1次側電極、73は2次側電極
である。圧電トランス71は他の圧電素子と同様に共振
特性を示し、共振周波数近傍の交流電圧を1次側電極7
2に入力すると、圧電効果により昇圧された電圧出力が
2次側電極73から取り出される。しかし、共振周波数
以外の周波数成分は圧電トランス71の中で損失とな
り、結果的に熱となって圧電トランス71の信頼性を低
下させてしまう。従って、圧電トランス71はできる限
り共振周波数近傍の正弦波電圧で駆動することが好まし
い。一方、正弦波電圧を生成し、それを電力増幅して駆
動波形を得ることは回路効率を低下させコスト上昇を招
くことになるので、通常は最終段に近いところで正弦波
に近くなるように駆動電圧信号を波形整形する。
【0068】図11では圧電トランス71を駆動するド
ライブ回路75は電流増幅回路75aと昇圧コイル(オ
ートトランス)75bで構成されている。ドライブ回路
75に入力された駆動信号は電流増幅回路75aで電流
増幅され、昇圧コイル75bで電圧増幅されて、圧電ト
ランス71を駆動するのに十分な駆動信号となる。昇圧
コイル75bと圧電トランス71の1次側電極72との
間にコイル76を挿入し、昇圧コイル75bの2次側の
インダクタンスとコイル76のインダクタンスの和と圧
電トランス71の1次側電極72の静電容量との直列共
振周波数を圧電トランス71の共振周波数近傍に設定し
ている。これによってバンドパスフィルタを構成し、圧
電トランス71の1次側電極72に入力される電圧波形
を正弦波に近づけている。
【0069】上記の構成により、必要とされるインダク
タンスは昇圧コイル75bの2次側のインダクタンスと
コイル76のインダクタンスとの和で得られる。したが
って、圧電トランス71の1次側電極72の静電容量値
が小さくなっても、昇圧コイル75bの巻き数を大きく
してインダクタンスをかせぐ必要は無い。この結果、昇
圧コイル75bの巻線抵抗を小さくして損失を小さくす
ることができる。また、昇圧コイル75bの小形化、ひ
いては圧電トランス駆動回路全体の小形化を図ることが
できる。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
起動時と定常動作時とで変動が大きい負荷を駆動する圧
電トランスであっても、または定常動作時に温度や負荷
が変化する場合であっても、圧電トランスを安定に起動
し、かつ、定常駆動する簡単な回路構成の駆動回路を提
供することができる。また、本発明のドライブ回路によ
れば、圧電トランスの1次側電極の静電容量が小さくな
っても効率が高く、昇圧トランス又は昇圧コイルの小形
化、ひいては駆動回路全体の小形化を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1による圧電トランスの駆動
回路のブロック図
【図2】図1における圧電トランスの起動時と動作時の
アドミッタンス及び昇圧比の周波数特性図
【図3】圧電トランスの動作時のアドミッタンスにおけ
るヒステリシス特性を示す周波数特性図
【図4】本発明の実施形態2による圧電トランスの駆動
回路のブロック図
【図5】本発明の実施形態3による圧電トランスの駆動
回路のブロック図
【図6】図5における圧電トランスの起動時と動作時の
アドミッタンス及び位相の周波数特性図
【図7】本発明の実施形態4による圧電トランスの駆動
回路のブロック図
【図8】本発明の実施形態5による圧電トランスの駆動
回路のブロック図
【図9】図8における圧電トランスの起動時と動作時の
アドミッタンス及び電流の周波数特性図
【図10】本発明の実施形態6による圧電トランスのド
ライブ回路のブロック図
【図11】本発明の実施形態7による圧電トランスのド
ライブ回路のブロック図
【図12】従来の圧電トランスの駆動回路を示すブロッ
ク図
【図13】図12における圧電トランスのアドミッタン
ス及び昇圧比の周波数特性図
【図14】従来の別の圧電トランスの駆動回路を示すブ
ロック図
【図15】従来の圧電トランスのドライブ回路を示すブ
ロック図
【図16】従来の別の圧電トランスのドライブ回路を示
すブロック図
【符号の説明】
8,34,45,55 帰還抵抗 10 発振制御回路 1,11,57 可変発振回路 2,12,58 波形整形回路 3,13,59,65,75 ドライブ回路 4,14,30,41,51,61,71 圧電トラン
ス 5,15,31,42,52,62,72 1次側電極 6,16,32,43,53,63,73 2次側電極 7,17,33,44,54,64,74 冷陰極蛍光
灯 9,18,56 起動制御回路 19,60 動作制御回路 35,46 電流検出回路 36,47 位相シフト回路 37,48 増幅回路 49 発振回路 50 スイッチ回路 65a,75a 電流増幅回路 65b,75b 昇圧トランス 66,76 コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H05B 41/24 H01L 41/08 A

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電体に1次側電極及び2次側電極が形
    成され、1次側電極から入力された交流電圧を変換して
    2次側電極から冷陰極蛍光灯に出力する圧電トランスの
    駆動回路であって、 前記圧電トランスの1次側電極に入力される交流電圧を
    発生する発振回路と、 前記圧電トランスの起動時は前記発振回路の発振周波数
    を、あらかじめ無負荷又は無負荷に近い負荷で測定され
    た前記圧電トランスの共振周波数近傍の周波数に設定
    し、定常動作時は動作を停止する起動制御回路と、 前記圧電トランスの起動時は動作を停止し、定常動作時
    は前記圧電トランスの2次側電極から前記冷陰極蛍光灯
    に供給される電流がほぼ一定になるように前記発振回路
    の発振周波数を制御する発振制御回路とを備えているこ
    とを特徴とする圧電トランス駆動回路。
  2. 【請求項2】 圧電体に1次側電極及び2次側電極が形
    成され、1次側電極から入力された交流電圧を変換して
    2次側電極から出力する圧電トランスの駆動回路であっ
    て、 前記圧電トランスの1次側電極に入力される交流電圧を
    発生する発振回路と、 圧電トランスの起動時は前記発振回路の発振周波数を、
    あらかじめ無負荷又は無負荷に近い負荷で測定された前
    記圧電トランスの共振周波数近傍である第1の周波数範
    囲内の周波数に設定し、定常動作時は動作を停止する起
    動制御回路と、 前記圧電トランスの起動時は動作を停止し、定常動作時
    は前記発振回路の発振周波数を、あらじめ負荷を接続し
    定常動作させて測定された前記圧電トランスの共振周波
    数近傍である第2の周波数範囲内の周波数に設定する動
    作制御回路とを備えていることを特徴とする圧電トラン
    ス駆動回路。
  3. 【請求項3】 圧電体に1次側電極及び2次側電極が形
    成され、1次側電極から入力された交流電圧を変換して
    2次側電極から出力する圧電トランスの駆動回路であっ
    て、 交流駆動信号を電流増幅する電流増幅回路と、 前記電流増幅回路の出力信号を電圧増幅する昇圧トラン
    スと、 前記昇圧トランスの2次側に直列接続されたコイルとを
    備え、 前記昇圧トランスの2次側及び前記コイルの合成インダ
    クタンスと圧電トランスの1次側静電容量との直列共振
    周波数が圧電トランスの共振周波数近傍に設定されてい
    ることを特徴とする圧電トランス駆動回路。
  4. 【請求項4】 圧電体に1次側電極及び2次側電極が形
    成され、1次側電極から入力された交流電圧を変換して
    2次側電極から出力する圧電トランスの駆動回路であっ
    て、 交流駆動信号を電流増幅する電流増幅回路と、 前記電流増幅回路の出力信号を電圧増幅する昇圧コイル
    と、 前記昇圧コイルの2次側に直列接続されたコイルとを備
    え、 前記昇圧コイルの2次側及び前記コイルの合成インダク
    タンスと圧電トランスの1次側静電容量との直列共振周
    波数が圧電トランスの共振周波数近傍に設定されている
    ことを特徴とする圧電トランス駆動回路。
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