JP5097029B2 - 圧電トランスを用いた電源回路 - Google Patents

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Description

本発明は、圧電トランスを備え直流電圧を昇圧して出力する圧電トランスを用いた電源回路に関するものである。
従来から、放電灯や静電霧化装置のような高電圧低電流の負荷用途において圧電トランスを用いて直流電圧を昇圧する電源回路が用いられている。
この種の電源回路には、図9に示すように、圧電トランス30の2次側電極33に負荷70である放電灯を接続したものがある(特許文献1参照)。この電源回路では、直流電源Eの両端間にスイッチング素子Q4を介してインダクタL2,L3とスイッチング素子Q2,Q3との一対の直列回路を接続し、圧電トランス30に設けた一対の1次側電極32のうちの一方をインダクタL2とスイッチング素子Q2との接続点に接続し、他方をインダクタL3とスイッチング素子Q3との接続点に接続している。
各スイッチング素子Q2,Q3は、一定周波数の三角波を出力する発信器OSCと、2個のフリップフロップFF1,FF2からなる分周回路とで構成された駆動回路部91により、交互にオンオフされる。
また、負荷70が放電灯であるから、輝度を一定に保つために、電流検出回路92によりランプ電流を検出し、スイッチング素子Q4の時比率(オンデューティ)をフィードバック制御する構成を採用している。すなわち、電流検出回路92で検出したランプ電流に相当する電圧と、発振器OSCから出力される三角波とをコンパレータCP1で比較することにより、スイッチング素子Q4のオンデューティを制御している。
図9に示す構成では、圧電トランス30への印加電圧の周波数は発信器OSCの出力周波数によって固定的に決められているから、圧電トランス30の共振周波数のばらつきや環境温度による圧電トランスの共振周波数の変化などによって圧電トランスを変換効率が最大になる周波数で駆動できない場合がある。
図10に示す電源回路は、基本的な構成は図9に示した電源回路と同様であるが、出力周波数が固定である発振器OSCに代えて出力周波数が可変である可変発振回路OSC’を用いている点が相違する。可変発振回路OSC’の出力周波数は、圧電トランス30に印加する電圧と負荷70である放電灯のランプ電流との位相差を検出する位相検出回路93の出力に応じて調整される。すなわち、当該位相差が設定範囲内になるように可変発振回路OSC’の出力周波数が制御される(特許文献2参照)。
可変発振回路OSC’の出力はパルス幅可変回路95でパルス幅が調節された後、波形整形回路10aおよびドライブ回路10bを通して圧電トランス30の1次側電極32に印加される。波形整形回路10aは圧電トランス30に印加する電圧から高周波成分を除去する機能を有し、ドライブ回路10bは波形整形回路10aの出力を圧電トランス30の駆動レベルに引き上げる機能を有する。すなわち、図9に示した電源回路におけるインダクタL2,L3およびスイッチング素子Q2,Q3に相当する。
また、負荷70のランプ電流は電流検出回路92で検出され、電流検出回路92の出力はパルス幅制御回路94に入力される。パルス幅制御回路94ではランプ電流が一定に保たれるようにパルス幅可変回路95に指示する。すなわち、パルス幅制御回路94およびパルス幅可変回路95は、図9に示した電源回路におけるコンパレータCP1およびスイッチング素子Q4に相当する機能を有する。
図10に示す構成は、圧電トランス30の1次側電極32に印加する電圧の周波数を可変にし、圧電トランス30の1次側に印加する電圧と、2次側の電流との位相差を設定範囲に保つように周波数を制御しているから、位相差を適宜に選択することによって、圧電トランス30を変換効率の高い領域で用いることが可能になっている。
しかしながら、特許文献2の構成では、圧電トランス30だけではなく負荷70も含んだ情報を用いて可変発振回路OSC’の出力周波数を決定しているから、負荷70の動作状態によっては、圧電トランス30の変換効率が最大になる駆動周波数が得られるとは限らないという問題を有している。
この種の問題を解決する電源回路としては、圧電トランス30の1次側電極32に圧電トランス30の固有共振周波数の電圧を印加するために、図11に示すように、圧電トランス30に1次側電極32と2次側電極33とに加えて検出電極(電圧検出電極)34を設け、検出電極34での検出電圧を用いて自励発振を行うものが提案されている(特許文献3参照)。
この電源回路では、直流電源Eの両端間にインダクタL1とMOSFETからなるスイッチング素子Q1との直列回路を接続し、スイッチング素子Q1に波形整形のためのコンデンサC1を並列接続するとともに、コンデンサC1の両端電圧を圧電トランス30の1次側電極32に印加する。2次側電極33から出力される2次電圧は負荷70に印加される。
上述したように、圧電トランス30には検出電極34が設けられ、検出電極34で検出された検出電圧はコンパレータCP2に入力される。コンパレータCP2の出力は、コンプリメンタリ接続された2個のトランジスタQ10,Q11からなるバッファを通してスイッチング素子Q1のオンオフに用いられる。コンパレータCP2において、検出電圧と比較される電圧は、バッファの出力電圧の平均値であって、コンパレータCP2からは矩形波信号が出力される。
この構成では、検出電極34から出力された脈動電圧を一定値電圧と比較することにより得られる矩形波信号でスイッチング素子のオンオフを制御しているから、スイッチング素子Q1のオンオフは検出電圧の周波数と同じ周波数で行われることになる。
特開2000−295861号公報 特開平9−135573号公報 特開2005−184896号公報
ところで、特許文献3に記載された構成では、自励発振のために、コンパレータCP2を用いているから、演算増幅器の外付部品として、少なくとも抵抗R10〜R12、コンデンサC10,C11などが必要であり、さらには、バッファを構成するトランジスタQ10,Q11やプルアップ抵抗、電圧調整用の抵抗など多くの部品を用いることになる。このように特許文献3の構成では、部品点数が多くなるという問題を有している。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、演算増幅器と外付部品とを必要とするコンパレータを用いた構成に代えて、デジタルシグナルプロセッサを用いた構成を採用することにより、圧電トランスを高効率で駆動しながらも部品点数を低減させることを可能にした圧電トランスを用いた電源回路を提供することにある。
請求項1の発明は、直流電圧を昇圧して出力する電源回路であって、一対の1次側電極と圧電材料で形成され1次側電極に印加された電圧を昇圧する昇圧部と昇圧部で昇圧された電圧を出力する2次側電極と昇圧部の変形量に応じた電圧を出力する検出電極とを備え2次側電極から負荷への出力電圧を取り出す圧電トランスと、スイッチング素子を備え前記1次側電極に間欠的に電圧を印加する圧電トランス駆動回路部と、スイッチング素子のオンオフの駆動を行うデジタルシグナルプロセッサとを備え、デジタルシグナルプロセッサは、前記検出電極から入力される検出電圧の周波数を算出する周波数算出手段と、スイッチング素子をオンオフさせる駆動信号を生成する駆動信号生成手段とを備え、電源投入直後にはあらかじめ設定した初期駆動周波数の駆動信号を電源投入後に生成し、以後は、検出電圧の周波数を算出する動作と、算出した周波数の駆動信号を生成する動作とを繰り返すことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記デジタルシグナルプロセッサは、前記スイッチング素子をオンオフさせる駆動信号の時比率を制御することにより前記負荷への出力電圧を調整することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の何れか1項に記載の発明において、前記圧電トランス駆動回路部は、前記スイッチング素子に並列接続される共振用コンデンサと、共振用コンデンサに直列に接続される共振用コイルとを有する共振回路部を備え、共振用コンデンサの両端電圧を前記圧電トランスの1次側電極に印加し、前記駆動信号生成手段は、スイッチング素子のオン時間がスイッチング素子がオンになるときにゼロ電圧スイッチングとなる範囲の最小時間である初期駆動信号を生成することを特徴とする。
請求項1の発明の構成によれば、スイッチング素子をオンオフさせる駆動信号の駆動周波数が圧電トランスの固有共振周波数に一致するから、昇圧比が高くなる周波数で圧電トランスを駆動することができるという利点がある。
また、スイッチング素子を駆動させる駆動信号の駆動周波数を、デジタルシグナルプロセッサを用いて圧電トランスの固有共振周波数に合わせるから、コンパレータを用いる場合に必要であった外付部品が不要になり、コンパレータを用いる従来構成よりも部品点数を少なくできるという利点がある。
請求項2の発明の構成では、スイッチング素子の時比率をデジタルシグナルプロセッサにより変えるから、部品を追加することなくスイッチング素子の時比率を変え、出力電圧を変えることができるという利点がある。
請求項3の発明の構成によれば、前記駆動信号生成手段は、スイッチング素子のオン時間がスイッチング素子がオンになるときにゼロ電圧スイッチングとなる範囲の最小時間である初期駆動信号を生成するから、低い出力電圧で駆動を開始する場合においてもスイッチング素子はゼロ電圧スイッチングを行い、圧電トランスにおけるノイズの発生およびスイッチング損失を抑えることができるという利点がある。
以下の各実施形態では、圧電トランスを用いて直流電圧を昇圧し、昇圧した電圧を負荷に供給する電源回路を例示する。
(実施形態1)
本実施形態は、図1に示すように、圧電トランス30と、スイッチング素子Q1を備え圧電トランス30を駆動させる圧電トランス駆動回路部10と、スイッチング素子Q1のオンオフを制御するデジタルシグナルプロセッサDSPと、デジタルシグナルプロセッサDSPに電源を供給するレギュレータ(定電圧電源)60と、圧電トランス30が出力する交流電圧を整流する整流回路部40と、負荷70に供給される電圧の検出を行う出力検出回路部50とを備える。
圧電トランス30は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)などの圧電材料で形成される昇圧部31と、圧電トランス駆動回路部10により電圧が印加される一対の1次側電極32と、昇圧した電圧を出力する2次側電極33と、検出電極34とを備える。
昇圧部31は矩形板状に形成され、一対の1次側電極32は厚み方向の各一面における長手方向の端部にそれぞれ設けられ、2次側電極33は長手方向における1次側電極32から遠い方の一端面に設けられる。
検出電極34は昇圧部31において一方の1次側電極32が設けられた表面の一端部(2次側電極33に近い方の端部)に配設され、昇圧部31の変形量に応じた電圧を出力する。すなわち、検出電極34からは、圧電トランス30の固有共振周波数に相当する周波数で変動する電圧が出力される。
圧電トランス駆動回路部10は、共振用コイルL1と共振用コンデンサC1とで形成される共振回路部20を備える。共振用コイルL1と共振用コンデンサC1とは直列に接続され、共振用コイルL1の一端は直流電源E(例えば、12V)の高圧側に接続され、共振用コンデンサC1の一端は直流電源Eの低圧側に接続される。
圧電トランス30は共振用コンデンサC1に並列に接続され、圧電トランス30と共振回路部20とは共振回路を形成している。
スイッチング素子Q1にはMOSFETが用いられ、ソースは直流電源Eの低圧側に接続され、ドレインは共振用コンデンサC1の一端に接続され、スイッチング素子Q1は共振用コンデンサC1に並列に接続される。
整流回路部40は、2個の整流ダイオードD1,D2と平滑コンデンサC2とから構成される。整流ダイオードD1のカソードと整流ダイオードD2のアノードとは2次側電極33に接続され、整流ダイオードD1のアノードは直流電源Eの低圧側に接続される。平滑コンデンサC2の両端は、整流ダイオードD2のカソードと直流電源Eの低圧側とにそれぞれ接続される。
負荷70の一端は平滑コンデンサC2の一端(高電圧側)に抵抗R5を介して接続され、他端は直流電源Eの低圧側に接続される。
出力検出回路部50は、コンデンサC3と、分圧抵抗R3,R4とで構成される。分圧抵抗R3,R4からなる直列回路は、平滑コンデンサC2の両端間に接続され、直流電源Eの低圧側に接続された抵抗R4にコンデンサC3が並列接続される。
レギュレータ60の入力端は直流電源Eの高圧側に接続され、出力端はデジタルシグナルプロセッサDSPに接続される。レギュレータ60は入力電圧を降圧し(例えば、3.3V)、デジタルシグナルプロセッサDSPに供給する。
デジタルシグナルプロセッサDSPは、検出電極34に抵抗R2を介して接続される第1信号入力端子61と、出力検出回路部50に接続される第2信号入力端子62と、スイッチング素子Q1のゲートに接続される信号出力端子63と、直流電源Eの低圧側に接続されるGND端子64と電源端子65とを備える。第1信号入力端子61はコンデンサC4を介して直流電源Eの低圧側に接続される。
スイッチング素子Q1がオンであるときは、共振用コイルL1に直流電圧が印加され共振用コイルL1に電磁エネルギーが蓄えられる。スイッチング素子Q1がオンからオフに切り替わると、共振用コイル22に蓄えられていた電磁エネルギーにより圧電トランス30と共振回路部20とで形成される共振回路(以下、単に共振回路と呼ぶ)において共振電圧が発生し、1次側電極32に共振電圧が印加される。ここに、共振用コイルL1と共振用コンデンサC1とは、共振回路の共振周波数が圧電トランス30の固有共振周波数の半分より大きくなるように設定される。
スイッチング素子Q1が周期的にオンオフを繰り返すと、図2(a)に示すように、1次側電極32にはスイッチング素子Q1の周期に一致する周期で共振電圧が印加される。
1次側電極32に印加された電圧は昇圧部31で昇圧され2次側電極33より交流電圧として出力される。このとき、検出電極34は、図2(b)に示すように圧電トランス30の固有共振周波数に一致する周波数の電圧を出力する。
2次電極33から出力される電圧は、整流回路部40で倍電圧整流され、直流電圧として負荷70に供給される。平滑コンデンサC2には負荷70が接続されるから、平滑用コンデンサC2の両端間の電圧は、図2(c)に示すように、鋸歯状に変動する。
整流回路部40が出力する直流電圧は、分圧抵抗R3,R4により分圧され、コンデンサC3で変動成分が除去され、図2(d)に示すように、略一定電圧の直流電圧として出力される。
デジタルシグナルプロセッサDSPは、圧電トランス30の固有共振周波数を算出する周波数算出手段(図示せず)と、スイッチング素子Q1の駆動信号を生成する駆動信号生成手段(図示せず)とを備える。デジタルシグナルプロセッサDSPは、図3に示すように、検出電極34が出力する検出電圧を所定のサンプリング周期Tでサンプリングするとともに量子化を行い、検出電圧をデジタル値に変換する。周波数算出手段は、例えば、デジタル値化された検出交流電圧の最大値と最小値とが測定される時刻から検出電圧の周期を計算し、圧電トランス30の固有共振周波数を算出する。なお、サンプリング周期Tは、検出電圧の周期よりも十分に小さく設定される。
デジタルシグナルプロセッサDSPによるスイッチング素子Q1の駆動制御を、図5を参照して説明する。駆動信号生成手段は、初期駆動周波数および初期時比率で初期駆動信号を生成し、デジタルシグナルプロセッサDSPは、初期駆動信号でスイッチング素子Q1の駆動を開始する(S1)。なお、時比率とは、駆動信号のオンデューティを意味する。
初期駆動信号は、スイッチング素子Q1の駆動開始直後における電源回路の出力が、負荷70に最低限必要な電圧を出力できるように、圧電トランス30の固有共振周波数に近い値となるように設定される。例えば、圧電トランス30の固有共振周波数が150kHzであるとすれば、初期駆動周波数を140kHzなどと設定すればよい。
初期時比率は、駆動開始時において負荷70に過大な電圧が供給されないように負荷70に最終的に供給する目標の電圧値(以下、目標電圧値と呼ぶ)よりも低い電圧を出力するように設定される。
ところで、共振回路における共振条件は、共振用コイルL1と共振用コンデンサC1と直流電源Eとスイッチング素子Q1のドレイン電流の最大値などで決まる。スイッチング素子Q1のオン時間が長くスイッチング素子Q1のドレイン電流の最大値が十分大きいと図4(a)に示すような正常な波形の電圧が1次側電極32に印加される。
しかしながら、スイッチング素子Q1のオン時間が短すぎてスイッチング素子Q1のドレイン電流の最大値が小さくなりすぎると、ドレイン電圧が0V以下にならず1次電極32に印加される電圧の波形は図4(b)に示すように歪み、スイッチング素子Q1がゼロ電圧スイッチングしなくなる。すなわち、スイッチング素子Q1においては、ゼロ電圧スイッチングするための最小のオン時間が存在する。
本実施形態では、スイッチング素子Q1のオン時間が前記最小のオン時間となるように初期時比率が決められる(例えば、初期時比率0.2程度)。したがって、目標電圧値よりも低い出力電圧で圧電トランス30の駆動が開始されるとともに、圧電トランス30の駆動開始時からスイッチング素子Q1はゼロ電圧スイッチングを行う。ゼロ電圧スイッチングを行うことにより、ノイズの発生が抑えられ、また、スイッチング損失が低減する。
初期駆動周波数および初期時比率は、デジタルシグナルプロセッサDSPが備える記憶部(図示せず)に、電源回路の製造時などにおいて記憶される。
スイッチング素子Q1の駆動が開始され圧電トランス30の1次側電極32に電圧が印加されると、デジタルシグナルプロセッサDSPの第1信号入力端子61に検出電圧が入力され、デジタルシグナルプロセッサDSPは、上述したように検出電圧をデジタル値に変換し、また、第2信号入力端子62に入力される出力監視電圧を、サンプリングするとともに量子化してデジタル値に変換した後(S2)、周波数算出手段により検出電圧の周波数(すなわち、圧電トランス30の固有共振周波数)を算出する(S3)。
固有共振周波数が算出されると、駆動信号生成手段は、時比率は変えずに駆動周波数を修正することにより新たな駆動信号を生成し、デジタルシグナルプロセッサDSPは新たに生成された駆動信号でスイッチング素子Q1の駆動を行う(S4)。
駆動周波数の修正後、出力監視電圧と目標電圧値に応じて設定されあらかじめ記憶部に記憶された基準値とを比較し(S5)、出力監視電圧が基準値よりも大きいと判断した場合は、異常とみなして駆動信号の出力を停止する(S6)。
駆動信号生成手段は、ステップS5において出力監視電圧が基準値よりも小さいと判断した場合は、設計時に決められる割合だけ時比率を上げて新たな駆動信号を生成する。デジタルシグナルプロセッサDSPは新たに生成された駆動信号でスイッチング素子Q1を駆動させる(S7)。時比率を上げた後、再度駆動周波数の修正を行う(S8〜S10)。ステップS8〜S10の動作はステップS2〜S4の動作と同様である。
上述より、本実施形態では、スイッチング素子Q1の駆動周波数(すなわち、圧電トランス30の駆動周波数)が圧電トランス30の固有共振周波数に徐々に近づけられ、最終的に圧電トランス30の固有共振周波数で圧電トランス30の駆動が行われる。
また、ステップS11において出力監視電圧と基準値とを比較し(S11の動作はS5と同じ動作)、出力監視電圧が基準値よりも小さいと判断した場合は、ステップS12の動作を行う。ステップS12の動作は、ステップS7の動作と同じである。したがって、本実施形態では、出力監視電圧が基準値に達するまでは、出力電圧が徐々に上げられる。
ステップS11において出力監視電圧が基準値よりも大きいと判断した場合は、駆動信号生成手段は、設計時に決められる前記割合だけ時比率を下げて新たな駆動信号を生成し、デジタルシグナルプロセッサDSPは、新たに生成した駆動信号でスイッチング素子Q1を駆動させる(S13)。したがって、電源回路の出力が目標電圧値まで上げられた後は、電源回路の出力は目標電圧値近傍の値を維持する。
圧電トランス30においては、1次側電極32に印加される電圧と2次側電極33より出力される電圧との比の値である昇圧比は、図6に示すように1次側電極32に印加される電圧の周波数(以下、圧電トランス30の駆動周波数と呼ぶ)に依存し、圧電トランス30の駆動周波数が圧電トランス30の固有共振周波数に一致する場合、駆動周波数は最も高くなる。
上述のように本実施形態では、圧電トランス30の駆動周波数は圧電トランス30の固有共振周波数に一致するから、昇圧比が高く、圧電トランス30におけるエネルギーの変換効率が高められる。
また、デジタルシグナルプロセッサDSPを用いて圧電トランス30の駆動周波数を圧電トランス30の固有共振周波数に合わせるから、コンパレータを用いる構成では必要なコンパレータの外付部品が必要なく、コンパレータを用いる構成に比べ部品点数が少なくできる。
また、デジタルシグナルプロセッサDSPを用いてスイッチング素子Q1の時比率を変えるから、スイッチング素子Q1の時比率を変えるために新たに部品を追加する必要がなく、部品点数の増加が抑えられる。
(実施形態2)
本実施形態では、図7に示すように、負荷70への出力が負の直流電圧となるように整流回路部40が形成され、出力検出回路部50は、整流回路部40が出力する負の直流電圧を正の電圧にして出力するように構成されている点が実施形態1と異なる。
整流ダイオードD1のアノードと整流ダイオードD2のカソードとは2次側電極33に接続され、整流ダイオードD1のカソードは直流電源Eの低圧側に接続される。平滑コンデンサC2の両端は、整流ダイオードD2のアノードと直流電源Eの低圧側とにそれぞれ接続される。
すなわち、実施形態1とは整流ダイオードD1,D2の向きが異なる。したがって、平滑コンデンサC2の一端(直流電源Eの低圧側に接続された側とは反対側の一端)の電位は負になり、電源回路は負の直流電圧を出力する。
分圧抵抗R3,R4は直列に接続され、分圧抵抗R3の一端は平滑コンデンサC2の一端(直流電源Eの低圧側に接続されている側とは反対側)に接続され、分圧抵抗R4の一端はレギュレータ60の出力端に接続される。
整流回路部40で整流された負の直流電圧は、分圧抵抗R3,R4で低電圧の正の直流電圧にされ、また、コンデンサC3で平滑されて第2信号入力端子62に入力される。本実施形態の他の構成は、実施形態1と同様である。
本実施形態の電源回路の負荷として、静電霧化装置を用いる例を図8に示す。静電霧化装置は、平滑コンデンサC2の一端(負の電位になる側)に接続される霧化電極71と、霧化電極71に対向して配設される対極72とを備える。静電霧化装置は、霧化電極71に水を供給する給水手段(図示せず)を備え、給水手段としては、例えば霧化電極71を冷却することにより霧化電極71に結露水を生じさせる冷却手段がある。
霧化電極71は平滑コンデンサC2の一端に接続され、霧化電極71に供給された水は負に帯電する。帯電した水はクーロン力により対極72に引き寄せられ霧化電極71より放出され、帯電微粒子水(ナノミクロオーダーの水粒子)となって空中に飛散する。静電霧化装置に使用される電源回路の出力電圧は、−5kV程度に設定される。
マイクロシグナルプロセッサDSPは、抵抗R7を介して対極72に接続される第3信号入力端子65を備え、霧化電極71と対極72との間を流れる放電電流を検出し、放電電流を一定に保つように駆動信号を生成し、霧化される水の量を制御する。
実施形態1の回路図である。 実施形態1の各部における電圧の時間変化を表す図である。 実施形態1の検出電極が出力する電圧の時間変化を表す図である。 実施形態1の圧電トランスに印加される電圧の時間変化を表す図である。 実施形態1のデジタルシグナルプロセッサの動作を示すフローチャートである。 圧電トランスの駆動周波数と昇圧比との関係を表す図である。 実施形態2の回路図である。 実施形態2の使用例を示す回路図である。 従来例の回路図である。 他の従来例のブロック図である。 さらに他の従来例の回路図である。
符号の説明
10 圧電トランス駆動回路部
30 圧電トランス
31 昇圧部
32 1次側電極
33 2次側電極
34 検出電極
E 直流電源
DSP デジタルシグナルプロセッサ
Q1 スイッチング素子

Claims (3)

  1. 直流電圧を昇圧して出力する電源回路であって、一対の1次側電極と圧電材料で形成され1次側電極に印加された電圧を昇圧する昇圧部と昇圧部で昇圧された電圧を出力する2次側電極と昇圧部の変形量に応じた電圧を出力する検出電極とを備え2次側電極から負荷への出力電圧を取り出す圧電トランスと、スイッチング素子を備え前記1次側電極に間欠的に電圧を印加する圧電トランス駆動回路部と、スイッチング素子のオンオフの駆動を行うデジタルシグナルプロセッサとを備え、デジタルシグナルプロセッサは、前記検出電極から入力される検出電圧の周波数を算出する周波数算出手段と、スイッチング素子をオンオフさせる駆動信号を生成する駆動信号生成手段とを備え、電源投入直後にはあらかじめ設定した初期駆動周波数の駆動信号を電源投入後に生成し、以後は、検出電圧の周波数を算出する動作と、算出した周波数の駆動信号を生成する動作とを繰り返すことを特徴とする圧電トランスを用いた電源回路。
  2. 前記デジタルシグナルプロセッサは、前記スイッチング素子をオンオフさせる駆動信号の時比率を制御することにより前記負荷への出力電圧を調整することを特徴とする請求項1に記載の圧電トランスを用いた電源回路。
  3. 前記圧電トランス駆動回路部は、前記スイッチング素子に並列接続される共振用コンデンサと、共振用コンデンサに直列に接続される共振用コイルとを有する共振回路部を備え、共振用コンデンサの両端電圧を前記圧電トランスの1次側電極に印加し、前記駆動信号生成手段は、スイッチング素子のオン時間がスイッチング素子がオンになるときにゼロ電圧スイッチングとなる範囲の最小時間である初期駆動信号を生成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧電トランスを用いた電源回路。
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