JPH0993959A - インバ−タ装置 - Google Patents

インバ−タ装置

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JPH0993959A
JPH0993959A JP7274688A JP27468895A JPH0993959A JP H0993959 A JPH0993959 A JP H0993959A JP 7274688 A JP7274688 A JP 7274688A JP 27468895 A JP27468895 A JP 27468895A JP H0993959 A JPH0993959 A JP H0993959A
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JP
Japan
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voltage
switching
piezoelectric transformer
load
input
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Application number
JP7274688A
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English (en)
Inventor
Shigeru Kobayashi
茂 小林
Keiichi Nakajima
恵一 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Radio Co Ltd
Nagano Japan Radio Co Ltd
Original Assignee
Japan Radio Co Ltd
Nagano Japan Radio Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変換効率の向上が可能なインバータ装置を提
供することにある。 【解決手段】 誘導性素子3およびスイッチング素子4
を有し入力された直流電力をスイッチングするスイッチ
ング回路と、交流電力を出力する圧電トランス5とを備
えたインバータ装置1において、誘導性素子3は、圧電
トランス5の入力容量、等価質量、並びに圧電トランス
に負荷を接続したときの圧電トランスの共振周波数およ
び負荷QをそれぞれC01、L0 、f0cおよびQL とした
ときに、 QL ・(x−1/x)=1.15 {C01・L0 ・(x2 −1)・(x2 −a)/x2
0.5 =0.46/(2π・f0c) Lr<1/{(2π・f0c2 ・C01・a} が成立する前記インダクタンス値Lrを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電トランスを用
いて直流電力を交流電力に変換するインバータ装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のインバータ装置として、直流電
力を出力する直流電源、スイッチング用チョークコイ
ル、FET、圧電トランス、駆動回路およびパルス発生
器を備えているものが知られている。
【0003】この従来のインバータ装置では、パルス発
生器によって発生されるスイッチング信号が駆動回路を
介してFETのゲートに入力されると、そのスイッチン
グ信号のレベルに応じてFETがオン/オフ動作を繰り
返す。この場合、FETがオンしているときは、圧電ト
ランスの入力部に等価的に並列接続されている入力容量
に既に充電されている電荷が、FETのドレインを介し
て放電されると共に、スイッチング用チョークコイルに
エネルギーが蓄えられる。一方、FETがオフのとき
は、スイッチング用チョークコイルに蓄積されたエネル
ギーが放出されると共に、そのエネルギーが入力容量に
充電される。これらを繰り返すことによって、直流電力
が交流電力に変換され、変換された交流電力が圧電トラ
ンスから出力される。
【0004】この場合、FETは、できるだけスイッチ
ングロスを生じないように構成されている。つまり、ス
イッチング用チョークコイルに蓄積されたエネルギーが
放出され入力容量に充電される時間は、スイッチング用
チョークコイルと入力容量の時定数によって決定され
る。一方、FETがオフしている時にスイッチング用チ
ョークコイルから入力容量へのエネルギーの放出が完了
しなければ、スイッチングロスが生じてしまう。このた
め、従来のインバータ装置では、スイッチング用チョー
クコイルと入力容量の時定数に基づく共振周波数をスイ
ッチング周波数と等しくすることにより、いわゆるE級
動作でFETを動作させている。この場合、E級動作と
は、図3(a)に示すように、スイッチング用チョーク
コイルに蓄積されたエネルギーが入力容量に充電される
際の共振波形が、FETのオフ時間内に完全に入ってい
るような動作をいう。より具体的には、FETがオンし
始めるときのドレイン電圧をVdsとすると、 Vds=0 dVds/dt=0 という2式が成立するような動作をいう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この従来の
インバータ装置には以下の問題点がある。すなわち、F
ETは、入力電圧、スイッチング周波数および圧電トラ
ンスの内部定数などが所定の関係条件を満たしたときに
のみE級で動作する。このため、このインバータ装置で
は、入力される直流電圧が上昇すると、FETは、E級
および準E級動作以外の動作状態、つまり、同図(b)
の右側に示すようなスイッチング動作になってしまう。
この結果、多大なスイッチングロスが生じてしまうとい
う問題がある。なお、準E級動作とは、同図(b)の左
側に示すように、 Vds=0 dVds/dt≠0 という2式が成立するようなスイッチングトランジスタ
の動作をいう。
【0006】このため、従来のインバータ装置は、高い
変換効率を維持したままで、例えば、5V〜20Vまで
の電圧の直流電力を一定電圧の交流電力に変換可能とい
ういわゆるオールボルトタイプに構成することができな
かった。この場合、直流電源とスイッチング用コイルと
の間にDC/DCコンバータなどを配設することにより
入力される直流電力の電圧を一定にすることも考えられ
るが、かかる場合には、装置の大型化・コストアップ化
を招くと共に、DC/DCコンバータなどの変換損失に
よって、装置の変換効率がかえって低下してしまうとい
う問題がある。
【0007】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
ものであり、変換効率を向上させることができると共
に、スイッチングロスを生じさせることなく幅広い電圧
の直流電力を一定電圧の交流電力に変換することができ
るインバータ装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく請
求項1記載のインバータ装置は、スイッチング用チョー
クコイルおよびスイッチング素子を有し入力された直流
電力をスイッチングすることにより誘導性素子にエネル
ギーを蓄積するスイッチング回路と、蓄積されたエネル
ギーを入力しそのエネルギーに基づいて交流電力を出力
する圧電トランスとを備えたインバータ装置において、
誘導性素子は、xおよびaをそれぞれ正の実数である変
数とし、圧電トランスの入力容量、等価質量、並びに圧
電トランスに負荷を接続したときの負荷を含めた圧電ト
ランスの共振周波数および負荷QをそれぞれC01、L
0 、f0cおよびQL としたときに、以下の3式、 QL ・(x−1/x)=1.15・・・・・・・・(第1式) {C01・L0 ・(x2 −1)・(x2 −a)/x20.5 =0.46/(2π ・f0c)・・・・・・・・・・・・・・・・・・(第2式) Lr<1/{(2π・f0c2 ・C01・a}・・・(第3式) が成立するインダクタンス値Lrを有していることを特
徴とする。
【0009】この場合、上記第1式と第2式を満足する
変数xおよびaを第3式の右辺に代入すれば、スイッチ
ング素子がE級動作を行うと共にそのオン期間とオフ期
間が等しい(デューティ比が50%)という条件を満た
すときの誘導性素子のインダクタンス値が得られる。一
方、誘導性素子のインダクタンス値を、この演算された
値よりも小さい値にすると、スイッチング素子は、その
動作条件がE級からずれると共に、ダンピングファクタ
ーがより小さくなることにより、スイッチング素子の共
振波形が振動的になる。つまり、図3(c)の左側に示
すように、誘導性素子に蓄積されたエネルギーが圧電ト
ランスの入力容量に流れ込むときの共振波形の周期がス
イッチング周波数の周期よりも短くなる(同図では、ス
イッチング素子をFETとした例を示す)。したがっ
て、入力される直流電力の電圧が上昇したとしても、同
図(c)の右側に示すように、誘導性素子に蓄積された
すべてのエネルギーをスイッチング素子のオフ期間内で
圧電トランスの入力容量に流し込むことができる。この
ように、入力電圧が上昇したとしても、スイッチング素
子がスイッチングロスを発生しないため、直流電力を安
定化させるためのDC/DCコンバータなどを不要に
し、効率を低下させることなく、いわゆるオールボルト
タイプのインバータ装置を実現することができる。
【0010】請求項2記載のインバータ装置は、請求項
1記載のインバータ装置において、負荷に印加される負
荷電圧、および負荷に流れる負荷電流のいずれか一方を
検出電圧として検出する検出部と、検出電圧と基準電圧
との差電圧に基づくスイッチング信号によってスイッチ
ング素子をスイッチングすることにより検出電圧を一定
値にフィードバック制御する制御部をさらに有し、制御
部は、入力された直流電力の電圧値に応じてスイッチン
グ信号のパルス幅を変化させるパルス幅制御回路を備え
ていることを特徴とする。
【0011】このインバータ装置では、例えば、入力さ
れた直流電力の電圧が上昇すると、制御部内のパルス幅
制御部が、スイッチング素子のオン期間が短くなるよう
にスイッチング信号のパルス幅を制御する。これによ
り、誘導性素子に蓄積されるエネルギーが少なくなるた
め、出力される交流電力の電圧値を一定にすることがで
きる。また、スイッチング素子のオフ期間内に誘導性素
子に蓄積されたすべてのエネルギーを圧電トランスの入
力容量に流し込むことができるため、スイッチングロス
をなくすことができる。また、パルス幅制御部が、入力
された直流電力の電圧値に応じてスイッチング信号のパ
ルス幅を直ちに変化させるので、フィードバックループ
のループ応答時間よりも早い過渡応答特性を有すること
になる。
【0012】請求項3記載のインバータ装置は、請求項
2記載のインバータ装置において、制御部は、スイッチ
ング信号を差電圧の電圧値に応じた周波数のスイッチン
グ信号に変換する電圧/周波数変換回路を備えているこ
とを特徴とする。
【0013】このインバータ装置では、電圧/周波数変
換回路が、差電圧に応じた周波数、つまり、負荷電圧の
変動に応じてスイッチング周波数を変化させる。このた
め、直流電力から交流電力への高い変換効率を有するフ
ィードバック制御として最も好ましい態様となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に係るインバータ装置の好適な実施の形態について説
明する。
【0015】図1は、液晶用バックライトなどの点灯管
を点灯させるための交流電力を直流電源から生成するイ
ンバータ装置1の電気的な構成を示している。同図に示
すように、インバータ装置1は、直流電力を出力する直
流電源2と、直流電源2に直列接続されるスイッチング
用チョークコイル(誘導性素子)3およびFET(スイ
ッチング素子)4の直列回路(スイッチング回路)と、
圧電トランス5と、負荷コンデンサ6と、冷陰極蛍光灯
(CCFL)7と、冷陰極蛍光灯7を流れる負荷電流を
検出する検出抵抗(検出部)8と、FET4のスイッチ
ングを制御する制御部11とを備えている。このインバ
ータ装置1は、直流電源2の直流電圧が5V〜20Vま
で変化しても、冷陰極蛍光灯7に出力する交流電圧が一
定値を保持すると共に、直流電力を交流電力に変換する
変換効率が最大95%以上で最低変換効率85%以上に
なるように構成されている。
【0016】次に、インバータ装置1の主要構成要素に
ついて説明する。
【0017】スイッチング用チョークコイル3は、FE
T4がオンしたときに直流電源2の直流電流が流れるこ
とによりエネルギーを蓄積し、FET4がオフしたとき
に、その蓄積したエネルギーを圧電トランス5に出力す
る。なお、このスイッチング用チョークコイルのインダ
クタンス値は、所定の値に定められており、これについ
ては後述する。
【0018】圧電トランス5は、チタン酸ジルコン酸鉛
系セラミック(PZT)をベースにして第三成分や添加
物で変成されたセラミック材料を使用したローゼン型
(Rosen Type)で構成されている。この圧電
トランス5は、厚み方向に対して交流電力を印加する
と、その交流電力の電圧を昇圧し、昇圧した交流電力を
逆圧電効果により長さ方向に出力する。本実施の形態で
は、圧電トランス5は、特に限定されないが、約13p
Fの負荷コンデンサ6を接続した状態での共振周波数f
0Cが116.1KHzで、交流電力出力2Wの仕様に構
成されている。
【0019】冷陰極蛍光灯7は、ノート型パソコンの液
晶ディスプレイのバックライト用として用いられるもの
であり、その仕様は、例えば、点灯開始時に必要とする
印加電圧が約1200Vrms、通常点灯時に必要とす
る印加電圧が約500Vrmsで消費電流が約2.5m
A〜5mAとなっている。
【0020】検出抵抗8は、冷陰極蛍光灯7を流れる交
流電力の電流値を、電圧変換することによって検出電圧
として検出し、その検出電圧をエラーアンプ12に出力
する。
【0021】制御部11は、エラーアンプ12、V/F
変換回路(電圧/周波数変換回路)13およびドライバ
回路(パルス幅制御回路)14を備えている。エラーア
ンプ12は、検出抵抗8から出力される検出電圧を整流
し、内部に有する基準電源の基準電圧(Vref)と比
較して、その誤差分に相当する誤差信号(差電圧)を増
幅してV/F変換回路13に出力する。V/F変換回路
13は、スイッチング信号である三角波信号を発振する
VCO(Voltage Controlled Oscillator )を備えてい
る。このVCOは、例えば、負荷コンデンサ6として1
3pFを接続した場合、エラーアンプ12において誤差
電圧が0Vのときに、約117.5KHzのスイッチン
グ信号(H信号)を出力し、誤差電圧が正の方向に大き
くなるに従って高い発振周波数のスイッチング信号を出
力し、最大誤差電圧時には、約120KHzのスイッチ
ング信号を出力する。また、誤差電圧が負の方向に大き
くなると、その誤差電圧の絶対値に従って低い発振周波
数のスイッチング信号を出力し、最大誤差電圧時には、
圧電トランス5の共振周波数f0Cである116.1KH
zのスイッチング信号を出力する。なお、エラーアンプ
12内にはマイナス側の誤差電圧の振幅を制限するリミ
ッタが設けられており、リミッタは、スイッチング信号
が116.1KHzの共振周波数f0Cよりも低くならな
いように制限する。
【0022】ドライバ回路14は、オペアンプ15、抵
抗16〜20および基準電源21を備え、V/F変換回
路13から出力されるスイッチング信号を反転し、反転
したスイッチング信号をFET4に出力する。このドラ
イバ回路14では、直流電源2の直流電圧から基準電源
の基準電圧Vrefを減算した電圧を抵抗17および1
8によって分圧し、分圧した電圧に基準電圧を加算した
電圧、つまり、 電圧=Vref+(Vcc−Vref)×(抵抗18の
抵抗値)/(抵抗18の抵抗値+抵抗17の抵抗値) の式で表される電圧が、V/F変換回路13から出力さ
れる三角波に加算され、加算後の三角波がオペアンプ1
5のマイナス入力に入力される。そして、オペアンプ1
5が、基準電源21の基準電圧Vrefと加算後の三角
波の信号電圧との差電圧分を反転増幅してFET4に出
力する。
【0023】この場合の動作について具体的に説明す
る。電源投入時には、オペアンプ15のプラス入力に基
準電圧Vrefが入力されると共にマイナス入力にそれ
よりも高い電圧が入力されるため、出力電圧は0Vにな
る、この場合、抵抗20,19のヒステリシス回路によ
って、プラス入力の電圧が、 電圧=(基準電圧Vref−0V)×(抵抗20の抵抗
値)/(抵抗20の抵抗値+抵抗19の抵抗値) の式で表される電圧になる結果、出力電圧は0Vに一旦
維持される。次いで、三角波が入力されると、三角波の
マイナス電圧部分によってA点の電圧値がプラス入力の
電圧よりも低下するため、出力電圧が反転し、反転した
ハイ電圧(電源電圧とほぼ等しい電圧)が出力される。
その後、三角波のプラス電圧部分およびマイナス電圧部
分に応じて、オペアンプ15は、ハイレベルおよびロウ
レベル(0V)が繰り返される矩形波を出力する。
【0024】次いで、制御部11の動作概要について説
明する。冷陰極蛍光灯7に印加される電圧が高くなった
り、冷陰極蛍光灯7を流れる電流が大きくなったりする
と、検出抵抗8によって検出された検出電圧もそれに従
って高くなり、V/F変換回路13の発振周波数も高く
なる。この結果、スイッチング周波数fsが高くなるた
め、圧電トランス5の変換利得が低下することによって
圧電トランス5の出力交流電力電圧が低下し、検出電圧
が常に一定値の電圧になるように制御される。このよう
に、制御部11のフィードバックループ制御により、冷
陰極蛍光灯7に印加される交流電力の電圧値および冷陰
極蛍光灯7に流れる電流の少なくとも一方が所定の値に
なるように確実に制御される。
【0025】なお、直流電源2の電源電圧が標準電圧に
対して所定範囲内である場合には、スイッチング信号の
デューティ比はほぼ50%に保たれ、電源電圧が所定範
囲外になると、それに従ってデューティー比が変化す
る。同図の下部に示すA点およびB点の信号波形図を参
照して具体的に説明すると、例えば、直流電源2の電源
電圧が低下すると、A点の電圧も低下する。この結果、
三角波のスロープの中心電圧Cは、同図の下図に示すよ
うに、基準電圧Vrefよりも低くなる。これにより、
オペアンプ15の出力電圧は、下図に示すように、スイ
ッチング信号のパルス幅が広がる方向にデューティー比
が大きくなる。したがって、スイッチング用チョークコ
イル3に蓄積されるエネルギーが大きくなるため圧電ト
ランス5に入力されるエネルギーも大きくなり、圧電ト
ランス5の出力側の交流電力は、その電圧値が上がり一
定値に維持される。逆に、電源電圧が上昇すると、スイ
ッチング信号のパルス幅が狭まる方向にデューティー比
が小さくなり、スイッチング用チョークコイル3に蓄積
されるエネルギーが少なくなる。このため、圧電トラン
ス5に入力されるエネルギーも小さくなるので、出力さ
れる交流電力は、その電圧値が下がり一定値に維持され
る。このように、直流電源2の直流電圧が変動したとし
ても、圧電トランス5から出力される交流電力の電圧値
を一定値にすることができる。また、FET4のオフ期
間内にスイッチング用チョークコイル3に蓄積されたす
べてのエネルギーを圧電トランス5に入力することがで
きるので、スイッチングロスをなくすことができる。
【0026】次に、インバータ装置1の動作原理につい
て、図2,3を参照して説明する。
【0027】図2は、インバータ装置1の主要回路の等
価回路を示しており、図1における構成要素と同じ要素
については同一の符号を用いている。なお、符号31
は、本願発明者が用いた圧電トランス5の等価回路であ
る。符号33は、圧電トランス5の入力部に並列に接続
され約0.0323μFの容量を有する入力容量を示
す。符号34は、インダクタンスが約870μHの等価
質量を示し、符号35は、容量が約2211pFの等価
スティフネスを示す。符号36は、抵抗値が約0.81
Ωの等価機械抵抗を示し、符号37は、圧電トランス5
のステップアップ比を示す等価トランスを示し、符号3
8は、圧電トランス5の出力部に並列に接続されている
5.2pFの出力容量を示す。さらに、符号39は、図
1における冷陰極蛍光灯7の等価抵抗を示す。この場
合、負荷としての冷陰極蛍光灯7を接続したときの圧電
トランス5の共振周波数f0Cは、等価質量34、およ
び、等価スティフネス35と出力容量38と負荷コンデ
ンサ6との合成容量で共振する周波数になる。
【0028】また、スイッチング用チョークコイル3
は、xおよびaをそれぞれ正の実数である変数とし、圧
電トランス5の入力容量33、等価質量34、冷陰極蛍
光灯7を接続したときの負荷を含めた圧電トランス5の
共振周波数および負荷QをそれぞれC01、L0 、f0c
よびQL としたときに、以下の3式、 QL ・(x−1/x)=1.15・・・・・・・・(第1式) {C01・L0 ・(x2 −1)・(x2 −a)/x20.5 =0.46/(2π ・f0c)・・・・・・・・・・・・・・・・・・(第2式) Lr<1/{(2π・f0c2 ・C01・a}・・・(第3式) が成立するインダクタンス値Lrを有している。
【0029】この場合、上記第1式と第2式を満足する
変数xおよびaを第3式の右辺に代入すれば、FET4
がE級動作を行うと共にそのオン期間とオフ期間が等し
い(デューティ比が50%)という条件を満たすスイッ
チング用チョークコイル3のインダクタンス値Lrが得
られる。一方、スイッチング用チョークコイル3のイン
ダクタンス値を、この演算された値よりも小さい値にす
ると、FET4は、その動作条件がE級からずれると共
に、ダンピングファクターがより小さくなることによ
り、FET4の共振波形が振動的になる。つまり、図3
(c)の左側に示すように、スイッチング用チョークコ
イル3に蓄積されたエネルギーが圧電トランス5の入力
容量33に流れ込むときの共振波形の周期がスイッチン
グ周波数fsの周期よりも短くなる。したがって、入力
される直流電力の電圧が上昇したとしても、同図(c)
の右側に示すように、スイッチング用チョークコイル3
に蓄積されたすべてのエネルギーをFET4のオフ期間
内に入力容量33に流し込むことができる。このよう
に、入力電圧が上昇したとしても、FET4がスイッチ
ングロスを発生しないため、直流電力を安定化させるた
めのDC/DCコンバータなどを不要にし、効率を低下
させることなく、いわゆるオールボルトタイプのインバ
ータ装置を実現することができる。
【0030】なお、スイッチング用チョークコイル3の
インダクタンス値Lrは、一義的に決定されるものでは
なく、図3(c)の左側における共振波形をどのように
収束させるか、つまり、共振波形のダンピングファクタ
ーとの関係で定められる。言い換えれば、直流電源2の
入力電圧幅をどの程度にするかによって決定される。次
の条件、すなわち、負荷Qが44.07、共振周波数f
0Cが116.1KHz、等価質量34が870μH、入
力容量33が0.0323μFのときに、前記3式を演
算すると、Lrの値は、125μHとなるが、発明者の
実験によれば、実際に用いたインダクタンス値が61.
13μHのときに、高効率のオールボルトタイプのイン
バータ装置を構成することができた。具体的には、負
荷、入力電圧、スイッチング周波数fsおよびデューテ
ィ比を、それぞれ2.1W、9.5V、117.5KH
zおよび44%としたときに、効率が91%であった。
また、スイッチング用チョークコイル3のインダクタン
ス値Lrは、小さくすれば入力容量33とスイッチング
用チョークコイル3とに起因する共振電流が増大するた
め、上記で得られたインダクタンス値Lrの20%を最
小値とするのが好ましい。これは、共振電流が増大する
と、スイッチング用チョークコイル3に流れる電流値が
大きくなる結果、巻線に太い線種を使用しなければなら
ず、スイッチング用チョークコイルの形状が圧電トラン
ス5の大きさに対して相対的に大きくなってしまうため
である。
【0031】また、図1,2で破線で示すように、スイ
ッチング用コイル3とは別にコイル9と直流カット用の
コンデンサ10を接続してもよく、かかる場合には、コ
イル9のインダクタンス値が、上記で演算したインダク
タンス値Lrとなり、スイッチング用チョークコイル3
のインダクタンス値は、直流電源2を定電流源とみなせ
る値のインダクタンス値となる。
【0032】次に、インバータ装置1の全体的な動作に
ついて説明する。
【0033】このインバータ装置1では、エラーアンプ
12が、検出抵抗8によって検出された検出電圧とエラ
ーアンプ12内の基準電圧との誤差電圧を増幅しV/F
変換回路13に出力する。V/F変換回路13は、増幅
された誤差電圧に対応する周波数のスイッチング信号を
生成し、ドライバ回路14に出力する。そして、ドライ
バ回路14がスイッチング信号を反転増幅した後に、そ
のスイッチング信号をFET4に出力する。FET4が
オンのときは、圧電トランス5の入力容量33に蓄積さ
れている電荷が放電され、スイッチング用チョークコイ
ル3にはエネルギーが蓄積される。一方、FET4がオ
フのときは、スイッチング用チョークコイル3に蓄積さ
れたエネルギーが放出されて圧電トランス5の入力容量
33に充電される。そして、入力容量33が充放電を繰
り返すことによって、圧電トランス5は、その充放電さ
れる電圧を所定の変換利得で昇圧し、昇圧した交流電力
を出力する。
【0034】一方、冷陰極蛍光灯7に印加される電圧、
つまり負荷側の電圧が上昇したときは、検出抵抗8によ
る検出電圧の電圧値が高くなり、これに伴って、エラー
アンプ12による誤差電圧も大きくなる。これにより、
V/F変換回路13の発振周波数が高くなり、スイッチ
ング周波数fsも高い周波数になる。この結果、圧電ト
ランス5の変換利得が低下し、負荷側電圧が低下するこ
とにより、負荷電圧が一定電圧に維持される。逆に、負
荷側電圧が低下したときは、誤差電圧がマイナス電圧に
なり、V/F変換回路13の発振周波数が低下すること
によって、圧電トランス5の変換利得が高くなる。この
結果、負荷側電圧が上昇することによって、負荷電圧が
一定電圧に維持される。
【0035】また、直流電源2の電源電圧が上昇したと
きは、ドライバ回路14が、スイッチング信号のパルス
幅を狭くするように制御し、この結果、FET4のオン
時間が短くなり、スイッチング用チョークコイル3を介
して圧電トランス5に入力されるエネルギーが少なくな
る。これにより、負荷側の電圧上昇が防止され、負荷電
圧は、一定電圧に維持される。
【0036】なお、この実施の形態では、直流電力から
交流電力に変換する例について説明したが、これに限定
されず、交流電力を直流電力に整流する整流回路を圧電
トランス5の出力側に配設してDC/DCコンバータと
して適用することができるのは勿論である。この場合、
負荷コンデンサ6は、圧電トランス5の出力と整流回路
の接続点とアース間に配設すればよい。また、整流回路
の出力電圧をエラーアンプ12に入力することによっ
て、フィードバック制御することができ、この場合に
は、検出抵抗8を省略することができる。
【0037】また、この実施形態では、V/F変換回路
13を使用したが、PWM(PulseWidth Modulation)
回路を用いてフィードバック制御することもできる。
【0038】さらに、直流電源2として充電式の電池や
乾電池を用いることもできるし、ドライバ回路14の接
続関係を適宜変更することもできる。
【0039】
【発明の効果】以上のように本発明に係るインバータ装
置によれば、スイッチング回路の誘導性素子が所定の式
を満足するインダクタンス値を有するため、直流電源の
電圧が上昇したとしても、スイッチング素子がスイッチ
ングロスを発生せずに出力する交流電力の電圧値を一定
にするため、直流電力を安定化させるためのDC/DC
コンバータなどを不要にし、効率を低下させることな
く、いわゆるオールボルトタイプのインバータ装置を実
現することができる。
【0040】また、例えば、入力された直流電力の電圧
が上昇すると、制御部内のパルス幅制御部が、スイッチ
ング素子のオン期間が短くなるようにスイッチング信号
のパルス幅を制御するので、誘導性素子に蓄積されるエ
ネルギーが少なくなり、これにより、スイッチング素子
のオフ期間内に誘導性素子に蓄積されたすべてのエネル
ギーを圧電トランスの入力容量に流し込むことができ
る。このため、スイッチングロスをなくすことができ
る。また、パルス幅制御部が、入力された直流電力の電
圧値に応じてスイッチング信号のパルス幅を直ちに変化
させるので、フィードバックループのループ応答時間よ
りも早い過渡応答特性を有することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るインバータ装置のブ
ロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るインバータ装置の動
作原理を説明するためのインバータ装置の主要回路の等
価回路である。
【図3】(a)はE級の動作時において圧電トランスに
入力される電圧波形を示す図であり、(b)は、準E級
の動作時、並びに、E級および準E級以外の動作時にお
ける圧電トランスに入力される電圧波形を示す図であ
り、(c)は、本実施形態に係るインバータ装置の圧電
トランスに入力される電圧波形を示す図である。
【符号の説明】
1 インバータ装置 3 スイッチング用チョークコイル 4 FET 5 圧電トランス 8 検出抵抗 11 制御部 12 エラーアンプ 13 V/F変換回路 14 ドライバ回路 33 入力容量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // H02M 3/24 H01L 41/08 A

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘導性素子およびスイッチング素子を有
    し入力された直流電力をスイッチングすることにより前
    記誘導性素子にエネルギーを蓄積するスイッチング回路
    と、当該蓄積されたエネルギーを入力し当該エネルギー
    に基づいて交流電力を出力する圧電トランスとを備えた
    インバータ装置において、 前記誘導性素子は、xおよびaをそれぞれ正の実数であ
    る変数とし、前記圧電トランスの入力容量、等価質量、
    並びに当該圧電トランスに負荷を接続したときの当該負
    荷を含めた当該圧電トランスの共振周波数および負荷Q
    をそれぞれC01、L0 、f0cおよびQL としたときに、
    以下の3式、 QL ・(x−1/x)=1.15 {C01・L0 ・(x2 −1)・(x2 −a)/x2
    0.5 =0.46/(2π・f0c) Lr<1/{(2π・f0c2 ・C01・a} が成立する前記インダクタンス値Lrを有していること
    を特徴とするインバータ装置。
  2. 【請求項2】 前記負荷に印加される負荷電圧、および
    前記負荷に流れる負荷電流のいずれか一方を検出電圧と
    して検出する検出部と、当該検出電圧と基準電圧との差
    電圧に基づくスイッチング信号によって前記スイッチン
    グ素子をスイッチングすることにより前記検出電圧を一
    定値にフィードバック制御する制御部とをさらに有し、
    当該制御部は、前記スイッチング回路に入力された直流
    電力の電圧値に応じて前記スイッチング信号のパルス幅
    を変化させるパルス幅制御回路を備えていることを特徴
    とする請求項1記載のインバータ装置。
  3. 【請求項3】 前記制御部は、前記スイッチング信号を
    前記差電圧の電圧値に応じた周波数のスイッチング信号
    に変換する電圧/周波数変換回路を備えていることを特
    徴とする請求項2記載のインバータ装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100371249B1 (ko) * 1996-10-29 2003-02-05 (주)동일기연 피에조세라믹 변성기를 구비한 컨버터
US7378801B2 (en) 2004-12-30 2008-05-27 Lg. Philips Lcd Co., Ltd. Driving circuit for inverter
JP2009118730A (ja) * 2009-01-09 2009-05-28 Tdk-Lambda Corp 共振型スイッチング電源装置

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