JP3580492B2 - 積層型圧電トランス及びそれを用いた電力変換装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば液晶ディスプレイのバックライト用インバータやDC−DCコンバータなどの電力変換装置に用いられる圧電トランス及びそれを用いた電力変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、液晶ディスプレイにあっては液晶自身が発光しないことから液晶表示体の背面や側面に冷陰極管等の放電管を配置するバックライト方式が主流となっている。
【0003】
この放電管を駆動するためには、これ自体の長さや直径にもよるが数100ボルト以上の交流高電圧が要求される。この交流高電圧を発生させる方法として圧電トランスを用いた放電管および作動装置が特開平5−113578号公報に示されている。圧電トランスは巻線型トランスに比較して構造が非常に簡素であるため小型・薄型化、低コスト化が可能である。この圧電トランスの原理と特徴は学献社発行の専門誌「エレクトロニク・セラミクス」1971年7月号の「圧電トランスの特性とその応用」等に示されている。
【0004】
圧電トランスの一例として1956年に米国のC.A.Rosenが発表したローゼン型圧電トランスを図14に示す。図14を参照してこのローゼン型圧電トランスの構成を説明すると、2は例えばチタン酸ジルコン酸鉛系(PZT)よりなる板状の圧電セラミックス素子であり、このセラミック素子2の図中左半分の上下面に例えば銀焼付けなどにより設けられた入力電極4、5の対を形成し、右側端面にも同様な方法で出力電極6を形成する。そして、セラミック素子2の左半分の駆動部は厚み方向に、右半分の発電部は長手方向に分極処理を施す。
【0005】
このように形成された圧電トランスにおいて、入力電極4、5間に交流電圧源8よりセラミック素子2の長さ方向の機械的な共振周波数とほぼ同じ周波数の交流電圧を印加するとこのセラミック素子2は長手方向に強い機械振動を生じ、これにより右半分の発電部では圧電効果により電荷が発生し、出力電極6と入力電極の一方、例えば入力電極5との間に出力電圧Voが生ずる。この振動モードには基本的には図15に示すように、長手方向に半波長で共振する半波長モード(図中ではλ/2モード)と、一波長で共振する全波長モード(図中ではλモード)の2つがある。
【0006】
OA機器の小型化に伴い、圧電トランスも小型化、薄型化が進んでいる。圧電トランスの外形寸法は励振周波数に反比例するため、小型化するためには励振周波数をできるだけ高くする必要がある。しかし、周波数が高すぎると例えば液晶表示体のバックライトでは、放電管や配線などからの浮遊容量を介して機器本体の金属部に高周波電流が流れてしまい、放電管には十分な管電流が流れなくなる。このように、高周波高電圧で駆動される放電管では浮遊容量の影響が大きいため、できるだけ励振周波数を低くする必要がある。圧電トランス素子の長さが同じであれば、半波長モードの圧電トランス素子の共振周波数は全波長モードの半分となる。そのため、半波長モードで励振することによって周波数を低減することが出来る。しかしながら、前述したローゼン型圧電トランスでは、実際には半波長モードでは昇圧比が低いことから、高い昇圧比が得られる全波長モードが多用されている。
【0007】
また、前記のローゼン型圧電トランスには次のような問題点があった。図14に示すローゼン型の圧電トランスを使った電力変換回路の例を図11に、この回路の圧電トランス50の出力電圧V0と励振電圧V3の波形を図12に示す。インダクタ30のインダクタンスとMOSFET20の出力静電容量、圧電トランス50の入力静電容量による共振により、圧電トランス50の励振電圧V3は図12のように半波正弦波状となるため、MOSFET21のスイッチング損失が少なくなる。ここで、励振電圧V3のフーリエ解析の結果を図13に示すが、このように基本波に対して二次高調波が比較的多く含まれているため、圧電トランス50は基本波と二次高調波の2つの周波数成分で励振される。この場合、励振周波数が圧電トランス50の半波長モード共振周波数にほぼ等しければ、励振電圧V3の二次高調波は全波長モード共振周波数にほぼ等しくなり、圧電トランス50には2つの振動モードが混在する。このため圧電トランス50の出力電圧V0は図12のように、2つの振動モードが合成されて歪み波となる。
【0008】
液晶表示体のバックライトに用いられる冷陰極管は、日刊工業新聞社発行の専門誌「電子技術」1994年6月号の49ページに述べられているように歪みの大きい波形で駆動されると寿命が短くなることが知られている。そのため上記のように出力電圧が歪み波の場合には問題があった。また、ローゼン型の圧電トランスでは、中央部の振幅が最大となるために、中央部に残留応力が発生するという問題もあった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
圧電トランス素子を小型化するには前述したように半波長モードで駆動する必要がある。しかし、半波長モードの歪み波で駆動した場合、2次高調波が全波長モードに対応するため、2つの振動モードが混在して出力が歪む問題があった。全波長モードが生じない圧電トランスとして、中央駆動型の圧電トランスが知られている。図19に中央駆動型の圧電トランス素子の構造を示す。中央部に厚さ方向に分極された駆動部を有し、駆動部の両側に長手方向に一方向に分極された発電部を有する構造である。この構造の圧電トランス素子は、構造が単純で、出力インピーダンスも高く、全波長モードが生じないことから歪波が生じにくいという特徴がある。
しかしながら、この構造の圧電トランス素子は効率が低い場合があった。図19に示す構造の圧電トランスの中央の入力電極をはさんでそれぞれの片側の静電容量をC2とすると、圧電トランスの出力側からのインピーダンスは1/(2πf・(C2/2))となる。このことから、負荷インピーダンスが比較的高い場合は効率は高いが、負荷インピーダンスが比較的低い場合には効率が低いということが分かる。
【0010】
さらに、特開平7−74405号公報には、半波長モード、全波長モード等のマルチモードで駆動できる中央駆動型の圧電トランス素子が開示されている。この圧電トランス素子を図20に示すが、中央部に厚さ方向に逆方向に分極された二つの駆動部を有し、駆動部の両側に端部に向かい長手方向に分極された発電部を両側に有する構造である。この構造の中央駆動型圧電トランスは昇圧比、適応インピーダンスは高くはないが、効率が上記の中央駆動型の圧電トランスに比べて高いという特徴がある。しかしながら、この構造の圧電トランスは駆動部を逆方向に分極するなど構造が複雑で、コストも高くつき、さらに中央部の駆動部の間の未分極部が両側の駆動部が逆方向に分極されている関係から、残留応力が大きくなり破壊しやすいといった問題があった。
また、前述したように従来の圧電トランスは2つの実用的な振動モードを有しているため、半波長モードに対応した周波数の励振電圧に二次高調波成分が多く含まれていた場合、圧電トランス内に半波長と全波長の2つの振動モードが混在し、出力電圧も両方の成分を含んだ歪み波となって負荷を短寿命とする問題点があった。
【0011】
本発明は、以上のような問題点に着目し、これらを有効に解決すべく創案されたものである。本発明の目的は、昇圧比、効率が高く、半波長モードで駆動され全波長モードが生じない構造の圧電トランス素子を安価に提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、長板状の圧電体シートの中央部に入力電極を設け、圧電体シートと入力電極が交互になるように積層して厚み方向に分極した駆動部と、当該駆動部をはさんで長手方向の両端に互いに逆方向に分極した発電部とを一体燒結で形成し、前記入力電極は長手方向の側面の中央部に設けた一対の外部電極と1層おきに接続し、前記発電部の長手方向の端面に設けた出力電極といずれか一方の外部電極との間で出力を得るようになし、半波長モードで励振されると共に長手方向の全長L1と前記駆動部の長さL2の比L2/L1を0.3〜0.6としたことを特徴とする積層型圧電トランスである。
【0013】
本発明の積層型圧電トランスは、入力電極が半波長モード時の応力の大きい中央部に全長の0.3〜0.6の比率の長さで設けられているため、半波長モード時の昇圧比が従来の積層型圧電トランスの半波長モード時の昇圧比より大きい。また、駆動部を全長の0.3〜0.45の比率の長さで設けると高い昇圧比と共に高い効率も得られる。また、発電部の分極方向が駆動部をはさんで逆方向に分極されているため、中央から左右対称の構造となり全波長モードに対しては電荷が相殺して振動が生じない。このため、半波長モードに対応した周波数の励振電圧に二次高調波成分が含まれていても圧電トランスには半波長モードのみの振動が生じ、出力電圧波形は励振周波数の正弦波となる。
また、駆動部をはさんでそれぞれの片側の静電容量をC2とすると、圧電トランスの出力側からのインピーダンスは1/(2πf・2C2)となる。このことから、接続される負荷インピーダンスが比較的低い場合には効率は高いことが分かる。
【0014】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
先ず本発明について単板の圧電トランスを例に説明する。実施例の説明図を図1に示すが、ここで従来の圧電トランスと異なっている点は、入力電極51、52を設けた駆動部が圧電体長手方向の中央に設けられ、出力電極55、56が両端面に設けられている点である。さらに駆動部は厚さ方向に分極され、発電部は長手方向に駆動部を挟んで逆方向に分極されている点である。
ここで、長手方向の全長をL1、駆動部の長さをL2とした時の中央駆動型の圧電トランスの半波長モード時の負荷時昇圧比Vo/ViのL2/L1依存性を図2に、効率ηのL2/L1依存性を図3に示す。この時の負荷条件は負荷抵抗100kΩ、負荷電流5mAである。図14に示す従来例の圧電トランスの半波長モード時の負荷時昇圧比は4.4、効率は92.1%であるから、負荷時昇圧比はL2/L1が0.3以上の領域で従来の圧電トランスを上回っており、効率はL2/L1が0.3〜0.6の領域で従来の圧電トランスを上回っている。従って、本発明の圧電トランスはL2/L1が0.3〜0.6の領域で効率と昇圧比が、従来の圧電トランスを上回ることが分かる。さらにL2/L1が0.3〜0.45の範囲では95%以上の高効率で出力が得られる。この様な効果は、発電部が端部から中央部に向かって分極されていても全く同様である。
【0015】
図4は本発明の圧電トランスの入力電極側から測定したインピーダンスの周波数特性である。ここで、半波長モードに相当する50kHz付近では共振が生じているが、全波長モードに相当する100kHz付近では共振が生じない。この理由を以下説明する。
本発明の圧電トランスを幅方向から見た場合、駆動部の中心に対して左右対称の構造となっている。図15に示すように全波長モードでは応力の向きが中心の左側と右側で正反対であるので、このモードの応力で発生する電荷は、駆動部内、発電部内でそれぞれ相殺されてしまう。このように圧電現象の一方を担う電荷が相殺して発生しないため、このモードの共振特性は現れず、トランス作用も生じない。
【0016】
(実施例2)
電池などの低電圧入力源からでも冷陰極管などの放電管60を点灯できる本発明の圧電トランスの実施例を次に説明する。本実施例は駆動部を積層構造とした積層型圧電トランスであり、説明図を図5に、断面図を図6に示す。この積層型圧電トランスの駆動部には積層された薄い各層に入力電圧Viが印加されるため、単板型に比べ昇圧比がおよそ積層数倍に増大する。この積層型圧電トランスの作製方法は、PZT系セラミックスのグリーンシートをドクタブレード法により作製し、このグリーンシートの一面上の中央部にスクリーン印刷法を用いて入力電極となる内部電極57を印刷し、別のグリーンシートの一面上の中央部に同様に入力電極となる内部電極58を印刷する。これらの圧電体シートを交互に積層し、圧着して焼結する。その後、切断、研磨を行い、銀焼付けにより入力の外部電極51、52と出力電極55、56を設ける。このとき図6に示すように内部電極57を外部電極51と1層おきに接続し、内部電極58を外部電極52と1層おきに接続する。そして、駆動部の厚み方向と発電部の長手方向の分極処理を矢印で示すように行い完成する。尚、積層型圧電トランスの場合は、外部電極51、52を介して内部電極57、58と出力電極55、56との間で出力を得るようにしている。半波長モード時は圧電体長手方向の中央が最も振動振幅が小さくなるため、この位置に外部電極51、52を設けることにより、外部電極に接続される引き出し線の信頼性を向上させることができる。この場合引出線の取り出しは圧電トランスの側面部から行う。ここで、駆動部の上端と下端は分極されていないためダミー層となっているが、駆動部の上下面に電極を設けてそれぞれを外部電極52、51と接続することにより、ダミー層を無くすることもできる。
【0017】
(実施例3)
本発明の積層型圧電トランスの別の実施例の説明図を図7に、外部電極51形成部の断面図を図8に示す。前述の図5、図6に示した積層型圧電トランスの駆動部は、内部電極57と外部電極52、または内部電極58と外部電極51の接触を防ぐため、内部電極57と内部電極58を幅方向に少しずらしているが、本実施例は特性を向上させるために内部電極57、58をできるだけ大きくし、内部電極58は外部電極51と接触しないように、外部電極51の近傍を避けて設けられており、同じように内部電極57は外部電極52の近傍を避けて設けられている。さらに出力電極55、56は、端面から圧電トランスの上面まで延出されている。このように出力電極を延出させた部分にリード線を取り付けることにより、振動が最大となる端面に、出力電極からのリード線を取り付ける必要がなく、リード線を付けることによる圧電トランス自体の振動の抑制及び振動によるリード線取り付け部の断線が起こりにくいという、効果がある。
【0018】
液晶バックライトでは放電管60に流れる電流を制御してディスプレイ面の輝度を調整することが要求される。圧電トランスの出力制御法として圧電トランスの周波数特性を利用した方法がある。図17は冷陰極管負荷時の圧電トランス出力電流の周波数特性である。このように圧電トランスは共振特性を持つため、共振周波数fr近傍の周波数で出力を制御できる。冷陰極管負荷時では共振周波数frの左側(低周波側)と右側(高周波側)では非対称となるが、ここでは傾斜の緩やかな高周波側を制御に用いた。図9は駆動周波数を可変して圧電トランスの出力を制御する電力変換装置の実施例を示す回路図である。出力電流検出部70により出力電流IOを検出し、この検出電圧に基づき周波数可変部80で駆動周波数を可変し、駆動部11を介して主スイッチであるMOSFET20を駆動している。図示した例では、インダクタ30と並列に圧電トランス50が設けられているが、MOSFET20と並列に圧電トランス50を設けても同様である。また、主スイッチには図示したPチャンネルMOSFET以外にもNチャンネルMOSFET、バイポーラトランジスタ等のスイッチデバイスを用いても同様である。
【0019】
本実施例の圧電トランス50の出力電圧VOと励振電圧V3の波形図を図18に示す。励振電圧V3は、図12と同様の圧電トランス50の半波長モードに対応した励振周波数で、二次高調波を多く含んだ歪み波であるが、出力電圧VOはほとんど歪みのない波形となっている。これは前述したように、圧電トランス50は全波長モードを生じない構造であるため、励振電圧V3に全波長モードに対応した二次高調波が多く含まれていても、圧電トランス50の振動は半波長モードのみとなり、出力電圧VOは正弦波となる。厳密に言うと、励振電圧V3には三次高調波が含まれており、圧電トランス50も三次高調波に対応した3/2波長モードでのトランス作用があるため、出力電圧VOには三次高調波が含まれている。しかし、励振電圧V3に含まれている三次高調波は基本波の10%程度と小さく、しかも圧電トランス50の3/2波長モードでのトランス作用は極めて小さい。従って、出力電圧VOに含まれている三次高調波成分は僅かであり、実用面での影響はほとんど無い。
【0020】
(実施例4)
図10は入力電圧V1が大きく変動する場合の電力変換装置の実施例を示す回路図である。ここで前段電圧制御部90はインバータ部への供給電圧V2を調整している。前段電圧制御部90は公知技術である降圧型、昇圧型、反転型などのチョッパー制御或いはドロッパー制御を用いて、供給電圧V2を所定の電圧に制御する。出力電流制御は図9の実施例と同様に周波数可変で行っている。
【0021】
前述の出力制御方法は電子機器に直流電圧を供給するDC−DCコンバータにも適用できる。図16は本発明に係るDC−DCコンバータの実施例を示す回路図で、圧電トランスの交流出力を整流ダイオード111、112と平滑コンデンサ120で直流に変換している。出力電圧検出部71により直流出力電圧VODを検出し、この検出電圧に基ずき周波数可変部80で駆動周波数を可変し、駆動部11を介して主スイッチであるMOSFET20を駆動している。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、半波長モードでの昇圧比と効率が従来の圧電トランスよりも高くなる。また、全波長モードが生じない構造の圧電トランスであるため、半波長モードに対応した周波数の励振電圧に二次高調波が含まれていても、圧電トランスの出力電圧波形は励振周波数の正弦波となり、歪みは生じない。圧電トランスの駆動部を積層とした構造とすれば、携帯型電子機器で用いられる電池など低入力電圧源でも冷陰極管等の放電管を高効率で駆動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧電トランスの動作原理を示す説明図である。
【図2】本発明に係る圧電トランスの負荷時昇圧比を示す特性図である。
【図3】本発明に係る圧電トランスの効率を示す特性図である。
【図4】本発明に係る圧電トランスの入力側から測定したインピーダンスの周波数特性図である。
【図5】本発明に係る圧電トランスの別の実施例を示す図である。
【図6】本発明に係る圧電トランスの別の実施例の断面図である。
【図7】本発明に係る圧電トランスのさらに別の実施例を示す図である。
【図8】本発明に係る圧電トランスのさらに別の実施例の断面図である。
【図9】本発明に係る駆動周波数を調整して出力制御を行う電力変換回路の実施例を示す回路図である。
【図10】本発明に係る入力電圧が大きく変動する場合の電力変換回路の実施例を示す回路図である。
【図11】圧電トランスを使った電力変換装置の従来例を示す回路図である。
【図12】図11の回路における圧電トランスの出力電圧V0と励振電圧V3を示す波形図である。
【図13】図11の回路の励振電圧V3のフーリエ解析結果を示す図である。
【図14】従来の圧電トランスの動作原理を示す説明図である。
【図15】圧電トランスの振動モードを示す説明図である。
【図16】本発明に係る駆動周波数を調整して出力制御を行う別の電力変換回路の実施例を示す回路図である。
【図17】冷陰極管負荷時の圧電トランス出力電流の周波数特性図である。
【図18】図9の回路における圧電トランスの出力電圧V0と励振電圧V3を示す波形図である。
【図19】従来の圧電トランスの構造を示す説明図である。
【図20】従来の圧電トランスの構造を示す説明図である。
【符号の説明】
2 セラミック素子、10 駆動・発振部、11 駆動部、
20、21 MOSFET、30 インダクタ、50 圧電トランス、
51 入力電極、52 入力電極(共通電極)、55 出力電極、
56 出力電極、57、58 内部電極、59 絶縁層、60 放電管、
65 負荷、70 出力電流検出部、80 周波数可変発振部、
90 前段電圧制御部、110 整流ダイオード、120 平滑コンデンサ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば液晶ディスプレイのバックライト用インバータやDC−DCコンバータなどの電力変換装置に用いられる圧電トランス及びそれを用いた電力変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、液晶ディスプレイにあっては液晶自身が発光しないことから液晶表示体の背面や側面に冷陰極管等の放電管を配置するバックライト方式が主流となっている。
【0003】
この放電管を駆動するためには、これ自体の長さや直径にもよるが数100ボルト以上の交流高電圧が要求される。この交流高電圧を発生させる方法として圧電トランスを用いた放電管および作動装置が特開平5−113578号公報に示されている。圧電トランスは巻線型トランスに比較して構造が非常に簡素であるため小型・薄型化、低コスト化が可能である。この圧電トランスの原理と特徴は学献社発行の専門誌「エレクトロニク・セラミクス」1971年7月号の「圧電トランスの特性とその応用」等に示されている。
【0004】
圧電トランスの一例として1956年に米国のC.A.Rosenが発表したローゼン型圧電トランスを図14に示す。図14を参照してこのローゼン型圧電トランスの構成を説明すると、2は例えばチタン酸ジルコン酸鉛系(PZT)よりなる板状の圧電セラミックス素子であり、このセラミック素子2の図中左半分の上下面に例えば銀焼付けなどにより設けられた入力電極4、5の対を形成し、右側端面にも同様な方法で出力電極6を形成する。そして、セラミック素子2の左半分の駆動部は厚み方向に、右半分の発電部は長手方向に分極処理を施す。
【0005】
このように形成された圧電トランスにおいて、入力電極4、5間に交流電圧源8よりセラミック素子2の長さ方向の機械的な共振周波数とほぼ同じ周波数の交流電圧を印加するとこのセラミック素子2は長手方向に強い機械振動を生じ、これにより右半分の発電部では圧電効果により電荷が発生し、出力電極6と入力電極の一方、例えば入力電極5との間に出力電圧Voが生ずる。この振動モードには基本的には図15に示すように、長手方向に半波長で共振する半波長モード(図中ではλ/2モード)と、一波長で共振する全波長モード(図中ではλモード)の2つがある。
【0006】
OA機器の小型化に伴い、圧電トランスも小型化、薄型化が進んでいる。圧電トランスの外形寸法は励振周波数に反比例するため、小型化するためには励振周波数をできるだけ高くする必要がある。しかし、周波数が高すぎると例えば液晶表示体のバックライトでは、放電管や配線などからの浮遊容量を介して機器本体の金属部に高周波電流が流れてしまい、放電管には十分な管電流が流れなくなる。このように、高周波高電圧で駆動される放電管では浮遊容量の影響が大きいため、できるだけ励振周波数を低くする必要がある。圧電トランス素子の長さが同じであれば、半波長モードの圧電トランス素子の共振周波数は全波長モードの半分となる。そのため、半波長モードで励振することによって周波数を低減することが出来る。しかしながら、前述したローゼン型圧電トランスでは、実際には半波長モードでは昇圧比が低いことから、高い昇圧比が得られる全波長モードが多用されている。
【0007】
また、前記のローゼン型圧電トランスには次のような問題点があった。図14に示すローゼン型の圧電トランスを使った電力変換回路の例を図11に、この回路の圧電トランス50の出力電圧V0と励振電圧V3の波形を図12に示す。インダクタ30のインダクタンスとMOSFET20の出力静電容量、圧電トランス50の入力静電容量による共振により、圧電トランス50の励振電圧V3は図12のように半波正弦波状となるため、MOSFET21のスイッチング損失が少なくなる。ここで、励振電圧V3のフーリエ解析の結果を図13に示すが、このように基本波に対して二次高調波が比較的多く含まれているため、圧電トランス50は基本波と二次高調波の2つの周波数成分で励振される。この場合、励振周波数が圧電トランス50の半波長モード共振周波数にほぼ等しければ、励振電圧V3の二次高調波は全波長モード共振周波数にほぼ等しくなり、圧電トランス50には2つの振動モードが混在する。このため圧電トランス50の出力電圧V0は図12のように、2つの振動モードが合成されて歪み波となる。
【0008】
液晶表示体のバックライトに用いられる冷陰極管は、日刊工業新聞社発行の専門誌「電子技術」1994年6月号の49ページに述べられているように歪みの大きい波形で駆動されると寿命が短くなることが知られている。そのため上記のように出力電圧が歪み波の場合には問題があった。また、ローゼン型の圧電トランスでは、中央部の振幅が最大となるために、中央部に残留応力が発生するという問題もあった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
圧電トランス素子を小型化するには前述したように半波長モードで駆動する必要がある。しかし、半波長モードの歪み波で駆動した場合、2次高調波が全波長モードに対応するため、2つの振動モードが混在して出力が歪む問題があった。全波長モードが生じない圧電トランスとして、中央駆動型の圧電トランスが知られている。図19に中央駆動型の圧電トランス素子の構造を示す。中央部に厚さ方向に分極された駆動部を有し、駆動部の両側に長手方向に一方向に分極された発電部を有する構造である。この構造の圧電トランス素子は、構造が単純で、出力インピーダンスも高く、全波長モードが生じないことから歪波が生じにくいという特徴がある。
しかしながら、この構造の圧電トランス素子は効率が低い場合があった。図19に示す構造の圧電トランスの中央の入力電極をはさんでそれぞれの片側の静電容量をC2とすると、圧電トランスの出力側からのインピーダンスは1/(2πf・(C2/2))となる。このことから、負荷インピーダンスが比較的高い場合は効率は高いが、負荷インピーダンスが比較的低い場合には効率が低いということが分かる。
【0010】
さらに、特開平7−74405号公報には、半波長モード、全波長モード等のマルチモードで駆動できる中央駆動型の圧電トランス素子が開示されている。この圧電トランス素子を図20に示すが、中央部に厚さ方向に逆方向に分極された二つの駆動部を有し、駆動部の両側に端部に向かい長手方向に分極された発電部を両側に有する構造である。この構造の中央駆動型圧電トランスは昇圧比、適応インピーダンスは高くはないが、効率が上記の中央駆動型の圧電トランスに比べて高いという特徴がある。しかしながら、この構造の圧電トランスは駆動部を逆方向に分極するなど構造が複雑で、コストも高くつき、さらに中央部の駆動部の間の未分極部が両側の駆動部が逆方向に分極されている関係から、残留応力が大きくなり破壊しやすいといった問題があった。
また、前述したように従来の圧電トランスは2つの実用的な振動モードを有しているため、半波長モードに対応した周波数の励振電圧に二次高調波成分が多く含まれていた場合、圧電トランス内に半波長と全波長の2つの振動モードが混在し、出力電圧も両方の成分を含んだ歪み波となって負荷を短寿命とする問題点があった。
【0011】
本発明は、以上のような問題点に着目し、これらを有効に解決すべく創案されたものである。本発明の目的は、昇圧比、効率が高く、半波長モードで駆動され全波長モードが生じない構造の圧電トランス素子を安価に提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、長板状の圧電体シートの中央部に入力電極を設け、圧電体シートと入力電極が交互になるように積層して厚み方向に分極した駆動部と、当該駆動部をはさんで長手方向の両端に互いに逆方向に分極した発電部とを一体燒結で形成し、前記入力電極は長手方向の側面の中央部に設けた一対の外部電極と1層おきに接続し、前記発電部の長手方向の端面に設けた出力電極といずれか一方の外部電極との間で出力を得るようになし、半波長モードで励振されると共に長手方向の全長L1と前記駆動部の長さL2の比L2/L1を0.3〜0.6としたことを特徴とする積層型圧電トランスである。
【0013】
本発明の積層型圧電トランスは、入力電極が半波長モード時の応力の大きい中央部に全長の0.3〜0.6の比率の長さで設けられているため、半波長モード時の昇圧比が従来の積層型圧電トランスの半波長モード時の昇圧比より大きい。また、駆動部を全長の0.3〜0.45の比率の長さで設けると高い昇圧比と共に高い効率も得られる。また、発電部の分極方向が駆動部をはさんで逆方向に分極されているため、中央から左右対称の構造となり全波長モードに対しては電荷が相殺して振動が生じない。このため、半波長モードに対応した周波数の励振電圧に二次高調波成分が含まれていても圧電トランスには半波長モードのみの振動が生じ、出力電圧波形は励振周波数の正弦波となる。
また、駆動部をはさんでそれぞれの片側の静電容量をC2とすると、圧電トランスの出力側からのインピーダンスは1/(2πf・2C2)となる。このことから、接続される負荷インピーダンスが比較的低い場合には効率は高いことが分かる。
【0014】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
先ず本発明について単板の圧電トランスを例に説明する。実施例の説明図を図1に示すが、ここで従来の圧電トランスと異なっている点は、入力電極51、52を設けた駆動部が圧電体長手方向の中央に設けられ、出力電極55、56が両端面に設けられている点である。さらに駆動部は厚さ方向に分極され、発電部は長手方向に駆動部を挟んで逆方向に分極されている点である。
ここで、長手方向の全長をL1、駆動部の長さをL2とした時の中央駆動型の圧電トランスの半波長モード時の負荷時昇圧比Vo/ViのL2/L1依存性を図2に、効率ηのL2/L1依存性を図3に示す。この時の負荷条件は負荷抵抗100kΩ、負荷電流5mAである。図14に示す従来例の圧電トランスの半波長モード時の負荷時昇圧比は4.4、効率は92.1%であるから、負荷時昇圧比はL2/L1が0.3以上の領域で従来の圧電トランスを上回っており、効率はL2/L1が0.3〜0.6の領域で従来の圧電トランスを上回っている。従って、本発明の圧電トランスはL2/L1が0.3〜0.6の領域で効率と昇圧比が、従来の圧電トランスを上回ることが分かる。さらにL2/L1が0.3〜0.45の範囲では95%以上の高効率で出力が得られる。この様な効果は、発電部が端部から中央部に向かって分極されていても全く同様である。
【0015】
図4は本発明の圧電トランスの入力電極側から測定したインピーダンスの周波数特性である。ここで、半波長モードに相当する50kHz付近では共振が生じているが、全波長モードに相当する100kHz付近では共振が生じない。この理由を以下説明する。
本発明の圧電トランスを幅方向から見た場合、駆動部の中心に対して左右対称の構造となっている。図15に示すように全波長モードでは応力の向きが中心の左側と右側で正反対であるので、このモードの応力で発生する電荷は、駆動部内、発電部内でそれぞれ相殺されてしまう。このように圧電現象の一方を担う電荷が相殺して発生しないため、このモードの共振特性は現れず、トランス作用も生じない。
【0016】
(実施例2)
電池などの低電圧入力源からでも冷陰極管などの放電管60を点灯できる本発明の圧電トランスの実施例を次に説明する。本実施例は駆動部を積層構造とした積層型圧電トランスであり、説明図を図5に、断面図を図6に示す。この積層型圧電トランスの駆動部には積層された薄い各層に入力電圧Viが印加されるため、単板型に比べ昇圧比がおよそ積層数倍に増大する。この積層型圧電トランスの作製方法は、PZT系セラミックスのグリーンシートをドクタブレード法により作製し、このグリーンシートの一面上の中央部にスクリーン印刷法を用いて入力電極となる内部電極57を印刷し、別のグリーンシートの一面上の中央部に同様に入力電極となる内部電極58を印刷する。これらの圧電体シートを交互に積層し、圧着して焼結する。その後、切断、研磨を行い、銀焼付けにより入力の外部電極51、52と出力電極55、56を設ける。このとき図6に示すように内部電極57を外部電極51と1層おきに接続し、内部電極58を外部電極52と1層おきに接続する。そして、駆動部の厚み方向と発電部の長手方向の分極処理を矢印で示すように行い完成する。尚、積層型圧電トランスの場合は、外部電極51、52を介して内部電極57、58と出力電極55、56との間で出力を得るようにしている。半波長モード時は圧電体長手方向の中央が最も振動振幅が小さくなるため、この位置に外部電極51、52を設けることにより、外部電極に接続される引き出し線の信頼性を向上させることができる。この場合引出線の取り出しは圧電トランスの側面部から行う。ここで、駆動部の上端と下端は分極されていないためダミー層となっているが、駆動部の上下面に電極を設けてそれぞれを外部電極52、51と接続することにより、ダミー層を無くすることもできる。
【0017】
(実施例3)
本発明の積層型圧電トランスの別の実施例の説明図を図7に、外部電極51形成部の断面図を図8に示す。前述の図5、図6に示した積層型圧電トランスの駆動部は、内部電極57と外部電極52、または内部電極58と外部電極51の接触を防ぐため、内部電極57と内部電極58を幅方向に少しずらしているが、本実施例は特性を向上させるために内部電極57、58をできるだけ大きくし、内部電極58は外部電極51と接触しないように、外部電極51の近傍を避けて設けられており、同じように内部電極57は外部電極52の近傍を避けて設けられている。さらに出力電極55、56は、端面から圧電トランスの上面まで延出されている。このように出力電極を延出させた部分にリード線を取り付けることにより、振動が最大となる端面に、出力電極からのリード線を取り付ける必要がなく、リード線を付けることによる圧電トランス自体の振動の抑制及び振動によるリード線取り付け部の断線が起こりにくいという、効果がある。
【0018】
液晶バックライトでは放電管60に流れる電流を制御してディスプレイ面の輝度を調整することが要求される。圧電トランスの出力制御法として圧電トランスの周波数特性を利用した方法がある。図17は冷陰極管負荷時の圧電トランス出力電流の周波数特性である。このように圧電トランスは共振特性を持つため、共振周波数fr近傍の周波数で出力を制御できる。冷陰極管負荷時では共振周波数frの左側(低周波側)と右側(高周波側)では非対称となるが、ここでは傾斜の緩やかな高周波側を制御に用いた。図9は駆動周波数を可変して圧電トランスの出力を制御する電力変換装置の実施例を示す回路図である。出力電流検出部70により出力電流IOを検出し、この検出電圧に基づき周波数可変部80で駆動周波数を可変し、駆動部11を介して主スイッチであるMOSFET20を駆動している。図示した例では、インダクタ30と並列に圧電トランス50が設けられているが、MOSFET20と並列に圧電トランス50を設けても同様である。また、主スイッチには図示したPチャンネルMOSFET以外にもNチャンネルMOSFET、バイポーラトランジスタ等のスイッチデバイスを用いても同様である。
【0019】
本実施例の圧電トランス50の出力電圧VOと励振電圧V3の波形図を図18に示す。励振電圧V3は、図12と同様の圧電トランス50の半波長モードに対応した励振周波数で、二次高調波を多く含んだ歪み波であるが、出力電圧VOはほとんど歪みのない波形となっている。これは前述したように、圧電トランス50は全波長モードを生じない構造であるため、励振電圧V3に全波長モードに対応した二次高調波が多く含まれていても、圧電トランス50の振動は半波長モードのみとなり、出力電圧VOは正弦波となる。厳密に言うと、励振電圧V3には三次高調波が含まれており、圧電トランス50も三次高調波に対応した3/2波長モードでのトランス作用があるため、出力電圧VOには三次高調波が含まれている。しかし、励振電圧V3に含まれている三次高調波は基本波の10%程度と小さく、しかも圧電トランス50の3/2波長モードでのトランス作用は極めて小さい。従って、出力電圧VOに含まれている三次高調波成分は僅かであり、実用面での影響はほとんど無い。
【0020】
(実施例4)
図10は入力電圧V1が大きく変動する場合の電力変換装置の実施例を示す回路図である。ここで前段電圧制御部90はインバータ部への供給電圧V2を調整している。前段電圧制御部90は公知技術である降圧型、昇圧型、反転型などのチョッパー制御或いはドロッパー制御を用いて、供給電圧V2を所定の電圧に制御する。出力電流制御は図9の実施例と同様に周波数可変で行っている。
【0021】
前述の出力制御方法は電子機器に直流電圧を供給するDC−DCコンバータにも適用できる。図16は本発明に係るDC−DCコンバータの実施例を示す回路図で、圧電トランスの交流出力を整流ダイオード111、112と平滑コンデンサ120で直流に変換している。出力電圧検出部71により直流出力電圧VODを検出し、この検出電圧に基ずき周波数可変部80で駆動周波数を可変し、駆動部11を介して主スイッチであるMOSFET20を駆動している。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、半波長モードでの昇圧比と効率が従来の圧電トランスよりも高くなる。また、全波長モードが生じない構造の圧電トランスであるため、半波長モードに対応した周波数の励振電圧に二次高調波が含まれていても、圧電トランスの出力電圧波形は励振周波数の正弦波となり、歪みは生じない。圧電トランスの駆動部を積層とした構造とすれば、携帯型電子機器で用いられる電池など低入力電圧源でも冷陰極管等の放電管を高効率で駆動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧電トランスの動作原理を示す説明図である。
【図2】本発明に係る圧電トランスの負荷時昇圧比を示す特性図である。
【図3】本発明に係る圧電トランスの効率を示す特性図である。
【図4】本発明に係る圧電トランスの入力側から測定したインピーダンスの周波数特性図である。
【図5】本発明に係る圧電トランスの別の実施例を示す図である。
【図6】本発明に係る圧電トランスの別の実施例の断面図である。
【図7】本発明に係る圧電トランスのさらに別の実施例を示す図である。
【図8】本発明に係る圧電トランスのさらに別の実施例の断面図である。
【図9】本発明に係る駆動周波数を調整して出力制御を行う電力変換回路の実施例を示す回路図である。
【図10】本発明に係る入力電圧が大きく変動する場合の電力変換回路の実施例を示す回路図である。
【図11】圧電トランスを使った電力変換装置の従来例を示す回路図である。
【図12】図11の回路における圧電トランスの出力電圧V0と励振電圧V3を示す波形図である。
【図13】図11の回路の励振電圧V3のフーリエ解析結果を示す図である。
【図14】従来の圧電トランスの動作原理を示す説明図である。
【図15】圧電トランスの振動モードを示す説明図である。
【図16】本発明に係る駆動周波数を調整して出力制御を行う別の電力変換回路の実施例を示す回路図である。
【図17】冷陰極管負荷時の圧電トランス出力電流の周波数特性図である。
【図18】図9の回路における圧電トランスの出力電圧V0と励振電圧V3を示す波形図である。
【図19】従来の圧電トランスの構造を示す説明図である。
【図20】従来の圧電トランスの構造を示す説明図である。
【符号の説明】
2 セラミック素子、10 駆動・発振部、11 駆動部、
20、21 MOSFET、30 インダクタ、50 圧電トランス、
51 入力電極、52 入力電極(共通電極)、55 出力電極、
56 出力電極、57、58 内部電極、59 絶縁層、60 放電管、
65 負荷、70 出力電流検出部、80 周波数可変発振部、
90 前段電圧制御部、110 整流ダイオード、120 平滑コンデンサ。
Claims (8)
- 長板状の圧電体シートの中央部に入力電極を設け、圧電体シートと入力電極が交互になるように積層して厚み方向に分極した駆動部と、当該駆動部をはさんで長手方向の両端に互いに逆方向に分極した発電部とを一体燒結で形成し、前記入力電極は長手方向の側面の中央部に設けた一対の外部電極と1層おきに接続し、前記発電部の長手方向の端面に設けた出力電極といずれか一方の外部電極との間で出力を得るようになし、半波長モードで励振されると共に長手方向の全長L1と前記駆動部の長さL2の比L2/L1を0.3〜0.6としたことを特徴とする積層型圧電トランス。
- 全長L1と駆動部の長さL2の比L2/L1が0.3〜0.45であることを特徴とする請求項1に記載の積層型圧電トランス。
- 前記一方の入力電極は他方の外部電極と接触しないように幅方向にずらすか、あるいは避けるような形状となしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の積層型圧電トランス。
- 前記積層型圧電トランスの上下の圧電体は分極されていないダミー層としたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の積層型圧電トランス。
- 前記発電部の端面の出力電極を近接する他の面まで延出させたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の積層型圧電トランス。
- 直流入力電源と、前記直流入力電源と一端が接続されるインダクタと、前記インダクタの他端と接続されるスイッチ手段と、前記インダクタに並列接続される請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の積層型圧電トランスと、当該積層型圧電トランスの前記出力電極といずれか一方の外部電極との間に負荷を設け、前記負荷からの流出電流を検出し、この検出結果に基づき駆動周波数を可変する前記スイッチ手段の駆動・発振手段とを備えたことを特徴とする電力変換装置。
- 直流入力電源と、前記直流入力電源と一端が接続されるインダクタと、前記インダクタの他端と接続されるスイッチ手段と、前記スイッチ手段に並列接続される請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の積層型圧電トランスと、当該積層型圧電トランスの前記出力電極といずれか一方の外部電極との間に負荷を設け、前記負荷からの流出電流を検出し、この検出結果に基づき駆動周波数を可変する前記スイッチ手段の駆動・発振手段とを備えたことを特徴とする電力変換装置。
- 前記積層型圧電トランスの出力に整流・平滑手段が接続される請求項6又は請求項7に記載の電力変換装置。
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