JP2002164189A - 積層一体型圧電トランスの駆動方法、および冷陰極管の駆動方法 - Google Patents

積層一体型圧電トランスの駆動方法、および冷陰極管の駆動方法

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JP2002164189A
JP2002164189A JP2001286848A JP2001286848A JP2002164189A JP 2002164189 A JP2002164189 A JP 2002164189A JP 2001286848 A JP2001286848 A JP 2001286848A JP 2001286848 A JP2001286848 A JP 2001286848A JP 2002164189 A JP2002164189 A JP 2002164189A
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cathode tube
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Toru Abe
徹 阿部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型、低電圧動作、高効率の冷陰極管の駆動
方法、およびこの為に高昇圧比と高効率を同時に実現す
る積層一体型圧電トランスの駆動方法を提供する。 【解決手段】 積層数が6層以上の積層一体型圧電トラ
ンスに14V以下の交流入力電圧を入力し、前記圧電ト
ランスを全波長モードもしくは半波長モードで駆動さ
せ、前記圧電トランスから出力電圧を出力させて、冷陰
極管を流れる管電流が3mA以上の領域でのトランス効
率を90%以上にする冷陰極管駆動装置に用いる積層一
体型圧電トランスの駆動方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば液晶ディス
プレイに用いられる冷陰極管の駆動装置及びそれに用い
られる積層一体型圧電トランスに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、液晶ディスプレイにあっては液
晶自身が発光しないことから液晶表示体の背面や側面に
冷陰極管等の放電管を配置するバックライト方式が主流
となっている。
【0003】この放電管を駆動するためには、これ自体
の長さや直径にもよるが数100ボルト以上の交流高電
圧が要求される。この交流高電圧を発生させる放電管の
駆動装置には図14に示す電磁トランスを用いた高周波
インバーターが一般に使用されている。電磁トランス7
0の二次巻線75に発生した高圧の出力電圧V4は、管
電流IOを制限するバラストコンデンサ81を介して冷
陰極管等の放電管60に印加され、放電管60を発光さ
せる。この電磁トランスは細い巻線を多数巻回しなけれ
ばならないことから駆動装置の小型化及び低コスト化に
対して限界がある。
【0004】また、別の方法として圧電トランスを用い
た放電管の駆動装置が特公昭55−26600号公報、
特開昭52−113578号公報、特開平5−1144
92号公報に示されている。圧電トランスは電磁トラン
スに比べて構造が非常に簡素であるため小型・薄型化、
低コスト化が可能である。この圧電トランスの原理と特
徴は学献社発行の専門誌「エレクトロニク・セラミク
ス」1971年7月号の「圧電トランスの特性とその応
用」に示されている。
【0005】1956年に米国のC.A.Rosenが発
表したローゼン型圧電トランスを図11に示す。図11
を参照してこのローゼン型圧電トランスの原理を説明す
ると、2は例えばチタン酸ジルコン酸鉛系(PZT)よ
りなる板状の圧電セラミックス素子であり、このセラミ
ック素子の図中左半分の上下面に例えば銀焼付けなどに
より設けられた入力電極4、5の対を形成し、右側端面
にも同様な方法で出力電極6を形成する。そして、セラ
ミック素子2の左半分の駆動部は厚み方向に、右半分の
発電部は長手方向に予め分極処理を行っておく。
【0006】このように形成された圧電トランスにおい
て、入力電極4、5間に交流電圧源8よりセラミック素
子2の長さ方向の固有共振周波数とほぼ同じ周波数の交
流電圧を印加すると、このセラミック素子2は長手方向
に強い機械振動を生じ、これにより右半分の発電部では
圧電効果により電荷が発生し、出力電極6と入力電極の
一方、例えば入力電極5との間に出力電圧VOが生ず
る。
【0007】図12にローゼン型圧電トランスの出力電
圧の負荷抵抗特性を、図13に効率の負荷抵抗特性を示
す。ここで、交流入力電圧Viは10[V]、励振モー
ドは全波長モード、圧電材はHCEPC−28(日立金
属製)でセラミック素子の寸法は長さ28[mm]、幅
7.5[mm]、厚さ1.0[mm]である。これらの
特性からわかるように、ローゼン型圧電トランスは比較
的高負荷抵抗の領域、例えば3[MΩ]では出力電圧7
00[V]、昇圧比70倍を得ることができるが、効率
は40%以下と低い。また、負荷抵抗100[kΩ]付
近の領域では90%以上の高効率が得られるが、出力電
圧は85[V]で,昇圧比は8.5倍である。
【0008】前者の比較的高抵抗負荷の領域を使ったも
のとして1970年代に盛んに研究されたテレビ受信機
の高電圧電源用の圧電トランスがある。しかしながら、
効率の悪い領域で使っているため、素子の発熱などの問
題から、電磁トランスを凌駕できず、現在でも実用には
到っていない。これに対し、後者の比較的低抵抗で高効
率の得られる領域を使った圧電トランスの使用例を図1
5に示す。図15は前述のローゼン型圧電トランスを使
った放電管の駆動装置の回路構成図で、管径3.0[m
m]、管長80[mm]の比較的小型の冷陰極管を駆動
している。発光時の管電圧VOは、260[V]で管電
流IOを2[mA]を流した時のインバーター効率は7
5.0%と高い。これは、発光時の放電管60の動作抵
抗が130[kΩ](=260[V]÷2[mA])で
あり、前述の比較的低抵抗領域に該当し圧電トランス1
0が高効率で動作しているからであるが、圧電トランス
10の昇圧比は低下している領域であるため、直流入力
電圧V2は25[V]と高い。このような小型の冷陰極
管に比較的小さな管電流2[mA]を流す場合でも、2
5[V]と言う高い直流入力電圧を必要とするため、電
池駆動の携帯型の情報端末やパーソナルコンピュータ
(以下パソコンと記す)では電池部が大型化するため使
用できなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】液晶ディスプレイが用
いられる携帯型の情報端末機器やパーソナルコンピュー
タでは電源電池部の小型化や長時間使用に対応するため
に低電圧動作、高効率が要求されており、このような機
器の放電管の駆動装置は低い入力電圧で高い出力電圧を
発生する高昇圧比と高効率が要求されるが、従来のロー
ゼン型圧電トランスやそれを使った放電管の駆動装置で
はこの2点を両立させることができなかった。
【0010】本発明は、以上のような問題点に着目し、
これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明
の目的は、高昇圧比と高効率を同時に実現する積層型圧
電トランスの駆動方法とそれを用いた冷陰極管の駆動方
法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、長手方向に分
極された第一の領域と厚み方向に分極された第二の領域
を有し、前記第一の領域と第二の領域は圧電体シートを
積層し一体燒結で形成されており、厚み方向に分極され
た第二の領域には、前記圧電体シートの表面に内部電極
を形成して圧電体と内部電極が交互に積層され、前記圧
電体の積層数は6層以上であり、前記内部電極は長手方
向の側面に設けた外部電極と1層おきに接続され、前記
内部電極と前記外部電極の接続位置は振動変位が小さい
部位に設けられ、振動モードが全波長モードもしくは半
波長モードである積層一体型圧電トランスの駆動方法に
おいて、前記積層一体型圧電トランスに、14V以下の
交流入力電圧を入力し、前記積層一体型圧電トランスを
全波長モードもしくは半波長モードで駆動させ、前記積
層一体型圧電トランスから出力電圧を出力させて、冷陰
極管を流れる管電流が3mA以上の領域でのトランス効
率を90%以上にすることを特徴とする冷陰極管駆動装
置に用いる積層一体型圧電トランスの駆動方法である。
【0012】上記本発明の積層一体型圧電トランスの駆
動方法において、前記積層一体型圧電トランスは、前記
内部電極を幅方向にずらした構成にすることができる。
また、前記積層一体型圧電トランスは、積層した圧電体
の上下面には電極もしくは内部電極が設けられていない
構成とすることができる。さらに、前記積層一体型圧電
トランスのいずれかについて、前記内部電極と前記外部
電極の接続位置が、第二の領域側端面から測定して全長
のおおよそ4分の1の部位である構成にすることができ
る。
【0013】また、本発明は、積層一体型圧電トランス
と、直流入力電圧を交流入力電圧に変換して前記積層一
体型圧電トランスに供給するインバーター部とを備える
冷陰極管の駆動装置について、前記積層一体型圧電トラ
ンスは、長手方向に分極された第一の領域と厚み方向に
分極された第二の領域を有する圧電トランスであり、前
記第一の領域と第二の領域は圧電体シートを積層し一体
燒結で形成されており、厚み方向に分極された第二の領
域には、前記圧電体シートの表面に内部電極を形成する
ことによって圧電体と内部電極が交互に積層され、前記
内部電極が長手方向の側面に設けた外部電極と1層おき
に接続され、積層数が6層以上である構成を有し、前記
インバーター部に直流入力電圧を入力し、前記インバー
ター部から前記積層一体型圧電トランスに14V以下の
交流入力電圧を入力して、トランス効率90%以上で前
記積層一体型圧電トランスを動作させ、前記積層一体型
圧電トランスの出力を冷陰極管に導入して、冷陰極管に
管電流を5mA以上供給して、インバーター効率80%
以上で駆動させることを特徴とする冷陰極管の駆動方法
である。
【0014】上記冷陰極管の駆動方法において、前記積
層一体型圧電トランスの入力静電容量を含む並列静電容
量との共振周波数を、当該積層一体型圧電トランスの固
有共振周波数と略一致させた状態で前記積層一体型圧電
トランスを動作させることができる。
【0015】上記本発明のいずれかの冷陰極管の駆動方
法において、前記インバーター部は、直流入力電源とそ
の巻線の一端が接続されるインダクタンス素子と、前記
インダクタンス素子の前記巻線の他端と接続されるスイ
ッチ手段と、前記スイッチ手段の駆動・発振手段とを備
え、前記スイッチ手段は前記積層一体型圧電トランスに
並列接続される構成であり、前記積層一体型圧電トラン
ス出力から帰還することにより前記スイッチ手段の駆動
・発振手段を自励発振させ、前記積層一体型圧電トラン
スの出力を冷陰極管に供給することができる。
【0016】上記本発明のいずれかの冷陰極管の駆動方
法において、前記インバーター部は、直流入力電源とそ
の巻線の一端が接続されるインダクタンス素子と、前記
インダクタンス素子の前記巻線の他端と接続されるスイ
ッチ手段と、前記スイッチ手段の駆動・発振手段と、冷
陰極管の管電流を検出する管電流検出部と、この検出部
の検出結果に基づいて駆動・発振手段の発振周波数を制
御する手段とを備え、前記スイッチ手段は前記積層一体
型圧電トランスに並列接続される構成であり、前記積層
一体型圧電トランスからの帰還信号に基づいて前記スイ
ッチ手段の駆動・発振手段を他励発振させ、前記積層一
体型圧電トランスの出力を冷陰極管に供給することがで
きる。
【0017】さらに、上記本発明のいずれかの冷陰極管
の駆動方法において、前記スイッチ手段と並列にキャパ
シタを接続することができる。また、前記冷陰極管の管
電流を検出する管電流検出部と、この検出部の検出結果
に基づいて前記直流入力電源の電圧を調整する前段電圧
制御部を備えることができる。
【0018】また、前記インダクタンス素子が一次巻線
と二次巻線を備える電磁トランスであって、一次巻線は
直流入力電源に一端を接続し他端にはスイッチ手段を接
続し、二次巻線には前記スイッチ手段に一端を接続し他
端は前記積層一体型圧電トランスに接続し、前記スイッ
チ手段を前記積層一体型圧電トランスの出力から帰還す
ることにより自励発振させる駆動・発振手段とを備え、
前記積層一体型圧電トランスの出力を冷陰極管に供給す
ることができる。
【0019】
【作用】本発明は以上のように構成したので、積層型圧
電トランスの駆動部には積層された薄い各層に入力電圧
が印加するため、積層型は従来の単板型に比べ、昇圧比
がおよそ積層数倍に増倍される。従って、上記したよう
に積層型圧電トランスの出力からは比較的低い負荷抵抗
でも高電圧が得られ、冷陰極管等の放電管を高効率で駆
動させることができる。
【0020】特に、インダクタのインダクタンスとスイ
ッチ手段の寄生容量または積層型圧電トランスの入力静
電容量を含む並列静電容量との共振周波数を、積層型圧
電トランス自身の固有共振周波数と略一致させた場合
は、更に高い効率と昇圧比を得ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について図
面を参照して説明する。図1は本発明に係る積層一体型
圧電トランス(以下、積層型圧電トランスと言う。)の
斜視図である。この積層型圧電トランスの作製方法は、
PZT系セラミックス(日立金属製商品名HCEPC−
28)のグリーンシートをドクタブレード法により作製
し、このグリーンシート上の一部にスクリーン印刷法を
用いて白金の内部電極(入力の内部電極)57、58を
印刷し、このシートを積層圧着して焼結する。その後、
切断、研磨を行い、銀焼付けにより入力の外部電極5
1、52と出力電極55を設け、内部電極57を外部電
極51と接続し、内部電極58を外部電極52と接続す
る。この時、内部電極57と外部電極52及び内部電極
58を外部電極51の接触を防ぐため、絶縁層59をこ
れらの電極の間に設ける。駆動部の厚み方向と発電部の
長手方向の分極処理を行い完成する。この積層型圧電ト
ランスを一般に用いられる全波長モードで励振させた場
合、全長の1/4の部分が最も振動変位が小さいため、
図示の様に外部電極51、52をこの位置に設けると、
外部電極51、52が外部端子で固定されても積層型圧
電トランスの特性を損なうことが無い。この様に作製し
た積層型圧電トランスの積層数をパラメータとした冷陰
極管負荷時の入力電圧の管電流特性を図2、効率の管電
流特性を図3に示す。冷陰極管は管径3.0[mm]、
管長210[mm]のものを使用した。積層型圧電トラ
ンスの外形寸法は長さ30[mm]、幅6.5[m
m]、厚さ1.2[mm]であり、共振周波数は管電流
で変わるが、全波長モードの約111[kHz]であ
る。
【0022】使用した冷陰極管はノート型パソコンの液
晶ディスプレイの長辺側に設置されるタイプのものであ
るが、図2の特性から液晶ディスプレイで必要とされる
管電流5〜7[mA]を得るには、少ない積層数では2
3〜90[V]以上の交流入力電圧を必要とする。6層
以上の積層型圧電トランスを使えば、14[V]以下の
交流入力電圧でノート型パソコンの液晶ディスプレイで
必要とされる管電力を得ることができる。図3の特性か
ら管電流3[mA]以上の領域でトランス効率90
[%]以上が得られており、従来の電磁トランスに四敵
する効率となっている。
【0023】本発明に係る積層型圧電トランスの他の実
施例を図16、図17に示す。図16は斜視図、図17
方向の断面図である。内部電極57、58の対向を
幅方向に少しずらすことにより、絶縁層59を使わずに
内部電極と外部電極を接続している。本発明に係る積層
型圧電トランスのさらに他の実施例を図18に示す。こ
の実施例は、内部電極57、58の対向を長手方向に少
しずらすことにより、絶縁層59を使わずに内部電極と
外部電極を接続しているが、全波長ードで振動変位が最
も大きい端面と全長の1/2の部分に外部電極51、5
2が設けられることになる。この場合、外部電極と外部
端子の接続は直接行わず、十分な強度を持ったリード線
を介して接続する。
【0024】ノート型パソコン等の携帯型情報機器で
は、入力電源として直流電圧が用いられており、本発明
の積層型圧電トランスは直流を交流に変換するインバー
ター部を加えて放電管の駆動装置として携帯型情報機器
に使用される。図4は、本発明に係る放電管の駆動装置
の回路構成図であり、以下この回路の動作を説明する。
直流電圧V2が入力されるとインダクタ30を介して、
積層型圧電トランス50の入力電極51、52に正極の
電圧(V2)が印加されるが、直ぐに抵抗R1を介して起
動電流が流れ、トランジスタ22とMOS型電界効果ト
ランジスタ(以下MOSFETと記す)21がオンとな
り、積層型圧電トランスの入力電圧V3は零になる。即
ち、この間にはパルス状電圧が積層型圧電トランスの入
力に印加されるため、その動作原理から出力電極55に
正極の電圧が発生し、帰還抵抗R2を介してトランジス
タ24をオンとする。トランジスタ24オンでは、トラ
ンジスタ22オフ、トランジスタ23オンとなるためM
OSFET21は瞬時にオフとなり、積層型圧電トラン
スの入力電極51には再び正極の電圧が加わる。する
と、積層型圧電トランスの出力電圧は反転し、負極とな
り帰還抵抗R2を介してトランジスタ24をオフとし、
トランジスタ22オン、トランジスタ23オフとなるた
めMOSFET21は瞬時にオンとなる。以後、同じ動
作が繰り返され、積層型圧電トランスの出力電極55と
共通電極52との間には昇圧された高周波電圧が発生し
て電極61、62に供給され、放電管60を発光させ
る。
【0025】このMOSFET21をオン、オフさせる
反転動作は、積層型圧電トランス50の出力に発生する
電圧により行う自励発振動作である。この自励発振で
は、帰還信号の検出部が機械的変位最大となる。また、
最大出力を得るためには、出力電極のある右側端面の機
械的変位が最大となる必要がある。従って、帰還信号は
図4のように積層型圧電トランスの出力から直接得る方
法と、後述する他の実施例のように出力電極近傍に電極
またはアンテナを設けて検出する方法がある。
【0026】図4に示した例はインダクタ30、MOS
FET21、積層型圧電トランス50により、E級増幅
回路が構成されている。E級増幅回路は1975年に米
国のN.O.Sokalらにより提案されたもので、日
刊工業新聞社発行 倉石源三郎著「増幅のはなし」の1
53ページから155ページに説明されている。インダ
クタ30のインダクタンスL1とMOSFET21の出
力静電容量COS、積層型圧電トランス50の入力静電容
量C01による共振により、積層型圧電トランス50の入
力電圧V3は図8の様に半波正弦波状となるため、MO
SFET21のスイッチング損失が少なくなる。これが
E級増幅回路の特徴である。さらにこの共振の周波数を
次式のように積層型圧電トランス50の固有共振周波数
Oと略一致させた場合、有害な高調波成分は小さく、
基本波成分が大きいため、特に良好な効率と昇圧比が得
られる。
【0027】
【式1】
【0028】また、MOSFET21の出力静電容量C
OS、積層型圧電トランス50の入力静電容量C01では共
振周波数を略一致させることができない場合には、並列
にキャパシタC1を接続する方法がある。また、インダ
クタ30と並列にキャパシタを接続しても等価である。
本実施例では図4の回路構成で前述図1のタイプの6層
と12層の積層型圧電トランスを使った場合の入力電圧
の管電流特性を図9に、効率の管電流特性を図10に示
す。使用した冷陰極管は前述の管径3.0[mm]、管
長210[mm]のものである。図9の特性から液晶デ
ィスプレイで必要とされる管電流5〜7[mA]を、6
層では14[V]以下の直流入力電圧で、12層では8
[V]以下の直流入力電圧で得ることができる。積層数
を増せば更に直流入力電圧を下げることができ、例えば
30層では、3[V]以下の直流入力電圧で管電流5〜
7[mA]を得ることができる。図10の特性から、必
要とされる管電流5[mA]以上の領域でインバーター
効率80%以上が得られており、これは電磁トランスを
使ったインバーターに匹敵する高効率である。
【0029】本実施例の積層型圧電トランスの分極方向
は図中の→印で示した方向で、全波長モードで励振され
ている。この条件で最大出力が得られる時、積層型圧電
トランスの入出力電圧の位相は出力が約90度進んでい
る。従って、本実施例では帰還抵抗R2、起動抵抗R1
抵抗値を調整して前述の入出力位相を得ている。積層型
圧電トランス50の出力には高周波高電圧が発生してい
るため、この近傍に配置した部品、配線に誘導電圧が生
じて、前述の入出力位相から外れた発振動作を行い効
率、昇圧比が悪くなる場合がある。本実施例の電圧波形
を図8に示すが、この様に積層型圧電トランスの入力電
圧V3に対し出力電圧VOは約90度進んでおり、前述し
たように良好な効率、昇圧比が得られた。
【0030】前述の例では積層型圧電トランスの入力電
圧V3に対し出力電圧VOの位相が約90度進んでいる場
合に良好な効率、昇圧比が得られたが、積層型圧電トラ
ンスの駆動部の分極方向を反対にした時や、振動モード
を半波長モードに変更した時には積層型圧電トランスの
入力電圧V3に対し出力電圧VOの位相が約90度遅れて
いる場合に良好な効率、昇圧比が得られた。
【0031】図5は、帰還信号を出力電極近傍に設けた
帰還電極53で検出した本発明に係る放電管の駆動装置
の回路構成図である。図4の例と同様に出力電極から最
大出力を得ることができる。
【0032】図6は、帰還信号を出力電極近傍に配置し
たアンテナ54で検出した本発明に係る放電管の駆動装
置の回路構成図である。これも図4の例と同様に出力電
極から最大出力を得ることができる。
【0033】図7は、放電管の発光量を調整する調光機
能を持った本発明の実施例である。構成は図1の実施例
に管電流検出部200と前段電圧制御部100を加えた
ものである。放電管60を流れる電流を検出するために
管電流検出部200が設けられており、可変抵抗R5に
より管電流を検出し、抵抗値を可変することにより検出
信号210のレベルを変えることができる。この検出信
号に基づいて前段電圧制御部はインバーター部への供給
電圧V2を制御する。具体的には、可変抵抗R5の抵抗
値を小さくした場合、検出信号を一定とするため管電流
を増加させるように前段電圧制御部は動作し、供給電圧
2を増大させる。前段電圧制御部は公知技術である降
圧型、昇圧型、反転型などのチョッパー制御或いはドロ
ッパー制御を用いて、供給電圧V2を制御する。また、
供給電圧V2を断続させるデューティ制御で管電流を制
御する調光方法もある。
【0034】以下、本発明の別の実施例について図面を
参照して説明する。図19は本発明に係る放電管の駆動
装置の回路構成図である。直流電圧V2が加わると、圧
電トランスの出力電極55と共通電極52との間には昇
圧された高周波電圧が発生して電極61、62に供給さ
れ、放電管60を発光させる。MOSFET21をオ
ン、オフさせる反転動作は、圧電トランスの出力に発生
する電圧により行う自励発振動作である。帰還信号は図
19のように圧電トランスの出力から直接得る方法もあ
るが、出力電極近傍に電極またはアンテナを設けて検出
する方法もある。この直流電圧V2は電磁トランス13
0の一次巻線131(巻数はn1)と二次巻線132
(巻数はn2)の巻数比(n1+n2)/n1倍に昇圧され
て圧電トランスに印加するため、携帯型情報端末機器で
用いられる3[V]入力でも、冷陰極管を駆動すること
ができる。
【0035】この様に本発明は種々の形態で実施可能で
ある。積層型圧電トランスの分極方向や振動モード、ス
イッチ手段や駆動・発振手段の構成により、ここで図示
した以外の場合でも実施可能であることは明白である。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、積層一体型圧電トラン
スの駆動部が6層以上に積層されているため、携帯型の
電子機器で用いられる低入力電圧でも冷陰極管等の放電
管を高効率で駆動させることができる。特に、積層一体
型圧電トランスに直列に設けたインダクタとスイッチ手
段の寄生容量または積層一体型圧電トランスの入力静電
容量を含む並列静電容量との共振周波数を積層一体型圧
電トランス自身の固有共振周波数と略一致させた場合は
更に高い効率と昇圧比を得ることができる。また、積層
一体型圧電トランスは出力インピーダンスが大きいた
め、電磁トランス方式で使われていた管電流制限用のバ
ラストコンデンサが不要となる。さらに、積層型圧電ト
ランスは従来の電磁トランスに比べ構造が極めて簡素で
小型であるため、放電管の駆動装置を小型・薄型化する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層型圧電トランスの斜視図であ
る。
【図2】本発明に係る積層型圧電トランスの入力電圧の
管電流特性である。
【図3】本発明に係る積層型圧電トランスの効率の管電
流特性である。
【図4】本発明に係る積層型圧電トランスを使った放電
管の駆動装置の回路図である。
【図5】帰還信号を出力電極近傍に設けた帰還電極で検
出した本発明に係る放電管の駆動装置の回路図である。
【図6】帰還信号を出力電極近傍に配置したアンテナで
検出した本発明に係る放電管の駆動装置の回路図であ
る。
【図7】放電管の発光量を調整する調光機能を持った本
発明の実施例の回路構成を示す図である。
【図8】本発明に係る放電管の駆動装置における積層型
圧電トランスの入力電圧と出力電圧の波形を示す図であ
る。
【図9】本発明に係る放電管の駆動装置の入力電圧の管
電流特性である。
【図10】本発明に係る放電管の駆動装置の効率の管電
流特性である。
【図11】ローゼン型圧電トランスの動作原理を示す説
明図である。
【図12】ローゼン型圧電トランスの出力電圧の負荷抵
抗特性である。
【図13】ローゼン型圧電トランスの効率の負荷抵抗特
性である。
【図14】従来の電磁トランスを使った放電管の駆動装
置の回路図である。
【図15】従来の圧電トランスを使った放電管の駆動装
置の回路図である。
【図16】本発明に係る別の実施例の積層型圧電トラン
スの斜視図である。
【図17】本発明に係る別の実施例の積層型圧電トラン
スの幅方向の断面図である。
【図18】本発明に係るさらに別の実施例の積層型圧電
トランスの斜視図である。
【図19】本発明に係る積層型圧電トランスを使った放
電管の駆動装置の回路図である。
【符号の説明】
21:MOS型電界効果トランジスタ、22:トランジ
スタ、23:トランジスタ、24:トランジスタ、3
0:インダクタ、50:積層型圧電トランス、51:入
力電極、52:入力電極(共通電極)、53:帰還電
極、54:アンテナ、55:出力電極、57:内部電
極、58:内部電極、59:絶縁層、60:放電管、1
30:電磁トランス。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向に分極された第一の領域と厚み
    方向に分極された第二の領域を有し、前記第一の領域と
    第二の領域は圧電体シートを積層し一体燒結で形成され
    ており、厚み方向に分極された第二の領域には、前記圧
    電体シートの表面に内部電極を形成して圧電体と内部電
    極が交互に積層され、前記圧電体の積層数は6層以上で
    あり、前記内部電極は長手方向の側面に設けた外部電極
    と1層おきに接続され、前記内部電極と前記外部電極の
    接続位置は振動変位が小さい部位に設けられ、振動モー
    ドが全波長モードもしくは半波長モードである積層一体
    型圧電トランスの駆動方法において、 前記積層一体型圧電トランスに、14V以下の交流入力
    電圧を入力し、 前記積層一体型圧電トランスを全波長モードもしくは半
    波長モードで駆動させ、 前記積層一体型圧電トランスから出力電圧を出力させ
    て、冷陰極管を流れる管電流が3mA以上の領域でのト
    ランス効率を90%以上にすることを特徴とする冷陰極
    管駆動装置に用いる積層一体型圧電トランスの駆動方
    法。
  2. 【請求項2】 積層一体型圧電トランスと、直流入力電
    圧を交流入力電圧に変換して前記積層一体型圧電トラン
    スに供給するインバーター部とを備える冷陰極管の駆動
    装置について、 前記積層一体型圧電トランスは、長手方向に分極された
    第一の領域と厚み方向に分極された第二の領域を有する
    圧電トランスであり、前記第一の領域と第二の領域は圧
    電体シートを積層し一体燒結で形成されており、厚み方
    向に分極された第二の領域には、前記圧電体シートの表
    面に内部電極を形成することによって圧電体と内部電極
    が交互に積層され、前記内部電極が長手方向の側面に設
    けた外部電極と1層おきに接続され、積層数が6層以上
    である構成を有し、 前記インバーター部に直流入力電圧を入力し、 前記インバーター部から前記積層一体型圧電トランスに
    14V以下の交流入力電圧を入力して、トランス効率9
    0%以上で前記積層一体型圧電トランスを動作させ、 前記積層一体型圧電トランスの出力を冷陰極管に導入し
    て、冷陰極管に管電流を5mA以上供給して、インバー
    ター効率80%以上で駆動させることを特徴とする冷陰
    極管の駆動方法。
  3. 【請求項3】 前記積層一体型圧電トランスの入力静電
    容量を含む並列静電容量との共振周波数を、当該積層一
    体型圧電トランスの固有共振周波数と略一致させた状態
    で前記積層一体型圧電トランスを動作させることを特徴
    とする請求項2に記載の冷陰極管の駆動方法。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3のいずれかに記載の冷陰
    極管の駆動方法において、 前記インバーター部は、直流入力電源とその巻線の一端
    が接続されるインダクタンス素子と、前記インダクタン
    ス素子の前記巻線の他端と接続されるスイッチ手段と、
    前記スイッチ手段の駆動・発振手段とを備え、前記スイ
    ッチ手段は前記積層一体型圧電トランスに並列接続され
    る構成であり、 前記積層一体型圧電トランス出力から帰還することによ
    り前記スイッチ手段の駆動・発振手段を自励発振させ、 前記積層一体型圧電トランスの出力を冷陰極管に供給す
    ることを特徴とする冷陰極管の駆動方法。
  5. 【請求項5】 請求項2又は3のいずれかに記載の冷陰
    極管の駆動方法において、 前記インバーター部は、直流入力電源とその巻線の一端
    が接続されるインダクタンス素子と、前記インダクタン
    ス素子の前記巻線の他端と接続されるスイッチ手段と、
    前記スイッチ手段の駆動・発振手段と、冷陰極管の管電
    流を検出する管電流検出部と、この検出部の検出結果に
    基づいて駆動・発振手段の発振周波数を制御する手段と
    を備え、前記スイッチ手段は前記積層一体型圧電トラン
    スに並列接続される構成であり、 前記積層一体型圧電トランスからの帰還信号に基づいて
    前記スイッチ手段の駆動・発振手段を他励発振させ、 前記積層一体型圧電トランスの出力を冷陰極管に供給す
    ることを特徴とする冷陰極管の駆動方法。
  6. 【請求項6】 前記スイッチ手段と並列にキャパシタを
    接続したことを特徴とする請求項4または5のいずれか
    に記載の冷陰極管の駆動方法。
  7. 【請求項7】 前記冷陰極管の管電流を検出する管電流
    検出部と、この検出部の検出結果に基づいて前記直流入
    力電源の電圧を調整する前段電圧制御部を備えたことを
    特徴とする請求項5に記載の冷陰極管の駆動方法。
  8. 【請求項8】 前記インダクタンス素子が一次巻線と二
    次巻線を備える電磁トランスであって、一次巻線は直流
    入力電源に一端を接続し他端にはスイッチ手段を接続
    し、二次巻線には前記スイッチ手段に一端を接続し他端
    は前記積層一体型圧電トランスに接続し、前記スイッチ
    手段を前記積層一体型圧電トランスの出力から帰還する
    ことにより自励発振させる駆動・発振手段とを備え、前
    記積層一体型圧電トランスの出力を冷陰極管に供給する
    ことを特徴とする請求項4に記載の冷陰極管の駆動方
    法。
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