JPH1065231A - 圧電トランス及びこれを用いた電力変換装置 - Google Patents

圧電トランス及びこれを用いた電力変換装置

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JPH1065231A
JPH1065231A JP9099678A JP9967897A JPH1065231A JP H1065231 A JPH1065231 A JP H1065231A JP 9099678 A JP9099678 A JP 9099678A JP 9967897 A JP9967897 A JP 9967897A JP H1065231 A JPH1065231 A JP H1065231A
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康生 下田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電体の長手方向と幅方向の寸法比を最適化
することにより両方向の振動の結合を排除して効率を向
上させることができる圧電トランスを提供する。 【解決手段】 中央に駆動部28を形成し、その両側に
発電部34、34を形成した圧電体22を有する圧電ト
ランスにおいて、前記圧電体の長さLと幅Wとの比L/
Wは、3.10〜3.76,4.10〜4.77,5.
10〜5.78,6.10〜6.79,7.11〜7.
79の範囲内に設定されるように構成する。これによ
り、トランスの長さ方向と幅方向の振動の結合を排除す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば液晶ディス
プレイのバックライト用インバータやDC−DCコンバ
ータなどの電力変換装置及びこれに用いられる圧電トラ
ンスに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、液晶ディスプレイにあっては液
晶自身が発光しないことから液晶表示体の背面や側面に
冷陰極管等の放電管を配置するバックライト方式が主流
となっている。この放電管を駆動するためには、これ自
体の長さや直径にもよるが数100ボルト以上の交流高
電圧が要求される。この交流高電圧を発生させる方法と
して圧電トランスを用いたインバータが特開平5−11
4492号公報に示されている。圧電トランスは、巻線
が不要なことから構造が非常に簡素となり、小型・薄型
化、低コスト化が可能である。この圧電トランスの原理
と特徴は学献社発行の専門誌[エレクトロニク・セラミ
クス]1971年7月号の[圧電トランスの特性とその
応用]に示されている。
【0003】1956年に米国のC.A.Rosenが
発表したローゼン型圧電トランスを図10に示す。図1
0を参照してこのローゼン型圧電トランスの構成を説明
すると、2は例えばチタン酸ジルコン酸鉛系(PZT)
よりなる板状の圧電セラミック素子であり、このセラミ
ック素子の図中左半分の上下面に例えば銀焼付けなどに
より設けられた入力電極4、6の対を形成し、右側端面
にも同様な方法で出力電極8を形成する。そして、セラ
ミック素子2の左半分の駆動部は厚み方向に、右半分の
発電部は長さ方向にそれぞれ矢印に示すように分極処理
を施す。
【0004】このように形成された圧電トランスにおい
て、入力電極4、6間に交流電圧源10よりセラミック
素子2の長さ方向の共振周波数と略同じ周波数の交流電
圧を印加するとこのセラミック素子2は長さ方向に強い
機械振動を生じ、これにより右半分の発電部では圧電効
果により電荷が発生し、出力電極8と入力電極の一方、
例えば入力電極6との間に出力電圧Voが生ずる。この
セラミック素子2の振動モードには図11(A)に示す
ように、長さ方向に半波長で共振する半波長モード(図
中ではλ/2モード)と、図11(B)に示すように一
波長で共振する全波長モード(図中ではλモード)の2
つがある。この圧電トランスの外形寸法は周波数に反比
例するため、小型にするためには駆動周波数をできるだ
け高くする必要がある。
【0005】しかし、周波数が高すぎると液晶表示体の
バックライトでは放電管や配線などからの浮遊容量を介
して周辺部に高周波電流が流れてしまい、放電管には十
分な管電流が流れなくなって効率が低下する。このた
め、駆動用の高周波電圧の駆動周波数をできるだけ低く
する必要がある。このような液晶表示体のバックライト
用インバータでは装置の小型化のためにできるだけ周波
数を低くする必要があり、同じ長さ寸法であれば、半波
長モードの圧電トランス素子の共振周波数は全波長モー
ドの半分となるため有利である。このため、昇圧比は全
波長モード程には高くないが、装置の小型化の強い要請
により半波長モードのトランスが検討され、使用されつ
つある。
【0006】この圧電トランスを使った電力変換回路の
例を図12に示し、この回路の圧電トランス12の出力
電圧Voと駆動電圧V3の波形を図13に示す。インダ
クタンス手段14のインダクタンスとスイッチ手段とし
てのMOSFET16の出力静電容量、圧電トランス1
2の入力静電容量による共振により、圧電トランス12
の駆動電圧V3は図13のように半波正弦波状となるた
め、MOSFET16のスイッチング損失が少なくな
る。尚、符号18は駆動・発振部である。このような半
波正弦波においては、基本波に対して二次高調波が比較
的多く含まれているため、圧電トランス12は基本波と
二次高調波の2つの周波数成分で主に駆動される。この
場合、駆動周波数が圧電トランス12の半波長モード共
振周波数に略等しければ、駆動電圧V3の二次高調波は
全波長モード共振周波数に略等しくなり、圧電トランス
12には2つの振動モードが混在する。このため圧電ト
ランス12の出力電圧Voは図13のように2つの振動
モードが合成されて歪波となる。液晶表示体のバックラ
イトに用いられる冷陰極管は、歪みの大きい波形で駆動
されると効率が低下すると同時に、日刊工業新聞社発行
の専門誌[電子技術]1994年6月号の49ページに
述べられているように寿命が短くなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、上記問題点を
解決するために、本出願人は、先の出願(特願平7−1
70662号)において、圧電セラミック素子の長さ方
向の一方を駆動部とし、他方を発電部として構成したロ
ーゼン型と異なり、圧電セラミック素子の長さ方向の中
央部を駆動部とし、この両側を発電部として形成した半
波長モードの中央部駆動型の圧電トランスを提案した。
この中央部駆動型の圧電トランスによれば、駆動電圧が
半波正弦波のような歪波の場合であっても、1/2波長
(λ/2)の偶数倍の振動モードが効果的に相殺される
ので第2高調波であるλモードの振動がほとんどなくな
り、出力電圧の歪をかなり抑制することができた。
【0008】ところで、放電管の調光は、放電管の放電
特性に鑑みて、共振周波数frから、例えば+5〜+1
0%の範囲内で駆動電圧の周波数を変化させて発光量を
変えることによって行なっているが、上記中央部駆動型
の圧電トランスにあっては、調光途中において電力効率
が大幅に低下する周波数帯域が存在するという問題点が
新たに見出された。図14はこの状態を示すグラフであ
り、共振周波数frとこれより10%だけ周波数の高い
(1+0.1)frとの間で電力効率の激しい落ち込み
が存在している。この現象が発生する理由は、圧電セラ
ミック素子は、長さ方向の振動モードのみならず、実際
には幅方向および厚み方向にも振動モードを有している
ことから、これらの振動が複雑に結合して上記電力効率
低下現象が生ずるものと思われる。
【0009】このような現象を回避するために、圧電セ
ラミック素子の最適寸法を圧電体素子の長さLと幅Wと
の比L/Wで規定する試みも行なわれている。例えば
[圧電セラミックスとその応用]の第164頁(監修
電子材料工業会 電波新聞社昭和49年4月発行)、N
IKKEI ELECTORONICS(1994年1
1月7日発行)の第148頁及び特開平8−32134
号公報等に提案されているが、これらは全てローゼン型
の圧電トランスに関してであり、これらの値を長さ方向
の振動モードが異なる中央部駆動型の圧電トランスに適
用することはできない。本発明は、以上のような問題点
に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものであ
る。本発明の目的は、圧電体の寸法を最適化することに
より長さ方向と幅方向の振動の結合を排除して効率を大
幅に向上させることができる圧電トランス及びこれを用
いた電力変換装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決するために、中央に駆動部を形成し、その両側に発
電部を形成した圧電体を有する圧電トランスにおいて、
前記圧電体の長さLと幅Wとの比L/Wは、3.10〜
3.76,4.10〜4.77,5.10〜5.78,
6.10〜6.79,7.11〜7.79の範囲内に設
定されるように構成したものである。
【0011】このように構成することにより、圧電体の
長さ方向の振動とその幅方向の振動が結合することがな
くなり、出力を効率的に取り出すことが可能となる。こ
の圧電体は、半波長モードで駆動され、その駆動電圧の
周波数は圧電体の長さに反比例することから、圧電体の
長さは、浮遊容量に漏れる高周波電流の発生を抑制でき
る実用上の周波数、例えば110kHz〜50kHz内
に押さえ込むために15mm〜34mm程度の範囲内に
設定する。このような圧電体は、単板でも良いが特に非
常に薄い圧電体シートと内部電極とを交互に積層させた
積層型として構成することにより十分に大きな昇圧が可
能となる。また、このような圧電トランスを有する電力
変換装置により、例えば冷陰極管等を効率的に点灯する
ことが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る圧電トラン
ス及びこれを用いた電力変換装置の一実施例を添付図面
に基づいて詳述する。図1は本発明に係る圧電トランス
の動作原理を示す斜視図、図2は本発明に係る圧電トラ
ンスを示す斜視図、図3は図2に示す圧電トランスの断
面図である。図示するようにこの圧電トランス20は、
例えばPb(Zr,Ti)O3 組成のいわゆるPZTな
どの圧電セラミックよりなる直方体状の圧電体22を有
しており、この圧電体22の長さ方向の略中央部の両面
に入力電極24、26を形成して駆動部28とし、圧電
体22の長さ方向の両端面に出力電極30、32を形成
して駆動部28の両側を発電部34、34としている。
駆動部28の圧電体はこの厚み方向に矢印に示すように
分極処理され、また、この両側の発電部34、34の圧
電体は矢印に示すようにそれぞれ中央部から端部に向か
う方向に分極処理されている。
【0013】ここで圧電体22の長さLとこの幅Wとの
比L/Wは、3.10〜3.76,4.10〜4.7
7,5.10〜5.78,6.10〜6.79,7.1
1〜7.79の範囲内に設定し、後述するようにして実
用周波数帯域における電力効率の落ち込みを防止してい
る。すなわち、上記比率以外の部分の寸法比では、電力
効率が大幅に低下する周波数帯域が存在することにな
る。この場合は、圧電体22の厚みTは、図示例では説
明上かなり大きく記載しているが、実際には、上記長さ
Lよりも1桁以上小さく設定されている。また、圧電体
22の長さLと駆動部28の長さL1の比L1/Lは、
0.3〜0.6程度の範囲内に設定するのがよい。この
ように形成された圧電トランス20において、入力電極
24、26間に交流電源36より圧電体22の長さ方向
の共振周波数と略同じ周波数の駆動電圧V1を印加する
ようになっている。この場合、圧電体22の長さ方向の
略中心部が支持固定され、半波長(λ/2)モードで振
動させる。この時、圧電体22の駆動部28は、長さ方
向に強い機械振動を生じ、これにより、両側の発電部3
4、34には圧電効果により電荷が発生し、出力電極3
0、32と入力電極の一方、例えば入力電極26との間
に出力電圧Voが生ずることになる。
【0014】ここで、後に詳述するように駆動周波数変
化範囲内においては、圧電体22の長さ方向の振動と幅
方向の振動が結合することがなくなり、効率の急激な落
ち込みが生ずることを防止することができる。図2は上
記した動作原理を適用した積層型の圧電トランスを示
し、図3はその断面図を示している。図1に示すトラン
スと同一部分については同一符号を付す。
【0015】図2及び図3に示す積層型圧電トランス
は、上述したような単板型の圧電体22の相互間に内部
電極36、38を交互に挟み込んで積層したものであ
り、駆動部28には積層された薄い各層に入力電圧V1
が印加されることになるため、単板型に比べて昇圧比が
およそ積層数倍に増大する。ここで、一対の入力電極2
4、26は圧電体22の駆動部28の側部に設けられ、
上下に隣り合う内部電極36、38毎に、異なる入力電
極24、26に接続されている(図3参照)。この積層
型圧電トランスの作製方法は、PZT系セラミックのグ
リーンシート、すなわち圧電体シートをドクターブレー
ド法により作製し、このグリーンシート上の一部にスク
リーン印刷法を用いて内部電極36、38を印刷し、こ
のシートを積層圧着して焼結する。その後、切断、研磨
を行ない、銀焼き付けにより入力電極24、26と出力
電極30、32を設け、一層置きの内部電極36を一方
の入力電極24と接続し、他方の一層置きの内部電極3
8を他方の入力電極26と接続する。
【0016】そして、駆動部28の厚み方向と発電部3
4、34の長さ方向の分極処理を行い、完成する。半波
長モード時は、圧電体の長さ方向の中央部が最も振動振
幅が小さくなるため、この位置に入力電極24、26を
設け、且つこの中央部で圧電トランスを支持固定するこ
とにより、入力電極に接続される引き出し線の信頼性を
向上させることができる。ここで、駆動部の上端と下端
は分極されていないためダミー層となっているが、駆動
部の上下面に電極を設けてそれぞれを入力電極24、2
6と接続することにより、ダミー層を無くすこともでき
る。この場合、駆動部の励振がダミー層部で阻害され
ず、駆動部全体が一様に振動するので、長さ方向に強い
機械振動が発生し、出力効率が大幅に向上する。
【0017】ここで、圧電体22の各寸法は、図1の場
合と同様に設定されている。すなわち、圧電体22の長
さLと幅Wとの比L/Wは、3.10〜3.76,4.
10〜4.77,5.10〜5.78,6.10〜6.
79,7.11〜7.79の範囲内に設定し、駆動周波
数変化範囲内における電力効率の急激な落ち込みを防止
する。この場合、グリーンシート(圧電体シート)一枚
の厚みは50〜200μmと非常に薄く、従って、積層
焼結後の圧電体22の厚みTも積層枚数にもより異なる
が僅か0.5〜2.0mm程度であり、上記長さLより
も一桁以上小さく設定されている。従って、圧電体22
の厚さ方向の振動が、この長さ方向の振動に影響を与え
ることはほとんどない。また、圧電体22の長さLと駆
動部28の長さL1の比L1/Lは、0.3〜0.6程
度に設定するのが好ましい。
【0018】図4は駆動励振周波数を可変にして上記し
たような圧電トランスの出力を制御する電力変換装置の
実施例を示す回路図である。図12に示した構成と同一
部分については同一符号を付す。直流入力電流40の一
端は、MOSFETなどのスイッチ手段16を介して圧
電トランス20の一方の入力電極24に接続され、他端
は他方の入力電極26に接続される。圧電トランス20
の入力電極24、26にはインダクタンス手段14が並
列に接続され、圧電トランス20の入力静電容量とイン
ダクタンス手段14のインダクタンスで共振回路を構成
する。圧電トランス20の両出力電極30、32は負荷
としての例えば冷陰極放電管42の一端に接続され、こ
の他端は出力電流検出部43を介して直流入力電源40
に接続される。この出力電流検出部43では出力電流I
oを検出し得るようになっており、この出力は周波数可
変部44に入力される。周波数可変部44は、検出電流
(電圧)に基づいて駆動周波数を可変として、この出力
信号で駆動・発振手段18を介してスイッチ手段16を
制御している。尚、周波数可変部44の駆動信号の周波
数はマニュアルでも変更でき、冷陰極放電管42の発光
の調整(調光)を行なうようになっている。
【0019】直流入力電源40の出力は、駆動・発振部
18からの信号を受けたスイッチ手段16によりオン・
オフ制御されることにより、例えば半波正弦波の駆動電
圧V3となって圧電トランス20の入力電極24、26
に印加される。この駆動電圧は、圧電トランスの半波長
モードに対応した駆動周波数であり、また、二次高調波
を多く含んだ歪波であるが、出力電極30、32に表わ
れる出力電圧Voはほとんど歪のない波形となる。これ
は前述したように圧電トランス20は全波長モードの振
動を生じない構造であるために、駆動電圧V3に全波長
モードに対応した二次高調波が含まれていても圧電トラ
ンス20の振動は略半波長モードのみとなるからであ
る。
【0020】また、周波数可変部44は、調光が行なわ
れていない時には、その出力電流Ioが一定となるよう
に駆動・発振部18を介して駆動電圧の周波数を制御す
るが、人為的に調光を行なう時には周波数可変部44の
動作を制御することにより駆動電圧V3の周波数を共振
周波数から僅かに+方向へシフトさせるが、この時、急
激に電力効率が落ち込むといった現象が発生することを
防止することができる。これは前述したように調光のた
めに駆動電圧の周波数は一般的には共振周波数から+5
〜+10%程度の範囲内で変化させるが、この周波数変
化範囲内で駆動周波数が変化しても、トランス20の長
さ方向の振動と幅方向の振動が結合を生じないようにそ
の長さLと幅Wの比L/Wを一定の範囲内、すなわち
3.10〜3.76,4.10〜4.77,5.10〜
5.78,6.10〜6.79,7.11〜7.79の
範囲内に設定してあるからである。このように比L/W
を規定することにより、長さ方向の振動と幅方向の振動
が相殺されるような現象は生じなくなり、従って、電力
効率を大幅に向上させることが可能となる。
【0021】上記電力変換装置の変形例として図5に示
すように圧電トランス20の出力側に例えば2つの整流
ダイオード46、48と平滑コンデンサ50よりなる整
流・平滑手段52を設けるようにしてもよい。また、出
力状態を検出する出力電流検出部43に代えて、出力電
圧検出部54を設け、この検出値を周波数可変部44へ
入力させるようにしてもよい。尚、56は負荷である。
【0022】次に、圧電トランスの長さLと幅Wの比L
/Wが3.10〜3.76,4.10〜4.77,5.
10〜5.78,6.10〜6.79,7.11〜7.
79の範囲内に規定すると有効である理由をデータを用
いて説明する。図6は冷陰極放電管を負荷として一石式
インバータの駆動周波数と管電流(出力電流)との関係
を示すグラフであり、fdは駆動周波数、frを共振周
波数(最大の出力電流Ioが得られる駆動周波数)と
し、横軸は両者の比で表され、縦軸は管電流をIoと
し、最大の管電流IoをImaxとしてこの比を表して
いる。放電管の調光を行なうには管電流Ioを変化させ
ればよいが、このグラフから明らかなように例えば管電
流を10%〜100%の範囲内で変化させるには駆動周
波数比を1.00〜1.05の範囲内で変化させればよ
いことがわかる。尚、周波数比が1.00よりも小さい
周波数エリアでは電流が急激に小さくなるので調光に用
いるのに好ましくない。
【0023】また、図7は本発明に係る中央駆動型の圧
電トランス(圧電体)の寸法比と周波数比との関係を示
すグラフであり、トランスの全長Lと、その幅Wとの比
L/Wを種々変更した時に効率が急激に低下する周波数
領域、すなわちトランスの長さ方向と幅方向との結合振
動により効率が悪化する周波数領域を斜線で示してい
る。このグラフから明らかなように、周波数比fd/f
rが1.00〜1.05の範囲内で効率悪化の生じない
比L/Wは、3.10〜3.76,4.10〜4.7
7,5.10〜5.78,6.10〜6.79,7.1
1〜7.79の範囲であり、この範囲内の寸法比に圧電
体の寸法を規定することにより、トランスの効率の悪化
が生ぜず、効率を高く維持することができる。このよう
に、図7にて斜線で示すような電力効率が悪化する部分
は、周期的に現れ、この領域を除いた部分で圧電トラン
スの長さと幅の比を設定する。どの寸法比に設定するか
は、圧電トランスが使用される用途や、実装スペース等
を考慮して適切に定めればよい。
【0024】この場合、前述のように回路の浮遊容量に
起因して発生する漏れ電流を可能な限り抑制するために
は駆動周波数は実際的には50kHzから110kHz
の範囲内に収めなければならず、この周波数に対応する
積層型の圧電体の長さLは15mm〜34mmの範囲内
となり、この長さLと上記比L/Wの値に基づいてその
幅Wを決定することになる。ここで上記寸法比内で設計
された本発明の圧電トランスの昇圧状態と、上記寸法比
外で設計された比較例としての圧電トランスの昇圧状態
をグラフを用いて説明する。
【0025】図8(A)は長さLが20.4mm、幅W
が4.60mmの圧電トランスの駆動電圧(曲線A1)
と出力電圧(曲線B1)との関係を示すグラフである。
この時の寸法比L/Wは4.43となり、上記寸法比範
囲内で設定されており、負荷としは冷陰極放電管を用い
ている。尚、この時のトランスの厚みTは、板厚80μ
mのシートを15枚積層することにより、1.2mmに
なされている。このグラフから明らかなように、駆動電
圧A1が半波正弦波の歪波であっても出力電圧には歪み
がほとんど生ぜず、効率の急激な低下も発生しなかっ
た。また、図8(B)は、図8(A)に示した圧電トラ
ンスを用い、負荷として冷陰極放電管に代えて、通常の
抵抗負荷を用いた時のグラフを示す。この場合にも、出
力電圧B1には歪みがほとんど生ぜず、効率の急激な低
下も存在しなかった。
【0026】これに対して、図9は長さLが20.4m
m,幅Wが5.3mmの圧電トランスの出力電圧を示す
波形図である。この時の寸法比L/Wは3.85とな
り、上記寸法比範囲外で設定されている。負荷としては
冷陰極放電管を用いている。尚、この時のトランスの厚
みTは図8で使用したものと同様に1.2mmである。
波形図から明らかなように、出力電圧の波形にはかなり
歪みが存在し、また、急激な効率の低下も存在して好ま
しくないことが判明する。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の圧電トラ
ンス及びこれを用いた電力変換装置によれば、次のよう
に優れた作用効果を発揮することができる。半波長モー
ドの中央部駆動型の圧電トランスの長さと幅の比を所定
の範囲内に規定することにより、長さ方向の振動と幅方
向の振動が結合することを阻止することができる。従っ
て、この圧電トランスを電力変換装置に用いた場合にお
いて、調光のために駆動周波数を変化させても電力効率
の急激な低下が生ずることを防止することができる。特
に、圧電トランスとして積層型のトランスを採用するこ
とにより、電力効率の急激な低下を生ずることなく、高
い昇圧比及び電力効率を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧電トランスの動作原理を示す斜
視図である。
【図2】本発明に係る圧電トランスを示す斜視図であ
る。
【図3】図2に示す圧電トランスの断面図である。
【図4】圧電トランスを用いた本発明の電力変換装置を
示す回路図である。
【図5】電力変換装置の変形例を示す回路図である。
【図6】負荷として冷陰極放電管を用いた時の駆動周波
数と管電流との関係を示すグラフである。
【図7】本発明の中央部駆動型の圧電トランスの寸法比
と周波数比との関係を示すグラフである。
【図8】本発明の圧電トランスの駆動電圧と出力電圧の
波形図である。
【図9】比較例の圧電トランスの出力電圧の波形図であ
る。
【図10】ローゼン型の圧電トランスの原理を示す斜視
図である。
【図11】振動モードの種類を示す図である。
【図12】圧電トランスを使った一般的な電力変換装置
を示す回路図である。
【図13】従来のローゼン型の圧電トランスの駆動電圧
と出力電圧の波形図である。
【図14】従来の中央部駆動型の圧電トランスの駆動周
波数と電力効率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
14 インダクタンス手段 16 スイッチ手段(MOSFET) 18 駆動・発振部 20 圧電トランス 22 圧電体 24、26 入力電極 28 駆動部 30、32 出力電極 34 発電部 36、38 内部電極 40 直流入力電源 42 冷陰極放電管 44 周波数可変部 52 整流・平滑手段 L 圧電体の長さ W 圧電体の幅

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央に駆動部を形成し、その両側に発電
    部を形成した圧電体を有する圧電トランスにおいて、前
    記圧電体の長さLと幅Wとの比L/Wは、3.10〜
    3.76,4.10〜4.77,5.10〜5.78,
    6.10〜6.79,7.11〜7.79の範囲内に設
    定されるように構成したことを特徴とする圧電トラン
    ス。
  2. 【請求項2】 前記圧電体は、半波長モードで駆動され
    るようにその長さ方向の略中央で支持されることを特徴
    とする請求項1記載の圧電トランス。
  3. 【請求項3】 前記圧電体の長さは、15mm〜34m
    mの範囲内に設定されることを特徴とする請求項1また
    は2記載の圧電トランス。
  4. 【請求項4】 前記圧電体は、圧電体シートと内部電極
    とを交互に積層してなることを特徴とする請求項1乃至
    3記載の圧電トランス。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の圧電
    トランスと、この圧電トランスの入力静電容量と共振回
    路を構成するインダクタンス手段と、前記圧電トランス
    に電力を供給する直流入力電源と、この直流入力電源と
    前記インダクタンス手段との間に接続されるスイッチ手
    段と、このスイッチ手段のスイッチングを行なって所定
    の周波数の駆動電圧を発生させる駆動・発振手段とを備
    えたことを特徴とする電力変換装置。
  6. 【請求項6】 前記駆動・発振手段を制御する周波数可
    変部を有していることを特徴とする請求項5記載の電力
    変換装置。
  7. 【請求項7】 前記圧電トランスの出力に整流・平滑手
    段が接続される請求項5又は6に記載の電力変換装置。
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