JPH1168185A - 積層型圧電素子及び積層型圧電トランス並びにこれらの駆動回路 - Google Patents

積層型圧電素子及び積層型圧電トランス並びにこれらの駆動回路

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JPH1168185A
JPH1168185A JP9219494A JP21949497A JPH1168185A JP H1168185 A JPH1168185 A JP H1168185A JP 9219494 A JP9219494 A JP 9219494A JP 21949497 A JP21949497 A JP 21949497A JP H1168185 A JPH1168185 A JP H1168185A
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piezoelectric transformer
feedback
electrodes
input
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JP9219494A
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Junichi Toyoda
準一 豊田
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 入力側積層部に帰還電極を有する積層型圧電
素子や圧電トランスを用いることによって回路構成の簡
単化及び回路効率の向上を図る。 【解決手段】 積層型圧電素子1は、誘電材料を用いて
形成される複数の基板に対してそれぞれの表面の所定領
域に電極パターンを形成してこれらを積層後に焼成する
ことによって誘電層と電極とが交互に形成された入力側
積層部2を有する。積層型圧電素子1において、長手方
向における外表面に入力用の平面電極3を形成するとと
もに、入力側積層部2において平面電極3に対して平行
に形成された一層若しくは複数層の電極を帰還電極4と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、装置の小型・薄形
化や回路構成の簡易化及び高効率化を図ることができる
積層型圧電素子及び積層型圧電トランス並びにこれらの
駆動回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置等に使用されるバックライ
トの点灯回路を構成するインバーター回路においては、
装置の小型化や薄型化、高効率化の要求に答える必要が
あり、電磁式の巻線トランスを用いた昇圧回路では、ト
ランスの絶縁耐圧の確保が装置の小型化や薄型化を阻む
要因となり、また、トランスの鉄損や銅損が効率低下の
原因となる。
【0003】このため、圧電トランスを用いた回路が提
案されているが、その昇圧比の不足が問題となり、これ
を補うために電磁式の巻線トランスを圧電トランスの前
段に設ける方法が用いられるが、これでは結局、上記の
問題の根本的な解決とはならない。
【0004】そこで、昇圧比を大きくするために積層一
体焼結構造を採用した積層型圧電トランスを用いる方法
が知られており、例えば、図15に示す回路構成を挙げ
ることができる。
【0005】回路aは他励式圧電トランス駆動回路の一
例を示すものであり、図示しない電源からの所定の直流
電圧が供給される入力端子b、b′の間にコンデンサc
が介挿されるとともに、インダクタdの一端が入力端子
bに接続され、該インダクタdの他端がスイッチ素子e
(FET等の半導体スイッチ素子であり、図ではスイッ
チの記号で示す。)を介して入力端子b′に接続されて
いる。
【0006】そして、積層型圧電トランスfはスイッチ
素子eに対して並列に設けらており、その入力端子がイ
ンダクタdとスイッチ素子eとの間に接続され、その接
地端子が入力端子b′に接続されている。
【0007】図16は積層型圧電トランスfを概略的に
示すものであり、該積層型圧電トランスfは、セラミッ
ク材料で形成されたシートに内部電極パターンを形成し
て、複数のシートを積層後に焼結することによって厚み
の薄い直方体状に作製される。そして、その表面のうち
最大面積とされる一対の面g、gにはその長手方向にお
ける端部からそれぞれのほぼ中央にかけての領域を占め
る電極h、h(図にはその一方だけを示す。)が入力端
子として形成され、また、長手方向における両端部のう
ち電極h、hから遠い方の端部に形成された電極iが出
力端子とされる。
【0008】回路aにおいて積層型圧電トランスfの出
力段に設けられる負荷j(図15参照。)としては、例
えば、バックライト用の蛍光管等が用いられ、当該負荷
jに対して直列に接続された抵抗k及び該抵抗kに対し
て並列に接続されたダイオードlによって検出される負
荷電流が周波数制御回路mに送出される。
【0009】周波数制御回路mは、負荷電流の検出信号
に応じてその周波数が変化する制御信号を生成してこれ
を発振回路nに送出する。これによって発振回路nから
スイッチ素子eに送出される制御パルスの周波数が可変
制御され、その結果、積層型圧電トランスfの出力が一
定となるように制御が行われる。つまり、回路aにおい
ては、インダクタdの誘導性成分と積層型圧電トランス
fの容量性成分との電圧共振現象を利用した周波数制御
方式の駆動回路が用いられている。
【0010】尚、回路aのような他励式の回路ではな
く、自励式の回路を用いる場合には、図17や図18に
示すように、出力側に帰還電極を有する積層型圧電トラ
ンスが知られている。
【0011】即ち、図17に示す積層型圧電トランスo
では、その長手方向における端部に出力端子を構成する
電極i′と、帰還電極pとが分離されて形成されてお
り、また、図18に示す積層型圧電トランスqでは、上
記した面g、gに相当する面の一方に、入力端子を構成
する電極hから所定の距離をおいて電極i側に離れた位
置に帰還電極rが形成されている。
【0012】尚、これらの帰還電極p、rの出力電圧
は、図示しない駆動回路の帰還部に送出されて積層型圧
電トランスの制御が行われる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
構成にあっては下記に示す問題がある。
【0014】(1)回路が複雑化し、部品点数の増加や
コスト上昇を招く (2)自励式発振回路における効率が低い。
【0015】先ず、(1)については、図15に示した
ように周波数制御回路mや発振回路nを必要とするため
回路の構成が複雑になり、これらの回路を構成するため
の部品点数が増え、コスト高をもたらす原因になるとい
う不都合がある。
【0016】また、(2)については、図17や図18
に示すように、帰還電極p、rを出力側の端部若しくは
これに近い位置でとっているため、圧電トランスの出力
容量(静電容量)が下がり、これが回路の高効率化を妨
げる原因となる。
【0017】そこで、本発明は、入力側積層部に帰還電
極を有する積層型圧電素子や圧電トランスを用いること
によって回路構成の簡単化及び回路効率の向上を図るこ
とを課題とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明積層型圧電素子
は、上記した課題を解決するために、長手方向に沿う外
表面に入力用の平面電極を形成するとともに、入力側積
層部のうち平面電極に対して平行に形成された一層若し
くは複数層の電極を帰還電極としたものである。
【0019】また、本発明積層型圧電素子の駆動回路
は、誘導性素子と能動スイッチ素子とを直列に接続する
とともに、該能動スイッチ素子に対して並列に積層型圧
電素子を接続して、その帰還電極から得た出力に基づい
て能動スイッチ素子のスイッチング制御を行う帰還部を
設けたものである。
【0020】従って、本発明によれば、入力側積層部の
電極を帰還電極として用いることによって、帰還電極の
形成に際して出力容量の低下を伴うことがない。また、
その駆動回路を自励発振回路の構成とすることで帰還部
の構成が簡単化される。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る積層型圧電素
子の基本構成を概略的に示すものである。
【0022】積層型圧電素子1は、誘電材料(誘電体)
を用いて形成される複数の基板に対してそれぞれの表面
の所定領域に電極パターンを形成してこれらを積層後に
焼成することによって誘電層と電極とが交互に形成され
た入力側積層部2を有する。
【0023】そして、積層型圧電素子1の長手方向に沿
う外表面には入力用の平面電極3が形成され、入力側積
層部2において平面電極3に対して平行に形成された一
層若しくは複数層の電極が帰還電極4とされる。
【0024】尚、図では積層型圧電素子1の長手方向に
おいて平面電極3から遠い方の端部全面に亘って出力電
極5が形成されているが、当該電極の形成や取り出しの
仕方は必要に応じて各種の形態を取り得る。また、上記
の積層型圧電素子1の構成を用いたデバイスには、圧電
センサや後述する積層型圧電トランス等が挙げられる。
【0025】帰還電極4の取り出しについては、下記に
示す2通りの方法がある。
【0026】(I)入力側積層部の外表面に形成された
電極を利用する方法 (II)入力側積層部の内部に形成された電極を利用す
る方法。
【0027】先ず、方法(I)は入力側積層部2の外表
面に形成される一対の平面電極のうちの一方を入力電極
とし、他方を帰還電極とするとともに、入力側積層部2
の内部に形成された所定の電極を共通電極として外表面
に取り出して接地電極とする方法である。
【0028】例えば、図2に模式的に示すように、入力
側積層部2の外表面において対向する平面電極6a、6
bの一方6aを入力電極、他方6bを帰還電極とし、平
面電極6aと6bとの間に形成された電極のうちの所定
の電極7、7、・・・を共通電極として接地するように
した構成が挙げられる。尚、図中に破線で示す横長の長
方形枠は誘電材料を表しており、その長手方向における
一端部に出力電極5が形成されている。
【0029】方法(II)は、入力側積層部2の外表面
に形成される一対の平面電極のうちの一方を入力電極と
し、他方を接地電極の一部とするとともに、これらの電
極の間であって入力側積層部2の内部に形成された電極
を帰還電極として外表面に取り出す方法である。
【0030】例えば、図3に模式的に示すように、入力
側積層部2の外表面において対向する平面電極8a、8
bの一方8aを入力電極とし、平面電極8aと8bとの
間に形成された電極のうちの所定の電極9(場合によっ
ては複数の電極)を平面電極8bに接続してこれらを共
通電極として接地するとともに、平面電極8aと8bと
の間に形成された電極のうちの特定の電極8cを帰還電
極とする構成が挙げられる。尚、図中に破線で示す横長
の長方形枠は誘電材料を表しており、その長手方向にお
ける一端部に出力電極5が形成されている。
【0031】上記方法(I)によれば、外表面の電極6
bを帰還電極として利用することができるので構成が簡
単であるという利点があり、また、方法(II)によれ
ば、内部電極のうち所望の位置から帰還電極8cを取り
出すことができるという利点がある。
【0032】尚、図1乃至図3では帰還電極として一つ
の電極が用いられているが、これに限らず複数の帰還電
極を取り出したり、あるいは複数の電極を共通電極とし
て取り出して一つの帰還電極とする等、各種の形態が可
能であることは勿論である。
【0033】次に本発明に係る積層型圧電トランスにつ
いて図4に従って説明する。
【0034】積層型圧電トランス10は上記積層型圧電
素子1の構成を利用したものであり、下記に示す特徴を
具備する。
【0035】(i)長手方向における一端部に出力電極
11が形成されていること (ii)入力用の平面電極12が、出力電極11とは反
対側に位置する一端部から長手方向に沿って入力側積層
部13の外表面の所定範囲(例えば、ほぼ2分の1)を
占めていること (iii)平面電極12に対して第1の電極群(14、
14、・・・)と第2の電極群(15、15、・・・)
が平行に形成されており、第1の電極群がその側面にお
いて並列接続されていること、 (iv)第2の電極群のうちの一若しくは複数の電極が
帰還電極とされていること。
【0036】つまり、積層型圧電トランス10の製造に
あたっては、誘電材料で形成された複数のシート状部材
(セラミックシート等。)に所定の電極パターンをそれ
ぞれ印刷した後、これらを積層して加熱プレスにより一
体化して焼結、分極等を経て製品が完成するが、誘電層
と電極とが交互に形成された入力側積層部の内部電極及
び外表面に位置する電極には2種類の電極が存在し、第
1の電極群(14、14、・・・)が共通化されて接地
電極とされ、また、第2の電極群(15、15、・・
・)の一部が帰還電極とされる(図4の内部電極15を
帰還電極とする場合にはこれを積層型圧電トランス10
の側面から取り出し、また、第2の電極群に属する外表
面の電極15′を帰還電極をする場合にはこれをそのま
ま用いる。)。尚、図4中に破線で示す長方形枠は誘電
材料を表している。
【0037】上記した積層型圧電素子1や積層型圧電ト
ランス10の駆動回路については、誘導性素子と能動ス
イッチ素子(トランジスタやサイリスタ等。)とを直列
に接続するとともに、該能動スイッチ素子に対して並列
に積層型圧電素子1若しくは積層型圧電トランス10を
接続し、これらの帰還電極から得た出力に基づいて能動
スイッチ素子のスイッチング制御を行う帰還部を設けた
構成を用いると回路効率を向上させることができる。
【0038】図5は駆動回路の基本構成を示す(圧電ト
ランスを用いた場合。)ものであり、自励発振回路の構
成を有する。
【0039】駆動回路16の入力端子17、17′には
電源18が接続されるとともに、コンデンサ19が接続
されている。
【0040】そして、上記誘導性素子に相当するインダ
クタ20と、上記能動スイッチ素子に相当する半導体ス
イッチ素子21(図ではスイッチの記号で示す。)との
直列回路が上記コンデンサ19に対して並列に接続され
ている。
【0041】圧電トランス22は、その入力電極22a
がインダクタ20と半導体スイッチ素子21との間に接
続され、接地電極22a′が、入力端子17′と駆動回
路16の出力端子23′とを結ぶラインに接続されてい
る。そして、圧電トランス22の出力電極22bが駆動
回路16の出力端子23に接続されている。尚、出力端
子23、23′から得られる交流出力(正弦波出力)
は、負荷Z(冷陰極管等。)に直接に供給されるか、又
は整流回路等の所定の回路を介して負荷Zに供給され
る。
【0042】圧電トランス22の帰還電極22cから得
られる出力は帰還部24を介して上記半導体スイッチ素
子21のオン/オフ制御用の信号として用いられる。
尚、この帰還部24については、インダクタやコンデン
サ等の受動素子を用いて構成の簡単化を図ることができ
る。例えば、3端子半導体スイッチ素子の制御端子に接
続されたインダクタと該インダクタに並列接続されたコ
ンデンサ等を含む帰還回路が挙げられる。
【0043】しかして、上記駆動回路16にあっては、
インダクタ20の誘導性成分と圧電トランス22の容量
性成分との結合による共振を利用しており、帰還部24
の出力信号に応じて半導体スイッチ素子21のスイッチ
ング制御が行われて圧電トランス22に半波正弦波が入
力され、圧電トランス22の出力として正弦波が得られ
ることになる。
【0044】そして、駆動回路16の回路効率について
は圧電トランス22の出力側の静電容量にほぼ比例する
ため、従来のように出力側電極を分割して一部を帰還電
極として用いたり、出力側積層部に帰還電極を形成する
方法に比べて高い値を得ることができる。
【0045】
【実施例】以下に、本発明に係る積層型圧電トランス及
びその駆動回路の実施例について説明する。尚、図6乃
至図11は、上記方法(I)を用いた場合の実施例を示
しており、図12及び図13は、上記方法(II)を用
いた場合の実施例を示している。
【0046】図6に示す圧電トランス25においては、
その長手方向に沿う外表面のほぼ半分の領域を占める一
対の平面電極26、27が形成されるとともに、両電極
間に電極群(28、28、28)と電極群(29、2
9)が設けられている。
【0047】平面電極26、27は、長方形における4
角の一つが切り欠かれた形状を有しており、図に斜線を
付して示す電極26が入力電極とされ、破線で示す電極
27が帰還電極とされている。
【0048】また、上記電極26、27とは切欠の位置
が異なる以外はほぼ同様の形状をした電極群(28、2
8、28)が共通化されて、圧電トランス25のうち電
極(26、27)の切欠部26a、27aに対応する角
部の側面部に形成された接地電極30に接続されている
(図の大円内参照。)。
【0049】そして、出力電極31は、圧電トランス2
5の長手方向において平面電極26から遠い方の端面に
全面に亘って形成されている。
【0050】尚、圧電トランス25は6層構造とされ、
その大きさは、長さ30mm、幅6mm、厚さ0.9m
m(一層の厚み0.15mm×6層分)である。
【0051】図7は上記圧電トランス25を仮想的に分
解した場合の一層分に相当するシート状部材32(一つ
のセラミックシートに電極パターンを形成した一層分)
の一例を示したものであり、その長手方向の表面におい
て長方形の4角の一つを切り欠いた形状の電極パターン
33が上記平面電極26、27若しくは電極群(29、
29)を構成する。尚、シート状部材32の裏面側には
電極パターンは形成されていない。
【0052】また、シート状部材32の長手方向におい
て電極パターン33から遠い方の端部に形成された電極
パターン35が上記出力電極31の一部を構成し、これ
に直交して積層方向に延びる側面において電極パターン
35から最も離れた端部に形成された電極パターン36
が上記接地電極30の一部を構成する。
【0053】圧電トランスの前駆体としてのセラミック
シートは、その原材料である高Qm(機械的品質係数)
のPZT系セラミック仮焼粉末を用いた所謂グリーンシ
ートとして形成され、その表面に銀−パラジウムペース
ト等を用いて上記電極パターン33が形成される。そし
て、これらを積層するにあたっては、図8の分解図に示
すシート状部材32、32′のように、電極パターン3
3が形成されたセラミックシート及び電極パターン33
とは切欠の位置を異にする電極パターン34が形成され
たセラミックシートを交互に重ね合せて、加熱プレスに
よる一体化及び焼成を行い、その後に、外部電極(接地
電極や出力電極、帰還電極等)を印刷して分極、エージ
ング等の工程を経て製品が完成する。
【0054】図9は接地電極を側面の所定位置に形成し
た圧電トランス37を示すものであり、その長手方向に
沿う外表面のほぼ半分の領域を占める一対の平面電極3
8、39が形成されるとともに、両電極間に電極群(4
0、40、40)と電極群(41、41)が設けられて
いる。
【0055】平面電極38、39は、長方形の長辺にお
ける中程の部分を一部切り欠くことによってそれぞれ窪
み38a、39aを有するほぼ凹字形状をしており、図
に斜線を付して示す電極38が入力電極とされ、破線で
示す電極39が帰還電極とされている。
【0056】また、上記電極38、39とは窪みの位置
が異なる以外はほぼ同様の形状をした電極群40、4
0、40が共通化されて、圧電トランス37の側面のう
ち電極38、39の窪み38a、39aに対応する位置
に形成された接地電極42に接続されている(図の大円
内参照。)。
【0057】そして、出力電極43は、圧電トランスの
長手方向において平面電極38、39から遠い方の端面
に全面に亘って形成されている。
【0058】図10は上記圧電トランス37を仮想的に
分解した場合の一層分に相当するシート状部材44(一
つのセラミックシートに電極パターンを形成した一層
分)の一例を示したものであり、その長手方向の表面に
おいてほぼ凹字状をした電極パターン45が上記平面電
極38、39若しくは電極群(41、41)を構成す
る。尚、シート状部材44の裏面側には電極パターンは
形成されていない。
【0059】また、シート状部材44の長手方向におい
て電極パターン45から遠い方の端部に形成された電極
パターン47が上記出力電極43の一部を構成し、これ
に直交して積層方向に延びる側面において電極パターン
45の窪み45aに対応する位置に形成された電極パタ
ーン48が上記接地電極42の一部を構成する。
【0060】上記圧電トランス37の積層形成にあたっ
ては、図11の分解図に示すシート状部材44、44′
のように、電極パターン45が形成されたセラミックシ
ートと、電極パターン45とは窪みの位置を異にする電
極パターン46(その窪み46aが電極パターン48と
は反対の方向を向いている。)が形成されたセラミック
シートとを交互に重ね合せて、加熱プレスによる一体化
及び焼成を行い、その後に、外部電極の印刷、分極、エ
ージング等の工程を経て製品が完成する。
【0061】図12は内部電極を帰還電極として取り出
した構成を示すものであり、この圧電トランス49にお
いては、その平面電極50の横幅(長手方向に直交する
方向の幅)が上記した積層型圧電トランス25の平面電
極26の横幅に比べてやや小さくされている。そして、
内部電極の一つ51が圧電トランスの積層方向に対して
平行な側面52(出力電極53の形成面を除く。)に形
成された外部電極54に接続されて帰還電極とされてお
り、また、内部電極のうちの所定のものが、出力電極5
3の形成面に対向する側面及び上記側面52に亘って形
成された接地電極55に接続されている。
【0062】また、図13に示す圧電トランス56のよ
うに、ある内部電極57に突部57aを形成して、これ
を外部電極54に接続して帰還電極とする構成を挙げる
ことができる。
【0063】尚、図12や図13では接地電極55に接
続される内部電極群の図示を省略することによって理解
の容易化を図っている。
【0064】図14は自励式圧電トランス駆動回路の構
成例を示すものである。この回路58は、圧電トランス
PZTを含む直流−交流変換回路(インバーター回路)
を構成しており、その出力は冷陰極管59(例えば、液
晶式表示装置等におけるバックライト用蛍光管や、オゾ
ン発生管等。)に送出される。
【0065】直流電源60からの電源電圧が供給される
入力端子61、61′には、コンデンサ62が接続され
ている。尚、入力端子61がプラスライン63に接続さ
れ、入力端子61′がグランドライン63′に接続され
ている。
【0066】上記半導体スイッチ素子21に相当するエ
ミッタ接地のNPNトランジスタ64は、そのコレクタ
がインダクタ65を介してプラスライン63に接続さ
れ、そのエミッタがグランドライン63′に接続されて
いる。そして、トランジスタ64のベースとプラスライ
ン63との間には抵抗66が介挿されるとともに、トラ
ンジスタ64のベースとグランドライン63′との間に
は互いに対向状態のダイオード67及びツェナーダイオ
ード68が介挿されている。つまり、ダイオード67の
アノードがトランジスタ64のベースに接続され、該ダ
イオード67のカソードがツェナーダイオード68のカ
ソードに接続されており、ツェナーダイオード68のア
ノードがグランドライン63′に接続されている。尚、
ツェナーダイオード68はトランジスタ64のベースバ
イアスの一定化のために設けられている。
【0067】圧電トランスPZTの入力電極はトランジ
スタ64のコレクタに接続され、その接地電極がグラン
ドライン63′に接続されている。また、圧電トランス
PZTの帰還電極はインダクタ69を介してトランジス
タ64のベースに接続されるとともに、該インダクタ6
5に対して並列に設けられたコンデンサ70を介してグ
ランドライン63′に接続されている。そして、圧電ト
ランスPZTの出力電極は駆動回路の出力端子71、7
1′の一方71に接続され、これらの出力端子に冷陰極
管59が接続されている。
【0068】上記回路58にあってはインダクタ65の
誘導性成分と圧電トランスPZTの容量性成分との共振
を利用しており、圧電トランスPZTの帰還電極からの
電圧がインダクタ69を介してトランジスタ64のベー
スに帰還されることで発振し、圧電トランスPZTには
半波正弦波が入力され、圧電トランスPZTの出力する
正弦波が出力端子71、71′から冷陰極管に送出され
る。
【0069】しかして、本回路によれば、インダクタ6
9やコンデンサ70を含む帰還部の構成が簡単になり、
また、自励発振の安定性及び回路効率について、従来の
構成に比して良好であるこという結果が得られた。例え
ば、出力側に帰還電極を有する従来の圧電トランスの駆
動回路では、圧電トランスの出力側に帰還電極を形成し
ているため、圧電トランスの出力容量(静電容量)が減
少し、よって回路効率が70%程度に止まってしまうに
対して、本実施例では80%程度の回路効率を得ること
ができた。
【0070】尚、回路基板の大きさは、圧電トランスの
配置スペースに対して、少数の回路素子の取付スペース
を付加した大きさで済み、特に基板の長手方向のサイズ
を小さくすることができるので、背の低い素子を用いて
部品実装後の基板厚を数mm以内に抑えることで薄形化
が可能である。
【0071】
【発明の効果】以上に記載したところから明らかなよう
に、請求項1に係る発明によれば、帰還電極を入力側積
層部の電極からとっているため、出力容量(静電容量)
の低下を伴うことがなく、よって高効率化を図ることが
できる。
【0072】請求項2に係る発明によれば、帰還電極を
入力側積層部、つまり、出力電極とは反対側に位置する
積層部の電極群からとっているため、出力容量の低下を
伴うことがなく、よって高効率化を図ることができると
ともに、電磁式巻線トランスを用いることなく高い昇圧
比を得ることができる。
【0073】請求項3や請求項4に係る発明によれば、
帰還電極から得た出力に基づいて帰還部により能動スイ
ッチ素子のスイッチング制御を行う自励発振回路を構成
することで、周波数制御回路等の発振制御のための回路
が不要となり、回路構成の簡単化及び回路の高効率化を
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層型圧電素子の基本構成を概略
的に示す図である。
【図2】外表面の形成電極を帰還電極として用いる構成
を示す模式図である。
【図3】内部電極を帰還電極として用いる構成を示す模
式図である。
【図4】本発明に係る積層型圧電トランスの基本構成を
示す模式図である。
【図5】本発明に係る駆動回路の基本構成を示す図であ
る。
【図6】図7及び図8とともに、本発明積層型圧電トラ
ンスの実施例を示す図であり、本図は外表面の形成電極
を帰還電極とする構成例を示す斜視図である。
【図7】図6の積層型圧電トランスについての一層分の
構成例を示す図である。
【図8】図6の積層型圧電トランスの分解斜視図であ
る。
【図9】図10及び図11とともに、本発明積層型圧電
トランスの実施例を示す図であり、本図は外表面の形成
電極を帰還電極とする構成の別例を示す斜視図である。
【図10】図9の積層型圧電トランスについての一層分
の構成例を示す図である。
【図11】図9の積層型圧電トランスの分解斜視図であ
る。
【図12】内部電極を帰還電極とする構成例を示す斜視
図である。
【図13】内部電極を帰還電極とする構成の別例を示す
斜視図である。
【図14】自励式圧電トランス駆動回路の構成例を示す
回路図である。
【図15】従来の回路構成例を示す図である。
【図16】従来の積層型圧電トランスの構成例を概略的
に示す斜視図である。
【図17】帰還電極を有する従来の積層型圧電トランス
の構成例を概略的に示す斜視図である。
【図18】帰還電極を有する従来の積層型圧電トランス
の別例を概略的に示す斜視図である。
【符号の説明】
1…積層型圧電素子、2…入力側積層部、3…平面電
極、4、6b、8c…帰還電極、10…積層型圧電トラ
ンス、11…出力電極、12…平面電極、13…入力側
積層部、14…第1の電極群、15、15′…第2の電
極群、16…駆動回路、20…誘導性素子、21…能動
スイッチ素子、22…積層型圧電トランス、22c…帰
還電極、24…帰還部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電材料を用いて形成される複数の基板
    に対してそれぞれの表面の所定領域に電極パターンを形
    成してこれらを積層後に焼成することによって誘電層と
    電極とが交互に形成された入力側積層部を有する積層型
    圧電素子において、 長手方向に沿う外表面に入力用の平面電極を有し、上記
    入力側積層部のうち平面電極に対して平行に形成された
    一層若しくは複数層の電極を帰還電極としたことを特徴
    とする積層型圧電素子。
  2. 【請求項2】 誘電材料を用いて形成される複数の基板
    に対してそれぞれの表面の所定領域に電極パターンを形
    成してこれらを積層後に焼成することによって誘電層と
    電極とが交互に形成された入力側積層部を有する積層型
    圧電トランスにおいて、 (イ)長手方向における一端部に出力電極が形成されて
    いること、 (ロ)入力用の平面電極が、(イ)の出力電極とは反対
    側に位置する一端部から長手方向に沿って上記入力側積
    層部の外表面の所定範囲を占めていること、 (ハ)(ロ)の平面電極に対して第1及び第2の電極群
    が平行に形成されており、第1の電極群がその側面にお
    いて並列接続されていること、 (ニ)(ハ)の第2の電極群のうちの一若しくは複数の
    電極が帰還電極とされていること、 を特徴とする積層型圧電トランス。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載した積層型圧電素子の駆
    動回路において、 誘導性素子と能動スイッチ素子とを直列に接続するとと
    もに、該能動スイッチ素子に対して並列に積層型圧電素
    子を接続し、 積層型圧電素子の帰還電極から得た出力に基づいて能動
    スイッチ素子のスイッチング制御を行う帰還部を設けた
    ことを特徴とする積層型圧電素子の駆動回路。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載した積層型圧電トランス
    の駆動回路において、 誘導性素子と能動スイッチ素子とを直列に接続するとと
    もに、該能動スイッチ素子に対して並列に積層型圧電ト
    ランスを接続し、 積層型圧電トランスの帰還電極から得た出力に基づいて
    能動スイッチ素子のスイッチング制御を行う帰還部を設
    けたことを特徴とする積層型圧電トランスの駆動回路。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001275343A (ja) * 1999-06-07 2001-10-05 Matsushita Electric Ind Co Ltd 圧電トランス、圧電トランスの駆動回路、圧電トランスの駆動方法及び、圧電トランスを用いた冷陰極管駆動装置
US7200566B1 (en) 2000-01-11 2007-04-03 International Business Machines Corporation Method and system for local wireless commerce
JP2009094223A (ja) * 2007-10-05 2009-04-30 Tamura Seisakusho Co Ltd 圧電トランス

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