JP3577225B2 - 積層型圧電トランス - Google Patents
積層型圧電トランス Download PDFInfo
- Publication number
- JP3577225B2 JP3577225B2 JP28785098A JP28785098A JP3577225B2 JP 3577225 B2 JP3577225 B2 JP 3577225B2 JP 28785098 A JP28785098 A JP 28785098A JP 28785098 A JP28785098 A JP 28785098A JP 3577225 B2 JP3577225 B2 JP 3577225B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- voltage
- piezoelectric
- electrode
- feedback
- piezoelectric transformer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
- 239000003990 capacitor Substances 0.000 claims description 29
- 238000010030 laminating Methods 0.000 claims description 5
- 230000005284 excitation Effects 0.000 claims description 2
- 230000010355 oscillation Effects 0.000 description 10
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 5
- 230000010287 polarization Effects 0.000 description 5
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 3
- 230000005674 electromagnetic induction Effects 0.000 description 3
- RTAQQCXQSZGOHL-UHFFFAOYSA-N Titanium Chemical compound [Ti] RTAQQCXQSZGOHL-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 238000003475 lamination Methods 0.000 description 1
- WABPQHHGFIMREM-UHFFFAOYSA-N lead(0) Chemical compound [Pb] WABPQHHGFIMREM-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229910052573 porcelain Inorganic materials 0.000 description 1
- 238000007650 screen-printing Methods 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Dc-Dc Converters (AREA)
- Inverter Devices (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電層を積層してなる積層型圧電トランスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複数の矩形板状の圧電層を積層してなり、圧電層の厚み方向に電極を印加して圧電縦効果により歪を発生させ、これにともなう面方向の歪により、電圧を励起し、この電圧を出力電極から二次電圧として取り出すようにした積層型圧電トランスは、特開平8−78750号等種々提案されている。
【0003】
このものは、通常のトランスと異なり、コイルが不要であるため、構造が単純となり、取扱いが容易で、小型化が可能となるため、携帯用情報機器等の電子部品として好適である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かかる構成にあって、発振回路からスイッチング回路,駆動回路を介して生成された交流電圧が、積層型圧電トランスの圧電層の対向電極に印加される(図4参照)。そして、二次側の出力電極から高電圧が取り出されると共に、該出力電極が帰還用コンデンサを介して発振回路側へ出力され、正帰還されて、この信号の周波数で、発振回路は自励発振することとなる。
【0005】
ところで、この帰還用コンデンサの条件として、積層型圧電トランスの出力電圧は、数十KVの高圧であるため、耐圧性を要すると共に、帰還電流は低く押えなければならないから、その容量は数PFでなければならない。このため、帰還用コンデンサを小型化することが困難であった。
【0006】
また、帰還用コンデンサに至る高圧側の帰還回路の配線に耐圧性を確保するため、コストがかかり、かつショート等のトラブルを生じ易い。
【0007】
さらには、高圧側の帰還回路の配線により発生する浮遊容量により、コンデンサの効率が悪くなったり、該配線の電磁誘導が原因となって、ノイズが発生する等、高圧側の配線によって種々の問題がもたらされている。
本発明は、かかる従来構成の帰還用コンデンサにより発生する問題点を解決することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、部分領域の表裏面に交流電源が接続される対向電極を形成してなる圧電層を複数積層して、該部分領域の積層により振動部を形成し、該振動部と離間する端部に、振動部による励振によって昇圧せしめた電圧を発生する出力電極を形成してなる積層型圧電トランスにおいて、
いずれかの圧電層の表裏面に、一対の帰還用コンデンサ電極を対向状に形成して、一方の電極を圧電層の表面にて出力電極と接続し、他方の電極を、トランス外面に形成した帰還端子と接続したことを特徴とする積層型圧電トランスである。
【0009】
かかる構成にあって、圧電層の表裏に帰還用コンデンサ電極を形成して、圧電層の表面で出力電極と接続したから、該圧電層を介して帰還用コンデンサ電極が対峙することにより、二次側の高電圧を発生する出力電極と接続された帰還用コンデンサが積層型圧電トランスに設けられることとなる。また、この積層型圧電トランスは帰還端子を介して、発振回路側等に接続されることとなる。このため、外付の帰還用コンデンサ電極が不要となり、これに伴って、高圧側の帰還回路の配線も不要となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1〜3に従って、本発明の一実施例に係る積層型圧電トランス1の構成を説明する。
この積層型圧電トランス1は、チタン酸ジルコン酸系磁器等の圧電性を有する長方形状の11枚の圧電層2a〜2j,3を積層してなるものであり、これを積層後焼結することにより構成される。ここで、圧電層3はカバー板となるものであり、導電層を非露出状として保護し、昇圧作用に寄与しない。この圧電トランス1は、その全体形状を、例えば長さ48mm,幅7mm ,厚さ0.9mm (設計例)としている。
【0011】
圧電層2a〜2jの上面には、導電パターン4がスクリーン印刷等の手段により形成される。
【0012】
ここで、各圧電層2a〜2jの片側の部分領域には、対向電極5,7が形成される。すなわち、圧電層2a,2c,2e,2g,2iには、電極5が形成され、夫々図中左側縁に接続縁部6を延出している。また、圧電層2b,2d,2f,2h,2jには、電極7が形成され、夫々図中右側部に接続縁部8を延出している。これにより、電極5と電極7とは各圧電層2a〜2jを介して交互に配設され、積層型圧電トランス1の左側面で接続縁部6が厚み方向で接続されて入力端子10が形成され、右側面で接続縁部8が厚み方向で接続されて入力端子11が形成される。この両側面の入力端子10,11は、図3で示すように、振動のノード位置に設定される。
【0013】
一方、対向電極5,7は、各圧電層2a〜2jの角縁に形成された分極端子4a,4bにも接続される。そして、その積層状態で、図2で示すように、各分極端子4a,4bは上下に連続し、分極端子4aを正電極とし、分極端子4bを負電極として、直流電圧が印加され、各圧電層2a〜2jの部分領域は厚さ方向に分極が施される。而して、かかる電極5,7が形成された積層型圧電トランス1の部分領域が振動部13となる。尚、上述の様に、分極後には、入力端子10,11に駆動電圧が印加されることとなる。
【0014】
次に各圧電層2a〜2jの他側端縁には出力端子17が形成される。この出力端子17は、端面に沿って、帯状延成部16が連成され、各圧電層2a〜2jの積層により、帯状延成部16を面接触させ、その相互の電気的接続を確保するようにしている。またこの帯状延成部16は、図中左側で、振動のノード位置にまで延出して、積層型圧電トランス1の左側面に形成された出力端子17に接続される。
【0015】
次に本発明の要部につき説明する。
前記圧電層2aの上面には、その出力端子17の帯状延成部16と電路18により接続されたコンデンサ電極21aが形成され、さらに、圧電層2cの上面の同一位置にコンデンサ電極21bを形成し、これにより、圧電層2a,2bの肉厚を介してコンデンサ電極21a,コンデンサ電極21bを対峙し、帰還用コンデンサ20を構成するようにしている。
【0016】
このコンデンサ電極21bは圧電層2cの側縁に延出して、積層型圧電トランス1の図中右側面に露出して、これをトランス外面に露出する帰還端子22としている。この帰還端子22は、出力端子17と左右対称位置とし、この端子17,22を夫々図3で示すように、振動のノード位置となるようにしている。
【0017】
このように、積層型圧電トランス1の両側面には、その中心から長尺方向で1/4λの両側位置で、一側に入力端子10,11が対向状に配置され、他側に出力端子17と帰還端子22とが対向状に配置されて、ノード位置となっており、このため、各端子にリード線を接続した場合にあっても、ノード位置での接続となって、該位置に負荷がかかっても、積層型圧電トランス1の長手方向に沿った振動を阻害しない。
【0018】
図6は上記実施例に係る積層型圧電トランス1の入力電圧と、出力電圧との関係を示したグラフである。このグラフから、入出力比は50倍程度であり、高電圧を出力し得ることが理解される。
【0019】
かかる構成の積層型圧電トランス1は、図4又は図5の回路に適用されることとなる。
すなわち、図4にあって、入力端子10には、発振回路30,スイッチング回路31及び駆動回路32を介して、交番電圧が印加される。また、入力端子11はアース接続され、出力端子17には負荷33が接続される。さらに、帰還用コンデンサ20の帰還端子22には、発振回路30が抵抗34を介して接続される。
【0020】
これにより入力端子10側に交流電圧が印加されると、各圧電層2a〜2jの電極5,7間が、圧電縦効果により厚み方向に歪み、これにともない、各圧電層2a〜2jが長さ方向への歪を生じ、これにより、圧電横効果により入力端子11と出力端子17間に電位差を生じて、数十KVの高電圧が該出力端子17から出力され、負荷33に印加されることとなる。この高電圧は、出力端子17と接続されている帰還用コンデンサ20にも印加される。これにより、帰還電圧が発振回路30に印加されて正帰還され、この信号の周波数で、発振回路は自励発振することとなる。
【0021】
一方、図5にあっては、駆動回路32に対して、パルス電源回路35と発振回路30とが並列となり、かつパルス電源回路35に整流回路36が接続され、帰還電圧が該整流回路36に印加されるようにしている。そしてかかる機構により、読取られた帰還電圧に基づき、その電圧が最大となるように、入力電圧の周波数調整がなされることとなり、最適な一次側交流電圧が駆動回路から入力端子10に印加される。また、読み取られた帰還電圧に基づき、その電圧が一定値以上となるように、入力電圧の電圧調整がなされることにより、所望の安定電圧を出力端子から得ることができる。
【0022】
このように本発明は、帰還用コンデンサ20を、適宜の圧電層2a〜2jに対向状にコンデンサ電極21a,コンデンサ電極21bを形成することにより構成し、発振回路30又は、整流回路36側に帰還させるようにしたものである。このため、外付けの帰還用コンデンサが不要となり、従来のように、耐圧性のある帰還用コンデンサを適用する必要がなく、部品点数が少なくなり、かつ回路設計が容易となる。また、高圧側の配線を要しないから、該配線によってもたらされる高コスト化を回避でき、かつ該配線から発生する浮遊容量が問題とならず、かつ配線の電磁誘導によるノイズの発生も考慮する必要はない。従って安定したトランス特性を備える。このため小型で、特性が優れるため、携帯用情報機器等の電子部品として好適である。
【0023】
【発明の効果】
本発明の積層型圧電トランスは、部分領域の表裏面に交流電源が接続される対向電極を形成して圧電層を積層し、該部分領域の積層により振動部を形成し、端部に振動部による励振によって昇圧せしめた電圧を発生する出力電極を形成すると共に、いずれかの圧電層の表裏面に、一対の帰還用コンデンサ電極を対向状に形成して、帰還用コンデンサを構成するようにしたものである。このため、外付の帰還用コンデンサ電極が不要となり、高圧側の帰還回路の配線も不要となり、従来のように、耐圧性のある帰還用コンデンサを適用する必要がなく、部品点数が少なくなり、かつ回路設計が容易となる。また、高圧側の配線を要しないから、該配線によってもたらされる高コスト化を回避でき、かつ該配線から発生する浮遊容量が問題とならず、かつ配線の電磁誘導によるノイズの発生も考慮する必要はない。このため小型で、特性が優れるため、携帯用情報機器等の電子部品として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】積層型圧電トランス1の斜視図である。
【図2】各圧電層2a〜2jを分離して示す、積層型圧電トランス1の分解斜視図である。
【図3】積層型圧電トランス1の各端子位置を示すものであり、イは平面図,ロは側面図である。
【図4】積層型圧電トランス1を用いた回路図である。
【図5】積層型圧電トランス1を用いた他の回路図である。
【図6】入力電圧と、出力電圧との関係を示したグラフである。
【符号の説明】
1 積層型圧電トランス
2a〜2j 圧電層
5 電極
6 接続電極
7 電極
8 接続電極
10,11 入力端子
13 振動部
17 出力端子
20 帰還用コンデンサ
21a,21b コンデンサ電極
22 帰還端子
30 発振回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電層を積層してなる積層型圧電トランスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複数の矩形板状の圧電層を積層してなり、圧電層の厚み方向に電極を印加して圧電縦効果により歪を発生させ、これにともなう面方向の歪により、電圧を励起し、この電圧を出力電極から二次電圧として取り出すようにした積層型圧電トランスは、特開平8−78750号等種々提案されている。
【0003】
このものは、通常のトランスと異なり、コイルが不要であるため、構造が単純となり、取扱いが容易で、小型化が可能となるため、携帯用情報機器等の電子部品として好適である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かかる構成にあって、発振回路からスイッチング回路,駆動回路を介して生成された交流電圧が、積層型圧電トランスの圧電層の対向電極に印加される(図4参照)。そして、二次側の出力電極から高電圧が取り出されると共に、該出力電極が帰還用コンデンサを介して発振回路側へ出力され、正帰還されて、この信号の周波数で、発振回路は自励発振することとなる。
【0005】
ところで、この帰還用コンデンサの条件として、積層型圧電トランスの出力電圧は、数十KVの高圧であるため、耐圧性を要すると共に、帰還電流は低く押えなければならないから、その容量は数PFでなければならない。このため、帰還用コンデンサを小型化することが困難であった。
【0006】
また、帰還用コンデンサに至る高圧側の帰還回路の配線に耐圧性を確保するため、コストがかかり、かつショート等のトラブルを生じ易い。
【0007】
さらには、高圧側の帰還回路の配線により発生する浮遊容量により、コンデンサの効率が悪くなったり、該配線の電磁誘導が原因となって、ノイズが発生する等、高圧側の配線によって種々の問題がもたらされている。
本発明は、かかる従来構成の帰還用コンデンサにより発生する問題点を解決することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、部分領域の表裏面に交流電源が接続される対向電極を形成してなる圧電層を複数積層して、該部分領域の積層により振動部を形成し、該振動部と離間する端部に、振動部による励振によって昇圧せしめた電圧を発生する出力電極を形成してなる積層型圧電トランスにおいて、
いずれかの圧電層の表裏面に、一対の帰還用コンデンサ電極を対向状に形成して、一方の電極を圧電層の表面にて出力電極と接続し、他方の電極を、トランス外面に形成した帰還端子と接続したことを特徴とする積層型圧電トランスである。
【0009】
かかる構成にあって、圧電層の表裏に帰還用コンデンサ電極を形成して、圧電層の表面で出力電極と接続したから、該圧電層を介して帰還用コンデンサ電極が対峙することにより、二次側の高電圧を発生する出力電極と接続された帰還用コンデンサが積層型圧電トランスに設けられることとなる。また、この積層型圧電トランスは帰還端子を介して、発振回路側等に接続されることとなる。このため、外付の帰還用コンデンサ電極が不要となり、これに伴って、高圧側の帰還回路の配線も不要となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1〜3に従って、本発明の一実施例に係る積層型圧電トランス1の構成を説明する。
この積層型圧電トランス1は、チタン酸ジルコン酸系磁器等の圧電性を有する長方形状の11枚の圧電層2a〜2j,3を積層してなるものであり、これを積層後焼結することにより構成される。ここで、圧電層3はカバー板となるものであり、導電層を非露出状として保護し、昇圧作用に寄与しない。この圧電トランス1は、その全体形状を、例えば長さ48mm,幅7mm ,厚さ0.9mm (設計例)としている。
【0011】
圧電層2a〜2jの上面には、導電パターン4がスクリーン印刷等の手段により形成される。
【0012】
ここで、各圧電層2a〜2jの片側の部分領域には、対向電極5,7が形成される。すなわち、圧電層2a,2c,2e,2g,2iには、電極5が形成され、夫々図中左側縁に接続縁部6を延出している。また、圧電層2b,2d,2f,2h,2jには、電極7が形成され、夫々図中右側部に接続縁部8を延出している。これにより、電極5と電極7とは各圧電層2a〜2jを介して交互に配設され、積層型圧電トランス1の左側面で接続縁部6が厚み方向で接続されて入力端子10が形成され、右側面で接続縁部8が厚み方向で接続されて入力端子11が形成される。この両側面の入力端子10,11は、図3で示すように、振動のノード位置に設定される。
【0013】
一方、対向電極5,7は、各圧電層2a〜2jの角縁に形成された分極端子4a,4bにも接続される。そして、その積層状態で、図2で示すように、各分極端子4a,4bは上下に連続し、分極端子4aを正電極とし、分極端子4bを負電極として、直流電圧が印加され、各圧電層2a〜2jの部分領域は厚さ方向に分極が施される。而して、かかる電極5,7が形成された積層型圧電トランス1の部分領域が振動部13となる。尚、上述の様に、分極後には、入力端子10,11に駆動電圧が印加されることとなる。
【0014】
次に各圧電層2a〜2jの他側端縁には出力端子17が形成される。この出力端子17は、端面に沿って、帯状延成部16が連成され、各圧電層2a〜2jの積層により、帯状延成部16を面接触させ、その相互の電気的接続を確保するようにしている。またこの帯状延成部16は、図中左側で、振動のノード位置にまで延出して、積層型圧電トランス1の左側面に形成された出力端子17に接続される。
【0015】
次に本発明の要部につき説明する。
前記圧電層2aの上面には、その出力端子17の帯状延成部16と電路18により接続されたコンデンサ電極21aが形成され、さらに、圧電層2cの上面の同一位置にコンデンサ電極21bを形成し、これにより、圧電層2a,2bの肉厚を介してコンデンサ電極21a,コンデンサ電極21bを対峙し、帰還用コンデンサ20を構成するようにしている。
【0016】
このコンデンサ電極21bは圧電層2cの側縁に延出して、積層型圧電トランス1の図中右側面に露出して、これをトランス外面に露出する帰還端子22としている。この帰還端子22は、出力端子17と左右対称位置とし、この端子17,22を夫々図3で示すように、振動のノード位置となるようにしている。
【0017】
このように、積層型圧電トランス1の両側面には、その中心から長尺方向で1/4λの両側位置で、一側に入力端子10,11が対向状に配置され、他側に出力端子17と帰還端子22とが対向状に配置されて、ノード位置となっており、このため、各端子にリード線を接続した場合にあっても、ノード位置での接続となって、該位置に負荷がかかっても、積層型圧電トランス1の長手方向に沿った振動を阻害しない。
【0018】
図6は上記実施例に係る積層型圧電トランス1の入力電圧と、出力電圧との関係を示したグラフである。このグラフから、入出力比は50倍程度であり、高電圧を出力し得ることが理解される。
【0019】
かかる構成の積層型圧電トランス1は、図4又は図5の回路に適用されることとなる。
すなわち、図4にあって、入力端子10には、発振回路30,スイッチング回路31及び駆動回路32を介して、交番電圧が印加される。また、入力端子11はアース接続され、出力端子17には負荷33が接続される。さらに、帰還用コンデンサ20の帰還端子22には、発振回路30が抵抗34を介して接続される。
【0020】
これにより入力端子10側に交流電圧が印加されると、各圧電層2a〜2jの電極5,7間が、圧電縦効果により厚み方向に歪み、これにともない、各圧電層2a〜2jが長さ方向への歪を生じ、これにより、圧電横効果により入力端子11と出力端子17間に電位差を生じて、数十KVの高電圧が該出力端子17から出力され、負荷33に印加されることとなる。この高電圧は、出力端子17と接続されている帰還用コンデンサ20にも印加される。これにより、帰還電圧が発振回路30に印加されて正帰還され、この信号の周波数で、発振回路は自励発振することとなる。
【0021】
一方、図5にあっては、駆動回路32に対して、パルス電源回路35と発振回路30とが並列となり、かつパルス電源回路35に整流回路36が接続され、帰還電圧が該整流回路36に印加されるようにしている。そしてかかる機構により、読取られた帰還電圧に基づき、その電圧が最大となるように、入力電圧の周波数調整がなされることとなり、最適な一次側交流電圧が駆動回路から入力端子10に印加される。また、読み取られた帰還電圧に基づき、その電圧が一定値以上となるように、入力電圧の電圧調整がなされることにより、所望の安定電圧を出力端子から得ることができる。
【0022】
このように本発明は、帰還用コンデンサ20を、適宜の圧電層2a〜2jに対向状にコンデンサ電極21a,コンデンサ電極21bを形成することにより構成し、発振回路30又は、整流回路36側に帰還させるようにしたものである。このため、外付けの帰還用コンデンサが不要となり、従来のように、耐圧性のある帰還用コンデンサを適用する必要がなく、部品点数が少なくなり、かつ回路設計が容易となる。また、高圧側の配線を要しないから、該配線によってもたらされる高コスト化を回避でき、かつ該配線から発生する浮遊容量が問題とならず、かつ配線の電磁誘導によるノイズの発生も考慮する必要はない。従って安定したトランス特性を備える。このため小型で、特性が優れるため、携帯用情報機器等の電子部品として好適である。
【0023】
【発明の効果】
本発明の積層型圧電トランスは、部分領域の表裏面に交流電源が接続される対向電極を形成して圧電層を積層し、該部分領域の積層により振動部を形成し、端部に振動部による励振によって昇圧せしめた電圧を発生する出力電極を形成すると共に、いずれかの圧電層の表裏面に、一対の帰還用コンデンサ電極を対向状に形成して、帰還用コンデンサを構成するようにしたものである。このため、外付の帰還用コンデンサ電極が不要となり、高圧側の帰還回路の配線も不要となり、従来のように、耐圧性のある帰還用コンデンサを適用する必要がなく、部品点数が少なくなり、かつ回路設計が容易となる。また、高圧側の配線を要しないから、該配線によってもたらされる高コスト化を回避でき、かつ該配線から発生する浮遊容量が問題とならず、かつ配線の電磁誘導によるノイズの発生も考慮する必要はない。このため小型で、特性が優れるため、携帯用情報機器等の電子部品として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】積層型圧電トランス1の斜視図である。
【図2】各圧電層2a〜2jを分離して示す、積層型圧電トランス1の分解斜視図である。
【図3】積層型圧電トランス1の各端子位置を示すものであり、イは平面図,ロは側面図である。
【図4】積層型圧電トランス1を用いた回路図である。
【図5】積層型圧電トランス1を用いた他の回路図である。
【図6】入力電圧と、出力電圧との関係を示したグラフである。
【符号の説明】
1 積層型圧電トランス
2a〜2j 圧電層
5 電極
6 接続電極
7 電極
8 接続電極
10,11 入力端子
13 振動部
17 出力端子
20 帰還用コンデンサ
21a,21b コンデンサ電極
22 帰還端子
30 発振回路
Claims (1)
- 部分領域の表裏面に交流電源が接続される対向電極を形成してなる圧電層を複数積層して、該部分領域の積層により振動部を形成し、該振動部と離間する端部に、振動部による励振によって昇圧せしめた電圧を発生する出力電極を形成してなる積層型圧電トランスにおいて、
いずれかの圧電層の表裏面に、一対の帰還用コンデンサ電極を対向状に形成して、一方の電極を圧電層の表面にて出力電極と接続し、他方の電極を、トランス外面に形成した帰還端子と接続したことを特徴とする積層型圧電トランス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28785098A JP3577225B2 (ja) | 1998-10-09 | 1998-10-09 | 積層型圧電トランス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28785098A JP3577225B2 (ja) | 1998-10-09 | 1998-10-09 | 積層型圧電トランス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000114614A JP2000114614A (ja) | 2000-04-21 |
JP3577225B2 true JP3577225B2 (ja) | 2004-10-13 |
Family
ID=17722600
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28785098A Expired - Fee Related JP3577225B2 (ja) | 1998-10-09 | 1998-10-09 | 積層型圧電トランス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3577225B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102005047368A1 (de) * | 2005-10-04 | 2007-04-05 | Epcos Ag | Piezoelektrischer Transformator und Verfahren zu dessen Herstellung |
JP5650365B2 (ja) * | 2007-10-05 | 2015-01-07 | 株式会社タムラ製作所 | 圧電トランス |
-
1998
- 1998-10-09 JP JP28785098A patent/JP3577225B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000114614A (ja) | 2000-04-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2730378B2 (ja) | 圧電トランスおよびその駆動方法 | |
US5278471A (en) | Piezoelectric ceramic transformer | |
JP2009510791A (ja) | 圧電式の変圧器 | |
US5818150A (en) | Four-terminal piezoelectric ceramic transformer | |
JP3577225B2 (ja) | 積層型圧電トランス | |
JPH07176804A (ja) | 圧電磁器トランスとその駆動方法 | |
JP3060666B2 (ja) | 厚み縦振動圧電磁器トランスとその駆動方法 | |
US5811913A (en) | Piezoelectric transformer having four-terminal structure | |
KR100224139B1 (ko) | 압전 트랜스 | |
JP2940282B2 (ja) | 厚み縦振動圧電磁器トランス及びその駆動方法 | |
JP2998717B2 (ja) | 圧電トランスおよびその駆動方法 | |
JPH114026A (ja) | 積層型圧電トランス | |
JP3659309B2 (ja) | 圧電トランス | |
JP2003124059A (ja) | コンデンサ及び電源装置 | |
JP3031283B2 (ja) | 対称積層型圧電セラミックトランス | |
JP3008255B2 (ja) | 圧電トランス | |
JP3709114B2 (ja) | 圧電トランス | |
JP4066393B2 (ja) | 圧電トランス | |
JPH05235434A (ja) | 厚み縦振動圧電磁器トランス及びその駆動方法 | |
JP2003008098A (ja) | 積層型圧電トランス | |
JP3705557B2 (ja) | 圧電トランス及び圧電トランス電源 | |
JP2001135875A (ja) | 圧電トランス | |
JP2002017094A (ja) | 超音波モータ駆動装置 | |
JP4094299B2 (ja) | 圧電トランス | |
JPS639673B2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040331 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040609 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040709 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |