JP4312654B2 - 冷陰極管点灯装置 - Google Patents
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Description
高周波発振回路100は直流電源DCからの直流電圧を高周波数の交流電圧に変換し、昇圧トランスTの一次巻線L1に対し印加する。昇圧トランスTは一次電圧より極めて高い電圧を二次巻線L2の両端に発生させる。その高い二次電圧Vはインピーダンス整合部200を通して冷陰極管FLの両端に対し印加される。インピーダンス整合部200は例えば、チョークコイルLとコンデンサCとの直列回路を含む。ここで、コンデンサCは冷陰極管FLの周辺の浮遊容量を含む。チョークコイルLのインダクタンスとコンデンサCの容量との調節により、昇圧トランスTと冷陰極管FLとの間でインピーダンスが整合する。
冷陰極管は上記の通り、負性抵抗特性を持つ。従って、複数の冷陰極管を単純に並列接続するだけではいずれか一つの冷陰極管だけに電流が集中し、結局、その一つの冷陰極管しか点灯できない。更に、複数の冷陰極管を共通の電源に接続するとき、それぞれの間の配線、特にその長さが異なる。従って、浮遊容量が冷陰極管ごとに異なる。それ故、複数の冷陰極管の並列駆動では、冷陰極管ごとに管電流を制御し、管電流のばらつきを抑制しなければならない。
少なくとも二つの導体層を含み、複数の冷陰極管それぞれの一端が実装される第二の基板と、
少なくとも二つの導体層を含み、複数の冷陰極管それぞれの他端が実装される第三の基板と、
前記二つの導体層の間の容量であり、前記冷陰極管それぞれの一端の電極及び他端の電極のうちの少なくとも一方に少なくとも一つずつ接続される複数のバラストコンデンサと、
コアと、当該コアに巻かれる一次巻線と、当該一次巻線の内側及び外側の少なくとも一方に巻かれる二次巻線とを有しかつ前記複数の冷陰極管の合成インピーダンスより低い出力インピーダンスを持つトランスを含み、第一の基板に実装され、前記バラストコンデンサを介して前記冷陰極管に電力を供給する電源とを備えた冷陰極管点灯装置において、
前記第二及び第三の基板はそれぞれ前記第一の基板とは異なる基板であり、かつ当該第二及び第三の基板の表面が前記冷陰極管の長さ方向に対してそれぞれ垂直になるように設置されたことを特徴とする。
複数の冷陰極管;及び、
それらの冷陰極管の前側に設置され、冷陰極管の発する光を所定のパターンで遮る液晶パネル;を有する。本発明による上記の冷陰極管点灯装置は、その液晶ディスプレイのバックライトである上記の複数の冷陰極管を駆動する。
本発明による上記の冷陰極管点灯装置では従来の装置での前提に反し、上記電源の出力インピーダンスが抑制される。その代わり、冷陰極管のそれぞれに一つずつ、上記バラストコンデンサが接続される。
上記バラストコンデンサの容量は好ましくは冷陰極管ごとに調節される。それにより、上記バラストコンデンサ間での容量のばらつきが複数の冷陰極管間での浮遊容量のばらつきと精度良く一致する。すなわち、上記バラストコンデンサそれぞれのインピーダンスが冷陰極管それぞれの周辺の浮遊容量の合成インピーダンスと整合する。その結果、複数の冷陰極管間では、特に設置条件の相違による漏れ電流のばらつきに関わらず、管電流が一様に維持される。すなわち、上記電源と上記バラストコンデンサそれぞれとの間の配線が長くても、更に上記バラストコンデンサごとに大きく異なっても、複数の冷陰極管間で管電流にはばらつきが生じない。従って、複数の冷陰極管間では設置条件の相違に関わらず、輝度が一様に維持される。
こうして、本発明による上記の冷陰極管点灯装置は、共通の上記電源で複数の冷陰極管を一様に点灯させ得る。
バラストコンデンサ等、他の回路素子は一般に、上記電源よりサイズが小さい。更に、バラスコンデンサは電力消費に伴う発熱が低い。従って、上記バラストコンデンサを搭載する第二及び第三の基板が、上記電源を搭載する第一の基板から分離され、冷陰極管のごく近くに設置されるとき、上記バラストコンデンサを搭載する第二及び第三の基板と冷陰極管とから成る部分が容易に薄型化できる。
例えば、冷陰極管が液晶ディスプレイのバックライトとして利用されるとき、そのディスプレイの薄型化が容易に実現する。すなわち、本発明による上記の冷陰極管点灯装置は特に、液晶ディスプレイのバックライト駆動装置としての利用に有利である。
本発明による冷陰極管点灯装置では、上記バラストコンデンサを搭載する第二及び第三の基板の表面が冷陰極管の長さ方向に対して垂直になるように設置される。それにより、第二及び第三の基板の表面と冷陰極管の表面との距離を安全な範囲内に維持したまま、冷陰極管との接続部が小型化される。更に、冷陰極管の端部が第二及び第三の基板へ容易に実装され、かつ安定に保持される。
本発明による冷陰極管点灯装置では、上記電源は、複数の冷陰極管の合成インピーダンスより低い出力インピーダンスを持つ上記トランスを有する。こうして、従来の装置での前提に反し、上記トランスの出力インピーダンスが抑えられるので、低い出力インピーダンスの上記電源が実現する。
上記トランスの出力インピーダンスの低減に効果的な手段として、当該トランスは、コアと、当該コアに巻かれる一次巻線と、当該一次巻線の内側及び外側の少なくとも一方に巻かれる二次巻線とを有する。それにより、漏れ磁束が低減するので、出力インピーダンスが抑えられる。更に、漏れ磁束による周辺機器への悪影響(例えばノイズの発生)が抑えられる。
こうして、本発明による上記の冷陰極管点灯装置では、上記バラストコンデンサの利用が装置全体の小型化に極めて効果的である。
好ましくは、前記第二及び第三の基板は、前記冷陰極管に最も近い第一の導体層と、前記冷陰極管から最も遠い第二の導体層とを含み、前記第一の導体層は前記冷陰極管の一端の各電極に接続され、前記第二の導体層は前記電源に接続される。あるいは、前記第二及び第三の基板は、前記冷陰極管に最も近い第一の導体層と、前記冷陰極管に前記第一の導体層の次に近い第二の導体層と、前記冷陰極管から最も遠い第三の導体層とを含み、前記第一及び第三の導体層は前記電源にそれぞれ接続され、前記第二の導体層は前記冷陰極管の一端の各電極に接続される。
例えば、第二及び第三の基板の外部(例えば液晶ディスプレイのケース)から遠い導体層ほど外部との間の浮遊容量が小さい。従って、第二及び第三の基板の導体層と冷陰極管の電極との上記の接続では、冷陰極管の電極電位が導体層と外部との間の浮遊容量からは影響を受けにくい。一方、上記電源の出力は負荷、特に導体層と外部との間の浮遊容量の大きさに関わらず安定である。
こうして、複数の冷陰極管間では電極電位の変化のばらつきが更に抑えられるので、管電流の一様性、すなわち輝度の一様性が更に向上する。
上記のバラストコンデンサは第二及び第三の基板の素材そのものから構成されるので、耐熱性、耐電圧性、及び難燃性がいずれも高い。
更に、第二及び第三の基板内部では各層の厚みが高精度に均一であるので、上記のバラストコンデンサは容量のばらつきが小さい。
その上、上記導体層の形状は比較的複雑なものでも容易に形成可能であり、かつ、第二及び第三の基板の層数は比較的容易に調整できる。従って、上記複数のバラストコンデンサを直列又は並列に接続させることが容易である。こうして、上記のバラストコンデンサは耐圧と容量との設定の自由度が高い。
上記のバラストコンデンサは第二及び第三の基板の導体層間の容量として形成されるので、その一つ一つは耐圧が比較的低い。そこで上記の通り、上記複数のバラストコンデンサを直列に接続することにより、全体の耐圧が十分に高められる。
冷陰極管の点灯時、その表面温度は高い。更に、冷陰極管の電極電位の振幅は大きい。従って、冷陰極管点灯装置では冷陰極管との接続部が、高温による誤動作と絶縁破壊による故障とを回避するように構成されねばならない。
本発明による上記の冷陰極管点灯装置では上記バラストコンデンサ全体が第二及び第三の基板内部に埋め込まれるので、従来の装置とは異なり、その第二及び第三の基板自体の表面と冷陰極管の表面との間隔が調節されることで、高温による誤動作と絶縁破壊による故障とが回避できる。そのとき、第二及び第三の基板は耐熱性と耐電圧性とがいずれも高いので、第二及び第三の基板の表面と冷陰極管の表面との間隔が小さくても良い。従って、本発明による上記の冷陰極管点灯装置では冷陰極管との接続部の薄型化が容易である。その接続部での薄型化の向上は特に、液晶ディスプレイのバックライト駆動装置としての利用に有利である。
《実施形態1》
図1は、本発明の実施形態1による冷陰極管点灯装置を搭載する液晶ディスプレイのバックライトの構成を示す斜視図である。図1では、ケース10がその背板を上にして描かれる。更に、ケース10の内部を示す目的で、ケース10の背板と側板との一部が取り除かれている。図2は図1に示される直線II−IIに沿った断面図である(図1に示される矢印が視線方向を示す)。
図1と図2とで示される液晶ディスプレイは、ケース10、複数の冷陰極管20、反射板30、第一の基板40、第二の基板50、第三の基板60、及び液晶パネル70を有する。本発明の実施形態1による冷陰極管点灯装置は主に三つのブロック1、2、及び3に分けられ、第一の基板40、第二の基板50、及び第三の基板60の上にそれぞれ実装される。
ケース10の前側(図1と図2とでは下側)は開いていて、内側に反射板30、冷陰極管20、及び液晶パネル70(図1では図示せず)を奥から順に収める。
冷陰極管20は複数本(例えば16本)含まれる。冷陰極管20それぞれの両端には例えばゴム製のチューブ(図示せず)が被せられる。それらのチューブはブラケット(図示せず)により支えられる。こうして、冷陰極管20はそれぞれ水平に保持され、液晶ディスプレイの縦方向では等間隔に並ぶ。
第二の基板50と第三の基板60とはそれぞれ、内部に導体層、好ましくは銅箔を含む。冷陰極管点灯装置の第二のブロック2と第三のブロック3とは主に第二の基板50と第三の基板60とのそれぞれの導体層のパターンから構成される回路であり、冷陰極管20ごとに一つずつ設けられる。第二のブロック2と第三のブロック3とはそれぞれ、冷陰極管20それぞれの両端の電極20A、20B(以下、第一の電極及び第二の電極という)に接続される。
冷陰極管点灯装置は直流電源から供給される電力を、三つのブロック1、2、及び3を通して冷陰極管20のそれぞれに分配する。それにより、冷陰極管20はそれぞれ発光する。冷陰極管20の発する光は直接、又は反射板30により反射され、液晶パネル70に入射される(図2に示される矢印参照)。液晶パネル70は所定のパターンで冷陰極管20からの入射光を遮る。それにより、液晶パネル70の前面にはそのパターンが映し出される。
第一のブロック1は高周波発振回路4と昇圧トランス5とを有し、並列共振型プッシュプルインバータとして構成される。高周波発振回路4は、発振器Os、第一のコンデンサC1、第二のコンデンサC2、インダクタL、第一のトランジスタQ1、第二のトランジスタQ2、及びインバータInを含む。昇圧トランス5は、中性点M1で分けられた二つの一次巻線51Aと51B、及び二次巻線52を含む。
こうして、第一のブロック1は直流電源DCの出力電圧Viを高周波数(例えば45[kHz])の交流電圧Vに変換する。ここで、第一のブロック1は、上記の並列共振型プッシュプルインバータには限らず、他のタイプの(トランスを含む)インバータであっても良い。
図4は昇圧トランス5の構成を模式的に示す分解組立図である。図5は図4に示される直線V−Vに沿った昇圧トランス5の断面図である(図4に示される矢印が視線方向を示す)。
昇圧トランス5は、一次巻線51(上記の二つの一次巻線51Aと51Bとを合わせたもの)、二次巻線52、二つのE型コア54と55、ボビン56、及び絶縁テープ58を含む。ボビン56は例えば合成樹脂製であり、中空円筒形状である。その中空部56Aには両方の開口部から、E型コア54と55とのそれぞれの中央の突起54Aと55Aとが挿入される。ボビン56の外周面上には複数の仕切57が軸方向に等間隔で設けられる。まず、それらの仕切57の間に二次巻線52が巻かれる。次に、二次巻線52の外側に絶縁テープ58が巻かれる。最後に、絶縁テープ58の外側に一次巻線51が巻かれる。ここで、二次巻線52は一次巻線51の外側、又は内側と外側との両方に巻かれても良い。このように一次巻線51と二次巻線52とを重ねて巻くことにより漏れ磁束が著しく低減する。従って、昇圧トランス5の出力インピーダンスは低い。その出力インピーダンスは特に、並列に接続される複数の冷陰極管20(図3参照)全ての合成インピーダンスより低く設定される。
上記の昇圧トランス5では二次巻線52が上記の通り、分割巻きで巻かれる。その他に、ハネカム巻きで巻かれても良い。それにより、巻線間の放電が防止されると共に、線間容量が小さく抑えられる。従って、二次巻線52の自己共振周波数が十分に高く設定できる。
第一の導体層は例えば二つの箔21Aと21Bとを含む。第二のブロック2は例えば第一の箔21Aにより互いに接続され、更に、第二の基板50の端部に設けられた第一のスルーホールE1に接続される。第一のスルーホールE1は第二のブロック2全てに共通の入力端子であり、例えば第一のリード線W1により第一のブロック1(図1参照)に接続される。ここで、第一のリード線W1は第一のスルーホールE1に半田付けされる。
第四の導体層は例えば二つの箔24Aと24Bとを含む。冷陰極管20それぞれの第一の電極20Aは例えば第二のリード線W2により、第二のブロック2の第二の箔24Bに接続される。ここで、第二の箔24Bそれぞれには第二のスルーホールE2が設けられる。第二のリード線W2は第二のスルーホールE2に半田付けされる。こうして、第二のスルーホールE2は第二のブロック2それぞれの出力端子として利用される。
図8〜11はそれぞれ、図7に示される直線VIII−VIII、直線IX−IX、直線X−X、及び直線XI−XIに沿った第二の基板50の断面図である(図7に示される矢印が視線方向を示す)。図8〜11では縦方向(基板の厚さ方向)が横方向より拡大されている。
第一と第三との導体層は同様なパターンであり、同様な形の第一の箔21Aと23A、及び同形の第二の箔21Bと23Bを、表面の法線方向から見て同じ位置に含む(図7参照)。第三の導体層の第一の箔23Aは第一の導体層の第一の箔21Aとは異なり、隣接する第二のブロック2の第一の箔23Aから分離される。第一の箔21Aと23Aとが第四のスルーホールE4により接続され(図7、8参照)、第二の箔21Bと23Bとが第五のスルーホールE5により接続される(図7、11参照)。
第二と第四との導体層は同じパターンであり、同形の第一の箔22Aと24A、及び同形の第二の箔22Bと24Bを、表面の法線方向から見て同じ位置に含む(図7参照)。第一の箔22Aと24Aとが第三のスルーホールE3により接続され(図7、9参照)、第二の箔22Bと24Bとが第二のスルーホールE2により接続される(図7、10参照)。
第一の導体層は第一のコア材B1の上面に形成され、第二の導体層は第二のコア材B2上に形成される。第三と第四との導体層はそれぞれ、第三のコア材B3の上面と下面とに形成される。導体層はそれぞれ、例えば厚さ12〜70[μm]、好ましくは35[μm]の銅箔であり、蒸着により形成される。更に、導体層それぞれのパターンは好ましくは、エッチングにより形成される。
コア材B1〜B3の間はそれぞれ、プリプレグ(炭素繊維等の強化材にエポキシ樹脂等の合成樹脂を含浸させた成形用中間材)P1とP2とで接着される。プリプレグP1とP2との厚さは例えば20〜200[μm]である。
同様に、第一の箔22Aと24A、及び、第二の箔21Bと23Bが重なる領域では第二のバラストコンデンサCB2が合成され(図7に示される斜線部CB2、及び、図9、10参照)、第二の箔21B、22B、23B、及び24Bが重なる領域では第三のバラストコンデンサCB3が合成される(図7に示される斜線部CB3、及び、図11参照)。このように、三つのバラストコンデンサCB1、CB2、及びCB3はいわゆる櫛型コンデンサとして構成される。
例えば、第二の基板50の外部、特にケース10から遠い導体層ほど外部との間の浮遊容量が小さい。従って、第二の基板50の導体層と冷陰極管20の第一の電極20Aとの上記の接続では、第一の電極20Aの電位が導体層と外部との間の浮遊容量からは影響を受けにくい。一方、第一のブロック1の出力は負荷、特に導体層と外部との間の浮遊容量の大きさに関わらず安定である。
こうして、複数の冷陰極管20間では第一の電極20Aの電位変化がばらつきにくいので、管電流の一様性、すなわち輝度の一様性が更に向上する。
図12は、第二の基板50内の導体層について、好ましいもう一つのパターンを示す平面図である。図12では、第一の導体層の二つの箔21Aと21Bとが実線で示され、第四の導体層の第一の箔24Aが一点鎖線で示される。一方、第四の導体層の第二の箔24Bは第一の導体層の第二の箔21Bと同じ実線で示される。更に、第二と第三との導体層それぞれの二つの箔22Aと23A、22Bと23Bがそれぞれ、同じ破線で示される。
図13〜16はそれぞれ、図12に示される直線XIII−XIII、直線XIV−XIV、直線XV−XV、及び直線XVI−XVIに沿った第二の基板50の断面図である(図12に示される矢印が視線方向を示す)。図13〜16では縦方向(基板の厚さ方向)が横方向より拡大されている。
第一と第四との導体層は同様なパターンであり、同様な形の第一の箔21Aと24A、及び同形の第二の箔21Bと24Bを、表面の法線方向から見て同じ位置に含む(図12参照)。第四の導体層の第一の箔24Aは第一の導体層の第一の箔21Aとは異なり、隣接する第二のブロック2の第一の箔24Aから分離される。第一の箔21Aと24Aとが第四のスルーホールE4により接続され(図12、13参照)、第二の箔21Bと24Bとが第五のスルーホールE5により接続される(図12、16参照)。
第二と第三との導体層は同じパターンであり、同形の第一の箔22Aと23A、及び同形の第二の箔22Bと23Bを、表面の法線方向から見て同じ位置に含む(図12参照)。第一の箔22Aと23Aとが第三のスルーホールE3により接続され(図12、14参照)、第二の箔22Bと23Bとが第二のスルーホールE2により接続される(図12、15参照)。
同様に、第一の箔22Aと23A、及び、第二の箔21Bと24Bが重なる領域では第二のバラストコンデンサCB2が合成され(図12に示される斜線部CB2、及び図14、15参照)、第二の箔21B、22B、23B、及び24Bが重なる領域では第三のバラストコンデンサCB3が合成される(図12に示される斜線部CB3、及び図16参照)。
このパターンでは上記のパターンとは異なり、バラストコンデンサCB1〜CB3それぞれの容量が少し小さい。例えば、第一のバラストコンデンサCB1の容量は、第三と第四との導体層(23A、24A)間の容量の約2倍である。
第二と第三との導体層は第一と第四との導体層より第二の基板50の表面から遠いので、ケース10との間の浮遊容量と同様、冷陰極管20との間の浮遊容量が小さい。従って、第二の基板50の導体層と冷陰極管20の第一の電極20Aとの上記の接続では、第一の電極20Aの電位が導体層と外部との間の浮遊容量からは更に、影響を受けにくい。
こうして、複数の冷陰極管20間では第一の電極20Aの電位変化がばらつきにくいので、管電流の一様性、すなわち輝度の一様性が更に向上する。
ここで、直列に接続されるバラストコンデンサの数は、導体層のパターンを上記のものから変更することで、三以外にも容易に変更可能である。すなわち、その数はバラストコンデンサ全体に要求される耐圧に応じ、容易に最適化される。
昇圧トランス5の二次巻線52の一端は第二のブロック2のそれぞれを通して冷陰極管20のそれぞれの第一の電極20Aに接続される。二次巻線52の他端は接地される。冷陰極管20それぞれの第二の電極20Bは第三のブロック3を通して接地される。
バラストコンデンサCB1〜CB3全体の容量は第二のブロック2ごとに、すなわち冷陰極管20ごとに調節される。その調節では特に、複数の冷陰極管20間での設置条件(例えば、配線の長さ/パターン、管壁とケース10との距離等)の相違が考慮される。
例えば、複数の冷陰極管20のうち、ケース10の側面に最も近いものでは、管壁とケース10の側面との間の浮遊容量SCが大きい。従って、その冷陰極管20に接続されるバラストコンデンサCB1〜CB3全体の容量は大きく設定される。
こうして、冷陰極管20と第二のブロック2とのそれぞれの組合せごとに、バラストコンデンサCB1〜CB3全体の容量が冷陰極管20周辺の浮遊容量と実質的に一致する。すなわち、バラストコンデンサCB1〜CB3全体のインピーダンスが冷陰極管20の周辺の浮遊容量の合成インピーダンスと整合する。
ここで、第一のブロック1は出力インピーダンスが低いので、上記のインピーダンス整合は容易に達成される。
更に好ましくは、バラストコンデンサCB1〜CB3全体のインピーダンスは冷陰極管20それぞれの点灯時のインピーダンスと整合するように設定される。
こうして、本発明の実施形態1による冷陰極管点灯装置は共通の低インピーダンス電源(第一のブロック)1で複数の冷陰極管20を一様に点灯させる。更に、第一のブロック1、第二のブロック2、及び第三のブロック3の間の配線が長くても良く、かつ冷陰極管20ごとに大きく異なっても良いので、配線のレイアウトの柔軟性が高い。それ故、装置全体の小型化が容易に実現する。
本発明の実施形態2による冷陰極管点灯装置は、上記の実施形態1による装置と同様、液晶ディスプレイに搭載される。その液晶ディスプレイの構成は上記の実施形態1によるものと同様であるので、その構成については図1と図2、及び上記の実施形態1での説明を援用する。
直流電源DCの正極はハイサイドパワートランジスタQ3の一端に接続され、負極は接地される。ハイサイドパワートランジスタQ3の他端はローサイドパワートランジスタQ4の一端に接続され、ローサイドパワートランジスタQ4の他端は接地される。ここで、ハイサイドパワートランジスタQ3とローサイドパワートランジスタQ4とは好ましくはMOSFETである。その他に、IGBT又はバイポーラトランジスタであっても良い。
発振器Osは、ハイサイドパワートランジスタQ3の制御端子には直接接続され、ローサイドパワートランジスタQ4の制御端子にはインバータInを通して接続される。
二つのパワートランジスタQ3とQ4との接続点Jは第二のブロック2のそれぞれを通して冷陰極管20のそれぞれの一端の電極に接続される。
こうして、第一のブロック1は直流電源DCの出力電圧Viを高周波数(例えば45[kHz])の交流電圧に変換する。
こうして、本発明の実施形態2による冷陰極管点灯装置は共通の低インピーダンス電源(第一のブロック)1で複数の冷陰極管20を一様に点灯させる。更に、第一のブロック1、第二のブロック2、及び第三のブロック3の間の配線が長くても良く、かつ冷陰極管20ごとに大きく異なっても良いので、配線のレイアウトの柔軟性が高い。それ故、装置全体の小型化が容易に実現する。
本発明の実施形態3による冷陰極管点灯装置は、上記の実施形態1による装置と同様、液晶ディスプレイに搭載される。その液晶ディスプレイの構成は上記の実施形態1によるものと同様であるので、その構成については図1と図2、及び上記の実施形態1での説明を援用する。
本発明の実施形態3による冷陰極管点灯装置では上記の実施形態1による装置とは異なり、第一のブロック1が二つの昇圧トランス5Aと5Bとを有し、第三のブロック3が第二のブロック2と同様に、三つのバラストコンデンサCB1、CB2、及びCB3の直列接続を有する。
更に、冷陰極管20の両端の電極電位の中間点が接地電位に維持される場合、冷陰極管20の一端の電極が接地される場合とは異なり、冷陰極管20の両端電圧の振幅が維持されたまま、接地電位に対する電極電位の振幅が半減する。それにより、漏れ電流自体が低減するので、その分布の偏りが低減する。従って、冷陰極管20それぞれの長さ方向での輝度の偏りが更に低減し、すなわちその一様性が更に向上する。
第一の昇圧トランス5Aの二次巻線52の一端は第二のブロック2のそれぞれを通して冷陰極管20のそれぞれの一端の電極に接続される。その二次巻線52の他端は接地される。
第二の昇圧トランス5Bの二次巻線52Cの一端は第三のブロック3のそれぞれを通して冷陰極管20のそれぞれの他端の電極に接続される。その二次巻線52Cの他端は接地される。
ここで、二つの昇圧トランス5Aと5Bとのそれぞれの二次巻線52と52Cとは、互いに極性を逆にして接続される。それにより、冷陰極管20それぞれの両端の電極電位は互いに逆位相で変化する。
更に、昇圧トランス5Aと5Bとのそれぞれの二次電圧の実効値が好ましくは、冷陰極管20のランプ電圧の半値程度であるように、昇圧トランス5Aと5Bとのそれぞれの昇圧比が設定される。例えば冷陰極管20のランプ電圧が1000[V]の場合、二次電圧の実効値は好ましくは700[V]程度に設定される。
例えば、複数の冷陰極管20のうち、ケース10の側面に最も近いものでは、管壁とケース10の側面との間の浮遊容量SCが大きい。従って、その冷陰極管20に接続されるバラストコンデンサCB1〜CB3全体の容量は大きく設定される。
こうして、冷陰極管20と第三のブロック3とのそれぞれの組合せごとに、バラストコンデンサCB1〜CB3全体の容量が冷陰極管20周辺の浮遊容量と実質的に一致する。すなわち、バラストコンデンサCB1〜CB3全体のインピーダンスが冷陰極管20の周辺の浮遊容量の合成インピーダンスと整合する。
ここで、第一のブロック1は出力インピーダンスが低いので、上記のインピーダンス整合は容易に達成される。
更に好ましくは、バラストコンデンサCB1〜CB3全体のインピーダンスは、冷陰極管20それぞれの点灯時のインピーダンスと整合するように設定される。
こうして、本発明の実施形態3による冷陰極管点灯装置は、共通の低インピーダンス電源(第一のブロック)1で複数の冷陰極管20を、一様に点灯させる。更に、第一のブロック1、第二のブロック2、及び第三のブロック3の間の配線が長くても良く、かつ冷陰極管20ごとに大きく異なっても良いので、配線のレイアウトの柔軟性が高い。それ故、装置全体の小型化が容易に実現する。
更に、昇圧トランス5A、5Bそれぞれの耐圧は上記の実施形態1による昇圧トランス5(図3参照)の耐圧より半減する。従って、昇圧トランス5Aと5Bとはいずれも上記の実施形態1による昇圧トランス5より小型化が容易である。特に、昇圧トランス5Aと5Bとの高さが上記の実施形態1による昇圧トランス5の高さより低減できる。従って、液晶ディスプレイの薄型化には特に有利である。
本発明の実施形態4による冷陰極管点灯装置は、上記の実施形態1による装置と同様、液晶ディスプレイに搭載される。その液晶ディスプレイの構成は上記の実施形態1によるものと同様であるので、その構成については図1と図2、及び上記の実施形態1での説明を援用する。
直流電源DCの正極は二つのハイサイドパワートランジスタQ3とQ5とのそれぞれの一端に接続され、負極は接地される。第一のハイサイドパワートランジスタQ3の他端は第一のローサイドパワートランジスタQ4の一端に接続され、第一のローサイドパワートランジスタQ4の他端は接地される。第二のハイサイドパワートランジスタQ5の他端は第二のローサイドパワートランジスタQ6の一端に接続され、第二のローサイドパワートランジスタQ6の他端は接地される。ここで、四つのパワートランジスタQ3、Q4、Q5、及びQ6は好ましくはMOSFETである。その他に、IGBT又はバイポーラトランジスタであっても良い。
発振器Osは、第一のハイサイドパワートランジスタQ3の制御端子と第二のローサイドパワートランジスタQ6の制御端子とには直接接続される。一方、第一のローサイドパワートランジスタQ4の制御端子には第一のインバータIn1を通して接続され、第二のハイサイドパワートランジスタQ5の制御端子には第二のインバータIn2を通して接続される。
第一のハイサイドパワートランジスタQ3と第一のローサイドパワートランジスタQ4との第一の接続点J1は第二のブロック2のそれぞれを通して冷陰極管20のそれぞれの一端の電極に接続される。第二のハイサイドパワートランジスタQ5と第二のローサイドパワートランジスタQ6との第二の接続点J2は第三のブロック3のそれぞれを通して冷陰極管20のそれぞれの他端の電極に接続される。
こうして、第一のブロック1は直流電源DCの出力電圧Viを高周波数(例えば45[kHz])の交流電圧に変換する。
こうして、本発明の実施形態4による冷陰極管点灯装置は、共通の低インピーダンス電源(第一のブロック)1で複数の冷陰極管20を、一様に点灯させる。更に、第一のブロック1、第二のブロック2、及び第三のブロック3の間の配線が長くても良く、かつ冷陰極管20ごとに大きく異なっても良いので、配線のレイアウトの柔軟性が高い。それ故、装置全体の小型化が容易に実現する。
更に、パワートランジスタQ3、Q4、Q5、及びQ6それぞれの耐圧が上記の実施形態2によるパワートランジスタの耐圧より半減する。従って、パワートランジスタの構成が比較的容易である。
20A 冷陰極管20の第一の電極
50 第二の基板
2 第二のブロック
2U1 第一の上側箔
2U2 第二の上側箔
2D1 第一の下側箔
2D2 第二の下側箔
E1 第一のスルーホール
E2 第二のスルーホール
W1 第一のリード線
W2 第二のリード線
Claims (5)
- 少なくとも二つの導体層を含み、複数の冷陰極管それぞれの一端が実装される第二の基板と、
少なくとも二つの導体層を含み、複数の冷陰極管それぞれの他端が実装される第三の基板と、
前記二つの導体層の間の容量であり、前記冷陰極管それぞれの一端の電極及び他端の電極のうちの少なくとも一方に少なくとも一つずつ接続される複数のバラストコンデンサと、
コアと、当該コアに巻かれる一次巻線と、当該一次巻線の内側及び外側の少なくとも一方に巻かれる二次巻線とを有しかつ前記複数の冷陰極管の合成インピーダンスより低い出力インピーダンスを持つトランスを含み、第一の基板に実装され、前記バラストコンデンサを介して前記冷陰極管に電力を供給する電源とを備えた冷陰極管点灯装置において、
前記第二及び第三の基板はそれぞれ前記第一の基板とは異なる基板であり、かつ当該第二及び第三の基板の表面が前記冷陰極管の長さ方向に対してそれぞれ垂直になるように設置されたことを特徴とする冷陰極管点灯装置。 - 前記第二及び第三の基板はそれぞれ、
前記冷陰極管に最も近い第一の導体層と、
前記冷陰極管から最も遠い第二の導体層とを含み、
前記第一の導体層は前記冷陰極管の一端の各電極に接続され、
前記第二の導体層は前記電源に接続されたことを特徴とする請求項1記載の冷陰極管点灯装置。 - 前記第二及び第三の基板はそれぞれ、
前記冷陰極管に最も近い第一の導体層と、
前記冷陰極管に前記第一の導体層の次に近い第二の導体層と、
前記冷陰極管から最も遠い第三の導体層とを含み、
前記第一及び第三の導体層は前記電源にそれぞれ接続され、
前記第二の導体層は前記冷陰極管の一端の各電極に接続されたことを特徴とする請求項1記載の冷陰極管点灯装置。 - 前記第二及び第三の基板はそれぞれフレキシブルプリント配線板であり、
前記各バラストコンデンサは、互いに直列接続された少なくとも二つの容量にてなることを特徴とする請求項1から3までのうちのいずれか1つの請求項記載の冷陰極管点灯装置。 - 前記導体層が蒸着された導体の膜であることを特徴とする請求項1から4までのうちのいずれか1つの請求項記載の冷陰極管点灯装置。
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