JP3849190B2 - 圧電トランス - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電体内に入出力部としての低インピーダンス部と、出入力部としての高インピーダンス部とを一体的に構成してなる圧電トランスに関し、より詳細には、数〜数百kHz帯において、低い出力インピーダンスが求められる用途に適した圧電トランスに関する。
【0002】
【従来の技術】
数十〜数百kHz帯で使用される圧電トランスとして、ローゼン型圧電トランスが知られている。
【0003】
図12に示すように、ローゼン型圧電トランス51は、直方体状の圧電セラミックス52を用いて構成されている。圧電セラミックス52において、低インピーダンス部53と、高インピーダンス部54とが一体に構成されている。
【0004】
低インピーダンス部53は、図示の矢印で示すように厚み方向に分極処理されており、厚み方向に対向するように電極55a,55bを形成した構造を有する。
【0005】
高インピーダンス部54は、図示の矢印で示すように圧電セラミックス52の長さ方向に分極処理されている。高インピーダンス部54では、長さ方向に直交する圧電セラミックス52の端面に電極55cが形成されている。
【0006】
例えば、昇圧用トランスとして用いる場合、低インピーダンス部53において、電極55a,55b間に電圧を印加すると、圧電逆効果により、圧電セラミックス52の長さ方向寸法により決定される振動数の長さ方向縦振動が励振される。
【0007】
高インピーダンス部54では、上記長さ方向縦振動に基づく振動エネルギーが圧電正効果により、電力として取り出される。高インピーダンス部54のインピーダンスは低インピーダンス部53のインピーダンスよりも高くなり、電極55cから高電圧を取り出すことができる。
【0008】
上記ローゼン型圧電トランス51は、小型化が容易であり、不燃化が可能である。
しかしながら、ローゼン型圧電トランス51では、電極55cが圧電セラミックス52の長さ方向に直交する端面に形成されている。従って、電極55cが長さ方向縦振動の腹の位置に形成されているため、電極55cにリード線などを接続すると、振動が阻害される。そのため、設計通りの高出力電圧を得ることは困難であった。また、リード線引出しに工夫を要するため、コスト増大を免れなかった。さらに、長期間の信頼性が不十分であった。
【0009】
また、圧電セラミックス52において、低インピーダンス部53については厚み方向に分極処理し、高インピーダンス部54については長さ方向に沿うように分極処理しなければならないため、分極作業が煩雑であった。さらに、分極方向が異なるため、低インピーダンス部53と高インピーダンス部54との接合部分に応力が加わり易いという問題があった。
【0010】
加えて、上記ローゼン型圧電トランス51では、低インピーダンス部53については積層構造を採用することにより、より一層の低インピーダンス化が可能であるが、高インピーダンス部54については、積層構造を利用して低インピーダンス化を果たすことができない。すなわち、高インピーダンス部54側の負荷インピーダンスは、実用的な圧電トランス51の大きさを考慮すると、数十kΩ以上となり、より一層の低インピーダンス化が果たせなかった。そのため、圧電トランス51は、高インピーダンス部54を出力側として昇圧トランスとして使用した場合は、実用に適した負荷インピーダンスが数十kΩ以上となり、より低いインピーダンスでは十分な電力を取り出すことが困難であった。その結果、電流値が小さな高圧電源や冷陰極管などの点灯用トランスなどに、その用途が限定されていた。
【0011】
上記のような問題を解決するものとして、特開平5−251782号公報には、図13に示す圧電トランス61が開示されている。
圧電トランス61では、直方体状の圧電体62に、低インピーダンス部63と、高インピーダンス部64とが長さ方向に沿って配置されるように一体に構成されている。低インピーダンス部63では、圧電体層62a〜62eを介して、複数の電極65a〜65fが厚み方向に重なり合うように形成されている。
【0012】
圧電体層62a〜62eは、図示の矢印で示すように、隣接する圧電体層が厚み方向において反対方向となるように分極処理されている。
高インピーダンス部64では、圧電体62が図示の矢印で示すように厚み方向に一様に分極処理されており、電極66a,66bが圧電体62の上面及び下面に形成されている。
【0013】
圧電トランス61では、低インピーダンス部63に電圧を印加すると、圧電体62の長さ方向寸法により決定される長さ方向縦振動が励振される。そして、該長さ方向縦振動に基づき、圧電正効果により高インピーダンス部64の電極66a,66b間から高電圧が取り出される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、圧電トランス61では、低インピーダンス部63と高インピーダンス部64とが、圧電体62の長さ方向に沿うように配置されて一体化されている。従って、圧電体62の長さ方向寸法をさほど短くすることができず、より高周波帯で使用することが困難であった。
【0015】
本発明の目的は、小型であり、低出力インピーダンスが求められる電源回路等にも好適に用いることができ、かつより高周波帯で用いることが可能な圧電トランスを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、圧電体に、入力部または出力部としての低インピーダンス部と、出力部または入力部としての高インピーダンス部とを一体に構成してなる圧電トランスにおいて、前記圧電体は、長さ方向寸法が幅方向寸法よりも長く、長さ方向及び幅方向と直交する方向が厚み方向となる形状を有し、前記低インピーダンス部には、圧電体層を介して厚み方向に重なり合うように、かつ圧電体の幅方向と直交する第1の側面に導出されるように複数の電極が形成されており、前記高インピーダンス部は、圧電体の幅方向において前記低インピーダンス部の前記第1の側面とは反対側に構成されており、前記高インピーダンスには、圧電体層を介して厚み方向に重なり合うように、かつ第1の側面に対向されている第2の側面に導出されるように、低インピーダンス部の電極よりも少ない数の電極が形成されており、低インピーダンス部または高インピーダンス部の電極に接続されるように、第1,第2の側面に、それぞれ、第1,第2の外部電極が形成されており、前記低インピーダンス部及び高インピーダンス部の電極間に挟まれた圧電体層が厚み方向に分極処理されており、長さ方向縦振動モードで動作するように構成されていることを特徴とする。
【0017】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明にかかる圧電トランスにおいて、長さ方向縦振動の1次モードで動作するように構成されており、前記第1,第2の側面に形成されている第1,第2の外部電極が第1,第2の側面の長さ方向中央近傍に形成されていることを特徴とする。
【0018】
請求項3に記載の発明にかかる圧電トランスは、長さ方向縦振動の3次モードで動作するように構成されており、前記第1,第2の側面に形成されている第1,第2の外部電極が、第1,第2の側面において、長さ方向中央近傍の位置、または励振される振動の波長をλとしたときに長さ方向一端からλ/4もしくはその近傍の位置に形成されていることを特徴とする。
【0019】
請求項4に記載の発明にかかる圧電トランスは、上記請求項1〜3の何れかに記載の圧電トランスにおいて、前記圧電体の第1,第2の側面に長さ方向縦振動モードで動作させた際の振動のノードに対応する少なくとも1つの位置の両側に一対の溝が圧電体の厚み方向に延びるように形成されており、該一対の溝で挟まれた領域に、前記第1または第2の外部電極が形成されていることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明にかかる圧電トランスの実施の形態を説明する。
【0021】
図1は、本発明の第1の構造例にかかる圧電トランスの斜視図である。圧電トランス1は、直方体状の圧電体2を用いて構成されている。圧電体2は、例えば圧電セラミックスまたは圧電単結晶などの圧電材料により構成し得るが、本実施例では、チタン酸ジルコン酸鉛系セラミックスのような圧電セラミックスにより構成されており、後述するように一体焼成型の焼結体として構成されている。
【0022】
圧電体2は直方体状の形状を有する。図1において、圧電体2の上面2xの長辺に沿う方向を長さ方向、短辺に沿う方向を幅方向とし、上面及び下面を結ぶ方向を厚み方向とする。
【0023】
圧電体2には、幅方向に沿って低インピーダンス部3と高インピーダンス部4とが一体に構成されている。低インピーダンス部3及び高インピーダンス部4の構造を、図1のA−A線に沿う断面図である図4を参照して説明する。
【0024】
図4に示すように、低インピーダンス部3においては、圧電体層2a〜2hを介して複数の電極5a〜5iが厚み方向に重なり合うように配置されている。電極5a,5iは圧電体2の上面及び下面に形成されており、電極5b〜5hは内部電極として形成されている。もっとも、低インピーダンス部3において厚み方向に重なり合う電極については、その全てが内部電極で構成されていてもよい。
【0025】
電極5a〜5iに挟まれている圧電体層2a〜2hは、図4に矢印で示すように、隣接する圧電体層が厚み方向において反対方向となる方向に分極処理されている。
【0026】
他方、高インピーダンス部4においては、圧電体層2i〜2lを介して複数の電極6a〜6eが厚み方向に重なり合うように配置されている。高インピーダンス部4においても、圧電体層2i〜2lは厚み方向において反対方向に分極処理されている。
【0027】
図1に戻り、電極5a,6aは何れも、その長さ方向が圧電体2の長さ方向と同様となるように配置された矩形の導電膜により形成されている。図2に略図的分解図で示すように、他の電極5b〜5i,6b〜6eについても同様の形状を有する。
【0028】
さらに、図1〜図3から明らかなように、低インピーダンス部3においては、電極5a〜5iは、圧電体2の幅方向と直交する第1の側面2mに導出されている。他方、高インピーダンス部4においては、電極6a〜6eは、圧電体2の幅方向と直交する第2の側面2nに導出されている。この場合、低インピーダンス部3及び高インピーダンス部4の何れにおいても、厚み方向に重なり合っている電極は厚み方向に沿って交互に異なる位置に引き出されている。例えば、図5から明らかなように、電極5a,5c,5e,5g,5iと、電極5b,5d,5f,5hとが異なる位置に引き出されている。図3は、このような電極の引出し位置を示す平面図である。また、図1から明らかなように、電極6a〜6eにおいても、電極6a,6c,6eと、電極6b,6dとが、第2の側面2nにおいて異なる位置に引き出されている。
【0029】
図6に示すように、第1の側面2mには、第1の外部電極7a,7bが形成されている。外部電極7aは、電極5a,5c,5e,5g,5iに、外部電極7bは、電極5b,5d,5f,5hに電気的に接続されるように形成されている。また、第2の側面2nには、第2の外部電極8a,8bが形成されている。外部電極8aは、電極6a,6c,6eに接続されるように形成されている。外部電極8bは、電極6b,6dに電気的に接続されるように形成されている。
【0030】
圧電トランス1は、上記のように、複数の圧電体層を介して複数の電極を重なり合うように配置することにより、低インピーダンス部3及び高インピーダンス部4を構成した構造を有する。従って、圧電トランス1は、積層コンデンサの製造方法に慣用されている周知の一体焼成技術を用いて容易に形成することができ、小型化も容易である。すなわち、圧電体2を構成するための圧電性セラミックグリーンシート上に電極5a〜5i,6a〜6eを構成するために、AgやAg−Pd合金などを含む導電ペーストを印刷し、該導電ペーストが印刷された複数枚の圧電性セラミックグリーンシートを積層し、得られた積層を加圧した後、焼成することにより得ることができる。
【0031】
なお、電極5a〜5i,6a〜6eを構成する材料については、電極として機能させ得る導電性材料である限り、特に限定されるものではない。
圧電トランス1では、上記のように低インピーダンス部3が高インピーダンス部4と圧電体2内において一体化されており、しかも、圧電体2の幅方向に沿うように配置されている。すなわち、高インピーダンス部4は、低インピーダンス部3と幅方向において第1の側面2mとは反対側に配置されている。
【0032】
従って、圧電体2の長さ方向寸法を低インピーダンス部3及び高インピーダンス部4の配置等に関係なく設定することができる。よって、小型化を図りつつ、より高周波帯で動作させ得る圧電トランスを得ることができる。
【0033】
圧電トランス2を動作させるに際しては、例えば、昇圧トランスとして用いる場合には、低インピーダンス部3を入力側とし、高インピーダンス部4を出力側とする。すなわち、第1の外部電極7a,7bから入力電圧を印加すると、圧電体2の長さ方向寸法により決定される長さ縦振動が圧電逆効果により励振される。従って、高インピーダンス部4においては、圧電正効果により、該長さ縦振動に基づく振動エネルギーが電圧として取り出される。
【0034】
この場合、出力電圧が低インピーダンス部3と高インピーダンス部4とのインピーダンス比により定められ、高インピーダンス部4のインピーダンスが低インピーダンス部3よりも高いため、高電圧が第2の外部電極8a,8bから取り出される。
【0035】
逆に、降圧トランスとして使用する場合は、高インピーダンス部4を入力側とし、低インピーダンス部3を出力側として用いればよい。
本実施例の圧電トランス1では、上記のような構造を有するため、低インピーダンス部3及び高インピーダンス部4の何れにおいても、積層する電極の数や長さ方向寸法を調整することにより、それぞれのインピーダンス値を容易にかつ高精度に制御することができる。
【0036】
なお、高インピーダンス部4においては、複数の電極6a〜6eが積層されていたが、より少ない数の電極が積層されていてもよく、かつ内部電極を有せずに圧電体2の上面及び下面にのみ電極を形成してもよく、それによって、高インピーダンス部4のインピーダンス値をより大きくすることができる。
【0037】
上記圧電トランス1は、長さ方向縦振動の1次モードで動作するように構成されている。従って、外部電極7a,7b,8a,8bは、第1,第2の側面2m,2nにおいて長さ方向中央近傍に形成されている。これを、図7を参照して説明する。
【0038】
図7は、圧電トランス1の低インピーダンス部3に電圧を印加して長さ方向縦振動の1次モードで励振した場合を説明するための略図的平面図であり、ここでは、高インピーダンス部4の電極の図示は省略してある。長さ方向縦振動の1次モードでは、図7に圧電体2の下方に示す曲線Cで示すように圧電体2が変位する。なお、曲線Cは、圧電体2の長さ方向の変位状態を略図的に示す曲線である。
【0039】
長さ方向縦振動の1次モードで圧電体2を振動させた場合、図7の曲線Cで示す振動姿態と、曲線Dで示す振動姿態とを繰り返すように圧電体2が振動する。従って、この長さ方向縦振動の1次モードでは、長さ方向寸法の中点である中心Oが振動のノードとなる。そこで、前述したように、第1,第2の外部電極7a,7b,8a,8bが、第1,第2の側面2m,2nの長さ方向中心近傍に形成されている。
【0040】
変形例
上記構造例では、長さ方向縦振動の1次モードを用いるため、外部電極7a,7b,8a,8bが第1,第2の側面2m,2nの長さ方向中心近傍に形成されていた。これに対して、本発明にかかる圧電トランスは、長さ方向縦振動の3次モードで動作するように構成されてもよい。図8に略図的平面図で示すように、低インピーダンス部3を長さ方向縦振動の3次モード振動させた場合、図8の下方に示す曲線Eで示すように圧電体2が振動する。
【0041】
曲線Eは、圧電体2の長さ方向の振動姿態を示し、従って、振動のノードは、図8の曲線E上に示す、点O1 〜O3 に表れることになる。点O1 は長さ方向中心であり、点O2 ,O3 は、それぞれ、圧電体2の長さ方向端部から長さ方向内側にλ/4の位置にある。なお、λは、励振される振動の波長である。
【0042】
よって、長さ方向縦振動の3次モードを利用する場合には、外部電極は、圧電体2の第1,第2の側面2m,2nの長さ方向中央近傍と、圧電体2の長さ方向一端から内側にλ/4の位置近傍に形成すればよい。よって、図8に示すように、低インピーダンス部3においては、電極5aは、圧電体2の長さ方向一端2oからλ/4離れた位置に導出されており、その位置に外部電極7aが形成されている。
【0043】
なお、図8に破線F,Gで示すように、第1の側面2mの長さ方向中央または他端からλ/4離れた位置に電極5aを導出し、外部電極を形成してもよい。また、外部電極5aとは異なる電位に接続される電極、例えば電極5b(図4参照)については、電極5aと異なる位置に引き出される必要があるため、上記破線F,Gで示した位置に導出し、外部電極と電気的に接続すればよい。
【0044】
低インピーダンス部3についてのみ説明したが、長さ方向縦振動の3次モードにおける振動のノードが上述した位置に表れるため、高インピーダンス部4についても、電極の引出し位置及び外部電極形成位置は、第2の側面2nの長さ方向中央近傍及び長さ方向端部から内側にλ/4の位置近傍とすればよい。
【0045】
上記のように、長さ方向縦振動の3次モードを利用した場合には、外部電極形成位置を、第1,第2の側面2m,2nにおいて、長さ方向中央近傍と、長さ方向端部から内側にλ/4の位置近傍とすることにより、外部との接続構造による振動のダンピング等を生じることなく、所望通りの高電圧を圧電トランスから取り出すことができる。
【0046】
請求項4に記載の発明にかかる実施例
図9〜図11は、請求項4に記載の発明にかかる圧電トランスについての例を説明するための図である。
【0047】
図9に示すように、圧電トランス11は、圧電体2の第1,第2の側面2m,2nに一対の溝12a,12b,12c,12dがそれぞれ形成されていることを除いては、図1に示した圧電トランス1と同様に構成されている。従って、圧電トランス2の内部構造については、図1に示した圧電トランス1の説明を援用することにより省略する。
【0048】
溝12a,12bは、側面2mの長さ方向中央を挟んだ両側において、圧電体2の厚み方向に延びるように形成されている。すなわち、圧電トランス11は、圧電トランス1と同様に長さ方向縦振動の1次モードで動作するように構成されているため、側面2m上に形成された第1の外部電極7a,7bは、側面2mの長さ方向中央近傍に形成されている。
【0049】
上記溝12a,12bは、第1の外部電極7a,7bの両側に配置されており、言い換えれば、溝12a,12bは振動のノードに対応する位置の両側に形成されており、かつ該溝12a,12bに挟まれた領域に第1の外部電極7a,7bが形成されている。
【0050】
同様に、第2の側面2nにおいても、一対の溝12c,12dが圧電体2の振動のノードに対応する位置の両側において、圧電体2の厚み方向に延びるように形成されており、かつ溝12c,12d間の領域に第2の外部電極8a,8bが形成されている(図10参照)。
【0051】
溝12a〜12dの形成により、圧電トランス11では、長さ方向縦振動の1次モードで励振した場合、外部電極7a〜8bへの振動の伝搬が効果的に抑制される。すなわち、外部電極7a〜8dは振動のノード近傍に形成されているため、リード線などによって接続した場合でも接続構造によって振動が阻害され難いが、本構造例では、上記溝12a〜12dの形成により振動の伝搬がより、効果的に抑制され、より効率の良い構成が可能とされている。
【0052】
また、図11は、長さ方向縦振動の3次モードを利用した圧電トランスにおいて、側面に溝を形成した変形例を示す平面図である。ここでは、圧電トランス21において、高さ方向縦振動の3次モードで動作させた場合の振動のノードの両側に溝22a〜22d,22e〜22hが形成されており、一対の溝で挟まれた領域において外部電極が形成されている。
【0053】
すなわち、第1の側面2mにおいては、長さ方向中央両側に溝22a,22bが形成されており、溝22a,22b間に外部電極7aが形成されている。また、圧電体2の長さ方向一端から長さ方向内側にλ/4離れた位置の片側に溝22cが配置されており、反対側に溝22dが形成されている。従って、溝22c,22d間の領域に、外部電極7bが形成されている。
【0054】
同様に、高インピーダンス部4においても、第2の側面2nの長さ方向中央を挟んだ両側に溝22e,22fが形成されており、溝22e,22f間に外部電極8aが形成されている。また、圧電体2の長さ方向一端から内側にλ/4離れた位置の片側には溝22gが配置されており、反対側に溝22hが形成されている。従って、溝22g,22h間の領域に、外部電極8bが形成されている。
【0055】
図11から明らかなように、長さ方向縦振動の3次モードを用いた圧電トランス21においても、振動ノードとなる位置の両側に一対の溝を形成し、該溝間の領域に外部電極を形成することにより、より高効率な伝送ができる。
【0056】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明にかかる圧電トランスでは、圧電体に低インピーダンス部及び高インピーダンス部が圧電体の幅方向に沿うように配置されて一体化されている。従って、低インピーダンス部及び高インピーダンス部の長さ方向寸法を、一対のインピーダンス部を配置する構造による制約を受けることなく、目的とする周波数帯に応じて決定することができる。従って、より高い周波数で使用し得る圧電トランスを得ることができる。
【0057】
加えて、高インピーダンス部及び低インピーダンス部のインピーダンス値については、圧電体層を介して重なり合う電極の幅方向寸法及び積層数を調整することにより容易に制御することができる。さらに、高インピーダンス部についても、複数の電極を厚み方向に重なり合うように配置した構造を有するため、高インピーダンス部のインピーダンスを広範囲に設定し得る。従って、高インピーダンス部側の負荷インピーダンスを数十kΩ以下とすることができ、電流値の大きな用途にも適した圧電トランスを容易に提供することができる。
【0058】
さらに、低インピーダンス部及び高インピーダンスの何れにおいても、圧電体を厚み方向に分極すればよいだけであるため、分極作業も容易に行い得る。
よって、圧電トランスの利点である小型化を妨げることなく、従来の圧電トランスに比べて広範な用途に用い得る圧電トランスを提供することができる。
【0059】
請求項2に記載の発明では、長さ方向縦振動の1次モードで動作するように構成されており、しかも、第1,第2の外部電極が第1,第2の側面の長さ方向中央近傍に形成されているため、長さ方向縦振動の1次モードで動作させた場合、外部電極と外部との接続構造によって振動が阻害され難い。よって、長さ方向縦振動の1次モードを利用して高効率を得ることができ、1次モードであるため、最も小型化が可能である。
【0060】
同様に、請求項3に記載の発明においても、同様に、第1,第2の外部電極が長さ方向縦振動の3次モードで動作させた場合の振動のノード近傍に配置されているため、同様に、長さ方向縦振動の3次モードを利用して高い出力電圧を取り出すことができる。
【0061】
請求項4に記載の発明では、圧電体の第1,第2の側面に、振動のノードに対応する位置の両側に一対の溝が圧電体の厚み方向に延びるように形成されており、該一対の溝で挟まれた領域に外部電極が形成されているので、外部電極形成位置への振動の伝搬を抑制することができ、それによってより一層高い出力電圧を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例にかかる圧電トランスを示す斜視図。
【図2】図1に示した圧電トランスの電極構造を説明するための模式的分解斜視図。
【図3】図1に示した圧電トランスの平面図。
【図4】図1のA−A線に沿う模式的断面図。
【図5】図1に示した圧電トランス1の第1の側面2m側から見た側面図(外部電極形成前)。
【図6】図1に示した圧電トランス1の第2の側面2m側から見た側面図(外部電極形成後)。
【図7】圧電トランス1を長さ方向振動の1次モードで動作させた場合の振動のノード説明するための模式的平面図。
【図8】本発明にかかる圧電トランスを長さ方向縦振動の3次モードで励振させた場合の振動のノード説明するための模式的側面図。
【図9】本発明の第2の実施例にかかる圧電トランスを説明するための斜視図。
【図10】図9に示した圧電トランスの平面図。
【図11】長さ方向縦振動の3次モードを利用した圧電トランスにおいて溝を形成した構造を説明するための平面図。
【図12】従来のローゼン型圧電トランスを説明するための斜視図。
【図13】従来の圧電トランスを示す斜視図。
【符号の説明】
1…圧電トランス
2…圧電体
2a〜2l…圧電体層
2m…第1の側面
2n…第2の側面
5a〜5i,6a〜6e…電極
7a,7b…第1の外部電極
8a,8b…第2の外部電極
11…圧電トランス
12a〜12d…溝
21…圧電トランス
22a〜22h…溝

Claims (4)

  1. 圧電体に、入力部または出力部としての低インピーダンス部と、出力部または入力部としての高インピーダンス部とを一体に構成してなる圧電トランスにおいて、
    前記圧電体は、長さ方向寸法が幅方向寸法よりも長く、長さ方向及び幅方向と直交する方向が厚み方向となる形状を有し、
    前記低インピーダンス部には、圧電体層を介して厚み方向に重なり合うように、かつ圧電体の幅方向と直交する第1の側面に導出されるように複数の電極が形成されており、
    前記高インピーダンス部は、圧電体の幅方向において前記低インピーダンス部の前記第1の側面とは反対側に構成されており、
    前記高インピーダンス部には、圧電体層を介して厚み方向に重なり合うように、かつ圧電体の第1の側面に対向されている第2の側面に導出されるように、低インピーダンス部の電極よりも少ない数の電極が形成されており、
    低インピーダンス部または高インピーダンス部の電極に接続されるように、第1,第2の側面に、それぞれ、第1,第2の外部電極が形成されており、
    前記低インピーダンス部及び高インピーダンス部の電極間に挟まれた圧電体層が厚み方向に分極処理されており、長さ方向縦振動モードで動作するように構成されていることを特徴とする、圧電トランス
  2. 長さ方向縦振動の1次モードで動作するように構成されており、前記第1,第2の側面に形成されている第1,第2の外部電極が第1,第2の側面の長さ方向中央近傍に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の圧電トランス。
  3. 長さ方向縦振動の3次モードで動作するように構成されており、前記第1,第2の側面に形成されている第1,第2の外部電極が、第1,第2の側面において、長さ方向中央近傍の位置、または励振される振動の波長をλとしたときに、長さ方向一端からλ/4もしくはその近傍の位置に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の圧電トランス。
  4. 前記圧電体の第1,第2の側面に長さ方向縦振動モードで動作させた際の振動のノードに対応する少なくとも1つの位置の両側に一対の溝が圧電体の厚み方向に延びるように形成されており、該一対の溝で挟まれた領域に、前記第1または第2の外部電極が形成されていることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の圧電トランス。
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