JP2000077738A - 圧電トランス - Google Patents

圧電トランス

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JP2000077738A
JP2000077738A JP10226186A JP22618698A JP2000077738A JP 2000077738 A JP2000077738 A JP 2000077738A JP 10226186 A JP10226186 A JP 10226186A JP 22618698 A JP22618698 A JP 22618698A JP 2000077738 A JP2000077738 A JP 2000077738A
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electrodes
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Yasuhiro Tanaka
康▲廣▼ 田中
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分極処理の作業性が良く、かつ、信頼性が高
く小型の圧電トランスを得る。 【解決手段】 第1圧電体ブロック22は、内部電極3
6a,36bを表面に形成したセラミック圧電体シート
35を複数枚積層したものである。第2圧電体ブロック
23は、セラミック圧電体37の上下面に一対の内部電
極38a,38bを形成したものである。第1圧電体ブ
ロック22と第2圧電体ブロック23は、分極方向が相
互に平行になるように並列に配置され、圧電体ブロック
22,23の圧電変位(機械振動)方向の両端面にはそ
れぞれ固定部材24,25を堅固に接合している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電トランス、特
に液晶ディスプレイのバックライト用インバータ、蛍光
灯点灯用インバータ、複写機等の高圧電源回路等に用い
られる圧電トランスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、圧電トランスとして、図10
〜図12に示すような積層構造のローゼン型圧電トラン
ス6が知られている。ローゼン型圧電トランス6は、チ
タン酸ジルコン酸鉛系(PZT)等のセラミックスのグ
リーンシート15をドクタブレード法により製作し、こ
のグリーンシート15上にスクリーン印刷法を用いて内
部電極16a,16bを設け、このグリーンシート15
を積み重ねて圧着し、焼結したものである。
【0003】次に、この焼結積層体は切断、研磨が施さ
れた後、圧電トランス6の図10中略左半分の上面及び
手前側端面に入力電極11が設けられ、下面及び奥側端
面に共通電極(グランド電極)12が設けられ、右側端
面に出力電極13が設けられる。これらの電極11〜1
3は銀焼付け等の方法によって設けられる。入力電極1
1は内部電極16bに電気的に接続され、共通電極12
は内部電極16aに電気的に接続されている。
【0004】次に、電極11〜13に所定のバイアス電
圧を印加して、図11及び図12に示すように、圧電ト
ランス6の略左半分の入力部は積み重ね方向に対して平
行な方向に分極処理が行われ、略右半分の出力部は積み
重ね方向に対して垂直な方向に分極処理が行われる。図
11及び図12において矢印の方向は分極の方向を表示
している。
【0005】この圧電トランス6において、入力電極1
1と共通電極12との間に、圧電トランス6の長手方向
の固有共振周波数と略等しい周波数の交流電圧が印加さ
れると、圧電トランス6は長手方向に強い機械振動が生
じ、これにより出力部では圧電効果により電荷が発生
し、出力電極13と共通電極12との間に出力電圧が生
じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
圧電トランス6は、略左半分の入力部における分極方向
と、略右半分の出力部における分極方向とが垂直であ
り、分極処理の作業性が悪かった。また、分極方向が異
なる二つの領域が接すると、その境界部分で破損が発生
し易いという問題があった。さらに、昇圧比を大きくす
る場合には圧電トランス6の長さを長くしたり、出力イ
ンピーダンスを下げる場合には圧電トランス6の幅を大
きくしたりする必要があり、圧電トランス6が大型化す
るという問題もあった。
【0007】そこで、本発明の目的は、分極処理の作業
性が良く、かつ、信頼性が高い小型の圧電トランスを提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段と作用】以上の目的を達成
するため、本発明に係る圧電トランスは、(a)複数の
圧電体層と複数の電極とを積み重ねて構成した積層圧電
体からなる第1圧電体ブロックと、(b)前記第1圧電
体ブロックの圧電変位方向に対して平行に圧電変位方向
を有した状態で、前記第1圧電体ブロックと一体化され
た第2圧電体ブロックと、を備えたことを特徴とする。
ここに、第1及び第2圧電体ブロックのそれぞれの分極
方向は相互に平行である。さらに、第2圧電体ブロック
は、圧電体と該圧電体に設けられた一対の電極とで構成
されている。あるいは、第2圧電体ブロックは、複数の
圧電体層と複数の内部電極とを積み重ねて構成されてい
る。
【0009】以上の構成により、第1圧電体ブロックと
第2圧電体ブロックとをそれぞれ別々に製作することが
可能となる。そして、第1及び第2圧電体ブロック内に
おいてはそれぞれ分極方向が揃っているため、分極処理
が容易に行なわれる。
【0010】また、第1及び第2圧電体ブロックの圧電
変位方向の端部に固定部材を接合することにより、一方
の圧電体ブロックの圧電変位が、固定部材を介して他方
の圧電体ブロックに効率良く伝達される。
【0011】さらに、本発明に係る圧電トランスは、第
1圧電体ブロックの圧電変位方向と第2圧電体ブロック
の圧電変位方向が同方向である。そして、第1及び第2
圧電体ブロック相互が並列に配置され、固定部材が二つ
の部材からなり、該部材がそれぞれ第1及び第2圧電体
ブロックの圧電変位方向の両端面に接合されている。
【0012】以上の構成により、例えば第1圧電体ブロ
ックを圧電トランスの1次側とし、第2圧電体ブロック
を2次側とした場合、第1圧電体ブロックの電極に1次
交流電圧を入力すると、第1圧電体ブロックは圧電体層
と電極の積み重ね方向に平行な方向に圧電変位する。こ
の圧電変位に伴って、固定部材が変位すると共に、固定
部材に接合されている第2圧電体ブロックも強制的に同
方向に変位する。これによって、第2圧電体ブロックの
電極間に2次電圧が発生する。
【0013】あるいは、本発明に係る圧電トランスは、
第1圧電体ブロックの圧電変位方向と第2圧電体ブロッ
クの圧電変位方向が逆方向である。そして、第1及び第
2圧電体ブロック相互が直列に配置され、該直列接続さ
れた第1及び第2圧電体ブロックは圧電変位方向に固定
部材によって狭着されている。
【0014】以上の構成により、例えば第1圧電体ブロ
ックを圧電トランスの1次側とし、第2圧電体ブロック
を2次側とした場合、第1圧電体ブロックの電極に1次
交流電圧を入力すると、第1圧電体ブロックは圧電体層
と電極の積み重ね方向に平行な方向に圧電変位する。と
ころが、直列接続された第1及び第2圧電体ブロックは
固定部材によってトータルの長さが一定に保持されてい
るため、第1圧電体ブロックの圧電変位に伴って第2圧
電体ブロックは強制的に逆方向に変位する。これによっ
て、第2圧電体ブロックの電極間に2次電圧が発生す
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る圧電トランス
の実施形態について添付図面を参照して説明する。各実
施形態において、同一部品及び同一部分には同じ符号を
付した。
【0016】[第1実施形態、図1〜図4]図1に示す
ように、圧電トランス21は、1次側の第1圧電体ブロ
ック22と、2次側の第2圧電体ブロック23と、2枚
の板状の固定部材24,25とで構成されている。
【0017】図2及び図4に示すように、第1圧電体ブ
ロック22は、チタン酸ジルコン酸鉛系(PZT)等の
セラミック圧電体シート35をドクタブレード法により
製作し、このシート35上にそれぞれスクリーン印刷法
等を用いてCu,Ag―Pd,Ag等からなる内部電極
36a,36bを設け、このシート35を複数枚積み重
ね、圧着して焼結したものである。この焼結積層体は切
断、研磨が施された後、その両側部に第1圧電体ブロッ
ク22の外部電極31,32が設けられる。これらの外
部電極31,32は銀焼付け等の方法によって設けられ
る。外部電極31は内部電極36aに電気的に接続さ
れ、外部電極32は内部電極36bに電気的に接続され
ている。次に、外部電極31,32に所定のバイアス電
圧を印加して、シート35の積み重ね方向に、隣接する
シート35の分極方向が互いに逆方向になるように分極
処理を行なう。図2において、矢印の方向は分極の方向
を表示している。
【0018】この1次側の第1圧電体ブロック22の外
部電極31と32の間に、所定の周波数の1次交流電圧
が印加されると、内部電極36aと36bの間に電界が
発生し、シート35は圧電的に活性となる。つまり、互
いに逆向きに分極したシート35に、互いに逆向きの電
圧が印加されるため、第1圧電体ブロック22全体が、
長さ振動モードで励振される。しかも、第1圧電体ブロ
ック22は、シート35の分極方向と、1次交流電圧に
よって生じる電界方向と、機械振動方向(圧電変位方
向)とが一致し、圧電縦効果を利用した圧電素子とな
る。
【0019】図3及び図4に示すように、第2圧電体ブ
ロック23は、PZT等のセラミック焼結圧電体37の
上下面にCu等からなる一対の内部電極38a,38b
を設けたものである。圧電体37の側面の上部及び下部
には、第2圧電体ブロック23の外部電極33,34が
設けられる。外部電極33は内部電極38aに電気的に
接続され、外部電極34は内部電極38bに電気的に接
続されている。次に、外部電極33,34に所定のバイ
アス電圧を印加して、内部電極38aと38bが対向す
る方向に圧電体37の分極処理を行なう。図3におい
て、矢印の方向は分極の方向を表示している。
【0020】この2次側の第2圧電体ブロック23に、
分極方向の圧電変位(機械振動)が印加されると、内部
電極38aと38bの間に電界が発生し、圧電体37は
圧電的に活性となり、外部電極33と34との間に2次
交流電圧が生じる。しかも、第2圧電体ブロック23
も、第1圧電体ブロック22と同様に、圧電体37の分
極方向と、機械振動方向と、2次交流電圧によって生じ
る電界方向とが一致し、圧電縦効果を利用した圧電素子
となる。
【0021】第1圧電体ブロック22と第2圧電体ブロ
ック23は、圧電変位方向が相互に平行になるように、
言い換えると分極方向が相互に平行になるように一体化
されている。圧電体ブロック22と23の圧電変位方向
の長さLは必らずしも等しくする必要はないが、第1実
施形態では等しく設定した。
【0022】圧電体ブロック22と23は並列に配置さ
れ、圧電体ブロック22,23の圧電変位方向の両端面
にはそれぞれ固定部材24,25が接合されている。圧
電体ブロック22,23と固定部材24,25は、無機
又は有機の接着剤等にて堅固に接合される。なお、圧電
体ブロック22,23相互は、側面で接着剤で接合して
いてもよい。
【0023】次に、以上の構成からなる圧電トランス2
1の作用効果について説明する。1次側の第1圧電体ブ
ロック22の外部電極31と32の間に、所定の周波数
の1次交流電圧が印加されると、圧電縦効果により第1
圧電体ブロック22の分極方向に圧電変位(機械振動)
が生じる。このとき、印加される1次交流電圧の周波数
が、圧電体ブロック22,23自身の固有共振周波数で
ある場合に最も変換効率が高くなる。第1圧電体ブロッ
ク22全体は長さ方向に伸縮する。つまり、第1圧電体
ブロック22は、シート35と内部電極36a,36b
の積み重ね方向に平行な方向に圧電変位する。この圧電
変位に伴って、第1圧電体ブロック22の両端に接合さ
れた固定部材24,25が変位すると共に、固定部材2
4,25に接合されている第2圧電体ブロック23も強
制的に同方向に変位(機械振動)する。即ち、圧電体ブ
ロック22が伸びれば圧電体ブロック23も強制的に伸
び、圧電体ブロック22が縮まれば圧電体ブロック23
も強制的に縮まる。これにより、第2圧電体ブロック2
3の外部電極33と34の間に2次交流電圧が生じる。
昇圧比は、第1圧電体ブロック22の内部電極36a,
36bの層数と第2圧電体ブロック23の内部電極38
a,38bの層数の比で表される。
【0024】また、圧電トランス21は、第1圧電体ブ
ロック22と第2圧電体ブロック23をそれぞれ別々に
製作することが可能となり、圧電体ブロック22,23
内においては、それぞれ分極方向が揃っているため、分
極処理を容易に行なうことができる。
【0025】また、第1実施形態の圧電トランス21
は、圧電体ブロック22と23の両端面が固定部材2
4,25に接合しているが、必ずしも固定部材24,2
5を接合する必要はない。つまり、固定部材24,25
を用いないで、圧電体ブロック22と23が側面相互を
無機又は有機の接着剤等にて堅固に接合して一体化した
構造のものであってよい。この場合、圧電体ブロック2
2の外部電極31と32の間に所定の周波数の1次交流
電圧が印加されると、圧電縦効果により圧電体ブロック
22全体は長さ方向に伸縮する。この圧電変位に伴っ
て、圧電体ブロック22の側面に接合された圧電体ブロ
ック23も強制的に同方向に変位する。
【0026】しかしながら、圧電体ブロック23の変位
は、圧電体ブロック22との接合面から遠ざかるにつれ
て小さくなり、圧電体ブロック22の機械振動エネルギ
ーが効率良く圧電体ブロック23に伝達されているとは
言えない。そこで、前述のように圧電体ブロック22,
23の両端面に固定部材24,25を接合させれば、圧
電体ブロック22の機械振動エネルギーを効率良く圧電
体ブロック23に伝達することができる。つまり、一方
の圧電体ブロックに発生した機械振動エネルギーを他方
の圧電体ブロックに効率良く伝達させる場合、あるい
は、圧電体ブロック22,23を非共振状態で駆動させ
る場合には、固定部材24,25を使用することが効果
的である。
【0027】[第2実施形態、図5]本発明に係る圧電
トランスの第2実施形態を図5に示す。圧電トランス4
1は、1次側の第1圧電体ブロック22を2個並列接続
し、2次側の第2圧電体ブロック23を4個並列接続し
たものである。以上の構成からなる圧電トランス41
は、前記第1実施形態の圧電トランス21と同様の作用
効果を奏すると共に、電流容量をアップさせることがで
きる。なお、2個の第1圧電体ブロック22の横断面の
形状及び積層数は相互に異なっていてもよい。同様に、
4個の第2圧電体ブロック23も相互に異なっていても
よい。また、第1圧電体ブロック22と第2圧電体ブロ
ック23の配置は任意であり、例えば交互に配置されて
いてもよい。
【0028】[第3実施形態、図6及び図7]図6に示
すように、圧電トランス51は、1次側の第1圧電体ブ
ロック52と、2次側の第2圧電体ブロック53と、コ
字形の固定部材55とで構成されている。図7に示すよ
うに、第1圧電体ブロック52は、圧電体セラミックシ
ート65上にそれぞれ内部電極66a,66bを形成
し、このシート65を複数枚積み重ね、圧着して焼結し
たものである。この焼結積層体の両側部に第1圧電体ブ
ロック52の外部電極61,62が設けられる。外部電
極61は内部電極66aに電気的に接続され、外部電極
62は内部電極66bに電気的に接続されている。次
に、外部電極61,62に所定のバイアス電圧を印加し
て、シート65の積み重ね方向に、隣接するシート65
の分極方向が互いに逆方向になるように分極処理を行
う。
【0029】この1次側の第1圧電体ブロック52の外
部電極61と62の間に、所定の周波数の1次交流電圧
が印加されると、互いに逆向きに分極したシート65
に、互いに逆向きの電圧が印加されるため、第1圧電体
ブロック52全体が、長さ振動モードで励振される。し
かも、第1圧電体ブロック52は、シート65の分極方
向と、1次交流電圧によって生じる電界方向と機械振動
方向(圧電変位方向)とが一致し、圧電縦効果を利用し
た圧電素子となる。
【0030】第2圧電体ブロック53は、圧電体セラミ
ックシート65上にそれぞれ内部電極68a,68bを
形成し、このシート65を複数枚積み重ね、圧着して焼
結したものである。この焼結積層体の両側部に第2圧電
体ブロック53の外部電極63,64が設けられる。外
部電極63,64は、それぞれ内部電極68a,68b
に電気的に接続されている。次に、外部電極63,64
に所定のバイアス電圧を印加して、シート65の積み重
ね方向に、隣接するシート65の分極方向が互いに逆方
向になるように分極処理を行う。
【0031】この2次側の第2圧電体ブロック53に、
分極方向の圧電変位(機械振動)が印加されると、内部
電極68aと68bの間に電界が発生し、外部電極63
と64の間に2次交流電圧が生じる。しかも、第2圧電
体ブロック53も、第1圧電体ブロック52と同様に、
シート65の分極方向と、機械振動方向と、2次交流電
圧によって生じる電界方向とが一致し、圧電縦効果を利
用した圧電素子となる。
【0032】第1圧電体ブロック52と第2圧電体ブロ
ック53は、圧電変位方向が相互に平行になるように、
言い換えると分極方向が相互に平行になるように、一体
化されている。圧電体ブロック52と53は直列に配置
され、圧電体ブロック52,53は、圧電変位方向が固
定部材55の腕部55a,55bによって挟着されてい
る。必要に応じて、圧電体ブロック52,53相互、並
びに圧電体ブロック52,53と固定部材55は、接着
剤等にて堅固に接合される。
【0033】次に、以上の構成からなる圧電トランス5
1の作用効果について説明する。1次側の第1圧電体ブ
ロック52の外部電極61と62の間に、所定の周波数
の1次交流電圧が印加されると、圧電縦効果により第1
圧電体ブロック52の分極方向に圧電変位(機械振動)
が生じる。第1圧電体ブロック52全体は長さ方向に伸
縮する。つまり、第1圧電体ブロック52は、シート6
5と内部電極66a,66bの積み重ね方向に平行な方
向に圧電変位する。ところが、圧電体ブロック52,5
3は、固定部材55によってトータルの長さが一定に保
持されているため、第1圧電体ブロック52の圧電変位
に伴って第2圧電体ブロック53は強制的に逆方向に変
位(機械振動)し、例えば圧電体ブロック52が伸びれ
ば圧電体ブロック53は強制的に縮む。これにより、第
2圧電体ブロック53の外部電極63と64との間に2
次交流電圧が生じる。昇圧比は、第1圧電体ブロック5
2の内部電極66a,66bの層数と第2圧電体ブロッ
ク53の内部電極68a,68bの層数の比で表され
る。
【0034】また、圧電トランス51は、第1圧電体ブ
ロック52と第2圧電体ブロック53をそれぞれ別々に
製作することが可能となり、圧電体ブロック52,53
内においては、それぞれ分極方向が揃っているため、分
極処理を容易に行なうことができる。
【0035】[第4実施形態、図8及び図9]本発明に
係る圧電トランスの第4実施形態を図8及び図9に示
す。圧電トランス71は、前記第3実施形態の圧電トラ
ンス51において、2次側の第2圧電体ブロックを3個
としたものである。第2圧電体ブロック73a,73
b,73cは、それぞれセラミック焼結圧電体80の内
部に一対の内部電極86a,87a、86b,87b、
86c,87cを設けたものである。この圧電体80の
側面上部及び下部には、それぞれ第2圧電体ブロック7
3a,73b,73cの外部電極74a,75a、74
b,75b、74c,75cが設けられる。外部電極7
4a,75a,…75cはそれぞれ内部電極86a,8
7a,…87cに電気的に接続されている。次に、圧電
体ブロック73aの外部電極74aと75aの間に所定
のバイアス電圧を印加して、内部電極86a,87aが
対向する方向に圧電体80の分極処理を行なう。同様に
して、圧電体ブロック73b,73cに対して、圧電体
80の分極処理を行なう。
【0036】第2圧電体ブロック73a〜73cは、圧
電変位方向が相互に平行になるように、言い換えると分
極方向が相互に平行かつ同方向になるように一体化され
ている。第2圧電体ブロック73a〜73cは相互に並
列に配置され、第1圧電体ブロック52と直列に配置さ
れる。そして、圧電体ブロック52,73a〜73cは
圧電変位方向にコ字形固定部材55の腕部55a,55
bによって狭着されている。第2圧電体ブロック73a
〜73cは、外部電極75aと74b、及び外部電極7
5bと74cをリード線78を介して電気的に接続する
ことにより、電気的に直列に接続されている。
【0037】次に、以上の構成からなる圧電トランス7
1の作用効果について説明する。1次側の第1圧電体ブ
ロック52の外部電極61と62の間に、所定の周波数
の1次交流電圧が印加されると、第1圧電体ブロック5
2全体は長さ方向に伸縮する。ところが、圧電体ブロッ
ク52,73a〜73cは、固定部材55によってトー
タルの長さが一定に保持されているため、第1圧電体ブ
ロック52の圧電変位に伴って第2圧電体ブロック73
a〜73cは強制的に圧電変位(機械振動)する。これ
により、第2圧電体ブロック73a〜73cのそれぞれ
の外部電極74aと75aの間、外部電極74bと75
bの間及び外部電極74cと75cの間に2次交流電圧
が生じる。各圧電体ブロック73a〜73cに発生した
2次交流電圧は、リード線78を介して直列接続されて
いるので、加算されて高出力電圧を得ることができる。
【0038】[他の実施形態]なお、本発明に係る圧電
トランスは前記実施形態に限定するものではなく、その
要旨の範囲内で種々に変更することができる。例えば、
前記第2実施形態では、コ字形の固定部材を例にしてい
るが、ロ字形の固定部材に直列接続された二つの圧電体
ブロックを嵌め込んだ構造であってもよい。また、第1
圧電体ブロック内の電極数と第2圧電体ブロック内の電
極数を等しくして、昇圧比1の圧電トランスを作製して
もよい。
【0039】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、積層圧電体からなる第1圧電体ブロックに、第
1圧電体ブロックの圧電変位方向に対して平行に圧電変
位方向を有した状態で第2圧電体ブロックを一体化する
ことにより、第1圧電体ブロックと第2圧電体ブロック
をそれぞれ別々に製作することが可能となる。そして、
第1及び第2圧電体ブロック内においてはそれぞれ分極
方向が揃っているので、分極処理の作業性が良い。ま
た、各圧電体ブロック内にあっては、分極方向が異なる
領域が接することによって生じる境界部分での破損の心
配もなく、信頼性が向上する。
【0040】また、第1及び第2圧電体ブロックの圧電
変位方向の端部に固定部材を接合することにより、一方
の圧電体ブロックの圧電変位を、固定部材を介して他方
の圧電体ブロックに効率良く伝達することができる。さ
らに、昇圧比を大きくしたり、出力インピーダンスを下
げる場合には、圧電体ブロックの数を増やしたり、圧電
体ブロック内の電極数を増やすだけで良く、結果的に小
型化とコストダウン化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧電トランスの第1実施形態を示
す外観斜視図。
【図2】図1のII−IIから見た構造図。
【図3】図1のIII−IIIから見た構造図。
【図4】図1のIV−IVから見た構造図。
【図5】本発明に係る圧電トランスの第2実施形態を示
す分解斜視図。
【図6】本発明に係る圧電トランスの第3実施形態を示
す外観斜視図。
【図7】図6のVII−VIIから見た構造図。
【図8】本発明に係る圧電トランスの第4実施形態を示
す外観斜視図。
【図9】図8のIX−IXから見た構造図。
【図10】従来の圧電トランスを示す外観斜視図。
【図11】図10のXI−XIから見た構造図。
【図12】図10のXII−XIIから見た構造図。
【符号の説明】
21,41…圧電トランス 22…第1圧電体ブロック 23…第2圧電体ブロック 24,25…固定部材 35…圧電体セラミックシート 36a,36b,38a,38b…内部電極 37…セラミック圧電体 51,71…圧電トランス 52…第1圧電体ブロック 53,73a,73b,73c…第2圧電体ブロック 55…固定部材 65…圧電体セラミックシート 66a,66b,68a,68b,86a〜86c,8
7a〜87c…内部電極 80…セラミック圧電体

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の圧電体層と複数の電極とを積み重
    ねて構成した積層圧電体からなる第1圧電体ブロック
    と、 前記第1圧電体ブロックの圧電変位方向に対して平行に
    圧電変位方向を有した状態で、前記第1圧電体ブロック
    と一体化された第2圧電体ブロックと、 を備えたことを特徴とする圧電トランス。
  2. 【請求項2】 複数の圧電体層と複数の電極とを積み重
    ねて構成した積層圧電体からなる第1圧電体ブロック
    と、 前記第1圧電体ブロックの圧電変位方向に対して平行に
    圧電変位方向を有した状態で、前記第1圧電体ブロック
    と一体化された第2圧電体ブロックと、 前記第1及び第2圧電体ブロックの圧電変位方向の端部
    に接合された固定部材と、 を備えたことを特徴とする圧電トランス。
  3. 【請求項3】 前記第1及び第2圧電体ブロックのそれ
    ぞれの分極方向が相互に平行であることを特徴とする請
    求項1又は請求項2記載の圧電トランス。
  4. 【請求項4】 前記第2圧電体ブロックが、圧電体と該
    圧電体に設けられた一対の電極とで構成されていること
    を特徴とする請求項1ないし請求項3記載の圧電トラン
    ス。
  5. 【請求項5】 前記第2圧電体ブロックが、複数の圧電
    体層と複数の電極とを積み重ねて構成された積層圧電体
    であることを特徴とする請求項1ないし請求項3記載の
    圧電トランス。
  6. 【請求項6】 前記第1圧電体ブロックの圧電変位方向
    と前記第2圧電体ブロックの圧電変位方向が同方向であ
    ることを特徴とする請求項1ないし請求項5記載の圧電
    トランス。
  7. 【請求項7】 前記第1及び第2圧電体ブロック相互が
    並列に配列され、前記固定部材が二つの部材からなり、
    該部材がそれぞれ前記第1及び第2圧電体ブロックの圧
    電変位方向の両端面に接合されていることを特徴とする
    請求項6記載の圧電トランス。
  8. 【請求項8】 前記第1圧電体ブロックの圧電変位方向
    と前記第2圧電体ブロックの圧電変位方向が逆方向であ
    ることを特徴とする請求項1ないし請求項5記載の圧電
    トランス。
  9. 【請求項9】 前記第1及び第2圧電体ブロック相互が
    直列に配置され、該直列接続された第1及び第2圧電体
    ブロックは圧電変位方向に前記固定部材によって挟着さ
    れていることを特徴とする請求項8記載の圧電トラン
    ス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008509567A (ja) * 2004-08-13 2008-03-27 エプコス アクチエンゲゼルシャフト 圧電トランス
WO2008049395A1 (de) 2006-10-23 2008-05-02 Epcos Ag Piezotransformator

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