JPH10173249A - 圧電トランス - Google Patents

圧電トランス

Info

Publication number
JPH10173249A
JPH10173249A JP8331218A JP33121896A JPH10173249A JP H10173249 A JPH10173249 A JP H10173249A JP 8331218 A JP8331218 A JP 8331218A JP 33121896 A JP33121896 A JP 33121896A JP H10173249 A JPH10173249 A JP H10173249A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric
electrodes
piezoelectric transformer
longitudinal
vibration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8331218A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3849190B2 (ja
Inventor
Takaaki Asada
隆昭 浅田
Toshiaki Kachi
敏晃 加地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP33121896A priority Critical patent/JP3849190B2/ja
Publication of JPH10173249A publication Critical patent/JPH10173249A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3849190B2 publication Critical patent/JP3849190B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dc-Dc Converters (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低インピーダンス部及び高インピーダンス部
におけるインピーダンス値の設計の制約が少なく、大電
流用途にも好適に用い得る圧電トランス。 【解決手段】 直方体状の圧電体2の幅方向に沿って低
インピーダンス部3と高インピーダンス部4とを一体に
構成してなり、低インピーダンス部3では、圧電体層を
介して重なり合うように配置された複数の電極5a〜5
iを、高インピーダンス部4で圧電体層を介して厚み方
向に重なり合う複数の電極6a〜6eを配置し、低イン
ピーダンス部3においては圧電体層2a〜2hを厚み方
向において交互に逆方向となるように分極し、高インピ
ーダンス部4においても圧電体層を厚み方向において交
互に逆方向となるよう分極処理し、高インピーダンス部
4のインピーダンスが相対的に高くなるように電極6a
〜6eの積層数を電極5a〜5iの積層数よりも少なく
し、長さ方向縦振動モードで動作するように構成されて
いる圧電トランス1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電体内に入出力
部としての低インピーダンス部と、出入力部としての高
インピーダンス部とを一体的に構成してなる圧電トラン
スに関し、より詳細には、数〜数百kHz帯において、
低い出力インピーダンスが求められる用途に適した圧電
トランスに関する。
【0002】
【従来の技術】数十〜数百kHz帯で使用される圧電ト
ランスとして、ローゼン型圧電トランスが知られてい
る。
【0003】図12に示すように、ローゼン型圧電トラ
ンス51は、直方体状の圧電セラミックス52を用いて
構成されている。圧電セラミックス52において、低イ
ンピーダンス部53と、高インピーダンス部54とが一
体に構成されている。
【0004】低インピーダンス部53は、図示の矢印で
示すように厚み方向に分極処理されており、厚み方向に
対向するように電極55a,55bを形成した構造を有
する。
【0005】高インピーダンス部54は、図示の矢印で
示すように圧電セラミックス52の長さ方向に分極処理
されている。高インピーダンス部54では、長さ方向に
直交する圧電セラミックス52の端面に電極55cが形
成されている。
【0006】例えば、昇圧用トランスとして用いる場
合、低インピーダンス部53において、電極55a,5
5b間に電圧を印加すると、圧電逆効果により、圧電セ
ラミックス52の長さ方向寸法により決定される振動数
の長さ方向縦振動が励振される。
【0007】高インピーダンス部54では、上記長さ方
向縦振動に基づく振動エネルギーが圧電正効果により、
電力として取り出される。高インピーダンス部54のイ
ンピーダンスは低インピーダンス部53のインピーダン
スよりも高くなり、電極55cから高電圧を取り出すこ
とができる。
【0008】上記ローゼン型圧電トランス51は、小型
化が容易であり、不燃化が可能である。しかしながら、
ローゼン型圧電トランス51では、電極55cが圧電セ
ラミックス52の長さ方向に直交する端面に形成されて
いる。従って、電極55cが長さ方向縦振動の腹の位置
に形成されているため、電極55cにリード線などを接
続すると、振動が阻害される。そのため、設計通りの高
出力電圧を得ることは困難であった。また、リード線引
出しに工夫を要するため、コスト増大を免れなかった。
さらに、長期間の信頼性が不十分であった。
【0009】また、圧電セラミックス52において、低
インピーダンス部53については厚み方向に分極処理
し、高インピーダンス部54については長さ方向に沿う
ように分極処理しなければならないため、分極作業が煩
雑であった。さらに、分極方向が異なるため、低インピ
ーダンス部53と高インピーダンス部54との接合部分
に応力が加わり易いという問題があった。
【0010】加えて、上記ローゼン型圧電トランス51
では、低インピーダンス部53については積層構造を採
用することにより、より一層の低インピーダンス化が可
能であるが、高インピーダンス部54については、積層
構造を利用して低インピーダンス化を果たすことができ
ない。すなわち、高インピーダンス部54側の負荷イン
ピーダンスは、実用的な圧電トランス51の大きさを考
慮すると、数十kΩ以上となり、より一層の低インピー
ダンス化が果たせなかった。そのため、圧電トランス5
1は、高インピーダンス部54を出力側として昇圧トラ
ンスとして使用した場合は、実用に適した負荷インピー
ダンスが数十kΩ以上となり、より低いインピーダンス
では十分な電力を取り出すことが困難であった。その結
果、電流値が小さな高圧電源や冷陰極管などの点灯用ト
ランスなどに、その用途が限定されていた。
【0011】上記のような問題を解決するものとして、
特開平5−251782号公報には、図13に示す圧電
トランス61が開示されている。圧電トランス61で
は、直方体状の圧電体62に、低インピーダンス部63
と、高インピーダンス部64とが長さ方向に沿って配置
されるように一体に構成されている。低インピーダンス
部63では、圧電体層62a〜62eを介して、複数の
電極65a〜65fが厚み方向に重なり合うように形成
されている。
【0012】圧電体層62a〜62eは、図示の矢印で
示すように、隣接する圧電体層が厚み方向において反対
方向となるように分極処理されている。高インピーダン
ス部64では、圧電体62が図示の矢印で示すように厚
み方向に一様に分極処理されており、電極66a,66
bが圧電体62の上面及び下面に形成されている。
【0013】圧電トランス61では、低インピーダンス
部63に電圧を印加すると、圧電体62の長さ方向寸法
により決定される長さ方向縦振動が励振される。そし
て、該長さ方向縦振動に基づき、圧電正効果により高イ
ンピーダンス部64の電極66a,66b間から高電圧
が取り出される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、圧電ト
ランス61では、低インピーダンス部63と高インピー
ダンス部64とが、圧電体62の長さ方向に沿うように
配置されて一体化されている。従って、圧電体62の長
さ方向寸法をさほど短くすることができず、より高周波
帯で使用することが困難であった。
【0015】本発明の目的は、小型であり、低出力イン
ピーダンスが求められる電源回路等にも好適に用いるこ
とができ、かつより高周波帯で用いることが可能な圧電
トランスを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、圧電体に、入力部または出力部としての低インピー
ダンス部と、出力部または入力部としての高インピーダ
ンス部とを一体に構成してなる圧電トランスにおいて、
前記圧電体は、長さ方向寸法が幅方向寸法よりも長く、
長さ方向及び幅方向と直交する方向が厚み方向となる形
状を有し、前記低インピーダンス部には、圧電体層を介
して厚み方向に重なり合うように、かつ圧電体の幅方向
と直交する第1の側面に導出されるように複数の電極が
形成されており、前記高インピーダンス部は、圧電体の
幅方向において前記低インピーダンス部の前記第1の側
面とは反対側に構成されており、前記高インピーダンス
には、圧電体層を介して厚み方向に重なり合うように、
かつ第1の側面に対向されている第2の側面に導出され
るように、低インピーダンス部の電極よりも少ない数の
電極が形成されており、低インピーダンス部または高イ
ンピーダンス部の電極に接続されるように、第1,第2
の側面に、それぞれ、第1,第2の外部電極が形成され
ており、前記低インピーダンス部及び高インピーダンス
部の電極間に挟まれた圧電体層が厚み方向に分極処理さ
れており、長さ方向縦振動モードで動作するように構成
されていることを特徴とする。
【0017】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明にかかる圧電トランスにおいて、長さ方向縦振動
の1次モードで動作するように構成されており、前記第
1,第2の側面に形成されている第1,第2の外部電極
が第1,第2の側面の長さ方向中央近傍に形成されてい
ることを特徴とする。
【0018】請求項3に記載の発明にかかる圧電トラン
スは、長さ方向縦振動の3次モードで動作するように構
成されており、前記第1,第2の側面に形成されている
第1,第2の外部電極が、第1,第2の側面において、
長さ方向中央近傍の位置、または励振される振動の波長
をλとしたときに長さ方向一端からλ/4もしくはその
近傍の位置に形成されていることを特徴とする。
【0019】請求項4に記載の発明にかかる圧電トラン
スは、上記請求項1〜3の何れかに記載の圧電トランス
において、前記圧電体の第1,第2の側面に長さ方向縦
振動モードで動作させた際の振動のノードに対応する少
なくとも1つの位置の両側に一対の溝が圧電体の厚み方
向に延びるように形成されており、該一対の溝で挟まれ
た領域に、前記第1または第2の外部電極が形成されて
いることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明
にかかる圧電トランスの実施の形態を説明する。
【0021】図1は、本発明の第1の構造例にかかる圧
電トランスの斜視図である。圧電トランス1は、直方体
状の圧電体2を用いて構成されている。圧電体2は、例
えば圧電セラミックスまたは圧電単結晶などの圧電材料
により構成し得るが、本実施例では、チタン酸ジルコン
酸鉛系セラミックスのような圧電セラミックスにより構
成されており、後述するように一体焼成型の焼結体とし
て構成されている。
【0022】圧電体2は直方体状の形状を有する。図1
において、圧電体2の上面2xの長辺に沿う方向を長さ
方向、短辺に沿う方向を幅方向とし、上面及び下面を結
ぶ方向を厚み方向とする。
【0023】圧電体2には、幅方向に沿って低インピー
ダンス部3と高インピーダンス部4とが一体に構成され
ている。低インピーダンス部3及び高インピーダンス部
4の構造を、図1のA−A線に沿う断面図である図4を
参照して説明する。
【0024】図4に示すように、低インピーダンス部3
においては、圧電体層2a〜2hを介して複数の電極5
a〜5iが厚み方向に重なり合うように配置されてい
る。電極5a,5iは圧電体2の上面及び下面に形成さ
れており、電極5b〜5hは内部電極として形成されて
いる。もっとも、低インピーダンス部3において厚み方
向に重なり合う電極については、その全てが内部電極で
構成されていてもよい。
【0025】電極5a〜5iに挟まれている圧電体層2
a〜2hは、図4に矢印で示すように、隣接する圧電体
層が厚み方向において反対方向となる方向に分極処理さ
れている。
【0026】他方、高インピーダンス部4においては、
圧電体層2i〜2lを介して複数の電極6a〜6eが厚
み方向に重なり合うように配置されている。高インピー
ダンス部4においても、圧電体層2i〜2lは厚み方向
において反対方向に分極処理されている。
【0027】図1に戻り、電極5a,6aは何れも、そ
の長さ方向が圧電体2の長さ方向と同様となるように配
置された矩形の導電膜により形成されている。図2に略
図的分解図で示すように、他の電極5b〜5i,6b〜
6eについても同様の形状を有する。
【0028】さらに、図1〜図3から明らかなように、
低インピーダンス部3においては、電極5a〜5iは、
圧電体2の幅方向と直交する第1の側面2mに導出され
ている。他方、高インピーダンス部4においては、電極
6a〜6eは、圧電体2の幅方向と直交する第2の側面
2nに導出されている。この場合、低インピーダンス部
3及び高インピーダンス部4の何れにおいても、厚み方
向に重なり合っている電極は厚み方向に沿って交互に異
なる位置に引き出されている。例えば、図5から明らか
なように、電極5a,5c,5e,5g,5iと、電極
5b,5d,5f,5hとが異なる位置に引き出されて
いる。図3は、このような電極の引出し位置を示す平面
図である。また、図1から明らかなように、電極6a〜
6eにおいても、電極6a,6c,6eと、電極6b,
6dとが、第2の側面2nにおいて異なる位置に引き出
されている。
【0029】図6に示すように、第1の側面2mには、
第1の外部電極7a,7bが形成されている。外部電極
7aは、電極5a,5c,5e,5g,5iに、外部電
極7bは、電極5b,5d,5f,5hに電気的に接続
されるように形成されている。また、第2の側面2nに
は、第2の外部電極8a,8bが形成されている。外部
電極8aは、電極6a,6c,6eに接続されるように
形成されている。外部電極8bは、電極6b,6dに電
気的に接続されるように形成されている。
【0030】圧電トランス1は、上記のように、複数の
圧電体層を介して複数の電極を重なり合うように配置す
ることにより、低インピーダンス部3及び高インピーダ
ンス部4を構成した構造を有する。従って、圧電トラン
ス1は、積層コンデンサの製造方法に慣用されている周
知の一体焼成技術を用いて容易に形成することができ、
小型化も容易である。すなわち、圧電体2を構成するた
めの圧電性セラミックグリーンシート上に電極5a〜5
i,6a〜6eを構成するために、AgやAg−Pd合
金などを含む導電ペーストを印刷し、該導電ペーストが
印刷された複数枚の圧電性セラミックグリーンシートを
積層し、得られた積層を加圧した後、焼成することによ
り得ることができる。
【0031】なお、電極5a〜5i,6a〜6eを構成
する材料については、電極として機能させ得る導電性材
料である限り、特に限定されるものではない。圧電トラ
ンス1では、上記のように低インピーダンス部3が高イ
ンピーダンス部4と圧電体2内において一体化されてお
り、しかも、圧電体2の幅方向に沿うように配置されて
いる。すなわち、高インピーダンス部4は、低インピー
ダンス部3と幅方向において第1の側面2mとは反対側
に配置されている。
【0032】従って、圧電体2の長さ方向寸法を低イン
ピーダンス部3及び高インピーダンス部4の配置等に関
係なく設定することができる。よって、小型化を図りつ
つ、より高周波帯で動作させ得る圧電トランスを得るこ
とができる。
【0033】圧電トランス2を動作させるに際しては、
例えば、昇圧トランスとして用いる場合には、低インピ
ーダンス部3を入力側とし、高インピーダンス部4を出
力側とする。すなわち、第1の外部電極7a,7bから
入力電圧を印加すると、圧電体2の長さ方向寸法により
決定される長さ縦振動が圧電逆効果により励振される。
従って、高インピーダンス部4においては、圧電正効果
により、該長さ縦振動に基づく振動エネルギーが電圧と
して取り出される。
【0034】この場合、出力電圧が低インピーダンス部
3と高インピーダンス部4とのインピーダンス比により
定められ、高インピーダンス部4のインピーダンスが低
インピーダンス部3よりも高いため、高電圧が第2の外
部電極8a,8bから取り出される。
【0035】逆に、降圧トランスとして使用する場合
は、高インピーダンス部4を入力側とし、低インピーダ
ンス部3を出力側として用いればよい。本実施例の圧電
トランス1では、上記のような構造を有するため、低イ
ンピーダンス部3及び高インピーダンス部4の何れにお
いても、積層する電極の数や長さ方向寸法を調整するこ
とにより、それぞれのインピーダンス値を容易にかつ高
精度に制御することができる。
【0036】なお、高インピーダンス部4においては、
複数の電極6a〜6eが積層されていたが、より少ない
数の電極が積層されていてもよく、かつ内部電極を有せ
ずに圧電体2の上面及び下面にのみ電極を形成してもよ
く、それによって、高インピーダンス部4のインピーダ
ンス値をより大きくすることができる。
【0037】上記圧電トランス1は、長さ方向縦振動の
1次モードで動作するように構成されている。従って、
外部電極7a,7b,8a,8bは、第1,第2の側面
2m,2nにおいて長さ方向中央近傍に形成されてい
る。これを、図7を参照して説明する。
【0038】図7は、圧電トランス1の低インピーダン
ス部3に電圧を印加して長さ方向縦振動の1次モードで
励振した場合を説明するための略図的平面図であり、こ
こでは、高インピーダンス部4の電極の図示は省略して
ある。長さ方向縦振動の1次モードでは、図7に圧電体
2の下方に示す曲線Cで示すように圧電体2が変位す
る。なお、曲線Cは、圧電体2の長さ方向の変位状態を
略図的に示す曲線である。
【0039】長さ方向縦振動の1次モードで圧電体2を
振動させた場合、図7の曲線Cで示す振動姿態と、曲線
Dで示す振動姿態とを繰り返すように圧電体2が振動す
る。従って、この長さ方向縦振動の1次モードでは、長
さ方向寸法の中点である中心Oが振動のノードとなる。
そこで、前述したように、第1,第2の外部電極7a,
7b,8a,8bが、第1,第2の側面2m,2nの長
さ方向中心近傍に形成されている。
【0040】変形例 上記構造例では、長さ方向縦振動の1次モードを用いる
ため、外部電極7a,7b,8a,8bが第1,第2の
側面2m,2nの長さ方向中心近傍に形成されていた。
これに対して、本発明にかかる圧電トランスは、長さ方
向縦振動の3次モードで動作するように構成されてもよ
い。図8に略図的平面図で示すように、低インピーダン
ス部3を長さ方向縦振動の3次モード振動させた場合、
図8の下方に示す曲線Eで示すように圧電体2が振動す
る。
【0041】曲線Eは、圧電体2の長さ方向の振動姿態
を示し、従って、振動のノードは、図8の曲線E上に示
す、点O1 〜O3 に表れることになる。点O1 は長さ方
向中心であり、点O2 ,O3 は、それぞれ、圧電体2の
長さ方向端部から長さ方向内側にλ/4の位置にある。
なお、λは、励振される振動の波長である。
【0042】よって、長さ方向縦振動の3次モードを利
用する場合には、外部電極は、圧電体2の第1,第2の
側面2m,2nの長さ方向中央近傍と、圧電体2の長さ
方向一端から内側にλ/4の位置近傍に形成すればよ
い。よって、図8に示すように、低インピーダンス部3
においては、電極5aは、圧電体2の長さ方向一端2o
からλ/4離れた位置に導出されており、その位置に外
部電極7aが形成されている。
【0043】なお、図8に破線F,Gで示すように、第
1の側面2mの長さ方向中央または他端からλ/4離れ
た位置に電極5aを導出し、外部電極を形成してもよ
い。また、外部電極5aとは異なる電位に接続される電
極、例えば電極5b(図4参照)については、電極5a
と異なる位置に引き出される必要があるため、上記破線
F,Gで示した位置に導出し、外部電極と電気的に接続
すればよい。
【0044】低インピーダンス部3についてのみ説明し
たが、長さ方向縦振動の3次モードにおける振動のノー
ドが上述した位置に表れるため、高インピーダンス部4
についても、電極の引出し位置及び外部電極形成位置
は、第2の側面2nの長さ方向中央近傍及び長さ方向端
部から内側にλ/4の位置近傍とすればよい。
【0045】上記のように、長さ方向縦振動の3次モー
ドを利用した場合には、外部電極形成位置を、第1,第
2の側面2m,2nにおいて、長さ方向中央近傍と、長
さ方向端部から内側にλ/4の位置近傍とすることによ
り、外部との接続構造による振動のダンピング等を生じ
ることなく、所望通りの高電圧を圧電トランスから取り
出すことができる。
【0046】請求項4に記載の発明にかかる実施例 図9〜図11は、請求項4に記載の発明にかかる圧電ト
ランスについての例を説明するための図である。
【0047】図9に示すように、圧電トランス11は、
圧電体2の第1,第2の側面2m,2nに一対の溝12
a,12b,12c,12dがそれぞれ形成されている
ことを除いては、図1に示した圧電トランス1と同様に
構成されている。従って、圧電トランス2の内部構造に
ついては、図1に示した圧電トランス1の説明を援用す
ることにより省略する。
【0048】溝12a,12bは、側面2mの長さ方向
中央を挟んだ両側において、圧電体2の厚み方向に延び
るように形成されている。すなわち、圧電トランス11
は、圧電トランス1と同様に長さ方向縦振動の1次モー
ドで動作するように構成されているため、側面2m上に
形成された第1の外部電極7a,7bは、側面2mの長
さ方向中央近傍に形成されている。
【0049】上記溝12a,12bは、第1の外部電極
7a,7bの両側に配置されており、言い換えれば、溝
12a,12bは振動のノードに対応する位置の両側に
形成されており、かつ該溝12a,12bに挟まれた領
域に第1の外部電極7a,7bが形成されている。
【0050】同様に、第2の側面2nにおいても、一対
の溝12c,12dが圧電体2の振動のノードに対応す
る位置の両側において、圧電体2の厚み方向に延びるよ
うに形成されており、かつ溝12c,12d間の領域に
第2の外部電極8a,8bが形成されている(図10参
照)。
【0051】溝12a〜12dの形成により、圧電トラ
ンス11では、長さ方向縦振動の1次モードで励振した
場合、外部電極7a〜8bへの振動の伝搬が効果的に抑
制される。すなわち、外部電極7a〜8dは振動のノー
ド近傍に形成されているため、リード線などによって接
続した場合でも接続構造によって振動が阻害され難い
が、本構造例では、上記溝12a〜12dの形成により
振動の伝搬がより、効果的に抑制され、より効率の良い
構成が可能とされている。
【0052】また、図11は、長さ方向縦振動の3次モ
ードを利用した圧電トランスにおいて、側面に溝を形成
した変形例を示す平面図である。ここでは、圧電トラン
ス21において、高さ方向縦振動の3次モードで動作さ
せた場合の振動のノードの両側に溝22a〜22d,2
2e〜22hが形成されており、一対の溝で挟まれた領
域において外部電極が形成されている。
【0053】すなわち、第1の側面2mにおいては、長
さ方向中央両側に溝22a,22bが形成されており、
溝22a,22b間に外部電極7aが形成されている。
また、圧電体2の長さ方向一端から長さ方向内側にλ/
4離れた位置の片側に溝22cが配置されており、反対
側に溝22dが形成されている。従って、溝22c,2
2d間の領域に、外部電極7bが形成されている。
【0054】同様に、高インピーダンス部4において
も、第2の側面2nの長さ方向中央を挟んだ両側に溝2
2e,22fが形成されており、溝22e,22f間に
外部電極8aが形成されている。また、圧電体2の長さ
方向一端から内側にλ/4離れた位置の片側には溝22
gが配置されており、反対側に溝22hが形成されてい
る。従って、溝22g,22h間の領域に、外部電極8
bが形成されている。
【0055】図11から明らかなように、長さ方向縦振
動の3次モードを用いた圧電トランス21においても、
振動ノードとなる位置の両側に一対の溝を形成し、該溝
間の領域に外部電極を形成することにより、より高効率
な伝送ができる。
【0056】
【発明の効果】請求項1に記載の発明にかかる圧電トラ
ンスでは、圧電体に低インピーダンス部及び高インピー
ダンス部が圧電体の幅方向に沿うように配置されて一体
化されている。従って、低インピーダンス部及び高イン
ピーダンス部の長さ方向寸法を、一対のインピーダンス
部を配置する構造による制約を受けることなく、目的と
する周波数帯に応じて決定することができる。従って、
より高い周波数で使用し得る圧電トランスを得ることが
できる。
【0057】加えて、高インピーダンス部及び低インピ
ーダンス部のインピーダンス値については、圧電体層を
介して重なり合う電極の幅方向寸法及び積層数を調整す
ることにより容易に制御することができる。さらに、高
インピーダンス部についても、複数の電極を厚み方向に
重なり合うように配置した構造を有するため、高インピ
ーダンス部のインピーダンスを広範囲に設定し得る。従
って、高インピーダンス部側の負荷インピーダンスを数
十kΩ以下とすることができ、電流値の大きな用途にも
適した圧電トランスを容易に提供することができる。
【0058】さらに、低インピーダンス部及び高インピ
ーダンスの何れにおいても、圧電体を厚み方向に分極す
ればよいだけであるため、分極作業も容易に行い得る。
よって、圧電トランスの利点である小型化を妨げること
なく、従来の圧電トランスに比べて広範な用途に用い得
る圧電トランスを提供することができる。
【0059】請求項2に記載の発明では、長さ方向縦振
動の1次モードで動作するように構成されており、しか
も、第1,第2の外部電極が第1,第2の側面の長さ方
向中央近傍に形成されているため、長さ方向縦振動の1
次モードで動作させた場合、外部電極と外部との接続構
造によって振動が阻害され難い。よって、長さ方向縦振
動の1次モードを利用して高効率を得ることができ、1
次モードであるため、最も小型化が可能である。
【0060】同様に、請求項3に記載の発明において
も、同様に、第1,第2の外部電極が長さ方向縦振動の
3次モードで動作させた場合の振動のノード近傍に配置
されているため、同様に、長さ方向縦振動の3次モード
を利用して高い出力電圧を取り出すことができる。
【0061】請求項4に記載の発明では、圧電体の第
1,第2の側面に、振動のノードに対応する位置の両側
に一対の溝が圧電体の厚み方向に延びるように形成され
ており、該一対の溝で挟まれた領域に外部電極が形成さ
れているので、外部電極形成位置への振動の伝搬を抑制
することができ、それによってより一層高い出力電圧を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例にかかる圧電トランスを
示す斜視図。
【図2】図1に示した圧電トランスの電極構造を説明す
るための模式的分解斜視図。
【図3】図1に示した圧電トランスの平面図。
【図4】図1のA−A線に沿う模式的断面図。
【図5】図1に示した圧電トランス1の第1の側面2m
側から見た側面図(外部電極形成前)。
【図6】図1に示した圧電トランス1の第2の側面2m
側から見た側面図(外部電極形成後)。
【図7】圧電トランス1を長さ方向振動の1次モードで
動作させた場合の振動のノード説明するための模式的平
面図。
【図8】本発明にかかる圧電トランスを長さ方向縦振動
の3次モードで励振させた場合の振動のノード説明する
ための模式的側面図。
【図9】本発明の第2の実施例にかかる圧電トランスを
説明するための斜視図。
【図10】図9に示した圧電トランスの平面図。
【図11】長さ方向縦振動の3次モードを利用した圧電
トランスにおいて溝を形成した構造を説明するための平
面図。
【図12】従来のローゼン型圧電トランスを説明するた
めの斜視図。
【図13】従来の圧電トランスを示す斜視図。
【符号の説明】
1…圧電トランス 2…圧電体 2a〜2l…圧電体層 2m…第1の側面 2n…第2の側面 5a〜5i,6a〜6e…電極 7a,7b…第1の外部電極 8a,8b…第2の外部電極 11…圧電トランス 12a〜12d…溝 21…圧電トランス 22a〜22h…溝

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電体に、入力部または出力部としての
    低インピーダンス部と、出力部または入力部としての高
    インピーダンス部とを一体に構成してなる圧電トランス
    において、 前記圧電体は、長さ方向寸法が幅方向寸法よりも長く、
    長さ方向及び幅方向と直交する方向が厚み方向となる形
    状を有し、 前記低インピーダンス部には、圧電体層を介して厚み方
    向に重なり合うように、かつ圧電体の幅方向と直交する
    第1の側面に導出されるように複数の電極が形成されて
    おり、 前記高インピーダンス部は、圧電体の幅方向において前
    記低インピーダンス部の前記第1の側面とは反対側に構
    成されており、 前記高インピーダンス部には、圧電体層を介して厚み方
    向に重なり合うように、かつ圧電体の第1の側面に対向
    されている第2の側面に導出されるように、低インピー
    ダンス部の電極よりも少ない数の電極が形成されてお
    り、 低インピーダンス部または高インピーダンス部の電極に
    接続されるように、第1,第2の側面に、それぞれ、第
    1,第2の外部電極が形成されており、 前記低インピーダンス部及び高インピーダンス部の電極
    間に挟まれた圧電体層が厚み方向に分極処理されてお
    り、長さ方向縦振動モードで動作するように構成されて
    いることを特徴とする、圧電トランス
  2. 【請求項2】 長さ方向縦振動の1次モードで動作する
    ように構成されており、前記第1,第2の側面に形成さ
    れている第1,第2の外部電極が第1,第2の側面の長
    さ方向中央近傍に形成されていることを特徴とする、請
    求項1に記載の圧電トランス。
  3. 【請求項3】 長さ方向縦振動の3次モードで動作する
    ように構成されており、前記第1,第2の側面に形成さ
    れている第1,第2の外部電極が、第1,第2の側面に
    おいて、長さ方向中央近傍の位置、または励振される振
    動の波長をλとしたときに、長さ方向一端からλ/4も
    しくはその近傍の位置に形成されていることを特徴とす
    る、請求項1に記載の圧電トランス。
  4. 【請求項4】 前記圧電体の第1,第2の側面に長さ方
    向縦振動モードで動作させた際の振動のノードに対応す
    る少なくとも1つの位置の両側に一対の溝が圧電体の厚
    み方向に延びるように形成されており、該一対の溝で挟
    まれた領域に、前記第1または第2の外部電極が形成さ
    れていることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記
    載の圧電トランス。
JP33121896A 1996-12-11 1996-12-11 圧電トランス Expired - Fee Related JP3849190B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33121896A JP3849190B2 (ja) 1996-12-11 1996-12-11 圧電トランス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33121896A JP3849190B2 (ja) 1996-12-11 1996-12-11 圧電トランス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10173249A true JPH10173249A (ja) 1998-06-26
JP3849190B2 JP3849190B2 (ja) 2006-11-22

Family

ID=18241223

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33121896A Expired - Fee Related JP3849190B2 (ja) 1996-12-11 1996-12-11 圧電トランス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3849190B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000070688A1 (fr) * 1999-05-12 2000-11-23 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Transducteur piezo-electrique stratifie
JP2002076465A (ja) * 2000-08-30 2002-03-15 Kyocera Corp 圧電トランスおよびadコンバータ
JP2002141572A (ja) * 2000-10-31 2002-05-17 Kyocera Corp 圧電トランス
JP2003060253A (ja) * 2001-08-21 2003-02-28 Nikko Co 圧電トランス
JP2005192388A (ja) * 2003-12-04 2005-07-14 Ngk Insulators Ltd 超音波振動素子及びそれを用いた超音波アクチュエータ

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000070688A1 (fr) * 1999-05-12 2000-11-23 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Transducteur piezo-electrique stratifie
US6448698B1 (en) 1999-05-12 2002-09-10 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Laminated piezoelectric transformer
JP2002076465A (ja) * 2000-08-30 2002-03-15 Kyocera Corp 圧電トランスおよびadコンバータ
JP2002141572A (ja) * 2000-10-31 2002-05-17 Kyocera Corp 圧電トランス
JP2003060253A (ja) * 2001-08-21 2003-02-28 Nikko Co 圧電トランス
JP2005192388A (ja) * 2003-12-04 2005-07-14 Ngk Insulators Ltd 超音波振動素子及びそれを用いた超音波アクチュエータ

Also Published As

Publication number Publication date
JP3849190B2 (ja) 2006-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6366006B1 (en) Composite piezoelectric transformer
US5440195A (en) Piezoelectric ceramic transformer
JP2842382B2 (ja) 積層型圧電トランスおよびその製造方法
JP2606667B2 (ja) 圧電磁器トランス及びその駆動方法
US5892318A (en) Piezoelectric transformer with multiple output
US6326718B1 (en) Multilayer piezoelectric transformer
US5818150A (en) Four-terminal piezoelectric ceramic transformer
JP3849190B2 (ja) 圧電トランス
US6278227B1 (en) Piezoelectric transformer
JP2643810B2 (ja) 圧電磁器トランスとその駆動方法
JPH05235432A (ja) 厚み縦振動圧電磁器トランス及びその駆動方法
JP4940509B2 (ja) 積層型圧電トランス
JP3709114B2 (ja) 圧電トランス
JP3031283B2 (ja) 対称積層型圧電セラミックトランス
JPH11145528A (ja) 圧電トランス
JP3445552B2 (ja) 圧電磁器トランス
JPH0983032A (ja) 圧電トランス
JP2000174355A (ja) 圧電トランス
JP4831859B2 (ja) 圧電トランス
JPH08293633A (ja) 圧電トランス
JP2001024246A (ja) 圧電トランス素子
JPH08264854A (ja) 圧電トランス
JP2000077738A (ja) 圧電トランス
JPH10270768A (ja) 積層型圧電トランス
JPH08335729A (ja) 圧電トランス

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040423

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060808

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060821

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090908

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100908

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100908

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110908

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120908

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120908

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130908

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees