JPH08264854A - 圧電トランス - Google Patents

圧電トランス

Info

Publication number
JPH08264854A
JPH08264854A JP35415195A JP35415195A JPH08264854A JP H08264854 A JPH08264854 A JP H08264854A JP 35415195 A JP35415195 A JP 35415195A JP 35415195 A JP35415195 A JP 35415195A JP H08264854 A JPH08264854 A JP H08264854A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
primary electrode
primary
electrode
region
piezoelectric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP35415195A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2850216B2 (ja
Inventor
Koichi Kanayama
光一 金山
Nobuhiro Maruko
展弘 丸子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Petrochemical Industries Ltd filed Critical Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority to JP35415195A priority Critical patent/JP2850216B2/ja
Publication of JPH08264854A publication Critical patent/JPH08264854A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2850216B2 publication Critical patent/JP2850216B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dc-Dc Converters (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】昇圧比の高い圧電トランスを提供する。 【解決手段】圧電基板10の上面12に一次電極22、
26を設け、下面14に一次電極24、28を設け、端
面18に二次電極72を設け、一次電極22と24との
間および一次電極26および28との間の圧電基板10
を厚み方向の同一方向に分極し、一次電極26、28と
二次電極72との間の圧電基板10を長手方向に分極
し、一次電極22と28とを電源82の一端に接続し、
一次電極26と24とを電源82の他端に接続する。二
次電極72を冷陰極管90に接続する。圧電トランス1
00を1波長モードで駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧電トランスに関
し、特に液晶ディスプレー(以下、LCDという。)パ
ネルのバックライトに使用される冷陰極管(以下、CF
Lという。)点灯用等に好適に使用される圧電トランス
に関する。
【0002】
【従来の技術】ノート型パーソナルコンピュータなどの
LCDパネルを搭載した携帯機器では、小型化、省消費
電力化が望まれている。このLCDパネルのバックライ
トとして広く用いられているCFLは、点灯開始時には
1kV以上の高電圧を必要とし、また連続点灯している
時には数百V程度の高電圧を必要とする。そのためのト
ランスとして、高昇圧巻線トランスが用いられてきた
が、効率や大きさ等の点で高性能化の限界に近づきつつ
ある。
【0003】近年、このLCDパネル用として、より小
型で高効率を実現できる圧電トランスを用いたCFL点
灯用ユニットが開発された(日経エレクトロニクス、1
994.11.7(No.621)第147頁乃至第1
57頁参照。)。ここで用いられている圧電トランスは
ROSEN型と称される構造であり、昇圧比がいまだ不
十分なため、実用化されたCFL点灯ユニットでは圧電
トランスの前段に巻き線トランスを設けたものであっ
た。
【0004】図27は従来のROSEN型圧電トランス
の説明するための図であり、図27Aは斜視図、図27
Bは断面図、図27Cは応力分布を示す図、図27Dは
振幅分布を示す図である。
【0005】直方体状の圧電セラミックス基板10の上
面12の左側(一次側)半分には一次電極22が設けら
れ、一次電極22と対向して圧電セラミクス基板10の
下面14にも一次電極24が設けられ、一次電極22と
一次電極24との間の圧電セラミックス基板10は上面
12と下面14間の厚み方向において分極されている。
上面12および下面14と垂直な二次側端面18には二
次電極72が設けられ、一次電極22、24と二次電極
24との間の圧電セラミックス基板10は上面12およ
び下面14の延在方向である長手方向において分極され
ている。電源82の一端は接続部122を介して一次電
極22と接続され、他端は接続部124を介して一次電
極24と接続されている。二次電極72は負荷としての
CFL90の一端に接続され、CFL90の他端は接続
部126を介して一次電極24に接続されている。
【0006】電源82から一次電極22、24間に電圧
が印加されると、左半分では、厚み方向に電界が加わ
り、分極方向とは垂直方向に変位する圧電横効果で長手
方向の縦振動が励振されて、圧電トランス100全体が
振動する。さらに右半分では、長手方向に機械的歪みが
生じ、分極方向に電位差が発生する圧電縦効果により、
二次電極72から一次電極22、24間に印加された一
次電圧と同じ周波数の電圧が取り出される。圧電トラン
ス100の共振周波数に等しい周波数の駆動電圧を一次
電極22、24間に印加すると、非常に高い昇圧比を得
ることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、例えば、PZ
T(チタン酸ジルコン酸鉛)系のセラミックスを使用し
た圧電トランスを、A4サイズのノート型パーソナルコ
ンピュータのLCDパネルに使用されるCFL点灯用イ
ンバータの昇圧トランスとして使用するには、なお相当
大きな入力電圧を印加する必要があり、未だ昇圧比が不
十分であった。
【0008】従って、本発明の目的は、昇圧比の高い圧
電トランスを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、第1の
主面と前記第1の主面と対向する第2の主面とを有する
圧電基板を備え、前記第1の主面および前記第2の主面
が延在する前記圧電基板の長手方向の縦振動共振モード
を利用する圧電トランスであって、前記共振モードが、
前記長手方向に少なくとも1波長以上(好ましくは1波
長以上であって1/2波長の整数倍)の応力分布が存在
する共振モードであり、前記長手方向において前記共振
時の前記応力分布の半波長の長さを有し前記共振時に前
記長手方向において正または負のうちいずれか一つの応
力が生じる前記圧電基板の第1の領域の前記第1の主面
および第2の主面に第1の一次電極および第2の一次電
極がそれぞれ互いに対向して設けられ、前記第1の領域
の前記第1の一次電極と前記第2の一次電極間が前記第
1の主面と前記第2の主面間の厚み方向において分極さ
れ、前記第1の領域とは前記長手方向において所定の間
隔離間した前記圧電基板の第2の領域に二次電極が設け
られた圧電トランスにおいて、前記圧電基板の前記第1
の領域と前記第2の領域との間に、前記長手方向に前記
共振時の前記応力分布の半波長以下の長さを有し前記共
振時に前記長手方向において正または負のうちいずれか
一つの応力が生じる第3の領域を有し、前記第3の領域
の前記第1の主面および前記第2の主面に第3の一次電
極および第4の一次電極がそれぞれ互いに対向して設け
られ、前記第1および第2の一次電極ならびに前記第1
の領域によって励振される前記共振をさらに増大すべく
前記第3の領域が振動するように、前記共振時に前記第
3の領域に生じる応力の方向に応じて、前記第3の領域
の前記第3の一次電極と前記第4の一次電極間が前記厚
み方向の所定の方向に分極されていると共に前記第3の
一次電極および前記第4の一次電極と前記第1の一次電
極および前記第2の一次電極とが所定の接続状態に電気
的に接続され、前記第3の一次電極および前記第4の一
次電極の前記二次電極側の端部と前記二次電極との間の
前記圧電セラミックス基板が前記長手方向において分極
されていることを特徴とする第1の圧電トランスが提供
される。
【0010】本発明の第1の圧電トランスにおいては、
まず、圧電基板の長手方向において共振時の応力分布の
半波長の長さを有し共振時に長手方向において正または
負のうちいずれか一つの応力が生じる圧電基板の第1の
領域の第1の主面および第2の主面に第1の一次電極お
よび第2の一次電極をそれぞれ互いに対向して設け、第
1の領域の第1の一次電極と第2の一次電極間を第1の
主面と第2の主面間の厚み方向において分極し、この第
1の領域とは長手方向において所定の間隔離間した圧電
基板の第2の領域に二次電極を設けた圧電トランスにお
いて、圧電基板の第1の領域と第2の領域との間に第3
の領域を有し、この第3の領域の第1の主面および第2
の主面に第3の一次電極および第4の一次電極をそれぞ
れ互いに対向して設けているから、一次側の電極面積が
より大きくなって、圧電トランスの入力インピーダンス
が小さくなっている。その結果、圧電トランスに電源か
ら電気エネルギーが供給されやすくなる。
【0011】さらに、本発明の第1の圧電トランスにお
いては、この第3の領域の長手方向の長さは共振時の応
力分布の半波長以下の長さであり、この第3の領域にお
いては、共振時に長手方向において正または負のうちい
ずれか一つの応力が生じ、そして、この第3の領域に
は、第1の領域の第1および第2の一次電極ならびに第
1の領域によって励振される共振をさらに増大すべく第
3の領域が振動するように、共振時に第3の領域に生じ
る応力の方向に応じて、第3の領域を厚み方向の所定の
方向に分極していると共に第3の一次電極および第4の
一次電極と第1の一次電極および前記第2の一次電極と
を所定の接続状態に電気的に接続しているから、この第
3の領域によって共振がさらに増大され、一次側におい
て入力の電気エネルギーをより効率よく機械的な弾性エ
ネルギーに変換できる。
【0012】一方、この第3の領域を設けることによっ
て、第3の領域に設けられる第3の一次電極および第4
の一次電極の二次電極側の端部と二次電極との間の圧電
セラミックス基板が長手方向において分極されることに
なり、二次側が長手方向において短くなる。このように
一次電極と二次電極の距離が短くなると、出力インピー
ダンスが小さくなる。圧電トランスの出力インピーダン
スが小さくなると、圧電トランスの二次側に接続される
負荷に印加できる電圧が大きくなる。
【0013】このように、本発明のような第3の領域を
設けることによって、圧電トランスの入力インピーダン
スが小さくなって、圧電トランスに電源から電気エネル
ギーが供給されやすくなり、また、一次側において入力
の電気エネルギーをより効率よく機械的な弾性エネルギ
ーに変換できようになり、さらに出力インピーダンスが
小さくなって、圧電トランスの二次側に接続される負荷
に印加できる電圧が大きくなるから、圧電トランスの実
効的な昇圧比を大きくできる。
【0014】さらに、このように、本発明のような第3
の領域を第1の領域と第2の領域間に設けることによっ
て一次電極と二次電極の距離が短くなるから、第3の領
域に設けられる第3の一次電極および第4の一次電極の
二次電極側の端部と二次電極との間の圧電セラミックス
基板を長手方向において分極する場合には、この第3の
領域を設けない場合と比べて、分極の際に印加する絶対
電圧が小さくなる。その結果、高圧の対策が容易とな
り、分極用の電源もより低圧のものを使用できる。
【0015】なお、圧電トランスの二次側に接続される
負荷がCFLである場合には、本発明はより有効に作用
する。CFLは、放電開始時には1kV以上の高電圧を
必要とする。一方圧電トランスの昇圧比は共振子の品質
係数であるQmに比例する。放電開始前においてはCF
Lのインピーダンスは無限大に近いから、圧電トランス
そのもののQmに昇圧比が比例することになり、昇圧比
を大きくとれる。従って、本発明のような第3の領域を
設けることによって一次電極と二次電極の距離が短くな
って二次側の形状から決まる昇圧比は小さくなっても、
上述のように、放電開始時には共振子そのもののQmが
昇圧比に大きく寄与するから、放電を開始できる電圧ま
での昇圧は容易にできる。そして放電が開始すると、C
FLのインピーダンスは下がるが、本発明のような第3
の領域を設けることによって上述のように圧電トランス
の出力インピーダンスは小さくなるから、その分CFL
に印加される電圧を大きくすることができる。
【0016】また、本発明のような第3の領域を一次側
の第1の領域と二次電極との間に設けた場合には、第3
の領域に設けられる第3の一次電極および第4の一次電
極の大きさ等を調整することによって、圧電トランスの
昇圧比だけでなく、出力インピーダンスの調整もできる
ようになり設計の自由度が向上する。
【0017】なお、この第3の領域を、第1の領域なら
びにその第1および第2の一次電極によって励振される
共振をさらに増大すべく振動するようにするには、共振
時に第3の領域に生じる応力の方向が共振時に第1の領
域に生じる応力の方向と反対である場合には、好ましく
は、第3の領域の第3の一次電極と第4の一次電極間の
分極方向を、第1の領域の第1の一次電極と第2の一次
電極間の分極方向と同じとすると共に、第3の一次電極
および第2の一次電極を電気的に接続し、第4の一次電
極および第1の一次電極を電気的に接続する。
【0018】また、この第3の領域を、第1の領域なら
びにその第1および第2の一次電極によって励振される
共振をさらに増大すべく振動するようにするには、共振
時に第3の領域に生じる応力の方向が共振時に第1の領
域に生じる応力の方向と反対である場合には、第3の領
域の第3の一次電極と第4の一次電極間の分極方向を、
第1の領域の第1の一次電極と第2の一次電極間の分極
方向と反対とすると共に、第3の一次電極および第1の
一次電極を電気的に接続し、第4の一次電極および第2
の一次電極を電気的に接続することも好ましい。
【0019】また、この第3の領域を、第1の領域なら
びにその第1および第2の一次電極によって励振される
共振をさらに増大すべく振動するようにするには、共振
時に第3の領域に生じる応力の方向が共振時に第1の領
域に生じる応力の方向と同じ場合には、第3の領域の第
3の一次電極と第4の一次電極間の分極方向を、第1の
領域の第1の一次電極と第2の一次電極間の分極方向と
同じとすると共に、第3の一次電極および第1の一次電
極を電気的に接続し、第4の一次電極および第2の一次
電極を電気的に接続することが好ましい。
【0020】さらに、圧電基板の一次側の第1の領域と
二次側の第2の領域との間に、長手方向に共振時の応力
分布の半波長以下の長さを有し共振時に第1の領域に生
じる応力の方向と同じ方向のみの応力が共振時に生じる
第4の領域をさらに設け、この第4の領域の第1の主面
および第2の主面に第5の一次電極および第6の一次電
極をそれぞれ互いに対向して設け、第4の領域の第5の
一次電極と第6の一次電極間の分極方向を、第1の領域
の第1の一次電極と第2の一次電極間の分極方向と同じ
とし、第5の一次電極および第1の一次電極を電気的に
接続し、第6の一次電極および第2の一次電極を電気的
に接続し、第3の一次電極および第4の一次電極の二次
電極側の端部と第5の一次電極および第6の一次電極の
二次電極側の端部のうち二次電極により近いいずれか一
方の端部と二次電極との間の圧電セラミックス基板を長
手方向において分極することにより、第1の領域の第1
および第2の一次電極によって励振される共振をより一
層増大することができる。
【0021】また、長手方向において共振時の応力分布
の半波長の長さを有し共振時に長手方向において正また
は負のうちいずれか一つの応力が生じる圧電基板の第5
の領域を、第2の領域が第1の領域とこの第5の領域と
の間に挟まれるように、第2の領域に対して第1の領域
と反対側にさらに設け、この第5の領域の第1の主面お
よび第2の主面に第7の一次電極および第8の一次電極
をそれぞれ互いに対向して設け、第1および第2の一次
電極ならびに第1の領域によって励振される共振をさら
に増大すべく第5の領域が振動するように、共振時に第
5の領域に生じる応力の方向に応じて、第5の領域の第
7の一次電極と第8の一次電極間を厚み方向において所
定の方向に分極すると共に第7の一次電極および第8の
一次電極と第1の一次電極および第2の一次電極とを所
定の接続状態に電気的に接続し、そして、圧電基板の第
5の領域と第2の領域との間に、長手方向に共振時の応
力分布の半波長以下の長さを有し共振時に長手方向にお
いて正または負のうちいずれか一つの応力が生じる第6
の領域をさらに設け、この第6の領域の第1の主面およ
び第2の主面に第9の一次電極および第10の一次電極
をそれぞれ互いに対向して設け、第1および第2の一次
電極ならびに第1の領域によって励振される共振をさら
に増大すべく第6の領域が振動するように、共振時に第
6の領域に生じる応力の方向に応じて、第6の領域の第
9の一次電極と第10の一次電極間を厚み方向において
所定の方向に分極すると共に第9の一次電極および第1
0の一次電極と第1の一次電極および第2の一次電極と
を所定の接続状態に電気的に接続し、第9の電極および
第10の電極の二次電極側の端部と二次電極との間の圧
電セラミックス基板を長手方向において分極することに
より、二次電極の両側からエネルギーを圧電トランスに
注入することができ、圧電トランスの昇圧比をより高く
することができる。
【0022】この圧電トランスは、共振モードが長手方
向に少なくとも1.5波長以上(好ましくは1.5波長
以上であって1/2波長の整数倍)の応力分布が存在す
る共振モードである場合に好適に適用される。
【0023】なお、第2の領域、第3の領域および第6
の領域を、共振時の応力分布の第1または第2の主面方
向であって圧縮または引張りのいずれかのみの応力が生
じる同一の半波長領域に共存させてもよい。
【0024】また、第2の領域に対して第1の領域と第
5の領域を対称に設け、第3の領域と第6の領域も第2
の領域に対して対称に設けることによって、第1の領域
及び第3の領域を第2の領域の片側のみに設けた場合の
2倍のエネルギーを注入することができる。
【0025】なお、この第5の領域および第6の領域
は、共振時に第3の領域に生じる応力の方向が共振時に
第1の領域に生じる応力の方向と反対であり、第3の領
域の第3の一次電極と第4の一次電極間の分極方向が、
第1の領域の第1の一次電極と第2の一次電極間の分極
方向と同じであり、第3の一次電極および第2の一次電
極が電気的に接続され、第4の一次電極および第1の一
次電極が電気的に接続されている場合には、共振時に生
じる応力の方向が共振時に第1の領域に生じる応力の方
向と反対である領域を第5の領域とし、第5の領域の第
7の一次電極と第8の一次電極間の分極方向を、第1の
領域の第1の一次電極と第2の一次電極間の分極方向と
反対とし、第7の一次電極および第1の一次電極を電気
的に接続し、第8の一次電極および第2の一次電極を電
気的に接続し、共振時に生じる応力の方向が共振時に第
1の領域に生じる応力の方向と同じである領域を第6の
領域とし、第6の領域の第9の一次電極と第10の一次
電極間の分極方向を、第1の領域の第1の一次電極と第
2の一次電極間の分極方向と反対とし、第9の一次電極
および第2の一次電極を電気的に接続し、第10の一次
電極および前記第1の一次電極を電気的に接続すること
によって、好ましく形成できる。
【0026】また、この第5の領域および第6の領域
は、共振時に第3の領域に生じる応力の方向が共振時に
第1の領域に生じる応力の方向と反対であり、第3の領
域の第3の一次電極と第4の一次電極間の分極方向が、
第1の領域の第1の一次電極と第2の一次電極間の分極
方向と同じであり、第3の一次電極および第2の一次電
極が電気的に接続され、第4の一次電極および第1の一
次電極が電気的に接続されている場合には、共振時に生
じる応力の方向が共振時に第1の領域に生じる応力の方
向と反対である領域を第5の領域とし、第5の領域の第
7の一次電極と第8の一次電極間の分極方向を、第1の
領域の第1の一次電極と第2の一次電極間の分極方向と
同じとし、第7の一次電極および第2の一次電極を電気
的に接続し、第8の一次電極および第1の一次電極を電
気的に接続し、共振時に生じる応力の方向が共振時に第
1の領域に生じる応力の方向と同じである領域を第6の
領域とし、第6の領域の第9の一次電極と第10の一次
電極間の分極方向を、第1の領域の第1の一次電極と第
2の一次電極間の分極方向と同じとし、第9の一次電極
および第1の一次電極を電気的に接続し、第10の一次
電極および第2の一次電極を電気的に接続することによ
っても、好ましく形成される。
【0027】さらに、また、この第5の領域と第6の領
域は、共振時に第3の領域に生じる応力の方向が共振時
に第1の領域に生じる応力の方向と反対であり、第3の
領域の第3の一次電極と第4の一次電極間の分極方向
が、第1の領域の第1の一次電極と第2の一次電極間の
分極方向と反対であり、第3の一次電極および第1の一
次電極が電気的に接続され、第4の一次電極および第2
の一次電極が電気的に接続されている場合には、共振時
に生じる応力の方向が共振時に第1の領域に生じる応力
の方向と反対である領域を第5の領域とし、第5の領域
の第7の一次電極と第8の一次電極間の分極方向を、第
1の領域の第1の一次電極と第2の一次電極間の分極方
向と反対とし、第7の一次電極および第1の一次電極を
電気的に接続し、第8の一次電極および第2の一次電極
を電気的に接続し、共振時に生じる応力の方向が共振時
に第1の領域に生じる応力の方向と同じである領域を第
6の領域とし、第6の領域の第9の一次電極と第10の
一次電極間の分極方向を、第1の領域の第1の一次電極
と第2の一次電極間の分極方向と同じとし、第9の一次
電極および第1の一次電極を電気的に接続し、第10の
一次電極および第2の一次電極を電気的に接続すること
によって、好ましく形成される。
【0028】この第5の領域と第6の領域は、共振時に
第3の領域に生じる応力の方向が共振時に第1の領域に
生じる応力の方向と反対であり、第3の領域の第3の一
次電極と第4の一次電極間の分極方向が、第1の領域の
第1の一次電極と第2の一次電極間の分極方向と反対で
あり、第3の一次電極および第1の一次電極が電気的に
接続され、第4の一次電極および第2の一次電極が電気
的に接続されている場合には、共振時に生じる応力の方
向が共振時に第1の領域に生じる応力の方向と反対であ
る領域を第5の領域とし、第5の領域の第7の一次電極
と第8の一次電極間の分極方向を、第1の領域の第1の
一次電極と第2の一次電極間の分極方向と同じとし、第
7の一次電極および第2の一次電極を電気的に接続し、
第8の一次電極および第1の一次電極を電気的に接続
し、共振時に生じる応力の方向が共振時に第1の領域に
生じる応力の方向と同じである領域を第6の領域とし、
第6の領域の第9の一次電極と第10の一次電極間の分
極方向を、第1の領域の第1の一次電極と第2の一次電
極間の分極方向と反対とし、第9の一次電極および第2
の一次電極を電気的に接続し、第10の一次電極および
第1の一次電極を電気的に接続することによっても、好
ましく形成される。
【0029】また、本発明によれば、第1の主面と、前
記第1の主面と対向する第2の主面と、前記第1の主面
および前記第2の主面が延在する長手方向と直交する第
1の端面および第2の端面とを有する圧電基板を備え、
前記圧電基板の前記長手方向の縦振動共振モードを利用
する圧電トランスにおいて、前記圧電基板の前記長手方
向の所定の位置において前記圧電基板に二次電極が設け
られ、第1および第2の一次電極が前記圧電基板の前記
第1の主面および前記第2の主面上に前記第1の端面か
ら前記第1の端面と前記第2の端面との間の距離の約1
/2の長さの距離の位置まで前記長手方向においてそれ
ぞれ延在して設けられ、前記第1および第2の一次電極
と前記二次電極との間の前記圧電基板の所定領域の前記
第1の主面および前記第2の主面上に、前記二次電極と
離間して、第3および第4の一次電極がそれぞれ設けら
れ、前記第1の一次電極と前記第2の一次電極間の前記
圧電基板が前記第1の主面と前記第2の主面間の厚み方
向において分極され、前記第3の一次電極と前記第4の
一次電極間の前記圧電基板が前記厚み方向において前記
第1の一次電極と前記第2の一次電極間の前記圧電基板
の分極方向と同じ方向に分極され、前記第4の一次電極
および前記第1の一次電極が電気的に接続され、前記第
3の一次電極および前記第2の一次電極が電気的に接続
され、前記第3の一次電極および前記第4の一次電極の
前記二次電極側の端部と前記二次電極との間の前記圧電
セラミックス基板が前記長手方向において分極されてい
ることを特徴とする第2の圧電トランスが提供される。
【0030】この第2の圧電トランスは、第1の端面と
二次電極との間の長手方向に1波長の応力分布が存在す
る圧電トランスに好適に適用され、やはり昇圧比を大き
くできる。
【0031】また、本発明によれば、第1の主面と、前
記第1の主面と対向する第2の主面と、前記第1の主面
および前記第2の主面が延在する長手方向と直交する第
1の端面および第2の端面とを有する圧電基板を備え、
前記圧電基板の前記長手方向の縦振動共振モードを利用
する圧電トランスであって、前記圧電基板の前記長手方
向の所定の位置において前記圧電基板に二次電極が設け
られ、第1および第2の一次電極が前記圧電基板の前記
第1の主面および前記第2の主面上に前記第1の端面か
ら前記第1の端面と前記第2の端面との間の距離の約1
/3の長さの距離の位置まで前記長手方向においてそれ
ぞれ延在して設けられ、第3および第4の一次電極が前
記圧電基板の前記第1の主面および前記第2の主面上
に、前記第1の端面から前記第1の端面と前記第2の端
面との間の距離の約1/3の長さの距離の位置から、前
記第1の端面から前記第1の端面と前記第2の端面との
間の距離の約2/3の長さの距離の位置まで、前記第1
および第2の一次電極ならびに前記二次電極と離間し
て、前記長手方向においてそれぞれ延在して設けられ、
前記第1の一次電極と前記第2の一次電極間の前記圧電
基板が前記第1の主面と前記第2の主面間の厚み方向に
おいて分極され、前記第3の一次電極と前記第4の一次
電極間の前記圧電基板が前記厚み方向において前記第1
の一次電極と前記第2の一次電極間の前記圧電基板の分
極方向と同じ方向に分極され、前記第4の一次電極およ
び前記第1の一次電極が電気的に接続され、前記第3の
一次電極および前記第2の一次電極が電気的に接続さ
れ、前記第3の一次電極および前記第4の一次電極の前
記二次電極側の端部と前記二次電極との間の前記圧電セ
ラミックス基板が前記長手方向において分極されている
ことを特徴とする第3の圧電トランスが提供される。
【0032】この第3の圧電トランスは、第1の端面と
二次電極との間の長手方向に1.5波長の応力分布が存
在する圧電トランスに好適に適用され、やはり昇圧比を
大きくできる。
【0033】この場合、第3および第4の一次電極と二
次電極との間の圧電基板の所定領域の第1の主面および
第2の主面上に、二次電極と離間して、第5および第6
の一次電極をそれぞれさらに設け、第5の一次電極と第
6の一次電極間の圧電基板を厚み方向において第1の一
次電極と第2の一次電極間の圧電基板の分極方向と同じ
方向に分極し、第5の一次電極および第1の一次電極を
電気的に接続し、第6の一次電極および第2の一次電極
を電気的に接続し、第5の一次電極および第6の一次電
極の二次電極側の端部と二次電極との間の圧電セラミッ
クス基板を長手方向において分極することによって、さ
らに昇圧比の高い圧電トランスが得られる。
【0034】また、本発明によれば、第1の主面と、前
記第1の主面と対向する第2の主面と、前記第1の主面
および前記第2の主面が延在する長手方向と直交する第
1の端面および第2の端面とを有する圧電基板を備え、
前記圧電基板の前記長手方向の縦振動共振モードを利用
する圧電トランスであって、前記圧電基板の前記長手方
向の所定の位置において前記圧電基板に二次電極が設け
られ、第1および第2の一次電極が前記圧電基板の前記
第1の主面および前記第2の主面上に前記第1の端面か
ら前記第1の端面と前記第2の端面との間の距離の約1
/2の長さの距離の位置まで前記長手方向においてそれ
ぞれ延在して設けられ、前記第1および第2の一次電極
と前記二次電極との間の前記圧電基板の所定領域の前記
第1の主面および前記第2の主面上に、前記二次電極と
離間して、第3および第4の一次電極がそれぞれ設けら
れ、前記第1の一次電極と前記第2の一次電極間の前記
圧電基板が前記第1の主面と前記第2の主面間の厚み方
向において分極され、前記第3の一次電極と前記第4の
一次電極間の前記圧電基板が前記厚み方向において前記
第1の一次電極と前記第2の一次電極間の前記圧電基板
の分極方向と反対方向に分極され、前記第3の一次電極
および前記第1の一次電極が電気的に接続され、前記第
4の一次電極および前記第2の一次電極が電気的に接続
され、前記第3の一次電極および前記第4の一次電極の
前記二次電極側の端部と前記二次電極との間の前記圧電
セラミックス基板が前記長手方向において分極されてい
ることを特徴とする第4の圧電トランスが提供される。
【0035】この第4の圧電トランスは、第1の端面と
二次電極との間の長手方向に1波長の応力分布が存在す
る圧電トランスに好適に適用され、昇圧比を大きくでき
る。
【0036】また、本発明によれば、第1の主面と、前
記第1の主面と対向する第2の主面と、前記第1の主面
および前記第2の主面が延在する長手方向と直交する第
1の端面および第2の端面とを有する圧電基板を備え、
前記圧電基板の前記長手方向の縦振動共振モードを利用
する圧電トランスであって、前記圧電基板の前記長手方
向の所定の位置において前記圧電基板に二次電極が設け
られ、第1および第2の一次電極が前記圧電基板の前記
第1の主面および前記第2の主面上に前記第1の端面か
ら前記第1の端面と前記第2の端面との間の距離の約1
/3の長さの距離の位置まで前記長手方向においてそれ
ぞれ延在して設けられ、第3および第4の一次電極が前
記圧電基板の前記第1の主面および前記第2の主面上
に、前記第1の端面から前記第1の端面と前記第2の端
面との間の距離の約1/3の長さの距離の位置から、前
記第1の端面から前記第1の端面と前記第2の端面との
間の距離の約2/3の長さの距離の位置まで、前記二次
電極と離間して、前記長手方向においてそれぞれ延在し
て設けられ、前記第1の一次電極と前記第2の一次電極
間の前記圧電基板が前記第1の主面と前記第2の主面間
の厚み方向において分極され、前記第3の一次電極と前
記第4の一次電極間の前記圧電基板が前記厚み方向にお
いて前記第1の一次電極と前記第2の一次電極間の前記
圧電基板の分極方向と反対方向に分極され、前記第3の
一次電極および前記第1の一次電極が電気的に接続さ
れ、前記第4の一次電極および前記第2の一次電極が電
気的に接続され、前記第3の一次電極および前記第4の
一次電極の前記二次電極側の端部と前記二次電極との間
の前記圧電セラミックス基板が前記長手方向において分
極されていることを特徴とする第5の圧電トランスが提
供される。
【0037】この第5の圧電トランスは、第1の端面と
二次電極との間の長手方向に1.5波長の応力分布が存
在する圧電トランスに好適に適用され、やはり昇圧比を
大きくできる。
【0038】この場合、第3および第4の一次電極と二
次電極との間の圧電基板の所定領域の第1の主面および
第2の主面上に、二次電極と離間して、第5および第6
の一次電極をそれぞれさらに設け、第5の一次電極と第
6の一次電極間の圧電基板を厚み方向において第1の一
次電極と第2の一次電極間の圧電基板の分極方向と同じ
方向に分極し、第5の一次電極および第1の一次電極を
電気的に接続し、第6の一次電極および第2の一次電極
を電気的に接続し、第5の一次電極および第6の一次電
極の二次電極側の端部と二次電極との間の圧電セラミッ
クス基板を長手方向において分極することによってさら
に昇圧比の高い圧電トランスが得られる。
【0039】また、本発明によれば、第1の主面と前記
第1の主面と対向する第2の主面とを有する圧電基板を
備え、前記第1の主面および前記第2の主面が延在する
一方向を前記圧電基板の長手方向とし、前記圧電基板
は、前記長手方向を分割する第1の領域、第2の領域お
よび第3の領域を少なくとも有し、前記圧電基板の前記
第1の領域は前記圧電基板の前記長手方向の長さのほぼ
1/n(nは2以上の整数である。)の長さを有し、前
記第1の領域の前記第1の主面および第2の主面に第1
の一次電極および第2の一次電極がそれぞれ互いに対向
して設けられ、前記第1の領域の前記第1の一次電極と
前記第2の一次電極間が前記第1の主面と前記第2の主
面間の厚み方向において分極され、前記第1の領域とは
前記長手方向において所定の間隔離間した前記圧電基板
の前記第2の領域に二次電極が設けられ、前記第3の領
域は前記第1の領域と前記第2の領域との間に設けら
れ、前記圧電基板の前記長手方向の長さの1/n以下の
長さを有し、前記第3の領域の前記第1の主面および前
記第2の主面に第3の一次電極および第4の一次電極が
それぞれ互いに対向して設けられ、前記第3の領域の前
記第3の一次電極と前記第4の一次電極間が前記厚み方
向の所定の方向に分極されていると共に前記第3の一次
電極および前記第4の一次電極と前記第1の一次電極お
よび前記第2の一次電極とが所定の接続状態に電気的に
接続され、前記第2の領域が前記長手方向において分極
されている第6の圧電トランスが提供される。
【0040】一次電極の入力周波数と圧電基板の物性お
よび振動方向の長さで共振モードが決まるが、ここで圧
電基板長手方向の1/nの長さは共振モードの半波長に
相当する。したがって、例えば、共振モードが1.5波
長であればnは3、1波長であればnは2となる。圧電
トランスでの共振モードはいくらでも大きな波数をとれ
るため、nは2以上の整数をとり得る。
【0041】本発明の第6の圧電トランスにおいては、
圧電基板の長手方向の長さのほぼ1/n(nは2以上の
整数である。)の長さを有する第1の領域の第1の主面
および第2の主面に第1の一次電極および第2の一次電
極をそれぞれ互いに対向して設け、第1の領域の第1の
一次電極と第2の一次電極間を第1の主面と第2の主面
間の厚み方向において分極し、この第1の領域とは長手
方向において所定の間隔離間した圧電基板の第2の領域
に二次電極を設けた圧電トランスにおいて、圧電基板の
第1の領域と第2の領域との間に第3の領域を有し、こ
の第3の領域の第1の主面および第2の主面に第3の一
次電極および第4の一次電極をそれぞれ互いに対向して
設けているから、一次側の電極面積がより大きくなっ
て、圧電トランスの入力インピーダンスが小さくなって
いる。その結果、圧電トランスに電源から電気エネルギ
ーが供給されやすくなる。
【0042】さらに、本発明第6の圧電トランスにおい
ては、第1の領域が圧電基板の長手方向の長さのほぼ1
/n(nは2以上の整数である。)の長さを有している
から、第1の領域は、圧電基板の長手方向において、共
振時の応力分布の半波長の長さを有し共振時に長手方向
において正または負のうちいずれか一つの応力が生じる
圧電基板の領域となる。また、第3の領域は圧電基板の
長手方向の長さの1/n以下の長さを有するから、第3
の領域は圧電基板の長手方向において、共振時の応力分
布の半波長以下の長さを有し、共振時に長手方向におい
て正または負のうちいずれか一つの応力が生じる領域と
なる。そして、この第3の領域の第1の主面および第2
の主面に第3の一次電極および第4の一次電極をそれぞ
れ互いに対向して設け、第3の領域の第3の一次電極と
第4の一次電極間を厚み方向の所定の方向に分極してい
ると共に第3の一次電極および第4の一次電極と第1の
一次電極および前記第2の一次電極とを所定の接続状態
に電気的に接続しているから、共振時に第3の領域に生
じる応力の方向に応じて、第1の領域の第1および第2
の一次電極ならびに第1の領域によって励振される共振
をさらに増大すべくこの第3の領域が振動するようにす
ることができ、その結果、第3の領域によって共振がさ
らに増大され、一次側において入力の電気エネルギーを
より効率よく機械的な弾性エネルギーに変換できるよう
になる。
【0043】一方、この第3の領域を設けることによっ
て、第3の領域に設けられる第3の一次電極および第4
の一次電極の二次電極側の端部と二次電極との間の圧電
セラミックス基板を長手方向において分極することがで
きるようになり、第3の領域を設けずに第1の領域の第
1の一次電極および第2の一次電極の二次電極側の端部
と二次電極との間の圧電セラミックス基板を長手方向に
おいて分極する場合と比べて、二次側が長手方向におい
て短くなる。このように一次電極と二次電極の距離が短
くなると、出力インピーダンスが小さくなる。圧電トラ
ンスの出力インピーダンスが小さくなると、圧電トラン
スの二次側に接続される負荷に印加できる電圧が大きく
なる。
【0044】このように、本発明のような第3の領域を
設けることによって、圧電トランスの入力インピーダン
スが小さくなって、圧電トランスに電源から電気エネル
ギーが供給されやすくなり、また、一次側において入力
の電気エネルギーをより効率よく機械的な弾性エネルギ
ーに変換できるようになり、さらに出力インピーダンス
も小さくすることができて、圧電トランスの二次側に接
続される負荷に印加できる電圧が大きくなるから、圧電
トランスの実効的な昇圧比を大きくできる。
【0045】さらに、このように、本発明のような第3
の領域を第1の領域と第2の領域間に設けることによっ
て一次電極と二次電極の距離が短くなるから、第3の領
域に設けられる第3の一次電極および第4の一次電極の
二次電極側の端部と二次電極との間の圧電セラミックス
基板を長手方向において分極する場合には、この第3の
領域を設けない場合と比べて、分極の際に印加する絶対
電圧が小さくなる。その結果、高圧の対策が容易とな
り、分極用の電源もより低圧のものを使用できる。
【0046】また、本発明のような第3の領域を一次側
の第1の領域と二次電極との間に設けた場合には、第3
の領域に設けられる第3の一次電極および第4の一次電
極の大きさ等を調整することによって、圧電トランスの
昇圧比だけでなく、出力インピーダンスの調整もできる
ようになり設計の自由度が向上する。
【0047】なお、この第3の領域を、第1の領域なら
びにその第1および第2の一次電極によって励振される
共振をさらに増大すべく振動するようにするには、共振
時に第3の領域に生じる応力の方向が共振時に第1の領
域に生じる応力の方向と反対である場合には、好ましく
は、第3の領域の第3の一次電極と第4の一次電極間の
分極方向を、第1の領域の第1の一次電極と第2の一次
電極間の分極方向と同じとすると共に、第3の一次電極
および第2の一次電極を電気的に接続し、第4の一次電
極および第1の一次電極を電気的に接続する。
【0048】また、この第3の領域を、第1の領域なら
びにその第1および第2の一次電極によって励振される
共振をさらに増大すべく振動するようにするには、共振
時に第3の領域に生じる応力の方向が共振時に第1の領
域に生じる応力の方向と反対である場合には、第3の領
域の第3の一次電極と第4の一次電極間の分極方向を、
第1の領域の第1の一次電極と第2の一次電極間の分極
方向と反対とすると共に、第3の一次電極および第1の
一次電極を電気的に接続し、第4の一次電極および第2
の一次電極を電気的に接続することも好ましい。
【0049】また、この第3の領域を、第1の領域なら
びにその第1および第2の一次電極によって励振される
共振をさらに増大すべく振動するようにするには、第3
の領域と第1の領域との間の距離が長手方向の長さの1
/n以上離れており共振時に第3の領域に生じる応力の
方向が共振時に第1の領域に生じる応力の方向と同じ場
合には、第3の領域の第3の一次電極と第4の一次電極
間の分極方向を、第1の領域の第1の一次電極と第2の
一次電極間の分極方向と同じとすると共に、第3の一次
電極および第1の一次電極を電気的に接続し、第4の一
次電極および第2の一次電極を電気的に接続することが
好ましい。
【0050】さらに、圧電基板の一次側の第1の領域と
二次側の第2の領域との間に、圧電基板の長手方向の長
さの1/n以下の長さを有することにより長手方向に共
振時の応力分布の半波長以下の長さを有し共振時に第1
の領域に生じる応力の方向と同じ方向のみの応力が共振
時に生じる第4の領域をさらに設け、この第4の領域の
第1の主面および第2の主面に第5の一次電極および第
6の一次電極をそれぞれ互いに対向して設け、第4の領
域の第5の一次電極と第6の一次電極間の分極方向を、
第1の領域の第1の一次電極と第2の一次電極間の分極
方向と同じとし、第5の一次電極および第1の一次電極
を電気的に接続し、第6の一次電極および第2の一次電
極を電気的に接続することにより、第1の領域の第1お
よび第2の一次電極によって励振される共振をより一層
増大することができる。なお、第3の一次電極および第
4の一次電極の二次電極側の端部と第5の一次電極およ
び第6の一次電極の二次電極側の端部のうち二次電極に
より近いいずれか一方の端部と二次電極との間の圧電セ
ラミックス基板を長手方向において分極することが好ま
しい。
【0051】また、圧電基板に長手方向を分割する第5
の領域と第6の領域をさらに設け、第5の領域を第2の
領域に対して第1の領域と反対側に設け、第5の領域の
長さを圧電基板の長手方向の長さのほぼ前記1/nの長
さとし、第5の領域の第1の主面および第2の主面に第
7の一次電極および第8の一次電極をそれぞれ互いに対
向して設け、第5の領域の第7の一次電極と第8の一次
電極間を厚み方向において所定の方向に分極すると共に
第7の一次電極および第8の一次電極と第1の一次電極
および第2の一次電極とを所定の接続状態に電気的に接
続し、第6の領域を第5の領域と第2の領域との間に設
け、第6の領域の長さを圧電基板の長手方向の長さの前
記1/n以下の長さとし、第6の領域の第1の主面およ
び第2の主面に第9の一次電極および第10の一次電極
をそれぞれ互いに対向して設け、第6の領域の第9の一
次電極と第10の一次電極間を厚み方向において所定の
方向に分極すると共に第9の一次電極および第10の一
次電極と第1の一次電極および第2の一次電極とを所定
の接続状態に電気的に接続し、二次電極を少なくとも第
1または第2の主面のいずれかに設け、二次電極の両側
の第2の領域を長手方向において分極することにより、
第5の領域は圧電基板の長手方向において共振時の応力
分布の半波長の長さを有し共振時に長手方向において正
または負のうちいずれか一つの応力が生じる領域とな
り、共振時に第5の領域に生じる応力の方向に応じて、
第1および第2の一次電極ならびに第1の領域によって
励振される共振をさらに増大すべくこの第5の領域が振
動するようにすることができ、第6の領域は、圧電基板
の長手方向に共振時の応力分布の半波長以下の長さを有
し共振時に長手方向において正または負のうちいずれか
一つの応力が生じる領域となり、共振時に第6の領域に
生じる応力の方向に応じて、第1および第2の一次電極
ならびに第1の領域によって励振される共振をさらに増
大すべくこの第6の領域が振動するようにすることがで
き、その結果、二次電極の両側からエネルギーを圧電ト
ランスに注入することができ、圧電トランスの昇圧比を
より高くすることができる。
【0052】この圧電トランスは、共振モードが長手方
向に少なくとも1.5波長以上(好ましくは1.5波長
以上であって1/2波長の整数倍)の応力分布が存在す
る共振モードである場合に好適に適用される。
【0053】なお、第2の領域、第3の領域および第6
の領域を、共振時の応力分布の第1または第2の主面方
向であって圧縮または引張りのいずれかのみの応力が生
じる同一の半波長領域に共存させてもよい。このために
は、第2の領域、第3の領域および第6の領域を含む領
域の長手方向の長さを、圧電基板の長手方向の長さの1
/n以下にすればよい。
【0054】また、第2の領域に対して第1の領域と第
5の領域を対称に設け、第3の領域と第6の領域も第2
の領域に対して対称に設けることによって、第1の領域
及び第3の領域を第2の領域の片側のみに設けた場合の
2倍のエネルギーを注入することができる。
【0055】また、上記第6の圧電トランスにおいて、
圧電基板は長手方向と直交する第1の端面および第2の
端面とを有し、第1および第2の一次電極が第1の端面
から第1の端面と第2の端面との間の距離の約1/2の
長さの距離の位置まで長手方向においてそれぞれ延在し
て設けられ、第3および第4の一次電極は、二次電極と
離間してそれぞれ設けられ、第3の領域が厚み方向にお
いて第1の領域の分極方向と同じ方向に分極され、第4
の一次電極および第1の一次電極が電気的に接続され、
第3の一次電極および第2の一次電極が電気的に接続さ
れているようにした圧電トランスは、第1の端面と第2
の端面との間の長手方向に1波長の応力分布が存在する
圧電トランスに好適に適用され、やはり昇圧比を大きく
できる。
【0056】また、上記第6の圧電トランスにおいて、
圧電基板は、長手方向と直交する第1の端面および第2
の端面とを有し、第1および第2の一次電極が、第1の
端面から第1の端面と第2の端面との間の距離の約1/
3の長さの距離の位置まで長手方向においてそれぞれ延
在して設けられ、第3および第4の一次電極が、第1の
端面から第1の端面と第2の端面との間の距離の約1/
3の長さの距離の位置から、第1の端面から第1の端面
と第2の端面との間の距離の約2/3以下の長さの距離
の位置まで、二次電極と離間して、長手方向においてそ
れぞれ延在して設けられ、第3の領域が厚み方向におい
て第1の領域の分極方向と同じ方向に分極され、第4の
一次電極および第1の一次電極が電気的に接続され、第
3の一次電極および第2の一次電極が電気的に接続され
ているようにした圧電トランスは、第1の端面と第2の
端面との間の長手方向に1.5波長の応力分布が存在す
る圧電トランスに好適に適用され、やはり昇圧比を大き
くできる。
【0057】この場合、第3および第4の一次電極と二
次電極との間の圧電基板の所定領域の第1の主面および
第2の主面上に、第3および第4の一次電極ならびに二
次電極と離間して、第5および第6の一次電極をそれぞ
れさらに設け、第5の一次電極と第6の一次電極間の圧
電基板を厚み方向において第1の一次電極と第2の一次
電極間の圧電基板の分極方向と同じ方向に分極し、第5
の一次電極および第1の一次電極を電気的に接続し、第
6の一次電極および第2の一次電極を電気的に接続する
ことによって、さらに昇圧比の高い圧電トランスが得ら
れる。なお、第5の一次電極および第6の一次電極の二
次電極側の端部と二次電極との間の圧電セラミックス基
板を長手方向において分極することが好ましい。
【0058】また、上記第6の圧電トランスにおいて、
圧電基板は、長手方向と直交する第1の端面および第2
の端面とを有し、第1および第2の一次電極が第1の端
面から第1の端面と第2の端面との間の距離の約1/2
の長さの距離の位置まで長手方向においてそれぞれ延在
して設けられ、第3および第4の一次電極は、二次電極
と離間してそれぞれ設けられ、第3の領域が厚み方向に
おいて第1の領域の分極方向と反対方向に分極され、第
3の一次電極および第1の一次電極が電気的に接続さ
れ、第4の一次電極および第2の一次電極が電気的に接
続されているようにした圧電トランスは、第1の端面と
第2の端面との間の長手方向に1波長の応力分布が存在
する圧電トランスに好適に適用され、昇圧比を大きくで
きる。
【0059】また、上記第6の圧電トランスにおいて、
圧電基板は、長手方向と直交する第1の端面および第2
の端面とを有し、第1および第2の一次電極が第1の端
面から第1の端面と第2の端面との間の距離の約1/3
の長さの距離の位置まで長手方向においてそれぞれ延在
して設けられ、第3および第4の一次電極が、第1の端
面から第1の端面と第2の端面との間の距離の約1/3
の長さの距離の位置から、第1の端面から第1の端面と
第2の端面との間の距離の約2/3以下の長さの距離の
位置まで、二次電極と離間して、長手方向においてそれ
ぞれ延在して設けられ、第3の領域が厚み方向において
第1の領域の分極方向と反対方向に分極され、第3の一
次電極および第1の一次電極が電気的に接続され、第4
の一次電極および第2の一次電極が電気的に接続されて
いるようにした圧電トランスは、第1の端面と第2の端
面との間の長手方向に1.5波長の応力分布が存在する
圧電トランスに好適に適用され、やはり昇圧比を大きく
できる。
【0060】この場合、第3および第4の一次電極と二
次電極との間の圧電基板の所定領域の第1の主面および
第2の主面上に、第3および第4の一次電極ならびに二
次電極と離間して、第5および第6の一次電極をそれぞ
れさらに設け、第5の一次電極と第6の一次電極間の圧
電基板を厚み方向において第1の一次電極と第2の一次
電極間の圧電基板の分極方向と同じ方向に分極し、第5
の一次電極および第1の一次電極を電気的に接続し、第
6の一次電極および第2の一次電極を電気的に接続する
ことによって、さらに昇圧比の高い圧電トランスが得ら
れる。なお、第5の一次電極および第6の一次電極の二
次電極側の端部と二次電極との間の圧電セラミックス基
板を長手方向において分極することが好ましい。
【0061】なお、二次電極は、圧電基板の長手方向の
端面に形成されていることが好ましい。これは、理想的
な振動モードを実現し易いためである。
【0062】また、二次電極は、圧電基板の第1の主面
および第2の主面の少なくともいずれか一方に形成され
ていてもよい。このようにすると、一回の成膜工程で一
次電極と同時に二次電極を形成することができる。ま
た、二次電極の面積を調整することによって、一次電極
との距離を調整でき、その結果、圧電トランスの出力イ
ンピーダンスを調整できる。一方、圧電トランスの共振
周波数は圧電基板の長手方向の長さで決定される。従っ
て、このように二次電極を圧電基板の第1の主面および
第2の主面の少なくともいずれか一方に形成することよ
り、共振の周波数と出力インピーダンスとを独立して制
御できるようになる。なお、二次電極は、圧電基板の第
1の主面および第2の主面の両方に形成した場合のほう
が、長手方向の分極が容易となる。
【0063】また、上記の圧電トランスを複数厚み方向
に積層一体化し、各圧電トランスの一次側領域には他の
圧電トランスの一次側領域を積層し、各圧電トランスの
二次側領域には他の圧電トランスの二次側領域を積層
し、これら複数の圧電トランスの一次側領域の分極方向
および一次電極の接続状態をこれら複数の圧電トランス
が互いの振動をさらに増大すべく設定することも好まし
い。この場合に、積層される圧電トランスは同一構造の
ものとし、対応する電極同士をそれぞれ電気的に並列に
接続することがより好ましい。
【0064】このようにすれば、入力電流は積層数倍流
れるから、入力電力が一定の場合は、入力電圧は積層数
分の1となり、入力電圧を低減することができる。ま
た、入力電流を積層数倍流すことができるから、入力電
力を増大させてハイパワー駆動することもできる。これ
に対して、単板の圧電トランスを使用した場合には、電
力増大によりエネルギ密度が上昇すると材料によって決
まる閾値以上で損失が増大し効率低下を引き起こしてし
まう。これを回避するために上記のような積層構造とす
ることで、圧電セラミックス内のエネルギ密度を下げ、
総入力パワーレベルを高めることができる。なお、上記
のように複数の圧電トランスを一体化することによっ
て、複数の圧電トランスの振動モードを単一のものとす
ることができる。
【0065】上記各圧電トランスの共振モードにおける
振動の節の位置に圧電トランスの支持部を設けることに
よって、圧電トランスの振動を阻害せず、変換効率の低
下を防止できる。
【0066】また、一次電極の一部を当該一次電極とは
電気的に絶縁して設けられた帰還電極とすることによっ
て、この帰還電極を利用して微小信号という形で圧電ト
ランスの振動状態をモニタする信号を取り出すことがで
き、それを用いて圧電トランスにフィードバックをかけ
ることができ、圧電トランスを自励発振させることがで
きる。
【0067】そして、この自励発振は、好ましくは、帰
還電極に移相回路および増幅回路を接続し、増幅回路の
出力を一次電極に印加することによって起こさせること
ができる。
【0068】本発明の圧電トランスは、冷陰極管点灯用
圧電トランスとして好ましく使用される。
【0069】本発明の圧電トランスはインバーターにも
好適に組み込まれる。
【0070】また、本発明の圧電トランスは、液晶ディ
スプレーに好適に組み込まれる。
【0071】さらに、また、本発明の圧電トランスは、
ブラウン管の偏向高圧回路や、複写機、FAX等の高電
圧発生回路にも好適に使用される。
【0072】なお、本発明において圧電基板として使用
する圧電材料としては、例えば、PZT系、あるいは、
PbTiO3 などのPbTiO3 系の圧電セラミックス
が用いられる。PZT系セラミックスとしては、例え
ば、PZT、Pb(Ni1/3 Nb2/3 )O3 −Pb(Z
1/3 Nb2/3 )O3 −PbTiO3 −PbZrO3
のセラミックスが挙げられる。
【0073】また本発明において用いられる電極材料と
しては、Ag、Ag−Pdなどが挙げられる。
【0074】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0075】(第1の実施の形態)図1は第1の実施の
形態の圧電トランスを説明するための図であり、図1A
は斜視図、図1Bは断面図、図1Cは応力分布を示す
図、図1Dは振幅分布を示す図である。図2は、本実施
の形態の圧電トランスへの入力電圧と冷陰極管の輝度と
の関係を示す図である。
【0076】図1A、Bに示すように、直方体状の圧電
セラミックス基板10の上面12の左側(一次側)半分
には一次電極22が設けられ、一次電極22と対向して
圧電セラミックス基板10の下面14にも一次電極24
が設けられ、一次電極22と一次電極24との間の圧電
セラミックス基板10は上面12と下面14間の厚み方
向において分極されている。
【0077】圧電セラミックス基板10の上面12に
は、一次側端面16から圧電セラミックス基板10の長
手方向の長さの半分の距離離間した位置から、一次側端
面16から圧電セラミックス基板10の長手方向の長さ
の3/4の距離離間した位置まで、一次電極26が設け
られ、一次電極26と対向して圧電セラミックス基板1
0の下面14にも一次電極28が設けられている。一次
電極26は一次電極22と離間して設けられ、一次電極
28は一次電極24と離間して設けられている。一次電
極26と一次電極28との間の圧電セラミックス基板1
0は上面12と下面14間の厚み方向において分極され
ている。一次電極22と一次電極24との間の圧電セラ
ミックス基板10の分極方向と、一次電極26と一次電
極28との間の圧電セラミックス基板10の分極方向は
同じである。
【0078】上面12および下面14と垂直な二次側端
面18には二次電極72が設けられ、一次電極26、2
8と二次電極72との間の圧電セラミックス基板10は
上面12および下面14の延在方向である長手方向にお
いて分極されている。
【0079】電源82の一端は接続部122を介して一
次電極22と接続され、接続部128を介して一次電極
28と接続されている。電源82の他端は接続部124
を介して一次電極24と接続され、接続部126を介し
て一次電極26と接続されている。二次電極72は負荷
としてのCFL90の一端に接続され、CFL90の他
端は電源82の他端に接続されている。
【0080】電源82から一次電極22、24間に電圧
が印加されると、左半分では、厚み方向に電界が加わ
り、分極方向とは垂直方向に変位する圧電横効果で長手
方向の縦振動が励振されて、圧電トランス100全体が
振動する。本実施の形態の圧電トランスでは一次側端面
16と2次側端面18との間に1波長の応力分布が存在
する共振モードで駆動を行う。電源82から、このよう
な1波長型モードの共振の周波数に等しい周波数の電圧
を印加する。本実施の形態においては、一次側端面16
から1/4波長の距離右側に離れた箇所および二次側端
面18から1/4波長左側に離れた箇所に支持点を設け
た。圧電セラミックス基板10の一次側端面16および
2次側端面18は共に開放されているので、圧電セラミ
ックス基板10の長手方向の両端においては応力が零と
なり、振幅が最大となる。そして、本実施の形態におい
ては1波長モードで共振させているから、応力分布およ
び振幅分布はそれぞれ図1Cおよび図1Dに示すように
なる。
【0081】本実施の形態においては、一次電極22、
24に加えて、一次電極26、28をさらに設けてい
る。従って、一次側aの電極面積が図27の従来の圧電
トランスよりも大きくなって、その分、圧電トランス1
00の入力インピーダンスが小さくなっている。その結
果、圧電トランス100に電源82から電気エネルギー
が供給されやすくなっている。
【0082】また、一次電極22、24が設けられてい
る領域の応力は圧電セラミックス基板10の上面12の
方向であるのに対して、一次電極26、28が設けられ
ている領域の応力は圧電セラミックス基板10の下面の
方向であり、一次電極22、24が設けられている領域
の応力とは反対方向である。一次電極26と一次電極2
8との間の圧電セラミックス基板10の分極方向は、一
次電極22と一次電極24との間の圧電セラミックス基
板10の分極方向と同じであるが、電界の印加方向は反
対方向である。従って、電源82から一次電極26、2
8間に電圧が印加されると、一次電極26、28間の圧
電セラミックス基板10は、電源82から一次電極2
2、24間に電圧が印加されることによって励振される
共振をさらに増大するように振動する。その結果、一次
側aにおいて電源82から供給される電気エネルギーを
より効率よく機械的な弾性エネルギーに変換できる。
【0083】一方、一次電極26、28を設けることに
よって、二次側bの領域が長手方向において短くなり、
その結果、出力インピーダンスが小さくなる。このよう
に圧電トランス100の出力インピーダンスが小さくな
ると、圧電トランス100の二次電極72に接続されて
いるCFL90に印加される電圧がその分大きくなる。
【0084】このように、一次電極22、24が設けら
れている領域の応力とは反対方向の応力が生じる領域に
一次電極26、28を設け、一次電極26と一次電極2
8との間の圧電セラミックス基板10の分極方向を、一
次電極22と一次電極24との間の圧電セラミックス基
板10の分極方向と同じとし、電界の印加方向は反対と
することによって、圧電トランス100の入力インピー
ダンスが小さくなって、圧電トランス100に電源82
から電気エネルギーが供給されやすくなり、また、一次
側aにおいて入力の電気エネルギーをより効率よく機械
的な弾性エネルギーに変換できようになり、さらに出力
インピーダンスが小さくなって、圧電トランス100の
二次側bに接続されるCFL90に印加できる電圧が大
きくなるから、圧電トランス100の実効的な昇圧比を
大きくできる。
【0085】さらに、このように、本実施の形態のよう
な一次電極26、28を設けることによって一次電極と
二次電極の距離が短くなるから、一次電極26、28と
二次電極72との間の圧電セラミックス基板10を長手
方向において分極する場合には、この一次電極26、2
8を設けない図25の従来の圧電トランスの場合と比べ
て、分極の際に印加する絶対電圧が小さくなる。その結
果、高圧の対策が容易となり、分極用の電源もより低圧
のものを使用できる。
【0086】なお、圧電トランスの二次側bに接続され
る負荷が本実施の形態のようにCFL90である場合に
おいても、本発明はより有効に作用する。CFL90
は、放電開始時には1kV以上の高電圧を必要とする。
一方圧電トランス100の昇圧比は共振子の品質係数で
あるQmに比例する。放電開始前においてはCFL90
のインピーダンスは無限大に近いから、圧電トランス1
00そのもののQmに昇圧比が比例することになり、昇
圧比を大きくとれる。従って、本実施の形態のような一
次電極26、28を設けることによって一次電極と二次
電極の距離が短くなって二次側の形状から決まる昇圧比
は小さくなっても、上述のように、放電開始時には共振
子そのもののQmが昇圧比に大きく寄与するから、放電
を開始できる電圧までの昇圧は容易にできる。そして放
電が開始すると、CFL90のインピーダンスは下がる
が、本実施の形態のような一次電極26、28を設ける
ことによって圧電トランス100の出力インピーダンス
は小さくなるから、その分CFL90に印加される電圧
を大きくすることができる。
【0087】また、本実施の形態のような一次電極2
6、28を設けると、一次電極26、28の大きさ等を
調整することによって、圧電トランス100の昇圧比だ
けでなく、出力インピーダンスの調整もできるようにな
り設計の自由度が向上する。
【0088】なお、本実施の形態においては、振動の節
202、204を圧電トランス100の支持点としたか
ら、圧電トランス100を支持することによって生じる
圧電トランス100の振動の阻害を非常に小さくするこ
とができる。さらに、本実施の形態においては、一次電
極22、24の接続部122、124およびこれらの接
続部122、124に設けた電極端子も振動の節202
に設け、一次電極26、28の接続部126、128お
よびこれらの接続部126、128に設けた電極端子も
振動の節204に設けたから、電気的接続部分によって
振動が阻害されることも防止できる。
【0089】本実施の形態においては、Pb(Ni1/3
Nb2/3 )O3 −Pb(Zn1/3 Nb2/3 )O3 −Pb
TiO3 −PbZrO3 系圧電セラミックス焼成体か
ら、長手方向の長さが20mm、幅が5mm、そして厚
みが1mmの大きさの直方体を切り出し、圧電セラミッ
クス基板10とした。次に、銀電極をスクリーン印刷に
よって圧電セラミックス基板10の上面12および下面
14に塗布し、筆塗りによって二次側端面18にも塗布
した。その後、空気中、600℃で焼き付けを行い、圧
電セラミックス基板10の上面12には一次電極22、
26を、圧電セラミックス基板10の下面14には一次
電極24、28を、圧電セラミックス基板10の二次側
端面18には二次電極72をそれぞれ形成した。
【0090】その後、一次電極22と一次電極24間お
よび一次電極26と一次電極28間にDC2kVを10
0℃の環境下にて印加して、一次電極22と一次電極2
4との間の圧電セラミックス基板10の厚み方向の分極
処理および一次電極26と一次電極28との間の圧電セ
ラミックス基板10の厚み方向の分極処理を行った。そ
して、一次電極26と一次電極28とをDC高圧電源正
極に、二次電極72をDC高圧電源負極にそれぞれ接続
し、100℃の環境下で10kV印加することで、一次
電極26と、28と二次電極72との間の圧電セラミッ
クス基板10の長手方向の分極処理を行った。
【0091】その後、電源82の一端を接続部122を
介して一次電極22と接続し、接続部128を介して一
次電極28と接続し、電源82の他端を接続部124を
介して一次電極24と接続し、接続部126を介して一
次電極26と接続した。二次電極72をCFL90の一
端に接続し、CFL90の他端を電源82の他端に接続
した。CFL90としては、A4のノート型パーソナル
コンピュータに使用される、長さが225mm、直径が
2.6mmのものを使用した。
【0092】振動の節202、204において、圧電ト
ランス100を支持した状態で、電源82から160k
Hzの電圧を印加して、圧電トランス100への入力電
圧とCFLの輝度との関係を測定した。その結果を図2
に示す(曲線P参照)。なお、図2には、図1に示す圧
電トランス100において一次電極26、28を設け
ず、一次電極22、24と二次電極72との間の圧電セ
ラミックス基板10を長手方向に分極した圧電トランス
による場合(曲線Q参照)も比較のために示してある。
一次電極26、28を設けない圧電トランスでは、CF
L90に輝度を27,000cd/m2 を得るのに、6
6Vrms の入力電圧を必要としたが、本実施の形態にお
いては、30Vrms の入力電圧で同じ輝度が得られた。
【0093】なお、CFL90の点灯は、約15Vrms
の入力電圧を印加すれば開始することができた。
【0094】(第2乃至第5の実施の形態)図3は、第
2乃至第4の実施の形態の圧電トランスを説明するため
の図であり、図3Aは第2の実施の形態の圧電トランス
の断面図であり、図3Bは第3の実施の形態の圧電トラ
ンスの断面図であり、図3Cは第4の実施の形態の圧電
トランスの断面図であり、図3Dは図3A乃至図3Cに
示す圧電トランスの応力分布を示す図であり、図3Eは
図3A乃至図3Cに示す圧電トランスの振幅分布を示す
図である。
【0095】図4は、第5の実施の形態の圧電トランス
を説明するための図であり、図4Aは第5の実施の形態
の圧電トランスの断面図であり、図4Bは図4Aに示す
圧電トランスの応力分布を示す図であり、図4Cは図4
Aに示す圧電トランスの振幅分布を示す図である。
【0096】図3Aに示すように、第2の実施の形態に
おいては、一次電極26および28を大きくして一次電
極26および28の二次電極72側の端部を第1の実施
の形態よりも二次電極72側に近づけた点が第1の実施
の形態と異なるが、他の点は同様であり、製造方法も同
様である。
【0097】図3Bに示すように、第3の実施の形態に
おいては、一次電極26および28を小さくして一次電
極26および28の二次電極側72の端部を第1の実施
の形態よりも二次電極72側から遠ざけた点が第1の実
施の形態と異なるが、他の点は同様であり、製造方法も
同様である。
【0098】図3Cに示すように、第4の実施の形態に
おいては、一次電極26および28を小さくし、一次電
極26および28の二次電極72側の端部と二次電極7
2との距離は第1の実施の形態と同じであるが、一次電
極26および28の一次側端面16側の端面を第1の実
施の形態よりも一次電極22、24からそれぞれ遠ざけ
た点が第1の実施の形態と異なるが、他の点は同様であ
り、製造方法も同様である。
【0099】図4に示すように、第5の実施の形態にお
いては、第4の実施の形態の一次電極26および28の
二次電極72側の端部を第4の実施の形態よりも二次電
極72側に所定の長さだけ延長させた点が第4の実施の
形態の場合と異なるが、他の点は同様であり、製造方法
も同様である。本実施の形態は、一次電極26および2
8の位置と大きさを所定の位置と大きさにすることによ
り、入力インピーダンスおよび出力インピーダンスの調
整ならびに振動子の支持点とリード線引出しをし易くし
たものである。
【0100】第2乃至第5の実施の形態においても、一
次電極22、24が設けられている領域の応力とは反対
方向の応力が生じる領域に一次電極26、28を設け、
一次電極26と一次電極28との間の圧電セラミックス
基板10の分極方向を、一次電極22と一次電極24と
の間の圧電セラミックス基板10の分極方向と同じと
し、電界の印加方向は反対としているから、圧電トラン
ス100の入力インピーダンスが小さくなって、圧電ト
ランス100に電源82から電気エネルギーが供給され
やすくなり、また、一次側aにおいて入力の電気エネル
ギーをより効率よく機械的な弾性エネルギーに変換でき
ようになり、さらに出力インピーダンスが小さくなっ
て、圧電トランス100の二次側bに接続されるCFL
90に印加できる電圧が大きくなるから、圧電トランス
100の実効的な昇圧比を大きくできる。
【0101】第2の実施の形態においては、一次電極2
6および28を大きくしているから、一次側aの電極面
積が第1の実施の形態の圧電トランス100の場合より
も大きくなって、その分、圧電トランス100の入力イ
ンピーダンスが小さくなっている。その結果、圧電トラ
ンス100に電源82から電気エネルギーが供給されや
すくなっている。また、一次側aにおいて電源82から
供給される電気エネルギーを第1の実施の形態よりもよ
り効率よく機械的な弾性エネルギーに変換できる。さら
に、一次電極26および28の二次電極72側の端部を
第1の実施の形態よりも二次電極72側に近づけている
から、二次側bの領域が長手方向においてより短くな
り、その結果、出力インピーダンスがさらに小さくな
る。その結果、圧電トランス100の二次側bに接続さ
れるCFL90に印加できる電圧が大きくなるから、圧
電トランス100の実効的な昇圧比を大きくできる。
【0102】第3の実施の形態においては、一次電極2
6および28の二次電極側72の端部を第1の実施の形
態よりも二次電極72側から遠ざけているから、二次側
に生じる電圧を大きくでき、圧電トランス100の昇圧
比をより大きくできる。
【0103】(第6の実施の形態)図5は、第6の実施
の形態の圧電トランスを説明するための図であり、図5
Aは斜視図、図5Bは断面図、図5Cは応力分布を示す
図、図5Dは振幅分布を示す図である。
【0104】図5A、Bに示すように、直方体状の圧電
セラミックス基板10の上面12の左側の1/3の領域
には一次電極32が設けられ、一次電極32と対向して
圧電セラミックス基板10の下面14にも一次電極34
が設けられ、一次電極32と一次電極34との間の圧電
セラミックス基板10は上面12と下面14間の厚み方
向において分極されている。
【0105】圧電セラミックス基板10の上面12に
は、さらに、一次側端面16から圧電セラミックス基板
10の長手方向の長さの1/3の距離離間した位置か
ら、一次側端面16から圧電セラミックス基板10の長
手方向の長さの2/3の距離離間した位置まで、一次電
極36が設けられ、一次電極36と対向して圧電セラミ
ックス基板10の下面14にも一次電極38が設けられ
ている。一次電極36は一次電極32と離間して設けら
れ、一次電極38は一次電極34と離間して設けられて
いる。一次電極36と一次電極38との間の圧電セラミ
ックス基板10は上面12と下面14間の厚み方向にお
いて分極されている。
【0106】圧電セラミックス基板10の上面12に
は、一次側端面16から圧電セラミックス基板10の長
手方向の長さの2/3の距離離間した位置から、一次側
端面16から圧電セラミックス基板10の長手方向の長
さの5/6の距離離間した位置まで、一次電極42が設
けられ、一次電極42と対向して圧電セラミックス基板
10の下面14にも一次電極44が設けられている。一
次電極42は一次電極36と離間して設けられ、一次電
極44は一次電極38と離間して設けられている。一次
電極42と一次電極44との間の圧電セラミックス基板
10は上面12と下面14間の厚み方向において分極さ
れている。一次電極32と一次電極34との間の圧電セ
ラミックス基板10の分極方向と、一次電極36と一次
電極38との間の圧電セラミックス基板10の分極方向
と、一次電極42と一次電極44との間の圧電セラミッ
クス基板10の分極方向とは同じである。
【0107】上面12および下面14と垂直な二次側端
面18には二次電極72が設けられ、一次電極42、4
4と二次電極72との間の圧電セラミックス基板10は
上面12および下面14の延在方向である長手方向にお
いて分極されている。
【0108】電源82の一端は接続部132を介して一
次電極32と接続され、接続部138を介して一次電極
38と接続され、接続部142を介して一次電極42と
接続されている。電源82の他端は接続部134を介し
て一次電極34と接続され、接続部136を介して一次
電極36と接続されて、接続部144を介して一次電極
44と接続されている。二次電極72は負荷としてのC
FL90の一端に接続され、CFL90の他端は電源8
2の他端に接続されている。
【0109】電源82から一次電極32、34間に電圧
が印加されると、左の1/3の領域では、厚み方向に電
界が加わり、分極方向とは垂直方向に変位する圧電横効
果で長手方向の縦振動が励振されて、圧電トランス10
0全体が振動する。本実施の形態の圧電トランスでは一
次側端面16と2次側端面18との間に1.5波長の応
力分布が存在する共振モードで駆動を行う。電源82か
ら、このような1.5波長型モードの共振の周波数に等
しい周波数の電圧を印加する。本実施の形態において
は、一次側端面16から1/4波長の距離右側に離れた
箇所、一次側端面16から3/4波長の距離右側に離れ
た箇所および二次側端面18から1/4波長左側に離れ
た箇所に支持点を設けた。圧電セラミックス基板10の
一次側端面16および2次側端面18は共に開放されて
いるので、圧電セラミックス基板10の長手方向の両端
においては応力が零となり、振幅が最大となる。そし
て、本実施の形態においては1.5波長モードで共振さ
せているから、応力分布および振幅分布はそれぞれ図5
Cおよび図5Dに示すようになる。
【0110】本実施の形態においては、一次電極32、
34に加えて、一次電極36、38、42、44をさら
に設けている。従って、一次側aの電極面積が大きくな
って、その分、圧電トランス100の入力インピーダン
スが小さくなっている。その結果、圧電トランス100
に電源82から電気エネルギーが供給されやすくなって
いる。
【0111】また、一次電極32、34が設けられてい
る領域の応力は圧電セラミックス基板10の上面12の
方向であるのに対して、一次電極36、38が設けられ
ている領域の応力は圧電セラミックス基板10の下面の
方向であり、一次電極32、34が設けられている領域
の応力とは反対方向である。一次電極36と一次電極3
8との間の圧電セラミックス基板10の分極方向は、一
次電極32と一次電極34との間の圧電セラミックス基
板10の分極方向と同じであるが、電界の印加方向は反
対方向である。従って、電源82から一次電極36、3
8間に電圧が印加されると、一次電極36、38間の圧
電セラミックス基板10は、電源82から一次電極3
2、34間に電圧が印加されることによって励振される
共振をさらに増大するように振動する。
【0112】さらに、一次電極42、44が設けられて
いる領域の応力と、一次電極32、34が設けられてい
る領域の応力は同じ方向であり、一次電極42と一次電
極44との間の圧電セラミックス基板10の分極方向
は、一次電極32と一次電極34との間の圧電セラミッ
クス基板10の分極方向と同じであり、電界の印加方向
も同じ方向である。従って、電源82から一次電極4
2、44間に電圧が印加されると、一次電極42、44
間の圧電セラミックス基板10は、電源82から一次電
極32、34間に電圧が印加されることによって励振さ
れる共振をさらに増大するように振動する。その結果、
一次側aにおいて電源82から供給される電気エネルギ
ーをより効率よく機械的な弾性エネルギーに変換でき
る。
【0113】一方、一次電極42、44を設けることに
よって、二次側bの領域が長手方向において短くなり、
その結果、出力インピーダンスが小さくなる。このよう
に圧電トランス100の出力インピーダンスが小さくな
ると、圧電トランス100の二次電極72に接続されて
いるCFL90に印加される電圧がその分大きくなる。
【0114】さらに、このように、本実施の形態のよう
な一次電極42、44を設けることによって一次電極と
二次電極の距離が短くなるから、一次電極42、44と
二次電極72との間の圧電セラミックス基板10を長手
方向において分極する場合には、この一次電極42、4
4を設けない場合と比べて、分極の際に印加する絶対電
圧が小さくなる。その結果、高圧の対策が容易となり、
分極用の電源もより低圧のものを使用できる。
【0115】なお、本実施の形態においては、振動の節
212、214、216を圧電トランス100の支持点
としたから、圧電トランス100を支持することによっ
て生じる圧電トランス100の振動の阻害を非常に小さ
くすることができる。さらに、本実施の形態において
は、一次電極32、34の接続部132、134および
これらの接続部132、134に設けた電極端子も振動
の節212に設け、一次電極36、38の接続部13
6、138およびこれらの接続部136、138に設け
た電極端子も振動の節214に設け、一次電極42、4
4の接続部142、144およびこれらの接続部14
2、144に設けた電極端子も振動の節216に設けた
から、電気的接続部分によって振動が阻害されることも
防止できる。
【0116】なお、本実施の形態の圧電トランスの製造
方法は第1の実施の形態と同様である。
【0117】(第7および第8の実施の形態)図6は、
本発明の第7および第8の実施の形態の圧電トランスを
説明するための図であり、図6Aは本発明の第7の実施
の形態の圧電トランスの断面図であり、図6Bは本発明
の第8の実施の形態の圧電トランスの断面図であり、図
6Cは図6Aおよび図6Bに示す圧電トランスの応力分
布を示す図であり、図6Dは図6Aおよび図6Bに示す
圧電トランスの振幅分布を示す図である。
【0118】図6Aに示すように、第7の実施の形態に
おいては、第6の実施の形態の一次電極42、44を設
けずに、一次電極36、38と二次電極72との間の圧
電セラミックス基板10を上面12および下面14の延
在方向である長手方向において分極している点が第6の
実施の形態と異なるが他の点は同じであり、製造方法も
同様である。
【0119】図6Bに示すように、第8の実施の形態に
おいては、第7の実施の形態の一次電極36、38を小
さくして一次電極36および38の二次電極側72の端
部を第7の実施の形態よりも二次電極72側から遠ざけ
た点が第7の実施の形態と異なるが、他の点は同様であ
り、製造方法も同様である。
【0120】(第9および第10の実施の形態)図7
は、第9の実施の形態の圧電トランスの斜視図である。
第1の実施の形態においては、二次電極72を圧電セラ
ミックス基板10の二次側端面18に設けたが、第9の
実施の形態においては、二次電極74を圧電セラミック
ス基板10の上面12に設け、二次電極76を圧電セラ
ミックス基板10の下面41に設け、二次電極74およ
び二次電極76を電気的に導通させて、共にCFL90
の一端に接続している点が第1の実施の形態と異なるが
他の点は同様であり、製造方法も同様である。
【0121】図8は、第10の実施の形態の圧電トラン
スの斜視図である。第1の実施の形態においては、二次
電極72を圧電セラミックス基板10の二次側端面18
に設けたが、第10の実施の形態においては、二次電極
74を圧電セラミックス基板10の上面12に設け、二
次電極74をCFL90の一端に接続している点が第1
の実施の形態と異なるが他の点は同様であり、製造方法
も同様である。
【0122】二次電極74を圧電セラミックス基板10
の上面12に設けると、一次電極22、26を形成する
工程と同一の工程で二次電極74を形成でき、二次電極
76を圧電セラミックス基板10の下面14に設ける
と、一次電極24、28を形成する工程と同一の工程で
二次電極76を形成できるから、新たに二次電極74、
76を形成する工程を設ける必要がなくなる。
【0123】また、二次電極74、76の面積を調整す
ることによって、一次電極26、28との距離を調整で
き、その結果、圧電トランス100の出力インピーダン
スを調整できる。一方、圧電トランス100の共振周波
数は圧電セラミックス基板10の長手方向の長さで決定
される。従って、このように二次電極74、76を圧電
セラミックス基板10の上面12および下面14の少な
くともいずれか一方に形成することより、共振の周波数
と出力インピーダンスとを独立して制御できるようにな
る。なお、二次電極74、76は、第8の実施の形態の
ように、圧電セラミックス基板10の上面12および下
面14の両方に形成した場合のほうが、長手方向の分極
が容易となる。
【0124】(第11の実施の形態)図9は、第11の
実施の形態の圧電トランスおよびその駆動方法を説明す
るための図であり、図9Aは斜視図、図9Bは応力分布
を示す図、図9Cは振幅分布を示す図である。
【0125】本実施の形態においては、一次電極22の
一部を当該一次電極22とは電気的に絶縁して設けられ
た帰還電極23とした点が第1の実施の形態と異なる
が、他の点は同様であり、製造方法も同様である。
【0126】このように、一次電極22の一部を当該一
次電極22とは電気的に絶縁して設けられた帰還電極2
3とすることによって、この帰還電極23を利用して微
小信号という形で圧電トランス100の振動状態をモニ
タする信号を取り出すことができ、それを用いて圧電ト
ランス100にフィードバックをかけることができ、圧
電トランス100を自励発振させることができる。
【0127】そして、この自励発振は、帰還電極23に
移相回路86および増幅回路84を接続し、増幅回路の
出力を一次電極22、24に印加することによって好ま
しく起こさせることができる。なお、ここでの移相回路
86には、好ましくはリアクタンス回路ようなものを使
用する。
【0128】(第12の実施の形態)図10は第12の
実施の形態の圧電トランスおよびその駆動方法を説明す
るための図であり、図10Aは斜視図、図10Bは応力
分布を示す図、図10Cは振幅分布を示す図である。
【0129】第11の実施の形態においては、一次電極
22の一部を当該一次電極22とは電気的に絶縁して設
けられた帰還電極23としたが、本実施の形態において
は、一次電極26の一部を当該一次電極26とは電気的
に絶縁して設けられた帰還電極27とした点が第11の
実施の形態と異なるが他の点は同様であり、製造方法も
同様である。
【0130】本実施の形態においても第11の実施の形
態と同様に、一次電極26の一部を当該一次電極26と
は電気的に絶縁して設けられた帰還電極27とすること
によって、この帰還電極27を利用して微小信号という
形で圧電トランス100の振動状態をモニタする信号を
取り出すことができ、それを用いて圧電トランス100
にフィードバックをかけることができ、圧電トランス1
00を自励発振させることができる。
【0131】(第13の実施の形態)図11は、第13
の実施の形態の圧電トランスを説明するための図であ
り、図11Aは斜視図、図11Bは断面図、図11Cは
応力分布を示す図、図11Dは振幅分布を示す図であ
る。
【0132】図11A、Bに示すように、直方体状の圧
電セラミックス基板300の上面302の左側の1/4
の領域には一次電極322が設けられ、一次電極322
と対向して圧電セラミックス基板300の下面304に
も一次電極324が設けられ、一次電極322と一次電
極324との間の圧電セラミックス基板300は上面3
02と下面304との間の厚み方向において分極されて
いる。
【0133】圧電セラミックス基板300の上面302
には、さらに、一次側端面306から圧電セラミックス
基板300の長手方向の長さの1/4の距離離間した位
置から、一次側端面306から圧電セラミックス基板3
00の長手方向の長さの3/8の距離離間した位置ま
で、一次電極326が設けられ、一次電極326と対向
して圧電セラミックス基板300の下面304にも一次
電極328が設けられている。一次電極326は一次電
極322と離間して設けられ、一次電極328は一次電
極324と離間して設けられている。一次電極326と
一次電極328との間の圧電セラミックス基板300は
上面302と下面304間の厚み方向において分極され
ている。
【0134】圧電セラミックス基板300の上面302
の右側の1/4の領域には一次電極422が設けられ、
一次電極422と対向して圧電セラミックス基板300
の下面304にも一次電極424が設けられ、一次電極
422と一次電極424との間の圧電セラミックス基板
300は上面302と下面304との間の厚み方向にお
いて分極されている。
【0135】圧電セラミックス基板300の上面302
には、さらに、一次側端面308から圧電セラミックス
基板300の長手方向の長さの1/4の距離離間した位
置から、一次側端面308から圧電セラミックス基板3
00の長手方向の長さの3/8の距離離間した位置ま
で、一次電極426が設けられ、一次電極426と対向
して圧電セラミックス基板300の下面304にも一次
電極428が設けられている。一次電極426は一次電
極422と離間して設けられ、一次電極428は一次電
極424と離間して設けられている。一次電極426と
一次電極428との間の圧電セラミックス基板300は
上面302と下面304間の厚み方向において分極され
ている。
【0136】一次電極322と一次電極324との間の
圧電セラミックス基板300の分極方向と、一次電極3
26と一次電極328との間の圧電セラミックス基板3
00の分極方向とは同じであり、一次電極422と一次
電極424との間の圧電セラミックス基板300の分極
方向と、一次電極426と一次電極428との間の圧電
セラミックス基板300の分極方向とは同じであるが、
一次電極322と一次電極324との間の圧電セラミッ
クス基板300の分極方向と、一次電極422と一次電
極424との間の圧電セラミックス基板300の分極方
向とは反対であり、一次電極326と一次電極328と
の間の圧電セラミックス基板300の分極方向と、一次
電極426と一次電極428との間の圧電セラミックス
基板300の分極方向とは反対である。
【0137】圧電セラミックス基板300の上面302
には、さらに、圧電セラミックス基板300の長手方向
の中央に二次電極374が設けられ、二次電極374と
対向して圧電セラミックス基板300の下面304にも
二次電極376が設けられている。一次電極326、3
28と二次電極374、376との間の圧電セラミック
ス基板300は上面302および下面304の延在方向
である長手方向において分極されている。一次電極42
6、428と二次電極374、376との間の圧電セラ
ミックス基板300は上面302および下面304の延
在方向である長手方向において分極されている。一次電
極326、328と二次電極374、376との間の圧
電セラミックス基板300の分極方向と一次電極42
6、428と二次電極374、376との間の圧電セラ
ミックス基板300の分極方向は同じ方向である。
【0138】電源82の一端は接続部522を介して一
次電極322と接続され、接続部528を介して一次電
極328と接続され、接続部628を介して一次電極4
28と接続され、接続部622を介して一次電極422
と接続されている。電源82の他端は接続部524を介
して一次電極324と接続され、接続部526を介して
一次電極326と接続され、接続部626を介して一次
電極426と接続され、接続部624を介して一次電極
424と接続されている。
【0139】二次電極374および二次電極376を電
気的に接続させて、共にCFL90の一端に接続し、C
FLの他端は電源82の他端に接続されている。
【0140】本実施の形態においては、長手方向の長さ
が40mm、幅が5mm、厚みが1mmの圧電セラミッ
クス基板300を使用した。本実施の形態は第1の実施
の形態の圧電トランスを、二次電極374、376を中
心として、左右対称に設けた形状となっており、圧電ト
ランス100に、第1の実施の形態の圧電トランスの場
合と比較して、2倍のエネルギーを供給でき、より一層
の入力電圧低減効果がある。なお、第1の実施の形態に
おいては、二次電極72を二次側端面18に設けたが、
本実施の形態においては、圧電セラミックス基板300
の上面302の中央部に二次電極374を設け、二次電
極374と対向して圧電セラミックス基板300の下面
304の中央部にも二次電極376を設けている。
【0141】なお、本実施の形態においては、振動の節
222、224、226、228を圧電トランス100
の支持点としたから、圧電トランス100を支持するこ
とによって生じる圧電トランス100の振動の阻害を非
常に小さくすることができる。
【0142】なお、本実施の形態の圧電トランスの製造
方法は第1の実施の形態と同様である。
【0143】(第14の実施の形態)図12は、第14
の実施の形態の圧電トランスを説明するための図であ
り、図12Aは斜視図、図12Bは断面図、図12Cは
応力分布を示す図、図12Dは振幅分布を示す図であ
る。図13は本実施の形態の圧電トランスへの入力電圧
と冷陰極管の輝度との関係を示す図である。
【0144】図12A、Bに示すように、直方体状の圧
電セラミックス基板10の上面12の左側3/4の領域
には一次電極52が設けられ、一次電極52と対向して
圧電セラミックス基板10の下面14にも一次電極54
が設けられ、一次電極52と一次電極54との間の圧電
セラミックス基板10は上面12と下面14間の厚み方
向において分極されている。ただし、一次側端面16か
ら圧電セラミックス基板10の長手方向の長さの半分の
距離までの圧電セラミックス基板10の領域(領域c)
の分極方向と、一次側端面16から圧電セラミックス基
板10の長手方向の長さの半分の距離から一次側端面1
6から圧電セラミックス基板10の長手方向の長さの3
/4の距離までの圧電セラミックス基板10の領域(領
域d)の分極方向は反対方向である。
【0145】上面12および下面14と垂直な二次側端
面18には二次電極72が設けられ、一次電極52、5
4と二次電極72との間の圧電セラミックス基板10は
上面12および下面14の延在方向である長手方向にお
いて分極されている。
【0146】電源82の一端は接続部152を介して一
次電極22と接続され、電源82の他端は接続部154
を介して一次電極54と接続されている。二次電極72
は負荷としてのCFL90の一端に接続され、CFL9
0の他端は電源82の他端に接続されている。
【0147】電源82から一次電極52、54間に電圧
が印加されると、左半分では、厚み方向に電界が加わ
り、分極方向とは垂直方向に変位する圧電横効果で長手
方向の縦振動が励振されて、圧電トランス100全体が
振動する。本実施の形態の圧電トランスでは一次側端面
16と2次側端面18との間に1波長の応力分布が存在
する共振モードで駆動を行う。電源82から、このよう
な1波長型モードの共振の周波数に等しい周波数の電圧
を印加する。本実施の形態においては、一次側端面16
から1/4波長の距離右側に離れた箇所および二次側端
面18から1/4波長左側に離れた箇所に支持点を設け
た。圧電セラミックス基板10の一次側端面16および
2次側端面18は共に開放されているので、圧電セラミ
ックス基板10の長手方向の両端においては応力が零と
なり、振幅が最大となる。そして、本実施の形態におい
ては1波長モードで共振させているから、応力分布およ
び振幅分布はそれぞれ図12Cおよび図12Dに示すよ
うになる。
【0148】本実施の形態においては、一次電極52、
54を、一次側端面16から、この一次側端面16から
圧電セラミックス基板10の長手方向の長さの3/4の
距離の位置まで延在させている。従って、一次側(c+
d)の電極面積が図27の従来の圧電トランスよりも大
きくなって、その分、圧電トランス100の入力インピ
ーダンスが小さくなっている。その結果、圧電トランス
100に電源82から電気エネルギーが供給されやすく
なっている。
【0149】また、領域cの応力は圧電セラミックス基
板10の上面12の方向であるのに対して、領域dの応
力は圧電セラミックス基板10の下面の方向であり、領
域cの応力とは反対方向である。領域cの分極方向は、
領域dの分極方向と反対であるが、電界の印加方向は同
一方向である。従って、電源82から一次電極52、5
4間に電圧が印加されると、領域dの圧電セラミックス
基板10は、電源82から領域cに電圧が印加されるこ
とによって励振される共振をさらに増大するように振動
する。その結果、一次側(c+d)において電源82か
ら供給される電気エネルギーをより効率よく機械的な弾
性エネルギーに変換できる。
【0150】一方、領域dを設けることによって、二次
側の領域fが長手方向において短くなり、その結果、出
力インピーダンスが小さくなる。このように圧電トラン
ス100の出力インピーダンスが小さくなると、圧電ト
ランス100の二次電極72に接続されているCFL9
0に印加される電圧がその分大きくなる。
【0151】このように、領域cの応力とは反対方向の
応力が生じる領域dまで一次電極52、54を延在さ
せ、領域cの分極方向を、領域dの分極方向と異なら
せ、電界の印加方向は同一とすることによって、圧電ト
ランス100の入力インピーダンスが小さくなって、圧
電トランス100に電源82から電気エネルギーが供給
されやすくなり、また、一次側(c+d)において入力
の電気エネルギーをより効率よく機械的な弾性エネルギ
ーに変換できようになり、さらに出力インピーダンスが
小さくなって、圧電トランス100の二次側fに接続さ
れるCFL90に印加できる電圧が大きくなるから、圧
電トランス100の実効的な昇圧比を大きくできる。
【0152】さらに、このように、本実施の形態のよう
に一次電極52、54を領域dまで延在させることによ
って一次電極52、54と二次電極72の距離が短くな
るから、一次電極52、54と二次電極72との間の圧
電セラミックス基板10を長手方向において分極する場
合には、この一次電極52、54領域c領域にのみ設け
た図22の従来の圧電トランスの場合と比べて、分極の
際に印加する絶対電圧が小さくなる。その結果、高圧の
対策が容易となり、分極用の電源もより低圧のものを使
用できる。
【0153】なお、圧電トランスの二次側bに接続され
る負荷が本実施の形態のようにCFL90である場合に
おいても、本実施の形態は有効に作用することは、第1
の実施の形態の場合と同様である。
【0154】また、本実施の形態においては、一次電極
52、54の大きさ等を調整することによって、圧電ト
ランス100の昇圧比だけでなく、出力インピーダンス
の調整もできるようになり設計の自由度が向上する。
【0155】第1の実施の形態の場合と同様にして製造
した圧電セラミックス焼成体から、長手方向の長さが2
0mm、幅が5mm、そして厚みが1mmの大きさの直
方体を切り出し、圧電セラミックス基板10とした。次
に、銀電極をスクリーン印刷によって圧電セラミックス
基板10の上面12および下面14に塗布し、筆塗りに
よって二次側端面18にも塗布した。その後、空気中、
600℃で焼き付けを行い、図14に示すように、圧電
セラミックス基板10の領域cの上面12には分極用電
極521を、圧電セラミックス基板10の領域cの下面
14には分極用電極541を、圧電セラミックス基板1
0の領域dの上面12には分極用電極523を、圧電セ
ラミックス基板10の領域dの下面14には分極用電極
543を、圧電セラミックス基板10の二次側端面18
には二次電極72をそれぞれ形成した。
【0156】その後、分極用電極541と分極用電極5
23を分極用電源正極に接続し、かつまた分極用電極5
21と分極用電極543を分極用電源負極に接続し、1
00℃のシリコーン油中にて2kVを印加することでc
領域およびd領域の厚み方向の分極を行った。その後、
分極用電極521と分極用電極523とを導体にて接続
して一次電極52とし、分極用電極541と分極用電極
543とを導体にて接続して一次電極54とした。そし
て、一次電極52と一次電極54を分極用電源正極に接
続し、かつまた二次電極72を分極用電源負極に接続
し、100℃のシリコーン油中にて10kVを印加する
ことで、f領域の長手方向の分極処理を行った。
【0157】その後、電源82の一端を接続部152を
介して一次電極52と接続し、電源82の他端を接続部
154を介して一次電極54と接続した。二次電極72
をCFL90の一端に接続し、CFL90の他端を電源
82の他端に接続した。CFL90としては、A4のノ
ート型パーソナルコンピュータに使用される、長さが2
25mm、直径が2.6mmのものを使用した。
【0158】振動の節202、204において、圧電ト
ランス100を支持した状態で、電源82から160k
Hzの電圧を印加して、圧電トランス100への入力電
圧とCFLの輝度との関係を測定した。その結果を図1
3に示す(曲線P’参照)。なお、図13には、図1に
示す圧電トランス100において一次電極26、28を
設けず、一次電極22、24と二次電極72との間の圧
電セラミックス基板10を長手方向に分極した圧電トラ
ンスによる場合(曲線Q’参照)も比較のために示して
ある。図1の圧電トランス100において一次電極2
6、28を設けない圧電トランスでは、CFL90に輝
度を27,000cd/m2 を得るのに、66Vrms
入力電圧を必要としたが、本実施の形態においては、3
0Vrms の入力電圧で同じ輝度が得られた。
【0159】なお、CFL90の点灯は、約15Vrms
の入力電圧を印加すれば開始することができた。
【0160】(第15および第16の実施の形態)図1
5は、第15および第16の実施の形態の圧電トランス
を説明するための図であり、図15Aは本発明の第15
の実施の形態の圧電トランスの断面図であり、図15B
は本発明の第16の実施の形態の圧電トランスの断面図
であり、図15Cは図15Aおよび図15Bに示す圧電
トランスの応力分布を示す図であり、図15Dは図15
Aおよび図15Bに示す圧電トランスの振幅分布を示す
図である。
【0161】図15Aに示すように、第15の実施の形
態においては、領域dの一次電極52および54ならび
に圧電セラミックス基板10を大きくして、領域dの端
部を第1の実施の形態よりも二次電極72側に近づけた
点が第14の実施の形態と異なるが、他の点は同様であ
り、製造方法も同様である。
【0162】図15Bに示すように、第16の実施の形
態においては、領域dの一次電極52および54ならび
に圧電セラミックス基板10を小さくして、領域dの端
部を第1の実施の形態よりも二次電極72から遠ざけた
点が第14の実施の形態と異なるが、他の点は同様であ
り、製造方法も同様である。
【0163】第15および第16の実施の形態において
も、領域cの応力とは反対方向の応力が生じる領域dま
で一次電極52、54を延在させ、領域cの分極方向
を、領域dの分極方向と異ならせ、電界の印加方向は同
一とすることによって、圧電トランス100の入力イン
ピーダンスが小さくなって、圧電トランス100に電源
82から電気エネルギーが供給されやすくなり、また、
一次側(c+d)において入力の電気エネルギーをより
効率よく機械的な弾性エネルギーに変換できようにな
り、さらに出力インピーダンスが小さくなって、圧電ト
ランス100の二次側fに接続されるCFL90に印加
できる電圧が大きくなるから、圧電トランス100の実
効的な昇圧比を大きくできる。
【0164】第15の実施の形態においては、一次電極
52および54を大きくしているから、一次側(c+
d)の電極面積が第14の実施の形態の圧電トランス1
00の場合よりも大きくなって、その分、圧電トランス
100の入力インピーダンスが小さくなっている。その
結果、圧電トランス100に電源82から電気エネルギ
ーが供給されやすくなっている。また、一次側(c+
d)において電源82から供給される電気エネルギーを
第14の実施の形態よりもより効率よく機械的な弾性エ
ネルギーに変換できる。さらに、一次電極52および5
4の二次電極72側の端部を第14の実施の形態よりも
二次電極72側に近づけているから、二次側fの領域が
長手方向においてより短くなり、その結果、出力インピ
ーダンスがさらに小さくなる。その結果、圧電トランス
100の二次側fに接続されるCFL90に印加できる
電圧が大きくなるから、圧電トランス100の実効的な
昇圧比を大きくできる。
【0165】第16の実施の形態においては、一次電極
52および54の二次電極側72の端部を第14の実施
の形態よりも二次電極72側から遠ざけているから、二
次側に生じる電圧を大きくでき、圧電トランス100の
昇圧比をより大きくできる。
【0166】(第17の実施の形態)図16は、本発明
の第17の実施の形態の圧電トランスを説明するための
図であり、図16Aは斜視図、図16Bは断面図、図1
6Cは応力分布を示す図、図16Dは振幅分布を示す図
である。
【0167】図16A、Bに示すように、直方体状の圧
電セラミックス基板10の上面12の左側5/6の領域
には一次電極56が設けられ、一次電極56と対向して
圧電セラミックス基板10の下面14にも一次電極58
が設けられ、一次電極56と一次電極58との間の圧電
セラミックス基板10は上面12と下面14間の厚み方
向において分極されている。ただし、一次側端面16か
ら圧電セラミックス基板10の長手方向の長さの1/3
の距離までの圧電セラミックス基板10の領域(領域
c)の分極方向と、一次側端面16から圧電セラミック
ス基板10の長手方向の長さの1/3の距離から一次側
端面16から圧電セラミックス基板10の長手方向の長
さの2/3の距離までの圧電セラミックス基板10の領
域(領域d)の分極方向は反対方向である。また、一次
側端面16から圧電セラミックス基板10の長手方向の
長さの1/3の距離までの圧電セラミックス基板10の
領域(領域c)の分極方向と、一次側端面16から圧電
セラミックス基板10の長手方向の長さの2/3の距離
から一次側端面16から圧電セラミックス基板10の長
手方向の長さの5/6の距離までの圧電セラミックス基
板10の領域(領域e)の分極方向は同じである。
【0168】上面12および下面14と垂直な二次側端
面18には二次電極72が設けられ、一次電極56、5
8と二次電極72との間の圧電セラミックス基板10は
上面12および下面14の延在方向である長手方向にお
いて分極されている。
【0169】電源82の一端は接続部156を介して一
次電極56と接続され、電源82の他端は接続部158
を介して一次電極58と接続されている。二次電極72
は負荷としてのCFL90の一端に接続され、CFL9
0の他端は電源82の他端に接続されている。
【0170】電源82から一次電極56、58間に電圧
が印加されると、左の1/3の領域cでは、厚み方向に
電界が加わり、分極方向とは垂直方向に変位する圧電横
効果で長手方向の縦振動が励振されて、圧電トランス1
00全体が振動する。本実施の形態の圧電トランスでは
一次側端面16と2次側端面18との間に1.5波長の
応力分布が存在する共振モードで駆動を行う。電源82
から、このような1.5波長型モードの共振の周波数に
等しい周波数の電圧を印加する。圧電セラミックス基板
10の一次側端面16および2次側端面18は共に開放
されているので、圧電セラミックス基板10の長手方向
の両端においては応力が零となり、振幅が最大となる。
そして、本実施の形態においては1.5波長モードで共
振させているから、応力分布および振幅分布はそれぞれ
図16Cおよび図16Dに示すようになる。
【0171】本実施の形態においては、一次電極56、
58を、一次側端面16から、この一次側端面16から
圧電セラミックス基板10の長手方向の長さの5/6の
距離の位置まで延在させている。従って、一次側(c+
d)の電極面積が大きくなって、その分、圧電トランス
100の入力インピーダンスが小さくなっている。その
結果、圧電トランス100に電源82から電気エネルギ
ーが供給されやすくなっている。
【0172】また、領域cの応力は圧電セラミックス基
板10の上面12の方向であるのに対して、領域dの応
力は圧電セラミックス基板10の下面14の方向であ
り、領域cの応力とは反対方向である。領域cの分極方
向は、領域dの分極方向と反対であるが、電界の印加方
向は同一方向である。従って、電源82から一次電極5
6、58間に電圧が印加されると、領域dの圧電セラミ
ックス基板10は、電源82から領域cに電圧が印加さ
れることによって励振される共振をさらに増大するよう
に振動する。その結果、一次側(c+d)において電源
82から供給される電気エネルギーをより効率よく機械
的な弾性エネルギーに変換できる。
【0173】さらに、領域cの応力と領域eの応力は同
じ方向であり、領域cの分極方向は、領域eの分極方向
と同一であり、電界の印加方向も同一方向である。従っ
て、電源82から一次電極56、58間に電圧が印加さ
れると、領域eの圧電セラミックス基板10は、電源8
2から領域cに電圧が印加されることによって励振され
る共振をさらに増大するように振動する。その結果、一
次側(c+d+e)において電源82から供給される電
気エネルギーをより効率よく機械的な弾性エネルギーに
変換できる。
【0174】一方、領域eを設けることによって、二次
側の領域fが長手方向において短くなり、その結果、出
力インピーダンスが小さくなる。このように圧電トラン
ス100の出力インピーダンスが小さくなると、圧電ト
ランス100の二次電極72に接続されているCFL9
0に印加される電圧がその分大きくなる。
【0175】さらに、このように、本実施の形態のよう
な領域eを設けることによって一次電極と二次電極の距
離が短くなるから、一次電極56、58と二次電極72
との間の圧電セラミックス基板10を長手方向において
分極する場合には、領域eを設けない場合と比べて、分
極の際に印加する絶対電圧が小さくなる。その結果、高
圧の対策が容易となり、分極用の電源もより低圧のもの
を使用できる。
【0176】なお、本実施の形態の圧電トランスの製造
方法は第14の実施の形態と同様である。
【0177】(第18および第19の実施の形態)図1
7は、本発明の第18および第19の実施の形態の圧電
トランスを説明するための図であり、図17Aは本発明
の第18の実施の形態の圧電トランスの断面図であり、
図17Bは本発明の第19の実施の形態の圧電トランス
の断面図であり、図17Cは図17Aおよび図17Bに
示す圧電トランスの応力分布を示す図であり、図17D
は図17Aおよび図17Bに示す圧電トランスの振幅分
布を示す図である。
【0178】図17Aに示すように、第18の実施の形
態においては、第17の実施の形態の領域eを設けてい
ない点が第17の実施の形態と異なるが、他の点は同様
であり、製造方法も同様である。
【0179】図17Bに示すように、第19の実施の形
態においては、第18の実施の形態の領域dを小さくし
て、領域dの二次電極72側の端部を第18の実施の形
態よりも二次電極72から遠ざけた点が第18の実施の
形態と異なるが、他の点は同様であり、製造方法も同様
である。
【0180】(第20および第21の実施の形態)図1
8は、第20の実施の形態の圧電トランスの斜視図であ
る。第14の実施の形態においては、二次電極72を圧
電セラミックス基板10の二次側端面18に設けたが、
第20の実施の形態においては、二次電極74を圧電セ
ラミックス基板10の上面12に設け、二次電極76を
圧電セラミックス基板10の下面14に設け、二次電極
74および二次電極76を電気的に導通させて、共にC
FL90の一端に接続している点が第14の実施の形態
と異なるが他の点は同様であり、製造方法も同様であ
る。
【0181】図19は、第21の実施の形態の圧電トラ
ンスの斜視図である。第14の実施の形態においては、
二次電極72を圧電セラミックス基板10の二次側端面
18に設けたが、第21の実施の形態においては、二次
電極74を圧電セラミックス基板10の上面12に設
け、二次電極74をCFL90の一端に接続している点
が第14の実施の形態と異なるが他の点は同様であり、
製造方法も同様である。
【0182】二次電極74を圧電セラミックス基板10
の上面12に設けると、一次電極52を形成する工程と
同一の工程で二次電極74を形成でき、二次電極76を
圧電セラミックス基板10の下面14に設けると、一次
電極54を形成する工程と同一の工程で二次電極76を
形成できるから、新たに二次電極74、76を形成する
工程を設ける必要がなくなる。
【0183】また、二次電極74、76の面積を調整す
ることによって、一次電極52、554との距離を調整
でき、その結果、圧電トランス100の出力インピーダ
ンスを調整できる。一方、圧電トランス100の共振周
波数は圧電セラミックス基板10の長手方向の長さで決
定される。従って、このように二次電極74、76を圧
電セラミックス基板10の上面12および下面14の少
なくともいずれか一方に形成することより、共振の周波
数と出力インピーダンスとを独立して制御できるように
なる。なお、二次電極74、76は、第20の実施の形
態のように、圧電セラミックス基板10の上面12およ
び下面14の両方に形成した場合のほうが、長手方向の
分極が容易となる。
【0184】(第22の実施の形態)図20は、第22
の実施の形態の圧電トランスおよびその駆動方法を説明
するための図であり、図20Aは斜視図、図20Bは応
力分布を示す図、図20Cは振幅分布を示す図である。
【0185】本実施の形態においては、領域c内の一次
電極52の一部を当該一次電極52とは電気的に絶縁し
て設けられた帰還電極53とした点が第14の実施の形
態と異なるが、他の点は同様であり、製造方法も同様で
ある。
【0186】このように、一次電極52の一部を当該一
次電極52とは電気的に絶縁して設けられた帰還電極5
3とすることによって、この帰還電極53を利用して微
小信号という形で圧電トランス100の振動状態をモニ
タする信号を取り出すことができ、それを用いて圧電ト
ランス100にフィードバックをかけることができ、圧
電トランス100を自励発振させることができる。
【0187】そして、この自励発振は、帰還電極53に
移相回路86および増幅回路84を接続し、増幅回路の
出力を一次電極52、54に印加することによって好ま
しく起こさせることができる。
【0188】(第23の実施の形態)図21は第23の
実施の形態の圧電トランスおよびその駆動方法を説明す
るための図であり、図21Aは斜視図、図21Bは応力
分布を示す図、図21Cは振幅分布を示す図である。
【0189】第22の実施の形態においては、領域c内
の一次電極52の一部を当該一次電極52とは電気的に
絶縁して設けられた帰還電極53としたが、本実施の形
態においては、領域d内の一次電極52の一部を当該一
次電極52とは電気的に絶縁して設けられた帰還電極5
5とした点が第22の実施の形態と異なるが他の点は同
様であり、製造方法も同様である。
【0190】本実施の形態においても第22の実施の形
態と同様に、一次電極52の一部を当該一次電極52と
は電気的に絶縁して設けられた帰還電極55とすること
によって、この帰還電極55を利用して微小信号という
形で圧電トランス100の振動状態をモニタする信号を
取り出すことができ、それを用いて圧電トランス100
にフィードバックをかけることができ、圧電トランス1
00を自励発振させることができる。
【0191】(第24の実施の形態)図22は、第24
の実施の形態の圧電トランスを説明するための図であ
り、図22Aは斜視図、図22Bは断面図、図22Cは
応力分布を示す図、図22Dは振幅分布を示す図であ
る。
【0192】図22A、Bに示すように、直方体状の圧
電セラミックス基板300の上面302の左側3/8の
領域には一次電極352が設けられ、一次電極352と
対向して圧電セラミックス基板300の下面304にも
一次電極354が設けられ、一次電極352と一次電極
354との間の圧電セラミックス基板300は上面30
2と下面304間の厚み方向において分極されている。
ただし、一次側端面306から圧電セラミックス基板3
00の長手方向の長さの1/4の距離までの圧電セラミ
ックス基板300の領域(領域c)の分極方向と、一次
側端面306から圧電セラミックス基板300の長手方
の長さの1/4の距離から一次側端面306から圧電セ
ラミックス基板300の長手方向の長さの3/8の距離
までの圧電セラミックス基板300の領域(領域d)の
分極方向は反対方向である。
【0193】圧電セラミックス基板300の上面302
の右側3/8の領域には一次電極452が設けられ、一
次電極452と対向して圧電セラミックス基板300の
下面304にも一次電極454が設けられ、一次電極4
52と一次電極454との間の圧電セラミックス基板3
00は上面302と下面304間の厚み方向において分
極されている。ただし、一次側端面308から圧電セラ
ミックス基板300の長手方向の長さの1/4の距離ま
での圧電セラミックス基板300の領域(領域c’)の
分極方向と、一次側端面308から圧電セラミックス基
板300の長手方の長さの1/4の距離から一次側端面
308から圧電セラミックス基板3000の長手方向の
長さの3/8の距離までの圧電セラミックス基板300
の領域(領域d’)の分極方向は反対方向である。
【0194】領域cの圧電セラミックス基板300の分
極方向と、領域c’の圧電セラミックス基板300の分
極方向とは反対方向であり、領域dの圧電セラミックス
基板300の分極方向と、領域d’の圧電セラミックス
基板300の分極方向とは反対方向である。
【0195】圧電セラミックス基板300の上面302
には、さらに、圧電セラミックス基板300の長手方向
の中央に二次電極374が設けられ、二次電極374と
対向して圧電セラミックス基板300の下面304にも
二次電極376が設けられている。一次電極352、3
54と二次電極374、376との間の圧電セラミック
ス基板300は上面302および下面304の延在方向
である長手方向において分極されている。一次電極45
2、454と二次電極374、376との間の圧電セラ
ミックス基板300は上面302および下面304の延
在方向である長手方向において分極されている。一次電
極352、354と二次電極374、376との間の圧
電セラミックス基板300の分極方向と一次電極45
2、454と二次電極374、376との間の圧電セラ
ミックス基板300の分極方向は同じ方向である。
【0196】電源82の一端は接続部552を介して一
次電極352と接続され、接続部652を介して一次電
極452と接続されている。電源82の他端は接続部5
54を介して一次電極354と接続されて、接続部65
4を介して一次電極454と接続されている。二次電極
374および376を電気的に導通させて共にCFL9
0の一端に接続し、CFL90の他端を電源82の他端
に接続している。
【0197】本実施の形態においては、長手方向の長さ
が40mm、幅が5mm、厚みが1mmの圧電セラミッ
クス基板300を使用した。本実施の形態は第14の実
施の形態の圧電トランスを、二次電極374、376を
中心として、左右対称に設けた形状となっており、圧電
トランス100に、第14の実施の形態の圧電トランス
場合と比較して、2倍のエネルギーを供給でき、より一
層の入力電圧低減効果がある。なお、第14の実施の形
態においては、二次電極72を二次側端面18に設けた
が、本実施の形態においては、圧電セラミックス基板3
00の上面302の中央部に二次電極374を設け、二
次電極374と対向して圧電セラミックス基板300の
下面304の中央部にも二次電極376を設けている。
【0198】なお、本実施の形態の圧電トランスの製造
方法は第14の実施の形態と同様である。
【0199】(第25の実施の形態)図23は、第25
の実施の形態の圧電トランスを説明するための図であ
り、図23Aは斜視図、図23Bは断面図、図23Cは
応力分布を示す図、図23Dは振幅分布を示す図であ
る。
【0200】図23A、Bに示すように、直方体状の圧
電セラミックス基板300の上面302の左側の1/3
の領域には一次電極322が設けられ、一次電極322
と対向して圧電セラミックス基板300の下面304に
も一次電極324が設けられ、一次電極322と一次電
極324との間の圧電セラミックス基板300は上面3
02と下面304との間の厚み方向において分極されて
いる。
【0201】圧電セラミックス基板300の上面302
には、さらに、一次側端面306から圧電セラミックス
基板300の長手方向の長さの1/3の距離離間した位
置から、一次側端面306から圧電セラミックス基板3
00の長手方向の長さの5/12の距離離間した位置ま
で、一次電極326が設けられ、一次電極326と対向
して圧電セラミックス基板300の下面304にも一次
電極328が設けられている。一次電極326は一次電
極322と離間して設けられ、一次電極328は一次電
極324と離間して設けられている。一次電極326と
一次電極328との間の圧電セラミックス基板300は
上面302と下面304間の厚み方向において分極され
ている。
【0202】圧電セラミックス基板300の上面302
の右側の1/3の領域には一次電極422が設けられ、
一次電極422と対向して圧電セラミックス基板300
の下面304にも一次電極424が設けられ、一次電極
422と一次電極424との間の圧電セラミックス基板
300は上面302と下面304との間の厚み方向にお
いて分極されている。
【0203】圧電セラミックス基板300の上面302
には、さらに、一次側端面308から圧電セラミックス
基板300の長手方向の長さの1/3の距離離間した位
置から、一次側端面308から圧電セラミックス基板3
00の長手方向の長さの5/12の距離離間した位置ま
で、一次電極426が設けられ、一次電極426と対向
して圧電セラミックス基板300の下面304にも一次
電極428が設けられている。一次電極426は一次電
極422と離間して設けられ、一次電極428は一次電
極424と離間して設けられている。一次電極426と
一次電極428との間の圧電セラミックス基板300は
上面302と下面304間の厚み方向において分極され
ている。
【0204】一次電極322と一次電極324との間の
圧電セラミックス基板300の分極方向と、一次電極3
26と一次電極328との間の圧電セラミックス基板3
00の分極方向と、一次電極422と一次電極424と
の間の圧電セラミックス基板300の分極方向と、一次
電極426と一次電極428との間の圧電セラミックス
基板300の分極方向とはすべて同じである。
【0205】圧電セラミックス基板300の上面302
には、さらに、圧電セラミックス基板300の長手方向
の中央に二次電極374が設けられ、二次電極374と
対向して圧電セラミックス基板300の下面304にも
二次電極376が設けられている。一次電極326、3
28と二次電極374、376との間の圧電セラミック
ス基板300は上面302および下面304の延在方向
である長手方向において分極されている。一次電極42
6、428と二次電極374、376との間の圧電セラ
ミックス基板300は上面302および下面304の延
在方向である長手方向において分極されている。一次電
極326、328と二次電極374、376との間の圧
電セラミックス基板300の分極方向と一次電極42
6、428と二次電極374、376との間の圧電セラ
ミックス基板300の分極方向は反対方向である。
【0206】電源82の一端は接続部522を介して一
次電極322と接続され、接続部528を介して一次電
極328と接続され、接続部628を介して一次電極4
28と接続され、接続部622を介して一次電極422
と接続されている。電源82の他端は接続部524を介
して一次電極324と接続され、接続部526を介して
一次電極326と接続され、接続部626を介して一次
電極426と接続され、接続部624を介して一次電極
424と接続されている。
【0207】二次電極374および二次電極376は電
気的に接続されて、共にCFL90の一端に接続され、
CFL90の他端は電源82の他端に接続されている。
【0208】本実施の形態においては、一次側端面30
6と一次側端面308との間に1.5波長の応力分布が
存在する共振モードで駆動を行う。電源82からこの
1.5波長型モードの共振周波数に等しい周波数の電圧
を印加する。圧電セラミックス基板300の両端30
6、308は共に開放されているので、圧電セラミック
ス基板300の長手方向の両端においては応力が零とな
り、振幅が最大となる。そして本実施の形態において
は、1.5波長モードで共振させているから、応力分布
および振幅分布はそれぞれ図23Cおよび図23Dに示
すようになる。
【0209】一次電極322、324が設けられている
領域の応力、分極方向、電界方向と一次電極422、4
24が設けられている領域の応力、分極方向、電界方向
とはすべて同じだから、一次電極322、324間に電
源82から電圧が印加されることによって励振される振
動と、一次電極422、424間に電源82から電圧が
印加されることによって励振される振動とは、共に互い
の振動をさらに増大するように振動する。
【0210】一次電極326、328が設けられている
領域の応力は、一次電極322、324が設けられてい
る領域の応力および一次電極422、424が設けられ
ている領域の応力とは反対方向である。一次電極32
6、328が設けられている領域の分極方向は、一次電
極322、324が設けられている領域の分極方向およ
び一次電極422、424が設けられている領域の分極
方向と同じ方向であるが、一次電極326、328が設
けられている領域への電界の印加方向は、一次電極32
2、324が設けられている領域への電界の印加方向お
よび一次電極422、424が設けられている領域への
電界の印加方向とは反対方向である。従って、電源82
から一次電極326、328間に電圧が印加されると、
一次電極326、328間の圧電セラミックス基板30
0は、一次電極322、324間に電源82から電圧が
印加されることによって励振される振動と一次電極42
2、424間に電源82から電圧が印加されることによ
って励振される振動とをさらに増大するように振動す
る。
【0211】一次電極426、428が設けられている
領域の応力は、一次電極322、324が設けられてい
る領域の応力および一次電極422、424が設けられ
ている領域の応力とは反対方向である。一次電極42
6、428が設けられている領域の分極方向は、一次電
極322、324が設けられている領域の分極方向およ
び一次電極422、424が設けられている領域の分極
方向と同じ方向であるが、一次電極426、428が設
けられている領域への電界の印加方向は、一次電極32
2、324が設けられている領域への電界の印加方向お
よび一次電極422、424が設けられている領域への
電界の印加方向とは反対方向である。従って、電源82
から一次電極426、428間に電圧が印加されると、
一次電極426、428間の圧電セラミックス基板30
0は、一次電極322、324間に電源82から電圧が
印加されることによって励振される振動と一次電極42
2、424間に電源82から電圧が印加されることによ
って励振される振動とをさらに増大するように振動す
る。
【0212】従って、一次側a、a’に電源82から供
給される電気エネルギーをより効率よく機械的な弾性エ
ネルギーに変換できる。
【0213】また、本実施の形態においては、一次電極
322、324、422、424に加えて、一次電極3
26、328、426、428をさらに設けているか
ら、一次側a、a’の電極面積が大きくなって、その分
圧電トランスの入力インピーダンスが小さくなってい
る。その結果、圧電トランス100に電源82から電気
エネルギーが供給されやすくなっている。
【0214】さらに、一次電極326、328を設ける
ことによって2次側bの領域が長手方向において短くな
り、一次電極426、428を設けることによって2次
側b’の領域が長手方向において短くなる。その結果、
圧電トランス100の出力インピーダンスが小さくな
る。圧電トランス100の出力インピーダンスが小さく
なると、圧電トランス100の二次電極374、376
に接続されているCFL90に印加される電圧がその分
大きくなる。
【0215】従って、本実施の形態によれば、一次側
a、a’に電源82から供給される電気エネルギーをよ
り効率よく機械的な弾性エネルギーに変換でき、圧電ト
ランス100に電源82から電気エネルギーが供給され
やすくなっており、圧電トランス100の出力インピー
ダンスが小さくなって圧電トランス100からCFL9
0に印加される電圧をその分大きくできるから、圧電ト
ランスの実効的な昇圧比を大きくできる。
【0216】また、このように、本実施の形態のような
一次電極326、328、426、428を設けること
によって一次電極と二次電極との間の距離が短くなるか
ら、一次電極326、328と二次電極374、376
との間の圧電セラミックス基板300を長手方向におい
て分極する場合および一次電極426、428と二次電
極374、376との間の圧電セラミックス基板300
を長手方向において分極する場合においては、これらの
一次電極326、328、426、428を設けない場
合と比べて、分極する際に印加する高圧の絶対電圧が小
さくなる。その結果、高圧の対策が容易となり、分極用
電源もより低圧の電源を使用できる。
【0217】なお、本実施の形態においては、振動の節
232、234、236を圧電トランス100の支持点
としたから、圧電トランス100を支持することによっ
て生じる圧電トランス100の振動の阻害を小さくする
ことができる。
【0218】なお、本実施の形態の圧電トランスの製造
方法は第1の実施の形態と同様である。
【0219】(第26の実施の形態)図24は、第26
の実施の形態の圧電トランスを説明するための図であ
り、図24Aは斜視図、図24Bは断面図、図24Cは
応力分布を示す図、図24Dは振幅分布を示す図であ
る。
【0220】図24A、Bに示すように、直方体状の圧
電セラミックス基板300の上面302の左側の1/3
の領域には一次電極322が設けられ、一次電極322
と対向して圧電セラミックス基板300の下面304に
も一次電極324が設けられ、一次電極322と一次電
極324との間の圧電セラミックス基板300は上面3
02と下面304との間の厚み方向において分極されて
いる。
【0221】圧電セラミックス基板300の上面302
には、さらに、一次側端面306から圧電セラミックス
基板300の長手方向の長さの1/3の距離離間した位
置から、一次側端面306から圧電セラミックス基板3
00の長手方向の長さの5/12の距離離間した位置ま
で、一次電極326が設けられ、一次電極326と対向
して圧電セラミックス基板300の下面304にも一次
電極328が設けられている。一次電極326は一次電
極322と離間して設けられ、一次電極328は一次電
極324と離間して設けられている。一次電極326と
一次電極328との間の圧電セラミックス基板300は
上面302と下面304間の厚み方向において分極され
ている。
【0222】圧電セラミックス基板300の上面302
の右側の1/3の領域には一次電極422が設けられ、
一次電極422と対向して圧電セラミックス基板300
の下面304にも一次電極424が設けられ、一次電極
422と一次電極424との間の圧電セラミックス基板
300は上面302と下面304との間の厚み方向にお
いて分極されている。
【0223】圧電セラミックス基板300の上面302
には、さらに、一次側端面308から圧電セラミックス
基板300の長手方向の長さの1/3の距離離間した位
置から、一次側端面308から圧電セラミックス基板3
00の長手方向の長さの5/12の距離離間した位置ま
で、一次電極426が設けられ、一次電極426と対向
して圧電セラミックス基板300の下面304にも一次
電極428が設けられている。一次電極426は一次電
極422と離間して設けられ、一次電極428は一次電
極424と離間して設けられている。一次電極426と
一次電極428との間の圧電セラミックス基板300は
上面302と下面304間の厚み方向において分極され
ている。
【0224】一次電極322と一次電極324との間の
圧電セラミックス基板300の分極方向と、一次電極4
22と一次電極424との間の圧電セラミックス基板3
00の分極方向とは同じであり、一次電極326と一次
電極328との間の圧電セラミックス基板300の分極
方向と、一次電極426と一次電極428との間の圧電
セラミックス基板300の分極方向とも同じであるが、
一次電極322と一次電極324との間の圧電セラミッ
クス基板300の分極方向は、一次電極326と一次電
極328との間の圧電セラミックス基板300の分極方
向と反対方向であり、一次電極422と一次電極424
との間の圧電セラミックス基板300の分極方向は、一
次電極426と一次電極428との間の圧電セラミック
ス基板300の分極方向と反対方向である。
【0225】圧電セラミックス基板300の上面302
には、さらに、圧電セラミックス基板300の長手方向
の中央に二次電極374が設けられ、二次電極374と
対向して圧電セラミックス基板300の下面304にも
二次電極376が設けられている。一次電極326、3
28と二次電極374、376との間の圧電セラミック
ス基板300は上面302および下面304の延在方向
である長手方向において分極されている。一次電極42
6、428と二次電極374、376との間の圧電セラ
ミックス基板300は上面302および下面304の延
在方向である長手方向において分極されている。一次電
極326、328と二次電極374、376との間の圧
電セラミックス基板300の分極方向と一次電極42
6、428と二次電極374、376との間の圧電セラ
ミックス基板300の分極方向は反対方向である。
【0226】電源82の一端は接続部522を介して一
次電極322と接続され、接続部526を介して一次電
極326と接続され、接続部626を介して一次電極4
26と接続され、接続部622を介して一次電極422
と接続されている。電源82の他端は接続部524を介
して一次電極324と接続され、接続部528を介して
一次電極328と接続され、接続部628を介して一次
電極428と接続され、接続部624を介して一次電極
424と接続されている。
【0227】二次電極374および二次電極376は電
気的に接続されて、共にCFL90の一端に接続され、
CFL90の他端は電源82の他端に接続されている。
【0228】本実施の形態においても、一次側端面30
6と一次側端面308との間に1.5波長の応力分布が
存在する共振モードで駆動を行う。電源82からこの
1.5波長型モードの共振周波数に等しい周波数の電圧
を印加する。圧電セラミックス基板300の両端30
6、308は共に開放されているので、圧電セラミック
ス基板10の長手方向の両端においては応力が零とな
り、振幅が最大となる。そして本実施の形態において
は、1.5波長モードで共振させているから、応力分布
および振幅分布はそれぞれ図24Cおよび図24Dに示
すようになる。
【0229】一次電極322、324が設けられている
領域の応力、分極方向、電界方向と一次電極422、4
24が設けられている領域の応力、分極方向、電界方向
とはすべて同じだから、一次電極322、324間に電
源82から電圧が印加されることによって励振される振
動と、一次電極422、424間に電源82から電圧が
印加されることによって励振される振動とは、共に互い
の振動をさらに増大するように振動する。
【0230】一次電極326、328が設けられている
領域の応力は、一次電極322、324が設けられてい
る領域の応力および一次電極422、424が設けられ
ている領域の応力とは反対方向である。一次電極32
6、328が設けられている領域の分極方向は、一次電
極322、324が設けられている領域の分極方向およ
び一次電極422、424が設けられている領域の分極
方向とは反対方向であるが、一次電極326、328が
設けられている領域への電界の印加方向は、一次電極3
22、324が設けられている領域への電界の印加方向
および一次電極422、424が設けられている領域へ
の電界の印加方向と同一方向である。従って、電源82
から一次電極326、328間に電圧が印加されると、
一次電極326、328間の圧電セラミックス基板30
0は、一次電極322、324間に電源82から電圧が
印加されることによって励振される振動と一次電極42
2、424間に電源82から電圧が印加されることによ
って励振される振動とをさらに増大するように振動す
る。
【0231】一次電極426、428が設けられている
領域の応力は、一次電極322、324が設けられてい
る領域の応力および一次電極422、424が設けられ
ている領域の応力とは反対方向である。一次電極42
6、428が設けられている領域の分極方向は、一次電
極322、324が設けられている領域の分極方向およ
び一次電極422、424が設けられている領域の分極
方向とは反対方向であるが、一次電極426、428が
設けられている領域への電界の印加方向は、一次電極3
22、324が設けられている領域への電界の印加方向
および一次電極422、424が設けられている領域へ
の電界の印加方向と同一方向である。従って、電源82
から一次電極426、428間に電圧が印加されると、
一次電極426、428間の圧電セラミックス基板30
0は、一次電極322、324間に電源82から電圧が
印加されることによって励振される振動と一次電極42
2、424間に電源82から電圧が印加されることによ
って励振される振動とをさらに増大するように振動す
る。
【0232】従って、一次側a、a’に電源82から供
給される電気エネルギーをより効率よく機械的な弾性エ
ネルギーに変換できる。
【0233】また、本実施の形態においても、一次電極
326、328、426、428を設けることによっ
て、圧電トランス100の入力インピーダンスが小さく
なって圧電トランス100に電源82から電気エネルギ
ーが供給されやすくなり、圧電トランス100の出力イ
ンピーダンスが小さくなって圧電トランス100の二次
電極374、376に接続されているCFL90に印加
される電圧がその分大きくなる点も第25の実施の形態
と同様であり、以上の結果、圧電トランスの実効的な昇
圧比を大きくできるのも第25の実施の形態と同様であ
る。
【0234】また、このように、一次電極326、32
8、426、428を設けることによって分極する際に
印加する高圧の絶対電圧が小さくなり、その結果、高圧
の対策が容易となり、分極用電源もより低圧の電源を使
用できることも第25の実施の形態と同様である。
【0235】なお、本実施の形態においても、振動の節
232、234、236を圧電トランス100の支持点
としたから、圧電トランス100を支持することによっ
て生じる圧電トランス100の振動の阻害を小さくする
ことができる。
【0236】また、本実施の形態の圧電トランスの製造
方法は第1の実施の形態と同様である。
【0237】(第27の実施の形態)図25は、第27
の実施の形態の積層型圧電トランス1000を説明する
ための図であり、図25Aは斜視図、図25Bは断面
図、図25Cは応力分布を示す図、図25Dは振幅分布
を示す図である。
【0238】図25A、Bに示すように、同じ大きさの
直方体状の圧電セラミックス基板710、720を積層
一体化して圧電セラミックス積層基板700を構成して
いる。圧電セラミックス積層基板700の上面712の
左側(一次側)半分には一次電極732が設けられ、一
次電極732と対向して圧電セラミックス積層基板70
0の下面714にも一次電極734が設けられている。
【0239】圧電セラミックス積層基板700の上面7
12には、一次側端面716から圧電セラミックス積層
基板700の長手方向の長さの半分の距離離間した位置
から、一次側端面716から圧電セラミックス基板70
0の長手方向の長さの3/4の距離離間した位置まで、
一次電極736が設けられ、一次電極736と対向して
圧電セラミックス積層基板700の下面714にも一次
電極738が設けられている。一次電極736は一次電
極732と離間して設けられ、一次電極738は一次電
極734と離間して設けられている。
【0240】圧電セラミックス積層基板700の厚み方
向の中央部、すなわち、圧電セラミックス基板710と
圧電セラミックス基板720との境界には、一次側端面
716から、一次側端面716から圧電セラミックス積
層基板700の長手方向の長さの3/4の距離離間した
位置まで一次電極740が一次電極732、736と平
行に設けられている。なお、上記一次電極732、73
4、736、738、740は圧電セラミックス積層基
板700の一方の幅方向端面717から他方の幅方向端
面719までそれぞれ幅方向に延在して設けられてい
る。
【0241】一次電極732と一次電極740との間、
一次電極736と一次電極740との間、一次電極74
0と一次電極734との間および一次電極740と一次
電極738との間の圧電セラミックス積層基板700は
厚み方向において分極されている。一次電極732と一
次電極740との間の分極方向は、一次電極736と一
次電極740との間の分極方向とは反対であり、一次電
極740と一次電極734との間の分極方向とも反対で
あり、一次電極740と一次電極738との間の分極方
向と同じである。
【0242】上面712および下面714と垂直な二次
側端面718には二次電極772が設けられ、一次電極
736、740および738と二次電極772との間の
圧電セラミックス積層基板700は長手方向において分
極されている。
【0243】電源82の一端は接続部832を介して一
次電極732と接続され、接続部836を介して一次電
極736と接続され、接続部834を介して一次電極7
34と接続され、接続部838を介して一次電極738
と接続されている。電源82の他端は接続部840を介
して一次電極740と接続されている。二次電極772
は負荷としてのCFL90の一端に接続され、CFL9
0の他端は電源82の他端に接続されている。なお、接
続部832、834は振動の節202に設け、接続部8
36、838は振動の節204に設けている。
【0244】上記のように、本実施の形態の積層型圧電
トランス1000では、2つの単板の圧電トランス11
10と1120とを背中合わせにして積層し、対応する
一次電極同士を並列に接続した構成となっている。
【0245】本実施の形態の積層型圧電トランス100
0では、一次側端面716と2次側端面718との間に
1波長の応力分布が存在する共振モードで駆動を行う。
電源82から、このような1波長型モードの共振の周波
数に等しい周波数の電圧を印加する。本実施の形態にお
いては、一次側端面716から1/4波長の距離右側に
離れた箇所および二次側端面718から1/4波長左側
に離れた箇所に支持点を設けた。圧電セラミックス積層
基板700の一次側端面716および2次側端面718
は共に開放されているので、圧電セラミックス積層基板
700の長手方向の両端においては応力が零となり、振
幅が最大となる。そして、本実施の形態においては1波
長モードで共振させているから、応力分布および振幅分
布はそれぞれ図25Cおよび図25Dに示すようにな
る。
【0246】単板の圧電トランス1110、1120は
それぞれ第14の実施の形態の圧電トランス100と同
様の作用・効果を示し、その結果、積層型圧電トランス
1000も第14の実施の形態の圧電トランス100と
同様の作用・効果を有している。
【0247】それに加えて、本実施の形態の積層型圧電
トランス1000では、入力電流は単板の圧電トランス
1110、1120の2倍流れるから、入力電力が一定
の場合は、入力電圧は2分の1となり、入力電圧を低減
することができる。また、入力電流を2倍流すことがで
きるから、入力電圧を一定とすれば、入力電力を2倍に
増大させてハイパワー駆動することもできる。これに対
して、単板の圧電トランス1110、1120を使用し
た場合には、電力増大によりエネルギ密度が上昇すると
材料によって決まる閾値以上で損失が増大し効率低下を
引き起こしてしまう。これを回避するために上記のよう
な積層構造とすることで、圧電セラミックス内のエネル
ギ密度を下げ、総入力パワーレベルを高めることができ
る。
【0248】なお、上記のように複数の圧電トランス1
110、1120を一体化することによって、複数の圧
電トランス1110、1120の振動モードをそろえて
単一のものとすることができる。
【0249】また、本実施の形態の積層型圧電トランス
1000は、単板の圧電トランス1110、1120を
接着して形成することもでき、または一体焼結させて形
成することもできる。
【0250】(第28の実施の形態)図26は、第28
の実施の形態の積層型圧電トランス1000を説明する
ための図であり、図26Aは断面図、図26Bは応力分
布を示す図、図26Cは振幅分布を示す図である。
【0251】図26Aに示すように、同じ大きさの直方
体状の圧電セラミックス基板730、740、750を
積層一体化して圧電セラミックス積層基板700を構成
している。
【0252】圧電セラミックス積層基板700の上面7
12の左側(一次側)半分には一次電極742が設けら
れ、圧電セラミックス積層基板700の上面712から
厚み方向の1/3の距離のところ、すなわち、圧電セラ
ミックス基板730と圧電セラミックス基板740との
境界には、一次電極744が一次電極742と平行にか
つ対向して設けられ、圧電セラミックス積層基板700
の上面712から厚み方向の2/3の距離のところ、す
なわち、圧電セラミックス基板740と圧電セラミック
ス基板750との境界には、一次電極746が一次電極
742と平行にかつ対向して設けられ、圧電セラミック
ス多層基板700の下面714にも一次電極748が一
次電極742と平行にかつ対向して設けられている。
【0253】圧電セラミックス積層基板700の上面7
12には、一次側端面716から圧電セラミックス積層
基板700の長手方向の長さの半分の距離離間した位置
から、一次側端面716から圧電セラミックス基板70
0の長手方向の長さの3/4の距離離間した位置まで、
一次電極752が設けられ、圧電セラミックス積層基板
700の上面712から厚み方向の1/3の距離のとこ
ろ、すなわち、圧電セラミックス基板730と圧電セラ
ミックス基板740との境界には、一次電極754が一
次電極752と平行にかつ対向して設けられ、圧電セラ
ミックス積層基板700の上面712から厚み方向の2
/3の距離のところ、すなわち、圧電セラミックス基板
740と圧電セラミックス基板750との境界には、一
次電極756が一次電極752と平行にかつ対向して設
けられ、圧電セラミックス多層基板700の下面714
にも一次電極758が一次電極752と平行にかつ対向
して設けられている。一次電極752は一次電極742
と離間して設けられ、一次電極754は一次電極744
と離間して設けられ、一次電極756は一次電極746
と離間して設けられ、一次電極758は一次電極748
と離間して設けられている。
【0254】なお、上記一次電極742、744、74
6、748、752、754、756、758は、上記
第27の実施の形態と同様に、圧電セラミックス積層基
板700の一方の幅方向端面から他方の幅方向端面まで
それぞれ幅方向に延在して設けられている。
【0255】一次電極742と一次電極744との間、
一次電極744と一次電極746との間、一次電極74
6と一次電極748との間、一次電極752と一次電極
754との間、一次電極754と一次電極756との間
および一次電極756と一次電極758との間の圧電セ
ラミックス積層基板700は厚み方向において分極され
ている。一次電極742と一次電極744との間の分極
方向は、一次電極744と一次電極746との間の分極
方向と反対であり、一次電極746と一次電極748と
の間の分極方向と同じであり、一次電極752と一次電
極754との間の分極方向と反対であり、一次電極75
4と一次電極756との間の分極方向と同じであり、一
次電極756と一次電極758との間の分極方向と反対
である。
【0256】上面712および下面714と垂直な二次
側端面718には二次電極772が設けられ、一次電極
752、754、756および758と二次電極772
との間の圧電セラミックス積層基板700は長手方向に
おいて分極されている。
【0257】電源82の一端は接続部842を介して一
次電極742と接続され、接続部852を介して一次電
極752と接続され、接続部846を介して一次電極7
46と接続され、接続部856を介して一次電極756
と接続されている。電源82の他端は接続部844を介
して一次電極744と接続され、接続部854を介して
一次電極754と接続され、接続部848を介して一次
電極748と接続され、接続部858を介して一次電極
758と接続されている。二次電極772は負荷として
のCFL90の一端に接続され、CFL90の他端は電
源82の他端に接続されている。なお、接続部842、
844、846、848は振動の節202に設け、接続
部852、854、856、858は振動の節204に
設けている。
【0258】上記のように、本実施の形態の積層型圧電
トランス1000では、単板の圧電トランス1130と
1140とを背中合わせにして積層し、単板の圧電トラ
ンス1140と1150とを背中合わせにして積層し、
対応する一次電極同士を並列に接続した構成となってい
る。
【0259】本実施の形態の積層型圧電トランス100
0では、一次側端面716と2次側端面718との間に
1波長の応力分布が存在する共振モードで駆動を行う。
電源82から、このような1波長型モードの共振の周波
数に等しい周波数の電圧を印加する。本実施の形態にお
いては、一次側端面716から1/4波長の距離右側に
離れた箇所および二次側端面718から1/4波長左側
に離れた箇所に支持点を設けた。圧電セラミックス積層
基板700の一次側端面716および2次側端面718
は共に開放されているので、圧電セラミックス積層基板
700の長手方向の両端においては応力が零となり、振
幅が最大となる。そして、本実施の形態においては1波
長モードで共振させているから、応力分布および振幅分
布はそれぞれ図26Bおよび図26Cに示すようにな
る。
【0260】単板の圧電トランス1130、1140、
1150はそれぞれ第14の実施の形態の圧電トランス
100と同様の作用・効果を示し、その結果、積層型圧
電トランス1000も第14の実施の形態の圧電トラン
ス100と同様の作用・効果を有している。
【0261】それに加えて、本実施の形態の積層型圧電
トランス1000では、入力電流は単板の圧電トランス
1130、1140、1150の3倍流れるから、入力
電力が一定の場合は、入力電圧は3分の1となり、入力
電圧を低減することができる。また、入力電流を3倍流
すことができるから、入力電圧を一定とすれば、入力電
力を3倍に増大させてハイパワー駆動することもでき
る。これに対して、単板の圧電トランス1130、11
40、1150を使用した場合には、電力増大によりエ
ネルギ密度が上昇すると材料によって決まる閾値以上で
損失が増大し効率低下を引き起こしてしまう。これを回
避するために上記のような積層構造とすることで、圧電
セラミックス内のエネルギ密度を下げ、総入力パワーレ
ベルを高めることができる。
【0262】なお、上記のように複数の圧電トランス1
130、1140、1150を一体化することによっ
て、複数の圧電トランス1130、1140、1150
の振動モードをそろえて単一のものとすることができ
る。
【0263】また、本実施の形態の積層型圧電トランス
1000は、単板の圧電トランス1130、1140、
1150を接着して形成することもでき、または一体焼
結させて形成することもできる。
【0264】
【発明の効果】本発明の圧電トランスによれば、大きい
昇圧比を得ることができる。本発明の圧電トランスはC
FL点灯用昇圧トランスとして好適に使用でき、その場
合には入力電圧を低減することができる。
【0265】また、二次側の分極もより小さい絶対電圧
で行うことができるので、高圧の対策が容易となり、分
極用の電源もより低圧のものを使用でき、分極用の設備
が簡単になる。
【0266】さらに、圧電トランスの昇圧比だけでな
く、出力インピーダンスの調整も容易にできるようにな
り設計の自由度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の圧電トランスを説
明するための図であり、図1Aは斜視図、図1Bは断面
図、図1Cは応力分布を示す図、図1Dは振幅分布を示
す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の圧電トランスへの
入力電圧と冷陰極管の輝度との関係を示す図である。
【図3】本発明の第2乃至第4の実施の形態の圧電トラ
ンスを説明するための図であり、図3Aは本発明の第2
の実施の形態の圧電トランスの断面図であり、図3Bは
本発明の第3の実施の形態の圧電トランスの断面図であ
り、図3Cは本発明の第4の実施の形態の圧電トランス
の断面図であり、図3Dは図3A乃至図3Cに示す圧電
トランスの応力分布を示す図であり、図3Eは図3A乃
至図3Cに示す圧電トランスの振幅分布を示す図であ
る。
【図4】本発明の第5の実施の形態の圧電トランスを説
明するための図であり、図4Aは断面図、図4Bは応力
分布を示す図、図4Cは振幅分布を示す図である。
【図5】本発明の第6の実施の形態の圧電トランスを説
明するための図であり、図5Aは斜視図、図5Bは断面
図、図5Cは応力分布を示す図、図5Dは振幅分布を示
す図である。
【図6】本発明の第7および第8の実施の形態の圧電ト
ランスを説明するための図であり、図6Aは本発明の第
7の実施の形態の圧電トランスの断面図であり、図6B
は本発明の第8の実施の形態の圧電トランスの断面図で
あり、図6Cは図6Aおよび図6Bにに示す圧電トラン
スの応力分布を示す図であり、図6Dは図6Aおよび図
6Bのに示す圧電トランスの振幅分布を示す図である。
【図7】本発明の第9の実施の形態の圧電トランスの斜
視図である。
【図8】本発明の第10の実施の形態の圧電トランスの
斜視図である。
【図9】本発明の第11の実施の形態の圧電トランスお
よびその駆動方法を説明するための図であり、図9Aは
斜視図、図9Bは応力分布を示す図、図9Cは振幅分布
を示す図である。
【図10】本発明の第12の実施の形態の圧電トランス
およびその駆動方法を説明するための図であり、図10
Aは斜視図、図10Bは応力分布を示す図、図10Cは
振幅分布を示す図である。
【図11】本発明の第13の実施の形態の圧電トランス
を説明するための図であり、図11Aは斜視図、図11
Bは断面図、図11Cは応力分布を示す図、図11Dは
振幅分布を示す図である。
【図12】本発明の第14の実施の形態の圧電トランス
を説明するための図であり、図12Aは斜視図、図12
Bは断面図、図12Cは応力分布を示す図、図12Dは
振幅分布を示す図である。
【図13】本発明の第14の実施の形態の圧電トランス
への入力電圧と冷陰極管の輝度との関係を示す図であ
る。
【図14】本発明の第14の実施の形態の圧電トランス
の製造方法を説明するための斜視図である。
【図15】本発明の第15および第16の実施の形態の
圧電トランスを説明するための図であり、図15Aは本
発明の第15の実施の形態の圧電トランスの断面図であ
り、図15Bは本発明の第16の実施の形態の圧電トラ
ンスの断面図であり、図15Cは図15Aおよび図15
Bに示す圧電トランスの応力分布を示す図であり、図1
5Dは図15Aおよび図15Bに示す圧電トランスの振
幅分布を示す図である。
【図16】本発明の第17の実施の形態の圧電トランス
を説明するための図であり、図16Aは斜視図、図16
Bは断面図、図16Cは応力分布を示す図、図16Dは
振幅分布を示す図である。
【図17】本発明の第18および第19の実施の形態の
圧電トランスを説明するための図であり、図17Aは本
発明の第18の実施の形態の圧電トランスの断面図であ
り、図17Bは本発明の第19の実施の形態の圧電トラ
ンスの断面図であり、図17Cは図17Aおよび図17
Bに示す圧電トランスの応力分布を示す図であり、図1
7Dは図17Aおよび図17Bに示す圧電トランスの振
幅分布を示す図である。
【図18】本発明の第20の実施の形態の圧電トランス
の斜視図である。
【図19】本発明の第21の実施の形態の圧電トランス
の斜視図である。
【図20】本発明の第22の実施の形態の圧電トランス
およびその駆動方法を説明するための図であり、図20
Aは斜視図、図20Bは応力分布を示す図、図20Cは
振幅分布を示す図である。
【図21】本発明の第23の実施の形態の圧電トランス
およびその駆動方法を説明するための図であり、図21
Aは斜視図、図21Bは応力分布を示す図、図21Cは
振幅分布を示す図である。
【図22】本発明の第24の実施の形態の圧電トランス
を説明するための図であり、図22Aは斜視図、図22
Bは断面図、図22Cは応力分布を示す図、図22Dは
振幅分布を示す図である。
【図23】本発明の第25の実施の形態の圧電トランス
を説明するための図であり、図23Aは斜視図、図23
Bは断面図、図23Cは応力分布を示す図、図23Dは
振幅分布を示す図である。
【図24】本発明の第26の実施の形態の圧電トランス
を説明するための図であり、図24Aは斜視図、図24
Bは断面図、図24Cは応力分布を示す図、図24Dは
振幅分布を示す図である。
【図25】本発明の第27の実施の形態の圧電トランス
を説明するための図であり、図25Aは斜視図、図25
Bは断面図、図25Cは応力分布を示す図、図25Dは
振幅分布を示す図である。
【図26】本発明の第28の実施の形態の圧電トランス
を説明するための図であり、図26Aは断面図、図26
Bは応力分布を示す図、図26Cは振幅分布を示す図で
ある。
【図27】従来の圧電トランスを説明するための図であ
り、図27Aは斜視図、図27Bは断面図、図27Cは
応力分布を示す図、図27Dは振幅分布を示す図であ
る。
【符号の説明】
10…圧電セラミックス基板 12…上面 14…下面 16…一次側端面 18…二次側端面 22、24、26、28、32、34、36、38、4
2、44、52、54、56、58、62、64…一次
電極 23、27…帰還電極 53、55…帰還電極 72、74、76…二次電極 82…電源 84…増幅回路 86…移相回路 90…冷陰極管(CFL) 100…圧電トランス 122、124、126、128、132、134、1
36、138、142、144、152、154、15
6、158、162、164…接続部 123、127…接続部 153、155…接続部 174…接続部 202、204、212、214、216、222、2
24、226、228、232、234、236…振動
の節 300…圧電セラミックス基板 302…上面 304…下面 306、308…一次側端面 322、324、326、328、352、354、4
22、424、426、428、452、454…一次
電極 374、376…二次電極 522、524、526、528、552、554、6
22、624、626、628、652、654…接続
部 521、523、541、543…分極用電極 700…圧電セラミックス積層基板 710、720、730、740、750…圧電セラミ
ックス基板 712…上面 714…下面 716…一次側端面 718…二次側端面 717、719…幅方向端面 732、734、736、738、740、742、7
44、746、748、752、754、756、75
8…一次電極 772…二次電極 832、834、836、838、840、842、8
44、846、848、852、854、856、85
8…接続部 1000…積層型圧電トランス 1110、1120、1130、1140、1150…
単板の圧電トランス

Claims (42)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の主面と前記第1の主面と対向する第
    2の主面とを有する圧電基板を備え、前記第1の主面お
    よび前記第2の主面が延在する前記圧電基板の長手方向
    の縦振動共振モードを利用する圧電トランスであって、 前記共振モードが、前記長手方向に少なくとも1波長以
    上の応力分布が存在する共振モードであり、 前記長手方向において前記共振時の前記応力分布の半波
    長の長さを有し前記共振時に前記長手方向において正ま
    たは負のうちいずれか一つの応力が生じる前記圧電基板
    の第1の領域の前記第1の主面および第2の主面に第1
    の一次電極および第2の一次電極がそれぞれ互いに対向
    して設けられ、前記第1の領域の前記第1の一次電極と
    前記第2の一次電極間が前記第1の主面と前記第2の主
    面間の厚み方向において分極され、 前記第1の領域とは前記長手方向において所定の間隔離
    間した前記圧電基板の第2の領域に二次電極が設けられ
    た圧電トランスにおいて、 前記圧電基板の前記第1の領域と前記第2の領域との間
    に、前記長手方向に前記共振時の前記応力分布の半波長
    以下の長さを有し前記共振時に前記長手方向において正
    または負のうちいずれか一つの応力が生じる第3の領域
    を有し、 前記第3の領域の前記第1の主面および前記第2の主面
    に第3の一次電極および第4の一次電極がそれぞれ互い
    に対向して設けられ、 前記第1および第2の一次電極ならびに前記第1の領域
    によって励振される前記共振をさらに増大すべく前記第
    3の領域が振動するように、前記共振時に前記第3の領
    域に生じる応力の方向に応じて、前記第3の領域の前記
    第3の一次電極と前記第4の一次電極間が前記厚み方向
    の所定の方向に分極されていると共に前記第3の一次電
    極および前記第4の一次電極と前記第1の一次電極およ
    び前記第2の一次電極とが所定の接続状態に電気的に接
    続され、 前記第3の一次電極および前記第4の一次電極の前記二
    次電極側の端部と前記二次電極との間の前記圧電セラミ
    ックス基板が前記長手方向において分極されていること
    を特徴とする圧電トランス。
  2. 【請求項2】前記共振時に前記第3の領域に生じる応力
    の方向が前記共振時に前記第1の領域に生じる応力の方
    向と反対であり、 前記第3の領域の前記第3の一次電極と前記第4の一次
    電極間の分極方向が、前記第1の領域の前記第1の一次
    電極と前記第2の一次電極間の分極方向と同じであり、 前記第3の一次電極および前記第2の一次電極が電気的
    に接続され、前記第4の一次電極および前記第1の一次
    電極が電気的に接続されていることを特徴とする請求項
    1記載の圧電トランス。
  3. 【請求項3】前記共振時に前記第3の領域に生じる応力
    の方向が前記共振時に前記第1の領域に生じる応力の方
    向と反対であり、 前記第3の領域の前記第3の一次電極と前記第4の一次
    電極間の分極方向が、前記第1の領域の前記第1の一次
    電極と前記第2の一次電極間の分極方向と反対であり、 前記第3の一次電極および前記第1の一次電極が電気的
    に接続され、前記第4の一次電極および前記第2の一次
    電極が電気的に接続されていることを特徴とする請求項
    1記載の圧電トランス。
  4. 【請求項4】前記共振時に前記第3の領域に生じる応力
    の方向が前記共振時に前記第1の領域に生じる応力の方
    向と同じであり、 前記第3の領域の前記第3の一次電極と前記第4の一次
    電極間の分極方向が、前記第1の領域の前記第1の一次
    電極と前記第2の一次電極間の分極方向と同じであり、 前記第3の一次電極および前記第1の一次電極が電気的
    に接続され、前記第4の一次電極および前記第2の一次
    電極が電気的に接続されていることを特徴とする請求項
    1記載の圧電トランス。
  5. 【請求項5】前記圧電基板の前記第1の領域と前記第2
    の領域との間に、前記長手方向に前記共振時の前記応力
    分布の半波長以下の長さを有し前記共振時に前記第1の
    領域に生じる応力の方向と同じ方向のみの応力が前記共
    振時に生じる第4の領域をさらに有し、 前記第4の領域の前記第1の主面および前記第2の主面
    に第5の一次電極および第6の一次電極がそれぞれ互い
    に対向して設けられ、 前記第4の領域の前記第5の一次電極と前記第6の一次
    電極間の分極方向が、前記第1の領域の前記第1の一次
    電極と前記第2の一次電極間の分極方向と同じであり、 前記第5の一次電極および前記第1の一次電極が電気的
    に接続され、前記第6の一次電極および前記第2の一次
    電極が電気的に接続され、 前記第3の一次電極および前記第4の一次電極の前記二
    次電極側の端部と前記第5の一次電極および前記第6の
    一次電極の前記二次電極側の端部のうち前記二次電極に
    より近いいずれか一方の前記端部と前記二次電極との間
    の前記圧電セラミックス基板が前記長手方向において分
    極されていることを特徴とする請求項2または3記載の
    圧電トランス。
  6. 【請求項6】前記共振モードが、前記長手方向に少なく
    とも1.5波長以上の応力分布が存在する共振モードで
    あり、 前記長手方向において前記共振時の前記応力分布の半波
    長の長さを有し前記共振時に前記長手方向において正ま
    たは負のうちいずれか一つの応力が生じる前記圧電基板
    の第5の領域を、前記第2の領域が前記第1の領域と前
    記第5の領域との間に挟まれるように、前記第2の領域
    に対して前記第1の領域と反対側にさらに有し、 前記第5の領域の前記第1の主面および第2の主面に第
    7の一次電極および第8の一次電極がそれぞれ互いに対
    向して設けられ、 前記第1および第2の一次電極ならびに前記第1の領域
    によって励振される前記共振をさらに増大すべく前記第
    5の領域が振動するように、前記共振時に前記第5の領
    域に生じる応力の方向に応じて、前記第5の領域の前記
    第7の一次電極と前記第8の一次電極間が前記厚み方向
    において所定の方向に分極されていると共に前記第7の
    一次電極および前記第8の一次電極と前記第1の一次電
    極および前記第2の一次電極とが所定の接続状態に電気
    的に接続され、 前記第5の領域と前記第2の領域との間に、前記長手方
    向に前記共振時の前記応力分布の半波長以下の長さを有
    し前記共振時に前記長手方向において正または負のうち
    いずれか一つの応力が生じる前記圧電基板の第6の領域
    をさらに有し、 前記第6の領域の前記第1の主面および前記第2の主面
    に第9の一次電極および第10の一次電極がそれぞれ互
    いに対向して設けられ、 前記第1および第2の一次電極ならびに前記第1の領域
    によって励振される前記共振をさらに増大すべく前記第
    6の領域が振動するように、前記共振時に前記第6の領
    域に生じる応力の方向に応じて、前記第6の領域の前記
    第9の一次電極と前記第10の一次電極間が前記厚み方
    向において所定の方向に分極されていると共に前記第9
    の一次電極および前記第10の一次電極と前記第1の一
    次電極および前記第2の一次電極とが所定の接続状態に
    電気的に接続され、 前記第9の電極および前記第10の電極の前記二次電極
    側の端部と前記二次電極との間の前記圧電セラミックス
    基板が前記長手方向において分極されていることを特徴
    とする請求項1記載の圧電トランス。
  7. 【請求項7】前記第2の領域、前記第3の領域および前
    記第6の領域が、前記共振時の前記応力分布の前記第1
    または第2の主面方向であって圧縮または引張りのいず
    れかのみの応力が生じる同一の半波長領域に共存するこ
    とを特徴とする請求項6記載の圧電トランス。
  8. 【請求項8】前記共振時に前記第3の領域に生じる応力
    の方向が前記共振時に前記第1の領域に生じる応力の方
    向と反対であり、 前記第3の領域の前記第3の一次電極と前記第4の一次
    電極間の分極方向が、前記第1の領域の前記第1の一次
    電極と前記第2の一次電極間の分極方向と同じであり、 前記第3の一次電極および前記第2の一次電極が電気的
    に接続され、前記第4の一次電極および前記第1の一次
    電極が電気的に接続され、 前記共振時に前記第5の領域に生じる応力の方向が前記
    共振時に前記第1の領域に生じる応力の方向と反対であ
    り、 前記第5の領域の前記第7の一次電極と前記第8の一次
    電極間の分極方向が、前記第1の領域の前記第1の一次
    電極と前記第2の一次電極間の分極方向と反対であり、 前記第7の一次電極および前記第1の一次電極が電気的
    に接続され、前記第8の一次電極および前記第2の一次
    電極が電気的に接続され、 前記共振時に前記第6の領域に生じる応力の方向が前記
    共振時に前記第1の領域に生じる応力の方向と同じであ
    り、 前記第6の領域の前記第9の一次電極と前記第10の一
    次電極間の分極方向が、前記第1の領域の前記第1の一
    次電極と前記第2の一次電極間の分極方向と反対であ
    り、 前記第9の一次電極および前記第2の一次電極が電気的
    に接続され、前記第10の一次電極および前記第1の一
    次電極が電気的に接続されていることを特徴とする請求
    項6記載の圧電トランス。
  9. 【請求項9】前記共振時に前記第3の領域に生じる応力
    の方向が前記共振時に前記第1の領域に生じる応力の方
    向と反対であり、 前記第3の領域の前記第3の一次電極と前記第4の一次
    電極間の分極方向が、前記第1の領域の前記第1の一次
    電極と前記第2の一次電極間の分極方向と同じであり、 前記第3の一次電極および前記第2の一次電極が電気的
    に接続され、前記第4の一次電極および前記第1の一次
    電極が電気的に接続され、 前記共振時に前記第5の領域に生じる応力の方向が前記
    共振時に前記第1の領域に生じる応力の方向と反対であ
    り、 前記第5の領域の前記第7の一次電極と前記第8の一次
    電極間の分極方向が、前記第1の領域の前記第1の一次
    電極と前記第2の一次電極間の分極方向と同じであり、 前記第7の一次電極および前記第2の一次電極が電気的
    に接続され、前記第8の一次電極および前記第1の一次
    電極が電気的に接続され、 前記共振時に前記第6の領域に生じる応力の方向が前記
    共振時に前記第1の領域に生じる応力の方向と同じであ
    り、 前記第6の領域の前記第9の一次電極と前記第10の一
    次電極間の分極方向が、前記第1の領域の前記第1の一
    次電極と前記第2の一次電極間の分極方向と同じであ
    り、 前記第9の一次電極および前記第1の一次電極が電気的
    に接続され、前記第10の一次電極および前記第2の一
    次電極が電気的に接続されていることを特徴とする請求
    項6記載の圧電トランス。
  10. 【請求項10】前記共振時に前記第3の領域に生じる応
    力の方向が前記共振時に前記第1の領域に生じる応力の
    方向と反対であり、 前記第3の領域の前記第3の一次電極と前記第4の一次
    電極間の分極方向が、前記第1の領域の前記第1の一次
    電極と前記第2の一次電極間の分極方向と反対であり、 前記第3の一次電極および前記第1の一次電極が電気的
    に接続され、前記第4の一次電極および前記第2の一次
    電極が電気的に接続され、 前記共振時に前記第5の領域に生じる応力の方向が前記
    共振時に前記第1の領域に生じる応力の方向と反対であ
    り、 前記第5の領域の前記第7の一次電極と前記第8の一次
    電極間の分極方向が、前記第1の領域の前記第1の一次
    電極と前記第2の一次電極間の分極方向と反対であり、 前記第7の一次電極および前記第1の一次電極が電気的
    に接続され、前記第8の一次電極および前記第2の一次
    電極が電気的に接続され、 前記共振時に前記第6の領域に生じる応力の方向が前記
    共振時に前記第1の領域に生じる応力の方向と同じであ
    り、 前記第6の領域の前記第9の一次電極と前記第10の一
    次電極間の分極方向が、前記第1の領域の前記第1の一
    次電極と前記第2の一次電極間の分極方向と同じであ
    り、 前記第9の一次電極および前記第1の一次電極が電気的
    に接続され、前記第10の一次電極および前記第2の一
    次電極が電気的に接続されていることを特徴とする請求
    項6記載の圧電トランス。
  11. 【請求項11】前記共振時に前記第3の領域に生じる応
    力の方向が前記共振時に前記第1の領域に生じる応力の
    方向と反対であり、 前記第3の領域の前記第3の一次電極と前記第4の一次
    電極間の分極方向が、前記第1の領域の前記第1の一次
    電極と前記第2の一次電極間の分極方向と反対であり、 前記第3の一次電極および前記第1の一次電極が電気的
    に接続され、前記第4の一次電極および前記第2の一次
    電極が電気的に接続され、 前記共振時に前記第5の領域に生じる応力の方向が前記
    共振時に前記第1の領域に生じる応力の方向と反対であ
    り、 前記第5の領域の前記第7の一次電極と前記第8の一次
    電極間の分極方向が、前記第1の領域の前記第1の一次
    電極と前記第2の一次電極間の分極方向と同じであり、 前記第7の一次電極および前記第2の一次電極が電気的
    に接続され、前記第8の一次電極および前記第1の一次
    電極が電気的に接続され、 前記共振時に前記第6の領域に生じる応力の方向が前記
    共振時に前記第1の領域に生じる応力の方向と同じであ
    り、 前記第6の領域の前記第9の一次電極と前記第10の一
    次電極間の分極方向が、前記第1の領域の前記第1の一
    次電極と前記第2の一次電極間の分極方向と反対であ
    り、 前記第9の一次電極および前記第2の一次電極が電気的
    に接続され、前記第10の一次電極および前記第1の一
    次電極が電気的に接続されていることを特徴とする請求
    項6記載の圧電トランス。
  12. 【請求項12】第1の主面と、前記第1の主面と対向す
    る第2の主面と、前記第1の主面および前記第2の主面
    が延在する長手方向と直交する第1の端面および第2の
    端面とを有する圧電基板を備え、前記圧電基板の前記長
    手方向の縦振動共振モードを利用する圧電トランスにお
    いて、 前記圧電基板の前記長手方向の所定の位置において前記
    圧電基板に二次電極が設けられ、 第1および第2の一次電極が前記圧電基板の前記第1の
    主面および前記第2の主面上に前記第1の端面から前記
    第1の端面と前記第2の端面との間の距離の約1/2の
    長さの距離の位置まで前記長手方向においてそれぞれ延
    在して設けられ、 前記第1および第2の一次電極と前記二次電極との間の
    前記圧電基板の所定領域の前記第1の主面および前記第
    2の主面上に、前記二次電極と離間して、第3および第
    4の一次電極がそれぞれ設けられ、 前記第1の一次電極と前記第2の一次電極間の前記圧電
    基板が前記第1の主面と前記第2の主面間の厚み方向に
    おいて分極され、 前記第3の一次電極と前記第4の一次電極間の前記圧電
    基板が前記厚み方向において前記第1の一次電極と前記
    第2の一次電極間の前記圧電基板の分極方向と同じ方向
    に分極され、 前記第4の一次電極および前記第1の一次電極が電気的
    に接続され、前記第3の一次電極および前記第2の一次
    電極が電気的に接続され、 前記第3の一次電極および前記第4の一次電極の前記二
    次電極側の端部と前記二次電極との間の前記圧電セラミ
    ックス基板が前記長手方向において分極されていること
    を特徴とする圧電トランス。
  13. 【請求項13】第1の主面と、前記第1の主面と対向す
    る第2の主面と、前記第1の主面および前記第2の主面
    が延在する長手方向と直交する第1の端面および第2の
    端面とを有する圧電基板を備え、前記圧電基板の前記長
    手方向の縦振動共振モードを利用する圧電トランスにお
    いて、 前記圧電基板の前記長手方向の所定の位置において前記
    圧電基板に二次電極が設けられ、 第1および第2の一次電極が前記圧電基板の前記第1の
    主面および前記第2の主面上に前記第1の端面から前記
    第1の端面と前記第2の端面との間の距離の約1/3の
    長さの距離の位置まで前記長手方向においてそれぞれ延
    在して設けられ、 第3および第4の一次電極が前記圧電基板の前記第1の
    主面および前記第2の主面上に、前記第1の端面から前
    記第1の端面と前記第2の端面との間の距離の約1/3
    の長さの距離の位置から、前記第1の端面から前記第1
    の端面と前記第2の端面との間の距離の約2/3の長さ
    の距離の位置まで、前記二次電極と離間して、前記長手
    方向においてそれぞれ延在して設けられ、 前記第1の一次電極と前記第2の一次電極間の前記圧電
    基板が前記第1の主面と前記第2の主面間の厚み方向に
    おいて分極され、 前記第3の一次電極と前記第4の一次電極間の前記圧電
    基板が前記厚み方向において前記第1の一次電極と前記
    第2の一次電極間の前記圧電基板の分極方向と同じ方向
    に分極され、 前記第4の一次電極および前記第1の一次電極が電気的
    に接続され、前記第3の一次電極および前記第2の一次
    電極が電気的に接続され、 前記第3の一次電極および前記第4の一次電極の前記二
    次電極側の端部と前記二次電極との間の前記圧電セラミ
    ックス基板が前記長手方向において分極されていること
    を特徴とする圧電トランス。
  14. 【請求項14】前記第3および第4の一次電極と前記二
    次電極との間の前記圧電基板の所定領域の前記第1の主
    面および前記第2の主面上に、前記二次電極と離間し
    て、第5および第6の一次電極がそれぞれさらに設けら
    れ、 前記第5の一次電極と前記第6の一次電極間の前記圧電
    基板が前記厚み方向において前記第1の一次電極と前記
    第2の一次電極間の前記圧電基板の分極方向と同じ方向
    に分極され、 前記第5の一次電極および前記第1の一次電極が電気的
    に接続され、前記第6の一次電極および前記第2の一次
    電極が電気的に接続され、 前記第5の一次電極および前記第6の一次電極の前記二
    次電極側の端部と前記二次電極との間の前記圧電セラミ
    ックス基板が前記長手方向において分極されていること
    を特徴とする請求項13記載の圧電トランス。
  15. 【請求項15】第1の主面と、前記第1の主面と対向す
    る第2の主面と、前記第1の主面および前記第2の主面
    が延在する長手方向と直交する第1の端面および第2の
    端面とを有する圧電基板を備え、前記圧電基板の前記長
    手方向の縦振動共振モードを利用する圧電トランスにお
    いて、 前記圧電基板の前記長手方向の所定の位置において前記
    圧電基板に二次電極が設けられ、 第1および第2の一次電極が前記圧電基板の前記第1の
    主面および前記第2の主面上に前記第1の端面から前記
    第1の端面と前記第2の端面との間の距離の約1/2の
    長さの距離の位置まで前記長手方向においてそれぞれ延
    在して設けられ、 前記第1および第2の一次電極と前記二次電極との間の
    前記圧電基板の所定領域の前記第1の主面および前記第
    2の主面上に、前記二次電極と離間して、第3および第
    4の一次電極がそれぞれ設けられ、 前記第1の一次電極と前記第2の一次電極間の前記圧電
    基板が前記第1の主面と前記第2の主面間の厚み方向に
    おいて分極され、 前記第3の一次電極と前記第4の一次電極間の前記圧電
    基板が前記厚み方向において前記第1の一次電極と前記
    第2の一次電極間の前記圧電基板の分極方向と反対方向
    に分極され、 前記第3の一次電極および前記第1の一次電極が電気的
    に接続され、前記第4の一次電極および前記第2の一次
    電極が電気的に接続され、 前記第3の一次電極および前記第4の一次電極の前記二
    次電極側の端部と前記二次電極との間の前記圧電セラミ
    ックス基板が前記長手方向において分極されていること
    を特徴とする圧電トランス。
  16. 【請求項16】第1の主面と、前記第1の主面と対向す
    る第2の主面と、前記第1の主面および前記第2の主面
    が延在する長手方向と直交する第1の端面および第2の
    端面とを有する圧電基板を備え、前記圧電基板の前記長
    手方向の縦振動共振モードを利用する圧電トランスにお
    いて、 前記圧電基板の前記長手方向の所定の位置において前記
    圧電基板に二次電極が設けられ、 第1および第2の一次電極が前記圧電基板の前記第1の
    主面および前記第2の主面上に前記第1の端面から前記
    第1の端面と前記第2の端面との間の距離の約1/3の
    長さの距離の位置まで前記長手方向においてそれぞれ延
    在して設けられ、 第3および第4の一次電極が前記圧電基板の前記第1の
    主面および前記第2の主面上に、前記第1の端面から前
    記第1の端面と前記第2の端面との間の距離の約1/3
    の長さの距離の位置から、前記第1の端面から前記第1
    の端面と前記第2の端面との間の距離の約2/3の長さ
    の距離の位置まで、前記二次電極と離間して、前記長手
    方向においてそれぞれ延在して設けられ、 前記第1の一次電極と前記第2の一次電極間の前記圧電
    基板が前記第1の主面と前記第2の主面間の厚み方向に
    おいて分極され、 前記第3の一次電極と前記第4の一次電極間の前記圧電
    基板が前記厚み方向において前記第1の一次電極と前記
    第2の一次電極間の前記圧電基板の分極方向と反対方向
    に分極され、 前記第3の一次電極および前記第1の一次電極が電気的
    に接続され、前記第4の一次電極および前記第2の一次
    電極が電気的に接続され、 前記第3の一次電極および前記第4の一次電極の前記二
    次電極側の端部と前記二次電極との間の前記圧電セラミ
    ックス基板が前記長手方向において分極されていること
    を特徴とする圧電トランス。
  17. 【請求項17】前記第3および第4の一次電極と前記二
    次電極との間の前記圧電基板の所定領域の前記第1の主
    面および前記第2の主面上に、前記二次電極と離間し
    て、第5および第6の一次電極がそれぞれさらに設けら
    れ、 前記第5の一次電極と前記第6の一次電極間の前記圧電
    基板が前記厚み方向において前記第1の一次電極と前記
    第2の一次電極間の前記圧電基板の分極方向と同じ方向
    に分極され、 前記第5の一次電極および前記第1の一次電極が電気的
    に接続され、前記第6の一次電極および前記第2の一次
    電極が電気的に接続され、 前記第5の一次電極および前記第6の一次電極の前記二
    次電極側の端部と前記二次電極との間の前記圧電セラミ
    ックス基板が前記長手方向において分極されていること
    を特徴とする請求項16記載の圧電トランス。
  18. 【請求項18】第1の主面と前記第1の主面と対向する
    第2の主面とを有する圧電基板を備え、前記第1の主面
    および前記第2の主面が延在する一方向を前記圧電基板
    の長手方向とし、前記圧電基板は、前記長手方向を分割
    する第1の領域、第2の領域および第3の領域を少なく
    とも有し、 前記圧電基板の前記第1の領域は前記圧電基板の前記長
    手方向の長さのほぼ1/n(nは2以上の整数であ
    る。)の長さを有し、前記第1の領域の前記第1の主面
    および第2の主面に第1の一次電極および第2の一次電
    極がそれぞれ互いに対向して設けられ、前記第1の領域
    の前記第1の一次電極と前記第2の一次電極間が前記第
    1の主面と前記第2の主面間の厚み方向において分極さ
    れ、 前記第1の領域とは前記長手方向において所定の間隔離
    間した前記圧電基板の前記第2の領域に二次電極が設け
    られ、 前記第3の領域は前記第1の領域と前記第2の領域との
    間に設けられ、前記圧電基板の前記長手方向の長さの1
    /n以下の長さを有し、 前記第3の領域の前記第1の主面および前記第2の主面
    に第3の一次電極および第4の一次電極がそれぞれ互い
    に対向して設けられ、 前記第3の領域の前記第3の一次電極と前記第4の一次
    電極間が前記厚み方向の所定の方向に分極されていると
    共に前記第3の一次電極および前記第4の一次電極と前
    記第1の一次電極および前記第2の一次電極とが所定の
    接続状態に電気的に接続され、 前記第2の領域が前記長手方向において分極されている
    圧電トランス。
  19. 【請求項19】前記圧電基板は前記長手方向を分割する
    第5の領域と第6の領域をさらに有し、 前記第5の領域は、前記第2の領域に対して前記第1の
    領域と反対側に設けられ、前記長手方向の長さのほぼ前
    記1/nの長さを有し、 前記第5の領域の前記第1の主面および第2の主面に第
    7の一次電極および第8の一次電極がそれぞれ互いに対
    向して設けられ、 前記第5の領域の前記第7の一次電極と前記第8の一次
    電極間が前記厚み方向において所定の方向に分極されて
    いると共に前記第7の一次電極および前記第8の一次電
    極と前記第1の一次電極および前記第2の一次電極とが
    所定の接続状態に電気的に接続され、 前記第6の領域は前記第5の領域と前記第2の領域との
    間に設けられ、前記長手方向の長さの前記1/n以下の
    長さを有し、 前記第6の領域の前記第1の主面および前記第2の主面
    に第9の一次電極および第10の一次電極がそれぞれ互
    いに対向して設けられ、 前記第6の領域の前記第9の一次電極と前記第10の一
    次電極間が前記厚み方向において所定の方向に分極され
    ていると共に前記第9の一次電極および前記第10の一
    次電極と前記第1の一次電極および前記第2の一次電極
    とが所定の接続状態に電気的に接続され、 前記二次電極が少なくとも前記第1または第2の主面の
    いずれかに設けられ、 前記二次電極の両側の前記第2の領域が前記長手方向に
    おいて分極されている請求項18記載の圧電トランス。
  20. 【請求項20】前記圧電基板は、前記長手方向と直交す
    る第1の端面および第2の端面とを有し、 前記第1および第2の一次電極が前記第1の端面から前
    記第1の端面と前記第2の端面との間の距離の約1/2
    の長さの距離の位置まで前記長手方向においてそれぞれ
    延在して設けられ、 前記第3および第4の一次電極は、前記二次電極と離間
    してそれぞれ設けられ、 前記第3の領域が前記厚み方向において前記第1の領域
    の分極方向と同じ方向に分極され、 前記第4の一次電極および前記第1の一次電極が電気的
    に接続され、前記第3の一次電極および前記第2の一次
    電極が電気的に接続されている請求項18記載の圧電ト
    ランス。
  21. 【請求項21】前記圧電基板は、前記長手方向と直交す
    る第1の端面および第2の端面とを有し、 前記第1および第2の一次電極が、前記第1の端面から
    前記第1の端面と前記第2の端面との間の距離の約1/
    3の長さの距離の位置まで前記長手方向においてそれぞ
    れ延在して設けられ、 前記第3および第4の一次電極が、前記第1の端面から
    前記第1の端面と前記第2の端面との間の距離の約1/
    3の長さの距離の位置から、前記第1の端面から前記第
    1の端面と前記第2の端面との間の距離の約2/3以下
    の長さの距離の位置まで、前記二次電極と離間して、前
    記長手方向においてそれぞれ延在して設けられ、 前記第3の領域が前記厚み方向において前記第1の領域
    の分極方向と同じ方向に分極され、 前記第4の一次電極および前記第1の一次電極が電気的
    に接続され、前記第3の一次電極および前記第2の一次
    電極が電気的に接続されている請求項18記載の圧電ト
    ランス。
  22. 【請求項22】前記圧電基板は、前記長手方向と直交す
    る第1の端面および第2の端面とを有し、 前記第1および第2の一次電極が前記第1の端面から前
    記第1の端面と前記第2の端面との間の距離の約1/2
    の長さの距離の位置まで前記長手方向においてそれぞれ
    延在して設けられ、 前記第3および第4の一次電極は、前記二次電極と離間
    してそれぞれ設けられ、 前記第3の領域が前記厚み方向において前記第1の領域
    の分極方向と反対方向に分極され、 前記第3の一次電極および前記第1の一次電極が電気的
    に接続され、前記第4の一次電極および前記第2の一次
    電極が電気的に接続されている請求項18記載の圧電ト
    ランス。
  23. 【請求項23】前記圧電基板は、前記長手方向と直交す
    る第1の端面および第2の端面とを有し、 前記第1および第2の一次電極が前記第1の端面から前
    記第1の端面と前記第2の端面との間の距離の約1/3
    の長さの距離の位置まで前記長手方向においてそれぞれ
    延在して設けられ、 前記第3および第4の一次電極が、前記第1の端面から
    前記第1の端面と前記第2の端面との間の距離の約1/
    3の長さの距離の位置から、前記第1の端面から前記第
    1の端面と前記第2の端面との間の距離の約2/3以下
    の長さの距離の位置まで、前記二次電極と離間して、前
    記長手方向においてそれぞれ延在して設けられ、 前記第3の領域が前記厚み方向において前記第1の領域
    の分極方向と反対方向に分極され、 前記第3の一次電極および前記第1の一次電極が電気的
    に接続され、前記第4の一次電極および前記第2の一次
    電極が電気的に接続されている請求項18記載の圧電ト
    ランス。
  24. 【請求項24】前記二次電極が前記圧電基板の前記長手
    方向と直交する端面に形成されていることを特徴とする
    請求項1乃至5、請求項12乃至18および請求項20
    乃至23のいずれかに記載の圧電トランス。
  25. 【請求項25】前記二次電極が前記圧電基板の前記第1
    の主面および第2の主面の少なくともいずれか一方に形
    成されていることを特徴とする請求項1乃至18および
    請求項20乃至23のいずれかに記載の圧電トランス。
  26. 【請求項26】請求項1乃至23のいずれかに記載の圧
    電トランスが複数前記厚み方向に積層一体化され、各圧
    電トランスの一次側領域には他の圧電トランスの一次側
    領域が積層され、各圧電トランスの二次側領域には他の
    圧電トランスの二次側領域が積層され、前記複数の圧電
    トランスの前記一次側領域の分極方向および前記一次電
    極の接続状態が前記複数の圧電トランスが互いの振動を
    さらに増大すべく設定されていることを特徴とする積層
    型圧電トランス。
  27. 【請求項27】前記圧電トランスの共振モードにおける
    振動の節の位置に前記圧電トランスの支持部を設けたこ
    とを特徴とする請求項1乃至26のいずれかに記載の圧
    電トランス。
  28. 【請求項28】前記一次電極の一部を当該一次電極とは
    電気的に絶縁して設けられた帰還電極としたことを特徴
    とする請求項1乃至27のいずれかに記載の圧電トラン
    ス。
  29. 【請求項29】前記帰還電極に移相回路および増幅回路
    を接続し、前記増幅回路の出力を前記一次電極に印加す
    ることを特徴とする請求項28記載の圧電トランスの駆
    動回路。
  30. 【請求項30】前記圧電トランスが冷陰極管点灯用圧電
    トランスであることを特徴とする請求項1乃至28のい
    ずれかに記載の圧電トランス。
  31. 【請求項31】請求項1記載の圧電トランスを組み込ん
    だことを特徴とするインバータ。
  32. 【請求項32】請求項12記載の圧電トランスを組み込
    んだことを特徴とするインバータ。
  33. 【請求項33】請求項13記載の圧電トランスを組み込
    んだことを特徴とするインバータ。
  34. 【請求項34】請求項15記載の圧電トランスを組み込
    んだことを特徴とするインバータ。
  35. 【請求項35】請求項16記載の圧電トランスを組み込
    んだことを特徴とするインバータ。
  36. 【請求項36】請求項18記載の圧電トランスを組み込
    んだことを特徴とするインバータ。
  37. 【請求項37】請求項1記載の圧電トランスを組み込ん
    だことを特徴とする液晶ディスプレー。
  38. 【請求項38】請求項12記載の圧電トランスを組み込
    んだことを特徴とする液晶ディスプレー。
  39. 【請求項39】請求項13記載の圧電トランスを組み込
    んだことを特徴とする液晶ディスプレー。
  40. 【請求項40】請求項15記載の圧電トランスを組み込
    んだことを特徴とする液晶ディスプレー。
  41. 【請求項41】請求項16記載の圧電トランスを組み込
    んだことを特徴とする液晶ディスプレー。
  42. 【請求項42】請求項18記載の圧電トランスを組み込
    んだことを特徴とする液晶ディスプレー。
JP35415195A 1994-12-30 1995-12-29 圧電トランス Expired - Fee Related JP2850216B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35415195A JP2850216B2 (ja) 1994-12-30 1995-12-29 圧電トランス

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6-339708 1994-12-30
JP33970894 1994-12-30
JP35415195A JP2850216B2 (ja) 1994-12-30 1995-12-29 圧電トランス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08264854A true JPH08264854A (ja) 1996-10-11
JP2850216B2 JP2850216B2 (ja) 1999-01-27

Family

ID=26576504

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35415195A Expired - Fee Related JP2850216B2 (ja) 1994-12-30 1995-12-29 圧電トランス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2850216B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6812623B2 (en) 2001-09-28 2004-11-02 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Piezoelectric transformer

Also Published As

Publication number Publication date
JP2850216B2 (ja) 1999-01-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6366006B1 (en) Composite piezoelectric transformer
US6362559B1 (en) Piezoelectric transformer with segmented electrodes
US6052300A (en) DC-AC converter circuit using resonating multi-layer piezoelectric transformer
JPH0974236A (ja) 圧電トランス及びそれを用いた電力変換装置
US5892318A (en) Piezoelectric transformer with multiple output
US6278625B1 (en) Inverter circuit with multilayer piezoelectric transformer
US6215227B1 (en) Thickness mode piezoelectric transformer with end-masses
US6278227B1 (en) Piezoelectric transformer
US7202592B2 (en) Piezoelectric transformer, power supply circuit and lighting unit using the same
JP2850216B2 (ja) 圧電トランス
JPH1023753A (ja) 高圧発生回路
JPH11145528A (ja) 圧電トランス
JP3673433B2 (ja) 圧電トランス
JPH10135529A (ja) 圧電トランスの駆動回路
JP3709114B2 (ja) 圧電トランス
JP3239047B2 (ja) 圧電トランスならびにそれを組み込んだインバーターおよび液晶ディスプレー
JP2003017772A (ja) 圧電セラミックトランス回路
JP2001196655A (ja) 圧電セラミックトランス回路
JPH0974235A (ja) 圧電トランス
JPH11317554A (ja) 圧電トランス
JP4743935B2 (ja) 圧電トランスおよびadコンバータ
JPH1022541A (ja) 圧電トランス
JP2006041150A (ja) 圧電トランス
JP4831859B2 (ja) 圧電トランス
JPH09107135A (ja) 圧電トランス

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19980929

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees