JP2001196655A - 圧電セラミックトランス回路 - Google Patents

圧電セラミックトランス回路

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JP2001196655A
JP2001196655A JP2000226750A JP2000226750A JP2001196655A JP 2001196655 A JP2001196655 A JP 2001196655A JP 2000226750 A JP2000226750 A JP 2000226750A JP 2000226750 A JP2000226750 A JP 2000226750A JP 2001196655 A JP2001196655 A JP 2001196655A
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Takumi Kataoka
拓実 片岡
Akira Fujii
章 藤井
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Denso Corp
Soken Inc
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Denso Corp
Nippon Soken Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電セラミックトランス回路において、大型
化することなく高い出力電圧を得、低インピーダンスの
負荷への適用を容易にすることである。 【解決手段】 圧電セラミックトランス1を給電手段5
が1/2波長モードで駆動する構成とし、圧電セラミッ
クトランス1は、その長さ方向の両端部に入力電極3
1,32を形成するとともに上記長さ方向中間位置に出
力電極4を形成して2つの駆動部11,12が発電部1
3を挟む構成とすることで、発電部13を振動の節位置
すなわち最も圧電セラミック体2の歪量が大きくなる位
置に配置せしめて効率よく出力電圧をとりだせるように
するとともに、1/2波長分の振動の腹から腹に到る領
域に駆動部11,12および発電部13を配置せしめる
ことで、駆動部11,12と発電部13との比を調整自
在とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧電セラミックトラ
ンス回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から圧電セラミックの圧電効果を応
用した圧電セラミックトランスは、液晶バックライト用
の冷陰極管点灯のための高電圧電源等に広く用いられて
いる。図10に一般的なローゼン型の圧電セラミックト
ランスを用いた圧電セラミックトランス回路を示す。圧
電セラミックトランス7は、細長で平板状の圧電セラミ
ック体700の一方の側の上下面に入力電極701を形
成して駆動部71とし、他方の側の端面に出力電極70
2を形成して発電部72とし、圧電セラミック体700
は駆動部71で厚さ方向に分極され、発電部72で長さ
方向に分極されている。交流電圧発生部8から入力電極
701に交流電圧を印加すると圧電セラミック体700
が駆動部71と発電部72との結合方向である圧電セラ
ミック体700の長さ方向に伝搬する弾性波が発生す
る。ここで、交流電圧発生部8の出力周波数を適当に選
べば圧電セラミック体700がnを自然数として(n/
2)波長モードで共振振動し、発電部72の出力電極7
02に昇圧された電圧が発生して上記冷陰極管等の負荷
9に出力される。なお、図には圧電セラミックトランス
の変位分布と応力(したがって歪)分布が併せて示さ
れ、図例はn=2のときすなわち1波長モードの振動の
様子を表している。
【0003】近年、圧電セラミックトランスには小型化
とともに高出力化の要求があり、種々のタイプの圧電セ
ラミックトランスが提案されている。圧電セラミックト
ランスにおいて出力電圧Vout は次式(1)により表せ
る。式中、A2 は圧電セラミックトランスの出力部の力
係数、RL は負荷インピーダンス、ωは圧電セラミック
トランスの駆動周波数、C2 は圧電セラミックトランス
の出力部の静電容量、νm は圧電セラミックトランスの
振動速度である。
【0004】 Vout =A2 RL νm /{1+(ωC2 RL )2 1/2 ・・・(1)
【0005】ここで、出力電圧Vout は、インピーダン
スマッチングしたときすなわちRL=1/ωC2 の条件
のとき、最も大きくなる。この条件のとき、式(1)は
式(2)と書ける。
【0006】 Vout =A2 RL νm /21/2 =A2 νm /(21/2 ωC2 )・・・(2)
【0007】また、静電容量C2 はローゼン型の場合、
式(3)と書けるから、圧電セラミックトランスの形状
の大型化を伴うことなく出力電圧Vout を大きくとれる
ようにするにはνm またはA2 を大きくすればよいこと
になる。式中、Wは圧電セラミックトランスの幅であ
り、tは圧電セラミックトランスの厚さであり、L1 は
圧電セラミックトランスの長さである。
【0008】C2 =εWt/(L1 /2)・・・(3)
【0009】まず、振動速度νm であるが、大きくしす
ぎると圧電セラミックトランスの発熱が大きくなるの
で、振動速度νm は圧電セラミック体の材料によってあ
る程度上限が決まってしまう。
【0010】一方、出力部の力係数A2 であるが、ロー
ゼン型圧電セラミックトランスの場合、力係数A2 は次
式(4)と書ける。式中、d33は圧電歪定数であり、Y
33はヤング率である。
【0011】A2 =4Wtd33Y33/L1 ・・・(4)
【0012】電極配置の工夫により圧電セラミックトラ
ンスの形状をそのままに次式(4)における圧電セラミ
ックトランスの断面積(Wt)を実質的に大きくし力係
数A2 の向上を図った例を図11に示す。この圧電セラ
ミックトランス7Aでは、圧電セラミック体700Aに
駆動部71Aとなる入力電極701A形成部と発電部7
2Aとなる入力電極701A非形成部とが長さ方向にア
ンバランスに配分される。図例では駆動部71Aが全体
の1/3を占め、発電部72Aが2/3を占めており、
交流電圧発生部8Aは圧電セラミックトランス7Aを
1.5(=3/2)波長モードで駆動する。そして、出
力電極は圧電セラミック体700Aの端面に形成された
電極702Aに加えて圧電セラミック体700Aの上面
に入力電極701A非形成部の中間位置にも形成され、
圧電セラミック体700Aは発電部72Aが後者の電極
703の両側で同方向に分極されている。この圧電セラ
ミックトランス7Aは実質的に図10に示した圧電セラ
ミックトランスにおいて断面積(Wt)を2倍としたも
のと実質的に同意であるので力係数A2 が向上する。一
方、入力部の力係数A1 は低下するので昇圧比(=A1
/A2 )は低下する。
【0013】したがって、要求される出力電圧と昇圧比
とに応じて駆動部71Aと発電部72Aとの比を調整し
適当なA1 およびA2 を与えることができればよいが、
駆動部71Aと発電部72Aとの比は振動の腹と腹とで
画成される領域を1単位としてしか調整ができず、自由
度が乏しい。
【0014】A1 およびA2 の自由度の向上を図った例
を図12に示す。この圧電セラミックトランス(以下、
中央駆動型トランスという)7Bは、圧電セラミック体
700Bの長さ方向中央部に入力電極701Bが形成さ
れ、出力電極702Bが圧電セラミック体700Bの両
端面に形成されており、2つの発電部72Bが長さ方向
に駆動部71Bを挟んでいる。交流電圧発生部8Bは圧
電セラミックトランス7Bを0.5波長モードで駆動
し、圧電セラミックトランス7Bの上記振動の腹と腹と
で画成される範囲を1単位としてこの中に駆動部71B
と発電部72Bとの両方が配置される。
【0015】この例では入力電極701Bの長さ(面
積)を調整することによりA1 およびA2 の大きさが連
続的に調整可能である。
【0016】図13は中央駆動型トランス7Bにおい
て、L2 (駆動部長さ)/L1 (圧電セラミックトラン
ス全体の長さ)と出力電圧との関係を示すもので、供試
品は形状が40×8×2mmのものである。振動速度ν
m は一定値(0.2m/s)に固定してある。なお縦軸
の出力電圧は、図14に示す圧電セラミックトランス回
路の出力電圧の1/2の値で規格化している。この圧電
セラミックトランス回路に用いられている圧電セラミッ
クトランスは上記図11に示したものと基本的な構成は
同じで便宜上同じ符号を付している。なお、発電部を出
力電極で2分割した構成の圧電セラミックトランス7A
を備えた構成の回路の出力電圧で規格化しているのは静
電容量C2 を同じにするためであり、上記出力電圧を1
/2にした値で規格化しているのは(1/2)波長モー
ドはωが1波長モードの1/2になることに対応してい
る(式(2)参照)。
【0017】図13より知られるように、中央駆動型ト
ランスはL2 /L1 =0.33のときローゼン型圧電セ
ラミックトランスと同じ出力電圧が得られ、L2 /L1
=0.5とすると半減してしまう。
【0018】また、圧電セラミックトランス回路として
図15に示すものもある。この圧電セラミックトランス
回路の圧電セラミックトランス7Cは、圧電セラミック
体700Cの他方の側の上下面に1対の出力電極702
Cを形成して発電部72Cとしてあり、発電部72Cは
圧電セラミック体700Cが厚さ方向に分極されてい
る。このように、上記各形態に比して出力電極702C
の面積を十分にとり得る構造とすることで静電容量を大
きくし、低インピーダンス化を図っている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】ところで、圧電セラミ
ックトランス回路の用途は、これまでは上記冷陰極管の
ように百kΩ程度の比較的高い負荷が対象であった。し
かし、近年、蛍光灯やメタルハライドランプのように数
百Ω、あるいはDC−DCコンバータのように数Ωの低
いインピーダンスの負荷に対しての応用も検討されてい
る。
【0020】しかしながら、上記のごとく中央駆動型ト
ランス(図12)において上記L2/L1 は出力電圧が
ローゼン型と同等の場合に0.33であるから、ローゼ
ン型に比してL2 /L1 は小さくなる傾向があり、その
ため出力部のインピーダンスは高くなる。したがって、
インピーダンスの低い負荷に対して適用が困難という問
題がある。
【0021】また、上記図15のものでは発電部の歪が
圧電セラミックトランスの長さ方向に不均一であること
から大きな出力電力を取り出すことができず、結局、出
力電圧も十分ではない。
【0022】本発明は上記実情に鑑みなされたもので、
効率よく出力電力を取り出すことができ、低インピーダ
ンスの負荷に対してインピーダンスマッチングのとりや
すい圧電セラミックトランスを提供することを目的とす
る。
【0023】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、圧電セラミックトランスに駆動部と発電部との結合
方向に伝搬する弾性波を発生せしめる給電手段を、圧電
セラミックトランスがnを自然数として(n/2)波長
モードで振動するように給電する構成とする。圧電セラ
ミックトランスを上記結合方向にn個に区画した領域の
それぞれを、2つの駆動部が発電部を上記結合方向に挟
む構造とする。かつ、上記給電手段から交流電圧を各駆
動部の上記入力電極間に並列に印加する構成とする。
【0024】圧電セラミックトランスは(n/2)波長
モードで振動するので、圧電セラミックトランスの上記
n個の1/2波長分の領域は両端が振動の腹となり、そ
の中間位置が節となる。すなわち、上記結合方向の両端
を駆動部で挟まれた発電部に節が位置する。しかして、
発電部で圧電セラミック体の歪の発生量が多くなり、効
率よく出力電力を取り出すことができる。したがって同
じ出力電圧であっても発電部を短くとることができ出力
インピーダンスを低くすることができる。しかも、圧電
セラミック体の歪が同相で発生する腹から腹に到る1/
2波長分の領域内に駆動部と発電部とが構成されるの
で、駆動部と発電部の上記結合方向の長さの比を連続的
に自在に設定できる。このように、低インピーダンスの
負荷への適用が容易である。
【0025】請求項2記載の発明では、請求項1の発明
の構成において、上記圧電セラミックトランスは、上記
駆動部と上記発電部とに共通の細長で平板状の圧電セラ
ミック体を有し、上記領域を圧電セラミック体の長さ方
向に上記n個形成する。上記駆動部は、圧電セラミック
体の上下面に圧電セラミック体を挟んで対向する入力電
極を形成するとともに圧電セラミック体の入力電極形成
部を入力電極の対向方向に分極してなる構成とする。上
記発電部は、圧電セラミック体の上面または下面に圧電
セラミック体の幅方向に横切る帯状の出力電極を形成し
て圧電セラミック体の入力電極非形成部を圧電セラミッ
ク体の長さ方向に出力電極をはさみ逆方向に分極してな
る構成とする。
【0026】横効果により圧電セラミックトランスに振
動を与えることができる。また、圧電セラミックトラン
スを、従来の一般的なローゼン型の圧電セラミックトラ
ンスに適用される一般的な製造方法において実質的に電
極パターンを変更するだけで用意することができる。
【0027】上記出力電極は請求項3の発明の構成のご
とく、上記圧電セラミック体の上面および下面から側面
に連なり圧電セラミック体を巻回する形状とするのもよ
い。
【0028】請求項4記載の発明では、請求項1の発明
の構成において、上記圧電セラミックトランスは、圧電
セラミック体が積層構造をなすとともに層間に入力電極
と出力電極とが形成されてなり、上記領域を圧電セラミ
ック体の積層方向に上記n個形成する。上記駆動部は、
圧電セラミック体と入力電極とを交互に積層するととも
に圧電セラミック体を積層方向に分極してなる構成とす
る。上記発電部は、上記駆動部で挟まれた圧電セラミッ
ク体の層間に出力電極を形成して圧電セラミック体を積
層方向に出力電極をはさみ逆方向に分極してなる構成と
する。
【0029】縦効果により圧電セラミックトランスに振
動を与えることができる。
【0030】請求項5記載の発明では、請求項1ないし
4いずれかの発明の構成において、上記圧電セラミック
トランスは、上記領域において上記2つの駆動部が占め
る割合を0.4〜0.8とする。
【0031】かかる設定とすることで作動時の温度上昇
が少なく変換効率の高い圧電セラミックトランスとする
ことができる。
【0032】請求項6記載の発明では、請求項1の発明
の構成において、上記圧電セラミックトランスは、上記
駆動部と上記発電部とに共通の細長で平板状の圧電セラ
ミック体を有し、上記領域を圧電セラミック体の長さ方
向に上記n個形成する。上記駆動部は、圧電セラミック
体の上下面に圧電セラミック体を挟んで対向する入力電
極を形成するとともに圧電セラミック体の入力電極形成
部を入力電極の対向方向に分極してなる構成とする。上
記発電部は、上記入力電極非形成の圧電セラミック体の
上面および下面に、これを略覆う1対の出力電極を形成
して圧電セラミック体の出力電極形成部を圧電セラミッ
ク体の厚さ方向に分極してなり、出力電極間から出力を
取り出す構成とする。
【0033】横効果により圧電セラミックトランスに振
動を与えることができる。また、圧電セラミックトラン
スを、従来の一般的なローゼン型の圧電セラミックトラ
ンスに適用される一般的な製造方法において実質的に電
極パターンを変更するだけで用意することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1に本発明の
圧電セラミックトランス回路の構成を示す。圧電セラミ
ックトランス回路は圧電セラミックトランス1とその前
段の給電手段たる入力回路5とからなり、圧電セラミッ
クトランス1により変圧された電圧を負荷6に出力する
ようになっている。
【0035】圧電セラミックトランス1は細長で平板状
の圧電セラミック体2を有し、圧電セラミック体2の両
端部には圧電セラミック体2の上下面に圧電セラミック
体2を挟み対向する矩形の入力電極31,32が形成し
てある。圧電セラミック体2の入力電極形成部21,2
2は入力電極31,32の対向方向すなわち圧電セラミ
ック体2の厚さ方向に分極せしめてあり、逆圧電効果に
より入力回路5から入力する電気エネルギーを圧電セラ
ミック体2の機械エネルギーに変換する駆動部11,1
2が構成される。圧電セラミック体2の分極方向は駆動
部11と駆動部12とで同方向とする。
【0036】一方、圧電セラミック体2の上面には、そ
の長さ方向の中間位置に圧電セラミック体2を幅方向に
横切る帯状の出力電極4が形成してある。圧電セラミッ
ク体2の入力電極非形成部23,24は圧電セラミック
体2の長さ方向に分極せしめてあり、圧電効果により上
記機械エネルギーを再び電気エネルギーに変換する発電
部13が構成される。圧電セラミック体2の分極方向は
出力電極4と第1の駆動部11との間の範囲23と、出
力電極4と第2の駆動部12との間の範囲24とで逆方
向となっている。したがって、出力電極4に対する分極
方向は入力電極非形成部23と入力電極非形成部24と
で同じであり、出力電極4と接地された入力電極31,
32間から同相の出力電圧が取りだされる。
【0037】入力回路5は、例えば数十kHz程度の交
流を発生する交流電圧発生部51を備え、リード線52
を介して各入力電極31,32間に並列に電圧を印加す
るようになっており、駆動部11,12が横効果による
圧電振動を発生し、圧電セラミック体2の長さ方向に弾
性波が伝搬する。交流電圧発生部51の出力周波数は、
圧電セラミック体2中の弾性波伝搬速度(音速)を圧電
セラミック体2の長さの2倍で除した値に設定し、上記
弾性波により圧電セラミック体2を(1/2)波長モー
ドで共振振動せしめる。
【0038】なお、本圧電セラミックトランス回路の主
要部である圧電セラミックトランス1は、圧電セラミッ
クトランスの一般的な製造方法であるグリーンシート法
により製造することができ、スクリーン印刷等で形成さ
れる電極パターンを変更すればよい。
【0039】本圧電セラミックトランス回路の作動を説
明する。圧電セラミックトランス1の駆動部11,12
に交流電圧発生部51から交流電圧が入力すると圧電セ
ラミック体2が(1/2)波長モードで共振振動し、発
電部13では上記共振振動によって圧電セラミック体2
に内部応力したがって歪が発生し、この歪の量に応じて
誘電分極が変化し、機械エネルギーが再び電気エネルギ
ーに変換される。出力電極4には、圧電セラミック体2
の歪の、出力電極4から入力電極31,32に到る長さ
方向の総量に比例した電圧が出力する。
【0040】図1には圧電セラミックトランス1におけ
る共振振動の変位分布および応力分布(歪分布)を併せ
て示している。圧電セラミックトランス1は(1/2)
波長モードで作動しているから圧電セラミック体2の両
端が腹で中間が節となり、発電部13は共振振動時に歪
みが最も大きくなる部位に位置している。したがって、
発電部13の単位体積当たりにとりだせる電力は大き
く、高い出力電圧が得られる。
【0041】図2は、本圧電セラミックトランス回路に
おける、L2 /L1 (上記L2 /L1 と同じで圧電セラ
ミックトランス1に対する駆動部11,12の割合)と
出力電圧との関係を示すものである。供試品は上記図1
1の場合と同じく形状が40×8×2mmのもので、振
動速度νm は一定値(0.2m/s)に固定してある。
なお縦軸の出力電圧も上記図13の場合と同じ電圧値に
より規格化してある。
【0042】この結果を上記中央駆動型トランスを用い
た圧電セラミックトランス回路(比較例)におけるL2
/L1 と出力電圧との関係を示す上記図13と比較す
る。中央駆動型トランスでは上記のごとくL2 /L1 =
0.33のときローゼン型圧電セラミックトランスと同
じ出力電圧が得られ、L2 /L1 =0.5とすると半減
してしまう。一方、本発明では、全体的に上記比較例よ
りもL2 /L1 が高い方にシフトしており、L2 /L1
=0.67のときローゼン型圧電セラミックトランスと
同じ出力電圧が得られる。そしてL2 /L1 =0.5の
ときにはローゼン型圧電セラミックトランスの1.4倍
の出力電圧を得た。また、L2 /L1 =0.8のときに
もローゼン型圧電セラミックトランスの0.5倍を上回
る出力電圧を確保している。
【0043】このように本発明ではL2 /L1 が同じで
あっても高い出力電圧を得ることができる。
【0044】これは比較例では駆動部が振動の節側に形
成され発電部が振動の腹側に形成されるのに対し、本発
明では逆に駆動部が振動の腹側に形成され発電部が振動
の節側に形成されることに基因する。すなわち、上記の
ごとく出力電圧は発電部における歪の総量に比例して得
られるので、L2 /L1 が同じであっても、本発明は比
較例よりも歪量が大きく(図1、図10の応力分布参
照)、高い出力電圧が得られるものと認められる。
【0045】なお本発明では圧電セラミックトランスの
駆動部が歪の量が相対的に小さい位置に形成されるの
で、各駆動部を圧電セラミック体と入力電極とが交互に
圧電セラミック体の厚さ(図中上下方向)に積層する構
造とすることで昇圧比を補うのもよい。
【0046】また、圧電セラミック体2の応力(歪)が
同相で発生する腹から腹に到る1/2波長分の領域内に
駆動部11,12と発電部13とが構成されるので、L
2 /L1 を連続的に自在に設定できる。
【0047】このように低インピーダンスの負荷に対し
ても適用が容易である。
【0048】図3は本圧電セラミックトランス回路のL
2 /L1 と作動時の温度上昇との関係を示すもので、L
2 /L1 が0.4を下回ると入力電力を共振振動に変換
し切れず、圧電セラミックトランスの温度上昇を招く。
【0049】また、図4は本圧電セラミックトランス回
路のL2 /L1 と効率との関係を示すもので、L2 /L
1 が0.4を下回る領域と0.8を上回る領域とで効率
が低下する。
【0050】したがって圧電セラミックトランス1はL
2 /L1 を0.4〜0.8に設定して用いるのがよい。
【0051】(第2実施形態)図5に本発明の第2実施
形態になる圧電セラミックトランス回路の構成を示す。
圧電セラミックトランス1Aは第1実施形態のごとく細
長で平板状の圧電セラミック体2Aを有し、その長さ方
向の一方の半分の領域には、その両端部の圧電セラミッ
ク体2Aの上下面に入力電極31a,32aが形成して
あり、上記領域の長さ方向中間位置の圧電セラミック体
2Aの上面に圧電セラミック体2Aを幅方向に横切る帯
状の出力電極4aが形成してある。一方、圧電セラミッ
ク体2Aの他方の半分の領域には、その両端部の圧電セ
ラミック体2Aの上下面に入力電極31b,32bが形
成してあり、上記領域の長さ方向中間位置の圧電セラミ
ック体2Aの上面に出力電極4bが形成してある。この
ように、2つの領域に同様に電極が配置された構造が繰
り返される。
【0052】圧電セラミック体2Aの入力電極形成部2
1a,22a,21b,22bは入力電極31a〜32
bの対向方向すなわち厚さ方向に分極せしめてあり、入
力電極形成部21aに駆動部11aが、入力電極形成部
22aに駆動部12aが、入力電極形成部21bに駆動
部11bが、入力電極形成部22bに駆動部12bがそ
れぞれ形成される。圧電セラミック体2Aの分極方向
は、上記一方の領域の第1の駆動部11aと第2の駆動
部12aとで、上記他方の領域の第1の駆動部11bと
第2の駆動部12bとでそれぞれ同方向であり、かつ第
1の領域の駆動部11a,12aと第2の領域の駆動部
11b,12bとで逆方向としてある。
【0053】一方、圧電セラミック体2Aの入力電極非
形成部23a,24a,23b,24bは、圧電セラミ
ック体2Aの長さ方向に分極せしめてある。圧電セラミ
ック体2Aの分極方向は、上記一方の領域の、出力電極
4aを挟む入力電極非形成部23aと入力電極非形成部
24aとで逆方向としてあり、上記他方の領域の、出力
電極4bを挟む入力電極非形成部23bと入力電極非形
成部24bとで逆方向としてある。したがって、入力電
極非形成部23aと入力電極非形成部24aとでは出力
電極4aに対しては分極方向は同じであり、また入力電
極非形成部23bと入力電極非形成部24bとでは出力
電極4bに対しては分極方向は同じであるが、その入力
電極非形成部23a,23bの分極方向と入力電極非形
成部24a,24bの分極方向とは逆方向となってい
る。すなわち、分極は入力電極31a,32aと出力電
極4a間の直流電圧の印加、入力電極31b,32bと
出力電極4b間の直流電圧の印加により行われるが、こ
の2つの電圧印加の極性は互いに違えて行われる。
【0054】入力回路5Aは数十kHz程度の交流を発
生する交流電圧発生部51Aを備え、リード線52Aを
介して各入力電極31a〜32b間に並列に電圧を印加
するようになっている。リード線52Aは、入力電極3
1a〜32bを圧電セラミック体2Aの上面に形成され
るもの同志が導通するように、下面に形成されるもの同
志が導通するように配線してある。
【0055】また、出力電極4a,4b同志も互いに接
続され、負荷6に通じている。
【0056】交流電圧発生部51Aの出力周波数は、圧
電セラミック体2Aが1波長モードの振動となるように
圧電セラミック体2A中の音速を圧電セラミック体2A
の長さで除した値に設定する。
【0057】なお、圧電セラミックトランス1Aは上記
のごとく1波長モードで振動せしめるので、図5に本圧
電セラミックトランス回路と併せて示す圧電セラミック
トランス1Aにおける共振振動の変位分布より知られる
ように、振動は上記両領域で逆相となる。したがって、
一方の領域の駆動部11a,12aにおける分極方向と
他方の領域の駆動部11b,12bにおける分極方向と
が逆方向となっているのは、一方の領域の駆動部11
a,12aにより圧電セラミック体2Aに励起される振
動と他方の領域の駆動部11b,12bにより圧電セラ
ミック体2Aに励起される振動とが同相となるようにす
るためである。
【0058】また、一方の領域の発電部13aにおける
分極方向と他方の領域の発電部13bにおける分極方向
とが逆方向となっているのは、上記のごとく両領域で振
動が逆相となるため、一方の領域の出力電極4aと他方
の領域の出力電極4bとで同相の電圧が出力されるよう
にするためである。
【0059】本圧電セラミックトランス回路の作動を説
明する。交流電圧発生部51Aから各駆動部11a〜1
2bに入力電圧が印加されて圧電セラミックトランス1
Aが1波長モードで振動し、発電部13a、13bでは
歪みの量に応じて誘電分極が変化し、出力電極4a,4
bには発電部13a、13bの歪みの総量に比例した電
圧が出力する。
【0060】そして図より明らかなように発電部13
a,13bはそれぞれ歪みが最も大きくなる位置となっ
ており、効率よく出力電圧を取り出すことができる。
【0061】しかして、実質的に圧電セラミック体2A
の断面積が大きくなるので、さらに低インピーダンスの
負荷への適用が容易となる。
【0062】(第3実施形態)図6に本発明の第3実施
形態になる圧電セラミックトランス回路の構成を示す。
第2実施形態において圧電セラミックトランスと結線を
変えたもので、図中図5と同じ番号を付した部分は実質
的に同じ作動をするので、第2実施形態との相違点を説
明する。
【0063】圧電セラミックトランス1Bは電極の配置
等の基本構成が第2実施形態と同じであるが、他方の領
域の駆動部11c,12cを構成する圧電セラミック体
2Bの入力電極形成部21c,22cの分極方向が一方
の領域の入力電極形成部21a,22aと同方向となっ
ている。
【0064】また、入力回路5Bを構成するリード線5
2Bが、一方の領域の入力電極31a,32aのうち圧
電セラミック体2Bの上面に形成されたものと他方の領
域の入力電極31b,32bのうち圧電セラミック体2
Bの下面に形成されたものとが導通するように配線さ
れ、一方の領域の入力電極31a,32aのうち圧電セ
ラミック体2Bの下面に形成されたものと他方の領域の
入力電極31b,32bのうち圧電セラミック体2Bの
上面に形成されたものとが導通するように配線してあ
る。
【0065】これにより、一方の領域の駆動部11a,
12aと他方の領域の駆動部11c,12cとで入力電
圧は逆相で印加されることになるが、上記のごとく一方
の領域の圧電セラミック体入力電極形成部21a,22
aと他方の領域の圧電セラミック体入力電極形成部21
c,22cとで分極方向が同方向となっているので、第
2実施形態と同様に一方の領域の駆動部11a,12a
により圧電セラミック体2Bに励起される振動と他方の
領域の駆動部11c,12cにより圧電セラミック体2
Bに励起される振動とが同相となる。
【0066】しかして、かかる構成でも実質的に第2実
施形態と同じ作用効果を得る。
【0067】なお、上記第2、第3実施形態は、圧電セ
ラミックトランスが同じ長さの2つの実質的に同等の領
域に同じ電極配置の構造が繰り返すようになっている
が、3つ以上の同等の領域が繰り返す構成とすることも
でき、交流電圧発生部の出力周波数を、繰り返しの回数
すなわち領域の数を自然数nとして圧電セラミック体中
の音速を圧電セラミックトランスの長さ(圧電セラミッ
ク体の長さ)/(n/2)で除した値に設定し、圧電セ
ラミックトランスの振動が(n/2)波長モードとなる
ようにすればよい。
【0068】上記各実施形態において、出力電極は圧電
セラミック体の上面および下面から側面に連なり圧電セ
ラミック体を巻回する形状とするのもよい。
【0069】(第4実施形態)上記各実施形態において
圧電セラミックトランスを別の構成とすることもでき、
その一例を図7に示す。図の圧電セラミックトランス1
Cは第2、第3実施形態に対応する1波長モードでの駆
動用のものである。図中図5と同じ番号を付した部分は
実質的に同じ作動をするので、第2実施形態との相違点
を中心に説明する。
【0070】圧電セラミックトランス1Cは、図中左右
方向に平板状の圧電セラミック体21d,22d,23
d,24d,21e,22e,23e,24eの積層構
造をなしており、その層間に入力電極31d,32d,
31e,32eと出力電極4d,4eとが形成されてな
る。図中左側の領域と右側の領域とで実質的に同じ積層
構造を有している。
【0071】左側の領域は、積層方向の第1の端部に圧
電セラミック体21dと入力電極31dとが交互に積層
するとともに第2の端部に圧電セラミック体22dと入
力電極32dとが交互に積層し、各圧電セラミック体2
1d,22dは積層方向に分極せしめてあり、駆動部1
1d,12dを構成している。なお、入力電極31d,
32dはそれぞれ交互に異極のものが積層しており、正
極同志、負極同志がそれぞれ図示しない側面電極により
結線している。そして、分極はこの側面電極を介して直
流電圧を印加することにより行われ、各層の圧電セラミ
ック体21d,22dはそれぞれ交互に分極方向が逆方
向となる。すなわち、図示しない交流電圧発生部から側
面電極を介して交流電圧を印加したとき、駆動部11
d,12dの各相の圧電セラミック体21d,22dは
同相で厚み振動する。
【0072】駆動部11d,12d間には、圧電セラミ
ック体23d,24dが層間に出力電極4dを挟み、圧
電セラミック体23d,24dは積層方向に互いに逆方
向に分極せしめてあり、発電部13dを構成している。
【0073】右側の領域にも、圧電セラミック体21e
と入力電極31eとが交互に積層する駆動部11e、圧
電セラミック体22eと入力電極32eとが交互に積層
する駆動部12eが構成され、駆動部11e,12e間
には、圧電セラミック体23e,24eが層間に出力電
極4eを挟む発電部13eが構成されている。なお、圧
電セラミック体23e,24eは積層方向に互いに逆方
向に分極せしめておくが、上記第2、第3実施形態と同
様に、圧電セラミック体23e,24eの出力電極4e
に対する分極方向が、圧電セラミック体23d,24d
の出力電極4dに対する分極方向と逆方向となるように
する。
【0074】しかして、図略の交流電圧発生部から駆動
部11d〜12eに入力電圧を印加すると、縦効果によ
る振動が発生し、圧電セラミックトランス1Cに図中左
右方向に弾性波が伝搬する。しかして1波長モードで圧
電セラミックトランス1Cが共振振動する。
【0075】ここで、一方の領域の駆動部11d,12
dと他方の領域の駆動部11e,12eとで圧電セラミ
ックトランス1Cに同相の振動が励起されるように圧電
セラミック体21d〜22eの分極方向および入力電極
31d〜32eへの印加交流電圧の極性を設定する。
【0076】かかる構成でも、発電部13d,13eが
歪の発生量が多い位置となるので、低インピーダンスの
負荷への適用が容易となる。
【0077】なお、本実施形態は、圧電セラミック体お
よび入出力電極の構造が積層方向に繰り返すものを示し
たが、繰り返しのない構造とすることもでき、この場
合、(1/2)波長モードで駆動する。また、3つ以上
繰り返す構成とすることもでき、交流電圧発生部の出力
周波数を、繰り返しの回数すなわち領域の数を自然数n
として圧電セラミックトランスの振動が(n/2)波長
モードとなる周波数に設定すればよい。
【0078】(第5実施形態)図8に本発明の別の圧電
セラミックトランス回路の構成を示す。圧電セラミック
トランス回路は圧電セラミックトランス1Dとその前段
の入力回路5とからなり、圧電セラミックトランス1D
により変圧された電圧を負荷6Aに出力するようになっ
ている。
【0079】圧電セラミックトランス1Dは細長で平板
状の圧電セラミック体2Cを有し、圧電セラミック体2
Cの両端部には圧電セラミック体2Cの上下面に圧電セ
ラミック体2Cを挟み対向する矩形の入力電極33,3
4が形成してある。圧電セラミック体2Cの入力電極形
成部25,26は入力電極33,34の対向方向すなわ
ち圧電セラミック体2Cの厚さ方向に分極せしめてあ
り、逆圧電効果により入力回路5から入力する電気エネ
ルギーを圧電セラミック体2Cの機械エネルギーに変換
する駆動部14,15が構成される。圧電セラミック体
2Cの分極方向は駆動部14と駆動部15とで同方向と
する。
【0080】一方、圧電セラミック体2Cの上下面に
は、その略入力電極形成部を覆う矩形で、圧電セラミッ
ク体2Cを挟み対向する1対の出力電極41が形成して
ある。圧電セラミック体2Cの出力電極形成部27は圧
電セラミック体2の厚さ方向に分極せしめてあり、圧電
効果により上記機械エネルギーを再び電気エネルギーに
変換する発電部16が構成される。
【0081】入力回路5は、第1実施形態のものと実質
的に同じもので、交流電圧発生部51がリード線52を
介して各入力電極33,34間に並列に電圧を印加する
ようになっており、駆動部14,15が横効果による圧
電振動を発生し、圧電セラミック体2Cの長さ方向に弾
性波が伝搬する。交流電圧発生部51の出力周波数は、
圧電セラミック体2C中の音速を圧電セラミック体2C
の長さの2倍で除した値に設定し、上記弾性波により圧
電セラミック体2を(1/2)波長モードで共振振動せ
しめる。
【0082】本圧電セラミックトランス回路の作動を説
明する。圧電セラミックトランス1Dの駆動部14,1
5に交流電圧発生部51から交流電圧が入力すると圧電
セラミック体2Cが(1/2)波長モードで共振振動
し、発電部16では上記共振振動によって圧電セラミッ
ク体2Cの内部応力にしたがって歪が発生し、この歪の
量に応じて誘電分極が変化し、機械エネルギーが再び電
気エネルギーに変換される。出力電極41間には、圧電
セラミック体2Cの歪の、一方の出力電極41から他方
の出力電極41に到る長さ方向の総量に比例した電圧が
出力する。
【0083】図8には圧電セラミックトランス1Dにお
ける共振振動の変位分布および応力分布(歪分布)を併
せて示している。圧電セラミックトランス1Dは(1/
2)波長モードで作動しているから圧電セラミック体2
Cの両端が腹で中間が節となり、発電部16は共振振動
時に歪みが最も大きくなる部位に位置している。しか
も、歪みの最小部と最大部の差が圧電セラミック体2C
の両端部に比して小さく、大きな振動速度νm まで安定
して電圧を発生する。したがって、発電部16の単位体
積当たりにとりだせる電力は大きく、高い出力電圧が得
られる。
【0084】また。振動の腹から腹に到る(1/2)波
長分の範囲に駆動部と発電部とが配置されるから駆動部
と発電部の比率が調整自在である。
【0085】(第6実施形態)図9に本発明の第6実施
形態になる圧電セラミックトランス回路の構成を示す。
圧電セラミックトランス1Eは第5実施形態のごとく細
長で平板状の圧電セラミック体2Dを有し、その長さ方
向の一方の半分の領域には、その両端部の圧電セラミッ
ク体2Dの上下面に入力電極33a,34aが形成して
あり、上記領域の圧電セラミック体2Dの上下面に、入
力電極33a,34aの非形成部を略覆う矩形で、圧電
セラミック体2Dを挟んで対向する1対の出力電極41
aが形成してある。一方、圧電セラミック体2Dの他方
の半分の領域には、その両端部の圧電セラミック体2D
の上下面に入力電極33b,34bが形成してあり、上
記領域の圧電セラミック体2Dの上下面に、入力電極3
3b,34bの非形成部を略覆う矩形で、圧電セラミッ
ク体2Dを挟んで対向する1対の出力電極41bが形成
してある。このように、2つの領域に同様に電極が配置
された構造が繰り返される。
【0086】圧電セラミック体2Dの入力電極形成部2
5a,26a,25b,26bおよび出力電極形成部2
7a,27bは入力電極33a〜34b、出力電極41
a,41bの対向方向すなわち圧電セラミック体2Dの
厚さ方向に分極せしめてあり、入力電極形成部25aに
駆動部14aが、入力電極形成部26aに駆動部15a
が、入力電極形成部25bに駆動部14bが、入力電極
形成部26bに駆動部15bがそれぞれ形成される。出
力電極形成部41aに発電部16aが、入力電極形成部
41bに発電部16bがそれぞれ形成される。圧電セラ
ミック体2Dの分極方向は、上記一方の領域と上記他方
の領域とで逆方向としてある。
【0087】入力回路5Cは数十kHz程度の交流を発
生する交流電圧発生部51Aを備え、リード線52Cを
介して各入力電極33a〜34b間に並列に電圧を印加
するようになっている。リード線52Cは、入力電極3
3a〜34bを圧電セラミック体2Dの上面に形成され
るもの同志が導通するように、下面に形成されるもの同
志が導通するように配線してある。
【0088】また、圧電セラミック体2Dの上面の出力
電極41a,41b同志、下面の出力電極41a,41
b同志もそれぞれ互いに接続され、負荷6Aに通じてい
る。
【0089】交流電圧発生部51Aの出力周波数は、圧
電セラミック体2Dが1波長モードの振動となるように
圧電セラミック体2D中の音速を圧電セラミック体2D
の長さで除した値に設定する。したがって、第2実施形
態と同様に、圧電セラミックトランス1Eは1波長モー
ドで振動し、一方の領域と他方の領域とで振動は逆相と
なる。
【0090】また、一方の領域の発電部16aにおける
分極方向と他方の領域の発電部16bにおける分極方向
とが逆方向であり、一方の領域の出力電極41aと他方
の領域の出力電極41bとで同相の電圧が出力される。
【0091】本圧電セラミックトランス回路の作動を説
明する。交流電圧発生部51Aから各駆動部14a〜1
5bに入力電圧が印加されて圧電セラミックトランス1
Eが1波長モードで振動し、発電部16a、16bでは
歪みの量に応じて誘電分極が変化し、出力電極41a,
41bには発電部16a、16bの歪みの総量に比例し
た電圧が出力する。
【0092】そして図より明らかなように発電部13
a,13bはそれぞれ歪みが最も大きくなる位置となっ
ており、効率よく出力電圧を取り出すことができる。
【0093】なお、駆動部14a〜15bは第3実施形
態と同様に、駆動部14a〜15bの分極方向を同じに
するとともに、入力電極33a〜34bと交流電圧発生
部51Aを接続するリード線を、一方の領域の入力電極
33a,34aのうち圧電セラミック体2Dの上面に形
成されたものと他方の領域の入力電極33b,34bの
うち圧電セラミック体2Dの下面に形成されたものとが
導通するように配線され、一方の領域の入力電極33
a,34aのうち圧電セラミック体2Dの下面に形成さ
れたものと他方の領域の入力電極33b,34bのうち
圧電セラミック体2Dの上面に形成されたものとが導通
するように配線してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態になる圧電セラミックト
ランス回路の構成および圧電セラミックトランスにおけ
る振動状態を示す図である。
【図2】上記圧電セラミックトランス回路の作動を説明
する第1のグラフである。
【図3】上記圧電セラミックトランス回路の作動を説明
する第2のグラフである。
【図4】上記圧電セラミックトランス回路の作動を説明
する第3のグラフである。
【図5】本発明の第2実施形態になる圧電セラミックト
ランス回路の構成および圧電セラミックトランスにおけ
る振動状態を示す図である。
【図6】本発明の第3実施形態になる圧電セラミックト
ランス回路の構成を示す図である。
【図7】本発明の第4実施形態になる圧電セラミックト
ランス回路に用いる圧電セラミックトランスの構成およ
びその振動状態を示す図である。
【図8】本発明の第5実施形態になる圧電セラミックト
ランス回路に用いる圧電セラミックトランスの構成およ
びその振動状態を示す図である。
【図9】本発明の第6実施形態になる圧電セラミックト
ランス回路に用いる圧電セラミックトランスの構成およ
びその振動状態を示す図である。
【図10】従来の第1の例の圧電セラミックトランス回
路の構成および圧電セラミックトランスにおける振動状
態を示す図である。
【図11】従来の第2の例の圧電セラミックトランス回
路の構成および圧電セラミックトランスにおける振動状
態を示す図である。
【図12】従来の第3の例の圧電セラミックトランス回
路の構成および圧電セラミックトランスにおける振動状
態を示す図である。
【図13】上記圧電セラミックトランス回路の作動を説
明するグラフである。
【図14】従来の第4の例の圧電セラミックトランス回
路の構成および圧電セラミックトランスにおける振動状
態を示す図である。
【図15】従来の第5の例の圧電セラミックトランス回
路の構成および圧電セラミックトランスにおける振動状
態を示す図である。
【符号の説明】
1,1A,1B,1C,1D,1E 圧電セラミックト
ランス 11,12,11a,12a,11b,12b,11
c,12c,11d,12d,11e,12e,14,
15,14a,15a,14b,15b 駆動部 13,13a,13b,13d,13e,16,16
a,16b 発電部 2,2A,2B,21d,22d,23d,24d,2
1e,22e,23e,24e,2C,2D 圧電セラ
ミック体 31,32,31a,32a,31b,32b,31
d,32d,31e,32e,33,34,33a,3
4a,33b,34b 入力電極 4,4a,4b,4d,4e,41,41a,41b
出力電極 5,5A,5B,5C 入力回路(給電手段) 51,51A,51B 交流電圧発生部 52,52A,52B,52C リード線 6,6A 負荷
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 章 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 5H730 AA08 EE79 FG07 ZZ05 ZZ19

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電セラミック体に1対の入力電極を形
    成した駆動部と圧電セラミック体に出力電極を形成した
    発電部との結合体でなる圧電セラミックトランスと、上
    記入力電極間に交流電圧を印加しnを自然数として(n
    /2)波長モードで上記圧電セラミックトランスを上記
    結合方向に伝搬する弾性波を発生せしめる給電手段とを
    具備する圧電セラミックトランス回路において、上記圧
    電セラミックトランスを上記結合方向にn個に区画した
    領域のそれぞれを、2つの駆動部が発電部を上記結合方
    向に挟む構造とし、かつ、上記給電手段から交流電圧を
    各駆動部の上記入力電極間に並列に印加する構成とした
    ことを特徴とする圧電セラミックトランス回路。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の圧電セラミックトランス
    回路において、上記圧電セラミックトランスは、上記駆
    動部と上記発電部とに共通の細長で平板状の圧電セラミ
    ック体を有し、上記領域を圧電セラミック体の長さ方向
    に上記n個形成し、上記駆動部は、圧電セラミック体の
    上下面に圧電セラミック体を挟んで対向する入力電極を
    形成するとともに圧電セラミック体の入力電極形成部を
    入力電極の対向方向に分極してなり、上記発電部は、圧
    電セラミック体の上面または下面に圧電セラミック体の
    幅方向に横切る帯状の出力電極を形成して圧電セラミッ
    ク体の入力電極非形成部を圧電セラミック体の長さ方向
    に出力電極をはさみ逆方向に分極してなる圧電セラミッ
    クトランス回路。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の圧電セラミックトランス
    回路において、上記出力電極は上記圧電セラミック体の
    上面および下面から側面に連なり圧電セラミック体を巻
    回する形状とした圧電セラミックトランス回路。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の圧電セラミックトランス
    回路において、上記圧電セラミックトランスは、圧電セ
    ラミック体が積層構造をなすとともに層間に入力電極と
    出力電極とが形成されてなり、上記領域を圧電セラミッ
    ク体の積層方向に上記n個形成し、上記駆動部は、圧電
    セラミック体と入力電極とを交互に積層するとともに圧
    電セラミック体を積層方向に分極してなり、上記発電部
    は、上記駆動部で挟まれた圧電セラミック体の層間に出
    力電極を形成して圧電セラミック体を積層方向に出力電
    極をはさみ逆方向に分極してなる圧電セラミックトラン
    ス回路。
  5. 【請求項5】 請求項2ないし4いずれか記載の圧電セ
    ラミックトランス回路において、上記圧電セラミックト
    ランスは、上記領域において上記2つの駆動部が占める
    割合を0.4〜0.8とした圧電セラミックトランス回
    路。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の圧電セラミックトランス
    回路において、上記圧電セラミックトランスは、上記駆
    動部と上記発電部とに共通の細長で平板状の圧電セラミ
    ック体を有し、上記領域を圧電セラミック体の長さ方向
    に上記n個形成し、上記駆動部は、圧電セラミック体の
    上下面に圧電セラミック体を挟んで対向する入力電極を
    形成するとともに圧電セラミック体の入力電極形成部を
    入力電極の対向方向に分極してなり、上記発電部は、上
    記入力電極非形成の圧電セラミック体の上面および下面
    に、これを略覆う1対の出力電極を形成して圧電セラミ
    ック体の出力電極形成部を圧電セラミック体の厚さ方向
    に分極してなり、出力電極間から出力を取り出す構成と
    した圧電セラミックトランス回路。
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