JP2003197996A - 圧電トランスおよび圧電トランス回路 - Google Patents

圧電トランスおよび圧電トランス回路

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JP2003197996A
JP2003197996A JP2001390953A JP2001390953A JP2003197996A JP 2003197996 A JP2003197996 A JP 2003197996A JP 2001390953 A JP2001390953 A JP 2001390953A JP 2001390953 A JP2001390953 A JP 2001390953A JP 2003197996 A JP2003197996 A JP 2003197996A
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piezoelectric
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JP2001390953A
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Katsuhide Akimoto
克英 秋元
Takumi Kataoka
拓実 片岡
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Denso Corp
Soken Inc
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Denso Corp
Nippon Soken Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 負荷のインピーダンス変化に追随可能で、圧
電トランスの設計の自由度も高い圧電トランスを提案す
ることである。 【解決手段】 出力側の発電部を、入力側の励振部11
を共通として、低い入力電圧周波数で励振し電極間静電
容量の小さい発電部12aと、高い入力電圧周波数で励
振し電極間静電容量の大きい発電部12bとにより構成
し、負荷6のインピーダンスが高いうちは入力電圧周波
数を前者の発電部12aが励振する周波数とするととも
に発電部12aから出力電圧を取り出し、負荷6のイン
ピーダンスが低くなると、入力電圧周波数を後者の発電
部12bが励振する周波数とするとともに発電部12b
から出力電圧を取り出すようにする。これにより必要な
出力インピーダンスに応じた発電部ごとの設計を可能と
し、また、励振部11を共通とすることで、装置の大型
化を回避する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧電トランスおよび
圧電トランス回路に関する。
【0002】
【従来の技術】圧電セラミックの圧電効果を応用した圧
電トランスは、従来から高電圧電源に広く用いられてい
る。図10に圧電トランスを有する圧電トランス回路の
一例を示す。圧電トランス90は一般的なローゼン型の
もので、細長で平板状の圧電セラミック体900の一方
の半部には、上下面に入力側の電極903,904が形
成されて励振部901が構成され、他方の半部には、そ
の端面に出力側の電極905が形成されて発電部902
が構成されている。圧電セラミック体900は励振部9
01で厚さ方向に分極され、発電部902では長さ方向
に分極されている(実開平6−52161号公報等)。
【0003】入力側電極903,904間に交流電源9
1を接続して交流電圧を印加すると、圧電セラミック体
900で圧電セラミック体900の長さ方向に伝搬する
弾性波が発生する。ここで、圧電セラミック体900の
長さおよび入力側電極903,904間への印加電圧の
周波数を適当に選べば、圧電セラミック体900が例え
ば1/2波長モードで共振振動し、発電部902の出力
側電極905に変圧された電圧が発生して負荷92に出
力される。
【0004】圧電トランス回路の適用例として、ノート
型パーソナルコンピュータのディスプレイ用の液晶表示
器のバックライトとして用いられる冷陰極管を点灯する
ための変圧回路がある。冷陰極管を点灯状態とするに
は、始めに数百Vの高電圧を印加し、冷陰極管で放電を
発生させて点灯を開始する。点灯開始後の定常点灯期間
には印加電圧を点灯開始時よりも下げる。
【0005】圧電トランスの動作効率は負荷のインピー
ダンスの大きさによって異なる。すなわち、圧電トラン
スの出力インピーダンスと負荷のインピーダンスとが一
致するとき(マッチングインピーダンス)、最も効率よ
く変圧する。例えば、冷陰極管は点灯開始後にはおよそ
100kΩのインピーダンスを示し、定常点灯期間に高
効率で動作させるには、このインピーダンスとマッチン
グするように圧電トランスの圧電セラミック体の形状等
を設計することになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、冷陰極管は
点灯前にはインピーダンスが数MΩあり、定常点灯時に
インピーダンスマッチングするように設計すると、点灯
開始に必要な十分な出力電圧をとりだすのが困難で、圧
電トランスに負担がかかる。一方、点灯開始時のインピ
ーダンスに考慮するとすれば、点灯開始後に、効率よく
電気エネルギーを取り出すことができない。
【0007】特に近年、圧電トランスを、蛍光灯やメタ
ルハライドランプのように点灯開始後にインピーダンス
が数百Ω以下まで低下する負荷に適用することが考えら
れており、かかる、インピーダンスの変化幅が大きい負
荷に対しては、適用がより困難である。このため、放電
に必要な出力電圧を確保し得る範囲内で、インピーダン
スが低下した後の効率を、ある程度犠牲にして折り合い
をつけるしかなかった。
【0008】特開平9−162457号公報には、図1
0の圧電トランスと同様の構成で冷陰極管の点灯用に適
用した圧電トランス回路において、点灯開始前には、入
力電圧の周波数を、長手方向に進行する弾性波について
共振周波数となるように設定して長手方向の共振振動モ
ードで作動させ、点灯してからは、幅方向に進行する弾
性波について共振周波数となるように設定して幅方向の
共振振動モードで作動させ、負荷のインピーダンスが変
化しても効率よく電気エネルギーを取り出せるようにし
たものがある。
【0009】図10のような、圧電トランスが長方形の
ものでは、幅方向の共振振動モードの共振周波数が長手
方向の共振振動モードの共振周波数よりも高いものにな
る。一般的に、圧電トランスにおいて、入力電圧の角周
波数をω、出力側電極間の静電容量をCとすると、圧電
トランスの出力インピーダンスZはZ=1/(ωC)と
なるから、入力電圧の周波数で出力インピーダンスZが
変化する。入力電圧の周波数が高くなると出力インピー
ダンスが低くなる。すなわち、前記特開平9−1624
57号公報の技術では、圧電トランスの出力インピーダ
ンスが冷陰極管のインピーダンス低下に追随することに
なる。
【0010】しかしながら、前記特開平9−16245
7号公報の技術では、負荷のインピーダンスから要請さ
れる圧電トランスの共振周波数で、圧電トランスの長さ
および幅が制約を受けるので、設計の自由度が狭く、出
力電力等の他の要求仕様に対して十分に応えることがで
きない。
【0011】また、点灯開始用、定常点灯用にそれぞれ
圧電トランスを用意することが考えられるが、徒に構成
を複雑化する。
【0012】本発明は前記実情に鑑みなされたもので、
圧電トランスの出力インピーダンスを負荷のインピーダ
ンスの変化に追随可能で、圧電トランスの設計の自由度
も高い圧電トランスおよび圧電トランス回路を提供する
ことを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、入力電圧が印加される入力側電極が圧電セラミック
体に形成されてなり、電気エネルギーを機械エネルギー
に変換する励振部と、該励振部と接合され、該励振部に
より励振して前記機械エネルギーを電気エネルギーに再
変換して圧電セラミック体に形成された出力側の電極か
ら出力電圧を取り出す発電部とからなる圧電トランスに
おいて、前記発電部を、前記励振部を共通として設けら
れた第1の種類の発電部および第2の種類の発電部とに
より構成し、かつ、前記第2の種類の発電部の出力側電
極間の静電容量と前記励振部により励振する周波数との
積が、前記第1の種類の発電部の出力側電極間の静電容
量と前記励振部により励振する周波数との積よりも大き
くなるようにする。
【0014】圧電トランスの出力インピーダンスZはZ
=1/(ωC)であるから、励振した方の発電部の出力
側電極から出力電圧をとりだせば、第2の種類の発電部
が励振したときの出力インピーダンスが、第1の種類の
発電部が励振したときの出力インピーダンスよりも低く
なる。これにより、出力インピーダンスが高低2段階に
切り換えられる。
【0015】しかも、励振部が両発電部で共通であるか
ら、インピーダンスが変化する負荷に対してインピーダ
ンスマッチングをとるべく、出力インピーダンスが低側
の圧電トランスと出力インピーダンスが高側の圧電トラ
ンスとで構成したものに比して、励振部の入力側電極間
の静電容量を大きくすることができる。圧電トランスの
入力インピーダンスは、出力インピーダンスの場合のご
とく、入力側電極間の静電容量が大きくなれば小さくな
る。これにより、圧電トランスへの電力投入が、低電
圧、大電流となり、高い昇圧比を得ることができる。
【0016】請求項2記載の発明では、請求項1の発明
の構成において、前記第2の種類の発電部が前記励振部
により励振する周波数が、前記第1の種類の発電部が前
記励振部により励振する周波数よりも高くなるようにす
る。
【0017】前記インピーダンスの表式より知られるよ
うに、入力電圧の周波数が高いほどインピーダンスは小
さくなる。第2の種類の発電部が励振する周波数を第1
の発電部が励振する周波数よりも高くすることで、第2
の種類の発電部から出力電圧を取り出す際の出力インピ
ーダンスを第1の発電部から出力電圧を取り出す際の出
力インピーダンスよりも低くするのに、静電容量のとり
得る幅が拡大する。これにより、インピーダンスの変化
幅が大きい負荷への適用が容易になる。
【0018】請求項3記載の発明では、請求項2の発明
の構成において、前記第1、第2の種類の発電部をそれ
ぞれ、その圧電セラミック体が、前記励振部との接合面
から、該接合面に対して直交する方向に伸出し、前記第
2の種類の発電部の圧電セラミック体の伸出方向の大き
さを、第1の種類の発電部の圧電セラミック体の伸出方
向の大きさよりも小さくする。
【0019】励振部および発電部を該発電部の前記伸出
方向に進行する弾性波が定在波を生成する共振振動によ
り発電部が励振する場合には、伸出方向の大きさが第1
の種類の発電部よりも小さい第2の種類の発電部の方
が、その分、共振周波数が高くなる。これにより、第2
の種類の発電部が励振する周波数を第1の種類の発電部
が励振する周波数よりも高くすることができる。
【0020】請求項4記載の発明では、請求項1ないし
3の発明の構成において、前記第2の種類の発電部の出
力側電極間の静電容量を、前記第1の種類の発電部の出
力側電極間の静電容量よりも大きくする。
【0021】前記インピーダンスの表式より知られるよ
うに、出力側電極間の静電容量が大きいほど出力インピ
ーダンスは小さくなる。第2の種類の発電部の出力側電
極間の静電容量を第1の種類の発電部の出力側電極間の
静電容量よりも大きくすることで、第2の種類の発電部
から出力電圧を取り出す際の出力インピーダンスを第1
の種類の発電部から出力電圧を取り出す際の出力インピ
ーダンスよりも低くするのに、入力電圧の周波数のとり
得る幅が拡大する。これにより、インピーダンスの変化
幅が大きい負荷への適用が容易になる。
【0022】請求項5記載の発明では、請求項4の発明
の構成において、前記第1、第2の種類の発電部をそれ
ぞれ、前記励振部との接合面から、該接合面に対して直
交する方向に圧電セラミック体が伸出するとともに伸出
方向に分極され、該圧電セラミック体の表面に1対の出
力側の電極が前記伸出方向に間隔をおいて配置された構
造とし、前記第2の種類の発電部の圧電セラミック体の
伸出方向の大きさを、第1の種類の発電部の圧電トラン
スの伸出方向の大きさよりも小さくする。
【0023】出力側電極間の静電容量は出力側電極間の
間隔が狭いほど大きくなるから、圧電セラミック体の伸
出方向の大きさが第1の種類の発電部よりも小さい第2
の種類の発電部の方が、その分、静電容量が大きくな
る。これにより、第2の種類の発電部の出力側電極間の
静電容量を第1の種類の発電部の出力側電極間の静電容
量よりも高くすることができる。
【0024】請求項6記載の発明では、請求項4の発明
の構成において、前記第1、第2の種類の発電部をそれ
ぞれ、圧電セラミック体が、励振部との接合面から該接
合面に対して直交する方向に伸出し前記接合面の方向を
厚さ方向とする平板状とし、第1の種類の発電部の圧電
セラミックを前記伸出方向に分極するとともに、その表
面には出力側電極を伸出方向に配置し、前記第2の種類
の発電部の圧電セラミック体をその厚さ方向に分極する
とともに、その表面には、圧電セラミック体をその厚さ
方向に挟んで対向する出力側電極を配置する。
【0025】第1の種類の発電部の出力側電極は圧電セ
ラミック体の伸出方向に間隔をおいて配置されているの
で、配置方向に圧電セラミック体を長くすることで、静
電容量を小さくするとともに、前記配置方向に進行する
弾性波による共振振動の共振周波数を低くすることがで
きる。一方、第2の種類の発電部は出力側電極を薄板状
の圧電セラミック体を挟んで前記厚さ方向に対向してい
るので、相対的に静電容量を大きくするのが容易であ
る。
【0026】請求項7記載の発明では、請求項4の発明
の構成において、前記第2の種類の発電部を、前記励振
部との接合面に対して直交する方向に圧電セラミック体
と出力側電極とが交互に積層し、前記圧電セラミック体
が相隣れる層で逆方向となるように前記積層方向に分極
された構造とする。
【0027】各層に圧電セラミック体とこれを挟む電極
とからなるコンデンサ構造が形成される。これを並列接
続することで、発電部の静電容量は増大する。また、積
層構造をとることで、各圧電セラミック体の厚さは相対
的に薄いものになり、各コンデンサの単位構造の静電容
量も大きくなる。したがって、積層数に応じて、発電部
の出力側電極間の静電容量を大きくするのが容易であ
る。
【0028】請求項8記載の発明では、請求項1ないし
6の発明の構成において、前記第1の種類の発電部が励
振するときと第2の種類の発電部が励振するときとの両
方で、予め設定した所定位置が節となるように、発電部
の伸出方向の大きさを設定する。
【0029】これにより、圧電トランスにおける共振状
態が切り換わっても、圧電トランスの機械振動が阻害さ
れず、機械振動を電気エネルギーとして効率よく取り出
すことができる。
【0030】請求項9記載の発明では、請求項8の発明
の構成において、前記第1、第2の種類の発電部をそれ
ぞれ、その圧電セラミック体が、前記励振部との接合面
から、励振部を挟んで両方に、前記接合面に対して直交
する方向に伸出する構成とし、第1、第2の種類の発電
部の前記伸出方向の大きさを、2つの第1の種類の発電
部の先端面の中間位置と、2つの第2の種類の発電部の
先端面の中間位置とが略一致する大きさとする。
【0031】励振部および発電部を該発電部の前記伸出
方向に進行する弾性波が定在波を生成する共振振動によ
り発電部が励振する場合において、入力電圧の周波数
を、第1の種類の発電部を励振するときと第2の種類の
発電部を励振するときとのいずれにおいても前記共振振
動が奇数次の共振振動となるように設定すれば、前記中
間位置が、第1の種類の発電部が励振するときにおいて
も第2の種類の発電部が励振するときにおいても節とな
る。これにより、圧電トランスの形状の自由度が広くな
る。
【0032】請求項10記載の発明では、入力電圧が印
加される入力側電極が圧電セラミック体に形成されてな
り、電気エネルギーを機械エネルギーに変換する励振部
と、該励振部と接合され、該励振部により励振して前記
機械エネルギーを電気エネルギーに再変換して圧電セラ
ミック体に形成された出力側の電極から出力電圧を取り
出す発電部とからなる圧電トランスと、前記入力側電極
間に入力電圧を印加する交流電源とを具備する圧電トラ
ンス回路において、前記発電部を、前記励振部を共通と
して設けられ、該励振部により励振する周波数と出力側
電極間の静電容量とが異なる第1の種類の発電部および
第2の種類の発電部とにより構成し、かつ、前記第2の
種類の発電部の出力側電極間の静電容量と前記励振部に
より励振する周波数との積が、前記第1の種類の発電部
の出力側電極間の静電容量と前記励振部により励振する
周波数との積よりも大きくし、前記交流電源を、前記入
力電圧の周波数が、前記第1の種類の発電部が前記励振
部により励振する第1の周波数と前記第2の発電部が前
記励振部により励振する第2の周波数とに切り換え自在
に構成された電源により構成し、前記出力電圧を取り出
す発電部として、前記第1の種類の発電部または第2の
種類の発電部のいずれかに切り換える切り換え手段を具
備する構成とする。
【0033】入力電圧の周波数を第1の周波数とすれば
第1の種類の発電部が励振し、入力電圧の周波数を第2
の周波数とすれば第2の種類の発電部が励振する。そし
て、切り換え手段により、入力電圧の周波数が第1の周
波数のときに第1の種類の発電部の出力側電極が負荷と
接続され、入力電圧の周波数が第2の周波数のときに第
2の種類の発電部の出力側電極が負荷と接続される。励
振した方の発電部の出力側電極から出力電圧をとりだせ
ば、そのとき、圧電トランスの出力インピーダンスZは
Z=1/(ωC)であるから、第1の周波数のときの出
力インピーダンスよりも第2の周波数のときの出力イン
ピーダンスの方が低くなる。これにより、出力インピー
ダンスが高低2段階に切り換えられる。
【0034】しかも、励振部が両発電部で共通であるか
ら、インピーダンスが変化する負荷に対してインピーダ
ンスマッチングをとるべく、出力インピーダンスが低側
の圧電トランスと出力インピーダンスが高側の圧電トラ
ンスとで構成したものに比して、励振部の入力側電極間
の静電容量を大きくすることができる。圧電トランスの
入力インピーダンスは、出力インピーダンスの場合のご
とく、入力側電極間の静電容量が大きくなれば小さくな
る。これにより、交流電源からの圧電トランスへの電力
投入が、低電圧、大電流となり、高い昇圧比を得ること
ができる。
【0035】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1に本発明の
第1実施形態になる圧電トランス回路の構成を示す。圧
電トランス回路は圧電トランス1を備え、圧電トランス
1を介して、交流電源である駆動回路51からの入力電
圧を変圧して負荷であるメタルハライドランプ6に出力
するようになっている。
【0036】圧電トランス1は、圧電セラミック板2
が、圧電セラミック体である長方形の部分21と、圧電
セラミック体である2つの長さの異なる等幅で帯状の部
分22a,22bとからなり、帯状部分22a,22b
は、長方形部分21の長辺側の側面201から、該側面
201に対して直交する方向に伸びている。圧電セラミ
ック体2の長方形部分21および帯状部分22a,22
bは、例えば、平板状の圧電セラミック材を、互いに平
行に伸びる2つの直線部分の長さが異なる略コ字状に裁
断したものから一体的に得られる。
【0037】圧電セラミック板2の長方形部分21の上
下面には入力側の電極31,32が圧電セラミック板2
を挟んで全面に形成してある。入力側電極31,32に
は駆動回路51が接続してある。
【0038】圧電セラミック板2の帯状部分22a,2
2bの先端面203a,203bにはそれぞれ出力側の
電極4a,4bが形成してある。
【0039】圧電セラミック板2はその厚さ方向に分極
してある。分極は長方形部分21では入力側電極31,
32間から厚さ方向に所定の直流電圧を印加してなさ
れ、帯状部分22a,22bでは出力側電極4a,4b
と入力側電極31,32との間から、それぞれ、帯状部
分22a,22bの長手方向に所定の直流電圧を印加し
てなされる。
【0040】これにより、圧電セラミック板2の長方形
部分21には、入力側電極31,32からの電気エネル
ギーを機械エネルギーに変換する励振部11が構成さ
れ、圧電セラミック板2の帯状部分22a,22bに
は、1対1に対応して、機械エネルギーを電気エネルギ
ーに再変換する第1の種類の発電部12a、第2の種類
の発電部12bが構成される(以下、適宜、発電部12
aを点灯開始用の発電部12aといい、発電部12bを
定常点灯用の発電部12bという)。
【0041】また、圧電セラミック板2の励振部11側
の側面202は固定用部材7に接着剤等により固定され
ている。
【0042】点灯開始用の発電部12aの出力側電極4
aと定常点灯用の発電部12bの出力側電極4bとは、
スイッチ52を介してメタルハライドランプ6と接続さ
れるようになっており、励振した点灯開始用発電部12
aまたは定常点灯用発電部12bのいずれかからの出力
電圧がメタルハライドランプ6に印加される。
【0043】駆動回路51は圧電トランス1への入力電
圧の周波数が第1の周波数f1 と第2の周波数f2 とに
切り換え自在に構成されている。これは電圧制御発振器
等を用いて構成し得る。
【0044】駆動回路51の周波数切り換えとスイッチ
52の切り換えとは連動しており、第1の周波数f1 の
ときスイッチ52は点灯開始用発電部12a側に切り換
えられ(第1の状態)、第2の周波数f2 のときスイッ
チ52は定常点灯用発電部12b側に切り換えられる
(第2の状態)。
【0045】前記周波数f1 ,f2 がとる値とともに、
本圧電トランス回路の作動について説明する。駆動回路
51からの入力電圧で圧電トランス1に機械振動が生
じ、この内部を弾性波が進行する。ここで、弾性波のう
ち、横効果により発電部12a,12bの長手方向に進
行する弾性波は、該形成面203a,203bと背向す
る、固定用部材7との接着面202と、出力側電極4
a,4bの形成面203a,203bとで反射するか
ら、弾性波の周波数すなわち入力電圧の周波数を適当に
選べば、弾性波は定在波となり、発電部12a,12b
のいずれかが励振する共振振動が発生する(以下、適
宜、固定用部材7との接着面202を励振部側の境界面
202といい、出力側電極4a,4bの形成面203
a,203bを点灯開始用発電部側の境界面203a、
定常点灯用発電部側の境界面203bという)。
【0046】励振部側の境界面202と点灯開始用発電
部側の境界面203aとの距離(以下、適宜、圧電トラ
ンスの第1の長さという)をL1 とし、圧電セラミック
板2の内部における弾性波の伝搬速度をvとして、第1
の周波数f1 を、f1 =v/4L1 とすれば、図2の中
段に示すように、励振部11および点灯開始用発電部1
2aにおいて、固定された励振部側の境界面202を節
とする1/4波長モードの共振振動となる。
【0047】一方、励振部側の境界面202と定常点灯
用発電部側の境界面203bとの距離(以下、適宜、圧
電トランスの第2の長さという)をL2 として、第2の
周波数f2 を、f2 =v/4L2 とすれば、図2の下段
に示すように、励振部11および定常点灯用発電部12
bにおいて、固定された励振部側の境界面202を節と
する1/4波長モードの共振振動となる。
【0048】L1 >L2 であり、第2の周波数f2 の方
が第1の周波数f1 よりも高い(f1 <f2 )。また、
励振部11の入力側電極31,32は発電部の出力側電
極として機能しており、出力側電極4a,4bと入力側
電極31,32との間隔は発電部12a,12bの電極
間の静電容量を規定するが、定常点灯用発電部12bの
出力側電極4bと入力側電極31,32との間隔の方が
点灯開始用発電部12aの出力側電極4aと入力側電極
31,32との間隔よりも短いから、電極間の静電容量
は定常点灯用発電部12bの方が点灯開始用発電部12
aよりも大きい。したがって、定常点灯用発電部12b
から出力電圧を取り出す第2の状態のときの圧電トラン
ス1の出力インピーダンスの方が、点灯開始用発電部1
2aから出力電圧を取り出す第1の状態のときの圧電ト
ランス1の出力インピーダンスよりも小さくなる。
【0049】したがって、メタルハライドランプ6の点
灯開始前には、入力電圧の周波数がf1 で点灯開始用発
電部12aの出力側電極4aとメタルハライドランプ6
とが接続される第1の状態としておき、メタルハライド
ランプ6のインピーダンスが低下し定常点灯に移行する
点灯後には、入力電圧の周波数をf2 に切り換えるとと
もにスイッチ52を定常点灯用発電部12b側に切り換
えて第2の状態とすることで、メタルハライドランプ6
のインピーダンスの低下に追随して、圧電トランス1の
出力インピーダンスを低下せしめることができる。
【0050】図3は、図10の圧電トランスにおいて、
圧電セラミック体の幅と厚さをそのままに発電部の長さ
をA,B,Cの3水準(A:B:C=20:6:1)に
振って、負荷抵抗と出力電力との関係を理論計算した結
果を示すものである。A〜Cのいずれの場合も、マッチ
ングインピーダンスとなる負荷抵抗のときに出力電力が
ピーク値をとり、マッチングインピーダンスから離れる
にしたがって出力電力が低下する特性を示す。そして、
前記のごとく発電部の長さが短いほど発電部の電極間静
電容量が大きくなって、圧電トランスの出力インピーダ
ンスが小さくなるから、マッチングするインピーダンス
値が低くなる。また、これにより、小さな負荷インピー
ダンスに対する出力電力が高くなる。
【0051】したがって、本実施形態のように、点灯前
には点灯開始用発電部12aを励振せしめることで圧電
トランス1の出力インピーダンスを高くして、インピー
ダンスに応じた調圧作用により、メタルハライドランプ
6の点灯開始に必要な高電圧が得られ、点灯開始後の定
常点灯においては、定常点灯用発電部12bを励振せし
めることで、圧電トランス1の出力インピーダンスを低
くして、十分な出力電力をメタルハライドランプ6に供
給することができる。
【0052】なお、前記のごとくメタイルハライドラン
プ6はインピーダンスが数MΩから数百Ωまで実に4桁
ほど低下するので、点灯開始用発電部12a、定常点灯
用発電部12bの電極間静電容量、点灯開始用発電部1
2a、定常点灯用発電部12bが励振するときの共振周
波数は、定常点灯用発電部12bが点灯開始用発電部1
2aに対して10倍以上となるように設定するのが望ま
しい。
【0053】しかも、点灯開始用発電部12aと定常点
灯用発電部12bとは、これを励振する励振部11が共
通になるので、出力インピーダンスの高い圧電トランス
とこれと別体で出力インピーダンスの低い圧電トランス
とにより構成するよりも、励振部11が共通になる分、
励振部11を平面形状の大きなものとすることが可能と
なる。これにより、入力側電極31,32の面積を大き
くとって、圧電トランス1の入力インピーダンスを小さ
くすることにより、低電圧、大電流で電力を圧電トラン
ス1に投入することが可能となる。これにより、昇圧比
を高くすることができる。
【0054】また、圧電トランス1を励振部11側の境
界面202で固定用部材7に固定して1/4波長モード
の共振振動としているので、第1、第2の状態のいずれ
においても、前記励振部11側の境界面202が節とな
る。これにより、振動を阻害せず、効率よく変圧するこ
とができる。また、1/4波長モードの共振振動とする
ことで、第1、第2の状態のいずれにおいても固定位置
が前記励振部11側の境界面202でよく、圧電トラン
ス1の形状等について設計の自由度が広い。
【0055】なお、図例のものでは、圧電セラミック板
2の帯状部分22a,22bの幅が点灯開始用発電部1
2aと定常点灯用発電部12bとで同じであるが、これ
に限られない。これを図4に示す。図中、第1実施形態
と実質的に同じ作動をする部分には同じ番号を付してい
る。圧電トランス1Aの圧電セラミック板2Aは、第2
の帯状部分22bAの幅W2 を第1の帯状部分22aA
の幅W1 よりも広くしてあり、定常点灯用発電部12b
Aの出力側電極4bAの面積を点灯開始用発電部12a
Aの出力側電極4aAよりも広くとるようにしてもよ
い。これにより、定常点灯用発電部12bAの電極間の
静電容量が点灯開始用発電部12aAの電極間の静電容
量に比してより大きくなり、インピーダンスの変化幅の
大きい負荷に対してより好適に適用することができる。
【0056】(第2実施形態)図5に本発明の第2実施
形態になる圧電トランス回路を示す。図中、第1実施形
態と同じ番号を付した部分には同じ番号を付して第1実
施形態との相違点を中心に説明する。
【0057】圧電トランス1Bは、第1実施形態の構成
において定常点灯用発電部を別のものに代えたものであ
る。圧電トランス1Bの圧電セラミック板2Bは第1実
施形態と同じ形状のもので、定常点灯用発電部12bB
を構成する短い方の帯状部分22bBの上下面に圧電セ
ラミック板2Bを挟んで対向する出力側の電極41B,
42Bが形成してある。出力側電極41B,42Bは圧
電セラミック板2Bの帯状部分22bBの上面、下面の
略全面を覆って長方形に形成されている。圧電セラミッ
ク板2Bの同じ面に形成される出力側電極41Bと入力
側電極31との間、出力側電極42Bと入力側電極32
との間には、これらの間の絶縁を確保すべく帯状に電極
の非形成部が設けられている。
【0058】圧電セラミック板2Bは、出力側電極41
B,42B間がその厚さ方向に分極せしめてある。分極
は、出力側電極41B,42B間に直流電圧を印加する
ことでなされる。
【0059】かかる構成によれば、圧電セラミック板2
Bの帯状部分22bBの先端面に出力側電極が形成され
た第1実施形態に比して、さらに、出力側電極の面積を
大きくとり易く、さらに定常点灯用発電部の電極間の静
電容量を大きくすることができる。これにより、インピ
ーダンスの変化幅の大きな負荷に対して好適に適用する
ことができる。
【0060】(第3実施形態)図6に本発明の第3実施
形態になる圧電トランス回路を示す。図中、第1実施形
態と同じ番号を付した部分には同じ番号を付して第1実
施形態との相違点を中心に説明する。
【0061】圧電トランス1Cは、第1実施形態の構成
において定常点灯用の発電部を別のものに代えたもので
ある。圧電トランス1Cには、前記各実施形態の圧電セ
ラミック体から短い方の帯状部分を省いた形状の圧電セ
ラミック板2C0を有しており、その、励振部11を構
成する長方形部分21の側面201から帯状部分22a
が突出して、点灯開始用発電部12aを構成している。
【0062】圧電セラミック板2C0の側面201から
は、該側面201と直交する方向すなわち帯状部分22
aの長手方向に薄板状の圧電セラミック体2C1,2C
2と出力側の電極41C,42Cとが繰り返し交互に積
層している。図7にこの積層構造を示す。圧電セラミッ
ク体2C1,2C2と出力側電極41C,42Cとは、
ともに平面形状が長方形で、大きさも略同じである。出
力側電極41C,42Cの縦辺の長さが圧電セラミック
体2C1,2C2の縦辺の長さよりも僅かに短くしてあ
り、前記のごとく積層した状態において、圧電セラミッ
ク体2C1,2C2の表面に、一方の短辺に沿って帯状
の電極非形成部が設けられるようになっている。
【0063】圧電セラミック体2C1,2C2は、図7
中、左側に電極非形成部が位置するもの2C1と、右側
に電極非形成部が位置するもの2C2とが交互に積層
し、積層体の1つの側面側と、その背向する側面側とに
電極非形成部が交互に位置するようになっている。
【0064】かかる積層体は、例えば、圧電トランスや
ピエゾアクチュエータの一般的な製造方法であるグリー
ンシート法により製造し得る。すなわち、PZT等の圧
電セラミックシートを所定の形状に裁断して圧電セラミ
ック体2C1,2C2を用意し、これの表面に出力側電
極41C,42Cをスクリーン印刷により形成する。そ
の後、出力側電極41C,42Cが形成された圧電セラ
ミック体2C1,2C2を重ね、焼成する。
【0065】前記積層体にはまた、前記側面のそれぞれ
に積層方向を長手方向とする帯状の第1、第2の外部電
極43C,44Cが形成してあり、出力側電極41C,
42Cとの導通をとるようになっている。外部電極43
C,44Cは銀ペースト等の塗布により形成され、前記
積層体の側面に電極非形成部が位置していない層の電極
41C,42Cが互いに導通する。したがって、各層の
圧電セラミック体2C1,2C2は、第1の外部電極4
3Cと導通する出力側電極41Cと第2の外部電極44
Cと導通する出力側電極42Cとで挟まれたコンデンサ
構造をなし、各層が外部電極43C,44Cを介して並
列接続となる。
【0066】第1の外部電極43Cは前記スイッチ52
を介してメタルハライドランプ6と接続される。第2の
外部電極44Cは接地され、メタルハライドランプ6の
他方の極と導通している。
【0067】圧電セラミック体2C1,2C2はその厚
さ方向に分極せしめてある。分極は、外部電極43C,
44C間に所定の直流電圧を印加することでなされる。
したがって、隣れる層の圧電セラミック体2C1と圧電
セラミック体2C2とは分極方向が逆である。
【0068】このように、定常点灯用発電部12bCの
各層が並列接続することで、積層数に応じて出力側電極
41C,42Cの総面積は広く、積層する分、相対的に
圧電セラミック体2C1,2C2の厚さが薄くなるの
で、定常点灯用発電部12bCの電極間の静電容量が大
きくなる。
【0069】そして、定常点灯用発電部12bCの積層
方向の大きさを、点灯開始用発電部12aの長さよりも
短くすることで、定常点灯用発電部12bCが励振する
ときの共振周波数が、点灯開始用発電部12aが励振す
るときの共振周波数よりも高くなる。
【0070】したがって、定常点灯用発電部12bCの
外部電極43C,44Cから出力電圧を取り出す第2の
状態において、入力電圧の周波数を定常点灯用発電部1
2bCが励振するときの共振周波数とすれば、点灯開始
用発電部12aから出力電圧を取り出すようにした場合
よりも、圧電トランス1Cの出力インピーダンスを低く
することができる。
【0071】(第4実施形態)図8に本発明の第4実施
形態になる圧電トランス回路を示す。図中、第1実施形
態と同じ番号を付した部分には同じ番号を付して第1実
施形態との相違点を中心に説明する。
【0072】圧電トランス1Dの圧電セラミック板2D
は、第1実施形態のように長方形部分の一方の側面から
のみ帯状部分が伸びているのではなく、長方形部分21
の背向する側面201,202の両方から、長方形部分
21を挟んで対称に、帯状部分221aD,222a
D,221bD,222bDが伸びている。圧電セラミ
ック板2Dは圧電セラミックのシートを略H字状に裁断
すること等で得られる。
【0073】各帯状部分221aD〜222bDの先端
面にはそれぞれ出力側の電極41aD,42aD,41
bD,42bDが形成してあり、4つの発電部121a
D,122aD,121bD,122bDが構成されて
いる。長い帯状部分221aD,222aDに構成され
る発電部が点灯開始用の発電部121aD,122aD
で、短い帯状部分221bD,222bDに構成される
発電部が定常点灯用の発電部121bD,122bDで
ある。
【0074】点灯開始用発電部121aD,122aD
の2つの出力側電極41aD,42aD、定常点灯用発
電部121bD,122bDの2つの出力側電極41b
D,42bDはそれぞれ互いにリード線53a,53b
により導通し、スイッチ52を介してメタルハライドラ
ンプ6と接続される。そして、スイッチ52の切り換え
位置により、メタルハライドランプ6が、点灯開始用発
電部121aD,122aDの2つの出力側電極41a
D,42aDまたは定常点灯用発電部121bD,12
2bDの2つの出力側電極41bD,42bDのいずれ
かと接続される。
【0075】圧電セラミック板2Dは、出力側電極41
aD,42aDと入力側電極31,32との間、出力側
電極41bD,42bDと入力側電極31,32との間
がそれぞれ、帯状部分221aD,222aD,221
bD,222bDの長手方向に分極せしめてある。ここ
で、点灯開始用発電部121aD,122aDの出力側
電極41aD,42aDは、また、定常点灯用発電部1
21bD,122bDの出力側電極41bD,42bD
は、それぞれ分極時には同極となるように分極用の直流
電源と接続され、2つの点灯開始用発電部121aD,
122aD、2つの定常点灯用発電部121bD,12
2bDがそれぞれ、同相でメタルハライドランプ6への
出力電圧を発生するようになっている。
【0076】駆動回路51Dは、周波数切り換え自在
で、第1の周波数f3 は、前記圧電セラミック板2D
の、点灯開始用発電部121aD,122aDの出力側
電極41aD,42aDの形成面2031a,2032
a間の距離(以下、適宜、圧電トランスの第1の長さと
いう)をL3 として、f3 =v/(2L3 )とし、第2
の周波数f4 は、前記圧電セラミック板2Dの、定常点
灯用発電部121bD,122bDの出力側電極41b
D,42bDの形成面2031b,2032b間の距離
(以下、適宜、圧電トランスの第2の長さという)をL
4 として、f4 =v/(2L4 )とする。第1の周波数
f3 のときにはスイッチ52は点灯開始用発電部121
aD,122aD側に切り換えられ、第2の周波数f4
のときにはスイッチ52は定常点灯用発電部121b
D,122bD側に切り換えられる。
【0077】これにより、図9に示すように、第1の周
波数f3 のときには、点灯開始用発電部121aD,1
22aDが1/2波長モードで励振し、点灯開始用発電
部121aD,122aDの出力側電極41aD,42
aDから高い出力インピーダンスで出力電圧がメタルハ
ライドランプ6に印加される。一方、第2の周波数f4
のときには、定常点灯用発電部121bD,122bD
が1/2波長モードで励振し、定常点灯用発電部121
bD,122bDの出力側電極41bD,42bDから
低い出力インピーダンスで出力電圧がメタルハライドラ
ンプ6に印加される。
【0078】また、本実施形態の構成によれば、第1の
周波数f3 、第2の周波数f4 のいずれのときも、1/
2波長モードの共振振動であり、図9より知られるよう
に、節位置が励振部11の中央部に位置している。した
がって、圧電トランス1Dを励振部11の中央部位置で
支持すれば、駆動周波数が切り換わっても、圧電トラン
ス1Dの振動を阻害せず、圧電トランス1Dにおける変
圧の効率が減じられるのを防止することができる。
【0079】なお、この効果は、点灯開始前後で所定の
位置が節位置となるように、圧電トランス1Dの形状や
入力電圧の周波数を設定して当該位置において圧電トラ
ンスを支持するようにすれば得られるが、共振振動が点
灯開始前後のいずれにおいても奇数次の共振振動となる
ように入力電圧の周波数を設定すれば、励振部11の中
心部が節となるから、設計の自由度が広がる。
【0080】なお、点灯開始用発電部121aD,12
2aD、定常点灯用発電部121bD,122bDのぞ
れぞれにおいて、一方の発電部121aDと他方の発電
部122aDとで、一方の発電部121bDと他方の発
電部122bDとで圧電セラミック体2Dの分極方向
は、励振部11を挟んで対称であるが、励振部11に対
して逆方向を向くようにして、点灯開始用発電部121
aD,122aDの両出力側電極41aD,42aD
間、定常点灯用発電部121bD,122bDの両出力
側電極41bD,42bD間からメタルハライドランプ
6への出力電圧を取り出すようにしてもよい。この場
合、点灯開始用発電部121aD,122aD間、定常
点灯用発電部121bD,122bD間はそれぞれ直列
接続となるから、合成静電容量が小さくなり、出力イン
ピーダンスが高くなって、出力電圧を高くすることがで
きる。点灯開始用発電部121aD,122aDについ
てのみかかる直列接続とすれば、その出力側電極41a
D,42aD間から出力電圧を取り出すときのみ、圧電
トランスの出力インピーダンスをより高くすることがで
き、インピーダンス変化幅のより大きな負荷に良好に適
用することができる。
【0081】また、入力側電極32は接地され、メタル
ハライドランプ6の接地されている側の内部電極と接続
されるようになっており、実質的に出力側電極としても
機能しているが、圧電セラミック体2Dの帯状部分22
1aD〜222bDの全周に、入力側電極31,32に
近接して環状電極を形成して専用の出力側電極とするの
もよい。
【0082】この場合は、分極方向が励振部11を挟ん
で対称であっても、2つの点灯開始用発電部同士、定常
点灯用発電部同士をそれぞれ直列接続とすることができ
る。
【0083】また、直列接続とする場合には、点灯開始
用発電部121aD,122aDが、また、定常点灯用
発電部121bD,122bDが励振部11を挟んで対
称に構成されている必要はなく、励振部11の両側で非
対称でもよい。この場合、2つの点灯開始用発電部の先
端面である出力側電極の形成面の中間位置と、2つの定
常点灯用発電部の先端面である出力側電極の形成面の中
間位置とが略一致するように、励振部の側面からの伸出
量を設定する。
【0084】励振部および発電部を該発電部の前記伸出
方向に進行する弾性波が定在波を生成する共振振動によ
り発電部が励振する場合において、入力電圧の周波数
を、第1の種類の発電部を励振するときと第2の種類の
発電部を励振するときとのいずれにおいても前記共振振
動が奇数次の共振振動となるように設定すれば、前記中
間位置が、第1の種類の発電部が励振するときにおいて
も第2の種類の発電部が励振するときにおいても節とな
る。これにより、圧電トランスの形状の自由度が広くな
る。
【0085】なお、前記各実施形態では、点灯後の入力
電圧の周波数を点灯前の入力電圧の周波数よりも高くし
ているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、点
灯後の入力電圧の周波数の方が低くともよく、入力電圧
の周波数と発電部の電極間の静電容量との積が点灯後に
増大するようになっておればよい。圧電トランスの出力
インピーダンスの表式より知られるように、入力電圧の
周波数と発電部の電極間の静電容量との積が大きいほ
ど、圧電トランスの出力インピーダンスが小さい値をと
るからである。
【0086】したがって、逆に、点灯後の入力電圧の周
波数を点灯前の入力電圧の周波数よりも相当程度高くす
れば、点灯後に出力電圧を取り出す発電部の電極間の静
電容量が、点灯前に出力電圧を取り出す発電部の電極間
の静電容量よりも小さくともよい。
【0087】また、前記各実施形態において、駆動回路
は周波数を点灯前後で切り換えるようにしているが、周
波数が固定でもよい。この場合、発電部の電極間の静電
容量を、点灯開始用発電部よりも定常点灯用発電部の方
が大きくなるようにする。この場合、例えば、前記圧電
トランスの第1の長さ、第2の長さを同じにすることに
なるが、図4のように出力側電極の面積を違えたり、図
5のように定常点灯用発電部を圧電セラミック体の厚さ
方向に出力側電極が対向する構造としたり、図6のよう
な積層構造において積層数を違えたり(図例では点灯開
始用発電部は1層である)すれば静電容量を違えること
ができる。
【0088】また、本発明は、メタルハライドランプの
駆動用に限らず、他の用途にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態になる圧電トランスおよ
び圧電トランス回路の構成図である。
【図2】前記圧電トランスにおける振動状態を示す図で
ある。
【図3】圧電トランス回路の特性を示すグラフである。
【図4】前記第1実施形態の変形例を示す圧電トランス
および圧電トランス回路の構成図である。
【図5】本発明の第2実施形態になる圧電トランスおよ
び圧電トランス回路の構成図である。
【図6】本発明の第3実施形態になる圧電トランスおよ
び圧電トランス回路の構成図である。
【図7】前記圧電トランスの一部の分解斜視図である。
【図8】本発明の第4実施形態になる圧電トランスおよ
び圧電トランス回路の構成図である。
【図9】前記圧電トランスにおける振動状態を示す図で
ある。
【図10】従来の圧電トランスおよび圧電トランス回路
の代表例の構成図である。
【符号の説明】
1,1A,1B,1C,1D 圧電トランス 11,11B 励振部 12a,12aA,121aD,122aD, 点灯開
始用の発電部(第1の種類の発電部) 12b,12bA,12bB,12bC,121bD,
122bD 定常点灯用の発電部(第2の種類の発電
部) 2,2A,2B,2C0,2D 圧電セラミック板 2C1,2C2 圧電セラミック体 201,202 側面(接合面) 203a,203b,2031a,2032a,203
1b,2032a 先端面 21 長方形部分(圧電セラミック体) 22a,22aA,221aD,222aD 第1の帯
状部分(圧電セラミック体) 22b,22bA,22bB,221bD,222bD
第2の帯状部分(圧電セラミック体) 31,32 入力側の電極 4a,4b,4aA,4bA,41B,42B,41
C,42C,41aD,42aD,41bD,42bD
出力側の電極 43C,44C 外部電極 51,51D 駆動回路(交流電源) 52 スイッチ 6 メタルハライドランプ(負荷)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片岡 拓実 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 Fターム(参考) 3K072 AA13 AC02 AC11 BC07 CA16 DD03 DD04 HA09 HB01 5H007 AA07 BB03 CB02 CB09 CC03 CC32 DA03 DB03 DC04 HA01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力電圧が印加される入力側電極が圧電
    セラミック体に形成されてなり、電気エネルギーを機械
    エネルギーに変換する励振部と、該励振部と接合され、
    該励振部により励振して前記機械エネルギーを電気エネ
    ルギーに再変換して圧電セラミック体に形成された出力
    側の電極から出力電圧を取り出す発電部とからなる圧電
    トランスにおいて、 前記発電部を、前記励振部を共通として設けられた第1
    の種類の発電部および第2の種類の発電部とにより構成
    し、 かつ、前記第2の種類の発電部の出力側電極間の静電容
    量と前記励振部により励振する周波数との積が、前記第
    1の種類の発電部の出力側電極間の静電容量と前記励振
    部により励振する周波数との積よりも大きいことを特徴
    とする圧電トランス。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の圧電トランスにおいて、
    前記第2の種類の発電部が前記励振部により励振する周
    波数が、前記第1の種類の発電部が前記励振部により励
    振する周波数よりも高い圧電トランス。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の圧電トランスにおいて、
    前記第1、第2の発電部をそれぞれ、その圧電セラミッ
    ク体が、前記励振部との接合面から、該接合面に対して
    直交する方向に伸出し、 前記第2の種類の発電部の圧電セラミック体の伸出方向
    の大きさを、第1の種類の発電部の圧電セラミック体の
    伸出方向の大きさよりも小さくした圧電トランス。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3いずれか記載の圧電ト
    ランスにおいて、前記第2の種類の発電部の出力側電極
    間の静電容量を、前記第1の種類の発電部の出力側電極
    間の静電容量よりも大きくした圧電トランス。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の圧電トランスにおいて、
    前記第1、第2の種類の発電部をそれぞれ、前記励振部
    との接合面から、該接合面に対して直交する方向に圧電
    セラミック体が伸出するとともに伸出方向に分極され、
    該圧電セラミック体の表面に1対の出力側の電極が前記
    伸出方向に間隔をおいて配置された構造とし、 前記第2の種類の発電部の圧電セラミック体の伸出方向
    の大きさを、第1の種類の発電部の圧電トランスの伸出
    方向の大きさよりも小さくした圧電トランス。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の圧電トランスにおいて、
    前記第1、第2の種類の発電部をそれぞれ、圧電セラミ
    ック体が、励振部との接合面から該接合面に対して直交
    する方向に伸出し前記接合面の方向を厚さ方向とする平
    板状とし、 第1の種類の発電部の圧電セラミックを前記伸出方向に
    分極するとともに、その表面には出力側電極を伸出方向
    に配置し、 前記第2の種類の発電部の圧電セラミック体をその厚さ
    方向に分極するとともに、その表面には、圧電セラミッ
    ク体をその厚さ方向に挟んで対向する出力側電極を配置
    した圧電トランス。
  7. 【請求項7】 請求項4記載の圧電トランスにおいて、
    前記第2の種類の発電部を、前記励振部との接合面に対
    して直交する方向に圧電セラミック体と出力側電極とが
    交互に積層し、前記圧電セラミック体が相隣れる層で逆
    方向となるように前記積層方向に分極された構造とした
    圧電トランス。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし6いずれか記載の圧電ト
    ランスにおいて、前記第1の種類の発電部が励振すると
    きと第2の種類の発電部が励振するときとの両方で、予
    め設定した所定位置が節となるように、発電部の伸出方
    向の大きさを設定した圧電トランス。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の圧電トランスにおいて、
    前記第1、第2の種類の発電部をそれぞれ、その圧電セ
    ラミック体が、前記励振部との接合面から、励振部を挟
    んで両方に、前記接合面に対して直交する方向に伸出す
    る構成とし、 第1、第2の種類の発電部の前記伸出方向の大きさを、
    2つの第1の種類の発電部の先端面の中間位置と、2つ
    の第2の種類の発電部の先端面の中間位置とが略一致す
    る大きさとした圧電トランス。
  10. 【請求項10】 入力電圧が印加される入力側電極が圧
    電セラミック体に形成されてなり、電気エネルギーを機
    械エネルギーに変換する励振部と、該励振部と接合さ
    れ、該励振部により励振して前記機械エネルギーを電気
    エネルギーに再変換して圧電セラミック体に形成された
    出力側の電極から出力電圧を取り出す発電部とからなる
    圧電トランスと、 前記入力側電極間に入力電圧を印加する交流電源とを具
    備する圧電トランス回路において、 前記発電部を、前記励振部を共通として設けられ、該励
    振部により励振する周波数と出力側電極間の静電容量と
    が異なる第1の種類の発電部および第2の種類の発電部
    とにより構成し、 かつ、前記第2の種類の発電部の出力側電極間の静電容
    量と前記励振部により励振する周波数との積が、前記第
    1の種類の発電部の出力側電極間の静電容量と前記励振
    部により励振する周波数との積よりも大きくし、 前記交流電源を、前記入力電圧の周波数が、前記第1の
    種類の発電部が前記励振部により励振する第1の周波数
    と前記第2の発電部が前記励振部により励振する第2の
    周波数とに切り換え自在に構成された電源により構成
    し、 前記出力電圧を取り出す発電部として、前記第1の種類
    の発電部または第2の種類の発電部のいずれかに切り換
    える切り換え手段を具備することを特徴とする圧電トラ
    ンス回路。
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