JP2003174781A - 圧電トランス回路 - Google Patents

圧電トランス回路

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JP2003174781A
JP2003174781A JP2001370864A JP2001370864A JP2003174781A JP 2003174781 A JP2003174781 A JP 2003174781A JP 2001370864 A JP2001370864 A JP 2001370864A JP 2001370864 A JP2001370864 A JP 2001370864A JP 2003174781 A JP2003174781 A JP 2003174781A
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Katsuhide Akimoto
克英 秋元
Takumi Kataoka
拓実 片岡
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Denso Corp
Soken Inc
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Denso Corp
Nippon Soken Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電トランス回路において、インピーダンス
が変化するメタルハライドランプに対しても効率よく変
圧することができるようにすることである。 【解決手段】 メタルハライドランプ6に接続される圧
電トランス1を、薄板状の圧電セラミック体2に、これ
を挟んで厚さ方向に対向する1対の入力側電極31,3
2および1対の出力側電極41,42が形成された構成
とし、交流電源5から入力側電極31,32間に入力す
る電圧の周波数を、負荷インピーダンスの高い点灯開始
までは低側の第1の周波数として出力インピーダンスを
高くし、負荷インピーダンスの低い点灯開始後は高側の
第2の周波数として出力インピーダンスを低くする。そ
して、第2の周波数は、定常的な電力供給の必要な期間
でもある点灯開始後に縦効果で十分な電力が取り出せる
ように、厚さ方向の弾性波による共振周波数とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧電トランス回路に
関する。
【0002】
【従来の技術】圧電セラミックの圧電効果を応用した圧
電トランスは、従来から高電圧電源に広く用いられてい
る。図5に圧電トランスを有する圧電トランス回路の一
例を示す。圧電トランス90は一般的なローゼン型のも
ので、細長で平板状の圧電セラミック体900の一方の
半部には、上下面に入力側の電極903,904が形成
されて励振部901が構成され、他方の半部には、その
端面に出力側の電極905が形成されて発電部902が
構成されている。圧電セラミック体900は励振部90
1で厚さ方向に分極され、発電部902では長さ方向に
分極されている(実開平6−52161号公報等)。
【0003】入力側電極903,904間に交流電源9
1を接続して交流電圧を印加すると、圧電セラミック体
900で圧電セラミック体900の長さ方向に伝播する
弾性波が発生する。ここで、圧電セラミック体900の
長さおよび入力側電極903,904間への印加電圧の
周波数を適当に選べば、圧電セラミック体900が例え
ば1/2波長モードで共振振動し、発電部902の出力
側電極905に変圧された電圧が発生して負荷92に出
力される。
【0004】圧電トランス回路の適用例として、ノート
型パーソナルコンピュータのディスプレイ用の液晶表示
器のバックライトとして用いられる冷陰極管を点灯する
ための変圧回路がある。冷陰極管を点灯状態とするに
は、始めに数百Vの高電圧を印加し、冷陰極管で放電を
発生させて点灯を開始する。点灯開始後の定常点灯期間
には印加電圧を点灯開始時よりも下げる。
【0005】圧電トランスの動作効率は負荷のインピー
ダンスの大きさによって異なる。すなわち、圧電トラン
スの出力インピーダンスと負荷のインピーダンスとが一
致するとき(マッチングインピーダンス)、最も効率よ
く変圧する。例えば、冷陰極管は点灯開始後にはおよそ
100kΩのインピーダンスを示し、定常点灯期間に高
効率で動作させるには、このインピーダンスとマッチン
グするように圧電トランスの圧電セラミック体の形状等
を設計することになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、冷陰極管は
点灯前にはインピーダンスが数MΩあり、定常点灯時に
インピーダンスマッチングするように設計すると、点灯
開始に必要な十分な出力電圧をとりだすのが困難で、圧
電トランスに負荷がかかる。一方、点灯開始時のインピ
ーダンスに考慮するとすれば、点灯開始後に、効率よく
電気エネルギーを取り出すことができない。
【0007】特に近年、圧電トランスを、蛍光灯やメタ
ルハライドランプのように点灯開始後にインピーダンス
が数百Ω以下まで低下する負荷に適用することが考えら
れており、かかる、インピーダンスの変化幅が大きい負
荷に対しては、適用がより困難である。このため、放電
に必要な出力電圧を確保し得る範囲内で、インピーダン
スが低下した後の効率を、ある程度犠牲にして折り合い
をつけるしかなかった。
【0008】特開平9−162457号公報には、図5
の圧電トランスと同様の構成で冷陰極管の点灯用に適用
した圧電トランス回路において、点灯開始前には、入力
電圧の周波数を、長手方向に進行する弾性波について共
振周波数となるように設定して長手方向の共振振動モー
ドで作動させ、点灯してからは、幅方向に進行する弾性
波について共振周波数となるように設定して幅方向の共
振振動モードで作動させ、負荷のインピーダンスが変化
しても効率よく電気エネルギーを取り出せるようにした
ものがある。
【0009】図5のような、圧電トランスの圧電セラミ
ック体が長方形のものでは、幅方向の共振振動モードの
共振周波数が長手方向の共振振動モードの共振周波数よ
りも高いものになる。一般的に、圧電トランスにおい
て、入力電圧の角周波数をω、出力側電極間の静電容量
をCとすると、圧電トランスの出力インピーダンスZは
Z=1/(ωC)となるから、入力電圧の周波数で出力
インピーダンスZが変化する。入力電圧の周波数が高く
なると出力インピーダンスが低くなる。すなわち、前記
特開平9−162457号公報の技術では、圧電トラン
スの出力インピーダンスが冷陰極管のインピーダンス低
下に追随することになる。
【0010】しかしながら、幅方向の共振振動モードの
ときには、発電部において、弾性波の方向と分極方向と
が直交する横効果で、機械エネルギーが電気エネルギー
に変換されることになる。一般に、横効果は、弾性波の
方向と分極方向とが平行となる縦効果に比して著しく僅
かな出力しか取り出せず、前記特開平9−162457
号公報の技術を、メタルハライドランプのように、安定
点灯時には冷陰極管の5〜10倍程度の電力を必要とす
る用途に適用しようとすると、圧電トランスが大型化
し、必ずしも実用的ではない。
【0011】本発明は前記実情に鑑みなされたもので、
インピーダンス変化の大きい負荷に対してインピーダン
スマッチングをとり、しかも、負荷が低インピーダンス
のときに十分に負荷に電力を出力することのできる圧電
トランス回路を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、薄板状の圧電セラミック体にその厚さ方向に対向す
る入力側の電極が設けられて、入力電極から入力する電
気エネルギーを機械エネルギーに変換する励振部と、薄
板状の圧電セラミック体に出力側の電極が設けられて、
前記機械エネルギーを電気エネルギーに再変換して前記
出力側の電極から出力する発電部とからなる圧電トラン
スを有し、該圧電トランスが交流電源からの入力電圧を
変圧して負荷に出力する圧電トランス回路において、前
記出力側の電極を、前記圧電セラミック体の厚さ方向に
対向する電極により構成し、前記交流電源を、前記入力
電圧の周波数が、圧電トランスが共振振動モードとなる
第1の周波数または第1の周波数よりも高く圧電トラン
スが圧電セラミック体の厚さ方向の共振振動モードとな
る第2の周波数のいずれかに切り換え自在とする。
【0013】メタルハライドランプ等のように、インピ
ーダンスが低下して定常作動期間に入る負荷の場合で
も、負荷のインピーダンスが低下すると、入力電圧の周
波数を、高い第2の周波数に切り換えることで、圧電ト
ランスの出力インピーダンスが低下し、負荷のインピー
ダンスと圧電トランスの出力インピーダンスとの整合性
の向上を図ることができる。
【0014】しかも、定常作動期間には、電気エネルギ
ーと機械エネルギーとの間の変換が、励振部、発電部と
もに縦効果によりなされるから、圧電トランスの大型化
を伴うことなく十分な電力の出力が可能となる。
【0015】請求項2記載の発明では、請求項1の発明
の構成において、前記励振部と発電部とで圧電セラミッ
ク体を共通とするとともに、その平面形状を長方形と
し、前記入力側の電極と出力側の電極とを圧電セラミッ
ク体の長手方向に並設し、前記第1の周波数を、圧電ト
ランスが長手方向の共振振動モードとなる周波数とす
る。
【0016】第1の周波数は圧電セラミック体の長さに
より規定され、圧電セラミック体の長さは、第2の周波
数を規定する圧電セラミック体の厚さよりも十分に大き
な値をとるから、第1の周波数を低い周波数に設定し、
第2の周波数を高い周波数に設定することが容易であ
り、設計の自由度が広くなる。
【0017】請求項3記載の発明では、請求項1の発明
の構成において、前記励振部と発電部とで圧電セラミッ
ク体を共通とするとともに、その平面形状を円形とし、
前記入力側の電極と出力側の電極とを圧電セラミック体
の径方向に並設し、内周部の電極を、前記圧電セラミッ
ク体と同心の円形の電極とし、外周部の電極を、前記圧
電セラミック体と同心の環状の電極とし、前記第1の周
波数を、圧電セラミック体が径方向の共振振動モードと
なる周波数とする。
【0018】第1の周波数は圧電セラミック体の直径に
より規定され、圧電セラミック体の直径は、第2の周波
数を規定する圧電セラミック体の厚さよりも十分に大き
な値をとるから、第1の周波数を低い周波数に設定し、
第2の周波数を高い周波数に設定することが容易であ
り、設計の自由度が広くなる。
【0019】請求項4記載の発明では、請求項1の発明
の構成において、前記励振部と発電部とで圧電セラミッ
ク体の平面形状を同一の長方形とするとともに、前記励
振部と発電部とを圧電セラミック体の厚さ方向に積層す
る構造とし、前記第1の周波数を、圧電トランスが圧電
セラミック体の長手方向を梁の長手方向とする屈曲振動
をするときの共振周波数とする。
【0020】一般に圧電トランスの屈曲振動の共振周波
数は圧電セラミック体の厚さ方向の共振振動モードの場
合よりも低いから、第1の周波数を低い周波数に設定
し、第2の周波数を高い周波数に設定することが容易に
でき、設計の自由度が広くなる。
【0021】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1に本発明の
第1実施形態になる圧電トランス回路の構成を示す。圧
電トランス回路は圧電トランス1を備え、圧電トランス
1を介して、交流電源である駆動回路5からの入力電圧
を変圧して負荷6に出力するようになっている。なお、
以下の説明において、負荷6はメタルハライドランプと
して説明し、適宜、メタルハライドランプ6と記載す
る。
【0022】圧電トランス1は薄板状で細長の長方形に
成形された圧電セラミック体2を有している。圧電セラ
ミック体2は、例えば、PZT等の圧電セラミックのシ
ートを所定の形状(長方形)に裁断して得られる。圧電
セラミックシートには、厚さが圧電セラミック体2の長
さの1/20程度のものが用いられる。圧電セラミック
体2の長手方向の一方の半部と他方の半部とには、圧電
セラミック体2の上下面に圧電セラミック体2を挟んで
対向する電極31,32、電極41,42が形成してあ
る。電極31〜42は同じ形状で、圧電セラミック体2
の上面または下面の半分の略全体を覆う矩形である。圧
電セラミック体2の同じ面に形成される電極31,41
間、電極32,42間には、電極31,41間、電極3
2,42間の絶縁を確保するため、帯状に電極非形成部
が形成してある。
【0023】圧電セラミック体2は電極31,32間お
よび電極41,42間がその対向方向すなわち圧電セラ
ミック体2の厚さ方向に分極せしめてある。
【0024】圧電セラミック体2を挟んで対向する一方
の1対の電極31,32は入力側の電極で、駆動回路5
が接続されるようになっており、圧電セラミック体2の
前記一方の半部に、逆圧電効果により、駆動回路5から
入力する電気エネルギーを圧電セラミック体2の機械エ
ネルギーに変換する励振部11が構成される。他方の1
対の電極41,42は出力側の電極で、負荷6が接続さ
れるようになっており、圧電効果により、前記機械エネ
ルギーを再び電気エネルギーに変換する発電部12が構
成される。
【0025】なお、圧電トランス1は、圧電トランスの
一般的な製造方法であるグリーンシート法により製造す
ることができる。入力側電極31,32、出力側電極4
1,42はスクリーン印刷等で形成する。圧電セラミッ
ク体2の分極は、スクリーン印刷の済んだものを焼成し
た後に、絶縁油中で入力側電極31,32間、出力側電
極41,42間に直流高電圧を印加することでなされ
る。
【0026】前記駆動回路5は、前記入力電圧すなわち
入力側電極31,32間に印加する電圧の周波数が切り
換え自在に構成してある。これは電圧制御発振器や分周
回路等により構成し得る。第1の周波数f1 は、前記逆
圧電効果により発生する弾性波の伝播速度vを圧電セラ
ミック体2の長さL1 で除した値に設定してある。ま
た、第2の周波数f2 は、前記逆圧電効果により発生す
る弾性波の伝播速度vを圧電セラミック体2の厚さt1
の2倍で除した値に設定してある。
【0027】さて、第1の周波数f1 のときには、圧電
セラミック体2の長さL1 が圧電セラミック体2の長手
方向に進行する弾性波の1波長に相当するので、この弾
性波により1波長モードの共振振動が生じる。一方、第
2の周波数f2 のときには、圧電セラミック体2の厚さ
t1 が圧電セラミック体2の厚さ方向に進行する弾性波
の1/2波長に相当するので、この弾性波により1/2
波長モードの共振振動が生じる。
【0028】前記のごとく、圧電セラミック体2は薄板
状で、厚さt1 が長さL1 の1/20程度しかないの
で、第2の周波数f2 は第1の周波数f1 よりも10倍
程度高い。
【0029】ここで、一般的に、圧電トランスの入力電
圧の角周波数をω、圧電トランスの出力側電極間の静電
容量をCとすると、圧電トランスの出力インピーダンス
Zは、Z=1/(ωC)となる。したがって、圧電トラ
ンス1の出力インピーダンスZは、第2の周波数f2 の
ときの方が第1の周波数f1 のときよりも小さい。
【0030】したがって、負荷6としてインピーダンス
変化の大きい前記メタルハライドランプを接続した場
合、インピーダンスが大きい点灯前は第1の周波数f1
としておき、インピーダンスが低下する点灯後には第2
の周波数f2 に切り換えることで、メタルハライドラン
プ6のインピーダンスが低下する点灯後に、圧電トラン
ス1の出力インピーダンスも低くすることができる。こ
のように、負荷6のインピーダンスの増減に圧電トラン
ス1の出力インピーダンスを追随せしめることで、圧電
トランス1の出力インピーダンスと負荷6のインピーダ
ンスとの整合性を向上せしめることができる。
【0031】さらに、圧電トランス1の出力インピーダ
ンスを低側とする第2の周波数f2のとき、共振振動は
圧電セラミック体2の厚さ方向に進行する弾性波による
厚さ方向の共振振動であり、また、発電部12は厚さ方
向に誘電分極する構成であるから、機械電気係数kt に
よる縦効果で、出力側電極41,42間に出力電圧が発
生する。また、励振部11も縦効果の逆圧電効果であ
る。
【0032】これに対して、前記特開平9−16245
7号公報の技術では、点灯後は幅方向に進行する弾性波
による幅方向の共振振動であり、また、発電部は圧電セ
ラミック体の長手方向に誘電分極する構成であるから、
機械電気係数k31による横効果で、出力側電極間に出力
電圧が発生する。また、励振部も横効果の逆圧電効果で
ある。
【0033】横効果と縦効果とでは縦効果の方が遙に大
きく、縦効果による本実施形態では、圧電トランス1の
大型化を伴うことなく十分な電力を取り出すことができ
る。したがって、前記メタルハライドランプ6が点灯を
開始し、そのインピーダンス低下に追随して圧電トラン
ス1の出力インピーダンスを低下するようにしても、定
常点灯期に必要な電力を取り出すのに圧電トランスが大
型化することもない。したがって、メタルハライドラン
プのように、インピーダンス低下が大きく、また、必要
電力が大きい負荷に対して好適に適用できる。
【0034】なお、本実施形態では、第1の周波数f1
のときの圧電セラミック体2の長手方向の共振振動が1
波長モードであり、第2の周波数f2 のときの圧電セラ
ミック体2の厚さ方向の共振振動が1/2波長モードで
あるが、必ずしもこれに限定されるものではない。一般
的に、第1の周波数f1 を規定する圧電セラミック体2
の長さL1 は、第2の周波数f2 を規定する圧電セラミ
ック体2の厚さt1 の数倍以上あり、これよりも十分に
大きな値をとるから、第1の周波数f1 を低い周波数に
設定し、第2の周波数f2 を高い周波数に設定すること
が容易にできる。したがって、圧電トランス1の形状や
周波数f1 ,f2 等について、設計の自由度が広くな
る。
【0035】(第2実施形態)図2に本発明の第2実施
形態になる圧電トランス回路の構成を示す。図中、第1
実施形態と実質的に同じ作動をする部分には同じ番号を
付して第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0036】圧電トランス1Aは、圧電セラミック体2
Aが円形で、その内周部に励振部11Aが構成され、外
周部に発電部12Aが構成される。励振部11Aの入力
側の電極31A,32Aは上下面にそれぞれ形成してあ
る。入力側電極31Aと入力側電極32Aとは円形の同
じ形状のもので、圧電セラミック体2Aの同心位置で、
圧電セラミック体2Aを挟んで対向している。
【0037】また、発電部12Aの出力側の電極41
A,42Aは圧電セラミック体2Aの上下面のそれぞれ
において、入力側の電極31A,32Aと同心位置でそ
の外周に環状に形成されている。出力側電極41Aと出
力側電極42Aとは同じ形状で、圧電セラミック体2A
を挟んで対向している。
【0038】圧電セラミック体2Aの上面および下面に
おいて、入力側電極31Aと出力電極41A間、入力側
電極32Aと出力電極42A間には入力側電極31A,
32Aと出力側電極41A,42Aとの絶縁を確保する
環状の電極非形成部が形成してある。
【0039】圧電セラミック体2Aは、入力側電極31
A,32A間および出力側電極41A,42A間のそれ
ぞれにおいて、厚さ方向に分極せしめてある。
【0040】駆動回路5Aは、第1実施形態と同様に、
前記入力電圧すなわち入力側電極31A,32A間に印
加する電圧の周波数が切り換え自在に構成してあり、第
1の周波数f3 は、式(1)に示す周波数に設定してあ
る。 f3 =(η/πD)×(E/(ρ(1−σE ))1/2 ・・・(1) ここで、ηは基準化周波数、Dは直径、ρは比重、σE
はポアソン比、Eは縦弾性係数である。また、第2の周
波数f4 は、前記弾性波の伝播速度vを圧電セラミック
体2Aの厚さt2 の2倍で除した値に設定してある。
【0041】さて、第1の周波数f3 のときには、入力
側電極31A,32Aへの交流電圧により、圧電セラミ
ック体2Aに厚さ方向に振動する電場が形成されると、
圧電トランス1Aは径方向に圧電セラミック体2Aが伸
縮する。圧電トランス1Aが径広がりモードで振動する
際は、その共振周波数は前記式(1)で表される周波数
となるから、圧電トランスは径方向に伸縮する。
【0042】一方、第2の周波数f4 のときには、圧電
セラミック体2Aの厚さt2 が、圧電セラミック体2A
の厚さ向に進行する弾性波の1/2波長に相当するの
で、この弾性波により、厚さ方向の1/2波長モードの
共振振動が生じる。
【0043】仮に、圧電セラミック体2Aの厚さt2 を
5mm、直径Dを40mm、比重ρを7700kg/m
3 、ポアソン比σE を0.3、縦弾性係数(ヤング率)
Eを9×1010N/m2 、基準化周波数ηを2.048
9とすると、第1の周波数f3 は式(1)より、約70
kHzであるのに対して、第2の周波数f4 は340k
Hzであり、第2の周波数f4 の方が第1の周波数f3
よりも高い。
【0044】したがって、第1実施形態と同様に、負荷
6のインピーダンスが変化しても、インピーダンスが高
いときには低側の第1の周波数f3 に切り換え、インピ
ーダンスが低いときには高側の第2の周波数f4 に切り
換えることで、圧電トランス1Aの出力インピーダンス
と負荷6のインピーダンスとの整合性を向上せしめるこ
とができる。
【0045】さらに、圧電トランス1Aの出力インピー
ダンスを低側とする第2の周波数f4 のとき、共振振動
は厚さ方向の共振振動であり、また、発電部12Aは厚
さ方向に誘電分極する構成であるから、機械電気係数k
t による縦効果で、出力側電極41A,42A間に出力
電圧が発生する。また、励振部11Aも縦効果の逆圧電
効果である。
【0046】したがって、入力電圧の周波数の切り換え
により、負荷6のインピーダンス低下に追随して圧電ト
ランス1Aの出力インピーダンスを低下するようにして
も、必要な電力を取り出すのに圧電トランス1Aが大型
化することもない。したがって、メタルハライドランプ
のように、インピーダンス低下が大きく、また、必要電
力が大きい負荷6に対して好適に適用できる。
【0047】なお、本実施形態では、第1の周波数f3
のときの圧電セラミック体2Aの径方向の共振振動が基
本径拡がり振動モードであり、第2の周波数f4 のとき
の圧電セラミック体2Aの厚さ方向の共振振動が1/2
波長モードであるが、必ずしもこれに限定されるもので
はない。一般的に、第1の周波数f3 を規定する圧電セ
ラミック体2Aの直径L2 は、第2の周波数f4 を規定
する圧電セラミック体2Aの厚さの数倍以上あり、これ
よりも十分に大きな値をとるから、第1の周波数f3 を
低い周波数に設定し、第2の周波数f4 を高い周波数に
設定することが容易にできる。したがって、第1実施形
態と同様に設計の自由度が広くなる。
【0048】(第3実施形態)図3に本発明の第3実施
形態になる圧電トランス回路の構成を示す。図中、第1
実施形態と実質的に同じ作動をする部分には同じ番号を
付して第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0049】圧電トランス1Bは、薄板状の圧電セラミ
ック体21B,22Bと薄膜状の電極71,72,73
とが交互に積層する構造を有している。圧電セラミック
体21B,22B、電極71〜73は平面形状が同一で
細長の長方形のものである。
【0050】圧電セラミック体21B,22Bは電極7
1,72間、電極72,73間が積層方向すなわち圧電
セラミック体21Bの厚さ方向に分極されている。圧電
セラミック体21Bを挟む電極71,72は入力側の電
極で、駆動回路5Bと接続され、電極71,72により
圧電セラミック体21Bを挟んで励振部11Bが構成さ
れる。また、電極72,73は出力側の電極で、メタル
ハライドランプ6と接続され、電極72,73により圧
電セラミック体22Bを挟んで発電部12Bが構成され
る。このように、圧電トランス1Bは励振部11Bと発
電部12Bとが積層してなり、電極72は入力側の電極
と出力側の電極とに兼用である。
【0051】入力側電極71,72間に電圧を印加する
駆動回路5Bは、前記各実施形態と同様に周波数が切り
換え自在に構成してあり、第1の周波数f5 は、次式
(2)で表される周波数に設定してある。式中、λは振
動数係数、t3 は圧電トランス1Bの厚さ、Eは縦弾性
係数、ρは比重である。なお、圧電トランス1Bの前記
屈曲振動は両端を自由端とする振動とみなせるので、振
動数係数λは一次の振動モードで4.73である。 f5 =(λ2 /2π)×(t3 /L3 2 )×(E/12ρ)1/2 ・・・(2)
【0052】また、第2の周波数f6 は、前記弾性波の
伝播速度vを圧電トランス1Bの厚さt3 の2倍で除し
た値に設定してある。
【0053】さて、第1の周波数f5のときには、入力
側電極71,72間への交流電圧の印加により、圧電セ
ラミック体21Bの内部において圧電セラミック体21
Bの厚さ方向に振動する電場が形成されると、圧電トラ
ンス1Bにおいて次の機械振動が生じる。すなわち、圧
電トランス1Bが梁として屈曲振動をする場合、その固
有振動数fは式(3)となる。式中、Iは梁である圧電
トランス1Bの断面二次モーメントであり、Aは梁であ
る圧電トランス1Bの断面積である。圧電トランス1B
の各パラメータは実質的に圧電セラミック体2Bのもの
と等しい。 f=(λ2 /2πL3 2 )×(EI/ρA)1/2 ・・・(3)
【0054】ここで、圧電セラミック体2Bは矩形断面
の梁であり、その幅をaとすれば、I=a×t3 3 、A
=a×t3 であるから、固有振動数fは前記第1の周波
数f5 となる。
【0055】さて、圧電セラミック体21Bの厚さ方向
に振動する電場が形成されると、横効果により、前記厚
さ方向に対して直交する面方向(圧電セラミック体21
B,22Bの上面、下面の方向)に圧電セラミック体2
1Bが収縮する。したがって、第1の周波数f5 を前記
式(2)で表される周波数とすることにより、圧電トラ
ンス1Bは、図4に示すように、その固有周波数にて上
面側と下面側とに交互に繰り返し撓む。
【0056】一方、第2の周波数f6 のときには、圧電
トランス1Bの厚さt3 が圧電トランス1Bの厚さ向に
進行する弾性波の1/2波長に相当するので、この弾性
波により厚さ方向に1/2波長モードの共振振動が生じ
る。
【0057】ここで、一般的に屈曲振動の固有振動周波
数よりも厚さ方向の共振振動の共振周波数の方が周波数
が高い。L3 =40mm、t3 =5mmとすればf5 =
10kHzである。一方、圧電トランス1Bの内部すな
わち圧電セラミック体21B,22Bの内部を進行する
弾性波の伝播速度vはv=(E/ρ)1/2 であるから、
f6 =340kHzである。
【0058】したがって、前記第1、第2実施形態と同
様に、メタルハライドランプ6のインピーダンスが高い
点灯前には低側の第1の周波数f5 に切り換え、点灯し
インピーダンスが低くなると高側の第2の周波数f6 に
切り換えることで、圧電トランス1Bの出力インピーダ
ンスと負荷6のインピーダンスとの整合性を向上せしめ
ることができる。
【0059】さらに、圧電トランス1Bの出力インピー
ダンスを低側とする第2の周波数f6 のとき、共振振動
は圧電トランス1Bの厚さ方向の共振振動であり、ま
た、発電部12Bは厚さ方向に誘電分極する構成である
から、機械電気係数kt による縦効果で、出力側電極7
2,73間に出力電圧が発生する。
【0060】したがって、負荷6のインピーダンス低下
に追随して圧電トランス1Bの出力インピーダンスを低
下するようにしても、必要な電力を取り出すのに圧電ト
ランス1Bが大型化することもない。したがって、メタ
ルハライドランプのように、インピーダンス低下が大き
く、また、必要電力が大きい負荷に対して好適に適用で
きる。
【0061】なお、前記各実施形態は冷陰極管やメタル
ハライドランプの他、インピーダンスが変化する負荷用
に好適に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態になる圧電トランス回路
の構成図である。
【図2】本発明の第2実施形態になる圧電トランス回路
の構成図である。
【図3】本発明の第3実施形態になる圧電トランス回路
の構成図である。
【図4】前記圧電トランス回路を構成する圧電トランス
の振動態様を示す圧電トランスの側面図である。
【図5】従来の圧電トランス回路の代表例の構成図であ
る。
【符号の説明】
1,1A,1B 圧電トランス 11,11A,11B 励振部 12,12A,12B 発電部 2,2A,21B,22B 圧電セラミック体 31,32,31A,32A 入力側の電極 41,42,41A,42A 出力側の電極 5,5A,5B 駆動回路(交流電源) 6 負荷 71,72,73 電極
フロントページの続き (72)発明者 片岡 拓実 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 Fターム(参考) 5H007 BB03 CB02 CB04 CC32 DA03 DA04 DB01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄板状の圧電セラミック体にその厚さ方
    向に対向する入力側の電極が設けられて、入力電極から
    入力する電気エネルギーを機械エネルギーに変換する励
    振部と、薄板状の圧電セラミック体に出力側の電極が設
    けられて、前記機械エネルギーを電気エネルギーに再変
    換して前記出力側の電極から出力する発電部とからなる
    圧電トランスを有し、該圧電トランスが交流電源からの
    入力電圧を変圧して負荷に出力する圧電トランス回路に
    おいて、 前記出力側の電極を、前記圧電セラミック体の厚さ方向
    に対向する電極により構成し、 前記交流電源を、前記入力電圧の周波数が、圧電トラン
    スが共振振動モードとなる第1の周波数または第1の周
    波数よりも高く圧電トランスが圧電セラミック体の厚さ
    方向の共振振動モードとなる第2の周波数のいずれかに
    切り換え自在としたことを特徴とする圧電トランス回
    路。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の圧電トランス回路におい
    て、前記励振部と発電部とで圧電セラミック体を共通と
    するとともに、その平面形状を長方形とし、 前記入力側の電極と出力側の電極とを圧電セラミック体
    の長手方向に並設し、 前記第1の周波数を、圧電トランスが長手方向の共振振
    動モードとなる周波数とした圧電トランス回路。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の圧電トランス回路におい
    て、前記励振部と発電部とで圧電セラミック体を共通と
    するとともに、その平面形状を円形とし、 前記入力側の電極と出力側の電極とを圧電セラミック体
    の径方向に並設し、 内周部の電極を、前記圧電セラミック体と同心の円形の
    電極とし、外周部の電極を、前記圧電セラミック体と同
    心の環状の電極とし、 前記第1の周波数を、圧電セラミック体が径方向の共振
    振動モードとなる周波数とした圧電トランス回路。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の圧電トランス回路におい
    て、前記励振部と発電部とで圧電セラミック体の平面形
    状を同一の長方形とするとともに、前記励振部と発電部
    とを圧電セラミック体の厚さ方向に積層する構造とし、 前記第1の周波数を、圧電トランスが圧電セラミック体
    の長手方向を梁の長手方向とする屈曲振動をするときの
    共振周波数とした圧電トランス回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011029582A (ja) * 2009-07-24 2011-02-10 Midas Wei Trading Co Ltd 絶縁型圧電変圧器を利用して発光ダイオードを駆動する点灯装置

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JP2011029582A (ja) * 2009-07-24 2011-02-10 Midas Wei Trading Co Ltd 絶縁型圧電変圧器を利用して発光ダイオードを駆動する点灯装置

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