JP2009302382A - 圧電トランス - Google Patents

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健 藤村
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Abstract

【課題】高電圧電源用に定常的に高電圧を発生させることができる圧電トランスを提供する。
【解決手段】長手方向の一方に入力領域、他方に出力領域を有する矩形の圧電トランス100であって、nを3以上の自然数としたとき、圧電材料により形成され、出力領域120内で長手方向に連続して設けられる第1から第n−1の出力部141、142と、各出力部141、142のうち隣り合うもの同士の間に設けられる第1から第n−2の中間電極151と、出力領域120の長手方向端部に設けられる出力電極160と、を備え、入力領域110および各出力部141、142は、長手方向に全長をn等分した長さを有し、各出力部141、142は、長手方向に隣り合う出力部141、142の分極方向とは逆向きの分極方向を有する。これにより、圧電トランス100にn次の共振振動を発生させることで、定常的に高電圧を発生させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、長手方向の一方に入力領域、他方に出力領域を有する矩形の圧電トランスに関する。
圧電トランスは、共振振動を利用して昇圧する部品である。例えば、液晶バックライト点灯用インバータでは、入力される12V程度の電圧に対し、数kVの高電圧を発生させバックライト用のCCFLを点灯させる。そして、薄さが要求される液晶バックライト点灯用インバータの昇圧部品に、圧電トランスが用いられている。
また、小型でありながら材料固有の振動レベル限界よりも低い振動速度で十分な出力を得ることができる圧電トランスが提案されている(たとえば特許文献1参照)。特許文献1記載の圧電トランスは、長さ方向について4等分された第1から第4の領域が第1端から第2端までこの順序で配列されている矩形の圧電板と、圧電板の第1領域および第2領域に渡って設けられた2枚の平面電極(入力電極)と、圧電板の第3および第4の領域の境界部において幅方向に延在するように設けられた帯状の電極および第2端の端面上に設けられたアース用電極(出力電極)とを有している。そして、第1領域および第2領域は板厚の方向で同じ向きに分極されており、第3および第4の領域は板長の方向で互いに逆向きに分極されている(特許文献1の図7参照)。
特許第3978472号公報
しかしながら、上記のような従来の圧電トランスを高電圧電源に用いた場合、瞬間的には2kVrmsの高電圧を出力できても、定常的には1kVrmsを出力するのが限界である。圧電トランスは接続される負荷とほぼ同じ時に効率が良くなるため、圧電トランスの出力インピーダンスは数百kohm程度にしかならない。したがって、実際に負荷に電流が流れていなくても、出力インピーダンスには仮想的な2次電流が流れる。その結果、さらに高い電圧(例えば5kVrms)を出力しようとする場合、出力インピーダンスに流れる2次電流によって振動速度が大きくなり、圧電トランスの発熱や共振振動による振動応力による折損を招きうる。
これに対しては、出力側の静電容量を小さくすることで圧電トランスの出力インピーダンスを上げ、2次電流を下げて圧電トランスの振動速度を下げることができる。しかし、出力側の静電容量を小さくするためには、圧電トランスを細長くする必要がある。圧電トランスを細くすると本来の長手の共振振動以外のスプリアス振動が多く現れるため好ましくない。スプリアス振動は昇圧に寄与しない振動であり、効率の低下や折損を招く。したがって、従来の圧電トランスでは、定常的に高電圧を出力するのに限界がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、高電圧電源用に定常的に高電圧を発生させることができる圧電トランスを提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の圧電トランスは、長手方向の一方に入力領域、他方に出力領域を有する矩形の圧電トランスであって、nを3以上の自然数としたとき、圧電材料により形成され、前記出力領域内で長手方向に連続して設けられる第1から第n−1の出力部と、前記各出力部のうち隣り合うもの同士の間に設けられる第1から第n−2の中間電極と、前記出力領域の長手方向端部に設けられる出力電極と、を備え、前記入力領域および各出力部は、長手方向に全長をn等分した長さを有し、前記各出力部は、長手方向に隣り合う出力部の分極方向とは逆向きの分極方向を有することを特徴としている。
このように、本発明の圧電トランスでは、各出力部が長手方向に隣り合う出力部の分極方向とは逆向きの分極方向を有し、長手方向端部に設けられた出力電極から出力を得ている。これにより、圧電トランスを長手方向のn次の共振モードで振動させることで、高電圧電源用に定常的に高電圧を発生させることができる。
(2)また、本発明の圧電トランスは、長手方向の一方に入力領域、他方に出力領域を有する矩形の圧電トランスであって、圧電材料により形成され、前記出力領域内で長手方向に連続して設けられる第1および第2の出力部と、第1の出力部と第2の出力部との間に設けられる第1の中間電極と、前記出力領域の長手方向端部に設けられる出力電極と、を備え、前記入力領域および各出力部は、長手方向に全長を3等分した長さを有し、前記第1の出力部の分極方向は、第2の出力部の分極方向とは逆向きであることを特徴としている。
このように、本発明の圧電トランスでは、第1の出力部の分極方向と第2の出力部の分極方向とが逆向きであり、長手方向端部に設けられた出力電極から出力を得ている。これにより、圧電トランスを長手方向の3次の共振モードで振動させて、高電圧電源用に定常的に高電圧を発生させることができる。
(3)また、本発明の圧電トランスは、長手方向の一方に入力領域、他方に出力領域を有する矩形の圧電トランスであって、圧電材料により形成され、前記出力領域内で長手方向に連続して設けられる第1から第3の出力部と、前記各出力部のうち隣り合うもの同士の間に設けられる第1および第2の中間電極と、前記出力領域の長手方向端部に設けられる出力電極と、を備え、前記入力領域および各出力部は、長手方向に全長を4等分した長さを有し、前記各出力部は、長手方向に隣り合う出力部の分極方向とは逆向きの分極方向を有することを特徴としている。
このように、本発明の圧電トランスでは、第1の出力部の分極方向と第2の出力部の分極方向とが逆向きであり、第2の出力部の分極方向と第3の出力部の分極方向とが逆向きである。そして、長手方向端部に設けられた出力電極から出力を得ている。これにより、圧電トランスを長手方向の4次の共振モードで振動させて、高電圧電源用に定常的に高電圧を発生させることができる。
(4)また、本発明の圧電トランスは、全体を形成する圧電材料の31モードの周波数定数をN31とするとき、圧電トランスの長手方向の長さが(N31・n)/14000〔m〕以下であることを特徴としている。これにより、圧電トランスの共振周波数は可聴周波数域に入ることがなく、不快な音が発生しない。一方で、上記範囲内で圧電トランスを細長くし出力側の静電容量を小さくすることで圧電トランスの出力インピーダンスを上げ、2次電流を低減させて圧電トランスの振動速度を下げることができる。なお、高電圧電源用の圧電材料として好適と考えられるチタン酸鉛系の圧電材料の場合、N31は1300〜1800である。
本発明によれば、高電圧電源用に定常的に高電圧を発生する圧電トランスを提供することができる。
[第1の実施形態]
(圧電トランスの構成)
図1(a)は、圧電トランス100の斜視図である。図1(a)では、便宜上圧電トランス100の内部に設けられた電極も透視可能に表現している(以下、斜視図はすべて同様)。圧電トランス100は、長手方向の一方に入力領域110、他方に出力領域120を有し、板状すなわち矩形状に形成されている。入力領域110は、厚み方向に入力部と入力電極とが積層した構造を有している。入力部は圧電材料により形成されている。なお、昇圧比を稼ぐためには上記のような積層構造が好ましいが、積層構造は必須ではない。厚み方向に区分された入力部は、1層毎に逆方向になるように交互の方向に分極されている。
出力領域120内には、圧電材料により形成される第1の出力部141および第2の出力部142が長手方向に連続して設けられている。各出力部141、142は長手方向に分極処理されており、第1の出力部141の分極方向は、第2の出力部142の分極方向とは逆向きである。このような構造により、圧電トランス100を長手方向の3次の共振モードで振動させたときには、定常的に高電圧を発生させることができる。なお、たとえば、入力部や出力部141、142はPZT等の圧電材料により形成され、入力電極または出力電極はAg−Pd等の金属により形成されている。また、図示された矢印は、分極方向を示している(以下、同様)。
図1(a)に示すように、圧電トランス100は、長手方向に3等分に区分された構造を有している。すなわち、入力領域110および各出力部141、142の長手方向の長さは、それぞれ圧電トランス100の長手方向の全長Lを3等分した長さL/3である。第1の中間電極151は、第1の出力部141と第2の出力部142との間に設けられている。第1の中間電極151は、分極用の電極である。分極処理の詳細については後述する。なお、図1(a)に図示される第1の中間電極151は積層構造に形成されているが、単に圧電トランス100の表面に形成されていてもよい。出力電極160は、出力領域120の長手方向の端部に設けられる。図に示すように端面の一面に電極を設けるのが好ましい。
なお、圧電トランス100全体を形成する圧電材料の31モードの周波数定数をN31とするとき、圧電トランス100の長手方向の全長Lは3N31/14000〔m〕以下である。これにより、圧電トランス100の共振周波数は可聴周波数域に入ることがなく、不快な音が発生しない。一方で、上記範囲内で圧電トランスを細長くし出力側の静電容量を小さくすることで圧電トランス100の振動速度を下げ、折損を防止することができる。
(駆動方法)
次に、上記のように構成される圧電トランス100の駆動方法を説明する。まず、入力領域110で積層されている入力電極130のそれぞれを交互に接続して、この電極間に入力電圧を印加する。入力電圧として3λ/2モードの共振周波数の交流電圧を印加すると、圧電トランス100が3λ/2モードで共振振動する。第1の中間電極151は使用せずに、出力電極160から出力電圧を得る。なお、図中の入力電極130は、積層された電極の集合を指している。
図1(b)は、圧電トランス100を駆動させたときの応力分布を示すグラフである。図1(c)は、圧電トランス100を駆動させたときの電圧分布を示すグラフである。応力分布と分極方向の関係に応じて各出力部141、142に電界が発生し、発生した電界の長手方向の積分値が出力電圧となる。このとき出力電圧は、応力と分極方向の積に比例する値を積算したものとなる。このようにして、高電圧を効率よく、定常的に発生させることができる。
なお、図1(a)に示されるように、圧電トランス100の出力の静電容量は端面の出力電極160と入力領域110の間の容量となる。この構造では、入力領域110と出力電極160との距離を比較的大きくとれるため、出力側の静電容量を小さくし、出力インピーダンスを大きくすることができる。また、圧電トランス100を長くすることで出力側の静電容量を小さくする場合でも、λ/2モードやλモードより高次の3λ/2モードで動作させるため、共振周波数を比較的高くすることができる。その結果、共振周波数が可聴周波数域に入らない圧電トランス100を容易に設計できる。
(作製方法)
次に、圧電トランス100の作製方法の一例を説明する。まず、圧電材料を調整し、バインダーを混合して圧電材料シートを用意する。この圧電材料シートの所定の位置に、電極ペーストを印刷し、型抜きをする。この際には、長手方向の1/3の区分に入力電極用の印刷をし、残りの2/3を2等分する位置に中間電極用に電極ペーストを印刷する。型抜きされた圧電材料シートを所定枚数重ねて圧着し、焼成する。焼成体の入力領域110に設けられた入力電極130は、交互に接続するために、圧電トランス100の側面に接続用の外部電極(図示せず)を設ける。また、中間電極151については側面に外部電極(図示せず)を設けてすべてを接続することが好ましい。ただし、中間電極については、内部電極を設けることが好ましいが、必ずしも内部電極までを設ける必要はない。
焼成体に分極処理を行うことで、圧電トランス100が完成する。図2は、圧電トランス100の分極処理の際の配線を示す概略図である。図2に示すように、各出力部141、142に、長手方向に第1の中間電極151向きの電圧を印加し、分極処理を行う。これにより、各出力部141、142が長手方向について逆向きの分極方向を有する圧電トランスが完成する。なお、上記の作製方法例では入力領域110、出力部141、142等の各部を一体で作製しているが、各部を作製(焼成、分極)した後、接着することで圧電トランス100全体を作製してもよい。
[第2の実施形態]
(圧電トランスの構造)
図3(a)は、圧電トランス200の斜視図である。圧電トランス200は、長手方向の一方に入力領域210、他方に出力領域220を有し、板状すなわち矩形状に形成されている。入力領域210は、厚み方向に入力部と入力電極とが積層した構造を有している。積層した入力部は、1層毎に逆方向になるように交互の方向に分極されている。
出力領域220内には、圧電材料により形成される第1の出力部241、第2の出力部242、第3の出力部243が長手方向に連続して設けられている。各出力部241、242、243は長手方向に分極処理されており、各出力部は、長手方向に隣り合う出力部の分極方向とは逆向きの分極方向を有している。すなわち隣り合う第1と第2の出力部241、242、第2と第3の出力部242、243はそれぞれ互いに逆方向に分極されている。このような構造により、圧電トランス200を長手方向の4次の共振モードで振動させたときには、定常的に高電圧を発生させることができる。
図3(a)に示すように、圧電トランス200は、長手方向に4等分に区分された構造を有している。すなわち、入力領域210および各出力部241、242、243の長手方向の長さは、それぞれ圧電トランス200の長手方向の全長Lを4等分した長さL/4である。第1の中間電極251は、第1の出力部241と第2の出力部242との間に設けられている。第2の中間電極252は、第2の出力部242と第3の出力部243との間に設けられている。第1の中間電極251および第2の中間電極252は、分極用の電極である。出力電極260は、出力領域220の長手方向の端部に設けられる。なお、圧電トランス200全体を形成する圧電材料の31モードの周波数定数をN31とするとき、圧電トランスの長手方向の全長Lは4N31/14000〔m〕以下である。
(駆動方法)
次に、圧電トランス200の駆動方法を説明する。まず、入力電極230に2λモードの共振周波数の交流電圧を印加すると、圧電トランス200が2λモードで共振振動する。第1の中間電極251および第2の中間電極252は使用せずに、出力電極260から出力電圧を得る。なお、図中の入力電極230は、積層された電極の集合を指している。図3(b)は、圧電トランス200を駆動させたときの応力分布を示すグラフである。図3(c)は、圧電トランス200を駆動させたときの電圧分布を示すグラフである。応力分布と分極方向の関係に応じて出力電圧が発生する。
なお、図3(a)に示されるように、圧電トランス200の出力の静電容量は端面の出力電極260と入力領域210の間の容量となる。この構造では、入力領域210と出力電極260との距離を比較的大きくとれるため、出力側の静電容量を小さくし、出力インピーダンスを大きくすることができる。また、圧電トランス200を長くすることで出力側の静電容量を小さくする場合でも、λ/2モードやλモードより高次の2λモードで動作させるため、共振周波数を比較的高くすることができる。その結果、共振周波数が可聴周波数域に入らない圧電トランス200を容易に設計できる。
(作製方法)
圧電トランス200の作製方法は、圧電トランス100の作製方法とほぼ同じである。電極印刷の際には、長手方向の1/4の区分に入力電極用の印刷をし、残りの3/4を3等分する位置に中間電極用に電極ペーストを印刷する。また、たとえば焼成体の分極処理の際には、各出力部241、242、243に、第1の中間電極251向きの電圧および出力電極260向きの電圧を印加し、分極処理を行う。図4は、圧電トランス200の分極処理の際の配線を示す概略図である。なお、上記の作製方法例では入力領域210、出力部241、242、243等の各部を一体で作製しているが、各部を作製(焼成、分極)した後、接着することで圧電トランス200全体を作製してもよい。
[第3の実施形態]
(圧電トランスの構造)
図5(a)は、圧電トランス300の斜視図である。圧電トランス300は、長手方向の一方に入力領域310、他方に出力領域320を有し、板状すなわち矩形状に形成されている。入力領域310は、厚み方向に入力部と入力電極とが積層した構造を有している。積層した入力部は、1層毎に逆方向になるように交互の方向に分極されている。
出力領域320内には、圧電材料により形成される第1の出力部341、第2の出力部342、第3の出力部343、第4の出力部344が長手方向に連続して設けられている。各出力部341、342、343、344は長手方向に分極処理されており、各出力部は、長手方向に隣り合う出力部の分極方向とは逆向きの分極方向を有している。すなわち隣り合う第1と第2の出力部341、342、第2と第3の出力部342、343、第3と第4の出力部343、344はそれぞれ互いに逆方向に分極されている。このような構造により、圧電トランス300を長手方向の5次の共振モードで振動させたときには、定常的に高電圧を発生させることができる。
図5(a)に示すように、圧電トランス300は、長手方向に5等分に区分された構造を有している。すなわち、入力領域310および各出力部341、342、343、344の長手方向の長さは、それぞれ圧電トランス300の長手方向の全長Lを5等分した長さL/5である。第1の中間電極351は、第1の出力部341と第2の出力部342との間に設けられている。第2の中間電極352は、第2の出力部342と第3の出力部343との間に設けられている。第3の中間電極353は、第3の出力部343と第4の出力部344との間に設けられている。第1の中間電極351、第2の中間電極352および第3の中間電極353は、分極用の電極である。出力電極360は、出力領域320の長手方向の端部に設けられる。なお、圧電トランス300全体を形成する圧電材料の31モードの周波数定数をN31とするとき、圧電トランスの長手方向の全長Lは5N31/14000〔m〕以下である。
(駆動方法)
次に、圧電トランス300の駆動方法を説明する。まず、入力電極330に5λ/2モードの共振周波数の交流電圧を印加すると、圧電トランス300が5λ/2モードで共振振動する。第1の中間電極351、第2の中間電極352および第3の中間電極353は使用せずに、出力電極360から出力電圧を得る。なお、図中の入力電極330は、積層された電極の集合を指している。図5(b)は、圧電トランス300を駆動させたときの応力分布を示すグラフである。図5(c)は、圧電トランス300を駆動させたときの電圧分布を示すグラフである。応力分布と分極方向の関係に応じて出力電圧が発生する。
なお、図5(a)に示されるように、圧電トランス300の出力の静電容量は端面の出力電極360と入力領域310の間の容量となる。この構造では、入力領域310と出力電極360との距離を比較的大きくとれるため、出力側の静電容量を小さくし、出力インピーダンスを大きくすることができる。また、圧電トランス300を長くすることで出力側の静電容量を小さくする場合でも、λ/2モードやλモードより高次の5λ/2モードで動作させるため、共振周波数を比較的高くすることができる。その結果、共振周波数が可聴周波数域に入らない圧電トランス300を容易に設計できる。
(作製方法)
圧電トランス300の作製方法は、圧電トランス100または圧電トランス200の作製方法とほぼ同じである。電極印刷の際には、長手方向の1/5の区分に入力電極用の印刷をし、残りの4/5を4等分する位置に中間電極用に電極ペーストを印刷する。また、たとえば焼成体の分極処理の際には、各出力部341、342、343、344に、第1の中間電極351向きの電圧および出力電極360向きの電圧を印加し、分極処理を行う。なお、上記の作製方法例では入力領域310、出力部341、342、343、344等の各部を一体で作製しているが、各部を作製(焼成、分極)した後、接着することで圧電トランス300全体を作製してもよい。
上記の実施形態を集約すると、本発明に係る圧電トランスは、nを3以上の自然数としたとき、第1から第n−1の出力部と、第1から第n−2の中間電極と、出力領域の長手方向端部に設けられる出力電極と、を備えている。第1から第n−1の出力部は、出力領域内で長手方向に連続して形成されている。第1から第n−2の中間電極は、各出力部のうち隣り合うもの同士の間に設けられている。出力電極は、出力領域の長手方向端部に設けられている。そして、入力領域および各出力部は、長手方向に圧電トランスの全長Lをn等分した長さL/nを有している。また、各出力部は、長手方向に隣り合う出力部の分極方向とは逆向きの分極方向を有している。
なお、本発明に係る圧電トランス全体を形成する圧電材料の31モードの周波数定数をN31とするとき、圧電トランスの長手方向の全長Lは(N31・n)/14000〔m〕以下である。これにより、圧電トランスの共振周波数は可聴周波数域に入ることがなく、不快な音が発生しない。一方で、上記範囲内で圧電トランスを細長くし出力側の静電容量を小さくすることで圧電トランスの振動速度を下げ、折損を防止することができる。また、以上の実施形態では、圧電トランスの各部の寸法を特定しているが、この寸法は必ずしも厳密に一致している必要はなく、本発明の作用が得られる範囲内のものを含みうる。
実施形態1に係る圧電トランスの(a)斜視図、(b)駆動時の応力分布を示すグラフ、(c)駆動時の電圧分布を示すグラフである。 実施形態1に係る圧電トランスの分極処理の際の配線を示す概略図である。 実施形態2に係る圧電トランスの(a)斜視図、(b)駆動時の応力分布を示すグラフ、(c)駆動時の電圧分布を示すグラフである。 実施形態2に係る圧電トランスの分極処理の際の配線を示す概略図である。 実施形態3に係る圧電トランスの(a)斜視図、(b)駆動時の応力分布を示すグラフ、(c)駆動時の電圧分布を示すグラフである。
符号の説明
100、200、300 圧電トランス
110、210、310 入力領域
120、220、320 出力領域
130、230、330 入力電極
141、142、241、242、243、341、342、343、344 出力部
151、251、252、351、352、353 中間電極
160、260、360 出力電極

Claims (4)

  1. 長手方向の一方に入力領域、他方に出力領域を有する矩形の圧電トランスであって、
    nを3以上の自然数としたとき、圧電材料により形成され、前記出力領域内で長手方向に連続して設けられる第1から第n−1の出力部と、
    前記各出力部のうち隣り合うもの同士の間に設けられる第1から第n−2の中間電極と、
    前記出力領域の長手方向端部に設けられる出力電極と、を備え、
    前記入力領域および各出力部は、長手方向に全長をn等分した長さを有し、
    前記各出力部は、長手方向に隣り合う出力部の分極方向とは逆向きの分極方向を有することを特徴とする圧電トランス。
  2. 長手方向の一方に入力領域、他方に出力領域を有する矩形の圧電トランスであって、
    圧電材料により形成され、前記出力領域内で長手方向に連続して設けられる第1および第2の出力部と、
    第1の出力部と第2の出力部との間に設けられる第1の中間電極と、
    前記出力領域の長手方向端部に設けられる出力電極と、を備え、
    前記入力領域および各出力部は、長手方向に全長を3等分した長さを有し、
    前記第1の出力部の分極方向は、第2の出力部の分極方向とは逆向きであることを特徴とする圧電トランス。
  3. 長手方向の一方に入力領域、他方に出力領域を有する矩形の圧電トランスであって、
    圧電材料により形成され、前記出力領域内で長手方向に連続して設けられる第1から第3の出力部と、
    前記各出力部のうち隣り合うもの同士の間に設けられる第1および第2の中間電極と、
    前記出力領域の長手方向端部に設けられる出力電極と、を備え、
    前記入力領域および各出力部は、長手方向に全長を4等分した長さを有し、
    前記各出力部は、長手方向に隣り合う出力部の分極方向とは逆向きの分極方向を有することを特徴とする圧電トランス。
  4. 全体を形成する圧電材料の31モードの周波数定数をN31とするとき、圧電トランスの長手方向の長さが(N31・n)/14000〔m〕以下であることを特徴とする請求項1に記載の圧電トランス。
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