JP2005005683A - 圧電トランスとそれを用いた電源回路及び照明装置 - Google Patents

圧電トランスとそれを用いた電源回路及び照明装置 Download PDF

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宏 中塚
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克 武田
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Abstract

【課題】 小型化および大出力化を図ることができるように改良された圧電トランスを提供する。
【解決手段】 圧電トランスは、長さ方向の寸法が幅方向の寸法よりも長く、長さ方向および幅方向に直交する方向が厚み方向になる、圧電材料を主成分とする矩形板を備える。駆動部と発電部の一方となる低インピーダンス部と、駆動部と発電部の他方となる高インピーダンス部とが、矩形板中に幅方向に並んで設けられている。当該圧電トランスは、幅方向縦振動モードにより駆動される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、一般に圧電トランスに関するものであり、より特定的には、小型化および大出力化を図ることができるように改良された圧電トランスに関する。
本発明は、またそのような圧電トランスを備える電源回路に関する。本発明は、さらにそのような圧電トランスを備える照明装置に関する。
近年、電子装置の電源回路を小型化するため、スイッチング電源には圧電トランスが用いられている。
図25は、大出力(大電流)用途に使用するために提案されている第1の従来例である、円板の径方向拡がり3次振動モードを用いた圧電トランスの概略平面図である(例えば特許文献1参照)。
図26(A)は図25のXXVIA−XXVIA線に沿う断面図であり、又、図26(B)と図26(C)は、夫々、図25の公知の圧電トランスの応力分布と円板の径方向拡がり3次振動モードの振動変位分布を示す。
これらの図を参照して、圧電セラミック円板10の径方向中心部分において、厚み方向に複数の電極14が積層され、高インピーダンス部12が形成されている。高インピーダンス部12の外側に電極を有しない絶縁環状部分15が形成され、さらにその外側に、厚み方向に複数の電極13が積層されてなる低インピーダンス部11が形成されている。
低インピーダンス部11および高インピーダンス部12において圧電性を付与するため、分極処理が行われている。厚み方向で隣接する各層の分極方向(図において矢印で示す)は、互いに逆向きである。
例えば降圧を目的とし、a,bを電気入力端子とし、c,dを出力端子とすると、高インピーダンス部12が駆動部分となり、低インピーダンス部11が発電部となる。電気入力端子a,bから交流電圧を印加した場合、圧電トランスは3次径拡がり振動が励振されると同時に、出力端子c,dから降圧された交流電圧を取り出すことができる。
しかし、上記従来例の場合、圧電セラミック円板10の中心円部分に位置する高インピーダンス部12において電極14の積層数を、圧電セラミック円板の外周部に位置する低インピーダンス部11の電極13と同レベルに増やすと電気接続が困難となり、電気接続構造が複雑になるという問題点があった。したがって、上記従来例の場合、電極14の積層化が困難であった。
このため、電気接続が容易で、かつ電極の積層化が容易な他の圧電トランスが提案されている(例えば特許文献2参照)。
図27は、この第2の従来例にかかる圧電トランスの平面図であり、図28(A)は、図27のXXVIIIA−XXVIIIA線に沿う断面図である。図28(B)と図28(C)は、夫々、図27の従来の圧電トランスにおいて輪郭拡がり1次振動モードを利用した場合の応力分布と変位分布を示す。
図27に示すように、従来の圧電トランスは、正方形状に形成された圧電板20を含む。従来の圧電トランスは、絶縁部26によって厚み方向に2分割され、それぞれに駆動部21、発電部22が形成されている。駆動部21および発電部22の各々において、電極層25と圧電体層29が交互に積層されている。圧電体層29には圧電性を付与するため、分極処理が行われている。厚み方向で隣接する各圧電体層29の分極方向は、図28(A)の矢印で示すように、互いに逆向きである。電極層25と圧電体層29の積層は、周知のセラミック積層技術によって行われる。
駆動部21において、電極層25は、圧電板20の両外側側面の一方で一つ置きに外部電極23Lに接続されると共に、外部電極23Lは端子24Lにはんだ付けされる。残りの電極層25は、圧電板20の両外側側面の他方で外部電極23Rに接続されると共に、外部電極23Rは端子24Rにはんだ付けされる。
同様に、発電部22において、電極層25は、圧電板20の別の両外側側面の一方で一つ置きに外部電極27Uに接続されると共に、外部電極27Uは端子28Uにはんだ付けされる。残りの電極層25は、圧電板20の別の両外側側面の他方で外部電極27Dに接続されると共に、外部電極27Dは端子28Dにはんだ付けされる。
図27の従来の圧電トランスにおいて、駆動部21に交流電圧を印加した場合、輪郭拡がり振動が励振され、発電部22から降圧された交流電圧を取り出すことができる。
特開平4−167504号公報 特開平11−145527号公報
以上説明した通り、図25の第1の従来の圧電トランスは、電気接続構造が複雑となり、また、電極を積層することが困難であり、製造が容易でないという問題があった。
一方、図27の第2の従来の圧電トランスは、周知のセラミック積層技術によって、容易に製造できる。また、圧電板20の外側側面上で電気接続を行うので、電気接続構造が複雑にならない。しかしながら、図27と図28(C)に示すように、外部電極23R、23L、27U、27Dが振動変位の大きいところに形成されるため、ハンダ接続部の信頼性低下および振動損失による効率の低下という問題点があった。
それゆえに、本発明は、従来技術の上記のような問題点を解決するためになされたもので、信頼性が高く、かつ大出力化が可能になるように改良された圧電トランスを提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、電極の積層化が容易にできるように改良された圧電トランスを提供することにある。
本発明の他の目的は、高い実効的電気機械結合係数が得られるように改良された圧電トランスを提供することにある。
本発明の他の目的は、そのような圧電トランスを備えた電源回路を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、そのような圧電トランスを備えた照明装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の圧電トランスは、長さ方向の寸法が幅方向の寸法よりも長く、長さ方向および幅方向に直交する方向が厚み方向になる、圧電材料を主成分とする矩形板と、前記矩形板中に前記幅方向に並んで設けられて、夫々、駆動部と発電部の一方及び他方となる低インピーダンス部及び高インピーダンス部とを備えて、幅方向縦振動モードにより駆動される。
本発明にかかる圧電トランスによれば、幅方向縦振動モードにより駆動するので、長さ方向縦振動モードで駆動する場合より、高い実効的電気機械結合係数を得ることができる。このため圧電トランスが扱う単位体積あたりの電力、すなわち電力密度が大きくなり大出力化が可能となるという効果を奏する。
本発明の他の局面にかかる電源回路および照明装置によれば、信頼性が高く、大出力が可能な圧電トランスを用いるため、小型化が図れるとともに、大きな電力を扱うことができる。
以下に、本発明の各実施の形態を図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる圧電トランス50Aの斜視図である。図2は図1のII−II線に沿う断面図であり、図3は圧電トランス50Aの平面図である。
これらの図を参照して、本実施の形態における圧電トランス50Aは、圧電材料を主成分とする矩形板1を含む。図1にx軸、y軸とz軸を有する直交座標を設定すれば、x軸方向、y軸方向とz軸方向は、夫々、矩形板1の幅方向、長さ方向と厚み方向に対応する。矩形板1において、長さ方向(y軸方向)の寸法は、幅方向(x軸方向)の寸法よりも長い一方、長さ方向(y軸方向)および幅方向(x軸方向)に直交する方向が厚み方向(z軸方向)になる。図3に示す矩形板1の長さ方向(y軸方向)の寸法Lと幅方向(x軸方向)の寸法Wの比率は、1.08以上1.65以下にされている。これについては後述する。
矩形板1中に、駆動部と発電部の一方となる低インピーダンス部2と、駆動部と発電部の他方となる高インピーダンス部3が幅方向(x軸方向)に並んで設けられている。図2及び図3に示すように、低インピーダンス部2は、駆動部側の電極7と共通電極9を含み、高インピーダンス部3は発電部側の電極8と共通電極9を含む。両者のインピーダンスの比の調整は、駆動部側の電極7の面積と発電部側の電極8の面積の比を変えることによって行われる。
矩形板1は、圧電性を持たせるために厚み方向に分極されている。図2における矢印は矩形板1の分極方向を表す。分極処理は、矩形板1に直流強電界を加えることによって行われ、これによって内部の電気双極子が一定方向に揃えられる。矩形板1は圧電体35からなり、圧電体35としては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電セラミック材料が用いられる。また、圧電体35として、分極処理を必要としない圧電単結晶を用いることもできる。
次に、圧電トランス50Aの動作について説明する。図1乃至図3において、圧電トランス50Aに、幅方向λ/2縦振動モード(λは1波長を表す)(k31´の振動モード)の機械的振動を励振させる。具体的には、図2中のa、bを入力端子として、駆動部側の電極7と共通電極9との間に、交流電源31により、矩形板1の幅Wによって決定される共振周波数fの近傍の周波数を有する交流電圧を印加する。ここで、共振周波数fは、f=c/2W(cは圧電トランス50Aの内部の音速)で計算される。これによって、圧電トランス50Aの幅方向に伸縮する縦振動が励振される。
なお、k31´の振動モードとは、厚み方向に電界を印加し、幅方向に振動する圧電横効果の縦振動モードをいい、これは、厚み方向に電界を印加し、長さ方向に振動する圧電横効果の縦振動モードであるk31の振動モードとは区別される。ここで、圧電横効果とは、分極方向に電気信号を加えると、それと垂直方向に歪み、応力を生じさせる効果をいう。
図3の右側の線図は、圧電トランス50Aが、幅方向(x軸方向)に、λ/2縦振動モードの伸縮振動をしている時の、ある時点の幅方向の変位分布を示す。曲線gで示す振動形態と、曲線hで示す振動形態とを繰り返すように、幅方向(x軸方向)に矩形板1が振動する。図3の線図において、+の方向を図2における圧電トランス50Aの幅方向右側への変位とすると、−の方向は図2の幅方向左側への変位となる。
この機械的な振動が圧電効果によって電圧に変換され、出力端子c、dから変換された交流電圧を取り出すことができる。
この場合に入力電圧と出力電圧の比は、低インピーダンス部2と高インピーダンス部3のインピーダンスの比に対応する。ここでは、駆動部側の電極7の面積と発電部側の電極8の面積の比に対応する。
次に、図1と図4を参照して、矩形板1の長さLと幅Wの比率を変えた場合の、実効的電気機械結合係数keffの変化を調べた結果について説明する。
ここで実効的電気機械結合係数keffについて説明しておく。圧電トランスの場合、1つの振動子において入力部、出力部を構成するため、与えられた電気エネルギーの内、弾性エネルギーとなる割合が減少する。そこで、振動子が持つ電気機械結合係数(理想的な振動子に与えた電気エネルギーの内、弾性エネルギーとなる割合)ではなく、振動モードと構造によって決定される結合係数を考える必要があり、これを本明細書では実効的電気機械結合係数keffと定義する。
図4は、矩形板1の長さLの幅Wに対する比率と実効的電気機械結合係数keffの関係を示したグラフである。圧電トランス50Aにおいて、低インピーダンス部2と高インピーダンス部3は、夫々、矩形板1の半分の領域に形成されている。図4において、実線は、本実施の形態に係る圧電トランス50Aが幅方向λ/2縦振動モード(k31´の振動モード)で振動した場合の実効的電気機械結合係数keffの最大値を示す。圧電トランス50Aを従来の長さ方向λ/2縦振動モードで振動させた場合には、実効的電気機械結合係数keffは、図4の破線で示すように0.35にまで及ばない。
図4より明らかなように、矩形板1の長さLの幅Wに対する比率を、1.08以上1.65以下の範囲に選ぶことにより、実効的電気機械結合係数keffを0.35より大きくすることができる。したがって、高い実効的電気機械結合係数keffを得るためには、矩形板1の長さLの幅Wに対する比率は、1.08以上1.65以下にすることが好ましい。
このように、圧電トランス50Aを幅方向縦振動モード(k31´の振動モード)により駆動すると、長さ方向縦振動モード(k31の振動モード)で駆動する場合より高い実効的電気機械結合係数を得ることができた。この現象は、以下のように解釈することができる。
同じ矩形板であっても、励振させる振動モードを変えることにより、振動子としての、振動のしやすさが異なることがある。「Physical Acoustic−Principles and Methods」(W.P.Mason著)によれば、例えば、同じ矩形板を長さ方向縦振動モードで振動させた場合と幅方向縦振動モードで振動させた場合とでは、振動しやすさが異なることがある。矩形板を長さ方向縦振動モードで振動させた場合、矩形板は、長さ方向の振動を行うと同時に、幅方向にも歪みが発生する。そのため、矩形板の幅方向に振動エネルギーが分散される。一方、矩形板を幅方向縦振動モードで振動させた場合、矩形板は、幅方向の振動を行っても長さ方向の歪みは発生しない。よって、矩形板の長さ方向に振動エネルギーが分散されない。
したがって、矩形板を幅方向縦振動モードで振動させた場合は、長さ方向縦振動モードで振動させた場合より、より高い実効的電気機械結合係数keffが得られる。実効的電気機械結合係数keffが高いと、圧電効果により弾性エネルギーを有効に電気エネルギーに変換することができる。また、入力した電気エネルギーを逆圧電効果により有効に弾性エネルギーに変換することができる。このため、圧電トランスが扱う単位体積あたりの電力、すなわち電力密度が大きくなり、大出力化が可能となる。また、効率も向上する。本発明者の実験の結果、本実施の形態の幅方向縦振動モードと従来の長さ方向縦振動モードにおいて、同じ振動速度での出力電力は、夫々、25Wと10Wであった。電力密度で比較を行うと、本実施の形態の幅方向縦振動モードでは18W/ccであり、従来の長さ方向縦振動モードの場合(12W/cc)の約1.5倍であった。また、電流密度は、本実施の形態の幅方向縦振動モードでは90mA/cm2が得られ、従来の長さ方向縦振動モードの場合(40mA/cm2)の約2倍となった。
次に、図1乃至図3を再び参照して、圧電トランス50Aを支持する支持部材32について説明する。支持部材32は、矩形板1を上記幅方向λ/2縦振動モード(1次モード)で振動させた際の振動の節部付近で、圧電トランス50Aを支持している。
圧電トランス50Aを、振動の節部付近で支持部材32で支持することにより、支持部材32は、振動を阻害することなく圧電トランス50Aを支持及び固定する。
また、低インピーダンス部2における電気接続と高インピーダンス部3における電気接続は、矩形板1を幅方向λ/2縦振動モードで振動させた際の振動の節部付近で行うように構成されている。
振動の節部付近は振動しないので、圧電トランス50Aにおける電気接続部の信頼性が向上する。
図5は、圧電トランス50Aの変形例にかかる圧電トランス50A’を示す図である。
圧電トランス50A’においては、圧電トランス50Aの下面の共通電極9が二つの電極9aと9bに、互いに隙間ができるように、電気的に分離されている。下面の電極9aと9bに電気的に分離されているので、駆動部側の電極7と電極9aの間に、ノイズの多い信号が導入されても、そのノイズは、発電部側の電極8と電極9bの間で取り出されない。
また、圧電トランス50Aと同様に、矩形板1の下面上に共通電極9が全面に形成されている場合には、振動変位の節部は図7(B)に示すように点になる。したがって、この比較例では、振動を阻害することなく、支持部材32が圧電トランス50Aを支持するためには、支持部材32は振動の節部の一点で圧電トランス50Aを支持する必要があり、少しでも支持部材32と矩形板1の接触面積を大きくすると振動を阻害する。
一方、圧電トランス50A’についての図7(A)では、矩形板1の下面上に形成される共通電極9を、電極9aと9bの二つに分割し、これらを離して形成することにより、振動変位の節部を平坦にすることができる。したがって、この振動変位の節部の平坦な部分に、支持部材32を接触させることができるので、支持部材32と矩形板1の接触面積を大きくとることができ、ひいては、支持部材32は、振動を阻害することなく、圧電トランス50A’を安定に支持することができる。
(実施の形態2)
図8は、本発明の実施の形態2にかかる圧電トランス50Bの斜視図である。図9は、圧電トランス50Bの正面図である。図10(A)、図10(B)と図10(C)は、それぞれ、図8のXA−XA線、XB−XB線とXC−XC線に沿う断面図である。
本実施の形態にかかる圧電トランス50Bにおいては、矩形板1は、幅方向(x軸方向)に並ぶ第1半分領域と第2半分領域とに略2等分されている。低インピーダンス部2は、矩形板1の第1半分領域に設けられている。高インピーダンス部3は、矩形板1の第2半分領域に設けられている。図9に示すように、圧電トランス50Bの矩形板1も、長さLと幅Wを有する。
図8と図10(B)に示すように、低インピーダンス部2では、厚み方向(z軸方向)に電極層7と圧電体層35が交互に積層されて、駆動部を形成する。電極層7は、矩形板1の両側壁面の一方上で一つ置きに側部電極33に接続されている。残りの電極層7は、矩形板1の両側壁面の他方上で側部電極36に接続されている。側部電極33と側部電極36はそれぞれ端子aと端子bに接続されている。
同様に、図8と図10(C)に示すように、高インピーダンス部3では、厚み方向(z軸方向)に電極層8と圧電体層35が交互に積層されて、発電部を形成する。電極層8は、矩形板1の上記両側壁面の上記一方上で一つ置きに側部電極34に接続されている。残りの電極層8は、矩形板1の上記両側壁面の上記他方上で側部電極37に接続されている。側部電極34と側部電極37は、それぞれ端子cと端子dに接続されている。
よって、低インピーダンス部2の側部電極33と高インピーダンス部3の側部電極34は、矩形板1の両側壁面の一方上で幅方向(x軸方向)に並んでいる一方、低インピーダンス部2の側部電極36と高インピーダンス部3の側部電極37は、矩形板1の両側壁面の他方上で幅方向(x軸方向)に並んでいる。
矩形板1中の圧電体層35は、圧電性を持たせるために厚み方向(z軸方向)に分極されている。図10(A)、図10(B)と図10(C)における矢印は分極方向を表す。駆動部と発電部において、厚み方向(z軸方向)に隣り合う各圧電体層35の分極方向はすべて互いに逆向きにされている。
次に、本実施の形態に係る圧電トランス50Bの動作について説明する。図8および図9を参照して、圧電トランス50Bに幅方向縦振動2次モード(k31´)の機械的振動を励振させる。具体的には、図10(B)中のa、bを入力端子として、矩形板1の幅Wによって決定される共振周波数fの近傍の周波数を有する交流電圧を印加する。ここで、共振周波数fは、f=c/W(cは圧電トランス50Bの内部の音速)で計算される。これによって、圧電トランス50Bの幅方向(x軸方向)に伸縮する縦振動が励振される。
図9の右側の線図は、圧電トランス50Bが、幅方向縦振動2次モードの伸縮振動をしている時の、ある時点の幅方向の変位分布を示す。曲線iで示す振動形態と、曲線jで示す振動形態とを繰り返すように、幅方向(x軸方向)に矩形板1が振動する。図9の線図において、+の方向を図8における圧電トランス50Bの幅方向右側への変位とすると、−の方向は図8の幅方向左側への変位となる。
この機械的な振動が圧電効果によって電圧に変換され、図10(C)に示す出力端子c、dから変換された交流電圧を取り出すことができる。
この場合に入力電圧と出力電圧の比は、低インピーダンス部2と高インピーダンス部3のインピーダンスの比に対応する。ここで、低インピーダンス部2のインピーダンスは、駆動部側の電極層7の積層数に依存し、高インピーダンス部3のインピーダンスは、発電部側の電極層8の積層数に依存する。
本実施の形態によれば、実施の形態1と同様に、圧電トランス50Bを、幅方向縦振動モード(k31´の振動モード)で振動させるので、長さ方向縦振動モード(k31の振動モード)で振動させた場合より、入力した電気エネルギーを有効に弾性エネルギーに変換することができ、より高い実効的電気機械結合係数keffが得られる。このため圧電トランス50Bが扱う単位体積あたりの電力、すなわち電力密度が大きくなり大出力化が可能となる。
また、本実施の形態では、幅方向縦振動2次モードを用いているので、1次モード(幅方向λ/2縦振動モード)を用いる場合に比べて、圧電トランス50Bの機械的振動の振幅が小さくなり、弾性歪みが抑制される。また、駆動周波数が高くなり、単位時間当たりの振動回数が増えることにより、圧電トランス50Bは、大きな電力を扱うことができる。図11は、圧電トランス50Bにおける全幅に対する入力電極の幅の比と電気機械結合特性の関係を示すグラフである。図11において、横軸は、圧電トランス50Bにおける全幅に対する入力電極の幅の比を示す一方、縦軸は、電気機械結合特性として、圧電トランス50Bにおいて入力側の実効的電気機械結合係数keff(in)と出力側の実効的電気機械結合係数keff(out)の積、即ち{keff(in)xkeff(out)}を示す。図11から、圧電トランス50Bの全幅に対する入力電極の幅の比が0.16から0.84の範囲内にあれば、電気機械結合特性{keff(in)xkeff(out)}が従来例の0.066よりも大きく、大出力化することが可能であることが明らかである。
また、駆動部側の電極層7と圧電体層35が交互に積層して構成され、駆動部側の電極層7がそれぞれ並列に電気的接続されているので、駆動部側の電極層7の総面積が大きくなる。さらに、発電部側の電極層8と圧電体層35が交互に積層して構成され、発電部側の電極層8が並列に電気的接続されているので、発電部側の電極層8の総面積も大きくなる。したがって、圧電トランス50Bは、より多くの電流を扱うことができるようになる。
さらに、図9を参照して、取り出し電極33,34,36,37はいずれも、矩形板1が、幅方向縦振動2次モードの伸縮振動をする際の振動の節部付近に配置されており、振動の影響を受けないので、圧電トランス50Bの電気接続部の信頼性が向上する。
なお、本実施の形態においては、低インピーダンス2側を駆動部側とし、高インピーダンス3側を発電部側として用いた場合を例示したが、低インピーダンス2側を発電部側とし、高インピーダンス3側を駆動部側として用いてもよい。
(実施の形態3)
図12は、本発明の実施の形態3にかかる圧電トランス50Cの斜視図である。図13(A)と図13(B)は、夫々、図12のXIIIA−XIIIA線とXIIIB−XIIIB線に沿う断面図である。
これらの図を参照して、圧電トランス50Cは、圧電材料を主成分とする矩形板1を含む。矩形板1において、長さ方向(y軸方向)の寸法は幅方向(x軸方向)の寸法よりも長い。長さ方向(y軸方向)および幅方向(x軸方向)に直交する方向が厚み方向になる。矩形板1の長さ方向(y軸方向)の寸法と幅方向(x軸方向)の寸法の比率は、1.08以上1.65以下にされている。
矩形板1は、駆動部と発電部の一方となる低インピーダンス部2と駆動部と発電部の他方となる高インピーダンス部3に絶縁部42によって厚み方向に分割され、低インピーダンス部2と高インピーダンス部3は、矩形板1の厚み方向に並んで積層されている。
低インピーダンス部2では、厚み方向に電極層7と圧電体層35が交互に積層されて、駆動部を形成する。電極層7は、矩形板1の両側壁面の一方上で一つ置きに側部電極33に接続され、側部電極33は端子aに接続されている。残りの電極層7は、矩形板1の両側壁面の他方上で側部電極36に接続され、側部電極36は端子bに接続されている。
高インピーダンス部3は、低インピーダンス部2よりも電極層の積層数が少なく、一対の電極層8が圧電体層35を挟んで、発電部を形成する。一方の電極層8は、矩形板1の上記両側壁面の上記他方上で側部電極37に接続され、側部電極37は端子cに接続されている。他方の電極層8は、端子dに接続されている。
矩形板1中の圧電体層35は、圧電性を持たせるために厚み方向(z軸方向)に分極されている。図13(A)と図13(B)における矢印は分極方向を表す。低インピーダンス部2において、厚み方向(z軸方向)に隣り合う各圧電体層35の分極方向は互いに逆向きにされている。
圧電トランス50Cは、実施の形態1の圧電トランス50Aと同様に、幅方向λ/2縦振動モード(1次モード)で駆動される。
本実施の形態によれば、圧電トランス50Cを、幅方向縦振動1次モードで振動させるので、長さ方向縦振動モード(k31の振動モード)で振動させた場合より、入力した電気エネルギーを有効に弾性エネルギーに変換することができ、より高い実効的電気機械結合係数keffが得られる。このため圧電トランス50Cが扱う単位体積あたりの電力、すなわち電力密度が大きくなり大出力化が可能となる。
また、低インピーダンス部2と高インピーダンス部3が厚み方向(z軸方向)に並んで積層される構造なので、圧電トランス50Cは、周知のセラミック積層技術によって容易に製造できる。また、矩形板1の長さと幅を確保したままで、低インピーダンス部2と高インピーダンス部3を矩形板1の厚み方向(z軸方向)に積層するので、矩形板1の幅の設計に余裕ができ、実効的電気機械結合係数はそのままにして、電極面積を大きくする(低インピーダンス化する)ことができるから、圧電トランス50Cを、大電流を必要とする装置に適用することができる。
なお、本実施の形態においては、低インピーダンス2側を駆動部側とし、高インピーダンス3側を発電部側として用いた場合を例示したが、低インピーダンス2側を発電部側とし、高インピーダンス3側を駆動部側として用いてもよい。
図14と図15(A)及び図15(B)は、圧電トランス50Cの変形例にかかる圧電トランス50C’を示す。圧電トランス50C’は以下の点を除いて、圧電トランス50Cと同じであるので、同一部分には同一の参照番号を付し、その説明を繰り返さない。
圧電トランス50C’においては、圧電トランス50Cと異なり、低インピーダンス部2と高インピーダンス部3との間に絶縁部42が存在しない。低インピーダンス部2では、厚み方向に電極層7と圧電体層35が交互に積層されて、駆動部を形成する。高インピーダンス部3では、電極層7と電極層8が圧電体層35を挟んで、発電部を形成する。すなわち、電極層7が共通電極として使用されている。端子aとbが駆動部に使用される一方、端子aとdが発電部に使用される。このように構成することにより、圧電トランス50C’の構造が単純化される。
なお、圧電トランス50C’においても、低インピーダンス2側を発電部側とし、高インピーダンス3側を駆動部側として用いてもよい。
(実施の形態4)
図16は、本発明の実施の形態4にかかる圧電トランス50Dの斜視図である。図17(A)は、図16におけるXVIIA−XVIIA線に沿う断面図である。図17(B)、図17(B)と図17(C)は、夫々、圧電トランス15Dにおける振動の変位分布、応力分布と電荷分布を示す。図18は、図16のXVIII−XVIII線に沿う断面図である。
本実施の形態における圧電トランス50Dは、実施の形態1に係る圧電トランス50Aと同様に、圧電材料を主成分とする矩形板1を含み、矩形板1の長さは幅よりも長く、矩形板1の長さと幅の比率は、1.08以上1.65以下にされている。
本実施の形態にかかる圧電トランス50Dが実施の形態3に係る圧電トランス50Cと異なる点は、圧電トランス50Cの幅方向縦振動1次モードでの駆動に対して、圧電トランス50Dが幅方向縦振動2次モードで駆動される点である。そのため、圧電トランス50Dの構造が実施の形態3に係る圧電トランス50Cと若干異なる。これについて、説明する。
図16乃至図18を参照して、圧電トランス50Dは、低インピーダンス部2と高インピーダンス部3とを備える。低インピーダンス部2と高インピーダンス部3は、絶縁部42により分離されている。
低インピーダンス部2は、圧電体層35を間に介在させて厚み方向に積層された、該低インピーダンス部2への電流の一方の出入口である第1の端子aに電気的接続された第1の電極層7と、該低インピーダンス部2への電流の他方の出入口である第2の端子bに電気的接続された第2の電極層47と、を含む。積層された第1の電極層7は、矩形板1の両側壁面の各々に形成された側部電極61に接続されている。第2の電極層47は、矩形板1の別の両側壁面の一方に形成された側部電極60に接続されている。側部電極60は、圧電トランス50Dの幅方向縦振動2次モードにおける振動の節部付近に配置されている。
少なくとも第1の電極層7は、圧電トランス50Dを幅方向縦振動2次モードで駆動させた際に誘起される電荷分布において電荷の極性が変わる部分に対応する位置で切れ目45ができるように、幅方向に並ぶ2つの部分7aと7bに分割されている。図17(A)に示すように、分割されてなる第1の電極層7の一方部分7aとその下の第2の電極層47の間に位置する圧電体層35の第1厚み部分35aと、分割されてなる上記第1の電極層7の他方部分7bとその下の第2の電極層47の間に位置する圧電体層35の第2厚み部分35bとは、厚み方向において互いに逆向きになるように分極処理されている。
図17(A)に示すように、高インピーダンス3は、圧電体層35を介在させて設けられた、端子cに接続された電極層48と、端子dに接続された電極層8aと電極層8bとを含む。
本実施の形態では、図17(A)に示すように、少なくとも第1の電極層7は、圧電トランス50Dを幅方向縦振動2次モードで駆動させた際に誘起される電荷分布において電荷の極性が変わる部分に対応する位置で切れ目45ができるように、幅方向に並ぶ2つの部分7aと7bに分割されている。
圧電トランス50Dを幅方向縦振動2次モードで駆動すると、図17(D)に示すように、第1の電極層7の一方部分7aの側において誘起される電荷の極性と、他方部分7bの側において誘起される電荷の極性は互いに異なるようになる。しかしながら、上記したように、分割されてなる第1の電極層7の一方部分7aと第2の電極層47の間に位置する圧電体層35の第1厚み部分35aと、分割されてなる第1の電極層7の他方部分7bと第2の電極層47の間に位置する圧電体層35の第2厚み部分35bとは、厚み方向において互いに逆向きになるように分極処理されているため、一方部分7aと他方部分7bにおいて電荷の位相が180°ずれるので、一方部分7aにおける電荷と他方部分7bにおける電荷は打ち消し合わない。そのため、圧電トランス50Dにおいては、効率の低下を招くことなく、大きな電力を扱うことができる。
(実施の形態5)
図19は、本発明の実施の形態5にかかる圧電トランス50Eの斜視図である。圧電トランス50Eは、実施の形態1乃至4の圧電トランス50A〜50Dのいずれか、例えば、実施の形態1の圧電トランス50Aとして働く圧電トランス本体50’と、圧電トランス本体50’の下面全体に接合された金属矩形板55を備える。
例えば、圧電トランス本体50’と金属矩形板55の厚さを、圧電トランス50Eの最大歪みが金属矩形板55の内部で生成されるように設定する。このような設定を行った場合、圧電トランス本体50’を形成する圧電体よりも大きな歪みに耐えることが可能な金属製の矩形板55内で最大歪みが生成されるため、圧電トランス50Eは、圧電体単体で形成された圧電トランス(実施の形態1乃至4の圧電トランス50A〜50Dのいずれか)よりも大振幅での動作が可能となる。この結果、本実施の形態の圧電トランス50Eは、より大きな電力を扱うことが可能となる。
なお、本実施の形態では、金属矩形板55を用いたが、本発明はこれに限られるものでなく、金属以外の材料が圧電トランス本体50’の圧電体よりも大きな歪みに耐えることができれば、その材料からなる矩形板で金属矩形板55を置換してもよいことはいうまでもない。
(実施の形態6)
図20は、本発明の実施の形態6にかかる圧電トランスユニット100の断面図である。
圧電トランスユニット100は、圧電トランス50と、圧電トランス50を支持するための、導電性弾性体で形成された支持部材40を備える。ここで用いられている圧電トランス50は、例えば、実施の形態1に係る圧電トランス50Aであり、幅方向λ/2縦振動モード(1次モード)で駆動するものである。支持部材40は、圧電トランス50を幅方向λ/2縦振動モード(1次モード)で駆動させた際の振動の節部付近で圧電トランス50と接触することにより、圧電トランス50を支持するとともに、圧電トランス50との接触点で、圧電トランス50への電力の入出力を行う。圧電トランス50と支持部材40は、ケース41内に収容されている。電極7と9は、支持部材40を介して、夫々、引き出し線によって端子aとbに電気的に接続されている。電極8と9は、夫々、支持部材40を介して端子cとdに電気的に接続されている。
圧電トランスユニット100においては、支持部材40は、圧電トランス50を幅方向λ/2縦振動モード(1次モード)で駆動させた際の振動の節部付近で圧電トランス50と接触することにより、圧電トランス50を支持するとともに、圧電トランス50との接触点で、圧電トランス50への電力の入出力を行うため、振動を阻害することなく圧電トランス50の支持固定および電気接続を行うことができ、信頼性が向上する。
なお、本実施の形態では、圧電トランス50として、本発明において開示された他の圧電トランス、例えば、実施の形態3の圧電トランス50Cを用いても、支持部材40で振動の節部付近で圧電トランス50Cを支持することにより、同様の効果を奏する。
(実施の形態7)
図21は、本発明の実施の形態7にかかる電源回路110のブロック図である。電源回路110では、実施の形態1乃至5の圧電トランス50A〜50Eのいずれかで形成される圧電トランス50を昇圧回路として用いている。電源回路110は、電源101、発振回路102、可変発振回路103、駆動回路104、負荷105、検出回路106、出力電圧検出回路107、第1制御回路108と第2制御回路109を備える。電源回路110において、圧電トランス50に入力電力を供給する入力回路が部品101〜104により構成される一方、圧電トランス50の出力電力を取出す出力回路が部品105〜109により構成される。
可変発振回路103により周波数信号を発生させ、駆動回路104により、圧電トランス50の駆動信号を作る。圧電トランス50の発電部側電極に接続した負荷105に対する電圧変化に応じて、圧電トランス50を安定して駆動できるように、検出回路106によって検出された信号に応じて、第2制御回路109により、可変発振回路103および駆動回路104を介して圧電トランス50が制御される。出力電圧検出回路107は、負荷105が管(冷陰極管、熱陰極管)の場合、管が点灯するまでの間動作し、管電流が流れ始めると動作を停止する。第1制御回路108は出力電圧が設定値以上に上昇しないように制御するものである。
本発明にかかる圧電トランス50を昇圧用インバータ回路に用いると、従来の電磁トランスに比べて、圧電方式のトランス50は駆動効率が高いことから、電磁方式のトランスを用いた昇圧回路に比べて回路効率の高い回路を実現できる。また、本発明にかかる圧電トランス50は電磁方式のトランスよりも単位体積当たりに扱うことができる電気エネルギーが大きいので体積を小さくすることができ、またその形状から昇圧回路の薄型化もできる。その上、圧電トランス50では、幅方向縦振動モードを用いているので、大きな電力を扱うことができる。
図22は、図21の電源回路110としての冷陰極管照明装置を組み込んだ液晶表示装置120を示す。冷陰極管照明装置は、図21の電源回路110から負荷105を削除した圧電トランスインバータ回路112と、図21の電源回路110の負荷105としての冷陰極管113とからなる。よって、この冷陰極管照明装置では、圧電トランス50に入力電力を供給する入力回路が電源回路110の部品101〜104により構成される一方、圧電トランス50の出力電力を取出す出力回路が冷陰極管113と電源回路110の部品106〜109により構成される。液晶表示装置120では、液晶パネル111が、このように構成された冷陰極管照明装置により、液晶パネル111の裏面に設けられた導光板114を介して照らされる。
従来の電磁方式のトランスでは、冷陰極管113の点灯開始時の高電圧を常に出力しておかなければならない。しかし、液晶表示装置120では、本発明にかかる圧電トランス50を用いることにより、冷陰極管113の点灯開始時と点灯時の負荷変動に応じて、圧電トランス50の出力電圧は変化するため、その負荷変動は、液晶表示装置120に存在する別の回路系へ悪影響を及ぼさない。また、圧電トランスインバータ回路112内の圧電トランス50から冷陰極管113への出力電圧がほぼ正弦波であるため、冷陰極管113の点灯に寄与しない不要な周波数成分も少ないと共に、冷陰極管113の長寿命化の効果も有する。
(実施の形態8)
図23は、本発明の実施の形態8にかかる電源回路130のブロック図である。電源回路130は、実施の形態1乃至5の圧電トランス50A〜50Eのいずれかで形成される圧電トランス50を用いると共に、電源121、電源電圧制御回路122、発振回路123、可変発振回路124、駆動回路125、負荷126、検出回路127、比較回路128と制御回路129を備える。発振回路123により、基準となる周波数を作成する。比較回路128は、検出回路127からの出力と設定電圧(Vref)を比較して、電源電圧制御回路122のための電源電圧あるいは制御回路129のための駆動周波数またはその両方の制御を行う。制御回路129による駆動周波数の制御と電源電圧制御回路122による電源電圧の制御に応じて、駆動回路125で圧電トランス50を駆動するための電力増幅を行う。なお、駆動回路125はスイッチング素子とフィルタ回路で構成される。負荷126は例えば陰極放電管である。
本発明にかかる圧電トランス50は電磁方式のトランスよりも単位体積当たりに扱うことができる電気エネルギーが大きいので体積を小さくすることができ、またその形状から昇圧回路の薄型化もできる。その上、圧電トランス50では、幅方向縦振動モードを用いているので、大きな電力を扱うことができる。
(実施の形態9)
図24は、本発明の実施の形態9にかかる電源回路140のブロック図である。電源回路140は、実施の形態1乃至5の圧電トランス50A〜50Eのいずれかで形成される圧電トランス50を用いると共に、電源131、発振回路132、可変発振回路133、駆動回路134、負荷135、出力電圧検出回路136と制御回路137を備える。圧電トランス50が接続される負荷135は、整流回路により構成される。本実施の形態によれば、出力電圧(負荷に印加される電圧)を一定に制御することができる。
また、用いる圧電トランス50は、上述した特徴を有するため、電磁方式のトランスよりも、単位体積当たりに扱うことができる電気エネルギーが大きいので、体積を小さくすることができ、またその形状から薄型化もできる。その上、幅方向縦振動モードを用いているので、大きな電力を扱うことができる。
本発明の圧電トランスは、小型化及び大出力化を実現するから、小型で大電力の電源回路、照明装置等に適用できる。
本発明の実施の形態1にかかる圧電トランスの斜視図である。 図1のII−II線に沿う断面図である。 図1の圧電トランスの平面図である。 図1の圧電トランスにおいて、矩形板の長さ及び幅と実効的電気機械結合係数keffの関係を示すグラフである。 図1の圧電トランスの変形例にかかる圧電トランスを示す断面図である。 図5の圧電トランスの平面図である。 (A)と(B)は、夫々、図5の圧電トランスと図1の圧電トランスの振動変位を示す断面図である。 本発明の実施の形態2にかかる圧電トランスの斜視図である。 図8の圧電トランスの平面図である。 (A)、(B)と(C)は、夫々、図8のXA−XA線、XB−XB線とXC−XC線に沿う断面図である。 図8の圧電トランスにおける全幅に対する入力電極の幅の比と電気機械結合特性の関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態3にかかる圧電トランスの斜視図である。 (A)と(B)は、夫々、図12のXIIIA−XIIIA線とXIIIB−XIIIB線に沿う断面図である。 図12の圧電トランスの変形例にかかる圧電トランスの斜視図である。 (A)と(B)は、夫々、図14のXVA−XVA線とXVB−XVB線に沿う断面図である。 本発明の実施の形態4にかかる圧電トランスの斜視図である。 (A)は、図16のXVIIA−XVIIA線に沿う断面図であり、又、(B)、(C)と(D)は、夫々、図16の圧電トランスにおける振動の変位分布、応力分布と電荷分布を示す図である。 図16のXVIII−XVIII線に沿う断面図である。 本発明の実施の形態5にかかる圧電トランスの斜視図である。 本発明の実施の形態6にかかる圧電トランスユニットの断面図である。 本発明の実施の形態7にかかる電源回路のブロック図である。 図21の電源回路としての冷陰極管照明装置を組込んだ液晶表示装置を示す概略正面図である。 本発明の実施の形態8にかかる電源回路のブロック図である。 本発明の実施の形態9にかかる電源回路のブロック図である。 円板の径方向拡がり3次振動モードを用いた従来の圧電トランスを示す概略平面図である。 (A)は、図25のXXVIA−XXVIA線に沿う断面図であり、又、(B)と(C)は、夫々、図25の従来の圧電トランスの応力分布と振動変位分布を示す図である。 輪郭拡がり1次振動モードを用いた別の従来の圧電トランスの平面図である。 (A)は、図27のXXVIIIA−XXVIIIA線に沿う断面図であり、又、(B)と(C)は、夫々、図27の別の従来の圧電トランスの応力分布と振動変位分布を示す図である。
符号の説明
1 矩形板
2 低インピーダンス部
3 高インピーダンス部
31 交流電源
32 支持部材
50 圧電トランス

Claims (16)

  1. 長さ方向の寸法が幅方向の寸法よりも長く、長さ方向および幅方向に直交する方向が厚み方向になる、圧電材料を主成分とする矩形板と、
    前記矩形板中に前記幅方向に並んで設けられて、夫々、駆動部と発電部の一方及び他方となる低インピーダンス部及び高インピーダンス部とを備えて、
    幅方向縦振動モードにより駆動されるように構成された圧電トランス。
  2. 前記低インピーダンス部は、第1圧電体層を介して前記厚み方向に対向する第1の上方電極と下方電極を含み、
    前記高インピーダンス部は、第2圧電体層を介して前記厚み方向に対向する第2の上方電極と下方電極を含む、請求項1に記載の圧電トランス。
  3. 前記低インピーダンス部は、前記厚み方向に交互に積層された第1電極層と第1圧電体層により形成され、
    前記高インピーダンス部は、前記厚み方向に交互に積層された第2電極層と第2圧電体層により形成されている、請求項1に記載の圧電トランス。
  4. 前記矩形板は、幅方向に並ぶ第1半分領域と第2半分領域とに区分けされ、
    前記低インピーダンス部は、前記矩形板の前記第1半分領域に設けられ、
    前記高インピーダンス部は、前記矩形板の前記第2半分領域に設けられ、
    幅方向縦振動2次モードにより駆動するように構成された、請求項1から3の
    いずれかに記載の圧電トランス。
  5. 長さ方向の寸法が幅方向の寸法よりも長く、長さ方向および幅方向に直交する方向が厚み方向になる、圧電材料を主成分とする矩形板と、
    前記矩形板中に前記厚み方向に並んで設けられて、夫々、駆動部と発電部の一方及び他方となる低インピーダンス部及び高インピーダンス部とを備えて、
    幅方向縦振動モードにより駆動するように構成された圧電トランス。
  6. 前記低インピーダンス部と前記高インピーダンス部との間に設けられ、前記低インピーダンス部と前記高インピーダンス部とを電気的に分離する絶縁層をさらに備える、請求項5に記載の圧電トランス。
  7. 前記幅方向縦振動モードを幅方向縦振動2次モードとして駆動する圧電トランスであって、
    前記低インピーダンス部は、圧電体層を間に介在させて前記厚み方向に交互に積層された、該低インピーダンス部への電流の一方の出入口である第1の端子に電気的接続された第1の電極層と、該低インピーダンス部への電流の他方の出入り口である第2の端子に電気的接続された第2の電極層と、を含み、
    少なくとも前記第1の電極層は、当該圧電トランスを前記幅方向縦振動2次モードで駆動させた際に誘起される電荷分布において電荷の極性が変わる部分に対応する位置に切れ目ができるように、幅方向に並ぶ2個の部分に分割されており、
    分割されてなる前記第1の電極層の前記2個の部分の一方と前記第2の電極層の間に位置する前記圧電体層の第1厚み部分と、分割されてなる前記第1の電極層の前記2個の部分の他方と前記第2の電極層の間に位置する前記圧電体層の第2厚み部分とは、前記厚み方向において互いに逆向きになるように分極処理されている、請求項5または6に記載の圧電トランス。
  8. 前記矩形板の前記長さ方向の寸法と前記幅方向の寸法の比率は、1.08以上1.65以下にされている、請求項1から7のいずれかに記載の圧電トランス。
  9. 当該圧電トランスを支持する支持部材をさらに備え、
    前記支持部材は、当該トランスを前記幅方向縦振動モードで駆動させた際の振動の節部付近で当該圧電トランスを支持している、請求項1から8のいずれかに記載の圧電トランス。
  10. 前記低インピーダンス部における電気接続と前記高インピーダンス部における電気接続を、前記幅方向縦振動モードで当該トランスを駆動させた際の振動の節部付近で行うように構成された、請求項1から9のいずれかに記載の圧電トランス。
  11. 当該圧電トランスを支持するための、導電性の弾性体からなる支持部材をさらに備え、
    前記支持部材は、
    前記幅方向縦振動モードで当該トランスを駆動させた際の振動の節部付近で当該圧電トランスと接触し、それによって当該圧電トランスを支持するとともに、
    当該圧電トランスとの接触点で、当該圧電トランスでの電力の入出力を行う、請求項1から10のいずれかに記載の圧電トランス。
  12. 前記矩形板と略同じ寸法を有すると共に前記矩形板の前記厚み方向において反対の両面のいずれかに接合される金属矩形板を更に供える請求項1に記載の圧電トランス。
  13. 長さ方向の寸法が幅方向の寸法よりも長く、長さ方向および幅方向に直交する方向が厚み方向になる、圧電材料を主成分とする矩形板と、前記矩形板中に前記幅方向に並んで設けられて、夫々、駆動部と発電部の一方及び他方となる低インピーダンス部及び高インピーダンス部とを含んで、幅方向縦振動モードにより駆動されるように構成された圧電トランスと、
    前記圧電トランスに入力電圧を供給する入力回路と、
    前記圧電トランスの出力電圧を取り出す出力回路と、を備えた電源回路。
  14. 長さ方向の寸法が幅方向の寸法よりも長く、長さ方向および幅方向に直交する方向が厚み方向になる、圧電材料を主成分とする矩形板と、前記矩形板中に前記厚み方向に並んで設けられて、夫々、駆動部と発電部の一方及び他方となる低インピーダンス部及び高インピーダンス部とを含んで、幅方向縦振動モードにより駆動されるように構成された圧電トランスと、
    前記圧電トランスに入力電圧を供給する入力回路と、
    前記圧電トランスの出力電圧を取り出す出力回路と、を備えた電源回路。
  15. 長さ方向の寸法が幅方向の寸法よりも長く、長さ方向および幅方向に直交する方向が厚み方向になる、圧電材料を主成分とする矩形板と、前記矩形板中に前記幅方向に並んで設けられて、夫々、駆動部と発電部の一方及び他方となる低インピーダンス部及び高インピーダンス部とを含んで、幅方向縦振動モードにより駆動されるように構成された圧電トランスと、
    前記圧電トランスに入力電圧を供給する入力回路と、
    前記圧電トランスの出力電圧を取り出す出力回路と、を備えた照明装置。
  16. 長さ方向の寸法が幅方向の寸法よりも長く、長さ方向および幅方向に直交する方向が厚み方向になる、圧電材料を主成分とする矩形板と、前記矩形板中に前記厚み方向に並んで設けられて、夫々、駆動部と発電部の一方及び他方となる低インピーダンス部及び高インピーダンス部とを含んで、幅方向縦振動モードにより駆動されるように構成された圧電トランスと、
    前記圧電トランスに入力電圧を供給する入力回路と、
    前記圧電トランスの出力電圧を取り出す出力回路と、を備えた照明装置。
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