JP2002141572A - 圧電トランス - Google Patents

圧電トランス

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JP2002141572A
JP2002141572A JP2000332652A JP2000332652A JP2002141572A JP 2002141572 A JP2002141572 A JP 2002141572A JP 2000332652 A JP2000332652 A JP 2000332652A JP 2000332652 A JP2000332652 A JP 2000332652A JP 2002141572 A JP2002141572 A JP 2002141572A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低負荷時に高出力電力が得られ、かつ大出力電
流を高効率で取り出すことができるとともに、小型化を
達成できる圧電トランスを提供する。 【解決手段】両主面が長方形状の圧電基板20の長さ方
向に、電圧入力部21、23、電圧出力部22を交互に
順次形成し、電圧入力部21、23および電圧出力部2
2における圧電基板20内に、それぞれ2以上の入力部
用内部電極層25a、25bおよび出力部用内部電極層
27a、27bを厚み方向に所定間隔を置いて設けると
ともに、電圧入力部21、23に、入力部用内部電極層
25a、25bにより挟持され、振動に寄与する圧電体
層29aを2層以上有し、且つ圧電基板20の主面の幅
方向に対して基本波モードで縦振動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧電トランスに関
し、特に、各種電子機器に用いられるACアダプタやD
C−DCコンバータ、およびノートパソコン、携帯用端
末等に使用される液晶ディスプレイ用のバックライト冷
陰極管のインバータ等に用いられる圧電トランスに関す
る。
【0002】
【従来技術】近年、電子機器の小型化に関し、電源回路
の小型化は重要な課題の一つであり、電源回路内の高周
波化による小型化が図られている。
【0003】従来のスイッチング電源では、変圧器とし
て電磁誘導を原理とする電磁トランスを用いるが、高周
波下での電磁トランスは、ヒステリシス損、渦電流損お
よび表皮効果による損失が増大するという問題があっ
た。
【0004】さらに、電磁トランス自身の小型化、薄型
化は、巻線の極細線多数巻による銅損、磁気結合の低下
および漏れ磁束の増加を招き、いずれも電源回路の効率
を大きく下げる原因となっていた。さらにまた、巻線に
よる電磁ノイズの発生などの問題があった。
【0005】一方、圧電トランスは圧電効果を原理と
し、電磁トランスと比べて、小型化してもエネルギー密
度が高く、かつ巻線を用いないため電磁ノイズが少ない
などの長所がある。
【0006】図12に、従来のローゼン型圧電トランス
を示す。このローゼン型圧電トランスは、長板状圧電基
板1の長手方向のほぼ半分を1次側とし、厚み方向に電
極2、3が形成され、長手方向の残るほぼ半分を2次側
とし、端面に電極4が形成されて構成されている。1次
側は厚み方向に分極され、2次側は長手方向に分極され
ている。圧電トランスの1次側は圧電基板1の制動容量
が大きいため低インピーダンスであり、2次側は制動容
量が小さいため高インピーダンスである。
【0007】そして、2次側の電極4と1次側の電極2
(あるいは3)に負荷抵抗を接続し、圧電トランスの1
次側の電極2、3間に、圧電基板1の長さで決まる圧電
トランスの共振周波数あるいはその近傍の周波数の交流
電圧を印加すると、逆圧電効果により長さ方向に強い機
械的振動を励起し、これにより電極4に圧電効果によっ
て電荷が発生し、2次側の電極4と1次側の電極2(あ
るいは3)間に電圧が得られる。
【0008】このローゼン型圧電トランスは、2次側の
制動容量にもよるが、一般に使用される範囲として、負
荷抵抗が10KΩ以上の高インピーダンスであれば、昇
圧用の圧電トランスとして、一方、負荷が10KΩ未満
の低インピーダンスであれば降圧用の圧電トランスとし
て動作する。
【0009】一方、負荷抵抗を1次側の電極2、3間に
接続し、圧電トランスの2次側の電極4を入力とし、電
極4と電極2(あるいは3)に共振周波数あるいはその
近傍の周波数の交流電圧を印加すると、負荷抵抗が高イ
ンピーダンスであれば昇圧用の圧電トランスとして、低
インピーダンスであれば降圧用の圧電トランスとして動
作する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ロ
ーゼン型圧電トランスにおいて、1次側を入力とし、2
次側を出力とした場合、2次側の電極4の面積が狭いた
め、電極4に表れる電荷量が少なく、高出力電流を得る
ことは困難であった。
【0011】また電極4と電極2(あるいは3)との距
離が長いため、圧電トランスの出力側の容量が小さく、
出力インピーダンスが高い。そのため、負荷を接続した
場合、高出力電力が得られる負荷はおのずと高いものに
制限されてしまうという問題があった。
【0012】即ち、例えば、ノートパソコン等の電子機
器に用いられるアダプタ用電源の場合、負荷が低インピ
ーダンスのため、従来のローゼン型圧電トランスでは高
出力電力を得ることができず、アダプタ用電源として用
いることができないという問題があった。
【0013】一方、上記圧電トランスにおいて、2次側
を入力とし、1次側を出力とすると、出力側電極面積は
広くなるが、電極4と電極2(あるいは3)との距離が
長いため、入力インピーダンスが高くなり、圧電トラン
ス入力部での損失が大きく、高出力電力を得ることがで
きない。また、入力インピーダンスを下げるため電極4
の面積を広げると、圧電トランス自体が大型化してしま
い、圧電トランスの持つ小型という利点を損なうという
問題があった。
【0014】さらに、上記従来のローゼン型圧電トラン
スでは、電極4を持つため、単一の磁器からなる圧電基
板1を長手方向と厚み方向の異なる2方向に分極する必
要があり、そのため、分極方向が異なる界面付近で分極
に伴う大きな応力が発生し、使用中に圧電基板1が損傷
したり破壊するなど信頼性が低いという問題があった。
【0015】また、単一の磁器に方向が異なる2種類の
分極を施す必要があるため、製造が困難であるという問
題があった。さらに、圧電基板1の長手方向の分極作業
は高電圧を印加する必要があるため、作製時のトランス
破壊および作製時における作業の危険性が増大するとい
う問題があった。
【0016】本発明は、低負荷時に高出力電力が得ら
れ、かつ大出力電流を高効率で取り出すことができると
ともに、小型化を達成できる圧電トランスを提供するこ
とを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の圧電トランス
は、両主面が長方形状の圧電基板の長さ方向に、電圧入
力部、電圧出力部を交互に順次形成し、前記電圧入力部
および前記電圧出力部における圧電基板内に、それぞれ
2以上の入力部用内部電極層および出力部用内部電極層
を厚み方向に所定間隔を置いて設けるとともに、前記電
圧入力部に、振動に寄与する圧電体層が2層以上形成さ
れ、且つ前記圧電基板の主面の幅方向に対して基本波モ
ードで縦振動するものである。
【0018】このような構成を採用することにより、内
部電極層間の圧電体層が厚み方向に分極され、内部電極
層を介して隣設する圧電体層の分極方向が逆であり、主
面の幅方向に対して基本波モードで縦振動させることに
より、電圧入力部の圧電体層に、圧電基板の主面の幅方
向に対して縦振動する振動(以下、幅方向縦振動という
こともある)が生じ、例えば基本波の共振周波数近傍の
周波数の交流電圧を入力すれば、電気機械結合係数K’
31をもって圧電基板の電圧入力部に幅方向縦振動の基本
波が励振され、再び電気機械結合係数K’31をもって、
中央の電圧出力部の圧電体層に入力電圧と同じ周波数の
出力電圧が発生する。
【0019】即ち、本発明の圧電トランスでは、入力部
用内部電極層間に、圧電基板の主面の幅方向に振動する
基本波振動の共振周波数、またはその近傍に対応した周
波数を持つ同位相の交流電圧を印加することで駆動す
る。
【0020】この場合、電圧入力部は、圧電基板の幅方
向に振動する基本波振動の共振周波数またはその近傍の
周波数で、且つ同位相の交流電圧の印加で励振すること
で、電圧入力部に形成された振動が電圧出力部に伝搬
し、電圧出力部の振動により圧電効果を介して交流の出
力電圧が発生する。
【0021】本発明の圧電トランスでは、強制振動部と
なる電圧入力部を電圧出力部に隣設し弾性的な連続体と
して形成することで、電圧出力部においても強制振動部
と同一方向の振動が形成しやすくなり、弾性損失の低下
とともに高電力化、高効率化を図ることができる。
【0022】また、表層の圧電体層の表面を研摩するこ
とにより、上下面の平行を出し、保持をし易くできる。
この後、表層の圧電体層の表面に外部電極を形成するこ
ともできる。
【0023】即ち、電圧入力部、電圧出力部における圧
電基板の両主面に、それぞれ入力部用第2外部電極、出
力部用第2外部電極が形成されており、該入力部用第2
外部電極、出力部用第2外部電極が、それぞれ入力部用
第1外部電極、出力部用第1外部電極に接続されている
ことが望ましい。
【0024】また、幅方向縦振動の電気機械結合係数は
一般的に長さ方向の電気機械結合係数よりも大きいが、
本発明の圧電トランスでは、幅方向縦振動を利用するた
めに、長さ方向の振動モードを利用する従来のローゼン
型圧電トランスに比べると、エネルギー伝送を行う場合
においては、高効率化、高電力化が可能となる。
【0025】また、圧電トランスの出力側の制動容量を
Cd2、圧電トランスの共振周波数をfr、負荷抵抗を
RLとした場合、ローゼン型圧電トランスと比較して、
同形状において電極面積を広く取れるためCd2を大き
な値とでき、共振周波数frに関しても、幅方向縦振動
を用いるため大きな値にできる。
【0026】最大電力を取れる負荷抵抗、すなわちイン
ピーダンス整合となる負荷抵抗RL’は、RL’=1/
(2πfrCd2)で決定されるので、本発明の圧電ト
ランスでは、従来のローゼン型圧電トランスと比べて、
低インピーダンスにおいて高出力電力を得ることができ
る。
【0027】本発明の圧電トランスは、基本波モードで
作動することが望ましい。一般に、基本波の電気機械結
合係数は高次モードの電気機械結合係数に比べて大きい
ことから、基本波を利用した本発明の圧電トランスは、
高次モードを利用したトランスと比較すると材料の持つ
特性を充分に発揮でき、高効率化、高電力化が可能とな
る。
【0028】また、積層構造にすることで、同じ設置面
積で電圧出力部の電極面積を広くすることができ、大電
力電流が取り出せる。さらに、圧電基板の厚さ方向に分
極するため、分極処理用の印加電圧を低くすることがで
きる。また、電圧入力部、電圧出力部における圧電基板
の両主面に、それぞれ入力部用第2外部電極、出力部用
第2外部電極を形成することにより、これらの入力部用
第2外部電極、出力部用第2外部電極を用いて、単一方
向に分極処理を行うことができるため、製造が容易とな
る。また、振動の節が圧電基板の幅中央であって長さ方
向に形成され、この振動の節に対応する外部電極の部分
を固定したり、この部分にリード線等を接続することが
できる。
【0029】そして、本発明では、電圧入力部および電
圧出力部に、それぞれ2以上の入力部用内部電極層およ
び出力部用内部電極層を厚み方向に所定間隔を置いて設
けるとともに、電圧入力部に、振動に寄与する圧電体層
が2層以上形成されているので、電圧入力部に、振動に
寄与する圧電体層を形成しない場合と比較して、同一電
圧印可時に圧電体に作用する電場を高くすることがで
き、同一電圧印可時の出力電力を高くすることができ
る。
【0030】また、電圧出力部の積層構造を変更する事
で電圧出力部の静電容量を所望の値に設定する事がで
き、機器とのインピーダンス整合を容易にできる。
【0031】特に、電圧出力部における出力部用内部電
極層の層数が、電圧入力部における入力部用内部電極層
の層数より多いことが望ましい。これにより、電圧入力
部の静電容量を電圧出力部の静電容量より低くできるの
で、低負荷接続時に降圧特性を示すことができる。さら
に、電圧入力部の積層構造を変更する事で電圧入力部の
静電容量を所望の値に設定する事ができ、入力部と出力
部の静電容量の比率を自由に変更でき、降圧比を制御で
きる。
【0032】
【発明の実施の形態】第1の実施の形態 本発明の第1の実施の形態について説明する。本発明の
圧電トランスは、図1に示すように、両主面が長方形状
の圧電基板20の長さ方向に、電圧入力部21、電圧出
力部22、電圧入力部23が順次形成され、電圧入力部
21における圧電基板20内に、2層の入力部用内部電
極層25a、25bが厚み方向に所定間隔を置いて形成
され、電圧出力部22における圧電基板20内に、8層
の出力部用内部電極層27a、27bが厚み方向に所定
間隔を置いて交互に設けられている。
【0033】即ち、電圧入力部21は、入力部用内部電
極層25a、25bと圧電体層29aが交互に積層さ
れ、振動に寄与する圧電体層29aを3層有しており、
電圧出力部22は、出力部用内部電極層27a、27b
と圧電体層31aが交互に積層され構成され、振動に寄
与する圧電体層31aを9層有している。
【0034】電圧入力部21、23における圧電基板2
0の側面には、入力部用内部電極層25a、25bにそ
れぞれ接続する一対の入力部用第1外部電極33a、3
3bが形成され、入力部用内部電極層25a、25bは
それぞれ入力部用第1外部電極33b、33aと絶縁層
15により絶縁されている。
【0035】電圧出力部22における圧電基板20の側
面には、出力部用内部電極層27a、27bに交互に接
続する一対の出力部用第1外部電極35a、35bが形
成され、出力部用内部電極層27a、27bはそれぞれ
出力部用第1外部電極35b、35aと絶縁層15によ
り絶縁されている。
【0036】即ち、出力部用内部電極層27a、27b
は、図2(a)に示すように、圧電基板20の両側面に
露出し、一方の側面を絶縁層15により被覆されてお
り、出力部用内部電極層27aの被覆されていない端部
は、出力部用第1外部電極35aと電気的に接続され、
出力部用内部電極層27bの被覆されていない端部は、
出力部用第1外部電極35bと接続されている。
【0037】また、一対の入力部用内部電極層25a、
25bは図2(b)に示すように、圧電基板20の両側
面に露出しており、一方の側面を絶縁層15により被覆
されており、入力部用内部電極層25aの被覆されてい
ない端部は、入力部用第1外部電極33aと電気的に接
続され、入力部用内部電極層25bの被覆されていない
端部は、入力部用第1外部電極33bと接続されてい
る。
【0038】電圧入力部21、23、電圧出力部22に
おける圧電基板20の両主面には、それぞれ入力部用第
2外部電極37a、37b、出力部用第2外部電極39
a、39bが形成されており、入力部用第2外部電極3
7a、37bは、それぞれ入力部用第1外部電極33
a、33bに、また出力部用第2外部電極39a、39
bは、出力部用第1外部電極35a、35bにそれぞれ
接続されている。
【0039】そして、電圧入力部21、23、電圧出力
部22では、圧電体層29a、31aが厚み方向に分極
されているとともに、内部電極層を介して上下に隣接す
る圧電体層の分極方向が逆とされている。
【0040】この圧電トランスは、主面の幅方向に対し
て縦振動するものであり、基本波モードで作動すること
が望ましい。また降圧用として機能することが望まし
い。
【0041】本発明の圧電トランスの製造方法について
説明する。例えば、圧電体層としてPZT系圧電磁器材
料を用い、また内部電極層としてAg/Pdを用いて、
PZT系圧電材料からなるグリーンシート上に、図3
(a)、(b)、(c)、(d)に示す内部電極パター
ン形状にAg/Pdペーストをスクリーン印刷し、この
ような内部電極パターン71が形成されたグリーンシー
ト73を、図4に示す積層構造となるように、8層積層
し、その上に内部電極パターンが形成されていないグリ
ーンシートを積層し、この積層成形体を焼成する。
【0042】この後、両主面に図4に示すように銀とガ
ラスを主成分とする電極ペーストを塗布して焼き付け、
入力部用第2外部電極37a、37b、出力部用第2外
部電極39a、39bを形成すると同時に、両側面に電
極ペーストを塗布して焼き付け、分極用外部電極45
a、45b、47a、47bを形成する。分極用外部電
極45a、45bはそれぞれ入力部用内部電極層25
a,25bおよび入力部用第2外部電極37a、37b
と接続され、分極用外部電極47a、47bはそれぞれ
出力部用内部電極層27a,27bおよび出力部用第2
外部電極39a、39bと接続されている。図5に図4
の断面図を示す。
【0043】この後、入力部用第2外部電極37a、3
7b間および出力部用第2外部電極39a、39b間に
直流の高電界を印加して分極処理する。
【0044】入力部用第2外部電極37a、37b、出
力部用第2外部電極39a、39b、および分極用外部
電極45a、45b、47a、47bは、例えば、Ag
粉末とガラスからなるペーストをスクリーン印刷し、焼
成して形成してもよい。また、蒸着、スパッタ、メッキ
等の手法を用いて形成しても良い。また、Ag以外の導
電性材料を用いても良い。
【0045】この後、ダイシングソーを用いて図4中の
破線形状に切断加工して、図1の圧電基板20を作製す
る。圧電基板20の側面に、内部電極層の一方端部を絶
縁するため、スクリーン印刷によりポリイミド絶縁層1
5を形成した。次にメッキ電極を用いて圧電基板20の
側面に入力部用第1外部電極33a、33b、出力部用
第1外部電極35a、35bを設け、それぞれ入力部用
内部電極層25a、25b、出力部用内部電極層27
a、27bに接続する。入力部用第2外部電極37a、
37b、出力部用第2外部電極39a、39bは、それ
ぞれ入力部用第1外部電極33a、33b、出力部用第
1外部電極35a、35bに接続されている。
【0046】尚、ここでは圧電磁器材料としてPZT系
圧電磁器材料を、内部電極材料としてAg/Pdを用い
たが、圧電性を有する圧電磁器材料、およびそれと一体
焼成可能である電極材料であれば他の組み合わせでも良
いことは言うまでもない。
【0047】本発明の圧電トランスでは、電圧入力部2
1、23の入力部用内部用電極層25a、25b間、即
ち圧電体層29aに、圧電基板20の主面の幅方向xに
縦振動する基本波の共振周波数近傍の周波数を持つ交流
電圧を印加すれば、圧電横効果の電気機械結合係数K’
31をもって圧電基板20が幅方向縦振動の基本波で励振
し、再び圧電横効果の電気機械結合係数K’31をもって
電圧出力部22の出力部用内部電極層27a、27b間
に、入力電圧と同じ周波数の電圧が発生する。このと
き、出力電圧は負荷抵抗や駆動周波数に依存する。
【0048】即ち、電圧入力部21、23の入力部用内
部電極層25a、25b間に、圧電基板20の幅方向に
縦振動する基本波の共振周波数近傍の周波数を持つ交流
電圧を印加すると、図1に示したように、圧電基板20
の主面の幅方向(短辺方向)に半周期となるような振動
(基本波)が生じ、つまり、短辺方向に伸縮する振動が
生じ、この振動が中央の電圧出力部22に伝達され、電
圧出力部22の出力部用内部電極層27a、27b間に
入力電圧と同じ周波数の電圧が発生する。
【0049】そして、このような幅方向に縦振動する基
本波を用いると、図1の一点鎖線で示すように、圧電基
板20の主面の短辺の中央部が振動の節Yとなり、この
振動の節Yの部分で圧電基板20を保持すれば、圧電基
板20の幅方向縦振動モードの基本波を妨げずに固定す
ることができる。特に、節Yで各電極の中央部を保持す
ることが望ましい。
【0050】さらに、本発明の圧電トランスは幅方向縦
振動モードを利用しており、一般に主面が長方形状の圧
電基板20の幅方向縦振動の電気機械結合係数K’
31は、圧電基板20の長さ方向振動の電気機械結合係数
31よりも大きいため、より高電力化、高効率化を図る
ことができる。
【0051】また、本発明の圧電トランスは分極方向が
積層方向の単一方向であるために、ローゼン型圧電トラ
ンスと比較して、圧電基板20の長さ方向の分極処理の
必要がないため、比較的低電圧の直流電圧で分極でき、
製造工程を簡略化でき、製造工程における安全性を向上
できる。
【0052】本発明の圧電トランスは、圧電横効果の電
気機械結合係数K’31をもって交流の入力電圧を機械的
な振動に変換し、再び圧電横効果の電気機械結合係数
K’31をもって交流の出力電圧に変換するために、エネ
ルギー伝送の高効率化、高電力化を図るために、圧電材
料としては、電気機械結合係数K’31の大きな材料が望
ましい。特にPZT系の圧電セラミック材料が望まし
い。 第2の実施の形態 本発明の第2の実施の形態について説明する。本発明の
圧電トランスは、図6に示すように、両主面が長方形状
の圧電基板50の長さ方向に、電圧入力部51、電圧出
力部52、電圧入力部53が順次形成され、電圧入力部
51における圧電基板50内に、4層の入力部用内部電
極層25a、25bが厚み方向に所定間隔を置いて交互
に設けられ、電圧出力部52における圧電基板50内
に、10層の出力部用内部電極層27a、27bが厚み
方向に所定間隔を置いて交互に設けられている。
【0053】即ち、電圧入力部51は、入力部用内部電
極層25a、25bと圧電体層29aが交互に積層さ
れ、最上下の入力部用内部電極層25a、25bの表面
に表層圧電体層29b、29cを形成して構成され、電
圧出力部52は、出力部用内部電極層27a、27bと
圧電体層31aが交互に積層され、最上下の出力部用内
部電極層27a、27bの表面に表層圧電体層31b、
31cを形成して構成されている。
【0054】電圧入力部51、53における圧電基板5
0の側面には、一対の入力部用内部電極層25a、25
bに交互に接続する一対の入力部用第1外部電極33
a、33bが形成され、入力部用内部電極層25a、2
5bはそれぞれ入力部用第1外部電極33b、33aと
絶縁層15により絶縁されている。
【0055】電圧出力部52における圧電基板50の側
面には、出力部用内部電極層27a、27bに交互に接
続する一対の出力部用第1外部電極35a、35bが形
成され、出力部用内部電極層27a、27bはそれぞれ
出力部用第1外部電極35b、35aと絶縁層15によ
り絶縁されている。
【0056】即ち、出力部用内部電極層27a、27b
は、図7(a)に示すように、圧電基板50の両側面に
露出し、一方の側面を絶縁層15により被覆されてお
り、出力部用内部電極層27aの被覆されていない端部
は、出力部用第1外部電極35aと電気的に接続され、
出力部用内部電極層27bの被覆されていない端部は、
出力部用第1外部電極35bと接続されている。
【0057】また、一対の入力部用内部電極層25a、
25bは図7(b)に示すように、圧電基板50の両側
面に露出しており、一方の側面を絶縁層15により被覆
されており、入力部用内部電極層25aの被覆されてい
ない端部は、入力部用第1外部電極33aと電気的に接
続され、入力部用内部電極層25bの被覆されていない
端部は、入力部用第1外部電極33bと接続されてい
る。
【0058】また、電圧入力部51、53、電圧出力部
52における圧電基板50の両主面には、それぞれ入力
部用第2外部電極37a、37b、出力部用第2外部電
極39a、39bが形成されており、入力部用第2外部
電極37a、37bに入力部用第1外部電極33a、3
3bが、出力部用第2外部電極39a、39bにそれぞ
れ出力部用第1外部電極35a、35bに接続されてい
る。
【0059】そして、最上の入力部用内部電極層25b
は、入力部用第2外部電極37bと、最下の入力部用内
部電極層25aは、入力部用第2外部電極37aと、最
上の出力部用内部電極層27bは、出力部用第2外部電
極39bと、最下の出力部用内部電極層27aは、出力
部用第2外部電極39aと接続され、同電位とされてお
り、表層圧電体層29b、29c、31b、31cは、
振動に寄与しない圧電体層とされている。
【0060】このような構成にすることで、、入力部用
第2外部電極37a、37b、出力部用第2外部電極3
9a、39bを形成する前に、表層圧電体層29b、2
9c、31b、31cの表面を研摩することにより、上
下面の平行を出し、保持をし易くできる。
【0061】また、電圧入力部51、53、電圧出力部
52では圧電体層29a、31aが厚み方向に分極され
ているとともに、内部電極層を介して上下に隣接する圧
電体層の分極方向が逆とされている。
【0062】この圧電トランスは、主面の幅方向に対し
て縦振動するものであり、基本波モードで作動すること
が望ましい。また降圧用として機能することが望まし
い。 第3の実施の形態 本発明の第3の実施の形態について説明する。本発明の
圧電トランスは、図8に示すように、両主面が長方形状
の圧電基板60の長さ方向に、電圧入力部61、電圧出
力部62、電圧入力部63が順次形成され、電圧入力部
61における圧電基板60内に、2層の入力部用内部電
極層25a、25bが厚み方向に所定間隔を置いて交互
に設けられ、電圧出力部62における圧電基板60内
に、8層の出力部用内部電極層27a、27bが厚み方
向に所定間隔を置いて交互に設けられている。
【0063】即ち、電圧入力部61は、入力部用内部電
極層25a、25bと圧電体層29aが交互に積層さ
れ、電圧出力部62は、出力部用内部電極層27a、2
7bと圧電体層31aが交互に積層され構成されてい
る。
【0064】電圧出力部62における圧電基板60の側
面には、出力部用内部電極層27a、27bが、図9
(a)に示すように、圧電基板60の厚み方向に1層お
きに露出している。
【0065】即ち、出力部用内部電極層27aは圧電基
板60の片方の同一側面に露出し、出力部用内部電極層
27bは、相対する同一側面に露出している。
【0066】電圧入力部61、63における圧電基板6
0の側面には、入力部用内部電極層25a、25bが、
図9(b)に示すように、圧電基板20の対向する側面
に露出している。
【0067】電圧入力部61、63における圧電基板6
0の側面には、入力部用内部電極層25aと接続する入
力部用第1外部電極33aと、入力部用内部電極層25
bに接続する入力部用第1外部電極33bが形成され、
電圧出力部62における圧電基板60の側面には、出力
部用内部電極層27aに接続する出力部用第1外部電極
35aと、出力部用内部電極層27bに接続する出力部
用第1外部電極35bが形成されている。
【0068】この構成により、本発明の第1の実施の形
態と比較して、絶縁層を形成して内部電極層と接続する
必要がなく、製造工程を短縮することができる。
【0069】また、電圧入力部61、63、電圧出力部
62における圧電基板60の両主面には、それぞれ入力
部用第2外部電極37a、37b、出力部用第2外部電
極39a、39bが形成されており、入力部用第2外部
電極37a、37b、出力部用第2外部電極39a、3
9bが、それぞれ入力部用第1外部電極33a、33
b、出力部用第1外部電極35a、35bに接続されて
いる。
【0070】また、電圧入力部61、63、電圧出力部
62では圧電体層29a、31aが厚み方向に分極され
ているとともに、内部電極層を介して上下に隣接する圧
電体層の分極方向が逆とされている。
【0071】この圧電トランスは、主面の幅方向に対し
て縦振動するものであり、基本波モードで作動すること
が望ましい。また降圧用として機能することが望まし
い。第4の実施の形態本発明の第4の実施の形態につい
て説明する。本発明の圧電トランスは、図10に示すよ
うに、両主面が長方形状の圧電基板70の長さ方向に、
電圧入力部71、電圧出力部72、電圧入力部73が順
次形成され、電圧入力部71における圧電基板70内
に、4層の入力部用内部電極層25a、25bが厚み方
向に所定間隔を置いて交互に設けられ、電圧出力部72
における圧電基板70内に、10層の出力部用内部電極
層27a、27bが厚み方向に所定間隔を置いて交互に
設けられている。
【0072】即ち、電圧入力部71は、入力部用内部電
極層25a、25bと圧電体層29aが交互に積層さ
れ、最上下の入力部用内部電極層25a、25bの表面
に表層圧電体層29b、29cを形成して構成され、電
圧出力部72は、出力部用内部電極層27a、27bと
圧電体層31aが交互に積層され、最上下の出力部用内
部電極層27a、27bの表面に表層圧電体層31b、
31cを形成して構成されている。
【0073】電圧出力部72における圧電基板70の側
面には、出力部用内部電極層27a、27bが、図11
(a)に示すように、圧電基板70の厚み方向に1層お
きに露出している。
【0074】即ち、出力部用内部電極層27aは圧電基
板70の片方の同一側面に露出し、出力部用内部電極層
27bは、相対する同一側面に露出している。
【0075】電圧入力部71、73における圧電基板7
0の側面には、入力部用内部電極層25a、25bが、
図11(b)に示すように、圧電基板70の厚み方向に
1層おきに露出している。
【0076】即ち、出力部用内部電極層25aは圧電基
板70の片方の同一側面に露出し、出力部用内部電極層
27bは、相対する同一側面に露出している。
【0077】電圧入力部71、73における圧電基板7
0の側面には、入力部用内部電極層25aと接続する入
力部用第1外部電極33aと、入力部用内部電極層25
bに接続する入力部用第1外部電極33bが形成され、
電圧出力部72における圧電基板70の側面には、出力
部用内部電極層27aに接続する出力部用第1外部電極
35bと、出力部用内部電極層27bに接続する出力部
用第1外部電極35aが形成されている。
【0078】この構成により、本発明の第2の実施の形
態と比較して、絶縁体層を形成する必要がなく、製造プ
ロセスを短縮することができる。
【0079】また、電圧入力部71、73、電圧出力部
72における圧電基板70の両主面には、それぞれ入力
部用第2外部電極37a、37b、出力部用第2外部電
極39a、39bが形成されており、入力部用第2外部
電極37a、37b、出力部用第2外部電極39a、3
9bが、それぞれ入力部用第1外部電極33a、33
b、出力部用第1外部電極35a、35bに接続されて
いる。
【0080】そして、最上の入力部用内部電極層25b
は、入力部用第2外部電極37bと、最下の入力部用内
部電極層25aは、入力部用第2外部電極37aと、最
上の出力部用内部電極層27bは、出力部用第2外部電
極39bと、最下の出力部用内部電極層27aは、出力
部用第2外部電極39aと接続され、同電位とされてお
り、表層圧電体層29b、29c、31b、31cは、
振動に寄与しない圧電体層とされている。
【0081】このような構成にすることで、、入力部用
第2外部電極37a、37b、出力部用第2外部電極3
9a、39bを形成する前に、表層圧電体層の表面を研
摩することにより、上下面の平行を出し、保持をし易く
できる。
【0082】また、電圧入力部71、73、電圧出力部
72における圧電体層29a、31aが厚み方向に分極
され、内部電極を介して隣接する圧電体層の分極方向が
逆とされている。
【0083】この圧電トランスは、主面の幅方向に対し
て縦振動するものであり、基本波モードで作動すること
が望ましい。また降圧用として機能することが望まし
い。
【0084】
【実施例】第1の実施の形態の実施例として、図1に示
した圧電トランス(層構成は異なる)をグリーンシート
法により作製した。先ず、圧電磁器材料としてPZT系
圧電磁器材料を用い、また内部電極材料としてAg/P
dを用い、PZT系圧電磁器材料からなるグリーンシー
ト上に、図3(a)、(b)、(c)、(d)に示す内
部電極パターン形状にAg/Pdペーストをスクリーン
印刷し、このような内部電極パターンが形成されたグリ
ーンシートを8層積層し、その上に内部電極パターンが
形成されていないグリーンシートを積層した後、焼成
し、図5に示すような圧電基板を得た。
【0085】この後、両主面に図4に示すように銀とガ
ラスを主成分とする電極ペーストを塗布して焼き付け、
入力部用第2外部電極37a、37b、出力部用第2外
部電極39a、39bを形成すると同時に、両側面に電
極ペーストを塗布して焼き付け、分極用外部電極45
a、45b、47a、47bを形成した。
【0086】作製した圧電基板20の電圧入力部21、
23では、圧電体層29aが3層、入力部用内部電極層
25a、25bが1層づつ積層され、電圧出力部22で
は、圧電体層31aが15層、出力部用内部電極層27
a、27bが7層づつ、積層されており、圧電体層31
aの厚さが0.2mm、圧電体層29aの厚さが1.0
mmであった。
【0087】この後、190℃のシリコンオイル中で
1.6kV/mmの電場を印加した。つまり入力部用第
2外部電極37a、37b間には1.6kVを、出力部
用第2外部電極39a、39b間に320Vを印加し、
10分間分極を行い、圧電基板20を厚み方向に分極
し、図4および図5に示すような圧電基板を得た。
【0088】次に、ダイシングソーを用いて図4中の破
線形状に加工して、長さ35.2mm、幅7.0mmの
圧電基板20を得た。
【0089】次に圧電基板20の側面に、スクリーン印
刷によりポリイミド絶縁層15を形成した。次にメッキ
電極を用いて圧電基板20の側面に入力部用第1外部電
極33a、33b、出力部用第1外部電極35a、35
bを形成し、それぞれ入力部用内部電極層25a、25
b、出力部用内部電極層27a、27bと電気的に接続
した。入力部用第2外部電極37a、37b、出力部用
第2外部電極39a、39bは、それぞれ入力部用第1
外部電極33a、33b、出力部用第1外部電極35
a、35bと電気的に接続した。
【0090】電圧入力部21、23の入力部用第2外部
電極37a、37b、および入力部用内部電極層25
a、25bの寸法は、主面の長さ方向の辺を7.6m
m、主面の幅方向の辺を7.0mmとし、入力部用第2
外部電極37a、37bと、出力部用第2外部電極39
a、39bとの間隔、および入力部用内部電極層25
a、25bと出力部用内部電極層27a、27bの間隔
は1.2mmとした。
【0091】電圧出力部22の出力部用第2外部電極3
9a、39b、およびの出力部用内部電極層27a、2
7bの寸法は、主面の長さ方向の辺を7.6mm、主面
の幅方向の辺を7.0mmとした。
【0092】そして、圧電トランスの電圧入力部21、
23の入力部用第2外部電極37a、37b(1次側電
極)に入力用端子を接続し、電圧出力部22の出力部用
第2外部電極39a、39b(2次側電極)に出力用端
子を接続し、この出力用端子に負荷抵抗10Ωを接続し
た。入力電圧は関数発生器を用いの正弦波を入力側電極
に印加し、出力用端子からの出力電圧(V)を検出し、
出力電流(mA)、出力電力(mW)、変換効率(出力
電力/入力電力×100)を求めた。
【0093】振幅5Vの正弦波を入力した場合には、出
力電圧=0.895V、出力電流=89.5mA、出力
電力=80mW、最大変換効率(出力電力/入力電力×
100)=83%を示し、ゲイン(=出力電圧/入力電
圧)は0.179であった。
【0094】振幅30Vの正弦波を入力した場合には、
出力電圧=5.385V、出力電流=539.5mA、
出力電力=2.9W、最大変換効率(出力電力/入力電
力×100)=82%を示し、ゲイン(=出力電圧/入
力電圧)は0.180であった。
【0095】この結果より、本発明のトランスは負荷抵
抗が10Ω程度と小さい場合においても、高電圧、高電
流、高電力および高変換効率を得ることができ、低負荷
時に充分使用できることが判った。よって、本発明の圧
電トランスでは、出力側に大電流を得ることが可能で、
かつ、低負荷時に出力電力を大きくとることができ、し
かもトランス形状は小型であり、分極が一方向であるた
め、製造も容易であることが明白である。
【0096】比較のため、図12に示すようなローゼン
型圧電トランスを作製した。ここで、圧電基板の形状は
長さ30mm、幅4.5mm、厚み1.0mmとし、電
極は、一次側電極を片側端部から中央部まで15mm
で、両面に一様となるように塗布し、2次側電極につい
ては端面部に形成した。1次側電極を入力とし、2次側
電極を出力とし、この出力用端子に種々の負荷抵抗RL
を接続した。RL=10Ωの場合では出力電圧を測定で
きず、比較例では、低負荷では使用できないことがわか
る。RL=10kΩの場合は、出力電圧=29.8V、
出力電流=2.98mA、出力電力=44.4mWを示
し、高負荷抵抗において出力電力が高い値を示した。
【0097】
【発明の効果】本発明の圧電トランスでは、電圧入力部
の入力部用内部電極間に、圧電基板の主面の幅方向に対
して縦振動する基本波の共振周波数近傍の周波数の交流
電圧を入力すれば、電気機械結合係数K’31をもって圧
電基板に幅方向縦振動の基本波が励振され、再び電気機
械結合係数K’31をもって電圧出力部の出力部用内部電
極間に入力電圧と同じ周波数の出力電圧が発生し、従来
のローゼン型圧電トランスと比較して、大出力電流を取
り出せる。
【0098】また、電圧出力部の積層構造を変更する事
で電圧出力部の静電容量を所望の値に設定する事がで
き、機器とのインピーダンス整合を容易にできる。
【0099】さらに、電圧入力部の積層構造を変更する
事で電圧入力部の静電容量を所望の値に設定する事がで
き、入力部と出力部の静電容量の比率を自由に変更でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧電トランスを示す斜視図である。
【図2】図1の圧電トランスを示すもので、(a)は図
1のB−B線に沿った断面図、(b)は図1のA−A線
に沿った断面図である。
【図3】本発明の圧電トランスを作製する際の印刷パタ
ーンを示す平面図である。
【図4】本発明の圧電トランスを作製する途中の、圧電
磁器の斜視図である。
【図5】図4の圧電磁器の断面図を示すもので、(a)
は図4のC−C線に沿った断面図、(b)は図4のD−
D線に沿った断面図、(c)は図4のE−E線に沿った
断面図である。
【図6】本発明の他の圧電トランスを示す斜視図であ
る。
【図7】図6の圧電トランスを示すもので、(a)は図
6のF−F線に沿った断面図、(b)は図6のG−G線
に沿った断面図である。
【図8】本発明のさらに他の圧電トランスを示す斜視図
である。
【図9】図8の圧電トランスを示すもので、(a)は図
8のH−H線に沿った断面図、(b)は図8のI−I線
に沿った断面図である。
【図10】本発明のさらに他の圧電トランスを示す斜視
図である。
【図11】図10の圧電トランスを示すもので、(a)
は図10のJ−J線に沿った断面図、(b)は図10の
K−K線に沿った断面図である。
【図12】従来のローゼン型圧電トランスを示す斜視図
である。
【符号の説明】
20、50、60、70・・・圧電基板 21、23、51、53、61、63、71、73・・
・電圧入力部 22、52、62、72・・・電圧出力部 25a、25b・・・入力部用内部電極層 27a、27b・・・出力部用内部電極層 29a、31a・・・圧電体層 29b、29c、31b、31c・・・表層圧電体層 33a、33b・・・入力部用第1外部電極 35a、35b・・・出力部用第1外部電極 37a、37b・・・入力部用第2外部電極 39a、39b・・・出力部用第2外部電極

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両主面が長方形状の圧電基板の長さ方向
    に、電圧入力部、電圧出力部を交互に順次形成し、前記
    電圧入力部および前記電圧出力部における圧電基板内
    に、それぞれ2以上の入力部用内部電極層および出力部
    用内部電極層を厚み方向に所定間隔を置いて設けるとと
    もに、前記電圧入力部に、振動に寄与する圧電体層が2
    層以上形成され、且つ前記圧電基板の主面の幅方向に対
    して基本波モードで縦振動することを特徴とする圧電ト
    ランス。
  2. 【請求項2】電圧出力部における出力部用内部電極層の
    層数が、電圧入力部における入力部用内部電極層の層数
    より多いことを特徴とする請求項1記載の圧電トラン
    ス。
  3. 【請求項3】電圧入力部における圧電基板の側面に、入
    力部用内部電極層に交互に接続する一対の入力部用第1
    外部電極がそれぞれ設けられるとともに、電圧出力部に
    おける圧電基板の側面に、出力部用内部電極層に交互に
    接続する一対の出力部用第1外部電極がそれぞれ設けら
    れていることを特徴とする請求項1または2記載の圧電
    トランス。
  4. 【請求項4】電圧入力部、電圧出力部における圧電基板
    の両主面に、それぞれ入力部用第2外部電極、出力部用
    第2外部電極が形成されており、該入力部用第2外部電
    極、出力部用第2外部電極が、それぞれ入力部用第1外
    部電極、出力部用第1外部電極に接続されていることを
    特徴とする請求項3記載の圧電トランス。
  5. 【請求項5】降圧用であることを特徴とする請求項1乃
    至4のうちいずれかに記載の圧電トランス。
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