JP2000294849A - 圧電トランス - Google Patents

圧電トランス

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JP2000294849A
JP2000294849A JP11099506A JP9950699A JP2000294849A JP 2000294849 A JP2000294849 A JP 2000294849A JP 11099506 A JP11099506 A JP 11099506A JP 9950699 A JP9950699 A JP 9950699A JP 2000294849 A JP2000294849 A JP 2000294849A
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JP11099506A
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Masahiro Takahashi
昌弘 高橋
Toru Abe
徹 阿部
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Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 小型で低出力インピーダンスが求められる電
源回路等に適し、かつ圧電特性や機械的強度に優れた圧
電トランスを提供する。 【解決手段】 長さ方向に沿って発電部3と駆動部2を
配置し、前記発電部および駆動部のそれぞれは厚み方向
に分極された圧電セラミックスと電極層とを交互に積層
した構造を有し、隣り合う電極層は極性が逆になるよう
に外部電極により一層毎に交互に接続し、さらに駆動部
と発電部とに挟まれた領域に幅が0.2mm以上3mm
以下の圧電セラミックスが未分極の絶縁部4を有し、前
記圧電セラミックスの断面観察像における見かけの結晶
組織の平均結晶粒径が1μm以下であり、かつ見かけの
結晶組織の80面積%以上が1μm以下の結晶粒径の結
晶粒とした圧電トランス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばDC/DC
コンバ−タ等の電力変換装置に使用される圧電トランス
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の代表的な高電圧発生用圧電トラン
スとしてローゼン型圧電トランスがある。図5にその構
造を示す。図中の1は例えばチタン酸ジルコン酸鉛(P
ZT)系の圧電セラミックスである。この圧電トランス
の図中左半分の上下面には例えば銀焼き付け法により形
成された入力電極11、12を形成し、右半分にも同様
の方法で出力電極13を形成する。そして圧電トランス
の左半分の駆動部2は厚み方向に、右半分の発電部3は
長さ方向にそれぞれ矢印に示すように分極処理を施す。
【0003】例えば前記圧電トランスを昇圧トランスと
して用いる場合、駆動部に電圧を印加すると逆圧電効果
により、長さ寸法により決定される振動が励振され、発
電部では前記振動エネルギーが正圧電効果により、電力
として取り出される。このようなローゼン型圧電トラン
スは小型化が容易で不燃性であり、電磁ノイズを発生し
ない等の長所を有する。
【0004】しかしながら、ローゼン型圧電トランスで
は高インピーダンス側の電極が長さ方向に直交する端面
に形成されている。この端面部は長さ方向の振動の腹と
なるため、この部分にリード線等を取り付けると振動を
阻害し、出力を低下させる要因となっていた。また、前
記ローゼン型トランスの駆動部2では圧電セラミックス
と内部電極とを交互に重ねた積層構造とすることでイン
ピーダンスを調整、設計することが可能で、低インピー
ダンス化を計ることが可能であるが、一方、発電部では
その構造上積層化が困難であるため、低インピーダンス
化が困難である。このため、その用途は冷陰極管の点灯
用トランス等の出力側インピーダンスが数十kΩと比較
的高くても使用可能なものに限定されていた。
【0005】そこで特開平5−251782号公報に
は、低インピーダンス部2と高インピーダンス部3とを
長さ方向に沿うように配置し、前記低インピーダンス部
2と高インピーダンス部3に挟まれた領域に絶縁部4有
し、長さ方向縦振動モードで動作する圧電トランスが提
案されている(従来例)。図6はその斜視図である。こ
の圧電トランスは低インピーダンス部2と高インピーダ
ンス部3が長さ方向に沿うように配置されて一体化さ
れ、それぞれの圧電セラミックス層が厚み方向に分極さ
れている。前記低インピーダンス部2に電圧を印加する
ことにより、長さ寸法で決定される長さ方向縦振動が励
振され、高インピーダンス側3で高電圧が取り出され
る。高インピーダンス側も低インピーダンス側と同様に
圧電セラミックス層を介して隣接する電極層の距離を適
宜調整することにより、所望のインピーダンスを得るこ
とが出来る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記圧電トランスの電
極に使用される貴金属は、圧電セラミックスの焼結温度
で酸化されず、かつ溶解しないことが必要でありAu、
Pt等が用いられていたが、工業的に安価であることが
望ましく最近では積層セラミックコンデンサと同様に、
Ag・Pd合金を電極材料として用いるようになった。
このAg・Pd合金はPdの融点が1554℃と高いの
で、Pdの比率が高い程高温での焼結に耐えるが、Pd
は焼結途中で酸化還元により体積変化し易いという性質
から、Pdの比率が高すぎると焼結途中でセラミック素
子との剥離を発生し易いという不具合があり、一方、P
dの比率を抑えると融点が下がるので、必然的に圧電セ
ラミックスの焼結温度も下げなくてはならず、このため
重量%の比でAg:Pd=70:30の合金を使用する
のが一般的である。
【0007】このようなAg・Pd合金を電極とした圧
電トランスを大気中で焼結すると、電極近傍では圧電セ
ラミックスの結晶が粗大化し、電極から離れた部分では
緻密化が不十分で結晶粒径も小さいとういう著しく不均
一な結晶組織になるという問題がある。このように圧電
セラミックスの結晶組織が不均一であると、結晶粒子間
に空孔やクラックが発生し易く機械的強度が弱くなる。
また機械的強度は圧電セラミックスの結晶粒径に依存し
結晶粒径に反比例するので、電極近傍の圧電セラミック
スは、電極から離れた部分の圧電セラミックスと比較し
脆弱で破壊し易い。
【0008】前記従来の圧電トランスでは、低インピー
ダンス部2と高インピーダンス部3に挟まれた領域に絶
縁部4を有する構造であり、前記絶縁部4は内部に電極
を有しないため、この部分で圧電セラミックスの結晶組
織が不均一と成り易い。このような圧電トランスは、入
力電圧を高くするに従い、内部損失の増加による発熱や
昇圧比の低下を招いたり、分極時や駆動時に機械的破壊
を生じるなど実用に耐えないものである。
【0009】本発明は上述の問題点を解決するためにな
されたもので、小型で低出力インピーダンスが求められ
る電源回路等に適し、かつ圧電特性や機械的強度に優れ
た圧電トランスを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、長板形状
の圧電トランスであって、長さ方向に沿って発電部と駆
動部を配置し、前記発電部および駆動部のそれぞれは厚
み方向に分極された圧電セラミックスと電極層とを交互
に積層した構造を有し、隣り合う電極層は極性が逆にな
るように外部電極により一層毎に交互に接続され、さら
に駆動部と発電部とに挟まれた領域に幅が0.2mm以
上3mm以下の圧電セラミックスが未分極の絶縁部を有
し、前記圧電セラミックスの断面観察像における見かけ
の結晶組織の平均結晶粒径が1μm以下であり、かつ見
かけの結晶組織の80面積%以上が1μm以下の結晶粒
径の結晶粒で構成される圧電トランスである。
【0011】第2の発明は、長板形状の圧電トランスで
あって、長さ方向の両端側を発電部、長さ方向の中心を
含む中央部分を駆動部とし、発電部および駆動部のそれ
ぞれは厚み方向に分極された圧電セラミックスと電極層
とを交互に積層した構造を有し、隣り合う電極層は極性
が逆になるように外部電極により一層毎に交互に接続さ
れ、さらに駆動部と発電部とに挟まれた領域に幅が0.
2mm以上3mm以下の圧電セラミックスが未分極の絶
縁部を有し、前記圧電セラミックスの断面観察像におけ
る見かけの結晶組織の平均結晶粒径が1μm以下であ
り、かつ見かけの結晶組織の80面積%以上が1μm以
下の結晶粒径の結晶粒で構成された圧電トランスであ
る。
【0012】第3の発明は、長板形状の圧電トランスで
あって、長さ方向の両端側を駆動部、長さ方向の中心を
含む中央部分を発電部とし、発電部および駆動部のそれ
ぞれは厚み方向に分極された圧電セラミックスと電極層
とを交互に積層した構造を有し、隣り合う電極層は極性
が逆になるように外部電極により一層毎に交互に接続さ
れ、さらに駆動部と発電部とに挟まれた領域に幅が0.
2mm以上3mm以下の圧電セラミックスが未分極の絶
縁部を有し、前記圧電セラミックスの断面観察像におけ
る見かけの結晶組織の平均結晶粒径が1μm以下であ
り、かつ見かけの結晶組織の80面積%以上が1μm以
下の結晶粒径の結晶粒で構成された圧電トランスであ
る。
【0013】第1乃至第3の発明において、前記圧電セ
ラミックスは鉛、ジルコニウム、チタン金属の酸化物を
主成分とし、副成分としてFeおよびAgを含有し、前
記圧電トランスは長さ方向三次縦振動モ−ドの共振周波
数で駆動する。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る圧電トランス
の斜視図である。圧電トランス1は長板状であり、その
長辺方向を長手方向、短辺方向を幅方向、積層方向を厚
み方向とする。長さ方向の両端側を発電部3、長さ方向
の中心を含む中央部分を駆動部2とし、発電部3および
駆動部2のそれぞれは,厚み方向に分極された圧電セラ
ミックスと電極層とを交互に積層した構造を有し、隣り
合う電極層は極性が逆になるように外部電極(図示せ
ず)により一層毎に交互に接続されている。前記両端の
発電部3の積層数・内部電極間隔等の積層構造はそれぞ
れ同一としている。また前記圧電セラミックスは、厚み
に方向に一層おきに逆方向に分極される。
【0015】圧電トランス1は、圧電セラミックスとし
て例えばチタン酸ジルコン酸鉛を用いて、周知のシ−ト
成形・一体焼成の技術により作製することができる。す
なわちドクタ−ブレ−ド法等により作製した圧電セラミ
ックグリ−シ−ト上に、Ag、Ag−Pd等の導電性ペ
−ストを内部電極として所定のパタ−ンに印刷し、積層
・圧着した後、脱バインダ−、焼結等を行うことによっ
て積層構造の圧電トランスを得る。
【0016】前記圧電セラミックスは鉛、ジルコニウ
ム、チタン金属の酸化物を主成分とし、圧電セラミック
スが一般式(Pb1−y)(ZrTi1−z)O
(ただしMは、Sr、Ba、Caの群からなる少なく
とも1種、かつ0.01≦y≦0.10、0.51≦z
≦0.56)で表される主成分組成に、前記主成分組成
に対してFeをFeに換算して0.05〜1.0
重量%、Agを10〜1000ppm含有するのが望ま
しい。圧電セラミックス中のAg含有量が1000pp
mを超えると圧電セラミックスの結晶粒界の3重点にA
gやPb、その他の組成分や不可避不純物からなる第2
相を形成し、絶縁抵抗が著しく低下するため分極が困難
となるので好ましくない。またAgの含有量が10pp
m未満では、圧電セラミックスと内部電極との濡れ性が
悪くデラミネーション(層間剥離)が発生するので、圧
電セラミックスのAgの含有量は、10〜1000pp
mとするのが好ましい。さらにFeがAgの偏析に対し
て抑制効果を有し粒成長抑制に有効であり、Fe
に換算して0.05〜1.0重量%相当含有させること
が好ましい。ここでFeの含有量が0.05重量%未満
では含有の効果が不十分であり、1.0重量%超では焼
結性が不足する。このように構成することで、圧電セラ
ミックスを断面観察像における見かけの結晶組織の平均
結晶粒径が1μm以下で、見かけの結晶組織の80面積
%以上が1μm以下の結晶粒径の結晶粒で構成できる。
【0017】さらに駆動部2と発電部3とに挟まれた領
域に形成される絶縁部4は、幅が0.2mm以上3mm
以下であるのが好ましい。前記絶縁部4の幅が0.2m
m未満であると製造上の精度および絶縁の点から絶縁部
4として適正な機能を果たすことができない。また、3
mmを超えると未分極である不活性部分の割合が大きく
なるため、高い効率を得ることができない。
【0018】図2は図1の長手方向の中央部A−A’線
に沿った断面図であり、電極部の積層構造を示す。各電
極部には幅方向の両端面に外部電極が形成され、電極層
は一層おきに両端面の外部電極51、52と接続され
る。また、図3は図1の長手方向左側電極部のB−B’
線断面図であり、電極部の積層構造を示す。各電極部に
は幅方向の両端面に外部電極が形成され、電極層は一層
おきに両端面の外部電極61、62と接続される。図1
の右側の電極部についても前記左側の電極部と同様に電
極層と外部電極とが接続される。電極層と外部電極・端
子との接続は前記方法に限定されるものではなく、例え
ば幅方向片側の端面ですべて接続する方法、スル−ホー
ルによって厚み方向の端面で接続する方法等を採用する
ことも可能であるが、幅方向の両端面あるいは片側の端
面で接続する方法を採用することにより、厚み方向端面
で接続する場合に比べて工程の簡略化・低コスト化、実
質的な低背化が図られる。また駆動部2、発電部3の振
動の節で該外部電極に端子・導線が接続され、さらに長
手方向両端部の該端子・導線は並列に接続され一対の入
力端子あるいは出力端子として機能し、中央の電極部に
接続した端子・導線は一対の出力端子あるいは入力端子
として機能する。
【0019】圧電トランス1の駆動は、長さ三次モ−ド
を利用して行うのが好ましい。一次モ−ド、二次モ−ド
での駆動も可能であるが、三次モ−ドを利用することに
よって効率の良い駆動を行うことができるとともに、よ
り高周波数の駆動に対応することができる。本発明にか
かる圧電トランスは、入出力の端子を入れ替えること及
び/又は入出力部の積層数・圧電セラミックスの厚を変
えることによって、昇圧型あるいは降圧型のトランスと
して使用することが可能である。また駆動部2、発電部
3を積層構造とすることで、それぞれのインピ−ダンス
設定の自由度がきわめて大きくなる。例えば、中央部を
駆動部2とし、両端の発電部3に対して積層数を多くす
る、好ましくは倍以上にすることにより、昇圧型トラン
スとして機能し、かつ小さい負荷インピ−ダンスとマッ
チング可能なトランスを得ることができる。また、両端
を駆動部2とし、かつ中央部の発電部3に対して積層数
を多くすることによって高い昇圧比を有する昇圧型トラ
ンスとして機能し、かつ比較的小さい負荷インピ−ダン
スとマッチング可能トランスを得ることができる。ま
た、これらのトランスの入出力端子を入れ替えることに
より、降圧型トランスとして機能しかつ、小さい負荷イ
ンピ−ダンスとマッチング可能なトランスを得ることが
できる。
【0020】また、長さ方向三次モ−ドで圧電トランス
を駆動すれば、圧電トランスの端部から全トランス長の
略1/6、1/2、5/6(逆側の端面から1/6)の
位置で振動の節が生じる。該位置で外部電極に端子・導
線を接続すれば電気的接続不良の発生を抑えることがで
き好ましい。
【0021】
【実施例】(実施例1)初めに試料の作製方法について
説明する。酸化鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、炭
酸ストロンチウムを、圧電セラミックスが(Pb
0.95Sr0.05)(Zr0.52Ti0.48
の組成となるように秤量し、湿式ボールミルで混合
した後、これを乾燥し、解砕し、さらに850℃で2時
間仮焼して仮焼粉を作製した。この解砕粉とFe
を0.7重量%各々秤量の上ボールミルに投入し、湿式
で粉砕した後、この原料を乾燥して仮焼原料粉を作製し
た。なお該仮焼原料粉の粒度は1μm以下となるようボ
ールミルでの粉砕時間により適宜調整している。
【0022】さらにこの仮焼原料粉にバインダーとして
PVBを、可塑剤としてBPBGをそれぞれ4重量%添
加し、エチルアルコールを溶媒として、ボールミルにて
24時間混練した。混練後脱泡と粘度調整を行い、ドク
ターブレード法により100ミクロンのグリーンシート
を作製した。その後、スクリーン印刷法により(Ag:
Pd)=(70:30)のペーストを用いてグリーンシ
ート上に内部電極を印刷し、両端の駆動部はともに6
層、中央部の発電部を3層となるように積層、圧着し、
所定形状に切断して成形体とし、この成形体をアルミナ
もしくはマグネシアからなる焼成治具に配列し、これを
脱脂後大気中1100℃で2時間焼成した。さらに入出
力電極を印刷し焼付して、120℃のシリコンオイル中
にて厚み方向に2.2kV/mmの直流電界を印加し、
圧電体層を一層おきに逆方向に分極した。中央部の発電
部を出力部とし、両端の駆動部を並列に接続して入力部
とし22×11×1.2mmの圧電トランスとした。絶
縁部幅は0.5mmであった。
【0023】なお、本発明に係る圧電トランスの圧電セ
ラミックス中のAg含有量の定量分析の手法としてIC
P発光分析(Inductively Coupled Plasma Emission Sp
ectroscopy)を採用し、絶縁部の圧電セラミックスを切
り出して分析した。また焼結後の圧電セラミックスの組
成についても、前記部位を測定個所とし分析を行った。
【0024】抗折強度は、前記手順で作製し分極処理を
施した22×11×1.2mmの積層型圧電トランスを
試験片とし三点曲げ強度試験により、支点間距離12m
m、加重速度0.1mm/minの条件で圧電トランス
の積層方向から荷重を加え破断点から算出した。
【0025】また断面観察像における圧電セラミックス
の平均結晶粒径および1μm以下の結晶粒径の結晶粒が
単位面積当たりに占める割合(面積%)は、圧電セラミ
ックスの破面を鏡面研磨し、塩酸でエッチングを施して
結晶粒子を見易くしたものを、SEMで5000倍にて
撮影し、このSEM写真からルーゼックス社の画像処理
解析装置ルーゼックスFSを用いて2×3インチの範囲
で結晶粒径を測定し、統計処理することで平均結晶粒径
と粒径の分布を求め評価した。
【0026】得られた圧電トランスの出力側に100Ω
の負荷抵抗を接続し、長さ方向三次モ−ドで駆動したと
ころ、共振周波数250kHz、昇圧比2.6倍、効率
94%の特性を得た。またインピーダンスアナライザで
測定した入力側、出力側の静電容量はそれぞれ45.0
nF、5.9nFであった。また、絶縁部における圧電
セラミックス中のAg含有量は270ppmで、平均粒
径が0.76μm、結晶粒径が1μm以下の割合は84
%であり、素子の抗折強度は15.7kgf/mm
あった。
【0027】(実施例2)本発明のその他の構造例に係
る圧電トランスの斜視図を図4に示す。絶縁部幅1m
m、内部電極の印刷パタ−ンおよび積層数以外は実施例
1と同様の方法によって圧電トランスを得た。得られた
素子寸法は22×11×1.2mmであり、両端の発電
部は2層、中央部の駆動部は12層である。両端の発電
部は並列に接続して出力部とし、中央部の駆動部は入力
部とした。このときの入力側、出力側の静電容量はそれ
ぞれ87.0nF、5.0nFであった。出力側に10
0Ωの負荷抵抗を接続し、長さ方向三次モ−ドで駆動し
たところ、共振周波数253kHz、昇圧比4.1倍、
効率93%、抗折強度15.4kgf/mmの特性を
得た。
【0028】(比較例)(Pb0.95Sr0.05
(Zr0.52Ti0.48)Oの組成となるように
秤量し、湿式ボールミルで混合した後、これを乾燥し、
解砕し、さらに850℃で2時間仮焼して仮焼粉を作製
した。この解砕粉をボールミルに投入し、湿式で粉砕し
た後、この原料を乾燥して粒度が1μm以下の仮焼原料
粉を用いて圧電トランスを作製し、この圧電トランスの
絶縁部の幅を4mmとした以外は実施例1と同じ構造の
トランスを作製した。このときの入力側、出力側の静電
容量はそれぞれ31.1nF、4.1nFであった。出
力側に150Ωの負荷抵抗を接続し、長さ方向三次モ−
ドで駆動したところ、共振周波数251kHz、昇圧比
2.6倍、効率86%、絶縁部における圧電セラミック
ス中のAg含有量は260ppmで、平均粒径が3μ
m、結晶粒径が1μm以下の割合は24%であり、抗折
強度8.1kgf/mmとなり、実施例1の比べて効
率、抗折強度とも低い値しか得られなかった。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、均質で機械的強度の高
い圧電トランスが得られるとともに、同時に入力および
出力のインピ−ダンス設定の自由度がきわめて大きいた
め、入力側および出力側のインピ−ダンス整合が容易
で、高効率かつ小型の圧電トランスが得られる。特に、
出力側の負荷が低インピ−ダンスである場合その効果は
著しく顕著であり、圧電トランスの小型化、高効率化に
大きく寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る圧電トランスの斜視図
である。
【図2】本発明の一実施例に係る圧電トランスのA−
A’断面図である。
【図3】本発明の一実施例に係る圧電トランスのB−
B’断面図である。
【図4】本発明の一実施例に係るその他の圧電トランス
の斜視図である。
【図5】従来のローゼン型圧電トランスの斜視図であ
る。
【図6】従来のその他の圧電トランスの斜視図である。
【符号の説明】
1 圧電トランス 4 絶縁部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長板形状の圧電トランスであって、長さ
    方向に沿って発電部と駆動部を配置し、前記発電部およ
    び駆動部のそれぞれは厚み方向に分極された圧電セラミ
    ックスと電極層とを交互に積層した構造を有し、隣り合
    う電極層は極性が逆になるように外部電極により一層毎
    に交互に接続され、さらに駆動部と発電部とに挟まれた
    領域に幅が0.2mm以上3mm以下の圧電セラミック
    スが未分極の絶縁部を有し、前記圧電セラミックスの断
    面観察像における見かけの結晶組織の平均結晶粒径が1
    μm以下であり、かつ見かけの結晶組織の80面積%以
    上が1μm以下の結晶粒径の結晶粒で構成されることを
    特徴とする圧電トランス。
  2. 【請求項2】 長板形状の圧電トランスであって、長さ
    方向の両端側を発電部、長さ方向の中心を含む中央部分
    を駆動部とし、発電部および駆動部のそれぞれは厚み方
    向に分極された圧電セラミックスと電極層とを交互に積
    層した構造を有し、隣り合う電極層は極性が逆になるよ
    うに外部電極により一層毎に交互に接続され、さらに駆
    動部と発電部とに挟まれた領域に幅が0.2mm以上3
    mm以下の圧電セラミックスが未分極の絶縁部を有し、
    前記圧電セラミックスの断面観察像における見かけの結
    晶組織の平均結晶粒径が1μm以下であり、かつ見かけ
    の結晶組織の80面積%以上が1μm以下の結晶粒径の
    結晶粒で構成されることを特徴とする圧電トランス。
  3. 【請求項3】 長板形状の圧電トランスであって、長さ
    方向の両端側を駆動部、長さ方向の中心を含む中央部分
    を発電部とし、発電部および駆動部のそれぞれは厚み方
    向に分極された圧電セラミックスと電極層とを交互に積
    層した構造を有し、隣り合う電極層は極性が逆になるよ
    うに外部電極により一層毎に交互に接続され、さらに駆
    動部と発電部とに挟まれた領域に幅が0.2mm以上3
    mm以下の圧電セラミックスが未分極の絶縁部を有し、
    前記圧電セラミックスの断面観察像における見かけの結
    晶組織の平均結晶粒径が1μm以下であり、かつ見かけ
    の結晶組織の80面積%以上が1μm以下の結晶粒径の
    結晶粒で構成されることを特徴とする圧電トランス。
  4. 【請求項4】 前記圧電セラミックスは鉛、ジルコニウ
    ム、チタンの酸化物を主成分とし、副成分としてFeお
    よびAgを含有することを特徴とする請求項1乃至3の
    いずれかに記載の圧電トランス。
  5. 【請求項5】 前記圧電トランスは長さ方向三次縦振動
    モ−ドの共振周波数で駆動することを特徴とする請求項
    1乃至4のいずれかに記載の圧電トランス。
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