JPH10279354A - 圧電セラミックスおよび圧電トランス - Google Patents
圧電セラミックスおよび圧電トランスInfo
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Abstract
得られる圧電セラミックスおよび圧電トランスを提供す
る。 【構成】 (Pb1-aSra)(ZrxTi1-x)O3にF
eを含有する圧電セラミックス焼結体で、その平均結晶
粒径が1μm以下、かつ80%以上が1μm以下の結晶
粒で構成されている。
Description
に関するものであり、また冷陰極管点灯回路用、特には
小型液晶ディスプレーのバックライト点灯用のインバー
タ回路部品である圧電トランスに関するものである。
晶自体は発光しないことから液晶表示体の背面や側面に
冷陰極管等の放電管を配置するバックライト方式が主流
となっている。この放電管を駆動するためには、使用す
る放電管の長さや直径にもよるが、通常、数百ボルト以
上の交流の高電圧が要求される。この交流高電圧を発生
させる方法として圧電トランスを用いたインバータが特
開平5−114492号公報に開示されている。
造が非常に簡単となり、小型化、薄型化、低コスト化が
可能である。この圧電トランスの構造と特徴は、例えば
学献社発行の専門誌「エレクトロセラミックス」197
1年7月号の「圧電トランスの特性とその応用」に示さ
れている。
図3を用いて以下に説明する。図3に示すものは195
6年に米国のC.A.Rosenが発表したローゼン型
圧電トランスの説明用模式図である。斜線を施した部分
は特に電極部であることを示す。
2は例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の圧電セラ
ミックスである。この圧電セラミックス2の図中左半分
の上下面には例えば銀焼き付けにより設けられた入力電
圧4、6の対を形成し、右側端面にも同様の方法で出力
電極8を形成する。そして圧電セラミックス2の左半分
の駆動部は厚み方向に、右半分の発電部は長さ方向にそ
れぞれ矢印に示すように分極処理を施す。
て、入力電極4、6間に交流電圧を印加するとこの圧電
セラミックス2は長さ方向に強い機械振動を生じ、これ
により右半分の発電部では圧電効果により電荷を生じ、
出力電極8と入力電極の一方、例えば入力電極6との間
に出力電圧Voが生じる。
比(Vo/Vi)(ここでViは、入力電圧)は、
(1)式のように表される。 (Vo/Vi)=A・k31・k33・QM・L/T (1)式 ここで、k31:横効果の電気機械結合係数、k33:縦効
果の電気機械結合係数、QM:機械的品質係数、L:圧
電セラミックスの長さ、T:圧電セラミックスの厚さ、
A:定数である。k31、k33、QMは圧電材料により決
定される材料定数であり、L、Tは素子の寸法形状によ
り決定される。
ランスは数100ボルト以上の高い交流高電圧が要求さ
れるため、高い昇圧比が必要とされる。そのためには、
(1)式からわかるように圧電トランス形状の厚さTを
薄くするか、長さLを大きくすることが有効であるが、
実装、素子強度の面から、とりうる値には自ずと限界が
ある。
薄手の圧電セラミックスを積層し、駆動部側を並列接続
するような圧電トランスが例えば特公昭52−4547
6号公報に開示されている。このような駆動部側が積層
された圧電トランスの例を図4に示す。なお、斜線を施
した部分は特に電極部であることを示す。ここで駆動部
は、圧電セラミックス2と内部電極3が交互に積層され
た構造になっている。
結晶体であるため空孔、クラックなどの内部欠陥を含ん
でいる。そのため圧電セラミックスの機械的強度は、こ
れら内部欠陥の大小および数に相関があり、内部欠陥が
小さくかつ少ない程強度が強くなる。圧電セラミックス
を圧電トランスとして使用する場合、入力電圧を高くし
ていくに従い、大振幅で振動するため振動に伴う応力に
より破壊したり、素子の内部損失の増加による発熱や昇
圧比の低下を生じたりする。このため長時間圧電トラン
スを使用していると圧電トランスとしての性能が低下
し、さらに破壊し易く信頼性が低いという問題があっ
た。
ンス用の材質としては、電気機械結合係数k31、k33お
よび機械的品質係数QMの大きい材料が要求される。し
かるに従来、抗折強度が高く、かつk31、k33およびQ
Mの大きい材料がなく、圧電トランス用材料として最適
な材料がないという問題があった。
れたもので、電気機械結合係数、機械的品質係数が高
く、かつ機械的強度が大で、信頼性の高い圧電トランス
を提供することを目的とする。
め鋭意研究の結果、発明者らは著しく構成を改善した圧
電セラミックスおよびこれを適用した圧電トランスに想
到したものである。すなわち第1の発明は、(Pb1-a
Ma)(ZrxTi1-x)O3(ただしMは、Sr、Ba、
Caの少なくとも1種、かつ0.01≦a≦0.10、
0.51≦x≦0.55)にFeをFe2O3に換算して
0.05〜1.0重量%含有する組成物の焼結体であっ
て、かつ当該焼結体の断面観察像における見かけの結晶
組織は、その平均結晶粒径が1μm以下であるととも
に、その80面積%以上が1μm以下の結晶粒径の結晶
粒で構成される圧電セラミックスである。
ところを、Srとした圧電セラミックスである。
かに記載の圧電セラミックスを積層型圧電トランスに適
用したものである。
(ZrxTi1-x)O3のxのところを0.51≦x≦
0.55の範囲とすることによって、当該組成物の焼結
体はk31およびk33が高く、tanδ(損失)が小さく
なり、ひいては昇圧比が高く、発熱量を少なくできる。
子%をSr、BaおよびCaの少なくとも1種で置換す
ること、とりわけSrで置換することによってk31およ
びQMをさらに高くできる。
0.05〜1.0重量%相当のFeを含有させることで
QMをさらに高くすることができる。
圧比の圧電トランスを得ることができるとともに、低発
熱量のため高温度下における性能劣化の心配がなく高い
効率を有する圧電トランスを得ることができる。
の平均結晶粒径を1μm以下とし、かつ1μm以下の結
晶粒子を80面積%以上とすれば、結晶粒子間に空孔や
亀裂が発生し難く、因って抗折強度が強くなる。しかも
長時間連続使用しても破壊し難い、繰り返し応力下での
信頼性の高い圧電トランスを得ることができる。
ながら詳細に説明する。表1は本発明の一実施例を説明
するための組成、結晶組織および特性値を纏めた表であ
る。 (実施例1)初めに試料の作成方法について説明する。
まず、各出発原料の粉末を所定量秤量し、湿式ボールミ
ルで混合した後、これを乾燥し、解砕した後800℃で
2時間仮焼して仮焼粉を作成した。この仮焼粉をライカ
イ機で解砕後湿式ボールミルで粉砕し、これを乾燥させ
て原料粉を作成した。
ダ)を加えて顆粒とし、乾式プレスにより、成形圧力1
000kg/cm2で成形し、この成形体を1100℃
で例えば5時間焼結して焼結体を得た。
た。まず、水中置換法によりこの焼結体の密度を求め
た。さらに、圧電特性を調べるために、この焼結体から
直径16mm、厚さ0.8mmの円板状試料を切り出
し、上下面に銀電極を焼き付け、140℃の絶縁油の中
で、3kV/mmの分極電界を5分間印加して分極処理
を行い、評価測定用試料を作成した。
気機械結合係数kpおよびポアソン比σが求まるので、
次に示す(2)式から、k31を算出した。 k31=kp・{(1−σ)/2}1/2(σ:ポアソン比) (2)式
中のNo.1、2、4の試料は(Pb1-aMa)(Zrx
Ti1-x)O3のxの値を変えたものである。これによる
と、0.51≦x≦0.55では、k31の値が0.27
〜0.31という高い値となり、特にx=0.52で最
大となり良好な圧電特性が得られる。
部をSrに置換した試料の評価結果である。Sr置換量
が1.0および9.0原子%、すなわちa=0.01お
よび0.09の場合、k31はそれぞれ0.3、0.25
となり、良好な圧電特性を得た。
結果をNo.10、11、12に示す。この結果からF
e2O3添加量が0.1、0.3、0.9重量%の各場合
にQMがそれぞれ880、960、920と高く、良好
な圧電特性を示した。
をSrとし、a=0.05、x=0.52、Fe2O3添
加量を0.7重量%とし、仮焼粉のボールミル粉砕時間
を12時間、96時間とし、その他の工程条件は前記方
法と同様として、粒度がそれぞれ1.12μmと0.3
0μmである原料粉を得、これを使用して結晶粒径の大
きさが異なる焼結体を作成した。
0.3μmであるものを焼結して得られた圧電セラミッ
クスである。結晶粒径の大きさおよび分布と強度につい
て示す。図1は表1のNo.15の組織を示すSEM写
真である。図に示す様に圧電セラミックスは、結晶の集
合体である結晶粒からできている。なお、図に示す組織
は、圧電セラミックスの破面を鏡面研磨し、塩酸でエッ
チングを施して結晶粒子を見易くしたものである。さら
にこのSEM写真から画像処理装置を用いて結晶粒径を
測定し、統計処理することで平均結晶粒径と粒径の分布
を求めた。
0.56μmで、結晶粒径1μm以下の結晶粒子は95
面積%であった。さらに、三点曲げ強度試験により抗折
強度を求めると2100kg/cm2であり、高い抗折
強度が得られた。
比較例としてxの値が0.51≦x≦0.55の範囲外
にある時の圧電特性を示す。No.3に示すx=0.5
では、k31が0.23と低く、x=0.56ではk31が
0.23でかつtanδが0.45%と高い値を示し圧
電特性が不良となっている。
o.8に示す。Sr置換量aがa=0.11では、k31
が0.23、QMが880と低く、一方、tanδは
0.42%と高く圧電特性が不良となっている。
o.9、13に示す。No.9で含有量0重量%の時、
QMが520と低く、No.13では密度が7.65g
/ccと低く、抗折強度も低下しているので好ましくな
い。
2μmのものを使用して得た焼結体の平均結晶粒径、1
μm以下の結晶粒子の分布および抗折強度を示す。この
結果から、平均結晶粒径が1μm以上であると密度が低
くかつ抗折強度も低い。
粒度が0.3μmと1.12μmのものを等量混合した
原料粉を用い、これを焼結して得られた圧電セラミック
スは、平均結晶粒径が1μm以下である一方、1μm以
下の結晶粒は80面積%以下である。図2にNo.16
の焼結体の組織のSEM写真を示す。評価の結果は、実
施例に比べ抗折強度が低かった。
ックスからなる圧電トランスの特性について説明する。
本実施例では、図4に示した積層体からなる圧電トラン
スを作成し、特性を評価した。この圧電トランスは、圧
電セラミックス2と内部電極3が交互に20層程積層さ
れた駆動部の構造となっている。
明する。(Pb1-aMa)(ZrxTi1-x)O3のMをS
rとし、a=0.05、x=0.52、Fe2O3添加量
を0.7重量%とし、仮焼粉を36時間ボールミル粉砕
して得られた粒度が0.53μmの原料粉に有機溶媒を
添加してスラリー状とし、さらにこれをシート成形機
(ドクターブレード法)でシート化して、厚さ約100
μmのシートを作成した。
し積層後所定形状に切断したのち焼結して25x8x
(厚さ)1.6mmの焼結体を得た。焼結体には、図4
に示すように駆動部に入力電極6と発電部に出力電極8
を、銀を800℃で焼き付けて形成し、さらに実施例1
と同様にして、駆動部および発電部を分極した。
特性を表2に示す。本発明の圧電トランスは、抗折強
度、効率および昇圧比が高く、発熱量が少ない。
組成で、仮焼粉の粉砕時間を12時間と短くすること
で、粒度が1.12μmの原料粉を得、これを用いて、
以下実施例2と同様の方法で作成した、焼結体の平均結
晶粒径が1.8μm、1μm以下の結晶粒子が21面積
%である圧電トランスの特性を比較例2として表2に示
す。
折強度、効率、昇圧比が低く、発熱量は多いことが解
る。
Srのところを、Srの全量を100原子%としたとき
の比率で、全量Baに置換した試料、全量Caに置換し
た試料、Sr40原子%Ba60原子%に置換した試
料、Sr40原子%Ca60原子%に置換した試料、B
a50原子%Ca50原子%に置換した試料、およびS
r50原子%Ba30原子%Ca20原子%に置換した
試料をそれぞれ作成した。
手順で評価および確認したところ、いずれの試料におい
ても、実施例1、実施例2の場合とほぼ同様の結果と効
果を得た。
折強度、効率および昇圧比が高く、発熱量が少なく信頼
性の高い圧電トランスを提供できる。
である。
る。
の斜視図である。
視図である。
極、8 出力電極、10 入力電源
Claims (3)
- 【請求項1】 (Pb1-aMa)(ZrxTi1-x)O
3(ただしMは、Sr、Ba、Caの少なくとも1種、
かつ0.01≦a≦0.10、0.51≦x≦0.5
5)にFeをFe2O3に換算して0.05〜1.0重量
%含有する組成物の焼結体であって、かつ当該焼結体の
断面観察像における見かけの結晶組織は、その平均結晶
粒径が1μm以下であるとともに、その80面積%以上
が1μm以下の結晶粒径の結晶粒で構成されていること
を特徴とする圧電セラミックス。 - 【請求項2】 (Pb1-aSra)(ZrxTi1-x)O3
(ただし、0.01≦a≦0.10、0.51≦x≦
0.55)にFeをFe2O3に換算して0.05〜1.
0重量%含有する組成物の焼結体であって、かつ当該焼
結体の断面観察像における見かけの結晶組織は、その平
均結晶粒径が1μm以下であるとともに、その80面積
%以上が1μm以下の結晶粒径の結晶粒で構成されてい
ることを特徴とする圧電セラミックス。 - 【請求項3】 請求項1、2の何れかに記載の圧電セラ
ミックスを積層型圧電トランスに適用したことを特徴と
する圧電トランス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9644797A JPH10279354A (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | 圧電セラミックスおよび圧電トランス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9644797A JPH10279354A (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | 圧電セラミックスおよび圧電トランス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10279354A true JPH10279354A (ja) | 1998-10-20 |
Family
ID=14165285
Family Applications (1)
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JP9644797A Pending JPH10279354A (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | 圧電セラミックスおよび圧電トランス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10279354A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001001500A1 (en) * | 1999-06-23 | 2001-01-04 | Marconi Caswell Limited | Piezo-electric transformer circuit |
JP2001068754A (ja) * | 1999-08-30 | 2001-03-16 | Kyocera Corp | アクチュエータ用圧電部材及びその製造方法 |
KR100390446B1 (ko) * | 2000-09-19 | 2003-07-04 | 한국과학기술연구원 | 마이크로파용 고유전율 유전체 세라믹 조성물 |
JP2007088022A (ja) * | 2005-09-20 | 2007-04-05 | Kyocera Corp | 積層圧電体 |
JP2017160083A (ja) * | 2016-03-09 | 2017-09-14 | 日本特殊陶業株式会社 | 磁器組成物、圧電素子、振動子、および、圧電素子の製造方法 |
-
1997
- 1997-03-31 JP JP9644797A patent/JPH10279354A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2001001500A1 (en) * | 1999-06-23 | 2001-01-04 | Marconi Caswell Limited | Piezo-electric transformer circuit |
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