JP2001230093A - 無電極ランプ用電力変換装置及びその駆動方法 - Google Patents

無電極ランプ用電力変換装置及びその駆動方法

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JP2001230093A
JP2001230093A JP2000041109A JP2000041109A JP2001230093A JP 2001230093 A JP2001230093 A JP 2001230093A JP 2000041109 A JP2000041109 A JP 2000041109A JP 2000041109 A JP2000041109 A JP 2000041109A JP 2001230093 A JP2001230093 A JP 2001230093A
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Toru Abe
徹 阿部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の無電極ランプ用電力変換装置では整合
回路が、インダクタとキャパシタの複数部品で構成され
るため小型化が困難であった。また、整合回路の構成部
品の損失が大きく、整合回路のQ値が低い。また、仮に
Q値の高い整合回路を用いても構成素子の僅かなばらつ
きや経時変化によって誘導コイル電流が必要な値に達し
ない問題点があった。 【解決手段】 整合回路に圧電トランスを用いることに
より、部品構成が簡素化され、小型化が図られる。ま
た、数百キロヘルツ以上の高周波においても圧電トラン
スの損失は小さく、Q値も高いため、無電極ランプ用電
力変換装置の高効率化、高性能化が図られる。また、主
スイッチの駆動周波数を可変して誘導コイル電流を制御
することにより、構成素子のばらつきや経時変化があっ
ても十分な誘導コイル電流ILを流すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無電極ランプを駆
動する電力変換装置及びその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】無電極ランプは光源の効率向上と長寿命
化を図れることからその実用化が進められている。この
無電極ランプに関しては、照明学会誌第81巻第7号
(平成9年)の554頁から557頁に記載されている
「無電極ランプとその応用」で解説されている。
【0003】従来の無電極ランプ駆動装置の回路構成を
図15に示す。直流電圧V1は商用交流電源などを整流
平滑して得られるものである。MOSFET21、22
は駆動部80により交互にオンオフを繰り返し、その周
波数は磁界結合放電方式の無電極ランプでは数百キロヘ
ルツから数十メガヘルツである。誘導コイル60は無電
極ランプ70を励起するものであるが、この前段にイン
ダクタ30、キャパシタ40、45で構成される整合回
路50がある。整合回路50は、MOSFET21、2
2で構成される主スイッチ部と誘導コイル60のインピ
ーダンスを整合させ、無電極ランプに効率よく高周波電
力を伝達するものである。
【0004】前記整合回路50の構成部品には、数百キ
ロヘルツから数十メガヘルツの高周波で比較的高い電圧
が印加されるため、各部品の電気的損失は大きく、整合
回路のQ値が低いことによる無電極ランプの不点灯や各
部品の過大な発熱などの問題がある。さらに従来の無電
極ランプ用電力変換装置では誘導コイル60を流れる電
流ILの制御が為されていないため、仮にQ値の高い整
合回路が実現できても電流ILが必要な値に達しないこ
とがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の無電極ランプ用
電力変換装置では整合回路が、インダクタとキャパシタ
の複数部品で構成されるため小型化が困難であった。ま
た、数百キロヘルツ以上の高周波では前記整合回路の構
成部品の損失が大きく、整合回路のQ値が低いという問
題点があった。また、従来の無電極ランプ用電力変換装
置では仮にQ値の高い整合回路を用いても構成素子の僅
かなばらつきや経時変化によって誘導コイル電流が必要
な値に達しないなどの問題点があった。
【0006】本発明は、以上のような問題点に着目し、
これらを有効に解決すべく創案されたものである。本発
明の目的は、小型、高効率、高性能の無電極ランプ用電
力変換装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記問題点を
解決するために、整合回路に圧電トランスを用いたこと
を特徴とする無電極ランプ用電力変換装置である。ま
た、所定の誘導コイル電流が流れるように駆動周波数を
可変する周波数可変手段を有することを特徴とする無電
極ランプ用電力変換装置である。さらに、整合回路に圧
電トランスを用い、無電極ランプ点灯以前は低周波から
駆動周波数を開始し、無電極ランプ点灯以後の無電極ラ
ンプ等価抵抗の減少に伴って駆動周波数を高くする制御
方法を用いたことを特徴とする無電極ランプ用電力変換
装置である。さらに、前記圧電トランスの励振電圧の直
流成分を除去したことを特徴とする無電極ランプ用電力
変換装置である。
【0008】本発明では、無電極ランプ用電力変換装置
の整合回路に圧電トランスを用いることにより、小型
化、低損失化、高Q値化を図った。主スイッチの駆動周
波数を可変することにより構成素子の僅かなばらつきや
経時変化があっても必要な誘導コイル電流を得られる。
さらに整合回路に圧電トランスを用い、無電極ランプ点
灯以前は低周波から駆動周波数を開始し、無電極ランプ
点灯以後の無電極ランプ等価抵抗の減少に伴って駆動周
波数を高くする制御を行なうことにより、無電極ランプ
の点灯状態を安定に維持できる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。本発明に用いる圧電トランスの実施例を図
9に示す。図9を参照して圧電トランスの原理を説明す
ると、2は板状圧電体であり、例えばチタン酸ジルコン
酸鉛(以下PZTと記す)などの圧電セラミックス材、
あるいはニオブ酸カリウム、ニオブ酸リチウム、タンタ
ル酸リチウムなどの単結晶圧電材が用いられる。この板
状圧電体2の上下面に銀焼付けや蒸着などにより電極を
2対形成する。そして、板状圧電体2は厚み方向に分極
処理を施す。
【0010】このように形成された圧電トランス10に
おいて、左半分の駆動部となる入力電極4、5間に交流
電圧源8よりセラミック素子2の長さ方向の共振周波数
とほぼ同じ周波数の入力電圧Viを印加するとこのセラ
ミック素子2は長手方向に強い機械振動を生じ、これに
より右半分の発電部では圧電横効果により電荷が発生
し、出力電極6、7間に出力電圧VOが生ずる。この振
動モードには、長手方向に半波長で共振する半波長モー
ド、一波長で共振する全波長モード、一波長半で共振す
る1.5波長モードなどがある。
【0011】図10に示す圧電トランスは、上下面電極
を3対形成したもので前述の振動モードのうち1.5波
長モードに適した構造の圧電トランスである。図10で
は両端の2対の電極部を駆動部、中央を発電部としてい
るがこれに限られるものでは無く、いずれか2対を発電
部とし、残りの1対を駆動部とするものか、その反対に
いずれか2対を駆動部とし、残り1対を発電部とするも
のでも良い。
【0012】図11に示す圧電トランスは厚み方向に駆
動部と発電部を形成したもので、圧電縦効果で厚み方向
に共振振動を生じさせる厚み振動圧電トランスである。
上半分の駆動部となる入力電極4、5間に厚み方向の共
振周波数とほぼ同じ周波数の入力電圧Viを印加する
と、厚み方向に強い機械振動を生じ、これにより下半分
の発電部では圧電横効果により電荷が発生し、出力電極
6、7間に出力電圧VOが生ずる。厚みが数ミリメート
ル以下でメガヘルツ以上の共振周波数となる。図12に
示す圧電トランスも厚み方向に共振振動を生じるもの
で、電極対が3対あり、いずれか2対を発電部とし、残
りの1対を駆動部とするか、その反対にいずれか2対を
駆動部とし、残り1対を発電部とするものである。
【0013】圧電体と内部電極を交互に積層した積層型
圧電トランスを図13に示す。この積層型圧電トランス
の駆動部には積層された薄い各層に電圧が印加されるた
め、単板型に比べ昇圧比がおよそ積層数倍に増大する。
この積層型圧電トランスの作製方法は、PZT系セラミ
ックスのグリーンシートをドクタブレード法により作製
し、このグリーンシート上の一部にスクリーン印刷法を
用いて内部電極4d、5d、6d、7dを印刷し、この
シートを積層圧着して焼結する。その後、切断、研磨を
行い、銀焼付けにより入力外部電極4c、5cと出力外
部電極6c、7cを設け、内部電極4dは入力外部電極
4cと接続し、内部電極5dは入力外部電極5cと接続
する。また、内部電極6dは出力外部電極6cと接続
し、内部電極7dは出力外部電極7cと接続する。そし
て、駆動部、発電部の厚み方向に分極処理を行い完成す
る。全波長モードでは圧電トランス10の両端から全長
Lの1/4の入った部分が最も振動振幅が小さくなるた
め、この位置に外部電極4c、5c、6c、7cを設け
ることにより、外部電極に接続される引き出し線の信頼
性を向上させることができる。図14は積層構造の厚み
振動圧電トランスである。前述の積層型圧電トランスと
同様の方法で製作できる。
【0014】前述の圧電トランスを使った無電極ランプ
駆動装置の第一の実施例を図1に、電圧V2、V3の波
形を図2に示す。インダクタ31のインダクタンスと圧
電トランス10の入力静電容量による共振により、圧電
トランス10の励振電圧V2は図2のように半波正弦波
状となるため、MOSFET23のスイッチング損失は
小さく、励振電圧V2の高調波分も大幅に低減されて圧
電トランス10に印加される。整合部のQ値も従来の個
別部品のインダクタ30とキャパシタ40、45の構成
では100程度しか得られなかったが、圧電トランスを
整合部に用いるとQ値は1000程度得られる。これに
より、無電極ランプ70を励起する誘導コイル60には
無電極ランプ70の点灯および点灯維持に十分な電力が
供給される。また、圧電トランス10は機械的共振によ
り高効率で動作するため、損失が小さく発熱も低く抑え
られ、このような機械的共振振動モードでは1000程
度の高いQ値が得られる。
【0015】無電極ランプ駆動装置の第二の実施例を図
3に示す。圧電トランス入力電極4、5をインダクタ3
1と並列接続することで励振電圧V2に含まれる直流成
分を除去し、電極間のマイグレーション発生を防いだも
のである。また、本実施例では駆動周波数を可変して誘
導コイル60の電流ILの制御を行っている。電流検出
部85により誘導コイル電流ILを検出し、この検出結
果に基ずき周波数可変部86で駆動周波数を可変し、駆
動部87を介して主スイッチであるMOSFET23を
駆動している。このような帰還制御を行なうことによ
り、構成素子のばらつきや経時変化があっても十分な誘
導コイル電流ILを流すことができる。
【0016】前述の誘導コイル電流を電流検出部85に
より検出し、この検出結果に基ずき周波数可変部86で
駆動周波数を可変し、駆動部87を介して主スイッチで
あるMOSFET23を駆動する制御方法は圧電トラン
スを使った無電極ランプ駆動装置に限られるものでは無
い。従来の無電極ランプ駆動装置にこのような帰還制御
を付加することにより、構成素子のばらつきや経時変化
があっても十分な誘導コイル電流ILを得ることができ
る。このような無電極ランプ駆動装置の第三の実施例を
図4に示す。
【0017】圧電トランス出力に誘導コイル60と抵抗
負荷を並列接続した図1等の時の圧電トランス昇圧比特
性を図5に示す。図中の高抵抗負荷時は点灯以前の無電
極ランプ等価抵抗に相当するが、この時の圧電トランス
の高い昇圧比は低い周波数で現れ、この周波数域で駆動
することで誘導コイル60の両端に高い電圧が印加され
て点灯に必要な電力が供給される。低抵抗負荷時は点灯
以後の無電極ランプ等価抵抗に相当するが、この時の圧
電トランス出力ピークは高い周波数に現れる。この出力
ピークの昇圧比自体は低下している誘導コイル60への
印加電圧は低くなる。無電極ランプの点灯状態を安定に
維持するには、点灯による無電極ランプ等価抵抗の減少
に伴って印加電圧を低減させる動作が必要となる。この
動作を行なうため、MOSFETの駆動を無電極ランプ
点灯以前は低い周波数から開始し、無電極ランプ点灯以
後は無電極ランプ等価抵抗の減少に伴って周波数を高く
する制御を用いた。
【0018】無電極ランプ駆動装置の第四の実施例を図
6に示す。MOSFET24、25が交互にオンオフを
繰り返す二石式駆動をしているため、圧電トランス10
の励振電圧V2は第一の実施例に比べて約2倍の実効値
となり、さらに入力電源側に生ずるリップル電圧が大幅
に低減される特長を持っている。
【0019】図7に無電極ランプ駆動装置の第五の実施
例を示す。前述の第四の実施例は、MOSFET24の
オン期間とMOSFET25のオン期間が交互に繰り返
される駆動方式に適したものであるが、本実施例はMO
SFET24のオン期間とMOSFET25のオン期間
の間に両方のMOSFETのオフ期間が挟まる駆動方式
に適したものである。インダクタ35は密結合の2つの
コイルで構成されている。
【0020】図8に無電極ランプ駆動装置の第六の実施
例を示す。MOSFET21、22は交互にオンオフを
繰り返し、圧電トランス10の入力静電容量をインダク
タ34を介して充放電する。すなわち圧電トランス10
の入力静電容量は、MOSFET21のオン期間にはイ
ンダクタ34を介して充電され、MOSFET22のオ
ン期間にはインダクタ34を介して放電される。この充
放電周波数を圧電トランス10の共振周波数近傍に制御
すれば、圧電トランス10は高電圧を誘導コイル60に
出力し、無電極ランプを点灯させる。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、無電極ランプ用電力変
換装置の整合回路に圧電トランスを用いることで、部品
構成が簡素化され、小型化が図られる。また、数百キロ
ヘルツ以上の高周波においても圧電トランスの損失は小
さく、Q値も高いため、無電極ランプ用電力変換装置の
高効率化、高性能化が図られる。また、主スイッチの駆
動周波数を可変して誘導コイル電流を制御することによ
り、構成素子のばらつきや経時変化があっても十分な誘
導コイル電流ILを流すことができる。さらに圧電トラ
ンス励振電圧から直流分を除去することによりマイグレ
ーション発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る無電極ランプ駆動装置の第一の実
施例を示す図である。
【図2】本発明に係る無電極ランプ駆動装置の第一の実
施例の電圧波形を示す図である。
【図3】本発明に係る無電極ランプ駆動装置の第二の実
施例を示す図である。
【図4】本発明に係る無電極ランプ駆動装置の第三の実
施例を示す図である。
【図5】圧電トランス出力に誘導コイルと抵抗負荷を並
列接続した時の圧電トランス昇圧比を示す図である。
【図6】本発明に係る無電極ランプ駆動装置の第四の実
施例を示す図である。
【図7】本発明に係る無電極ランプ駆動装置の第五の実
施例を示す図である。
【図8】本発明に係る無電極ランプ駆動装置の第六の実
施例を示す図である。
【図9】本発明に用いる圧電トランスを説明する図であ
る。
【図10】本発明に用いる別の圧電トランスを説明する
図である。
【図11】本発明に用いる厚み振動圧電トランスを説明
する図である。
【図12】本発明に用いる別の厚み振動圧電トランスを
説明する図である。
【図13】本発明に用いる積層型圧電トランスを説明す
る図である。
【図14】本発明に用いる別の積層型圧電トランスを説
明する図である。
【図15】従来の無電極ランプ駆動装置を説明する図で
ある。
【符号の説明】
4、5 :入力電極 6、7:出力電極 10:圧電トランス 21、22、23、24、25:MOSFET 30、31、32、33、34、35:インダクタ 40、45:キャパシタ 50:整合回路 60:誘導コイル 70:無電極ランプ 85:電流検出部 86:周波数可変発振部 80、81、87、88:駆動部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 整合回路に圧電トランスを用いたことを
    特徴とする無電極ランプ用電力変換装置。
  2. 【請求項2】 所定の誘導コイル電流が流れるように駆
    動周波数を可変する周波数可変手段を有することを特徴
    とする無電極ランプ用電力変換装置。
  3. 【請求項3】 整合回路に圧電トランスを用い、無電極
    ランプ点灯以前は低周波から駆動周波数を開始し、無電
    極ランプ点灯以後の無電極ランプ等価抵抗の減少に伴っ
    て駆動周波数を高くすることを特徴とする無電極ランプ
    用電力変換装置。
  4. 【請求項4】 前記圧電トランスの励振電圧の直流成分
    を除去したことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに
    記載の無電極ランプ用電力変換装置。
  5. 【請求項5】 整合回路に圧電トランスを用いると共
    に、無電極ランプ点灯以前は低周波から駆動周波数を開
    始し、無電極ランプ点灯以後の無電極ランプ等価抵抗の
    減少に伴って駆動周波数を高くする制御を用いたことを
    特徴とする無電極ランプ用電力変換装置の駆動方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009164092A (ja) * 2008-01-07 2009-07-23 Midas Wei Trading Co Ltd 高圧点灯の圧電発振器

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