JP3400390B2 - 圧電トランス式電源装置及びその駆動方法 - Google Patents

圧電トランス式電源装置及びその駆動方法

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JP3400390B2 JP25231599A JP25231599A JP3400390B2 JP 3400390 B2 JP3400390 B2 JP 3400390B2 JP 25231599 A JP25231599 A JP 25231599A JP 25231599 A JP25231599 A JP 25231599A JP 3400390 B2 JP3400390 B2 JP 3400390B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電セラミックな
どの圧電体の電気機械相互変換を行う圧電効果により、
交流電圧の振幅を変換する圧電トランスを用いた圧電ト
ランス式電源装置及びその駆動方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】1950年代末に開発された圧電トラン
スは、もともと高圧電源用の昇圧トランスとして注目さ
れていた。しかし、圧電セラミック材料の破壊強度が弱
いことなどの材料的制約があったため、大きな製品化が
行われないまま開発が長らく中断されていた。
【0003】しかしながら、近年材料技術の進歩により
圧電セラミックの高強度化が進み、過去に実用化の障壁
になっていた課題が解決されるようになった。一方、ノ
ートパソコン、電子手帳、ゲーム機等携帯情報機器の小
型化・薄型化の要望が強くなるに伴って、これらの機器
に搭載される液晶バックライトのインバータ電源用の昇
圧トランスとして、圧電トランスは再び注目されるよう
になった。
【0004】携帯機器に用いられる液晶バックライト用
インバータは、バックライト光源として使用される冷陰
極蛍光灯の点灯用電源に用いられるものであり、電池な
どの3〜12V程度の直流低電圧から、点灯開始時で1
000Vrms、定常時で500Vrms程度の交流高
電圧への電圧変換を行っている。現在は、電磁式の巻き
線トランスを用いたインバータ電源が使用されている。
電磁式巻き線トランスは、小型化・薄型化を実現するた
めに、特殊なコア形状の横型構造を用いてトランスを形
成しており、小型薄型化に限界がある。また、高い昇圧
比を実現するために、巻き線比を高くする必要がある。
このためには、細い巻き線を用いなければならず、導体
損失が大きく効率を悪化させており、小型化・薄型化と
高効率を同時に実現するには限界がある。
【0005】一方、圧電トランスはチタン酸ジルコン酸
鉛(PZT)などの圧電セラミック材料や、ニオブ酸リ
チウムなどの圧電単結晶材料を用い、これらの表面に1
次側(入力側)電極および、2次側(出力側)電極を形
成している。そして、圧電トランスの共振周波数近傍の
周波数を持つ交流電圧を1次側電極に印加すると逆圧電
効果により、圧電トランス全体が共振して大きな機械振
動を起こす。この機械振動は圧電効果により高電圧に変
換されて2次側電極から出力される。この様に圧電トラ
ンスは、圧電効果により高い昇圧比を得ることができ、
電磁トランスと比較して小型化・薄型化を実現するのが
容易であり、変換効率も高い。このような液晶表示装置
に用いた圧電トランスは、例えば日経エレクトロニクス
誌1994年11月7日号に147頁に記載されてい
る。
【0006】従来の圧電トランスの駆動回路の一例を、
図7、図8を用いて説明する。図7は従来の圧電トラン
スを用いた冷陰極蛍光灯点灯装置のブロック構成図であ
り、図8は従来の圧電トランスの外観斜視図である。図
7において、可変発振回路1001で圧電トランス10
04の共振周波数近傍の駆動交流信号を発生させる。
【0007】しかし、この駆動交流信号には通常、目的
とする周波数の高調波など、他の周波数成分を含んでお
り、これらの高調波信号は、圧電トランス1004内で
熱などに変換されて損失している。つまり、圧電トラン
ス1004の効率を高く保つためにも、波形整形回路1
002において、目的の周波数のみを含む正弦波に波形
整形される。通常、波形整形回路は高調波成分を除去す
るローパスフィルタであり、更に効率を重視する時に
は、低周波数成分も除去するバンドパスフィルタが用い
られる。
【0008】波形整形回路1002の出力は、ドライブ
回路1003において、圧電トランス1004の駆動に
十分なレベルに電圧増幅あるいは電流増幅を行ってお
り、この出力が圧電トランスに入力されている。ここで
ドライブ回路1003では、トランジスタからなる増幅
回路でのみ構成されるか、或いは、増幅回路と昇圧トラ
ンスの組み会わせで構成されている。この出力が圧電ト
ランス1004の一次電極1006に入力されている。
【0009】圧電トランス1004は、図8で示してい
るように、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などの圧電
セラミック材料からなる矩形の圧電基板1005に1次
側電極1006、1006’と2次側電極1007が形
成されている。圧電基板1005は、同図中の矢印に示
しているように一次側では圧電基板の厚さ方向に、二次
側では圧電基板の長さ方向に分極されている。1次側電
極1005、1005’にドライブ回路1003からの
共振周波数近傍の交流信号を印加すると圧電基板の長さ
方向に機械的振動を起こし、この機械振動を圧電効果に
より二次側電極部で高圧電圧に変換している。圧電トラ
ンスの二次側電極は、例えば負荷である冷陰極管100
8に接続されており、発生した高電圧により冷陰極管を
点灯させる。
【0010】ところで、冷陰極管は起動点灯時は数十M
Ω以上の非常に大きなインピーダンスをとるが、いった
ん点灯してしまうと数百kΩ程度のインピーダンスと急
激に小さくなる。このため、圧電トランス1004の昇
圧比特性は、図9のように、起動時には、非常に大きな
昇圧比を持ち、その周波数特性も急峻な共振特性を有し
ている。一方動作点灯時には、比較的低い昇圧比を持
ち、その周波数特性もかなり平坦であることがわかる。
【0011】従って、圧電トランスの電圧昇圧比が冷陰
極管起動点灯時に急激に変動してしまい、特定周波数で
駆動し続けると、圧電トランスの電圧昇圧比が大きく低
下してしまうため冷陰極管に十分な電力を供給できなく
なり、結果的に、対応する十分な輝度を保つことができ
なくなる。
【0012】図10は圧電トランスの点灯開始時の昇圧
比の共振周波数の変化に対応した、従来の圧電トランス
の駆動回路の一例である。同図において、波形整形回路
902およびドライブ回路903は、図7と同じもの
で、可変発振回路1301で発生させた駆動交流信号
を、圧電トランス1004に供給している。図7と同一
の番号を付与したものは、同一の機能をもつ回路であ
る。
【0013】又、図7と異なる点は、圧電トランス10
04の負荷として、冷陰極管と直列に小さな抵抗値をも
つ帰還抵抗1302が接続されており、この帰還抵抗に
より冷陰極管に流れる電流に対応した交流の電圧が発生
する。電流検出回路1303により管電流を検出したの
ち、比較回路1304で、設定電流I1と比較を行った
結果が、発振制御回路1307に入力さる。
【0014】これにより、帰還抵抗の両端の電圧が一定
になるように、即ち、冷陰極管に流れる電流が一定にな
るように、可変発振回路の出力周波数を制御する。結果
的に、負荷である冷陰極管た点灯開始時に特性を大きく
変動させたり、温度等による圧電トランスの特性が変動
した時にも、この発振制御回路によりほぼ一定の輝度で
冷陰極管を点灯させることができる。
【0015】また、図7と異なるもう一つの点は、圧電
トランス1004の2次側電極に電圧検出回路が接続さ
れており、冷陰極管にかかっている圧電トランスの出力
電圧を検知している点である。電圧検出回路1305に
より出力電圧を検出したのち、電圧比較回路1306
で、設定電圧V1と比較を行った結果が、発振制御回路
1307に入力さる。これにより、冷陰極管の点灯開始
時等に、圧電トランスの出力電圧つまりは、冷陰極管に
印加される電圧が、所定の値以上になるように、可変発
振回路の出力周波数を制御する。結果的に、冷陰極管の
特性変動や、温度等による圧電トランスの点灯開始特性
が変動しても、点灯起動が安定して行える。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の圧電トラン
スの駆動方法では、冷陰極管を点灯開始する際に管電圧
を直接検知し、その検知電圧と設定電圧値V1とを比較
して制御を行っている。
【0017】まず、駆動周波数を、圧電トランスの共振
周波数よりも高い周波数に設定すると、圧電トランスの
出力電圧が設定電圧V1よりも小さな値となる。次に、
制御回路により周波数を高い方から低い方に掃引し、設
定電圧値V1と一致するまで周波数を掃引し始める。そ
して、設定電圧V1と等しくなると周波数の掃印を停止
し、一定周波数で駆動をおこなう。
【0018】ところが、冷陰極管を点灯させるために
は、常温で通常1000V〜1500Vを0.5秒〜数
秒印加し続ける必要がある。従って、V1の値としてこ
の電圧に相当する電圧を設定し、圧電トランスの2次側
電極の出力電圧を検知する必要がある。つまり、電圧検
知回路は、1000Vを越える電圧を受けなければなら
ない。そのためには、検知回路としては、非常に高い耐
圧の特殊な素子が必要となってくる。
【0019】また、この様な高電圧を受ける為には非常
に高いインピーダンスを持つ抵抗器を用いることも可能
である。
【0020】しかしながら、このような高抵抗を使用す
るときには、抵抗器や配線或いは圧電トランスのパッケ
ージなどの周辺で生じる僅かな浮遊容量による皮相電流
が無視できなくなり、圧電トランスの出力電圧特性を大
きく変動させる。つまり実効的な出力電力が低下し、冷
陰極管を起動しにくくなったり、或いは点灯不能となる
という課題も有していた。
【0021】また、この様な共振周波数近傍では、高い
昇圧比を出すために機械的共振状態となっており、非常
に大きな歪みをもって圧電トランスが圧電振動を起こし
ている。とくに 出力電力が大きくなると、機械振動が
非線形領域に入る。すると、昇圧比の周波数特性は図1
1のようにヒステリシス特性を示す。このヒステリシス
領域1401では、特定の周波数で2つの準安定動作状
態が存在するため、不安定な振動形態となり、そのとき
発生する歪みによって簡単に素子破壊に至ってしまう。
共振周波数よりも少し高い周波数領域を使用すると、こ
のようなヒステリシス領域に入らず、信頼性が高い駆動
が可能となる。
【0022】しかしながら、先に述べたように、電圧検
知回路には高抵抗を使用しているため、抵抗器や配線或
いは圧電トランスのパッケージなどの周辺で生じる僅か
な浮遊容量による皮相電流が無視できなくなり、圧電ト
ランスの出力電圧が大きく低下するので、周波数が共振
周波数を超えて不安定なヒステリシス領域に入ってしま
い素子破壊に至るという課題も有していた。
【0023】更に、このような高い電圧を受ける回路と
しては、安全上回路部品や回路基板において、電極間の
空間距離や沿面距離を十分に確保して、空中放電は、ト
ラッキングを起こさないような細かな配慮が必要とな
り、その分回路規模が大きくなってしまうという課題も
有していた。
【0024】本発明は、上記従来例のこの様な課題を解
決するためになされたものであり、圧電トランスを十分
に安定に精度よく起動することのできる圧電トランス式
電源装置およびその駆動方法を提供することを目的とす
る。
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【課題を解決するための手段】第1の本発明(請求項
に記載の本発明に対応)は、交流電圧を発生する可変発
振回路と、前記交流電圧を増幅するドライブ回路と、圧
電体に入出力電極を設けて構成した圧電トランスと、前
記ドライブ回路の駆動電圧と圧電トランスへの駆動電流
との位相差を検出する位相検出手段と、前記位相検出手
段の検出結果に基づいて、前記可変発振回路を制御する
信号を出力する発振制御手段とを備えた圧電トランス式
電源装置の駆動方法であって、前記位相差と予め決めら
れた値との誤差が所定値以下になる様に、前記可変発振
器の発振周波数を制御し、その後、前記発振周波数を前
記誤差が最小となる値に実質的に固定し、前記可変発信
器の発振周波数を制御する際、予め決められた所定時間
を経過した後も前記誤差信号が出力されている場合は、
前記発振周波数を、直前に設定された周波数よりも高い
周波数に変更する圧電トランス式電源装置の駆動方法で
ある。
【0030】又、第の本発明(請求項に記載の本発
明に対応)は、交流電圧を発生する可変発振回路と、前
記交流電圧を増幅するドライブ回路と、圧電体に入出力
電極を設けて構成した圧電トランスと、前記ドライブ回
路の駆動電圧と圧電トランスへの駆動電流との位相差を
検出する位相検出手段と、前記位相検出手段の検出結果
に基づいて、前記可変発振回路を制御する信号を出力す
る発振制御手段とを備えた圧電トランス式電源装置の駆
動方法であって、前記位相差と予め決められた値との誤
差が所定値以下になる様に、前記可変発振器の発振周波
数を制御し、その後、前記発振周波数を前記誤差が最小
となる値に実質的に固定し、前記可変発信器の発振周波
数を制御する際、予め決められた所定時間を経過した後
も前記誤差信号が出力されている場合は、前記駆動電圧
を切断する若しくは十分低い電圧に設定する圧電トラン
ス式電源装置の駆動方法である。
【0031】又、第の本発明(請求項に記載の本発
明に対応)は、交流電圧を発生する可変発振回路と、前
記交流電圧を増幅するドライブ回路と、圧電体に入出力
電極を設けて構成した圧電トランスと、前記ドライブ回
路の駆動電圧と圧電トランスへの駆動電流との位相差を
検出する位相検出手段と、前記位相検出手段の検出結果
に基づいて、前記可変発振回路を制御する信号を出力す
る発振制御手段とを備えた圧電トランス式電源装置の駆
動方法であって、前記位相差と予め決められた値との誤
差が所定値以下になる様に、前記可変発振器の発振周波
数を制御し、その後、前記発振周波数を前記誤差が最小
となる値に実質的に固定し、前記可変発信器の発振周波
数を制御する際、予め決められた所定時間を経過した後
も前記誤差信号が出力されている場合は、前記発振周波
数を、直前に設定された周波数よりも高い周波数に変更
した後、再び周波数制御して起動させる圧電トランス式
電源装置の駆動方法である。
【0032】
【0033】又、第の本発明(請求項に記載の本発
明に対応)は、上記位相検出手段は、前記圧電トランス
の駆動電圧と駆動電流との位相差、前記圧電トランス
の駆動電圧と前記圧電トランスからの出力電流との位
相差、又は、前記圧電トランスへの駆動電流と前記圧電
トランスからの出力電流との位相差のいずれかの位相差
を検出する上記第〜第の何れかの本発明の圧電トラ
ンス式電源装置の駆動方法である。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。 (第1の実施の形態)本発明の圧電トランス式電源装置
の構成およびその駆動方法に関する第1の実施の形態に
ついて、図1〜図2を参照しつつ説明する。
【0035】図1は第1の実施の形態にかかる圧電トラ
ンス式電源装置のブロック構成図である。
【0036】同図において、圧電トランス104は、圧
電基板105上に1次側電極106、106’および2
次側電極107を形成したローゼン型のものであるが、
ローゼン型の変形型やその他のモードを用いた圧電トラ
ンスでもよい。
【0037】本電源装置における構成および駆動方法
は、まず外部端子により発振周波数を変更することがで
きる可変発振回路101が、圧電トランスの共振周波数
より少し高い駆動信号を出力している。この駆動信号
は、波形整形回路102に入力され、目的の周波数のみ
を含む正弦波形に整形される。通常は、高周波成分をを
除去するローパスフィルタであるが、更に効率を重視す
る時には、低周波数成分も除去するバンドパスフィルタ
が用いられる。波形整形回路102の出力信号は、ドラ
イブ回路103において、圧電トランス104の駆動に
十分なレベルに電圧増幅あるいは電流増幅を行ってお
り、この出力が圧電トランスに入力されている。
【0038】ここでドライブ回路103は、トランジス
タからなる増幅回路でのみ構成されるか、或いは、増幅
回路と昇圧トランスの組み合わせで構成されている。こ
の出力信号が圧電トランス104の一次電極106に入
力されている。圧電トランス104では、逆圧電効果に
より駆動電圧は機械振動を励振し、出力側ではこの機械
振動が圧電効果により電気信号に変換される。圧電トラ
ンスの持つ入出力インピーダンス比に従って高電圧に昇
圧され、2次側電極より出力される。
【0039】圧電トランス104の2次側電極には、冷
陰極管108と帰還抵抗109がグランドとの間に直列
に配置されている。冷陰極管は、所定の点灯開始電圧以
上の交流電圧を、所定の時間印加すると点灯が開始され
る。この点灯開始の電圧及び時間は管の長さ、太さ或い
は、電極材料・形状、環境温度、浮遊容量などで大きく
変動するものではあるが、代表的な値として1200V
〜1500Vを0.5ms以上印加する必要がある。
【0040】一方、圧電トランス104に入力された駆
動信号の電圧と電流は、位相検出手段112にて双方の
位相差を検出して、位相差信号を位相比較器113に出
力する。比較回路113では、前記位相差信号と設定値
T1との比較を行い、双方の差に相当する誤差信号を発
振制御手段114に出力する。発振制御手段114で
は、誤差信号が小さくなるように、発振制御信号を可変
発振回路101に出力して駆動信号の周波数を変更す
る。
【0041】この変更された周波数を持つ駆動信号は再
び波形整形回路102にて正弦波に波形整形され、ドラ
イブ回路103で電圧増幅あるいは電流増幅されて圧電
トランスに入力される。そして、駆動電流・電圧の位相
差が設定値T1と等しくなるまでこの動作が繰り返され
る。尚、設定位相値T1は、予め定められた値である。
【0042】図2には、駆動電流と駆動電圧との位相差
および出力電圧に関して冷陰極管が点灯する前後での周
波数特性を示している。点灯前には、冷陰極管に流れる
電流はほとんど流れないのでインピーダンスは極めて高
くなり、出力電圧としては、急峻な周波数特性のピーク
をもつ極めて大きな値となる。
【0043】また、位相特性は、圧電体の共振周波数と
反共振周波数とに間で、−90゜と+90゜の間を変化
する。尚、図2では、点灯前の状態を、実線で表し、後
述する点灯後の状態を点線で表した。
【0044】従って、位相検出手段112および位相比
較器113の出力信号を発振制御手段114に入力し、
この誤差信号をもとに、駆動電圧と電流の位相差が特定
の値になるように発振制御手段114を制御して、可変
発振回路101の発振周波数を変化させる。
【0045】その結果、所望の設定値T1になるように
駆動信号の周波数f1を設定でき、また発振制御手段に
より所望の時間だけ、圧電トランスの1次側電極に駆動
信号を印加できる。つまり、冷陰極管の点灯開始制御
を、入力側の電流・電圧の位相差を用いて、安定して起
動を行うことができる。
【0046】一度冷陰極管が点灯してしまうと、冷陰極
管のインピーダンスは数十kΩ〜数百kΩと比較的低い
値となり、駆動電圧と電流の位相差は−90゜から−4
0゜前後の値を緩やかに変化する。点灯後は、発光強度
を一定に保つために、管電流を一定に保つ必要がある。
【0047】冷陰極管108には、帰還抵抗109が直
列に接続されており、これにより冷陰極管に流れる電流
に応じた電圧が生じる。これを電流検出回路110で検
出した後、比較回路111にて、設定電流I1と比較を
行い、電流差信号を発振制御回路114に出力し、これ
により、電流信号が設定電流値I1と等しくなるよう
に、制御信号を可変発振回路101に出力して駆動信号
の周波数を変更する。
【0048】この変更された周波数を持つ駆動信号は再
び波形整形回路102にて正弦波に波形整形され、ドラ
イブ回路103で電圧増幅あるいは電流増幅されて圧電
トランスに入力される。そして、出力電流値が設定値I
1と等しくなるまでこの動作が繰り返される。
【0049】この構成をとることにより、点灯開始時に
は、圧電トランスへの駆動信号の電圧と電流の位相を位
相検出手段で検出し、発振周波数を制御することによ
り、所望の昇圧比に相当する周波数に固定して、一定の
出力電圧を出力することが可能となり、冷陰極管サイズ
が変わったり、周辺環境の変化などにより、点灯開始特
性(電圧・維持時間)が変わった場合にも、安定して点
灯動作を行うことが可能となる。
【0050】そして、点灯後は、冷陰極管に流れる帰還
抵抗の出力により管電流を検出し、発振周波数を制御す
ることにより、所望の管電流に相当する周波数に固定
し、周囲の環境温度や、浮遊容量が変わった場合にも安
定した発光輝度を維持できることがこのとなる。
【0051】位相検知のための信号としては、圧電トラ
ンスで昇圧する前の駆動信号を用いているので、数V〜
数十Vの電圧である。このため、通常広く用いられてい
る耐圧の電子部品が使用可能となる。また、抵抗器で電
圧検知する際も数kΩ程度の比較的小さな抵抗値で十分
であるため、浮遊容量の影響は小さくは安定して駆動で
きる。
【0052】また、圧電トランスには、共振周波数近傍
に不安定領域が存在する。(図11の点々部)この領域
では、管電流が周波数に対して一意的に決定されず、圧
電トランスに非常に大きな歪みを伴う機械振動を起こし
ており、圧電トランスの信頼性を低下させてしまうの
で、特願平09−256610にもあるように、このよ
うな領域をさけて使うことが望ましい。
【0053】しかし、本発明の第1の実施の形態のよう
に、入力の電流・電圧の位相差を検出し、これにより周
波数を変化させることにより、圧電トランスの出力電圧
を所望の値にほぼ一定に保つことができ、共振周波数を
超えて不安定領域にに入り込むことなく、安定して制御
することができる。
【0054】また、圧電トランスの高電圧出力が発生す
る2次側電極に、電圧検出手段を接続しないので、浮遊
容量などによる皮相電流が流れることないので、周辺容
量による出力変動がなく、安定した所望の電圧を得るこ
とができ、安定して冷陰極管を起動点灯することができ
る。 (第2の実施の形態)次に、本発明の圧電トランス式電
源装置の構成及び駆動方法に関する第2の実施の形態に
ついて、図3および図4を参照しつつ説明する。
【0055】図3は第2の実施の形態にかかる圧電トラ
ンス式電源装置のブロック構成図である。
【0056】同図において、図1および図2に示す第1
の実施の形態と同じ番号を付した構成要素は実質的に同
一とする。
【0057】本電源装置における構成および駆動方法
は、まず外部端子により発振周波数を変更することがで
きる可変発振回路101が、圧電トランスの共振周波数
に近い駆動信号を出力している。この駆動信号は、波形
整形回路102に入力され、目的の周波数のみを含む正
弦波形に整形される。
【0058】波形整形回路102の出力信号は、ドライ
ブ回路103において、電圧増幅あるいは電流増幅を行
っており、この出力が圧電トランスに入力されている。
このドライブ回路の電源電圧は、可変電圧が出力できる
可変電圧回路303に接続されており、この出力電圧に
よって波高値が規定された出力交流信号が、圧電トラン
ス104の一次電極106に入力されている。つまり
は、可変電圧回路により、圧電トランスへの駆動電圧を
制御することにより入力電力を調整している。
【0059】まず、点灯起動時には、必要とされる十分
な電圧よりも若干低い電圧V1に設定しておく。圧電ト
ランス104では、圧電効果により高電圧に昇圧され、
2次側電極より出力される。
【0060】一方、圧電トランスに入力された駆動信号
の電圧と電流は位相検出手段112に入力され、その電
流と電圧の位相差を検出する。次に、比較回路301に
て、設定位相値T1と比較を行い、その誤差に相当する
誤差信号を発振制御手段104および電圧制御手段30
2に出力する。
【0061】まず、位相信号が設定位相値T1と等しく
なるように、発振制御手段を制御して、可変発振回路の
発振周波数を変化させる。所望の位相差にまで駆動信号
の周波数を制御した後、その周波数f1(図4参照)に
固定する。位相信号と設定位相値T1が等しくなると、
電圧制御回路が動作を始め、制御信号を可変電圧回路に
出力して駆動信号の電源電圧を変更する。
【0062】この変更された電源電圧でドライブ回路を
駆動することにより、ドライブ回路103で電圧増幅あ
るいは電流増幅される振幅値つまりは圧電トランスに入
力される電力が制御され、点灯を開始するのに十分な電
力を供給することができる。設定する電圧は設定位相差
T1によって異なり、圧電トランスが冷陰極管を点灯す
るに十分な値V2に変更する。
【0063】つまり、前述の位相比較器301から出力
された誤差信号をもとに、発振周波数を制御して、駆動
電圧と電流の位相差が特定の値になるように発振制御手
段を制御して、設定した位相差になるように周波数を制
御した後、その周波数に固定したまま可変の可変電圧回
路の出力電圧を変化させて、駆動信号の波高値を制御し
て、特定の電圧に固定する。
【0064】これにより、所望の位相差に対応した所望
の出力電圧を所望の時間だけ、圧電トランスの2次側出
力電極から出力できる。つまり、冷陰極管の点灯開始制
御を、入力側の電流電圧の位相差を用いて、安定して起
動を行うことができる。
【0065】点灯後は、発光強度を一定に保つために、
管電流を一定に保つ必要がある。電流検出回路110で
検出した後、設定電流I1と比較を行い、電流信号が設
定電流値I1と等しくなるように、制御信号を可変発振
回路101に出力して駆動信号の周波数を変更する。
【0066】この変更された周波数を持つ駆動信号は再
び波形整形回路102にて正弦波に波形整形され、ドラ
イブ回路103で電圧増幅あるいは電流増幅されて圧電
トランスに入力され、出力電流値が設定値I1と等しく
なるまでこの動作が繰り返される。
【0067】この構成をとることにより、図4に示すよ
うに、点灯開始時には、電源電圧をV1とし、圧電トラ
ンスへの駆動電圧電流位相差を位相検出手段で検出し、
まず電流値と電圧との位相差がT1になるまで周波数を
低い方にシフトする。
【0068】これにより、出力電圧は、図4中の出力電
圧特性曲線401上を矢印401aの方向に変化する。
尚、図中に示した出力電圧特性曲線401は、電源電圧
がV1の時の出力電圧の特性を示しており、又、出力電
圧特性曲線402は、電源電圧がV2の時の出力電圧の
特性を示している。
【0069】次に、位相差がT1になると周波数をf1
に固定した後、可変電圧回路により出力される電源電圧
を大きくするように制御して、特定の駆動周波数f1に
固定したまま一定の出力電圧を出力することが可能とな
る。
【0070】つまり、図4において、周波数f1におけ
る出力電圧特性曲線401から、出力電圧特性曲線40
2へと、矢印402aの様な出力電圧の変化を与えるこ
とが出来る。
【0071】従って、冷陰極管サイズが変わったり、周
辺環境の変化などにより、点灯開始特性(電圧・維持時
間)が変わった場合にも、共振周波数から若干高い周波
数f1において、所望の出力電圧Veを確実に得ること
が出来、安定して点灯動作を行うことが可能となる。
【0072】また、検知のための信号としては、圧電ト
ランスで昇圧する前の駆動信号を用いているので、数V
〜数十Vの電圧である。このため、通常広く用いられて
いる耐圧の電子部品が使用可能となる。また、抵抗器で
電圧検知する際も数kΩ程度の比較的小さな抵抗値で十
分であるため、浮遊容量の影響は小さくは安定して駆動
できる。
【0073】また、前述の様に、共振周波数近傍に不安
定領域1401(図11参照)が存在する。しかし、本
発明の第2の実施の形態のように、入力の電流電圧の位
相差を検出し、これにより駆動電源を変化させることに
より、圧電トランスの出力電圧を所望の値にほぼ一定に
保つことができ、共振周波数を超えて不安定領域にに入
り込むことなく、安定して制御することができる。
【0074】特に高い点灯開始電圧の冷陰極管を点灯さ
せる場合には、位相のみで制御すると共振周波数に近づ
きすぎ、雑音等により共振周波数を超えて不安定領域に
入り込むことがあったが、本発明のように電圧検知回路
を用いて電圧制御を行うことにより、ある程度共振周波
数から離れた周波数で位相を止め、引き続いて可変電圧
回路にて点灯動作を行うことができるので、より安定し
た起動が可能となった。
【0075】また、圧電トランスの高電圧出力が発生す
る2次側電極に、電圧検出手段を接続しないので、浮遊
容量などによる皮相電流が流れることないので、周辺容
量による出力変動がなく、安定した所望の電圧を得るこ
とができ、安定して冷陰極管を起動点灯することができ
る。 (第3の実施の形態)次に、本発明の圧電トランス式電
源装置の駆動方法に関する第3の実施の形態について、
図2及び図5を参照しつつ説明する。
【0076】尚、本実施の形態の圧電トランス式電源装
置の構成は、図1で述べたものと同様であるので、その
説明を省略する。
【0077】図5には、駆動電流と駆動電圧との位相差
および、出力電圧に関して、冷陰極管が点灯を開始する
前の周波数特性を示している。点灯前には、冷陰極管に
流れる電流はほとんど流れないのでインピーダンスは極
めて高くなり、出力電圧としては、急峻な周波数特性の
ピークをもつ、極めて大きな値となる。
【0078】本電源装置における駆動方法は、まず外部
端子により発振周波数を変更することができる可変発振
回路101が、圧電トランスの共振周波数に近い駆動信
号を出力している。この駆動信号は、波形整形回路10
2に入力され、目的の周波数のみを含む正弦波形に整形
される。ドライブ回路103において、圧電トランス1
04の駆動に十分なレベルに電圧増幅あるいは電流増幅
を行っており、この出力が圧電トランスに入力されてい
る。この出力信号が圧電トランス104の一次電極10
6に入力され、2次側電極107より出力される。
【0079】一方、圧電トランスに入力された駆動信号
の電圧と電流は位相検出手段で位相差を検出し、その位
相差に相当する位相差信号を比較回路113に出力す
る。位相差信号は、比較回路113にて、設定位相値T
1と比較される。そして、比較回路113が、位相差信
号と設定位相値T1との差に相当する誤差信号を発振制
御回路114に出力し、これにより、位相差信号が設定
位相値T1と等しくなるように、制御信号を可変発振回
路101に出力して駆動信号の周波数を変更する。
【0080】この変更された周波数を持つ駆動信号は再
び波形整形回路102にて正弦波に波形整形され、ドラ
イブ回路103で電圧増幅あるいは電流増幅されて圧電
トランスに入力される。そして、駆動電流・電圧の位相
差が設定値T1と等しくなるまでこの動作が繰り返され
る。
【0081】次に、特定の時間内に、安定に起動する
と、帰還抵抗の出力値を電流検知手段で検出し、電流比
較回路111で設定電流I1と等しくなるように再び周
波数を変更するよう周波数制御手段の出力を制御して、
目的の周波数つまりは管に流れる電流が設定電流と等し
くなるように制御を行う。
【0082】しかしながら、あまりにも大きな環境の変
化や、偶発的に負荷である冷陰極管が電気的に接続され
ていない場合には、点灯開始にまで至らない可能性があ
る。この場合にも、圧電体は、駆動電圧と電流の位相を
T1に保ったまま、駆動信号が印加され大きく機械振動
をする。
【0083】点灯動作に必要な所定の時間を経過して
も、電流と電圧の位相差が、設定値T1よりずれること
がない場合には、その後、駆動信号の周波数を高くし
て、圧電トランスの出力電圧を落として発生する機械振
動を小さくして、歪みを押さえる。
【0084】図2からもわかるように、点灯開始前には
大きく変動していた位相も一度点灯を開始すると位相の
周りも小さくなり、特定の駆動周波数で駆動しいる場合
に、点灯と同時に位相を大きく変化させる。従って、所
定時間経過しても位相が設定値T1であり続ける場合に
は点灯開始が失敗に終わったと判断でき、本実施例のよ
うな制御をおこなうことにより、偶発的に発生した負荷
の開放状態や点灯動作の失敗においても圧電トランスに
不要な歪みを与え続けることなく安全な駆動を実現でき
る。 (第4の実施の形態)次に、本発明の圧電トランス式電
源装置の駆動方法に関する第4の実施の形態について、
図2及び6を参照しつつ説明する。
【0085】尚、本実施の形態の圧電トランス式電源装
置の構成は、図3で述べたものと同様であるので、その
説明を省略する。
【0086】図6には、駆動電流と駆動電圧との位相差
および、出力電圧に関して、冷陰極管が点灯を開始する
前の周波数特性を示している。点灯前には、冷陰極管に
流れる電流はほとんど流れないのでインピーダンスは極
めて高くなり、出力電圧としては、急峻な周波数特性の
ピークをもつ、極めて大きな値となる。
【0087】尚、図6における、出力電圧特性曲線60
1、602、603は、それぞれ、電源電圧がV1、V
2、V3の時の出力電圧の特性を示している。
【0088】本電源装置における駆動方法は、まず外部
端子により発振周波数を変更することができる可変発振
回路101が、圧電トランスの共振周波数に近い駆動信
号を出力している。この駆動信号は、波形整形回路10
2に入力され、目的の周波数のみを含む正弦波形に整形
される。波形整形回路102の出力信号は、ドライブ回
路103において、電圧増幅あるいは電流増幅を行って
おり、この出力が圧電トランスに入力されている。
【0089】このドライブ回路103の電源電圧は、可
変電圧が出力できる可変電圧回路303に接続されてお
り、この出力電圧により波高値の規定された出力交流信
号が、圧電トランス104の一次電極106に入力され
ている。つまりは、可変電圧回路により、圧電トランス
への駆動電圧を制御することにより、入力電力を調整し
ている。
【0090】まず、点灯起動時には、必要とされる十分
な電圧よりも若干低い電圧V1に設定しておく。電圧ト
ランス104では、圧電効果により高電圧に昇圧され、
2次側電極より出力される。
【0091】一方、圧電トランスに入力された駆動信号
の電圧と電流は位相検出手段で位相差を検出し、その位
相差に相当する位相差信号を比較回路113に出力す
る。位相差信号は、比較回路113にて、設定位相値T
1と比較される。そして、比較回路113が、位相差信
号と設定位相値T1との差に相当する誤差信号を発振制
御回路114に出力し、これにより、位相差信号が設定
位相値T1と等しくなるように、制御信号を可変発振回
路101に出力して駆動信号の周波数を変更する。
【0092】この変更された周波数を持つ駆動信号は再
び波形整形回路102にて正弦波に波形整形され、ドラ
イブ回路103で電圧増幅あるいは電流増幅されて圧電
トランスに入力される。そして、駆動電流・電圧の位相
差が設定値T1と等しくなるまでこの動作が繰り返され
る。
【0093】次に、電圧制御手段が動作をはじめ、可変
電圧回路により駆動信号の電源電圧を変更する。この変
更された値V2により、点灯を開始するに十分な電力が
供給される。
【0094】次に、特定の時間内に、安定に起動する
と、帰還抵抗の出力値を電流検知手段で検出し、電流比
較回路111で設定電流I1と等しくなるように再び周
波数を変更するよう周波数制御手段の出力を制御して、
目的の周波数つまりは管に流れる電流が設定電流と等し
くなるように制御を行う。
【0095】しながら、あまりにも大きな環境の変化
や、偶発的に負荷である冷陰極管が電気的に接続されて
いない場合には点灯開始にまで至らない可能性がある。
この場合にも、圧電体は、駆動電圧と電流の位相をT1
に保ったまま、駆動信号が印加され、大きく機械振動を
する。
【0096】点灯動作に必要な所定の時間を経過しても
電流と電圧の位相差が、設定値T1よりずれることがな
い場合には、その後、電流と電圧の位相関係が所定の位
相T1に保ったまま、電圧制御回路の出力を制御するこ
とにより、可変電圧回路の出力電圧をV3に下げて、発
生する機械振動を小さくして、歪みを押さえる。
【0097】図2からもわかるように、点灯開始前には
大きく変動していた位相も一度点灯を開始すると位相の
周りも小さくなり、特定の駆動周波数で駆動しいる場合
に、点灯と同時に位相を大きく変化させる。
【0098】従って、所定時間経過しても位相が設定値
Tであり続ける場合には点灯開始が失敗に終わったと判
断でき、本実施例のような制御をおこなうことにより、
偶発的に発生した負荷の開放状態や点灯動作の失敗にお
いても圧電トランスに不要な歪みを与え続けることなく
安全な駆動を実現できる。
【0099】以上のように本発明の第1の形態の圧電ト
ランスの構成及び駆動方法によれば、駆動信号の電流と
電圧の位相差をした後、比較回路にて設定位相差と比較
を行う。所定の位相差に到達していなければ、駆動周波
数制御回路に出力して、可変発振回路の発振周波数を変
更する。
【0100】すなわち、駆動電流と電圧の位相差が所定
の値になるように駆動周波数を制御して、圧電トランス
の2次側出力電圧が所定の点灯開始電圧になる条件に周
波数を固定することにより、安定して点灯開始動作が実
現される。
【0101】また、本発明の第2の形態の圧電トランス
の駆動方法によれば、駆動信号の電流と電圧の位相差を
した後、比較回路にて設定位相差と比較を行う。所定の
位相差に到達していなければ、電圧制御回路に出力し
て、可変の可変電圧回路の出力を変更する。
【0102】すなわち、駆動電流と電圧の位相差が所定
の値に保ったまま、その位相差での電源電圧を制御し
て、圧電トランスの2次側出力電圧が所定の点灯開始電
圧になる条件の電圧に固定することにより、安定して点
灯開始動作が実現される。
【0103】また、本発明の第3の形態の圧電トランス
の駆動方法によれば、駆動信号の電流と電圧の位相差を
した後、比較回路にて設定位相差と比較を行う。所定の
位相差に到達していなければ、駆動周波数制御回路に出
力して、可変発振回路の発振周波数を変更する。
【0104】すなわち、駆動電流と電圧の位相が所定の
値になるように駆動周波数を制御して、圧電トランスの
2次側出力電圧が所定の点灯開始電圧になる条件に周波
数を固定する。一定時間が経過した後も、駆動電流と駆
動電圧の位相が変化しない時には、その位相を設定した
位相T1よりはなすように、すなわち駆動周波数を共振
周波数より離す方向に変更する。
【0105】以上のように本発明の第3の形態の圧電ト
ランスの構成及び駆動方法によれば、点灯動作が確実に
完了しない場合には、駆動信号の電流と電圧の位相差を
所定の基準位相差T1より離すことにより、素子に不要
な歪みを与え続けない安全で信頼性の高い駆動が実現で
きる。
【0106】また、本発明の第4の形態の圧電トランス
の駆動方法によれば、駆動信号の電流と電圧の位相差を
した後、比較回路にて設定位相差と比較を行う。所定の
位相差に到達していなければ、電圧制御回路に出力し
て、可変の可変電圧回路の出力電圧を変更する。
【0107】すなわち、駆動電流と電圧の位相差に対応
した電源電圧になるようにに駆動電圧を制御して、圧電
トランスの2次側出力電圧が所定の点灯開始電圧になる
条件に電圧を固定する。一定時間が経過した後、駆動電
流と駆動電圧の位相が変化しない時には、その位相を設
定した位相T1に固定したまま、駆動周波数を共振周波
数より離す方向に変更する。
【0108】以上のように本発明の第4の形態の圧電ト
ランスの構成及び駆動方法によれば、点灯動作が確実に
完了しない場合には、駆動信号の電流と電圧の位相差を
所定の基準位相差T1に維持したまま、駆動電圧を低下
させることにより、素子に不要な歪みを与え続けない安
全で信頼性の高い駆動が実現できる。
【0109】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように本
発明は、圧電トランスを十分に安定に精度よく起動する
ことができるという長所を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる圧電トラン
ス式電源装置のブロック構成図
【図2】図1に示す圧電トランスの出力電圧および位相
の周波数依存性を示す図
【図3】本発明の第2の実施の形態にかかる圧電トラン
ス式電源装置のブロック構成図
【図4】図3に示す圧電トランスの周波数依存性を示す
【図5】本発明の第3の実施の形態にかかる圧電トラン
ス式電源装置の駆動方法を示す周波数特性図
【図6】本発明の第4の実施の形態にかかる圧電トラン
ス式電源装置の駆動方法を示す周波数特性図
【図7】従来の圧電トランス式電源装置のブロック構成
【図8】従来の圧電トランスの外観斜視図
【図9】図7に示す圧電トランスの周波数特性図
【図10】従来の圧電トランス式電源装置のもう一つの
ブロック構成図
【図11】図10に示す圧電トランスの周波数特性図
【符号の説明】
101:可変発振回路 102:波形整形回路 103:ドライブ回路 104:圧電トランス 108:冷陰極管 109:帰還抵抗 110:電流検出手段 111:電流比較回路 112:位相検出手段 113:位相比較回路 114:発振制御手段 302:電圧制御手段 303:可変電圧回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−199289(JP,A) 特開 平9−135573(JP,A) 特開 昭61−220386(JP,A) 特開 昭55−98881(JP,A) 特開2000−354378(JP,A) 特開2000−116141(JP,A) 実開 平4−58085(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02M 3/24 H01L 41/107

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電圧を発生する可変発振回路と、 前記交流電圧を増幅するドライブ回路と、 圧電体に入出力電極を設けて構成した圧電トランスと、 前記ドライブ回路の前記圧電トランスへの駆動電流と
    動電圧との位相差を検出する位相検出手段と、 前記位相検出手段の検出結果に基づいて、前記可変発振
    回路を制御する信号を出力する発振制御手段とを備えた
    圧電トランス式電源装置の駆動方法であって、 前記位相差と予め決められた値との誤差が所定値以下に
    なる様に、前記可変発振器の発振周波数を制御し、 その後、前記発振周波数を前記誤差が最小となる値に実
    質的に固定し、 前記可変発振器の発振周波数を制御する際、予め決めら
    れた所定時間を経過した後も前記誤差信号が出力されて
    いる場合は、前記発振周波数を、直前に設定された周波
    数よりも高い周波数に変更することを特徴とする圧電ト
    ランス式電源装置の駆動方法。
  2. 【請求項2】 交流電圧を発生する可変発振回路と、 前記交流電圧を増幅するドライブ回路と、前記ドライブ回路の電源電圧を可変できる可変電圧回路
    と、 圧電体に入出力電極を設けて構成した圧電トランスと、 前記ドライブ回路の前記圧電トランスへの駆動電流と
    動電圧との位相差を検出する位相検出手段と、 前記位相検出手段の検出結果に基づいて、前記可変発振
    回路を制御する信号を出力する発振制御手段とを備えた
    圧電トランス式電源装置の駆動方法であって、 前記位相差と予め決められた値との誤差が所定値以下に
    なる様に、前記可変発振器の発振周波数を制御し、 その後、前記発振周波数を前記誤差が最小となる値に実
    質的に固定し、 前記可変発振器の発振周波数を制御する際、予め決めら
    れた所定時間を経過した後も前記誤差信号が出力されて
    いる場合は、前記駆動電圧を切断する若しくは十分低い
    電圧に設定することを特徴とする圧電トランス式電源装
    置の駆動方法。
  3. 【請求項3】 交流電圧を発生する可変発振回路と、 前記交流電圧を増幅するドライブ回路と、 圧電体に入出力電極を設けて構成した圧電トランスと、 前記ドライブ回路の前記圧電トランスへの駆動電流と
    動電圧との位相差を検出する位相検出手段と、 前記位相検出手段の検出結果に基づいて、前記可変発振
    回路を制御する信号を出力する発振制御手段とを備えた
    圧電トランス式電源装置の駆動方法であって、 前記位相差と予め決められた値との誤差が所定値以下に
    なる様に、前記可変発振器の発振周波数を制御し、 その後、前記発振周波数を前記誤差が最小となる値に実
    質的に固定し、 前記可変発振器の発振周波数を制御する際、予め決めら
    れた所定時間を経過した後も前記誤差信号が出力されて
    いる場合は、前記発振周波数を、直前に設定された周波
    数よりも高い周波数に変更した後、再び周波数制御して
    起動させることを特徴とする圧電トランス式電源装置の
    駆動方法。
  4. 【請求項4】 前記位相検出手段は、 前記圧電トランスへの駆動電圧と駆動電流との位相差、 前記圧電トランスへの駆動電圧と前記圧電トランスから
    の出力電流との位相差、 又は、前記圧電トランスへの駆動電流と前記圧電トラン
    スからの出力電流との位相差のいずれかの位相差を検出
    することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記
    載の圧電トランス式電源装置の駆動方法。
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