以下、本発明の第1実施例による放電管の機能的な構成について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施例による放電管の機能構成を示すブロック図である。
この第1実施例による放電管は、放電管に入力される電圧を放電管の内部で昇圧するようにしたものである。
図1において、放電管1の内部には昇圧手段2と放電手段3とが設けられている。そして、放電管1に電圧が入力されると、昇圧手段2は放電管1に入力された電圧を昇圧し、昇圧された電圧を放電手段3に供給することにより、放電管1を放電をさせる。
ここで、放電管1は、例えば、冷陰極管であり、昇圧手段2は、例えば、圧電トランスである。なお、放電管1は、蛍光灯などのような熱陰極管、水銀ランプ、メタルハライドランプ、ナトリウムランプ、キセノンランプなどであってもよく、昇圧手段2は、電磁変換式トランスであってもよい。
このように、放電管1の内部に昇圧手段2を設けることにより、低電圧を放電管に入力するだけで、放電管を放電させることが可能となり、放電管に高圧配線を行う必要がなくなることから、放電管を点灯させる際の消費電力を削減することができる。
次に、本発明の第2実施例による放電管の機能的な構成ついて、図面を参照しながら説明する。
図2は、本発明の第2実施例による放電管の機能構成を示すブロック図である。
この第2実施例による放電管は、放電管に入力される電圧を放電管の内部で昇圧するとともに、放電管を駆動する駆動信号を放電管の内部で生成可能としたものである。
図2において、放電管11の内部には駆動手段12、昇圧手段13及び放電手段14が設けられている。そして、放電管11に電圧が入力されると、駆動手段12は、放電管11に入力された電圧に基づいて、昇圧手段13を駆動する信号を生成する。駆動手段12で生成された信号は、昇圧手段13で昇圧され、この昇圧された信号を放電手段13に供給することにより、放電管11を放電をさせる。
ここで、放電管11は、例えば、冷陰極管であり、駆動手段12は、例えば、発振回路であり、昇圧手段13は、例えば、圧電トランスである。
このように、放電管11の内部に駆動手段12及び昇圧手段13を設けることにより、放電管に直流電圧を入力するだけで、放電管を放電させることが可能となり、放電管に交流電圧を供給する必要がなくなることから、電力が静電浮遊容量を介して外部に漏洩することをほとんどなくすことができ、放電管を点灯させる際の消費電力をより一層削減することができる。
次に、本発明の第3実施例による放電装置ついて図面を参照しながら説明する。
図3は、本発明の第3実施例による放電装置の概略構成を示す図である。この第3実施例による放電装置は、冷陰極管の内部に圧電トランスを設けることにより、冷陰極管を放電させるために必要な電圧を放電管の内部で得られるようにしたものである。
図3において、冷陰極管23の内部には、圧電基板24、圧電基板24を駆動する1次電極25、26、圧電基板24で発生する電圧を出力する2次電極27及び陰極28が放電ガスとともに封入され、2次電極27と陰極28とが所定の距離を隔てて互いに対向するように保持されている。ここで、駆動回路22の入力側には直流電源21が接続され、駆動回路22の出力側の一端には、1次電極25が接続されるとともに、駆動回路22の出力側の他端には、1次電極26、陰極28及び圧電基板24の接地点が接続されている。
直流電源21が駆動回路22に10V程度の直流電圧を供給すると、駆動回路22は、この直流電圧を40〜60KHz程度の交流電圧に変換して、1次電極25に出力する。圧電基板24は、1次電極25と1次電極26との間に交流電圧が入力されると、この交流電圧を1200V程度に昇圧し、昇圧した電圧を2次電極27に出力する。
この2次電極27は冷陰極管23の陽極も兼ねており、圧電トランスの昇圧作用により、40〜60KHz程度で1200V程度の交流高電圧が2次電極27と陰極28との間に発生することから、冷陰極管23内で放電が起こり、冷陰極管23に封入されている水銀蒸気から紫外線が放射される。この紫外線は、冷陰極管23の内面に塗布されている蛍光体を励起して冷陰極管23を発光させる。
図4は、図3の冷陰極管23の具体的な構成例を示す斜視図である。
図4において、長方形板状の圧電基板32の片側半分の上下面には1対の1次電極33、34が形成され、圧電基板32の残り半分の一端面には2次電極35が形成されている。1次電極33にはリード線36が設けられるとともに、1次電極34にはリード線37が設けられ、リード線36、37を冷陰極管31の一端で固定することにより、冷陰極管31内に圧電基板32を保持するようにしている。また、陰極38が、リード線39により、冷陰極管31の他端に保持され、圧電基板32の2次電極35と陰極38とを対向して配置することにより、圧電基板32の2次電極35が冷陰極管31の陽極を兼ねるようにしている。
このため、冷陰極管31内での放電は、圧電基板32の2次電極35と陰極38との間で行われ、圧電トランスを冷陰極管31内に設けた場合、冷陰極管31に元々存在していた陽極を省くことができ、冷陰極管31の小型軽量化が可能となる。
ここで、リード線36、37を細長い形状とし、圧電基板32の振動に追随してリード線36、37がたわむことを可能とすることにより、リード線36、37で圧電基板32を保持した場合での、圧電基板32の振動に対する影響を抑制抑するようにしてもよい。この他にも、リード線36、37をバネ状に成形することにより、圧電基板32の振動に対する影響を抑制することも可能である。
図5は、本発明の一実施例に係わる圧電トランスの振動モードを説明する図である。
図5(a)において、圧電基板32は、長さが2L、幅がW、厚みがTの長方形板状に形成され、圧電基板32の片側半分は厚み方向に分極P1が施され、圧電基板32の残りの半分は長さ方向に分極P2が施されている。分極P1が施された圧電基板32の片側半分の上下面には一対の1次電極33、34が設けられ、分極P2が施された圧電基板32の残りの半分の長さ方向の一端面には2次電極35が設けられている。
ここで、圧電基板32の材料としては、圧電結晶材料や圧電セラミック材料などを用いることができ、圧電結晶材料としては、例えば、ニオブ酸リチウムなどが使用可能であり、圧電セラミック材料としては、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO3)系セラミックス、チタン酸鉛(PbTiO3)系セラミックス、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系セラミックス、3成分系セラミックスなどが使用可能である。
圧電基板32の長さ2Lで決まる固有共振周波数の入力電圧V1が1次電極33、34に入力されると、圧電基板32の電歪効果により機械的振動が発生する。この機械的振動は長さ方向で増大し、圧電効果により交流高圧の出力電圧V2が2次電極35に発生する。すなわち、圧電トランスでは、電気エネルギーを機械的な振動に変換し、この機械的な振動を大きくしてから、電気エネルギーに戻すことにより、昇圧を行うようにしている。
圧電トランスの振動には、図5(b)〜(d)に示すように、λ(全波長振動)モード、λ/2(半波長振動)モード、3λ/2モードなどがあり、各モードに応じて振動の変位分布が異なっている。また、各モードには、振動の振幅が零または極小となる節が存在している。このため、圧電トランスを効率的に動作させるには、振動の節で圧電トランスを支持する必要がある。
出力端無負荷時の昇圧比V2/V1は、
V2/V1=4/π2・Qm・k31・k33・L/T ・・・(1)
で与えられる。
ここで、Qmは機械的品質係数、k31、k33は圧電定数である。
また、基本共振周波数frは、
fr=c/(4L) ・・・(2)
で与えられる。
ここで、cは圧電基板32中の音速である。
例えば、チタン酸ジルコン酸鉛系セラミックスを圧電基板32に使用した場合には、数百倍の昇圧比V2/V1を得ることが可能である。
このように、冷陰極管23の内部に圧電トランスを設けることにより、交流電圧を冷陰極管23に入力するだけで、交流高電圧を冷陰極管23の内部で容易に得ることが可能となり、冷陰極管23の消費電力を減らすことが可能となるとともに、冷陰極管23の大きさが増大することを抑制することが可能となり、この冷陰極管23を液晶ディスプレイなどのバックライトとして使用した場合においても、液晶ディスプレイの小型軽量化を損なうことなく、低消費電力化を達成することが可能となる。
図6は、図3の放電装置のより具体的な第1構成例を示すブロック図である。
図6において、冷陰極管44内には圧電トランス45が設けられ、冷陰極管44の陽極46は圧電トランス45の2次電極に接続され、冷陰極管44の陰極47は接地されている。発振器42の出力端子は圧電トランス45の一方の1次電極に接続されるとともに、圧電トランス45の他方の1次電極は接地されている。また、圧電トランス45からの出力の一部は帰還回路43を介して発振器42に帰還されている。そして、発振器42は、帰還回路43からの帰還信号に基づいて、圧電トランス45を最適な条件で動作させるように、発振器42からの出力を調節する。
直流電圧が直流電圧入力端子41に入力されると、発振器42が動作し、所定の周波数の交流電圧を圧電トランス45に供給する。圧電トランス45は、発振器42から出力された交流電圧を昇圧し、陽極46に供給する。圧電トランス45により、陽極46と陰極47との間に交流高電圧が加えられると、冷陰極管44内で放電が起こり、冷陰極管44に封入されている水銀蒸気から紫外線が放射される。この紫外線は、冷陰極管44の内面に塗布されている蛍光体を励起して冷陰極管44を発光させる。
ここで、圧電トランス45は、負荷がかかった時と負荷がない時とでは、出力特性が異なり、負荷がない時に合わせて圧電トランス45を駆動すると、負荷がかかった時に出力電圧が低下するので、圧電トランス45からの出力の一部を発振器42に帰還し、圧電トランス45を最も効率よく動作させることができるように、発振器42の発振状態を変化させるようにする。
このように、圧電トランス45の出力の一部を発振器42に帰還することにより、圧電トランス45の実駆動時の特性に基づいて、圧電トランス45の駆動条件を変化させることが可能となり、圧電トランス45の動作状態の変動により圧電トランス45の昇圧比が低下することを防止することが可能となる。
図7は、図3の放電装置のより具体的な第2構成例を示すブロック図である。
図7において、可変発振回路51、スイッチング回路52及び電力増幅回路53が縦列接続され、冷陰極管54内には圧電トランス55が設けられている。冷陰極管54の陽極56は圧電トランス55の2次電極に接続され、冷陰極管54の陰極57は抵抗58を介して接地されている。電力増幅回路53の出力端子は圧電トランス55の一方の1次電極に接続され、圧電トランス55の他方の1次電極は接地されている。冷陰極管54の陰極57と抵抗58との間には電流検出回路59の入力端子が接続され、明るさ設定部60からの出力と電流検出回路59からの出力とが比較回路61に入力され、比較回路61からの出力が駆動範囲制御回路62に入力されている。駆動範囲制御回路62の出力は可変発振回路51に入力され、可変発振回路51の発振周波数を制御する。
可変発振回路51からの交流電圧がスイッチング回路52及び電力増幅回路53を介して圧電トランス55に供給されると、圧電トランス56は、可変発振回路51から出力された交流電圧を昇圧し、冷陰極管54の陽極56に供給する。圧電トランス56により、陽極56と陰極57との間に交流高電圧が加えられると、冷陰極管54内で放電が起こり、冷陰極管54に封入されている水銀蒸気から紫外線が放射される。この紫外線は、冷陰極管54の内面に塗布されている蛍光体を励起して冷陰極管54を発光させる。
ここで、圧電トランス55は、駆動信号レベル、温度、負荷などの変動により、圧電トランスの共振特性が変化する。すなわち、駆動信号レベルが大きくなるに従って、非線形性及び共振抵抗が大きくなるとともに、共振周波数及び機械的品質係数Qmが小さくなる。また、駆動信号レベルが大きくなると、圧電トランス55の温度が上昇し、これらの現象が加速される。圧電トランス55の昇圧比は、
共振周波数では高いが、共振周波数から離れるに従って低くなり、(1)式に示すように、機械的品質係数Qmの値に比例する。
このため、電流検出回路59により冷陰極管54に流れる電流を検出し、駆動範囲制御回路62が、冷陰極管54に流れる電流を一定とするように、可変発振回路51の発振周波数を制御する。そして、駆動信号レベル、温度、負荷などの変動により、圧電トランスの共振特性が変化した場合においても、最適な周波数で圧電トランスを駆動するようにして、圧電トランスを効率的に動作させるようにする。
図8は、本発明の第4実施例に係わる冷陰極管の概略構成を示す斜視図である。
この第4実施例は、冷陰極管内で圧電トランスを保持する方法の一例を示すもので、圧電トランスを振動の節で保持するようにしたものである。
図8において、長方形板状の圧電基板72の片側半分の上下面には1対の1次電極73、74が形成され、圧電基板72の残り半分の一端面には2次電極75が形成されている。1次電極73にはリード線76が設けられ、1次電極74にはリード線77が設けられ、圧電基板72の振動に影響を与えないように、リード線76、77を柔軟な材質または構成とする。圧電基板72は、保持部80、81により支持され、保持部80、81を冷陰極管71の一端で固定することにより、冷陰極管71内に圧電基板72を保持するようにしている。
ここで、保持部80、81は圧電基板72の振動の節で圧電基板72を支持し、圧電基板72の振動に影響を与えないようにしている。保持部80、81はガラスやプラスチックのような絶縁体がよい。又、3箇所以上で圧電基板を支えるようにしてもよい。圧電基板72の陰極78は、リード線79により冷陰極管71の他端に保持され、圧電基板72の2次電極75と陰極78とは対向して配置され、圧電基板72の2次電極75が冷陰極管71の陽極を兼ねている。このため、冷陰極管71内での放電は、圧電基板72の2次電極75と陰極78との間で行われ、冷陰極管71に元々存在していた陽極を省くことにより、冷陰極管71の小型軽量化が可能としている。
このように、圧電トランスを振動の節で保持することにより、圧電トランスの出力電圧を低下させることなく、圧電トランスを冷陰極管71の内部に保持することが可能となり、冷陰極管71での昇圧を効率的に行うことが可能となる。
なお、圧電基板72の上下面方向から圧電基板72を支持するほかに、圧電基板72の側面方向から圧電基板72を支持するようにしてもよい。
図9は、本発明の第5実施例に係わる冷陰極管の概略構成を示す図である。この第5実施例では、圧電トランスを駆動する駆動回路を冷陰極管の内部に封入するようにしている。
図9において、冷陰極管93の内部には、駆動回路92、圧電基板94、圧電基板94を駆動する1次電極95、96、圧電基板94で発生する電圧を出力する2次電極97及び陰極98が放電ガスとともに封入され、2次電極97と陰極98とが所定の距離を隔てて互いに対向するように保持されている。ここで、駆動回路92の入力側には直流電源91が接続され、駆動回路92の出力側の一端には、1次電極95が接続されるとともに、駆動回路92の出力側の他端には、1次電極96、陰極98及び圧電基板94の接地点が接続されている。
直流電源91が駆動回路92に10V程度の直流電圧を供給すると、駆動回路92は、この直流電圧を40〜60KHz程度の交流電圧に変換して、1次電極95に出力する。圧電基板94は、1次電極95と1次電極96との間に交流電圧が入力されると、この交流電圧を1200V程度に昇圧し、昇圧した電圧を2次電極97に出力する。
この2次電極97は冷陰極管93の陽極も兼ねており、圧電トランスの昇圧作用により、40〜60KHz程度で1200V程度の交流高電圧が2次電極97と陰極98との間に発生することから、冷陰極管93内で放電が起こり、冷陰極管93に封入されている水銀蒸気から紫外線が放射される。この紫外線は、冷陰極管93の内面に塗布されている蛍光体を励起して冷陰極管93を発光させる。
このように、圧電トランスに加えて、この圧電トランスを駆動する駆動回路92も冷陰極管93内に設けることにより、直流電源91から10V程度の直流低電圧を冷陰極管93に加えただけで、40〜60KHz程度で1200V程度の交流高電圧を冷陰極管93の内部で得ることが可能となり、冷陰極管93に直流低電圧を入力するだけで、冷陰極管93を放電させることが可能となることから、冷陰極管93に電圧を入力する際に電力が外部に漏洩することをより一層低減させることができ、冷陰極管93の消費電力をより一層減らすことが可能となる。
図10は、図9の冷陰極管の構成例を示す斜視図である。
図10において、長方形板状の圧電基板102の片側半分の上下面には1対の1次電極103、104が形成され、圧電基板102の残り半分の一端面には2次電極105が形成されている。圧電基板102上には、回路パターン111が形成されたICチップ110が設けられ、ICチップ110の入力端子にはリード線106が接続されるとともに、ICチップ110の出力端子はワイヤ線112により1次電極103に接続され、ICチップ110の接地端子及び1次電極104はリード線107に接続されている。
圧電基板102及びICチップ110は、リード線106、107を冷陰極管101の一端で固定することにより、冷陰極管101内に保持されている。ここで、回路パターン111は、リード線106を介して供給された10V程度の直流電圧を40〜60KHz程度の交流電圧に変換してから、1次電極に出力するように構成されている。
また、陰極108が、リード線109により、冷陰極管101の他端に保持され、圧電基板102の2次電極105を陰極108と対向して配置することにより、圧電基板102の2次電極105が冷陰極管101の陽極を兼ねるようにしている。
10V程度の直流電圧がリード線106に供給されると、ICチップ110は、この直流電圧を40〜60KHz程度の交流電圧に変換して、1次電極103に出力する。圧電基板102は、1次電極103と1次電極104との間に交流電圧が入力されると、この交流電圧を1200V程度に昇圧し、昇圧した電圧を2次電極105に出力する。
このため、40〜60KHz程度で1200V程度の交流高電圧が2次電極105と陰極108との間に発生し、冷陰極管101内で放電が起こり、冷陰極管101に封入されている水銀蒸気から紫外線が放射される。この紫外線は、冷陰極管101の内面に塗布されている蛍光体を励起して冷陰極管101を発光させる。
ここで、リード線106には10V程度の直流電圧が加えられるだけであり、リード線106からの浮遊静電容量による電力の漏洩はほとんど起こらないことに加えて、ICチップ110を圧電基板102上に設けることにより、ICチップ110を1次電極103に近接させて配置することが可能となることから、ICチップ110から1次電極103に供給される交流電圧の配線長を短くすることができ、ICチップ110と1次電極103との間のワイヤ線112の浮遊静電容量による電力の漏洩もほとんど零に抑えることが可能となる。
なお、ICチップ110上の回路パターン111をSi3N4(シリコンナイトライド)膜やPSG(リンガラス)膜やポリイミド膜などの保護膜で覆うことにより、回路パターン111を保護するようにしてもよい。また、ICチップ110は、エポキシ樹脂やシリコン樹脂などでモールド化したものであってもよい。また、SOI(Silicon on Insulator)プロセスなどにより、圧電基板102上に回路パターン111を直接形成するようにしてもよい。さらに、圧電トランスの出力をモニターする機能をICチップ110上に集積し、圧電トランスの実駆動時の共振特性の変動に対応して、圧電トランスの駆動条件を変化させるようにしてもよい。
図11は、本発明の第6実施例に係わる放電装置の概略構成を示す図である。
この第6実施例は、冷陰極管の陽極と陰極とのそれぞれに対して圧電トランスを設け、陽極の圧電トランスと陰極の圧電トランスとを位相が互いに反対となっている交流電圧で駆動するようにしている。
図11において、冷陰極管123の内部には、圧電基板124、128、圧電基板124を駆動する1次電極125、126、圧電基板124で発生する電圧を出力する2次電極127、圧電基板128を駆動する1次電極129、130、圧電基板128で発生する電圧を出力する2次電極131及び放電ガスが封入され、2次電極127と2次電極131が所定の距離を隔てて互いに対向するように保持されている。
ここで、駆動回路122の入力側には直流電源121が接続され、駆動回路122の正転出力端子には1次電極125が接続されるとともに、駆動回路122の反転出力端子には1次電極130が接続され、駆動回路22の接地端子には1次電極126、129及び圧電基板124、128の接地点が接続されている。
直流電源121が駆動回路122に10V程度の直流電圧を供給すると、駆動回路122は、この直流電圧を40〜60KHz程度の交流電圧に変換し、40〜60KHz程度の第1の交流電圧及び第1の交流電圧と位相が反対の第2の交流電圧を生成する。第1の交流電圧は1次電極125に出力され、第2の交流電圧は1次電極130に出力される。
圧電基板124は、1次電極125と1次電極126との間に第1の交流電圧が入力されると、この第1の交流電圧を1200V程度に昇圧し、昇圧した電圧を2次電極127に出力する。圧電基板128は、1次電極129と1次電極130との間に第2の交流電圧が入力されると、この第2の交流電圧を1200V程度に昇圧し、昇圧した電圧を2次電極131に出力する。
2次電極127は冷陰極管123の陽極を兼ねており、2次電極131は冷陰極管123の陰極を兼ねている。そして、位相が互いに反対となっている第1の交流電圧及び第2の交流電圧で圧電基板124及び圧電基板128をそれぞれ駆動することにより、2400V程度の交流高電圧が2次電極127と2次電極131との間に発生することから、冷陰極管123内で放電が起こり、冷陰極管123に封入されている水銀蒸気から紫外線が放射される。この紫外線は、冷陰極管123の内面に塗布されている蛍光体を励起して冷陰極管123を発光させる。
このように、冷陰極管123の陽極と陰極とのそれぞれに圧電トランスを設けることにより、配線の浮遊静電容量による電力の漏洩を防止しながら、冷陰極管123の陽極と陰極との間の電位差をより大きくすることが可能となり、より効率的に冷陰極管123を放電させることが可能となる。
図12は、図11の駆動回路の構成例を示すブロック図である。
図12において、発振回路141の出力端子はフリップフロップ142のクロック端子に接続され、フリップフロップ142の正転出力端子はドライブ回路143、146に接続され、フリップフロップ142の反転出力端子はドライブ回路144、145に接続され、ドライブ回路143、144は圧電素子147を駆動し、ドライブ回路145、146は圧電素子148を駆動するようにしている。
このため、圧電素子147と圧電素子148とは互いに反対の位相の電圧でそれぞれ駆動され、圧電素子147と圧電素子148との間に発生する電圧は、圧電素子147または圧電素子148の1個だけを用い
て昇圧させた場合の2倍とすることができる。
図13は、図11の放電管の構成例を示す斜視図である。
図13において、長方形板状の圧電基板152の片側半分の上下面には1対の1次電極153、154が形成され、圧電基板152の残り半分の一端面には2次電極155が形成されている。1次電極153にはリード線156が設けられるとともに、1次電極154にはリード線157が設けられ、リード線156、157を冷陰極管151の一端で固定することにより、冷陰極管151内に圧電基板152を保持するようにしている。
また、長方形板状の圧電基板158の片側半分の上下面には1対の1次電極159、160が形成され、圧電基板158の残り半分の一端面には2次電極161が形成されている。1次電極159にはリード線162が設けられるとともに、1次電極160にはリード線163が設けられ、リード線162、163を冷陰極管151の他端で固定することにより、冷陰極管151内に圧電基板158を保持するようにしている。
圧電基板152の2次電極155と圧電基板158の2次電極161とは互いに対向して配置され、圧電基板152の2次電極155は冷陰極管151の陽極を兼ねるとともに、圧電基板158の2次電極161は冷陰極管151の陰極を兼ねている。
このため、冷陰極管151内での放電は、圧電基板152の2次電極155と圧電基板158の2次電極161との間で行われ、冷陰極管151に元々存在していた陽極及び陰極を省くことができ、冷陰極管151の小型軽量化が可能となるとともに、圧電基板152と圧電基板158とを互いに反対の位相の電圧で駆動することにより、2次電極155と2次電極161との間に発生する電圧を、圧電トランスを1個だけ用いて昇圧させた場合の2倍とすることができる。
なお、冷陰極管151の陰極に圧電基板158の2次電極161を用いた場合、この2次電極161の材質として、タングステンやトリウムなどを使用してもよく、Ba、Sr、Ca、Zrなどの酸化物からなる電子放出物質を塗布するようにしてもよい。
図14は、本発明の第7実施例に係わる放電装置の概略構成を示す図である。
この第7実施例は、冷陰極管の陽極と陰極とのそれぞれに対して圧電トランスを設け、圧電トランスの振動の節を冷陰極管で直接保持することにより、圧電トランスの2次電極を冷陰極管の内部に入れ、圧電トランスの1次電極を冷陰極管の外部に出すようにしたものである。
図14において、圧電基板174には、圧電基板174を駆動する1次電極175、176、圧電基板174で発生する電圧を出力する2次電極177が設けられ、圧電基板178には、圧電基板178を駆動する1次電極179、180、圧電基板178で発生する電圧を出力する2次電極181が設けられ、冷陰極管173の内部には、圧電基板174の2次電極177、圧電基板178の2次電極181及び放電ガスが封入されている。
そして、冷陰極管173は、圧電基板174の振動の節で圧電基板174を保持するとともに、圧電基板178の振動の節で圧電基板178を保持し、2次電極177と2次電極178とが冷陰極管173の内部で所定の距離を隔てて互いに対向するようにしている。ここで、駆動回路172の入力側には直流電源171が接続され、駆動回路172の正転出力端子には1次電極175が接続されるとともに、駆動回路172の反転出力端子には1次電極180が接続され、駆動回路172の接地端子には1次電極176、179及び圧電基板174、178の接地点が接続されている。
直流電源171が駆動回路172に10V程度の直流電圧を供給すると、駆動回路172は、この直流電圧を40〜60KHz程度の交流電圧に変換し、40〜60KHz程度の第1の交流電圧及び第1の交流電圧と位相が反対の第2の交流電圧を生成する。第1の交流電圧は1次電極175に出力され、第2の交流電圧は1次電極180に出力される。
圧電基板174は、1次電極175と1次電極176との間に第1の交流電圧が入力されると、この第1の交流電圧を1200V程度に昇圧し、昇圧した電圧を2次電極177に出力する。圧電基板178は、1次電極179と1次電極180との間に第2の交流電圧が入力されると、この第2の交流電圧を1200V程度に昇圧し、昇圧した電圧を2次電極181に出力する。この際、圧電基板174、178は振動の節で保持されていることから、昇圧を効率的に行うことができる。
2次電極177は冷陰極管173の陽極を兼ねており、2次電極181は冷陰極管173の陰極を兼ねている。そして、位相が互いに反対となっている第1の交流電圧及び第2の交流電圧で圧電基板174及び圧電基板178をそれぞれ駆動することにより、2400V程度の交流高電圧が2次電極177と2次電極181との間に発生することから、冷陰極管173内で放電が起こり、冷陰極管173に封入されている水銀蒸気から紫外線が放射される。この紫外線は、冷陰極管173の内面に塗布されている蛍光体を励起して冷陰極管173を発光させる。
このように、冷陰極管173の陽極と陰極とのそれぞれに圧電トランスを設け、圧電トランスを振動の節で保持することにより、圧電トランスの昇圧比の低下を防止しながら、冷陰極管173の陽極と陰極との間の電位差をより大きくすることが可能となり、より効率的に冷陰極管173を放電させることが可能となる。
また、圧電トランスの2次電極177、181だけを冷陰極管173の内部に入れ、1次電極175、176、179、180を冷陰極管173の外部に出すことにより、冷陰極管173の小型化が可能となるとともに、冷陰極管173の外部に駆動回路172を出したまま、駆動回路172を圧電基板174、178上に設けることができ、駆動回路172に対して放電の影響を与えることなく、駆動回路172と1次電極175、176との間の配線長を短くすることができる。
図15は、図14の冷陰極管の概略構成を示す斜視図である。
図15において、長方形板状の圧電基板192の片側半分の上下面には1対の1次電極193、194が形成され、圧電基板192の残り半分の一端面には2次電極195が形成されている。1次電極193にはリード線196が設けられるとともに、1次電極194にはリード線197が設けられ、圧電基板192の振動の節の部分を冷陰極管191の一端で固定することにより、冷陰極管191内に2次電極195が入り、冷陰極管191外に1次電極193、194が出た状態で圧電基板192を保持するようにしている。
また、長方形板状の圧電基板198の片側半分の上下面には1対の1次電極199、200が形成され、圧電基板198の残り半分の一端面には2次電極201が形成されている。1次電極199にはリード線202が設けられるとともに、1次電極200にはリード線203が設けられ、圧電基板198の振動の節の部分を冷陰極管191の他端で固定することにより、冷陰極管191内に2次電極201が入り、冷陰極管191外に1次電極199、200が出た状態で圧電基板198を保持するようにしている。
圧電基板192の2次電極195と圧電基板198の2次電極201とは冷陰極管191内で互いに対向して配置され、圧電基板192の2次電極195は冷陰極管191の陽極を兼ねるとともに、圧電基板198の2次電極201は冷陰極管191の陰極を兼ねている。
このため、冷陰極管191内での放電は、圧電基板192の2次電極195と圧電基板198の2次電極201との間で行われ、冷陰極管191に元々存在していた陽極及び陰極を省くことができ、冷陰極管191の小型軽量化が可能となるとともに、圧電基板192と圧電基板198とを互いに反対の位相の電圧で駆動することにより、2次電極195と2次電極201との間に発生する電圧を、圧電トランスを1個だけ用いて昇圧させた場合の2倍とすることができる。さらに、圧電基板192及び圧電基板198を振動の節で保持することにより、昇圧比が低下することを防止することが可能となるとともに、1次電極193、194、199、200を冷陰極管191の外に出すことにより、冷陰極管191のより一層の小型化が可能となる。
図16は、本発明の第8実施例に係わる放電装置の概略構成を示す図である。
この第8実施例は、圧電基板の長さが放電管の長さとほぼ等しくなるようにしたものである。
図16において、冷陰極管213の内部には、圧電基板214、圧電基板214を駆動する1次電極215、216、陰極217及び圧電基板214で発生する電圧を出力する2次電極218が放電ガスとともに封入され、圧電基板214の長さを冷陰極管213の長さとほぼ等しくなるように設定することにより、陰極217と2次電極218とが所定の距離を隔てて互いに対向可能となるようにしている。ここで、駆動回路211の入力側には直流電源212が接続され、駆動回路212の出力側の一端には、1次電極216が接続されるとともに、駆動回路212の出力側の他端には、1次電極215、陰極217及び圧電基板214の接地点が接続されている。
直流電源211が駆動回路212に10V程度の直流電圧を供給すると、駆動回路212は、この直流電圧を40〜60KHz程度の交流電圧に変換して、1次電極216に出力する。圧電基板214は、1次電極215と1次電極216との間に交流電圧が入力されると、この交流電圧を1200V程度に昇圧し、昇圧した電圧を2次電極218に出力する。
この2次電極218は冷陰極管213の陽極も兼ねており、圧電トランスの昇圧作用により、40〜60KHz程度で1200V程度の交流高電圧が陰極217と2次電極218との間に発生することから、冷陰極管213内で放電が起こり、冷陰極管213に封入されている水銀蒸気から紫外線が放射される。この紫外線は、冷陰極管213の内面に塗布されている蛍光体を励起して冷陰極管213を発光させる。
このように、圧電基板214の長さを冷陰極管213の長さとほぼ等しくなるようにすることにより、高圧配線を短くすることが可能となることから、配線の浮遊容量などにより電力が外部に漏洩することを低減させることができ、冷陰極管213を効率的に動作させることが可能となる。
図17は、図16の冷陰極管の概略構成を示す斜視図である。
図17において、長方形板状の圧電基板222の片側の上下面には1対の1次電極223、224が形成され、1次電極223、224が形成された圧電基板222の反対側の一端面には2次電極225が形成されている。そして、圧電基板222の端面から2次電極225を突出させることにより、1次電極223と2次電極225とが圧電基板222を介して対向可能としている。1次電極223にはリード線226が設けられるとともに、1次電極224にはリード線227が設けられ、リード線226、227を冷陰極管221の一端で固定することにより、冷陰極管221内に圧電基板222を保持するようにしている。
ここで、1次電極223は冷陰極管221の陰極を兼ねており、2次電極225は冷陰極管221の陽極を兼ねている。このため、交流電圧がリード線226、227を介して1次電極223、224の間に加えられると、圧電基板222での昇圧作用により、2次電極225には交流高電圧が発生し、1次電極223と2次電極225との間で放電が行われる。
このように、圧電基板222の長さを冷陰極管221の長さとほぼ等しくすることにより、冷陰極管221に元々存在していた陽極及び陰極を省くことができ、冷陰極管221の小型軽量化が可能となるとともに、高圧配線を不要とすることが可能となることから、配線の浮遊容量などにより電力が外部に漏洩することを低減させることができ、冷陰極管221を効率的に動作させることが可能となる。
図18は、本発明の第9実施例に係わる放電装置の概略構成を示す図である。
この第9実施例は、圧電トランスの長さを冷陰極管の長さとほぼ等しくし、この圧電トランスを冷陰極管を駆動するインバータとして使用したものである。
図18において、インバータ231は駆動回路233及び圧電トランスを備え、この圧電トランスを構成する圧電基板234には、圧電基板234を駆動する1次電極235、236、圧電基板234で発生する電圧を出力する2次電極が設けられ、圧電基板234の長さが冷陰極管237の長さとほぼ等しくなるようにしている。圧電基板234の1次電極236は冷陰極管237の陰極238に接続され、2次電極は冷陰極管237の陽極239に接続されている。
駆動回路233の入力側には直流電源232が接続され、駆動回路233の出力側の一端には、1次電極235が接続されるとともに、駆動回路233の出力側の他端には、1次電極236、陰極238及び圧電基板234の接地点が接続されている。ここで、圧電基板234の長さは冷陰極管237の長さとほぼ等しくなっていることから、圧電基板234の2次電極から冷陰極管237の陽極239までの配線長を短くすることができる。
直流電源232が駆動回路233に10V程度の直流電圧を供給すると、駆動回路233は、この直流電圧を40〜60KHz程度の交流電圧に変換して、1次電極235に出力する。圧電基板234は、1次電極235と1次電極236との間に交流電圧が入力されると、この交流電圧を1200V程度に昇圧し、昇圧した電圧を2次電極に出力する。
この2次電極に発生した電圧は冷陰極管237の陽極239に出力され、40〜60KHz程度で1200V程度の交流高電圧が冷陰極管237の陰極238と陽極239との間に発生することから、冷陰極管237内で放電が起こり、冷陰極管237に封入されている水銀蒸気から紫外線が放射される。この紫外線は、冷陰極管237の内面に塗布されている蛍光体を励起して冷陰極管237を発光させる。
このように、インバータ231に設けられた圧電基板234の長さを冷陰極管237の長さとほぼ等しくすることにより、40〜60KHz程度で1200V程度の交流高電圧を冷陰極管237に供給するために必要な配線の長さを短くすることが可能となり、配線の浮遊容量などにより電力が外部に漏洩することを低減させることが可能となることから、冷陰極管237を効率的に動作させることが可能となる。
図19は、図18の放電装置の概略構成を示す斜視図である。
図19において、長方形板状の圧電基板243の片側の上下面には1対の1次電極244、245が形成され、1次電極244、245が形成された圧電基板243の反対側の一端面には2次電極246が形成され、圧電基板243の長さL1は冷陰極管247の長さL2とほぼ等しくなるようにしている。圧電基板243の1次電極244は冷陰極管247の陰極248に接続され、2次電極246は冷陰極管247の陽極249に接続されている。駆動回路242の入力側には直流電源241が接続され、駆動回路242の出力側の一端には、1次電極244が接続されるとともに、駆動回路242の出力側の他端には、1次電極245及び陰極248が接続されている。
10V程度の直流電圧が駆動回路242に供給されると、駆動回路242は、この直流電圧を40〜60KHz程度の交流電圧に変換して、1次電極244に出力する。圧電基板243は、1次電極244と1次電極245との間に交流電圧が入力されると、この交流電圧を1200V程度に昇圧し、昇圧した電圧を2次電極246に出力する。
この2次電極246に発生した電圧は冷陰極管247の陽極249に出力され、40〜60KHz程度で1200V程度の交流高電圧が冷陰極管247の陰極248と陽極249との間に発生し、冷陰極管247内で放電が起こる。
このように、圧電基板243の長さL1を冷陰極管247の長さL2とほぼ等しくすることにより、2次電極246と陽極249との間の配線長を短くすることが可能となり、配線の浮遊容量などにより電力が外部に漏洩することを低減させることが可能となることから、冷陰極管247を効率的に動作させることが可能となる。
図20は、本発明の第10実施例に係わる放電装置の概略構成を示す図である。
この第10実施例は、圧電トランスの長さ方向に垂直な断面がU字状となるようにし、この圧電トランスを冷陰極管を駆動するインバータとして使用可能として、圧電トランスを冷陰極管のランプホルダーとして使用可能となるようにしたものである。
図20において、圧電基板253には、圧電基板253を駆動する1次電極254、255、圧電基板253で発生する電圧を出力する2次電極が設けられ、圧電基板253の長さを冷陰極管256の長さとほぼ等しくするとともに、長さ方向に垂直な断面をU字状とすることにより、冷陰極管256を圧電基板253の間に挿入することを可能としている。圧電基板253の1次電極255は冷陰極管256の陰極257に接続され、2次電極は冷陰極管256の陽極258に接続されている。駆動回路252の入力側には直流電源251が接続され、駆動回路252の出力側の一端には、1次電極254が接続されるとともに、駆動回路252の出力側の他端には、1次電極255、陰極257及び圧電基板253の接地点が接続されている。ここで、圧電基板253の長さは冷陰極管256の長さとほぼ等しくなっていることから、圧電基板253の2次電極から冷陰極管256の陽極258までの配線長を短くすることができるとともに、圧電基板253はU字状に成形されていることから、圧電基板253をランプホルダーとして用いることができる。
直流電源251が駆動回路252に10V程度の直流電圧を供給すると、駆動回路252は、この直流電圧を40〜60KHz程度の交流電圧に変換して、1次電極254に出力する。圧電基板253は、1次電極254と1次電極255との間に交流電圧が入力されると、この交流電圧を1200V程度に昇圧し、昇圧した電圧を2次電極に出力する。
この2次電極に発生した電圧は冷陰極管256の陽極258に出力され、40〜60KHz程度で1200V程度の交流高電圧が冷陰極管258の陰極257と陽極258との間に発生することから、冷陰極管256内で放電が起こり、冷陰極管256に封入されている水銀蒸気から紫外線が放射される。この紫外線は、冷陰極管256の内面に塗布されている蛍光体を励起して冷陰極管256を発光させる。
この冷陰極管256から発光された光は、長さ方向に垂直な断面がU字状となるように圧電基板253が成形されていることから、圧電基板253の内面で反射され、冷陰極管256から発光された光を所定方向に効率的に導くことができる。
このように、圧電基板253の長さを冷陰極管256の長さとほぼ等しくし、長さ方向に垂直な断面がU字状となるように圧電基板253を成形することにより、高圧配線の長さを短くすることが可能となるとともに、冷陰極管256から発光された光を所定方向に効率的に導くことが可能となり、冷陰極管256を効率的に動作させることが可能となる。
図21は、図20の放電装置の概略構成を示す斜視図である。
図21において、圧電基板263は、長さ方向に垂直な断面がU字状となるように成形され、圧電基板263の片側の内外面には1対の1次電極264、265が形成され、1次電極264、265が形成された圧電基板263の反対側の一端面には2次電極266が形成されている。冷陰極管267は、圧電基板263のU字状断面の内側に保持され、圧電基板263の1次電極264は冷陰極管267の陰極268に接続され、2次電極266は冷陰極管267の陽極269に接続されている。駆動回路262の入力側には直流電源261が接続され、駆動回路262の出力側の一端には、1次電極265が接続されるとともに、駆動回路262の出力側の他端には、1次電極264及び陰極268が接続されている。
10V程度の直流電圧が駆動回路262に供給されると、駆動回路262は、この直流電圧を40〜60KHz程度の交流電圧に変換して、1次電極265に出力する。圧電基板263は、1次電極264と1次電極265との間に交流電圧が入力されると、この交流電圧を1200V程度に昇圧し、昇圧した電圧を2次電極266に出力する。
この2次電極266に発生した電圧は冷陰極管267の陽極269に出力され、40〜60KHz程度で1200V程度の交流高電圧が冷陰極管267の陰極268と陽極269との間に発生し、冷陰極管267内で放電が起こる。この放電により、冷陰極管267から光が放射される。冷陰極管267から放射された光は圧電基板263の内面で反射され、所定方向に放射される。このため、冷陰極管267を液晶ディスプレイなどのバックライトとして使用した場合、液晶ディスプレイのランプホルダーとして圧電基板263を有効に利用することができる。
このように、長さ方向に垂直な断面がU字状となるように圧電基板263を成形することにより、冷陰極管267から放射された光を所定方向に効率的に導くことが可能となり、圧電トランスでランプホルダーを兼用することが可能となることから、装置の小型軽量化が可能となる。
なお、圧電基板263の内側に反射膜を貼り付けることなどにより、冷陰極管267から放射された光をより効率的に反射させるようにしてもよい。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例に限定されることなく、本発明の技術的思想に範囲内で他の様々の変更が可能である。例えば、上述した実施例では、放電管の内部に圧電トランスを設ける場合について説明したが、高電圧を必要とする電子管ならば何でもよく、ブラウン管の内部に圧電トランスを設けることにより、ブラウン管を動作させるために必要な高電圧をブラウン管の内部で生成させるようにしてもよい。