JP3932731B2 - 外部電極式放電ランプ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、外部電極式放電ランプ装置に係り、特に、誘電体バリア放電によって放電ランプ内にエキシマ分子を生成し、エキシマ分子から放射される光を利用する外部電極式放電ランプ装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来技術として、特開平2−7353号公報に、放電容器にエキシマ分子を生成する放電用ガスを充填し、誘電体バリア放電、別名オゾナイザ放電あるいは無声放電によってエキシマ分子を生成し、エキシマ分子から放射される光を取り出す放射器について記載されている。
【0003】
このような外部電極式放電ランプの点灯装置の一例を図8に示す。
【0004】
同図において、誘電体バリア放電ランプ101には、放電プラズマ空間102を挟んで電極103,104の間に、2枚の誘電体105,106が設けられており、ここでは誘電体バリア放電ランプ101を構成するランプ封体107が誘電体105,106を兼ねている。
【0005】
この誘電体バリア放電ランプ101の点灯は、電極103,104間に、例えば、10kHz〜200kHz、2kV〜10kVの高周波の交流電圧を給電装置108から印加する。給電装置108から供給される電流は、放電プラズマ空間102と電極103,104間には誘電体105,106が介在するため、電極103,104から放電プラズマ空間102に直接電流は流れないが、誘電体105,106のコンデンサの作用による電流が流れる。すなわち、各誘電体105,106の放電プラズマ空間102の対向する両面には、各電極103,104側の面と等量逆符号の電荷が誘電体の分極により誘起され、この両面間で放電が行われる。
【0006】
誘電体105,106の放電プラズマ空間2の内面に沿って電流はあまり流れないので、誘電体105,106の放電プラズマ空間2の各面に誘起された電荷は、放電により移動した電荷により中和され、放電プラズマ空間102の電界が減少するため、電極103,104への電圧印加が継続されていても、放電電流はやがて停止する。放電は電極103,104への印加電圧がさらに上昇する場合は持続するが、1度放電が生じた後、放電が停止した場合は、電極103,104に印加される電圧の極性が反転するまで、再放電しない。
【0007】
封入ガスとしてキセノンガスを用いている場合は、キセノンガスが放電によりイオンと電子に分離されたキセノンプラズマとなる。このプラズマ中で、特定のエネルギー準位に励起されたキセノン同士が結合し、エキシマ分子が生成される。エキシマ分子はある寿命時間を経過すると解離してしまうが、この解離の際に真空紫外波長の光子を放出し、これが真空紫外光源として利用される。
【0008】
放電ランプを真空紫外光源として効率的に動作させるためには、このエキシマ分子の生成を効率的に行うことが重要である。この効率的なエキシマ分子の生成を阻害する大きな要因としては、放電プラズマをエキシマ分子生成に寄与しないエネルギー準位へ励起してしまうことである。放電開始直後の放電プラズマの電子運動は集団的であり、放電エネルギーは高いが温度は低い状態にあるので、放電プラズマは、エキシマ分子を形成するために必要な共鳴状態に遷移する確率は高いが、放電エネルギーが過大であったり、あるいは放電時間が長くなると、放電プラズマの電子運動は次第に熱的、すなわちマックスウェル−ボルツマン分布と呼ばれる熱平衡状態になり、プラズマ温度が上昇し、エキシマ分子を生成できないような、より高い励起状態に遷移してしまう確率が高まる。
【0009】
また、エキシマ分子が生成された場合でも、寿命時間が経過して自然に解離して所期の光子が放出する以前に、後続の放電によりエキシマ分子が破壊されてしまう場合もある。例えば、キセノンエキシマの場合は、放電開始から真空紫外波長の光子放出まで、1μs程度の期間を要するが、この期間内に後続の放電や再放電が行われると、エキシマ発光の効率は低下してしまう。
【0010】
すなわち一度放電が開始したならば、短時間で、必要な電力をプラズマに投入して、できるだけ早く放電を終了させることにより、後続する放電のエネルギーを極力小さくすることが非常に重要である。
【0011】
特開平9−199285号公報および特開平10−223384号公報には、エキシマ分子の生成を効率的に行うための放電ランプの点灯装置が開示されている。これらの装置は、直流電源、トランスの1次側、およびトランジスタやFET等のスイッチ素子を直列に接続するとともに、トランスの2次側に放電ランプを接続する、いわゆるフライバックインバータの点灯方式を構成するものであり、エキシマ分子の生成を効率的に実現するための条件として、前者公報のものは、ランプ印加電圧のパルス幅を規定するものであり、後者公報のものは、ランプ印加電圧の立上がり時間を規定するものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記各公報に記載の点灯装置は、基本的にはスイッチ素子を1個しか必要としないため低コストという経済的な利点を有するものの、その反面、高電圧の発生が、スイッチ素子がオフになることにより実現しているため、動作が負荷インピーダンスの影響を受け易く、また放電ランプから得られる発光量が不安定になるという問題があった。
【0013】
さらに、後者公報の点灯装置は、先の条件を満足させるためには、昇圧トランスのインダクタンス等の調整によって達成するしかなく、設計の自由度が低いといった問題もあった。
【0014】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑みて、放電ランプにおけるエキシマ分子の生成を効率的に行うとともに、放電ランプの負荷状態や点灯装置の回路条件等による影響を受けることなく、また点灯装置と放電ランプ間の回路条件等の面倒な調整を行わなくても、安定した発光量を得ることのできる外部電極式放電ランプ装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するために、次のような手段を採用した。
【0016】
第1の手段は、誘電体からなるランプ封体の外部に電極の少なくとも一方が設けられた放電ランプと、直流電源とスイッチ素子と変圧器の1次側とを直列に接続すると共に、前記変圧器の2次側に前記放電ランプの電極を接続した点灯装置とからなる外部電極式放電ランプ装置において、前記スイッチ素子には、該スイッチ素子のオン信号によって該スイッチ素子が導通する方向とは逆向きの電流を流すダイオードが並列に接続または前記スイッチ素子に内蔵されており、前記点灯装置は、前記放電ランプを発光させる振動電圧期と、前記スイッチ素子のオン信号期間を前記スイッチ素子のオフ後に最初に現れる一定電圧期間の次に現れる一定電圧期間から開始することを特徴とする。
第2の手段は、第1の手段において、前記スイッチ素子のソース・ドレイン間電圧のピーク値、或いは、前記スイッチ素子のドレイン電流のピーク値、或いは、前記スイッチ素子のドレイン電流の平均値を検出して、スイッチ素子のオン期間を調整することを特徴とする。
第3の手段は、第1の手段において、前記スイッチ素子のオフ期間を固定することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の第1の実施形態を図1ないし図6を用いて説明する。
【0019】
図1は、本実施形態に係る外部電極式放電ランプ装置の構成を示す図である。
【0020】
同図において、1は放電ランプ、2はガラス管等で構成される放電ランプ1の放電空間を形成するランプ封体、3,4はそれぞれランプ封体2自体によって形成される誘電体、5,6はそれぞれ誘電体3,4に相当するランプ封体2外面上に形成される外部電極、7はランプ封体2によって形成される放電プラズマ空間、8は外部電極5,6間に後述するフライバック電圧を供給する点灯装置である。
【0021】
点灯装置8は、直流電源9と、1次巻線11および2次側巻線12を有する昇圧トランス10と、FET14および内蔵ダイオード15から成るスイッチ素子13と、FET14を駆動するゲート駆動回路16とから構成されている。
【0022】
なお、スイッチ素子13として、ダイオード15を内蔵するFET14を用いる例について説明したが、その他に、トラジスタ等の他の半導体素子にダイオードを逆接続して構成してもよい。
【0023】
図2は、放電ランプ1として、直管状の外部電極式放電ランプを用いた場合の放電ランプの断面図である。
【0024】
同図において、図1に示す符号と同符号の箇所は同一部分を示し、21はランプ封体2の外表面を覆う絶遠性樹脂等からなる被覆チューブ、22はアパーチャ部、23は蛍光物質である。
【0025】
この外部電極式放電ランプは、両端が気密に封止された直管状のガラス管2で構成され、ガラス管2の内面には蛍光物質23が塗布されており、蛍光物質23が塗布されていない長さ方向に伸びる光放射用アパーチャ部22が形成されている。また、ガラス管2の内部には所定量のキセノン等の希ガスが封入されるとともに、ガラス管2の外表面には、互いに直径方向に対向するように、各々ガラス管2の長さ方向に伸びる一対の膜状の電極5,6が配置されている。
【0026】
なお、ここで蛍光物質23は必要に応じて塗布されるものであり、紫外線を放射する外部電極式放電ランプの場合は不要となる。
【0027】
図3は、放電ランプ1の等価回路を示す図である。
【0028】
同図において、C1は放電プラズマ空間7の静電容量、C2は誘電体3,4の静電容量、C3は浮遊容量、Rは負荷抵抗、SW1は放電、非放電時の等価スイッチであり、放電ランプ1は全体として静電容量と負荷抵抗からなる合成インピーダンスとして表すことができる。
【0029】
図4ないし図5は、本発明と対比するために示した外部電極式放電ランプ装置内各部における電圧、電流波形を示す図である。
【0030】
図6は、本実施形態に係る外部電極式放電ランプ装置内各部における電圧、電流波形を示す図である。
【0031】
次に、本実施形態に係る外部電極式放電ランプ装置の動作を図1ないし図6とともに説明する。
【0032】
ここで、FET14は、ゲート駆動回路16からのゲート信号GtがFET14のゲート端子に供給され、ゲート信号Gtがハイレベルのときにオンし、ローレベルのときにオフになるものとする。
【0033】
まず、図4(a)に示すように、ゲート信号Gtが印加されてFET14がオンすると、昇圧トランス10の1次側巻線11に直流電源9からの電圧が印加され、図4(b)に示すように、1次側電流Iptが流れ始める。1次側電流Iptは、FET14がオンしている期間の長さに比例して直線的に増加し、昇圧トランス10のコアに磁気エネルギーを蓄積してゆく。FET14が所定期間後オフすると、1次側電流Iptが急激に切断されるため、図4(c)の振動電圧期間A1に示すように、1次側巻線11に逆極性の急峻な電圧が発生し、それによって2次側巻線12にも巻き数比倍に増倍された2次側電圧が誘起され、これがランプ印加電圧Vstとして、放電ランプ1の外部電極5,6に印加される。
【0034】
ランプ印加電圧Vstは、昇圧トランス10の2次側インダクタンスと図3に示した放電ランプ1の静電容量とで決まる共振周波数に基づく速さで増大する。放電ランプ1の放電プラズマ空間7の電圧が、放電開始電圧に達すると、放電が開始され、図4(d)に示すように、放電電流Idtが放電プラズマ空間7内に流れる。なお、同図に示す放電電流Idtは、放電プラズマ空間7内の電荷の流れを概念的に表したものであり昇圧トランス10の2次側電流Istとは同じではなく、直接に測定することは不可能なものである。その後、前記共振の現象に従って、ランプ印加電圧Vstが0ボルトに近づくと、先の放電によって放電プラズマ空間7を移動して誘電体105,106に付着した電荷が形成する電界により、先の放電とは逆方向の放電が生じ、先の放電電流と逆極性の放電電流Idtが流れる。
【0035】
その後、FET14のドレイン電圧が負になろうとする条件では内蔵ダイオード15を通じて電流が流れるので、昇圧トランス10の1次側巻線11および2次側巻線12に誘起される電圧は図4(c)の一定電圧期間A2,A3に示すように平坦になる。
【0036】
ここまでの主たる放電電流Idtは、図4(d)に示す期間B1における2回の放電であり、これが放電ランプ1への電力投入の大部分を占めるが、通常は、前記共振現象が継続され、ランプ印加電圧Vstが振動するため、放電プラズマ空間2の電圧が放電ランプ1の放電開始電圧に達する条件が成立し得る限り、図4(d)の期間B2に示すように放電の開始と停止を繰り返す。ゲート信号Gtの周波数に比べて、共振回路の共振周波数が十分高く設定されているので、ゲート信号Gtがハイレベルとなる時点では、ランプ印加電圧Vstの振動電圧が十分小さくなっており、放電電流Idtは流れない状態になる。
【0037】
しかし、上記のように共振周波数が高いと、放電ランプ1が均一に放電せず、ランプ軸方向の中央部分とか端部分等の特定部分において局部的に暗くなる不都合な現象(配光不均一)を生じることがある。このような配光不均一を改善するために共振周波数を低くしようとすると、昇圧トランス10のインダクタンスを大きくする必要がある。しかし、FET14のオフ時に1次側の電圧上昇を起こさないようにするために1次巻線11と2次巻線12の巻数比を変えずにインダクタンスを大きくすると、1次側電流Iptの傾きが小さくなるため磁気エネルギーの蓄積に時間がかかり、十分な磁気エネルギーを蓄積するためにはゲート信号Gtのオン時間を長く取る必要がある。しかし、これを図4(a)に示すゲート信号Gtにおいてオン期間を長く取ろうとすると、ゲート信号Gtの周波数が変化してしまうことになる。しかし、ランプの明るさを一定にするためにはゲート信号Gtの周波数を大きく変えることはできない。そこで、FET14のゲート信号Gtのオンすなわちゲート開始時期を早めるとよいことになる。
【0038】
図5は、FET14のゲート信号Gtのゲート開始時期を、図4に示すものに比べて早めたものである。
【0039】
この駆動方法では、ゲート信号Gtがハイレベルとなると、1次側巻線11にはほぼ直流電源9の電圧が誘起されるので、2次側巻線12に誘起されていた共振回路による振動電圧は消去されてしまうが、ゲート信号Gtの微妙なゲートタイミングのずれにより、放電電流Idt(C3)が流れる場合と流れない場合とが生じる可能性がある。また、放電電流Idt(C3)が流れないように(または流れるように)駆動条件を設定しておいても、点灯後にランプ温度やトランスのコアの温度上昇により、前記共振周波数が変化して、放電電流Idt(C3)が流れてしまう(または流れなくなる)ような場合もある。このような場合は、放電電流Idt(C3)に相当する分だけ平均発光量が変化するためランプの明るさに跳びが生ずる。
【0040】
ここで、温度上昇により共振周波数が変化しても、例えば、放電電流Idt(C3)の出現や消滅が生じないようにゲート信号Gtの周波数やトランスの2次側インダクタンスやランプの静電容量を設定して、ゲート信号Gtがハイレベエルとなるタイミングを放電電流Idt(C3)から離れた位置に設定しようとすると、今度は放電電流Idt(C2またはC4)の出現や消滅が生じる可能性がある。また、ゲート信号Gtの周波数やトランスの2次側インダクタンスやランプの静電容量には製造上のバラツキがあるため放電電流Idt(C2またはC4)の出現や消滅が生じないように必ず製造できるとは限らない。さらに、ランプと点灯装置を組み合わせて調整して、バラツキを吸収するようにしても、ランプと点灯装置間を接続するケーブルの引き回し状態が変化すると、その部分での浮遊静電容量が変化し、共振周波数が変化して放電電流の出現や消滅が生じてしまう。
【0041】
図6は、上記の問題点を考慮して、本実施形態に係る駆動方法で外部電極式放電ランプ装置を駆動したときの本装置各部の電圧、電流波形を示すものである。本図のものは、図4ないし図5のものと比べて、ゲート信号Gtのゲートオンの時点を、内蔵ダイオード15を通じて電流が流れ、昇圧トランス10の1次側巻線11および2次側巻線12に誘起される平坦な電圧期間A2、すなわち、FET13のオン信号期間をFET13がオン信号によって導通する方向とは逆向きの電流が流れている一定電圧期間A2で行う点で相違する。
【0042】
本実施形態の駆動方法においても、図6(c)に示すように、振動電圧期間A1では、先に説明したと同様に、昇圧トランス10の2次側インダクタンスと図3に示した放電ランプ1の静電容量とで決まる共振周波数に基づく、逆極性の急峻な2次側電圧が誘起され、その後この電圧は正極性に反転する。一定電圧期間A2では、正極性に反転した昇圧トランス10の1次側電圧が直流電源9の電圧以上になろうとしても、内蔵ダイオード15によって図6(b)に示すように、逆方向の1次側電流Iptが流れるため、一定電圧期間A2の1次側電圧はほぼ直流電源9の電圧値に保持される。また、一定電圧期間A2では、上述のごとく、FET14がゲート信号Gtによってゲートオンされているが、内蔵ダイオード15に上記のごとく逆方向の1次側電流Iptが流れ続けており、FET14による導通電流は流れない。次いで一定電圧期間A4に到り、1次側電流Iptの電流方向が逆転すると、内蔵ダイオード15には電流は流れず、また、仮にFET14がゲートオンされていなければ、昇圧トランス10の1次側回路が遮断されるので、再び昇圧トランス10の2次側インダクタンスと図3に示した放電ランプ1の静電容量とで決まる共振周波数で振動を開始するところであるが、この一定電圧期間A4では、図6(a)に示すように、既にゲート信号Gtはゲートオンされているので、即座にFET14を介して直流電源9の電圧が1次側巻線11に印加され、直流電源9から1次巻線11に図6(b)に示すように1次側電流Iptが流れ始め、変圧器10に電磁エネルギーが蓄積されて行く。そして、この期間A4では、図6(c)に示すように、2次側電圧、即ち、ランプ印加電圧Vstは振動することなく、一定電圧値に保持された電圧が放電ランプ1に印加されるので、期間B3では放電電流Idt(C1,C2・・・)が発生することがない。
【0043】
このように、本実施形態の発明によれば、期間B2において放電電流Idt(C1,C2・・・)の発生がなくなるので、ゲート信号Gtのゲートオンの時期と放電電流Idt(C1,C2・・・)の発生時期との調整の問題がなくなる。また、ゲート信号Gtのゲートオンの時期は一定電圧期間A2内のいずれかの時点であればよいのでゲートオンの時期の設定が容易となる。また、点灯後にランプ温度やトランスのコアの温度上昇により、共振周波数が変化しても、放電電流Idt(C1、C2・・・)が流れないので、放電電流Idt(C1、C2・・・)の有無による平均発光が変化するといった問題がなくなる。また、ゲート信号Gtの周波数の変動により、またトランスの2次側インダクタンスやランプの静電容量には製造上のバラツキやランプと点灯装置間を接続するケーブル間の引き回し等による浮遊静電容量の変化により共振周波数が変化しても、共振周波数に影響を与えるのはほぼ振動電圧期間A1のみとなり、その他の一定電圧期間A2,A4では共振はなくなるので、ランプ発光の変動に影響を与える要素が殆どなくなる。
【0044】
なお、図4,図5、図6において、例えば、ランプ印加電圧Vstの主ピーク幅が全てほぼ同じに描かれているが、これは説明の便宜上のことに過ぎない。例えば、図5のような波形であったものを、ランプの明るさを変えないで、図6のように改良する場合には、通常は、トランスの2次側のインダクタンスを大きくするため、主ピーク幅は拡がる傾向にある。
【0045】
図7は、本発明の第2の実施形態に係る駆動方法で外部電極式放電ランプ装置を駆動したときの本装置各部の電圧、電流波形を示す図である。
【0046】
第1の実施形態に係る駆動方法では、図6に示すように、ゲート信号Gtのゲートオンの時点を一定電圧期間A2で行ったが、本実施形態では、図7(a)に示すように、ゲート信号Gtのゲートオンの時点を、FET13のオン信号期間をFET13がオン信号によって導通する方向とは逆向きの電流が流れている一定電圧期間A3で行っている点で相違している。
【0047】
本実施形態の一定電圧期間A3は、一定電圧期間A2の期間より幅が狭く、ゲート信号Gtのゲートオンの開始時期のずれに対する余裕幅は小さくなるが、ゲートオンを一定電圧期間A3において行うことにより、図7(d)の期間B3に示すように、において放電電流Idt(C3,C4・・・)の発生がなくなるので、ゲート信号Gtのゲートオンの時期と放電電流Idt(C3,C4・・・)の発生時期との調整の問題がなくなる。また、ゲート信号Gtのゲートオンの時期は一定電圧期間A3内のいずれかの時点で行えばよいので、ゲートオンの時期の設定が容易となる。また、点灯後にランプ温度やトランスのコアの温度上昇により、共振周波数が変化しても、放電電流Idt(C3、C4・・・)が流れないので、放電電流Idt(C3、C4・・・)の有無による平均発光が変化する問題はなくなる。また、トランスの2次側インダクタンスやランプの静電容量には製造上のバラツキやランプと点灯装置間を接続するケーブル間の引き回し等による浮遊静電容量の変化により共振周波数が変化しても、共振周波数に影響を与えるのは振動電圧期間A1,A5となり、その他の一定電圧期間A3,A4では共振はないので、その分ランプ発光の変動に影響を与える要素は小さくなる。
【0048】
また、本実施形態では、第1の実施形態に比べて、放電電流Idt(C1、C2)を流すことができる分、発光量を増大することができる。
【0049】
なお、本発明の第1,第2のいずれの実施形態においても、例えば、直流電源9の電圧が低下した場合に、ゲート信号Gtのハイレベルである期間を長くしてランプの明るさが低下することを補正するように制御することが可能である。その際、直流電源9の電圧やゲート信号Gtがハイレベルである期間が少々変化しても、ゲート信号Gtがローレベルになった時点からの、一定電圧期間A2,A3の開始時期はほとんど変化しないから、ゲート信号Gtがローレベルである期間(この期間はスイッチ素子13のオフ期間に概略等しい)を固定することができるため、本発明の外部電極式放電ランプ装置を簡単な回路構成で実現できる。
【0050】
ここで、前記したゲート信号Gtがハイレベルである期間の調整を行う回路構成としては、例えば、直流電源9の電圧の変化を検出して、ゲート信号Gtがハイレベルである期間を調整する構成でもよく、また、スイッチ素子13のソース・ドレイン間電圧のピーク値や、ドレイン電流のピーク値、平均値が目標値からの誤差が小さくなるように、フィードバック的に自動的に調整されるように構成してもよい。
【0051】
また、図4ないし図7において、ランプ電圧Vsは負極性のものとして描いているが、極性の正負は本質的な相違ではなく、極性を逆にしても本発明の優れた特徴は良好に保持される。
【0052】
また、従来、部分的に共振現象を利用して、スイッチ素子に流れる電流を徐々に減少させ、零になった時点で、スイッチ素子を自動的に活性化させる技術は、ゼロ電流スイッチング等の名称で呼ばれ、スイッチング電源等を構成する際に利用されているが、この場合は、スイッチ素子の損失を低減したり、ノイズの発生を低減する目的として利用されているものであり、本発明の外部電極式放電ランプ装置のように、ランプやトランスの温度上昇またはそれらの製造上のバラツキ、ケーブルの引き回し等に起因する共振周波数の変動等から生ずるランプの明るさの変動を防止するために意図されたものはない。
【0053】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、スイッチ素子のオン信号期間をスイッチ素子のオフ後に最初に現れる一定電圧期間の次に現れる一定電圧期間から開始するようにしたので、スイッチ素子のスイッチング周波数に変動があっても、常にスイッチ素子の導通を振動電圧期間の初めから開始させることができ、放電ランプの発光量を安定化することができる。
【0054】
また、前記スイッチ素子のオン信号期間を前記スイッチ素子のオフ後に最初に現れる一定電圧期間の次に現れる一定電圧期間から開始するようにしたので、スイッチ素子のオン信号の開始時期の設定が容易となる。
【0055】
また、スイッチ素子のオン信号期間をスイッチ素子のオフ後に最初に現れる一定電圧期間の次に現れる一定電圧期間から開始するようにしたので、点灯後のランプ温度やトランスのコアの温度上昇、トランスやランプ製造上のバラツキ、ランプと点灯装置間のケーブルの引き回しによる浮遊容量の変化等による共振周波数の変化による放電電流の発生時期の変動があっても、放電ランプの発光量の変動を防止でき、また、スイッチ素子のオン信号の開始時期と放電電流の発生時期との調整が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る外部電極式放電ランプ装置の構成を示す図である。
【図2】図1に示す放電ランプ1として、直管状の外部電極式放電ランプを用いた場合の放電ランプの断面図である
【図3】図1に示す放電ランプ1の等価回路である。
【図4】本発明と対比される外部電極式放電ランプ装置内各部における電圧、電流波形を示す図である。
【図5】本発明と対比される外部電極式放電ランプ装置内各部における電圧、電流波形を示す図である。
【図6】本実施形態に係る外部電極式放電ランプ装置内各部における電圧、電流波形を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る外部電極式放電ランプ装置内各部における電圧、電流波形を示す図である。
【図8】従来技術に係る外部電極式放電ランプの点灯装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 放電ランプ
2 ランプ封体
3,4 電極
5,6 誘電体
7 放電プラズマ空間
8 点灯装置
9 直流電源
10 昇圧トランス
11 1次側巻線
12 2次側巻線
13 スイッチ素子
14 FET
15 内蔵ダイオード
16 ゲート駆動回路
21 アパーチャ部
22 被覆チューブ
23 蛍光物質
Claims (3)
- 誘電体からなるランプ封体の外部に電極の少なくとも一方が設けられた放電ランプと、直流電源とスイッチ素子と変圧器の1次側とを直列に接続すると共に、前記変圧器の2次側に前記放電ランプの電極を接続した点灯装置とからなる外部電極式放電ランプ装置において、
前記スイッチ素子には、該スイッチ素子のオン信号によって該スイッチ素子が導通する方向とは逆向きの電流を流すダイオードが並列に接続または前記スイッチ素子に内蔵されており、
前記点灯装置は、前記放電ランプを発光させる振動電圧期間と、前記スイッチ素子のオン信号によって前記スイッチ素子が導通する方向とは逆向きの電流が流れて前記放電ランプを発光させない一定電圧期間とからなる電圧を前記放電ランプに印加すると共に、前記スイッチ素子のオン信号期間を前記スイッチ素子のオフ後に最初に現れる一定電圧期間の次に現れる一定電圧期間から開始することを特徴とする外部電極式放電ランプ装置。 - 前記スイッチ素子のソース・ドレイン間電圧のピーク値、或いは、前記スイッチ素子のドレイン電流のピーク値、或いは、前記スイッチ素子のドレイン電流の平均値を検出して、スイッチ素子のオン期間を調整することを特徴とする請求項1に記載の外部電極式放電ランプ装置。
- 前記スイッチ素子のオフ期間を固定することを特徴とする請求項1に記載の外部電極式放電ランプ装置。
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