JP3446335B2 - 塩化ビニル系重合体−ポリウレタン複合体の製造方法 - Google Patents
塩化ビニル系重合体−ポリウレタン複合体の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は外観に優れたポリウレタ
ン(以下PUと言う)、塩化ビニル系重合体(以下PV
Cと言う)及び可塑剤からなるPVC−PU複合体を製
造する方法に関する。 【0002】 【従来の技術】特開平3−294326号公報では、優
れた圧縮永久歪特性を持つ、PVC、ポリマーポリオー
ル、イソシアネート基を3個以上有する化合物及び必要
に応じて可塑剤からなる組成物及び製造方法を提案して
いる。また、特開平4−220414号公報では表面平
滑性を改良するためにメチルメタクリレート−アルキル
アクリレート共重合体を添加することを提案している。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】PVC−PU複合体の
表面平滑性を改良するためにメチルメタクリレート−ア
ルキルアクリレート共重合体を添加することが提案され
ているがメチルメタクリレート−アルキルアクリレート
共重合体を添加するとフィッシュアイ(以下F.E.と
言う)が増加する欠点があった。 【0004】本発明はF.E.の少ないPU、PVC及
び可塑剤からなるPVC−PU複合体を製造する方法を
提供するものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは上述のよう
な現状に鑑み、F.E.を分析すると共にメチルメタク
リレート−アルキルアクリレート共重合体の添加の仕方
を種々検討した結果、PVC−PU複合体を製造するに
際して、F.E.の少ないPVC−PU複合体を製造す
る方法を見いだし、本発明を完成するに至った。 【0006】即ち本発明は、塩化ビニル系重合体
(1)、ポリマーポリオール(2)、イソシアネート基
を3個以上を有するイソシアネート化合物(3)、可塑
剤(4)、ウレタン化反応触媒(5)及びメチルメタク
リレート−アルキルアクリレート共重合体(6)を剪断
力下、加熱溶融混合して塩化ビニル系重合体−ポリウレ
タン複合体を製造する方法において、予め塩化ビニル系
重合体(1)とメチルメタクリレート−アルキルアクリ
レート共重合体(6)を均一混合した後に一部または全
量の可塑剤(4)を含浸させておくことを特徴とする塩
化ビニル系重合体−ポリウレタン複合体の製造方法に関
するものである。 【0007】以下本発明に関して詳細に説明する。 【0008】本発明で用いるPVC(1)とは、塩化ビ
ニル含有重合体であり、例えば、塩化ビニル単独重合
体、塩素化塩化ビニル重合体、塩化ビニル単量体と共重
合し得るすべての単量体のうち1種または2種以上の単
量体とのランダム共重合、グラフト共重合あるいはブロ
ック共重合して得られる塩化ビニル共重合体またはこれ
ら重合体の混合物等を挙げることができる。塩化ビニル
単量体と共重合可能な単量体としては、例えばエチレ
ン、プロピレン、ブテン、ペンテン−1、ブタジエン、
スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、塩
化ビニリデン、シアン化ビニリデン、メチルビニルエー
テル等のアルキルビニルエーテル類、酢酸ビニル等のカ
ルボン酸ビニルエステル類、メトキシスチレン等のアリ
ールエーテル類、ジメチルマレイン酸等のジアルキルマ
レイン酸類、フマル酸ジメチルエステル等のフマル酸エ
ステル類、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビ
ニルシラン類、アクリル酸ブチル等のアクリル酸アルキ
ルエステル類、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸ア
ルキルエステル類等を挙げることができる。 【0009】また、PVC(1)の重合度は、特に制限
はなくいかなるものも使用できるが、加工性の点から重
合度1200以上4000以下のものが好ましい。 【0010】本発明で用いるポリマーポリオール(2)
とは、水酸基を2個以上を有するものであり、例えばポ
リエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリ
カーボネートポリオール、ビニル系ポリオール、ジエン
系ポリオール、ひまし油系ポリオール、シリコーンポリ
オール、ポリオレフィン系ポリオール又はこれらの共重
合体等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用
される。ポリマーポリオール(2)の分子量は、特に制
限はなくいかなるものも使用できるが、ポリマーポリオ
ールの取扱いの容易さ、良好な圧縮永久歪を発現する点
から数平均分子量が500以上2500以下であること
が好ましい。 【0011】ポリエステルポリオールとしては、例えば
ジカルボン酸と短鎖ポリオールを縮合重合することによ
って得られる。このときジカルボン酸成分としてはコハ
ク酸、グルタール酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、ドデカン酸、フタル酸、イソフタル酸、テトラ
ヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられ、これ
らの1種または2種以上が使用される。一方短鎖ポリオ
ール成分としては、脂肪族、脂環式、芳香族、置換脂肪
族または複素環式のジヒドロキシ化合物、トリヒドロキ
シ化合物、テトラヒドロキシ化合物等で、例えば1,2
−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4
−ブタンジオール、ブテンジオール、3−メチル−1,
5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
1,10−デカメチレンジオール、2,5−ジメチル−
2,5−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、
ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,
9−ノナンジオール、ビス(β−ヒドロキシエトキシ)
ベンゼン、p−キシレンジオール、ジヒドロキシエチル
テトラハイドロフタレート、トリメチロールプロパン、
グリセリン、2−メチルプロパン−1,2,3−トリオ
ール、1,2,6−ヘキサントリオール等が挙げられ、
これらの1種または2種以上が使用される。 【0012】ポリエステルポリオールを得る別の方法と
して、β−プロピオラクトン、ビバロラクトン、δ−バ
レロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、ε−
カプロラクトン、メチル−ε−カプロラクトン、ジメチ
ル−ε−カプロラクトン、トリメチル−ε−カプロラク
トン等のラクトン化合物の1種または2種以上を前記の
短鎖ポリオール成分から選ばれる1種または2種以上の
ヒドロキシ化合物と共に反応せしめる方法によることも
可能である。 【0013】ポリエーテルポリオールとしては、例えば
ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリオキシプロピレン
グリコール等が挙げられこれらの1種または2種以上が
使用される。 【0014】ポリカーボネートポリオールとしては、前
記の短鎖ポリオールから選ばれるヒドロキシ化合物の1
種または2種以上と、ジアリールカーボネート、ジアル
キルカーボネートまたはエチレンカーボネートからエス
テル交換法によって得られたものが使用される。例え
ば、ポリ(1,6−ヘキサメチレンカーボネート)、ポ
リ(2,2’−ビス(4−ヒドロキシヘキシル)プロパ
ンカーボネート)等が工業的に生産されている。ポリカ
ーボネートポリオールを得る別の方法としては、いわゆ
るホスゲン法により得ることもできる。 【0015】その他、β−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、β−ヒドロキシエチルメタアクリレート等のヒドロ
キシ基を持つアクリル系単量体とアクリル酸エステルと
の共重合によって得られるアクリルポリオール等のビニ
ル系ポリオール、ポリ(1,4−ブタジエン)、ポリ
(1,2−ブタジエン)等のポリブタジエンポリオー
ル、ポリプロピレングリコールリシノレート等のひまし
油系ポリオールまたはシリコーンポリオール、ポリオレ
フィン系ポリオール等も使用することができる。 【0016】本発明で用いるイソシアネート基を3個以
上有するイソシアネート化合物(3)とは、例えばジイ
ソシアネートのイソシアヌレート変性体、1,6,11
−ウンデカントリイソシアネート、リジンエステルトリ
イソシアネート、4−イソシアネートメチル−1,8−
オクタメチルジイソシアネート等のトリイソシアネート
類またはジイソシアネートのビュレット変性体、アロフ
ァネート変性体、アダクト体、ポリフェニルメタンポリ
イソシアネート等の多官能イソシアネート類が挙げら
れ、これらの1種または2種以上が使用される。ジイソ
シアネートとしては、例えば2,4−又は2,6−トリ
レンジイソシアネート、m−又はp−フェニレンジイソ
シアネート、1−クロロフェニレン−2,4−ジイソシ
アネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、メチ
レンビスフェニレン−4,4’−ジイソアネート、m−
又はp−キシレンジイソアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、リジンジイソシアネート、4,4’−メ
チレンビスシクロヘキシルジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソ
シアネート等を挙げることができる。また、上記のジイ
ソシアネート類を併用することも可能である。なお、こ
の場合全イソシアネート化合物のイソシアネート基モル
数に対するイソシアネート基を3個以上有するイソシア
ネート化合物(3)のイソシアネート基モル数は0.2
5以上とすることが良好な圧縮永久歪特性を発現させる
上で好ましい。 【0017】また、上記ポリマーポリオール(2)とイ
ソシアネート化合物(3)における水酸基のモル数に対
するイソシアネート基のモル数は良好な成形加工性、圧
縮永久歪を発現させる点からポリマーポリオール(2)
としてジオールを用いた場合、0.3〜1.3の範囲が
好ましい。 【0018】本発明に用いられるポリマーポリオール
(2)とイソシアネート化合物(3)の合計配合量は良
好な成形加工性、圧縮永久歪を発現させる点からPVC
(1)100重量部に対して30重量部以上300重量
部以下が好ましい。 【0019】また、本発明において用いる可塑剤(4)
としては、例えばフタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジ
−2−エチルヘキシル(以下DOPと言う)、フタル酸
ジ−n−オクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジ
イソオクチル、フタル酸オクチルデシル、フタル酸ブチ
ルベンジル、イソフタル酸ジ−2−エチルヘキシル等の
フタル酸系可塑剤、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシ
ル、アジピン酸ジ−n−デシル、アジピン酸ジイソデシ
ル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘ
キシルなどの脂肪族エステル系可塑剤、トリメリット酸
トリオクチル、トリメリット酸トリデシル等のトリメリ
ット酸系可塑剤、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−
エチルヘキシル、リン酸2−エチルヘキシルジフェニ
ル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル系可塑剤、
エポキシ系大豆油などのエポキシ系可塑剤、ポリエステ
ル系高分子可塑剤等が挙げられ、これらの1種または2
種以上が使用できる。またこの配合量は柔軟性付与、ブ
リードアウト防止の点からPVC(1)100重量部に
対して40重量部以上150重量部以下が好適に使用さ
れる。 【0020】本発明に用いるウレタン化反応触媒(5)
は特に限定はなく公知のものを用いる事ができる。例え
ばトリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチ
ルモルホリン等のアミン系触媒、テトラメチル錫、テト
ラオクチル錫、ジメチルジオクチル錫、トリエチル錫塩
化物、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレー
ト等の錫系触媒等が挙げられ、これらの1種または2種
以上が使用でき、ジブチル錫ジラウレートが好適に使用
される。使用する触媒量は使用する触媒の活性により異
なるが、ウレタン化反応を完結させるのに必要な量が好
適に使用される。ジブチル錫ジラウレートを例にすると
生産性、成形加工性の点からPVC(1)、ポリマーポ
リオール(2)、イソシアネート基を3個以上有するイ
ソシアネート化合物(3)及び可塑剤(4)の合計量に
対して1ppm以上10000ppm以下の量が好適に
使用される。 【0021】本発明に用いるメチルメタクリレート−ア
ルキルアクリレート共重合体(6)は公知のものを用い
ることができる。PVC(1)との相溶性、PVC
(1)への分散性の点から共重合体中のメチルメタクリ
レートの含量は50〜95重量%であり、アルキルアク
リレートの含量は5〜50重量%、また必要に応じて第
3成分として上記2成分と共重合可能な単量体を使用す
ることが可能であり、その含有量は45重量%未満であ
る。アルキルアクリレートとしては炭素数1〜10のア
ルキル基を有するアクリレート類が用いられる。例えば
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチル
アクリレート、イソブチルアクリレート、2−エチルヘ
キシルアクリレート、クロロエチルアクリレート等が挙
げられ、1種または2種以上が用いらる。特にエチルア
クリレート、n−ブチルアクリレートが好適に用いられ
る。また必要に応じて第3成分として用いる上記2成分
と共重合可能な単量体としてはスチレン等の芳香族ビニ
ル類、アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類、酢酸ビ
ニル等のビニルエステル類、n−ブチルメタクリレート
等のメチルメタクリレート以外のメタクリル酸エステル
類等が挙げられ、必要に応じてこれらの1種または2種
以上が用いられる。またジビニルベンゼン、エチレング
リコールジメタクリレートなどの多官能性モノマーを用
いても良いが、この場合の使用量は2重量%以下が好ま
しい。 【0022】本発明で用いるメチルメタクリレート−ア
ルキルアクリレート共重合体(6)の配合量は表面平滑
性、PVC(1)への分散性の点からPVC100重量
部に対し0.1重量部以上30重量部以下が好ましい。 【0023】本発明で用いるメチルメタクリレート−ア
ルキルアクリレート共重合体(6)の重量平均分子量
(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(以下GP
Cと言う)を用い0.03%テトラヒドロフラン(以下
THFと言う)溶液、カラム温度38℃、流量0.9m
l/分にて測定したポリスチレン換算値)は表面平滑性
改良の点から0.2×106以上のものが好適に使用さ
れる。 【0024】これらの共重合体は、例えば特開昭57−
74347、50−123761、50−12376
3、特公昭40−5311、特公昭46−1865号公
報等に記載されている方法により製造でき、三菱レーヨ
ン株式会社より商品名メタブレンP、呉羽化学工業株式
会社よりクレハパラロイドK−Pシリーズとして市販さ
れている。 【0025】本発明によるPVC−PU複合体には、そ
の性能を極端に低下させない程度にPVCに通常添加さ
れる安定剤(例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バ
リウム等の金属石鹸、ラウリン酸錫等の有機錫系安定
剤、過塩素酸処理ハイドロタルサイト等が挙げられ
る)、滑剤(例えばステアリン酸亜鉛等の金属石鹸、ポ
リエチレンワックス等の炭化水素系ワックス、n−ブチ
ルステアレート等の脂肪酸エステル系ワックス等が挙げ
られる)、着色剤、炭酸カルシウム、タルク等に代表さ
れる無機充填材、三酸化アンチモンやホウ酸亜鉛に代表
される難燃剤などを必要に応じて添加することができ
る。 【0026】本発明は、予めPVC(1)とメチルメタ
クリレート−アルキルアクリレート共重合体(6)を均
一混合した後に一部または全量の可塑剤(4)を含浸さ
せることを特徴とする。 【0027】PVC(1)とメチルメタクリレート−ア
ルキルアクリレート共重合体(6)を均一混合した後に
一部または全量の可塑剤(4)を含浸させるには、例え
ばジャケット付きリボンブレンダー、ヘンシェルミキサ
ー(三井三池製作所製)またはスーパーミキサー(川田
製作所製)等の混合機を用いて行うことができる。この
ような混合機を用いる場合PVC(1)、メチルメタク
リレート−アルキルアクリレート共重合体(6)を混合
機に投入し均一混合した後、撹拌下これに所定量の可塑
剤(4)を添加し、混合することにより、PVC(1)
粉体及びメチルメタクリレート−アルキルアクリレート
共重合体(6)に可塑剤(4)が含浸されて流動性のあ
る粉体状混合物が得られる。このとき粉体流動性に優
れ、F.E.が生成する可能性の低い粉体状混合物を得
るために、樹脂温度が90〜150℃になるまで混合を
続けることが好ましい。また、メチルメタクリレート−
アルキルアクリレ−ト共重合体(6)に可塑剤(4)を
含浸させないとF.E.が増加する。 【0028】また取扱い上、ウレタン化反応触媒(5)
は予め可塑剤(4)と混合した後に混合機に投入してP
VC(1)に含浸させておくことが好ましい。 【0029】またPVC用安定剤は予め混合機を用いて
PVCに混合しておくことが好ましい。 【0030】尚、液状安定剤は予め可塑剤(4)中に添
加しておいても良い。 【0031】本発明のPVC−PU複合体は、予めPV
C(1)とメチルメタクリレート−アルキルアクリレー
ト共重合体(6)を均一混合した後に、一部又は全量の
可塑剤(4)、必要に応じてウレタン化反応触媒(5)
を含浸させた粉体およびポリマーポリオール(2)、イ
ソシアネート化合物(3)、場合によりPVC(1)お
よびメチルメタクレート−アルキルアクリレート共重合
体(6)の均一混合物に含浸させなかった残りの可塑剤
(4)を機械加圧式混練機、ロ−ル成形機、押出し成形
機等のプラスチックまたはゴムの加工に使用される混練
成形機に投入し、剪断力下、加熱溶融混合せしめる事に
より得られる。機械加圧式混練機としては例えばバンバ
リーミキサー(ファレル社製)、加圧ニーダー((株)
森山製作所製)、インターナルミキサー(栗本鉄工所
製)又はインテンシィブミキサー(日本ロ−ル製造
(株)製)等を挙げることができる。 【0032】加熱溶融混合する温度はPVC(1)が容
易に溶融し、PVC(1)が熱分解を起こす恐れが少な
い90〜220℃が好ましく、特に好ましくは100〜
150℃である。 【0033】 【実施例】以下、本発明を実施例を用いて説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。 【0034】合成例 特開昭57−74347号公報に例示された方法に従い
メチルメタクリレートとn−ブチルアクリレートの共重
合を行った。共重合体の組成比はメチルメタクリレート
75重量%、n−ブチルアクリレート25重量%であり
GPC(東ソー(株)製、商品名HLC−802A)に
より測定した重量平均分子量は3.2×106(ポリス
チレン換算値)であった。GPC測定はカラム(東ソー
(株)製、商品名TSK−GEL GMHXL 30c
m)×2、カラム温度38℃、流量0.9ml/分、
0.03%THF溶液の条件で行った。 【0035】実施例1 内容積20リットルのヘンシェルミキサー(三井三池製
作所製)に懸濁重合法により得られたエチレン−塩化ビ
ニル共重合体(東ソー(株)製、商品名リューロンE−
2800)100重量部、合成例1で得られたメチルメ
タクリレート−n−ブチルアクリレート共重合体3重量
部、安定剤としてステアリン酸バリウム2重量部、ステ
アリン酸亜鉛1重量部、過塩素酸処理ハイドロタルサイ
ト(日産フェロ有機化学(株)製、商品名BP−33
1)1.5重量部を仕込み950rpmの回転速度で1
分間撹拌した。またこれとは別に可塑剤としてDOP5
0重量部とジブチル錫ジラウレート(ウレタン化反応触
媒)0.006重量部を1分間混合したものを準備し
た。これをヘンシェルミキサーに加え混合物の温度が1
10℃になるまで撹拌混合を行った。混合物は容易に流
動し得る粉体状混合物となった。 【0036】内容積1700cc、ケーシング温度15
0℃のバンバリーミキサーに上記粉体状混合物157.
506重量部を仕込み一定回転速度で撹拌した。またこ
れとは別に、80℃に加熱したDOP(フタル酸ジ−2
−エチルヘキシル)50重量部とヘキサメチレンジイソ
シアネートのイソシアネレート変性体(日本ポリウレタ
ン(株)製、商品名コロネートHX)15.4重量部
(NCO/OH比=1.0)を1分間混合した後、更に
これに80℃に加熱した1,4−ブタンジオールとアジ
ピン酸を縮合重合して得られるポリマーポリオール(日
本ポリウレタン(株)製、商品名ニッポラン4010、
数平均分子量2000)78.0重量部を入れ1分間混
合したものを準備しバンバリーミキサー投入口より流し
入れた。反応及び混合時間はこれより15分間行った。 【0037】反応終了後、得られたエラストマーを17
0℃のロール成形機にかけシートにした。得られたシー
ト150gと群青2.5gを150℃のロール成形機で
5分間混練し厚さ0.35mmのシートを得た。シート
中の50cm2当たりの0.2mm以上の大きさの粒子
(群青が分散せず白色または透明の粒子)をF.E.と
した。外観評価を行ったところF.E.は70個/50
cm2であった。 【0038】比較例1 内容積20リットルのヘンシェルミキサー(三井三池製
作所製)に懸濁重合法により得られたエチレン−塩化ビ
ニル共重合体(東ソー(株)製、商品名リューロンE−
2800)100重量部、安定剤としてステアリン酸バ
リウム2重量部、ステアリン酸亜鉛1重量部、過塩素酸
処理ハイドロタルサイト(日産フェロ有機化学(株)
製、商品名BP−331)1.5重量部を仕込み950
rpmの回転速度で1分間撹拌した。またこれとは別に
可塑剤としてDOP50重量部とジブチル錫ジラウレー
ト(ウレタン化反応触媒)0.006重量部を1分間混
合したものを準備した。これをヘンシェルミキサーに加
え混合物の温度が110℃になるまで撹拌混合を行っ
た。混合物は容易に流動し得る粉体状混合物となった。
これを60℃まで冷却した後に、合成例1で得られたメ
チルメタクリレート−n−ブチルアクリレート共重合体
3重量部添加し更に10分間混合を続けた。混合物は容
易に流動し得る粉体状混合物となった。 【0039】上記粉体状混合物を使用すること以外は実
施例1と同様にてサンプル調整を行い、外観評価を行っ
た。F.E.は330個/50cm2であり、多量の
F.E.が観察された。 【0040】実施例2 内容積20リットルのヘンシェルミキサー(三井三池製
作所製)に懸濁重合法により得られたエチレン−塩化ビ
ニル共重合体(東ソ−(株)製、商品名リューロンE−
2800)100重量部、メチルメタクリレート−アル
キルアクリレート共重合体(三菱レーヨン(株)製、メ
タブレンP531)3重量部、安定剤としてステアリン
酸バリウム2重量部、ステアリン酸亜鉛1重量部、過塩
素酸処理ハイドロタルサイト(日産フェロ有機化学
(株)製、商品名BP−331)1.5重量部を仕込み
950rpmの回転速度で1分間撹拌した。またこれと
は別に可塑剤としてDOP50重量部とジブチル錫ジラ
ウレート(ウレタン化反応触媒)0.006重量部を1
分間混合したものを準備した。これをヘンシェルミキサ
ーに加え混合物の温度が110℃になるまで撹拌混合を
行った。混合物は容易に流動し得る粉体状混合物となっ
た。 【0041】上記粉体状混合物を使用すること以外は実
施例1と同様にてサンプル調整を行い、外観評価を行っ
た。F.E.は80個/50cm2であった。 【0042】比較例2 合成例1で得られたメチルメタクリレート−n−ブチル
アクリレート共重合体の代わりにメチルメタクリレート
−アルキルアクリレート共重合体(三菱レーヨン(株)
製、メタブレンP531)を用いた以外は比較例1と同
様にてサンプル調整を行い、外観評価を行った。F.
E.は400個/50cm2であり、多量のF.E.が
観察された。 【0043】 【発明の効果】本発明による製造方法によると、F.
E.の少ない外観が良好なPVC−PU複合体を製造す
ることが可能となる。
ン(以下PUと言う)、塩化ビニル系重合体(以下PV
Cと言う)及び可塑剤からなるPVC−PU複合体を製
造する方法に関する。 【0002】 【従来の技術】特開平3−294326号公報では、優
れた圧縮永久歪特性を持つ、PVC、ポリマーポリオー
ル、イソシアネート基を3個以上有する化合物及び必要
に応じて可塑剤からなる組成物及び製造方法を提案して
いる。また、特開平4−220414号公報では表面平
滑性を改良するためにメチルメタクリレート−アルキル
アクリレート共重合体を添加することを提案している。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】PVC−PU複合体の
表面平滑性を改良するためにメチルメタクリレート−ア
ルキルアクリレート共重合体を添加することが提案され
ているがメチルメタクリレート−アルキルアクリレート
共重合体を添加するとフィッシュアイ(以下F.E.と
言う)が増加する欠点があった。 【0004】本発明はF.E.の少ないPU、PVC及
び可塑剤からなるPVC−PU複合体を製造する方法を
提供するものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは上述のよう
な現状に鑑み、F.E.を分析すると共にメチルメタク
リレート−アルキルアクリレート共重合体の添加の仕方
を種々検討した結果、PVC−PU複合体を製造するに
際して、F.E.の少ないPVC−PU複合体を製造す
る方法を見いだし、本発明を完成するに至った。 【0006】即ち本発明は、塩化ビニル系重合体
(1)、ポリマーポリオール(2)、イソシアネート基
を3個以上を有するイソシアネート化合物(3)、可塑
剤(4)、ウレタン化反応触媒(5)及びメチルメタク
リレート−アルキルアクリレート共重合体(6)を剪断
力下、加熱溶融混合して塩化ビニル系重合体−ポリウレ
タン複合体を製造する方法において、予め塩化ビニル系
重合体(1)とメチルメタクリレート−アルキルアクリ
レート共重合体(6)を均一混合した後に一部または全
量の可塑剤(4)を含浸させておくことを特徴とする塩
化ビニル系重合体−ポリウレタン複合体の製造方法に関
するものである。 【0007】以下本発明に関して詳細に説明する。 【0008】本発明で用いるPVC(1)とは、塩化ビ
ニル含有重合体であり、例えば、塩化ビニル単独重合
体、塩素化塩化ビニル重合体、塩化ビニル単量体と共重
合し得るすべての単量体のうち1種または2種以上の単
量体とのランダム共重合、グラフト共重合あるいはブロ
ック共重合して得られる塩化ビニル共重合体またはこれ
ら重合体の混合物等を挙げることができる。塩化ビニル
単量体と共重合可能な単量体としては、例えばエチレ
ン、プロピレン、ブテン、ペンテン−1、ブタジエン、
スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、塩
化ビニリデン、シアン化ビニリデン、メチルビニルエー
テル等のアルキルビニルエーテル類、酢酸ビニル等のカ
ルボン酸ビニルエステル類、メトキシスチレン等のアリ
ールエーテル類、ジメチルマレイン酸等のジアルキルマ
レイン酸類、フマル酸ジメチルエステル等のフマル酸エ
ステル類、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビ
ニルシラン類、アクリル酸ブチル等のアクリル酸アルキ
ルエステル類、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸ア
ルキルエステル類等を挙げることができる。 【0009】また、PVC(1)の重合度は、特に制限
はなくいかなるものも使用できるが、加工性の点から重
合度1200以上4000以下のものが好ましい。 【0010】本発明で用いるポリマーポリオール(2)
とは、水酸基を2個以上を有するものであり、例えばポ
リエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリ
カーボネートポリオール、ビニル系ポリオール、ジエン
系ポリオール、ひまし油系ポリオール、シリコーンポリ
オール、ポリオレフィン系ポリオール又はこれらの共重
合体等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用
される。ポリマーポリオール(2)の分子量は、特に制
限はなくいかなるものも使用できるが、ポリマーポリオ
ールの取扱いの容易さ、良好な圧縮永久歪を発現する点
から数平均分子量が500以上2500以下であること
が好ましい。 【0011】ポリエステルポリオールとしては、例えば
ジカルボン酸と短鎖ポリオールを縮合重合することによ
って得られる。このときジカルボン酸成分としてはコハ
ク酸、グルタール酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、ドデカン酸、フタル酸、イソフタル酸、テトラ
ヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられ、これ
らの1種または2種以上が使用される。一方短鎖ポリオ
ール成分としては、脂肪族、脂環式、芳香族、置換脂肪
族または複素環式のジヒドロキシ化合物、トリヒドロキ
シ化合物、テトラヒドロキシ化合物等で、例えば1,2
−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4
−ブタンジオール、ブテンジオール、3−メチル−1,
5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
1,10−デカメチレンジオール、2,5−ジメチル−
2,5−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、
ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,
9−ノナンジオール、ビス(β−ヒドロキシエトキシ)
ベンゼン、p−キシレンジオール、ジヒドロキシエチル
テトラハイドロフタレート、トリメチロールプロパン、
グリセリン、2−メチルプロパン−1,2,3−トリオ
ール、1,2,6−ヘキサントリオール等が挙げられ、
これらの1種または2種以上が使用される。 【0012】ポリエステルポリオールを得る別の方法と
して、β−プロピオラクトン、ビバロラクトン、δ−バ
レロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、ε−
カプロラクトン、メチル−ε−カプロラクトン、ジメチ
ル−ε−カプロラクトン、トリメチル−ε−カプロラク
トン等のラクトン化合物の1種または2種以上を前記の
短鎖ポリオール成分から選ばれる1種または2種以上の
ヒドロキシ化合物と共に反応せしめる方法によることも
可能である。 【0013】ポリエーテルポリオールとしては、例えば
ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリオキシプロピレン
グリコール等が挙げられこれらの1種または2種以上が
使用される。 【0014】ポリカーボネートポリオールとしては、前
記の短鎖ポリオールから選ばれるヒドロキシ化合物の1
種または2種以上と、ジアリールカーボネート、ジアル
キルカーボネートまたはエチレンカーボネートからエス
テル交換法によって得られたものが使用される。例え
ば、ポリ(1,6−ヘキサメチレンカーボネート)、ポ
リ(2,2’−ビス(4−ヒドロキシヘキシル)プロパ
ンカーボネート)等が工業的に生産されている。ポリカ
ーボネートポリオールを得る別の方法としては、いわゆ
るホスゲン法により得ることもできる。 【0015】その他、β−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、β−ヒドロキシエチルメタアクリレート等のヒドロ
キシ基を持つアクリル系単量体とアクリル酸エステルと
の共重合によって得られるアクリルポリオール等のビニ
ル系ポリオール、ポリ(1,4−ブタジエン)、ポリ
(1,2−ブタジエン)等のポリブタジエンポリオー
ル、ポリプロピレングリコールリシノレート等のひまし
油系ポリオールまたはシリコーンポリオール、ポリオレ
フィン系ポリオール等も使用することができる。 【0016】本発明で用いるイソシアネート基を3個以
上有するイソシアネート化合物(3)とは、例えばジイ
ソシアネートのイソシアヌレート変性体、1,6,11
−ウンデカントリイソシアネート、リジンエステルトリ
イソシアネート、4−イソシアネートメチル−1,8−
オクタメチルジイソシアネート等のトリイソシアネート
類またはジイソシアネートのビュレット変性体、アロフ
ァネート変性体、アダクト体、ポリフェニルメタンポリ
イソシアネート等の多官能イソシアネート類が挙げら
れ、これらの1種または2種以上が使用される。ジイソ
シアネートとしては、例えば2,4−又は2,6−トリ
レンジイソシアネート、m−又はp−フェニレンジイソ
シアネート、1−クロロフェニレン−2,4−ジイソシ
アネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、メチ
レンビスフェニレン−4,4’−ジイソアネート、m−
又はp−キシレンジイソアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、リジンジイソシアネート、4,4’−メ
チレンビスシクロヘキシルジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソ
シアネート等を挙げることができる。また、上記のジイ
ソシアネート類を併用することも可能である。なお、こ
の場合全イソシアネート化合物のイソシアネート基モル
数に対するイソシアネート基を3個以上有するイソシア
ネート化合物(3)のイソシアネート基モル数は0.2
5以上とすることが良好な圧縮永久歪特性を発現させる
上で好ましい。 【0017】また、上記ポリマーポリオール(2)とイ
ソシアネート化合物(3)における水酸基のモル数に対
するイソシアネート基のモル数は良好な成形加工性、圧
縮永久歪を発現させる点からポリマーポリオール(2)
としてジオールを用いた場合、0.3〜1.3の範囲が
好ましい。 【0018】本発明に用いられるポリマーポリオール
(2)とイソシアネート化合物(3)の合計配合量は良
好な成形加工性、圧縮永久歪を発現させる点からPVC
(1)100重量部に対して30重量部以上300重量
部以下が好ましい。 【0019】また、本発明において用いる可塑剤(4)
としては、例えばフタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジ
−2−エチルヘキシル(以下DOPと言う)、フタル酸
ジ−n−オクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジ
イソオクチル、フタル酸オクチルデシル、フタル酸ブチ
ルベンジル、イソフタル酸ジ−2−エチルヘキシル等の
フタル酸系可塑剤、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシ
ル、アジピン酸ジ−n−デシル、アジピン酸ジイソデシ
ル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘ
キシルなどの脂肪族エステル系可塑剤、トリメリット酸
トリオクチル、トリメリット酸トリデシル等のトリメリ
ット酸系可塑剤、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−
エチルヘキシル、リン酸2−エチルヘキシルジフェニ
ル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル系可塑剤、
エポキシ系大豆油などのエポキシ系可塑剤、ポリエステ
ル系高分子可塑剤等が挙げられ、これらの1種または2
種以上が使用できる。またこの配合量は柔軟性付与、ブ
リードアウト防止の点からPVC(1)100重量部に
対して40重量部以上150重量部以下が好適に使用さ
れる。 【0020】本発明に用いるウレタン化反応触媒(5)
は特に限定はなく公知のものを用いる事ができる。例え
ばトリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチ
ルモルホリン等のアミン系触媒、テトラメチル錫、テト
ラオクチル錫、ジメチルジオクチル錫、トリエチル錫塩
化物、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレー
ト等の錫系触媒等が挙げられ、これらの1種または2種
以上が使用でき、ジブチル錫ジラウレートが好適に使用
される。使用する触媒量は使用する触媒の活性により異
なるが、ウレタン化反応を完結させるのに必要な量が好
適に使用される。ジブチル錫ジラウレートを例にすると
生産性、成形加工性の点からPVC(1)、ポリマーポ
リオール(2)、イソシアネート基を3個以上有するイ
ソシアネート化合物(3)及び可塑剤(4)の合計量に
対して1ppm以上10000ppm以下の量が好適に
使用される。 【0021】本発明に用いるメチルメタクリレート−ア
ルキルアクリレート共重合体(6)は公知のものを用い
ることができる。PVC(1)との相溶性、PVC
(1)への分散性の点から共重合体中のメチルメタクリ
レートの含量は50〜95重量%であり、アルキルアク
リレートの含量は5〜50重量%、また必要に応じて第
3成分として上記2成分と共重合可能な単量体を使用す
ることが可能であり、その含有量は45重量%未満であ
る。アルキルアクリレートとしては炭素数1〜10のア
ルキル基を有するアクリレート類が用いられる。例えば
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチル
アクリレート、イソブチルアクリレート、2−エチルヘ
キシルアクリレート、クロロエチルアクリレート等が挙
げられ、1種または2種以上が用いらる。特にエチルア
クリレート、n−ブチルアクリレートが好適に用いられ
る。また必要に応じて第3成分として用いる上記2成分
と共重合可能な単量体としてはスチレン等の芳香族ビニ
ル類、アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類、酢酸ビ
ニル等のビニルエステル類、n−ブチルメタクリレート
等のメチルメタクリレート以外のメタクリル酸エステル
類等が挙げられ、必要に応じてこれらの1種または2種
以上が用いられる。またジビニルベンゼン、エチレング
リコールジメタクリレートなどの多官能性モノマーを用
いても良いが、この場合の使用量は2重量%以下が好ま
しい。 【0022】本発明で用いるメチルメタクリレート−ア
ルキルアクリレート共重合体(6)の配合量は表面平滑
性、PVC(1)への分散性の点からPVC100重量
部に対し0.1重量部以上30重量部以下が好ましい。 【0023】本発明で用いるメチルメタクリレート−ア
ルキルアクリレート共重合体(6)の重量平均分子量
(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(以下GP
Cと言う)を用い0.03%テトラヒドロフラン(以下
THFと言う)溶液、カラム温度38℃、流量0.9m
l/分にて測定したポリスチレン換算値)は表面平滑性
改良の点から0.2×106以上のものが好適に使用さ
れる。 【0024】これらの共重合体は、例えば特開昭57−
74347、50−123761、50−12376
3、特公昭40−5311、特公昭46−1865号公
報等に記載されている方法により製造でき、三菱レーヨ
ン株式会社より商品名メタブレンP、呉羽化学工業株式
会社よりクレハパラロイドK−Pシリーズとして市販さ
れている。 【0025】本発明によるPVC−PU複合体には、そ
の性能を極端に低下させない程度にPVCに通常添加さ
れる安定剤(例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バ
リウム等の金属石鹸、ラウリン酸錫等の有機錫系安定
剤、過塩素酸処理ハイドロタルサイト等が挙げられ
る)、滑剤(例えばステアリン酸亜鉛等の金属石鹸、ポ
リエチレンワックス等の炭化水素系ワックス、n−ブチ
ルステアレート等の脂肪酸エステル系ワックス等が挙げ
られる)、着色剤、炭酸カルシウム、タルク等に代表さ
れる無機充填材、三酸化アンチモンやホウ酸亜鉛に代表
される難燃剤などを必要に応じて添加することができ
る。 【0026】本発明は、予めPVC(1)とメチルメタ
クリレート−アルキルアクリレート共重合体(6)を均
一混合した後に一部または全量の可塑剤(4)を含浸さ
せることを特徴とする。 【0027】PVC(1)とメチルメタクリレート−ア
ルキルアクリレート共重合体(6)を均一混合した後に
一部または全量の可塑剤(4)を含浸させるには、例え
ばジャケット付きリボンブレンダー、ヘンシェルミキサ
ー(三井三池製作所製)またはスーパーミキサー(川田
製作所製)等の混合機を用いて行うことができる。この
ような混合機を用いる場合PVC(1)、メチルメタク
リレート−アルキルアクリレート共重合体(6)を混合
機に投入し均一混合した後、撹拌下これに所定量の可塑
剤(4)を添加し、混合することにより、PVC(1)
粉体及びメチルメタクリレート−アルキルアクリレート
共重合体(6)に可塑剤(4)が含浸されて流動性のあ
る粉体状混合物が得られる。このとき粉体流動性に優
れ、F.E.が生成する可能性の低い粉体状混合物を得
るために、樹脂温度が90〜150℃になるまで混合を
続けることが好ましい。また、メチルメタクリレート−
アルキルアクリレ−ト共重合体(6)に可塑剤(4)を
含浸させないとF.E.が増加する。 【0028】また取扱い上、ウレタン化反応触媒(5)
は予め可塑剤(4)と混合した後に混合機に投入してP
VC(1)に含浸させておくことが好ましい。 【0029】またPVC用安定剤は予め混合機を用いて
PVCに混合しておくことが好ましい。 【0030】尚、液状安定剤は予め可塑剤(4)中に添
加しておいても良い。 【0031】本発明のPVC−PU複合体は、予めPV
C(1)とメチルメタクリレート−アルキルアクリレー
ト共重合体(6)を均一混合した後に、一部又は全量の
可塑剤(4)、必要に応じてウレタン化反応触媒(5)
を含浸させた粉体およびポリマーポリオール(2)、イ
ソシアネート化合物(3)、場合によりPVC(1)お
よびメチルメタクレート−アルキルアクリレート共重合
体(6)の均一混合物に含浸させなかった残りの可塑剤
(4)を機械加圧式混練機、ロ−ル成形機、押出し成形
機等のプラスチックまたはゴムの加工に使用される混練
成形機に投入し、剪断力下、加熱溶融混合せしめる事に
より得られる。機械加圧式混練機としては例えばバンバ
リーミキサー(ファレル社製)、加圧ニーダー((株)
森山製作所製)、インターナルミキサー(栗本鉄工所
製)又はインテンシィブミキサー(日本ロ−ル製造
(株)製)等を挙げることができる。 【0032】加熱溶融混合する温度はPVC(1)が容
易に溶融し、PVC(1)が熱分解を起こす恐れが少な
い90〜220℃が好ましく、特に好ましくは100〜
150℃である。 【0033】 【実施例】以下、本発明を実施例を用いて説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。 【0034】合成例 特開昭57−74347号公報に例示された方法に従い
メチルメタクリレートとn−ブチルアクリレートの共重
合を行った。共重合体の組成比はメチルメタクリレート
75重量%、n−ブチルアクリレート25重量%であり
GPC(東ソー(株)製、商品名HLC−802A)に
より測定した重量平均分子量は3.2×106(ポリス
チレン換算値)であった。GPC測定はカラム(東ソー
(株)製、商品名TSK−GEL GMHXL 30c
m)×2、カラム温度38℃、流量0.9ml/分、
0.03%THF溶液の条件で行った。 【0035】実施例1 内容積20リットルのヘンシェルミキサー(三井三池製
作所製)に懸濁重合法により得られたエチレン−塩化ビ
ニル共重合体(東ソー(株)製、商品名リューロンE−
2800)100重量部、合成例1で得られたメチルメ
タクリレート−n−ブチルアクリレート共重合体3重量
部、安定剤としてステアリン酸バリウム2重量部、ステ
アリン酸亜鉛1重量部、過塩素酸処理ハイドロタルサイ
ト(日産フェロ有機化学(株)製、商品名BP−33
1)1.5重量部を仕込み950rpmの回転速度で1
分間撹拌した。またこれとは別に可塑剤としてDOP5
0重量部とジブチル錫ジラウレート(ウレタン化反応触
媒)0.006重量部を1分間混合したものを準備し
た。これをヘンシェルミキサーに加え混合物の温度が1
10℃になるまで撹拌混合を行った。混合物は容易に流
動し得る粉体状混合物となった。 【0036】内容積1700cc、ケーシング温度15
0℃のバンバリーミキサーに上記粉体状混合物157.
506重量部を仕込み一定回転速度で撹拌した。またこ
れとは別に、80℃に加熱したDOP(フタル酸ジ−2
−エチルヘキシル)50重量部とヘキサメチレンジイソ
シアネートのイソシアネレート変性体(日本ポリウレタ
ン(株)製、商品名コロネートHX)15.4重量部
(NCO/OH比=1.0)を1分間混合した後、更に
これに80℃に加熱した1,4−ブタンジオールとアジ
ピン酸を縮合重合して得られるポリマーポリオール(日
本ポリウレタン(株)製、商品名ニッポラン4010、
数平均分子量2000)78.0重量部を入れ1分間混
合したものを準備しバンバリーミキサー投入口より流し
入れた。反応及び混合時間はこれより15分間行った。 【0037】反応終了後、得られたエラストマーを17
0℃のロール成形機にかけシートにした。得られたシー
ト150gと群青2.5gを150℃のロール成形機で
5分間混練し厚さ0.35mmのシートを得た。シート
中の50cm2当たりの0.2mm以上の大きさの粒子
(群青が分散せず白色または透明の粒子)をF.E.と
した。外観評価を行ったところF.E.は70個/50
cm2であった。 【0038】比較例1 内容積20リットルのヘンシェルミキサー(三井三池製
作所製)に懸濁重合法により得られたエチレン−塩化ビ
ニル共重合体(東ソー(株)製、商品名リューロンE−
2800)100重量部、安定剤としてステアリン酸バ
リウム2重量部、ステアリン酸亜鉛1重量部、過塩素酸
処理ハイドロタルサイト(日産フェロ有機化学(株)
製、商品名BP−331)1.5重量部を仕込み950
rpmの回転速度で1分間撹拌した。またこれとは別に
可塑剤としてDOP50重量部とジブチル錫ジラウレー
ト(ウレタン化反応触媒)0.006重量部を1分間混
合したものを準備した。これをヘンシェルミキサーに加
え混合物の温度が110℃になるまで撹拌混合を行っ
た。混合物は容易に流動し得る粉体状混合物となった。
これを60℃まで冷却した後に、合成例1で得られたメ
チルメタクリレート−n−ブチルアクリレート共重合体
3重量部添加し更に10分間混合を続けた。混合物は容
易に流動し得る粉体状混合物となった。 【0039】上記粉体状混合物を使用すること以外は実
施例1と同様にてサンプル調整を行い、外観評価を行っ
た。F.E.は330個/50cm2であり、多量の
F.E.が観察された。 【0040】実施例2 内容積20リットルのヘンシェルミキサー(三井三池製
作所製)に懸濁重合法により得られたエチレン−塩化ビ
ニル共重合体(東ソ−(株)製、商品名リューロンE−
2800)100重量部、メチルメタクリレート−アル
キルアクリレート共重合体(三菱レーヨン(株)製、メ
タブレンP531)3重量部、安定剤としてステアリン
酸バリウム2重量部、ステアリン酸亜鉛1重量部、過塩
素酸処理ハイドロタルサイト(日産フェロ有機化学
(株)製、商品名BP−331)1.5重量部を仕込み
950rpmの回転速度で1分間撹拌した。またこれと
は別に可塑剤としてDOP50重量部とジブチル錫ジラ
ウレート(ウレタン化反応触媒)0.006重量部を1
分間混合したものを準備した。これをヘンシェルミキサ
ーに加え混合物の温度が110℃になるまで撹拌混合を
行った。混合物は容易に流動し得る粉体状混合物となっ
た。 【0041】上記粉体状混合物を使用すること以外は実
施例1と同様にてサンプル調整を行い、外観評価を行っ
た。F.E.は80個/50cm2であった。 【0042】比較例2 合成例1で得られたメチルメタクリレート−n−ブチル
アクリレート共重合体の代わりにメチルメタクリレート
−アルキルアクリレート共重合体(三菱レーヨン(株)
製、メタブレンP531)を用いた以外は比較例1と同
様にてサンプル調整を行い、外観評価を行った。F.
E.は400個/50cm2であり、多量のF.E.が
観察された。 【0043】 【発明の効果】本発明による製造方法によると、F.
E.の少ない外観が良好なPVC−PU複合体を製造す
ることが可能となる。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】塩化ビニル系重合体(1)、ポリマーポリ
オール(2)、イソシアネート基を3個以上を有するイ
ソシアネート化合物(3)、可塑剤(4)、ウレタン化
反応触媒(5)及びメチルメタクリレート−アルキルア
クリレート共重合体(6)を剪断力下、加熱溶融混合し
て塩化ビニル系重合体−ポリウレタン複合体を製造する
方法において、予め塩化ビニル系重合体(1)とメチル
メタクリレート−アルキルアクリレート共重合体(6)
を均一混合した後に一部または全量の可塑剤(4)を含
浸させておくことを特徴とする塩化ビニル系重合体−ポ
リウレタン複合体の製造方法。
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JP23348294A JP3446335B2 (ja) | 1994-09-28 | 1994-09-28 | 塩化ビニル系重合体−ポリウレタン複合体の製造方法 |
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Publication number | Publication date |
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JPH08100115A (ja) | 1996-04-16 |
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