JP3379123B2 - 透明性ポリ塩化ビニル−ポリウレタンエラストマーの製造法 - Google Patents
透明性ポリ塩化ビニル−ポリウレタンエラストマーの製造法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は圧縮永久歪に優れ、さら
には透明性に優れた、ポリ塩化ビニル系重合体(以下P
VCと言う)、特定の化学構造を持つポリウレタン(以
下PUと言う)及び可塑剤からなる透明性PVC−PU
エラストマーの製造法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】PUは耐摩耗性、低温特性、耐油性、耐
ガソリン性等に優れ、さらには構成原料の組み合わせに
より柔軟なものから硬いものまで任意の物性を得る事が
可能である事から、いろいろな分野で使用されている。 【0003】一方、PVCは加工性に優れた汎用性を有
する熱可塑性樹脂として、パイプ類、波板、サッシやフ
ィルム類、シート類、レザー類、電線被覆、ホース及び
日曜雑貨類として、工業的に広く用いられている。 【0004】従来、PVCの耐荷重変形性、すなわち圧
縮永久歪の改良を行う方法として、ベンゾイルパーオキ
サイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキ
サイド等の有機過酸化物、1,4−テトラメチレンジア
ミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン等のジアミン系
化合物、硫黄、テトラメチルチュウラムジスルフィド、
トリアジンジチオール等の硫黄系化合物などによるPV
Cの架橋、ジアリルフタレートまたはエポキシ樹脂など
の成分架橋による方法、さらには予め重合時に架橋した
架橋PVCまたはPVCと相溶性の良い架橋ニトリルブ
タジエンゴム(以下架橋NBRと言う)などをPVCに
ブレンドする方法、水酸基のような反応性基を有するP
VCを用いジイソシアネート等により架橋体とする方法
などがある。 【0005】これらの方法において、PVCに架橋を行
う場合は、容易に圧縮永久歪の良好な組成物を得ること
が可能であるが、反面問題としては、熱安定性に劣り着
色しやすい、架橋剤の残留物により臭気が残る、等の問
題がある。 【0006】反応性可塑剤を用いた場合は、ラジカル反
応系であることが多いため、前述と同じ問題が起こる。 【0007】架橋PVC又は架橋NBR等をPVCにブ
レンドする場合は、PVCへのそれらの分散性に関係
し、引っ張り強度、伸度などの物性の低下が著しい、架
橋NBR中のブタジエン成分により耐候性及び耐熱老化
性が悪い、等の問題点がある。さらに水酸基のような反
応性基を有するPVCを用いジイソシアネート等により
架橋体とする方法では、反応性に劣るため、改良効果が
少ない。 【0008】近年、PVCとPUとの複合が注目され、
例えば下記の方法が提起されている。 【0009】(1)PVCと熱可塑性PUとのブレンド 安価で物性の優れた混合物を得るために、熱可塑性PU
とPVCとをブレンドする事が提案され一部の分野では
実際に利用されている。しかし、通常熱可塑性PUは数
mm程度のフレーク状またはペレット状であるためPV
C粉末とブレンドする際その作業性が悪く、また安定剤
などの添加剤を混合する場合、粒度が異なるため不均一
となりその成形品の機械的強度も不充分であると共に外
観が不良であるなどの問題がある。 【0010】また、熱可塑性PUを粉末化しPVC粉末
とブレンドする方法もあるが、通常の混合樹脂に求めら
れる物性に適合する比較的軟質の熱可塑性PUは粉末化
が困難な事が多い。 【0011】さらには、混合樹脂に求められる物性に適
合する熱可塑性PUとPVCとの融解温度は異なる事が
多く、この為に混合が困難となり作業性が悪いと言うよ
うな欠点がある。 【0012】また、架橋PUをブレンドすると透明性に
劣るという問題がある。 【0013】(2)PVCと熱可塑性PUのグラフト重
合体 特開昭58−40312号、58−42611号、58
−37019号等の公報に記載されているごとく塩化ビ
ニル単量体(以下VCMと言う)に溶解可能な熱可塑性
PUとVCMとの懸濁重合によるグラフト化が提案され
組成物が提供されている。これらの組成物は熱可塑性P
UをVCMに溶解して均一混合させる必要があるため、
PUの組成及び配合量は制約されたものとならざるを得
ない。例えば、PUは熱可塑性のものであり、軟化点の
低いものである。このため、分子鎖中にほとんどハード
セグメントを含んでいない特殊タイプのものあるいは架
橋していないものに限定される。 【0014】(3)PVC中でのPUの生成 特公昭59−39464号公報に記載されているような
方法が提案されている。その実施例によると、PVCに
ポリオールを含浸せしめ、ついでこれにジイソシアネー
トを添加し、固体のPVC中でPUを生成せしめる。こ
れは、PVC用の可塑剤を使用していないので可塑剤の
溶出等の心配がない事を特徴としている。 【0015】しかしながら、この方法で得られたPVC
とPUとの複合体は、ゴム弾性に劣り、これらの特性を
必要とする用途には適さない。また、この方法では生産
性を向上させるためにウレタン化反応触媒を多量に用い
ると、ポリオール及びイソシアネートがPVC中に完全
に含浸される前にPU化反応が進行し粘土様の半ゲル状
となってしまうという問題が生ずる。 【0016】また、特開昭61−250044号、62
−1715号等の公報には、PVC、PU及び可塑剤か
らなる複合材料の製造方法が提案されている。この場
合、可塑剤の移行性の抑制、耐摩耗性、耐寒性、耐油性
を特徴としている。しかし、この方法では液状成分とし
て、ポリオール、イソシアネート及び可塑剤の3種を用
いるため、PVCへの含浸の都合上いずれか1種の量を
減らす必要性が有る。そのためゴム弾性が劣る、高硬度
である等の問題が生じ低硬度でかつ圧縮永久歪に優れた
材料を得るのが困難である。 【0017】更に、特開昭62−64861号公報では
ポリ塩化ビニル及び分子内に−O−CH2−CH2−CH
(CH3)−CH2−CO−基あるいは−CO−O−CH
2−CH2−CH(CH3)−CH2−CH2−O−CO−
基を有するPUからなる透明性に優れた複合樹脂組成物
が提案されている。しかし、ここで得られるものは圧縮
永久歪が劣るという欠点がある。 【0018】 【発明が解決しようとする課題】本発明は圧縮永久歪に
優れ、さらには透明性に優れた透明性PVC−PUエラ
ストマーの製造法を提供するものである。 【0019】 【課題を解決するための手段】本発明者らは上述のよう
な現状に鑑み、架橋体を形成するPUの成分、透明化の
配合について鋭意検討した結果、本発明を完成するに至
った。 【0020】即ち本発明は、(1)ポリ塩化ビニル系重
合体100重量部に対し、(2)分子量が1500を越
え、分子内に−O−CH2−CH2−CH(CH3)−C
H2−CO−基及び/または−CO−O−CH2−CH2
−CH(CH3)−CH2−CH2−O−CO−基を10
モル%以上含有するポリマーポリオールと(3)イソシ
アネート基3個以上を有する化合物の合計量30重量部
以上900重量部以下、及び、(4)可塑剤10重量部
以上500重量部以下とを剪断力下、加熱溶融混合して
なる透明性PVC−PUエラストマーの製造法に関する
ものである。 【0021】以下本発明に関して詳細に説明する。 【0022】本発明で用いるPVCとは、塩化ビニル含
有重合体で、塩化ビニル単独重合体、塩素化塩化ビニル
重合体、塩化ビニル単量体と共重合し得るすべての単量
体のうち1種または2種以上とランダム共重合、グラフ
ト共重合あるいはブロック共重合して得られる塩化ビニ
ル共重合体等が挙げられ、上記重合体の1種または2種
以上が使用される。 【0023】塩化ビニル単量体と共重合可能な単量体と
しては例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテ
ンー1、ブタジエン、スチレン、αーメチルスチレン、
アクリロニトリル、塩化ビニリデン、シアン化ビニリデ
ン、アルキルビニルエーテル類、カルボン酸ビニルエス
テル類、アリールエーテル類、ジアルキルマレイン酸
類、フマル酸エステル類、N−ビニルピロリドン、ビニ
ルピリジン、ビニルシラン類、アクリル酸アルキルエス
テル類、メタクリル酸アルキルエステル類等を挙げる事
ができる。 【0024】また、PVCの重合度は400以上100
00以下、好ましくは600以上5000以下、さらに
好ましくは800以上3000以下のものが好適に使用
される。 【0025】本発明で用いる分子内に−O−CH2−C
H2−CH(CH3)−CH2−CO−基及び/または−
CO−O−CH2−CH2−CH(CH3)−CH2−CH
2−O−CO−基を10モル%以上含有するポリマーポ
リオールとは、水酸基2個以上を有するものである。 【0026】該ポリマーポリオールの分子量は1500
を越えるものであり、好ましくは1500を越え200
00以下、さらに好ましくは1500を越え8000以
下である。分子量が1500以下では得られるエラスト
マ−が不透明となり好ましくなく、8000を越えると
取り扱いが困難となることがある。 【0027】この様なポリマーポリオールは例えば3−
メチル−1,5−ペンタンジオール単独または該ジオー
ルを10モル%以上含有する混合短鎖ポリオールとジカ
ルボン酸の重縮合、またはβ−メチル−δ−バレロラク
トン単独もしくはこれを10モル%以上含む混合ラクト
ンの開環重合により得られる。 【0028】3−メチル−1,5−ペンタンジオール単
独または該ジオールを10モル%以上含有する混合短鎖
ポリオールとジカルボン酸を重縮合する場合、ジカルボ
ン酸成分としてはコハク酸、グルタール酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン酸、フタル
酸、イソフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサ
ヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタ
コン酸等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使
用される。 【0029】3−メチル−1,5−ペンタンジオールと
混合する短鎖ポリオール成分としては、脂肪族、脂環
式、芳香族、置換脂肪族または複素環式のジヒドロキシ
化合物、トリヒドロキシ化合物、テトラヒドロキシ化合
物等で、例えば1,2−エタンジオール、1,2−プロ
パンジオール、1,4−ブタンジオール、ブテンジオー
ル、、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカメチ
レンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジ
オール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−メチル
−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオー
ル、ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、p−キ
シレンジオール、ジヒドロキシエチルテトラハイドロフ
タレート、トリメチロールプロパン、グリセリン、2−
メチルプロパン−1,2,3−トリオール、1,2,6
−ヘキサントリオールなどが挙げられ、これらの1種ま
たは2種以上が使用される。 【0030】β−メチル−δ−バレロラクトン単独もし
くはこれを10モル%以上含む混合ラクトンを開環重合
する場合、β−メチル−δ−バレロラクトンと混合する
ラクトン成分としてはβ−プロピオラクトン、ビバロラ
クトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、メ
チル−ε−カプロラクトン、ジメチル−ε−カプロラク
トン、トリメチル−ε−カプロラクトン等のラクトン化
合物の1種または2種以上を、前記の短鎖ポリオール成
分及び/または3−メチル−1,5−ペンタンジオール
から選ばれる1種または2種以上のヒドロキシ化合物と
共に反応せしめる。 【0031】本発明で用いるイソシアネート基3個以上
を有する化合物とは、例えば、2,4−又は2,6−ト
リレンジイソシアネート、m−又はp−フェニレンジイ
ソシアネート、1−クロロフェニレン−2,4−ジイソ
シアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、メ
チレンビスフェニレン4,4’−ジイソアネート、m−
及びp−キシレンジイソアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、リジンジイソシアネート、4,4’−メ
チレンビスシクロヘキシルジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソ
シアネート等のジイソシアネートの3量体、1,6,1
1−ウンデカントリイソシアネート、リジンエステルト
リイソシアネート、4−イソシアネートメチル−1,8
−オクタメチルジイソシアネート等のトリイソシアネー
ト類もしくはポリフェニルメタンポリイソシアネート等
の多官能イソシアネート類が挙げられ、これらの1種ま
たは2種以上が使用される。また、上記のジイソシアネ
ート類を併用することも可能である。 【0032】ただし、全イソシアネートのNCO基モル
数に対するトリイソシアネートのNCO基モル数が0.
25以上が望ましい。0.25未満では、架橋密度の不
足により十分な性能を発揮できないことがある。 【0033】また、NCO/OH比はポリオールにジオ
ールを用いた場合、0.3〜1.3の範囲が好ましい。
0.3未満では、イソシアネートにトリイソシアネート
のみを用いても架橋密度の不足により十分な性能を発揮
できないことがあり、1.3を超えると、加工が困難と
なるおそれがある。 【0034】本発明に用いられるポリマーポリオールと
イソシアネート基3個以上を有する化合物の合計量はP
VC100重量部に対して30重量部以上900重量部
以下であり、好ましくは30重量部以上500重量部以
下、更に好ましくは30重量部以上300重量部以下で
ある。30重量部未満では圧縮永久歪の改良に至らず、
900重量部を越えると加工が困難となるおそれがあ
る。 【0035】また、本発明において用いる可塑剤として
は、例えばフタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジ−2−
エチルヘキシル(以下DOPと言う)、フタル酸ジ−n
−オクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジイソオ
クチル、フタル酸オクチルデシル、フタル酸ブチルベン
ジル、イソフタル酸ジ−2−エチルヘキシル等のフタル
酸系可塑剤、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジ
ピン酸ジ−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、セバ
シン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシルな
どの脂肪族エステル系可塑剤、トリメリット酸トリオク
チル、トリメリット酸トリデシル、等のピロメリット酸
系可塑剤、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチル
ヘキシル、リン酸2−エチルへキシルジフェニル、リン
酸トリクレジル等のリン酸エステル系可塑剤、エポキシ
系大豆油などのエポキシ系可塑剤、ポリエステル系高分
子可塑剤等が挙げられ、これらの1種または2種以上が
使用でき、PVC100重量部に対して10重量部以上
500重量部以下であり、更に好ましくは30重量部以
上300重量部以下が好適に使用される。 【0036】また、本発明では一般的なウレタン化反応
触媒を用いることができる。例えばトリエチルアミン、
トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン等のアミ
ン系触媒、テトラメチル錫、テトラオクチル錫、ジメチ
ルジオクチル錫、トリエチル錫塩化物、ジブチル錫ジア
セテート、ジブチル錫ジラウレート等の錫系触媒等を挙
げることができ、これらの1種または2種以上が使用さ
れる。 【0037】本発明によるPVC−PUエラストマーに
は、その性能を極端に低下させない程度にPVCに通常
添加される安定剤、滑剤、着色剤、炭酸カルシウム、タ
ルク等に代表される無機充填材、三酸化アンチモンやホ
ウ酸亜鉛に代表される難燃剤などを必要に応じて添加し
てもよい。 【0038】本発明の透明性PVC−PUエラストマー
は上記成分を剪断力下、加熱溶融混合せしめる事により
得られ、例えばバンバリーミキサー、カレンダーロー
ル、押出し成形機、射出成形機等プラスチックの加工に
使用される混練成形機が使用できる。溶融混練する温度
は90〜220℃であり、好ましくは120〜170℃
である。70℃以下ではPVCの溶融が困難であり、ま
た220℃以上ではPVCが熱分解を起こすおそれがあ
る。 【0039】 【実施例】以下、本発明を実施例を用いて説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。 【0040】実施例1 内容積1700cc、ケーシング温度150℃のバンバ
リーミキサーに懸濁重合法により得られたエチレン−塩
化ビニル共重合体(リュ−ロンE−2800,東ソ−
(株)製)100重量部、安定剤としてステアリン酸バ
リウム2部、ステアリン酸亜鉛1部、アミン補足剤とし
て日産フェロ有機化学(株)製商品名BP−331、
1.5部を仕込み一定回転速度で撹拌した。またこれと
は別に、3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジ
ピン酸を縮合重合して得られるポリマーポリオール
((株)クラレ製、商品名クラポ−ルP2010、数平
均分子量2000)80.0重量部とDOP(フタル酸
ジ−2−エチルヘキシル)を100重量部混合し、これ
にヘキサメチレンジイソシアネートの3量体(日本ポリ
ウレタン(株)製商品名コロネートEH)13.4重量
部(NCO/OH比=0.85)、触媒としてジブチル
錫ジラウレート0.0078部を、1分間混合したもの
を準備しバンバリーミキサー投入口より流し入れた。反
応及び混合時間はこれより15分間行った。 【0041】反応終了後、得られたエラストマーを17
0℃のロール成形機にかけシートにしたのち、圧縮永久
歪(JISK6301)、全光線透過率(JISK71
05、1mm板使用)及びヘーズ(JISK7105、
1mm板使用)試験用に、試験片をプレス成形し圧縮永
久歪、全光線透過率及びヘーズを測定した。結果を以下
に示す。 【0042】圧縮永久歪 35% 全光線透過率 90% ヘーズ 12% また、このエラストマーのテトラヒドロフラン(以下T
HFと言う)不溶分を測定したところ28wt%であっ
た。 【0043】THF不溶分の測定方法は以下の通りであ
る。エラストマーを冷凍粉砕し正確に秤量する(X
g)。これを8時間THFによりソックスレー抽出を行
う。得られた抽出液を乾固し抽出液中のTHF可溶分を
正確に秤量する(Yg)。THF不溶分は次式 THF不溶分(wt%)=100(X−Y)/X より求める。 【0044】実施例2 実施例1において3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ルとアジピン酸を縮合重合して得られるポリマーポリオ
ール(クラポールP2010)の代わりに3−メチル−
1,5−ペンタンジオールとアジピン酸を縮合重合して
得られるポリマーポリオール((株)クラレ製、商品名
クラポ−ルP4010、数平均分子量4000)10
0.0重量部ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体
13.4重量部の代わりに9.8重量部(NCO/OH
比=1.00)を用いた他は全て実施例1と同様にして
エラストマ−を得、この圧縮永久歪、全光線透過率及び
ヘーズを測定した。結果を以下に示す。 【0045】圧縮永久歪 36% 全光線透過率 90% ヘーズ 13% また、このエラストマーのTHF不溶分を測定したとこ
ろ33wt%であった。 【0046】比較例1 実施例1において3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ルとアジピン酸を縮合重合して得られるポリマーポリオ
ールクラポールP2010の代わりに3−メチル−1,
5−ペンタンジオールとアジピン酸を縮合重合して得ら
れるポリマーポリオール((株)クラレ製、商品名クラ
ポ−ルP1010、数平均分子量1000)69.4重
量部、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体13.
4重量部の代わりに24.0重量部(NCO/OH比=
0.85)を用いた他は全て実施例1と同様にしてエラ
ストマ−を得、この圧縮永久歪、全光線透過率及びヘー
ズを測定した。結果を以下に示す。 【0047】圧縮永久歪 36% 全光線透過率 78% ヘーズ 90% また、このエラストマーのTHF不溶分を測定したとこ
ろ27wt%であった。 【0048】比較例2 実施例1において3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ルとアジピン酸を縮合重合して得られるポリマーポリオ
ールクラポールP2010の代わりに1,2−エタンジ
オール及び1,4−ブタンジオールとアジピン酸を縮合
重合して得られるポリマーポリオール(三洋化成工業
(株)製、商品名サンエスター24640、数平均分子
量2000)80.0重量部を用いた他は全て実施例1
と同様にしてエラストマ−を得、この圧縮永久歪、全光
線透過率及びヘーズを測定した。結果を以下に示す。 【0049】圧縮永久歪 37% 全光線透過率 80% ヘーズ 90% また、このエラストマーのTHF不溶分を測定したとこ
ろ26wt%であった。 【0050】比較例3 実施例1において3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ルとアジピン酸を縮合重合して得られるポリマーポリオ
ールクラポールP2010の代わりに1,4−ブタンジ
オールとアジピン酸を縮合重合して得られるポリマーポ
リオール(日本ポリウレタン(株)製、商品名ニッポラ
ン4010、数平均分子量2000)80.0重量部を
用いた他は全て実施例1と同様にしてエラストマ−を
得、この圧縮永久歪、全光線透過率及びヘーズを測定し
た。結果を以下に示す。 【0051】圧縮永久歪 37% 全光線透過率 78% ヘーズ 91% また、このエラストマーのTHF不溶分を測定したとこ
ろ27wt%であった。 【0052】比較例4 実施例1において3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ルとアジピン酸を縮合重合して得られるポリマーポリオ
ールクラポールP2010の代わりに1,2−エタンジ
オールとアジピン酸を縮合重合して得られるポリマーポ
リオール(日本ポリウレタン(株)製、商品名ニッポラ
ン4040、数平均分子量2000)80.0重量部を
用いた他は全て実施例1と同様にしてエラストマ−を
得、この圧縮永久歪、全光線透過率及びヘーズを測定し
た。結果を以下に示す。 【0053】圧縮永久歪 38% 全光線透過率 79% ヘーズ 91% また、このエラストマーのTHF不溶分を測定したとこ
ろ26wt%であった。 【0054】比較例5 実施例1において3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ルとアジピン酸を縮合重合して得られるポリマーポリオ
ールクラポールP2010の代わりにポリプロピレング
リコール(三洋化成工業(株)製、商品名サンニック
ス、数平均分子量4000)80.0重量部を用いた他
は全て実施例1と同様にしてエラストマ−を得、この圧
縮永久歪、全光線透過率及びヘーズを測定した。結果を
以下に示す。 圧縮永久歪
40% 全光線透過率 80% ヘーズ 90% また、このエラストマーのTHF不溶分を測定したとこ
ろ25wt%であった。 【0055】比較例6 実施例1においてポリマーポリオールクラポールP20
10を80.0重量部の代わりに87.4重量部、また
ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体13.4重量
部の代わりにヘキサメチレンジイソシアネート6.0重
量部(NCO/OH比=0.85)を用いた他は全て実
施例1と同様にして圧縮永久歪、全光線透過率及びヘー
ズを測定した。結果を以下に示す。 【0056】圧縮永久歪 60% 全光線透過率 91% ヘーズ 5% また、ここで得られた物のTHF不溶分を測定したとこ
ろ0.1wt%以下であった。 【0057】比較例7 実施例1においてDOP100重量部を用いない他は全
て実施例1と同様にしてエラストマ−を得、この圧縮永
久歪、全光線透過率及びヘーズを測定した。結果を以下
に示す。 【0058】圧縮永久歪 38% 全光線透過率 73% ヘーズ 91% また、ここで得られたもののTHF不溶分を測定したと
ころ47wt%であった。 【0059】比較例8 実施例1においてポリマーポリオールクラポールP20
10、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体を用い
ない他は全て実施例1と同様にしてエラストマ−を得、
この圧縮永久歪、全光線透過率及びヘーズを測定した。
結果を以下に示す。 【0060】圧縮永久歪 52% 全光線透過率 90% ヘーズ 5% また、ここで得られた物のTHF不溶分を測定したとこ
ろ0.1wt%以下であった。 【0061】比較例9 実施例1において3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ルとアジピン酸を縮合重合して得られるポリマーポリオ
ールクラポールP2010の代わりに3−メチル−1,
5−ペンタンジオールとアジピン酸を縮合重合して得ら
れるポリマーポリオール((株)クラレ製、商品名クラ
ポ−ルP510、数平均分子量500)56.8重量
部、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体13.4
重量部の代わりに36.6重量部(NCO/OH比=
0.85)を用いた他は全て実施例1と同様にしてエラ
ストマ−を得、この圧縮永久歪、全光線透過率及びヘー
ズを測定した。結果を以下に示す。 【0062】圧縮永久歪 35% 全光線透過率 78% ヘーズ 90% また、このエラストマーのTHF不溶分を測定したとこ
ろ26wt%であった。 【0063】比較例10 実施例1において3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ルとアジピン酸を縮合重合して得られるポリマーポリオ
ールクラポールP2010の代わりに2−メチル−1,
8−オクタンジオール及び1,4−ブタンジオールとア
ジピン酸を縮合重合して得られるポリマーポリオール
((株)クラレ製、商品名クラポールPNOA200
0、数平均分子量2000)80.0重量部を用いた他
は全て実施例1と同様にしてエラストマ−を得、この圧
縮永久歪、全光線透過率及びヘーズを測定した。結果を
以下に示す。 【0064】圧縮永久歪 38% 全光線透過率 78% ヘーズ 90% また、このエラストマーのTHF不溶分を測定したとこ
ろ26wt%であった。 【0065】比較例11 実施例1において3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ルとアジピン酸を縮合重合して得られるポリマーポリオ
ールクラポールP2010の代わりに1,9−ノナンジ
オール及び1,4−ブタンジオールとアジピン酸を縮合
重合して得られるポリマーポリオール((株)クラレ
製、商品名クラポールPNA−2000、数平均分子量
2000)80.0重量部を用いた他は全て実施例1と
同様にしてエラストマ−を得、この圧縮永久歪、全光線
透過率及びヘーズを測定した。結果を以下に示す。 【0066】圧縮永久歪 33% 全光線透過率 79% ヘーズ 91% また、このエラストマーのTHF不溶分を測定したとこ
ろ28wt%であった。 【0067】比較例12 実施例1において3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ルとアジピン酸を縮合重合して得られるポリマーポリオ
ールクラポールP2010の代わりに1,2−エタンジ
オール及び1,4−ブタンジオールとアジピン酸を縮合
重合して得られるポリマーポリオール(三洋化成工業
(株)製、商品名サンエスターNo.22、数平均分子
量1000)70.7重量部、ヘキサメチレンジイソシ
アネートの3量体13.4重量部の代わりに22.7重
量部(NCO/OH比=0.85)を用いた他は全て実
施例1と同様にしてエラストマ−を得、この圧縮永久
歪、全光線透過率及びヘーズを測定した。結果を以下に
示す。 【0068】圧縮永久歪 36% 全光線透過率 77% ヘーズ 91% また、このエラストマーのTHF不溶分を測定したとこ
ろ26wt%であった。 【0069】実施例3 実施例1において3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ルとアジピン酸を縮合重合して得られるポリマーポリオ
ールクラポールP2010を80.0重量部用いる代わ
りに42.8重量部、ヘキサメチレンジイソシアネート
の3量体13.4重量部の代わりに7.17重量部(N
CO/OH比=0.85)を用いた他は全て実施例1と
同様にしてエラストマ−を得、この圧縮永久歪、全光線
透過率及びヘーズを測定した。結果を以下に示す。 【0070】圧縮永久歪 47% 全光線透過率 90% ヘーズ 10% また、このエラストマーのTHF不溶分を測定したとこ
ろ18.0wt%であった。 【0071】比較例13 実施例1において3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ルとアジピン酸を縮合重合して得られるポリマーポリオ
ールクラポールP2010を80.0重量部用いる代わ
りに1,2−エタンジオール及び1,4−ブタンジオー
ルとアジピン酸を縮合重合して得られるポリマーポリオ
ール(三洋化成工業(株)製、商品名サンエスター24
640、数平均分子量2000)42.8重量部、ヘキ
サメチレンジイソシアネートの3量体13.4重量部の
代わりに7.17重量部(NCO/OH比=0.85)
を用いた他は全て実施例1と同様にしてエラストマ−を
得、この圧縮永久歪、全光線透過率及びヘーズを測定し
た。結果を以下に示す。 【0072】圧縮永久歪 48% 全光線透過率 82% ヘーズ 90% また、このエラストマーのTHF不溶分を測定したとこ
ろ17wt%であった。 【0073】比較例14 3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸を
縮合重合して得られるポリマーポリオール((株)クラ
レ製、商品名クラポ−ルP2010、数平均分子量20
00)80.0重量部とヘキサメチレンジイソシアネー
トの3量体(日本ポリウレタン(株)製商品名コロネー
トEH)13.4重量部(NCO/OH比=0.8
5)、ジブチル錫ジラウレート0.0078重量部を1
分間混合したものを準備し、120℃の乾燥機中のバッ
トの上へ広げ5時間反応させ反応を完結せしめた。この
ウレタン93.4078重量部と懸濁重合法により得ら
れたエチレン−塩化ビニル共重合体(リュ−ロンE−2
800,東ソ−(株)製)100重量部、DOP100
重量部、安定剤としてステアリン酸カルシウム1部を1
70℃のロール成形機で混合した後、シートにし、圧縮
永久歪(JISK6301)及びヘーズ(JISK71
05、1mm板使用)試験用に、試験片をプレス成形し
圧縮永久歪、全光線透過率及びヘーズを測定した。結果
を以下に示す。 【0074】圧縮永久歪 39% 全光線透過率 60% ヘーズ 91% また、この複合体のTHF不溶分を測定したところ25
wt%であった。 【0075】 【発明の効果】本発明によると、圧縮永久歪、透明性に
優れたPVC−PUエラストマ−が得られる。
には透明性に優れた、ポリ塩化ビニル系重合体(以下P
VCと言う)、特定の化学構造を持つポリウレタン(以
下PUと言う)及び可塑剤からなる透明性PVC−PU
エラストマーの製造法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】PUは耐摩耗性、低温特性、耐油性、耐
ガソリン性等に優れ、さらには構成原料の組み合わせに
より柔軟なものから硬いものまで任意の物性を得る事が
可能である事から、いろいろな分野で使用されている。 【0003】一方、PVCは加工性に優れた汎用性を有
する熱可塑性樹脂として、パイプ類、波板、サッシやフ
ィルム類、シート類、レザー類、電線被覆、ホース及び
日曜雑貨類として、工業的に広く用いられている。 【0004】従来、PVCの耐荷重変形性、すなわち圧
縮永久歪の改良を行う方法として、ベンゾイルパーオキ
サイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキ
サイド等の有機過酸化物、1,4−テトラメチレンジア
ミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン等のジアミン系
化合物、硫黄、テトラメチルチュウラムジスルフィド、
トリアジンジチオール等の硫黄系化合物などによるPV
Cの架橋、ジアリルフタレートまたはエポキシ樹脂など
の成分架橋による方法、さらには予め重合時に架橋した
架橋PVCまたはPVCと相溶性の良い架橋ニトリルブ
タジエンゴム(以下架橋NBRと言う)などをPVCに
ブレンドする方法、水酸基のような反応性基を有するP
VCを用いジイソシアネート等により架橋体とする方法
などがある。 【0005】これらの方法において、PVCに架橋を行
う場合は、容易に圧縮永久歪の良好な組成物を得ること
が可能であるが、反面問題としては、熱安定性に劣り着
色しやすい、架橋剤の残留物により臭気が残る、等の問
題がある。 【0006】反応性可塑剤を用いた場合は、ラジカル反
応系であることが多いため、前述と同じ問題が起こる。 【0007】架橋PVC又は架橋NBR等をPVCにブ
レンドする場合は、PVCへのそれらの分散性に関係
し、引っ張り強度、伸度などの物性の低下が著しい、架
橋NBR中のブタジエン成分により耐候性及び耐熱老化
性が悪い、等の問題点がある。さらに水酸基のような反
応性基を有するPVCを用いジイソシアネート等により
架橋体とする方法では、反応性に劣るため、改良効果が
少ない。 【0008】近年、PVCとPUとの複合が注目され、
例えば下記の方法が提起されている。 【0009】(1)PVCと熱可塑性PUとのブレンド 安価で物性の優れた混合物を得るために、熱可塑性PU
とPVCとをブレンドする事が提案され一部の分野では
実際に利用されている。しかし、通常熱可塑性PUは数
mm程度のフレーク状またはペレット状であるためPV
C粉末とブレンドする際その作業性が悪く、また安定剤
などの添加剤を混合する場合、粒度が異なるため不均一
となりその成形品の機械的強度も不充分であると共に外
観が不良であるなどの問題がある。 【0010】また、熱可塑性PUを粉末化しPVC粉末
とブレンドする方法もあるが、通常の混合樹脂に求めら
れる物性に適合する比較的軟質の熱可塑性PUは粉末化
が困難な事が多い。 【0011】さらには、混合樹脂に求められる物性に適
合する熱可塑性PUとPVCとの融解温度は異なる事が
多く、この為に混合が困難となり作業性が悪いと言うよ
うな欠点がある。 【0012】また、架橋PUをブレンドすると透明性に
劣るという問題がある。 【0013】(2)PVCと熱可塑性PUのグラフト重
合体 特開昭58−40312号、58−42611号、58
−37019号等の公報に記載されているごとく塩化ビ
ニル単量体(以下VCMと言う)に溶解可能な熱可塑性
PUとVCMとの懸濁重合によるグラフト化が提案され
組成物が提供されている。これらの組成物は熱可塑性P
UをVCMに溶解して均一混合させる必要があるため、
PUの組成及び配合量は制約されたものとならざるを得
ない。例えば、PUは熱可塑性のものであり、軟化点の
低いものである。このため、分子鎖中にほとんどハード
セグメントを含んでいない特殊タイプのものあるいは架
橋していないものに限定される。 【0014】(3)PVC中でのPUの生成 特公昭59−39464号公報に記載されているような
方法が提案されている。その実施例によると、PVCに
ポリオールを含浸せしめ、ついでこれにジイソシアネー
トを添加し、固体のPVC中でPUを生成せしめる。こ
れは、PVC用の可塑剤を使用していないので可塑剤の
溶出等の心配がない事を特徴としている。 【0015】しかしながら、この方法で得られたPVC
とPUとの複合体は、ゴム弾性に劣り、これらの特性を
必要とする用途には適さない。また、この方法では生産
性を向上させるためにウレタン化反応触媒を多量に用い
ると、ポリオール及びイソシアネートがPVC中に完全
に含浸される前にPU化反応が進行し粘土様の半ゲル状
となってしまうという問題が生ずる。 【0016】また、特開昭61−250044号、62
−1715号等の公報には、PVC、PU及び可塑剤か
らなる複合材料の製造方法が提案されている。この場
合、可塑剤の移行性の抑制、耐摩耗性、耐寒性、耐油性
を特徴としている。しかし、この方法では液状成分とし
て、ポリオール、イソシアネート及び可塑剤の3種を用
いるため、PVCへの含浸の都合上いずれか1種の量を
減らす必要性が有る。そのためゴム弾性が劣る、高硬度
である等の問題が生じ低硬度でかつ圧縮永久歪に優れた
材料を得るのが困難である。 【0017】更に、特開昭62−64861号公報では
ポリ塩化ビニル及び分子内に−O−CH2−CH2−CH
(CH3)−CH2−CO−基あるいは−CO−O−CH
2−CH2−CH(CH3)−CH2−CH2−O−CO−
基を有するPUからなる透明性に優れた複合樹脂組成物
が提案されている。しかし、ここで得られるものは圧縮
永久歪が劣るという欠点がある。 【0018】 【発明が解決しようとする課題】本発明は圧縮永久歪に
優れ、さらには透明性に優れた透明性PVC−PUエラ
ストマーの製造法を提供するものである。 【0019】 【課題を解決するための手段】本発明者らは上述のよう
な現状に鑑み、架橋体を形成するPUの成分、透明化の
配合について鋭意検討した結果、本発明を完成するに至
った。 【0020】即ち本発明は、(1)ポリ塩化ビニル系重
合体100重量部に対し、(2)分子量が1500を越
え、分子内に−O−CH2−CH2−CH(CH3)−C
H2−CO−基及び/または−CO−O−CH2−CH2
−CH(CH3)−CH2−CH2−O−CO−基を10
モル%以上含有するポリマーポリオールと(3)イソシ
アネート基3個以上を有する化合物の合計量30重量部
以上900重量部以下、及び、(4)可塑剤10重量部
以上500重量部以下とを剪断力下、加熱溶融混合して
なる透明性PVC−PUエラストマーの製造法に関する
ものである。 【0021】以下本発明に関して詳細に説明する。 【0022】本発明で用いるPVCとは、塩化ビニル含
有重合体で、塩化ビニル単独重合体、塩素化塩化ビニル
重合体、塩化ビニル単量体と共重合し得るすべての単量
体のうち1種または2種以上とランダム共重合、グラフ
ト共重合あるいはブロック共重合して得られる塩化ビニ
ル共重合体等が挙げられ、上記重合体の1種または2種
以上が使用される。 【0023】塩化ビニル単量体と共重合可能な単量体と
しては例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテ
ンー1、ブタジエン、スチレン、αーメチルスチレン、
アクリロニトリル、塩化ビニリデン、シアン化ビニリデ
ン、アルキルビニルエーテル類、カルボン酸ビニルエス
テル類、アリールエーテル類、ジアルキルマレイン酸
類、フマル酸エステル類、N−ビニルピロリドン、ビニ
ルピリジン、ビニルシラン類、アクリル酸アルキルエス
テル類、メタクリル酸アルキルエステル類等を挙げる事
ができる。 【0024】また、PVCの重合度は400以上100
00以下、好ましくは600以上5000以下、さらに
好ましくは800以上3000以下のものが好適に使用
される。 【0025】本発明で用いる分子内に−O−CH2−C
H2−CH(CH3)−CH2−CO−基及び/または−
CO−O−CH2−CH2−CH(CH3)−CH2−CH
2−O−CO−基を10モル%以上含有するポリマーポ
リオールとは、水酸基2個以上を有するものである。 【0026】該ポリマーポリオールの分子量は1500
を越えるものであり、好ましくは1500を越え200
00以下、さらに好ましくは1500を越え8000以
下である。分子量が1500以下では得られるエラスト
マ−が不透明となり好ましくなく、8000を越えると
取り扱いが困難となることがある。 【0027】この様なポリマーポリオールは例えば3−
メチル−1,5−ペンタンジオール単独または該ジオー
ルを10モル%以上含有する混合短鎖ポリオールとジカ
ルボン酸の重縮合、またはβ−メチル−δ−バレロラク
トン単独もしくはこれを10モル%以上含む混合ラクト
ンの開環重合により得られる。 【0028】3−メチル−1,5−ペンタンジオール単
独または該ジオールを10モル%以上含有する混合短鎖
ポリオールとジカルボン酸を重縮合する場合、ジカルボ
ン酸成分としてはコハク酸、グルタール酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン酸、フタル
酸、イソフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサ
ヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタ
コン酸等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使
用される。 【0029】3−メチル−1,5−ペンタンジオールと
混合する短鎖ポリオール成分としては、脂肪族、脂環
式、芳香族、置換脂肪族または複素環式のジヒドロキシ
化合物、トリヒドロキシ化合物、テトラヒドロキシ化合
物等で、例えば1,2−エタンジオール、1,2−プロ
パンジオール、1,4−ブタンジオール、ブテンジオー
ル、、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカメチ
レンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジ
オール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−メチル
−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオー
ル、ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、p−キ
シレンジオール、ジヒドロキシエチルテトラハイドロフ
タレート、トリメチロールプロパン、グリセリン、2−
メチルプロパン−1,2,3−トリオール、1,2,6
−ヘキサントリオールなどが挙げられ、これらの1種ま
たは2種以上が使用される。 【0030】β−メチル−δ−バレロラクトン単独もし
くはこれを10モル%以上含む混合ラクトンを開環重合
する場合、β−メチル−δ−バレロラクトンと混合する
ラクトン成分としてはβ−プロピオラクトン、ビバロラ
クトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、メ
チル−ε−カプロラクトン、ジメチル−ε−カプロラク
トン、トリメチル−ε−カプロラクトン等のラクトン化
合物の1種または2種以上を、前記の短鎖ポリオール成
分及び/または3−メチル−1,5−ペンタンジオール
から選ばれる1種または2種以上のヒドロキシ化合物と
共に反応せしめる。 【0031】本発明で用いるイソシアネート基3個以上
を有する化合物とは、例えば、2,4−又は2,6−ト
リレンジイソシアネート、m−又はp−フェニレンジイ
ソシアネート、1−クロロフェニレン−2,4−ジイソ
シアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、メ
チレンビスフェニレン4,4’−ジイソアネート、m−
及びp−キシレンジイソアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、リジンジイソシアネート、4,4’−メ
チレンビスシクロヘキシルジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソ
シアネート等のジイソシアネートの3量体、1,6,1
1−ウンデカントリイソシアネート、リジンエステルト
リイソシアネート、4−イソシアネートメチル−1,8
−オクタメチルジイソシアネート等のトリイソシアネー
ト類もしくはポリフェニルメタンポリイソシアネート等
の多官能イソシアネート類が挙げられ、これらの1種ま
たは2種以上が使用される。また、上記のジイソシアネ
ート類を併用することも可能である。 【0032】ただし、全イソシアネートのNCO基モル
数に対するトリイソシアネートのNCO基モル数が0.
25以上が望ましい。0.25未満では、架橋密度の不
足により十分な性能を発揮できないことがある。 【0033】また、NCO/OH比はポリオールにジオ
ールを用いた場合、0.3〜1.3の範囲が好ましい。
0.3未満では、イソシアネートにトリイソシアネート
のみを用いても架橋密度の不足により十分な性能を発揮
できないことがあり、1.3を超えると、加工が困難と
なるおそれがある。 【0034】本発明に用いられるポリマーポリオールと
イソシアネート基3個以上を有する化合物の合計量はP
VC100重量部に対して30重量部以上900重量部
以下であり、好ましくは30重量部以上500重量部以
下、更に好ましくは30重量部以上300重量部以下で
ある。30重量部未満では圧縮永久歪の改良に至らず、
900重量部を越えると加工が困難となるおそれがあ
る。 【0035】また、本発明において用いる可塑剤として
は、例えばフタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジ−2−
エチルヘキシル(以下DOPと言う)、フタル酸ジ−n
−オクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジイソオ
クチル、フタル酸オクチルデシル、フタル酸ブチルベン
ジル、イソフタル酸ジ−2−エチルヘキシル等のフタル
酸系可塑剤、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジ
ピン酸ジ−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、セバ
シン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシルな
どの脂肪族エステル系可塑剤、トリメリット酸トリオク
チル、トリメリット酸トリデシル、等のピロメリット酸
系可塑剤、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチル
ヘキシル、リン酸2−エチルへキシルジフェニル、リン
酸トリクレジル等のリン酸エステル系可塑剤、エポキシ
系大豆油などのエポキシ系可塑剤、ポリエステル系高分
子可塑剤等が挙げられ、これらの1種または2種以上が
使用でき、PVC100重量部に対して10重量部以上
500重量部以下であり、更に好ましくは30重量部以
上300重量部以下が好適に使用される。 【0036】また、本発明では一般的なウレタン化反応
触媒を用いることができる。例えばトリエチルアミン、
トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン等のアミ
ン系触媒、テトラメチル錫、テトラオクチル錫、ジメチ
ルジオクチル錫、トリエチル錫塩化物、ジブチル錫ジア
セテート、ジブチル錫ジラウレート等の錫系触媒等を挙
げることができ、これらの1種または2種以上が使用さ
れる。 【0037】本発明によるPVC−PUエラストマーに
は、その性能を極端に低下させない程度にPVCに通常
添加される安定剤、滑剤、着色剤、炭酸カルシウム、タ
ルク等に代表される無機充填材、三酸化アンチモンやホ
ウ酸亜鉛に代表される難燃剤などを必要に応じて添加し
てもよい。 【0038】本発明の透明性PVC−PUエラストマー
は上記成分を剪断力下、加熱溶融混合せしめる事により
得られ、例えばバンバリーミキサー、カレンダーロー
ル、押出し成形機、射出成形機等プラスチックの加工に
使用される混練成形機が使用できる。溶融混練する温度
は90〜220℃であり、好ましくは120〜170℃
である。70℃以下ではPVCの溶融が困難であり、ま
た220℃以上ではPVCが熱分解を起こすおそれがあ
る。 【0039】 【実施例】以下、本発明を実施例を用いて説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。 【0040】実施例1 内容積1700cc、ケーシング温度150℃のバンバ
リーミキサーに懸濁重合法により得られたエチレン−塩
化ビニル共重合体(リュ−ロンE−2800,東ソ−
(株)製)100重量部、安定剤としてステアリン酸バ
リウム2部、ステアリン酸亜鉛1部、アミン補足剤とし
て日産フェロ有機化学(株)製商品名BP−331、
1.5部を仕込み一定回転速度で撹拌した。またこれと
は別に、3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジ
ピン酸を縮合重合して得られるポリマーポリオール
((株)クラレ製、商品名クラポ−ルP2010、数平
均分子量2000)80.0重量部とDOP(フタル酸
ジ−2−エチルヘキシル)を100重量部混合し、これ
にヘキサメチレンジイソシアネートの3量体(日本ポリ
ウレタン(株)製商品名コロネートEH)13.4重量
部(NCO/OH比=0.85)、触媒としてジブチル
錫ジラウレート0.0078部を、1分間混合したもの
を準備しバンバリーミキサー投入口より流し入れた。反
応及び混合時間はこれより15分間行った。 【0041】反応終了後、得られたエラストマーを17
0℃のロール成形機にかけシートにしたのち、圧縮永久
歪(JISK6301)、全光線透過率(JISK71
05、1mm板使用)及びヘーズ(JISK7105、
1mm板使用)試験用に、試験片をプレス成形し圧縮永
久歪、全光線透過率及びヘーズを測定した。結果を以下
に示す。 【0042】圧縮永久歪 35% 全光線透過率 90% ヘーズ 12% また、このエラストマーのテトラヒドロフラン(以下T
HFと言う)不溶分を測定したところ28wt%であっ
た。 【0043】THF不溶分の測定方法は以下の通りであ
る。エラストマーを冷凍粉砕し正確に秤量する(X
g)。これを8時間THFによりソックスレー抽出を行
う。得られた抽出液を乾固し抽出液中のTHF可溶分を
正確に秤量する(Yg)。THF不溶分は次式 THF不溶分(wt%)=100(X−Y)/X より求める。 【0044】実施例2 実施例1において3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ルとアジピン酸を縮合重合して得られるポリマーポリオ
ール(クラポールP2010)の代わりに3−メチル−
1,5−ペンタンジオールとアジピン酸を縮合重合して
得られるポリマーポリオール((株)クラレ製、商品名
クラポ−ルP4010、数平均分子量4000)10
0.0重量部ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体
13.4重量部の代わりに9.8重量部(NCO/OH
比=1.00)を用いた他は全て実施例1と同様にして
エラストマ−を得、この圧縮永久歪、全光線透過率及び
ヘーズを測定した。結果を以下に示す。 【0045】圧縮永久歪 36% 全光線透過率 90% ヘーズ 13% また、このエラストマーのTHF不溶分を測定したとこ
ろ33wt%であった。 【0046】比較例1 実施例1において3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ルとアジピン酸を縮合重合して得られるポリマーポリオ
ールクラポールP2010の代わりに3−メチル−1,
5−ペンタンジオールとアジピン酸を縮合重合して得ら
れるポリマーポリオール((株)クラレ製、商品名クラ
ポ−ルP1010、数平均分子量1000)69.4重
量部、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体13.
4重量部の代わりに24.0重量部(NCO/OH比=
0.85)を用いた他は全て実施例1と同様にしてエラ
ストマ−を得、この圧縮永久歪、全光線透過率及びヘー
ズを測定した。結果を以下に示す。 【0047】圧縮永久歪 36% 全光線透過率 78% ヘーズ 90% また、このエラストマーのTHF不溶分を測定したとこ
ろ27wt%であった。 【0048】比較例2 実施例1において3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ルとアジピン酸を縮合重合して得られるポリマーポリオ
ールクラポールP2010の代わりに1,2−エタンジ
オール及び1,4−ブタンジオールとアジピン酸を縮合
重合して得られるポリマーポリオール(三洋化成工業
(株)製、商品名サンエスター24640、数平均分子
量2000)80.0重量部を用いた他は全て実施例1
と同様にしてエラストマ−を得、この圧縮永久歪、全光
線透過率及びヘーズを測定した。結果を以下に示す。 【0049】圧縮永久歪 37% 全光線透過率 80% ヘーズ 90% また、このエラストマーのTHF不溶分を測定したとこ
ろ26wt%であった。 【0050】比較例3 実施例1において3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ルとアジピン酸を縮合重合して得られるポリマーポリオ
ールクラポールP2010の代わりに1,4−ブタンジ
オールとアジピン酸を縮合重合して得られるポリマーポ
リオール(日本ポリウレタン(株)製、商品名ニッポラ
ン4010、数平均分子量2000)80.0重量部を
用いた他は全て実施例1と同様にしてエラストマ−を
得、この圧縮永久歪、全光線透過率及びヘーズを測定し
た。結果を以下に示す。 【0051】圧縮永久歪 37% 全光線透過率 78% ヘーズ 91% また、このエラストマーのTHF不溶分を測定したとこ
ろ27wt%であった。 【0052】比較例4 実施例1において3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ルとアジピン酸を縮合重合して得られるポリマーポリオ
ールクラポールP2010の代わりに1,2−エタンジ
オールとアジピン酸を縮合重合して得られるポリマーポ
リオール(日本ポリウレタン(株)製、商品名ニッポラ
ン4040、数平均分子量2000)80.0重量部を
用いた他は全て実施例1と同様にしてエラストマ−を
得、この圧縮永久歪、全光線透過率及びヘーズを測定し
た。結果を以下に示す。 【0053】圧縮永久歪 38% 全光線透過率 79% ヘーズ 91% また、このエラストマーのTHF不溶分を測定したとこ
ろ26wt%であった。 【0054】比較例5 実施例1において3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ルとアジピン酸を縮合重合して得られるポリマーポリオ
ールクラポールP2010の代わりにポリプロピレング
リコール(三洋化成工業(株)製、商品名サンニック
ス、数平均分子量4000)80.0重量部を用いた他
は全て実施例1と同様にしてエラストマ−を得、この圧
縮永久歪、全光線透過率及びヘーズを測定した。結果を
以下に示す。 圧縮永久歪
40% 全光線透過率 80% ヘーズ 90% また、このエラストマーのTHF不溶分を測定したとこ
ろ25wt%であった。 【0055】比較例6 実施例1においてポリマーポリオールクラポールP20
10を80.0重量部の代わりに87.4重量部、また
ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体13.4重量
部の代わりにヘキサメチレンジイソシアネート6.0重
量部(NCO/OH比=0.85)を用いた他は全て実
施例1と同様にして圧縮永久歪、全光線透過率及びヘー
ズを測定した。結果を以下に示す。 【0056】圧縮永久歪 60% 全光線透過率 91% ヘーズ 5% また、ここで得られた物のTHF不溶分を測定したとこ
ろ0.1wt%以下であった。 【0057】比較例7 実施例1においてDOP100重量部を用いない他は全
て実施例1と同様にしてエラストマ−を得、この圧縮永
久歪、全光線透過率及びヘーズを測定した。結果を以下
に示す。 【0058】圧縮永久歪 38% 全光線透過率 73% ヘーズ 91% また、ここで得られたもののTHF不溶分を測定したと
ころ47wt%であった。 【0059】比較例8 実施例1においてポリマーポリオールクラポールP20
10、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体を用い
ない他は全て実施例1と同様にしてエラストマ−を得、
この圧縮永久歪、全光線透過率及びヘーズを測定した。
結果を以下に示す。 【0060】圧縮永久歪 52% 全光線透過率 90% ヘーズ 5% また、ここで得られた物のTHF不溶分を測定したとこ
ろ0.1wt%以下であった。 【0061】比較例9 実施例1において3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ルとアジピン酸を縮合重合して得られるポリマーポリオ
ールクラポールP2010の代わりに3−メチル−1,
5−ペンタンジオールとアジピン酸を縮合重合して得ら
れるポリマーポリオール((株)クラレ製、商品名クラ
ポ−ルP510、数平均分子量500)56.8重量
部、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体13.4
重量部の代わりに36.6重量部(NCO/OH比=
0.85)を用いた他は全て実施例1と同様にしてエラ
ストマ−を得、この圧縮永久歪、全光線透過率及びヘー
ズを測定した。結果を以下に示す。 【0062】圧縮永久歪 35% 全光線透過率 78% ヘーズ 90% また、このエラストマーのTHF不溶分を測定したとこ
ろ26wt%であった。 【0063】比較例10 実施例1において3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ルとアジピン酸を縮合重合して得られるポリマーポリオ
ールクラポールP2010の代わりに2−メチル−1,
8−オクタンジオール及び1,4−ブタンジオールとア
ジピン酸を縮合重合して得られるポリマーポリオール
((株)クラレ製、商品名クラポールPNOA200
0、数平均分子量2000)80.0重量部を用いた他
は全て実施例1と同様にしてエラストマ−を得、この圧
縮永久歪、全光線透過率及びヘーズを測定した。結果を
以下に示す。 【0064】圧縮永久歪 38% 全光線透過率 78% ヘーズ 90% また、このエラストマーのTHF不溶分を測定したとこ
ろ26wt%であった。 【0065】比較例11 実施例1において3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ルとアジピン酸を縮合重合して得られるポリマーポリオ
ールクラポールP2010の代わりに1,9−ノナンジ
オール及び1,4−ブタンジオールとアジピン酸を縮合
重合して得られるポリマーポリオール((株)クラレ
製、商品名クラポールPNA−2000、数平均分子量
2000)80.0重量部を用いた他は全て実施例1と
同様にしてエラストマ−を得、この圧縮永久歪、全光線
透過率及びヘーズを測定した。結果を以下に示す。 【0066】圧縮永久歪 33% 全光線透過率 79% ヘーズ 91% また、このエラストマーのTHF不溶分を測定したとこ
ろ28wt%であった。 【0067】比較例12 実施例1において3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ルとアジピン酸を縮合重合して得られるポリマーポリオ
ールクラポールP2010の代わりに1,2−エタンジ
オール及び1,4−ブタンジオールとアジピン酸を縮合
重合して得られるポリマーポリオール(三洋化成工業
(株)製、商品名サンエスターNo.22、数平均分子
量1000)70.7重量部、ヘキサメチレンジイソシ
アネートの3量体13.4重量部の代わりに22.7重
量部(NCO/OH比=0.85)を用いた他は全て実
施例1と同様にしてエラストマ−を得、この圧縮永久
歪、全光線透過率及びヘーズを測定した。結果を以下に
示す。 【0068】圧縮永久歪 36% 全光線透過率 77% ヘーズ 91% また、このエラストマーのTHF不溶分を測定したとこ
ろ26wt%であった。 【0069】実施例3 実施例1において3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ルとアジピン酸を縮合重合して得られるポリマーポリオ
ールクラポールP2010を80.0重量部用いる代わ
りに42.8重量部、ヘキサメチレンジイソシアネート
の3量体13.4重量部の代わりに7.17重量部(N
CO/OH比=0.85)を用いた他は全て実施例1と
同様にしてエラストマ−を得、この圧縮永久歪、全光線
透過率及びヘーズを測定した。結果を以下に示す。 【0070】圧縮永久歪 47% 全光線透過率 90% ヘーズ 10% また、このエラストマーのTHF不溶分を測定したとこ
ろ18.0wt%であった。 【0071】比較例13 実施例1において3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ルとアジピン酸を縮合重合して得られるポリマーポリオ
ールクラポールP2010を80.0重量部用いる代わ
りに1,2−エタンジオール及び1,4−ブタンジオー
ルとアジピン酸を縮合重合して得られるポリマーポリオ
ール(三洋化成工業(株)製、商品名サンエスター24
640、数平均分子量2000)42.8重量部、ヘキ
サメチレンジイソシアネートの3量体13.4重量部の
代わりに7.17重量部(NCO/OH比=0.85)
を用いた他は全て実施例1と同様にしてエラストマ−を
得、この圧縮永久歪、全光線透過率及びヘーズを測定し
た。結果を以下に示す。 【0072】圧縮永久歪 48% 全光線透過率 82% ヘーズ 90% また、このエラストマーのTHF不溶分を測定したとこ
ろ17wt%であった。 【0073】比較例14 3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸を
縮合重合して得られるポリマーポリオール((株)クラ
レ製、商品名クラポ−ルP2010、数平均分子量20
00)80.0重量部とヘキサメチレンジイソシアネー
トの3量体(日本ポリウレタン(株)製商品名コロネー
トEH)13.4重量部(NCO/OH比=0.8
5)、ジブチル錫ジラウレート0.0078重量部を1
分間混合したものを準備し、120℃の乾燥機中のバッ
トの上へ広げ5時間反応させ反応を完結せしめた。この
ウレタン93.4078重量部と懸濁重合法により得ら
れたエチレン−塩化ビニル共重合体(リュ−ロンE−2
800,東ソ−(株)製)100重量部、DOP100
重量部、安定剤としてステアリン酸カルシウム1部を1
70℃のロール成形機で混合した後、シートにし、圧縮
永久歪(JISK6301)及びヘーズ(JISK71
05、1mm板使用)試験用に、試験片をプレス成形し
圧縮永久歪、全光線透過率及びヘーズを測定した。結果
を以下に示す。 【0074】圧縮永久歪 39% 全光線透過率 60% ヘーズ 91% また、この複合体のTHF不溶分を測定したところ25
wt%であった。 【0075】 【発明の効果】本発明によると、圧縮永久歪、透明性に
優れたPVC−PUエラストマ−が得られる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C08L 27/06
C08L 75/04 - 75/16
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】(1)ポリ塩化ビニル系重合体100重量
部に対し、(2)分子量が1500を越え、分子内に−
O−CH2−CH2−CH(CH3)−CH2−CO−基及
び/または−CO−O−CH2−CH2−CH(CH3)
−CH2−CH2−O−CO−基を10モル%以上含有す
るポリマーポリオールと(3)イソシアネート基3個以
上を有する化合物の合計量30重量部以上900重量部
以下、及び、(4)可塑剤10重量部以上500重量部
以下とを剪断力下、加熱溶融混合してなる透明性ポリ塩
化ビニル−ポリウレタンエラストマーの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34031592A JP3379123B2 (ja) | 1992-12-21 | 1992-12-21 | 透明性ポリ塩化ビニル−ポリウレタンエラストマーの製造法 |
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---|---|---|---|
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1992
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