JPH08165424A - 塩化ビニル系重合体−ポリウレタン複合体の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系重合体−ポリウレタン複合体の製造方法

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JPH08165424A
JPH08165424A JP31203594A JP31203594A JPH08165424A JP H08165424 A JPH08165424 A JP H08165424A JP 31203594 A JP31203594 A JP 31203594A JP 31203594 A JP31203594 A JP 31203594A JP H08165424 A JPH08165424 A JP H08165424A
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JP
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weight
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vinyl chloride
pvc
polymer polyol
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JP31203594A
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Katsuro Mori
勝朗 森
Kazuyuki Okamoto
和幸 岡本
Yasunobu Adachi
康信 足立
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Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低硬度で良好な圧縮永久歪特性及び外観を
有する塩化ビニル系重合体−ポリウレタン複合体を高い
生産性で製造する方法を提供する。 【構成】 塩化ビニル系重合体100重量部に対し、
ポリマーポリオールを200重量部以上800重量部以
下、イソシアネート基3個以上を有するイソシアネート
化合物をイソシアネート化合物とポリマーポリオールに
おけるイソシアネート基と水酸基のモル比が0.3以上
0.8以下になる量、可塑剤を10重量部以上300重
量部以下及びウレタン化反応触媒を剪断力下、加熱溶融
混合することを特徴とする塩化ビニル系重合体−ポリウ
レタン複合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低硬度で良好な圧縮永久
歪特性及び外観を有する塩化ビニル系重合体(以下PV
Cと言う)、ポリウレタン(以下PUと言う)及び可塑
剤からなるPVC−PU複合体を高い生産性で製造する
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開平4−220416号公報には、塩
化ビニル樹脂100重量部に対し可塑剤5〜100重量
部を加えドライアップさせて得る塩ビ系樹脂組成物、水
酸基2個以上を有し、且つ分子量が300以上1000
0以下のポリマーポリオールを好ましくは10〜180
重量部とイソシアネート基3個以上を有するイソシアネ
ート化合物を好ましくはNCO/OHモル比(イソシア
ネート基と水酸基のモル比)が0.3〜1.3の範囲に
入る量のイソシアネート化合物とを剪断力下、加熱溶融
混合して得られるゲル化溶融性及び表面平滑性に優れた
塩化ビニル系樹脂組成物が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平4−2
20416号公報に記載されている塩化ビニル系樹脂組
成物は硬度が高く、低硬度化の要求に対して満足できる
ものではなかった。
【0004】そこで、本発明の目的は、低硬度で、良好
な圧縮永久歪特性及び外観を有するPVC−PU複合体
を高い生産性で製造する方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述のよう
な現状に鑑み、ポリマーポリオール(2)の配合量、イ
ソシアネート化合物とポリマーポリオールのNCO/O
Hモル比及び混練方法について種々検討した結果、本発
明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、塩化ビニル系重合体
(1)100重量部に対し、ポリマーポリオール(2)
を200重量部以上800重量部以下、イソシアネート
基3個以上を有するイソシアネート化合物(3)をイソ
シアネート化合物(3)とポリマーポリオール(2)に
おけるイソシアネート基と水酸基のモル比が0.3以上
0.8以下になる量、可塑剤(4)を10重量部以上3
00重量部以下及びウレタン化反応触媒(5)を剪断力
下、加熱溶融混合することを特徴とするPVC−PU複
合体の製造方法に関するものである。
【0007】以下本発明に関して詳細に説明する。
【0008】本発明で用いるPVC(1)とは、塩化ビ
ニル含有重合体で、塩化ビニル単独重合体、塩素化塩化
ビニル重合体、塩化ビニル単量体と共重合し得る単量体
の1種以上とのランダム共重合、グラフト共重合若しく
はブロック共重合して得られる塩化ビニル共重合体又は
これら重合体の2種以上の混合物を挙げることができ
る。
【0009】塩化ビニル単量体と共重合可能な単量体と
しては、塩化ビニル単量体と共重合可能な単量体であれ
ばいかなるものの使用することができ、例えばエチレ
ン、プロピレン、ブテン、ペンテンー1、ブタジエン、
スチレン、αーメチルスチレン、アクリロニトリル、塩
化ビニリデン、シアン化ビニリデン、メチルビニルエー
テル等のアルキルビニルエーテル類、酢酸ビニル等のカ
ルボン酸ビニルエステル類、メトキシスチレン等のアリ
ールエーテル類、ジメチルマレイン酸等のジアルキルマ
レイン酸類、フマル酸ジメチルエステル等のフマル酸エ
ステル類、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビ
ニルシラン類、アクリル酸ブチルエステル等のアクリル
酸アルキルエステル類又はメタクリル酸メチルエステル
等のメタクリル酸アルキルエステル類等を挙げることが
できる。
【0010】PVC(1)の重合度は特に制限は無くい
かなるものも使用できるが、成形加工性に優れる点から
1200以上4000以下のものが好適に使用される。
【0011】また、可塑剤(4)を含浸させる場合に
は、可塑剤(4)の吸収性に優れる点からPVC(1)
は懸濁重合法により得られたものであることが好まし
い。
【0012】さらに、PVC(1)としてエチレン−塩
化ビニル共重合体を用いることにより、柔軟性に優れた
PVC−PU複合体が得られるのでエチレン−塩化ビニ
ル共重合体を用いることが好ましい。
【0013】本発明で用いるポリマーポリオール(2)
とは、水酸基2個以上を有するものであり、例えばポリ
エステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポ
リカーボネート系ポリオール、ビニル系ポリオール、ジ
エン系ポリオール、ひまし油系ポリオール、シリコーン
系ポリオール若しくはポリオレフィン系ポリオール又は
これらの共重合体のポリオール等が挙げられ、これらの
1種または2種以上が使用される。
【0014】ポリマーポリオール(2)の分子量は特に
制限はなくいかなるものも使用できるが、ポリマーポリ
オールの取り扱い易さ、得られるPVC−PU複合体が
低硬度で良好な圧縮永久歪を発現する点から数平均分子
量が500以上8000以下であることが好ましい。
【0015】ポリエステル系ポリオールは、例えばジカ
ルボン酸と短鎖ポリオールを縮合重合することによって
得られる。このときジカルボン酸成分としてはコハク
酸、グルタール酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸、ドデカン酸、フタル酸、イソフタル酸、テトラヒ
ドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水マ
レイン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられ、これら
の1種または2種以上が使用される。一方短鎖ポリオー
ル成分としては、脂肪族,脂環式,芳香族,置換脂肪族
若しくは複素環式のジヒドロキシ化合物、トリヒドロキ
シ化合物又はテトラヒドロキシ化合物等で、例えば1,
2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,
4−ブタンジオール、ブテンジオール、3−メチル−
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,10−デカメチレンジオール、2,5−ジメチ
ル−2,5−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、
1,9−ノナンジオール、ビス(β−ヒドロキシエトキ
シ)ベンゼン、p−キシレンジオール、ジヒドロキシエ
チルテトラハイドロフタレート、トリメチロールプロパ
ン、グリセリン、2−メチルプロパン−1,2,3−ト
リオール又は1,2,6−ヘキサントリオール等が挙げ
られ、これらの1種または2種以上が使用される。
【0016】ポリエステル系ポリオールを得る別の方法
として、β−プロピオラクトン、ビバロラクトン、δ−
バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、ε
−カプロラクトン、メチル−ε−カプロラクトン、ジメ
チル−ε−カプロラクトン又はトリメチル−ε−カプロ
ラクトン等のラクトン化合物の1種または2種以上を、
前記の短鎖ポリオール成分から選ばれる1種または2種
以上のヒドロキシ化合物と共に反応せしめる方法による
ことも可能である。
【0017】ポリエーテル系ポリオールとしては、例え
ばポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール又はポリオキシプロピ
レングリコール等が挙げられこれらの1種または2種以
上が使用される。
【0018】ポリカーボネート系ポリオールとしては、
前記の短鎖ポリオールから選ばれるヒドロキシ化合物の
1種または2種以上とジアリールカーボネート、ジアル
キルカーボネートまたはエチレンカーボネートからエス
テル交換法によって得られたものが使用される。例え
ば、ポリ(1,6−ヘキサメチレンカーボネート)、ポ
リ(2,2’−ビス(4−ヒドロキシヘキシル)プロパ
ンカーボネート)等が工業的に生産されている。ポリカ
ーボネートポリオールを得る別の方法としては、いわゆ
るホスゲン法によることもできる。
【0019】その他、β−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、β−ヒドロキシエチルメタアクリレート等のヒドロ
キシ基を持つアクリル単量体とアクリル酸エステルとの
共重合によって得られるアクリル系ポリオール等のビニ
ル系ポリオール、ポリ(1,4−ブタジエン),ポリ
(1,2−ブタジエン)等よりなるジエン系ポリオー
ル、ポリプロピレングリコールリシノレート等のひまし
油系ポリオール、シリコーン系ポリオール又はポリオレ
フィン系ポリオール等も使用することができる。
【0020】本発明に用いられるポリマーポリオール
(2)の配合量は、低硬度で良好な圧縮永久歪を発現さ
せる点からPVC(1)100重量部に対して200重
量部以上800重量部以下である。200重量部未満で
ある場合、良好な圧縮永久歪特性を発現させるには、N
CO/OHモル比を大きくするか、ポリマーポリオール
の分子量を小さくする必要があり、その結果得られたP
VC−PU複合体の硬度が高くなる。又、800重量部
を超える場合には、PVC−PU複合体の製造が困難と
なる場合が生じ好ましくない。
【0021】本発明で用いるイソシアネート基3個以上
を有するイソシアネート化合物(3)としては、例えば
ジイソシアネートのイソシアヌレート変性体,1,6,
11−ウンデカントリイソシアネート,リジンエステル
トリイソシアネート若しくは4−イソシアネートメチル
−1,8−オクタメチルジイソシアネート等のトリイソ
シアネート類又はジイソシアネートのビュレット変性
体,アロファネート変性体,アダクト体若しくはポリフ
ェニルメタンポリイソシアネート等の多官能イソシアネ
ート類等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使
用される。ジイソシアネートとしては、例えば2,4−
又は2,6−トリレンジイソシアネート、m−又はp−
フェニレンジイソシアネート、1−クロロフェニレン−
2,4−ジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソ
シアネート、メチレンビスフェニレン−4,4’−ジイ
ソシアネート、m−又はp−キシレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシ
アネート、4,4’−メチレンビスシクロヘキシルジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリメチ
ルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることがで
きる。
【0022】また、上記のジイソシアネート類を併用す
ることも可能である。ただし、この場合全イソシアネー
ト化合物のイソシアネート基モル数に対するトリイソシ
アネート化合物のイソシアネート基モル数は0.25以
上とすることが良好な圧縮永久歪特性を発現させる上で
好ましい。
【0023】また、上記ポリマーポリオール(2)とイ
ソシアネート化合物(3)におけるイソシアネート基と
水酸基のモル比(NCO/OHモル比)は、低硬度で良
好な圧縮永久歪を発現させる点から、0.3以上0.8
以下の範囲が好ましい。0.3未満では良好な圧縮永久
歪が得られなかったり、PVC−PU複合体の製造が困
難となる場合が生じる。又、0.8を超えるとポリマー
ポリオール(2)を増量しても硬度を下げることが困難
であり、得られたPVC−PU複合体のフィッシュアイ
の数が増大する場合が生じ好ましくない。
【0024】また、本発明において用いる可塑剤(4)
としては、例えばフタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジ
−2−エチルヘキシル(以下DOPと言う)、フタル酸
ジ−n−オクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジ
イソオクチル、フタル酸オクチルデシル、フタル酸ブチ
ルベンジル又はイソフタル酸ジ−2−エチルヘキシル等
のフタル酸系可塑剤;アジピン酸ジ−2−エチルヘキシ
ル、アジピン酸ジ−n−デシル、アジピン酸ジイソデシ
ル、セバシン酸ジブチル又はセバシン酸ジ−2−エチル
ヘキシルなどの脂肪族エステル系可塑剤;トリメリット
酸トリオクチル又はトリメリット酸トリデシル等のトリ
メリット酸系可塑剤;リン酸トリブチル、リン酸トリ−
2−エチルヘキシル、リン酸2−エチルヘキシルジフェ
ニル又はリン酸トリクレジル等のリン酸エステル系可塑
剤;エポキシ系大豆油などのエポキシ系可塑剤;ポリエ
ステル系高分子可塑剤等が挙げられ、これらの1種また
は2種以上が使用できる。
【0025】また可塑剤(4)の配合量は柔軟性付与、
ブリードアウト防止の点からPVC(1)100重量部
に対して10重量部以上300重量部以下が好適に使用
される。
【0026】本発明に用いるウレタン化反応触媒(5)
は特に限定はなく公知のものを用いることができる。例
えばトリエチルアミン、トリエチレンジアミン若しくは
N−メチルモルホリン等のアミン系触媒又はテトラメチ
ル錫、テトラオクチル錫、ジメチルジオクチル錫、トリ
エチル錫塩化物、ジブチル錫ジアセテート若しくはジブ
チル錫ジラウレート等の錫系触媒等が挙げられ、これら
の1種または2種以上が使用できる。ウレタン化反応触
媒(5)としては、触媒活性が高いことからジブチル錫
ジラウレートが好適に使用される。使用する触媒量は使
用する触媒の活性により異なるが、ウレタン化反応を完
結させるのに必要な量が好適に使用される。そして、ジ
ブチル錫ジラウレートを例にすると、生産性、成形加工
性に優れる点からPVC(1)、ポリマーポリオール
(2)、イソシアネート基3個以上を有するイソシアネ
ート化合物(3)及び可塑剤(4)の合計量に対して1
ppm以上1000ppm以下の量が好適に使用され
る。
【0027】本発明によるPVC−PU複合体には、そ
の性能を極端に低下させない程度にPVCに通常添加さ
れる安定剤(例えば、ステアリン酸亜鉛若しくはステア
リン酸バリウム等の金属石鹸、ラウリン酸錫等の有機錫
系安定剤、テトラフェニルポリプロピレングリコールジ
フォスファイト等のフォスファイト系安定剤又は過塩素
酸処理ハイドロタルサイト等のハイドロタルサイト系安
定剤が挙げられる)、滑剤(例えば、ステアリン酸亜鉛
等の金属石鹸、ポリエチレンワックス等の炭化水素系ワ
ックス又はn−ブチルステアレート等の脂肪酸エステル
系ワックス等が挙げられる)、着色剤、炭酸カルシウ
ム,タルク等に代表される無機充填材、三酸化アンチモ
ンやホウ酸亜鉛に代表される難燃剤などを必要に応じて
添加することができる。
【0028】本発明では、より硬度の低いPVC−PU
複合体を得るために、PVC(1)100重量部に対
し、ポリマーポリオール(2)を200重量部以上80
0重量部以下、イソシアネート基3個以上を有するイソ
シアネート化合物(3)をイソシアネート化合物(3)
とポリマーポリオール(2)におけるイソシアネート基
と水酸基のモル比が0.3以上0.8以下になる重量
部、可塑剤(4)を10重量部以上300重量部以下及
びウレタン化反応触媒(5)を剪断力下、加熱溶融混合
することによりポリマーポリオール(2)とイソシアネ
ート化合物(3)を反応させ、PUを生成し、PVC−
PU複合体を製造する。ここで予め、製造したPUをP
VC、可塑剤と溶融混合する方法では、得られるPVC
−PU複合体の硬度が高くなる場合が生じる。
【0029】PUをPVC、ポリマーポリオール、イソ
シアネート基3個以上を有するイソシアネート化合物、
可塑剤、ウレタン化反応触媒を剪断力下、加熱溶融混合
することにより生成させるには、例えばバンバリーミキ
サー(ファレル社製)、加圧ニーダー((株)森山製作
所製)、インターナルミキサー(栗本鉄工所製)若しく
はインテンシブミキサー(日本ロール製造(株)製)等
の機械加圧式混練機、ロール成形機又は押出し成形機等
プラスチック若しくはゴムの加工に使用される混練成形
機が使用できる。加熱溶融混合する温度は90〜220
℃である。90℃未満ではPVCの溶融が困難であり、
また220℃を越える場合ではPVCが熱分解を起こす
恐れがある。そして、安定的にPVC−PU複合体を製
造するためには、加熱溶融混合温度は100〜150℃
とすることが好ましい。。
【0030】また、本発明では、剪断力下、加熱溶融混
合するに際し、得られるPVC−PU複合体に、フィッ
シュアイがあまり見られず、熱劣化により黄変の可能性
が低いことから溶融混合物の温度が160℃以上200
℃以下に到達するまで剪断力下、加熱溶融混合を行うこ
とが好ましい。
【0031】本発明では、PVC−PU複合体の生産性
に優れる点から剪断力下、加熱溶融混合する前にPVC
(1)100重量部に対し、予め10重量部以上150
重量部以下の可塑剤(4)をPVC(1)に含浸せしめ
ておくことが好ましい。
【0032】予めPVCに可塑剤(4)10重量部以上
150重量部以下を含浸させるには、例えばジャケット
付きリボンブレンダー、ヘンシェルミキサー(三井三池
製作所製)又はスーパーミキサー(川田製作所製)等の
混合機を用いて含浸させることができる。このような混
合機を用いる場合、PVCを混合機に投入した後、撹拌
下これに所定量の可塑剤を添加し、樹脂温度が90〜1
50℃になるまで混合を続けることにより、PVCが分
解すること無く、PVC粉体に可塑剤が含浸されて流動
性のある粉体状混合物が得られる。
【0033】ウレタン化反応触媒(5)は予め、可塑剤
(4)と混合した後に混合機に投入しても良いし、別々
に投入しても良いが予め混合した後に投入する方が好ま
しい。
【0034】またPVC用安定剤は予め、混合機を用い
てPVCに混合しておくことが好ましい。
【0035】液状安定剤は予め、可塑剤(4)中に添加
しておいても良い。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0037】合成例1 内容積20リットルのヘンシェルミキサーに懸濁重合法
により得られたエチレン−塩化ビニル共重合体(東ソ−
(株)製、商品名リュ−ロンE−2800)2000
g、安定剤としてステアリン酸バリウム40g、ステア
リン酸亜鉛20g、過塩素酸処理ハイドロタルサイト
(日産フェロ有機化学(株)製、商品名BP−331)
30gを仕込み950rpmの回転速度で1分間撹拌し
た。またこれとは別にDOP2000gとジブチル錫ジ
ラウレート(ウレタン化反応触媒)0.5gを1分間混
合したものを準備した。これを上記ヘンシェルミキサー
に加え混合物の温度が110℃になるまで撹拌混合を行
った。混合物は容易に流動し得る粉体状混合物となっ
た。
【0038】合成例2 DOP2000gの代わりにDOP1400gを使用し
た以外は合成例1と同様に実施して粉体状混合物を得
た。
【0039】合成例3 DOP2000gの代わりにDOP1000gを使用し
た以外は合成例1と同様に実施して粉体状混合物を得
た。
【0040】実施例1 内容積1700cc、ケーシング温度150℃のバンバ
リー型ミキサーに懸濁重合法により得られたエチレン−
塩化ビニル共重合体(東ソ−(株)製、商品名リュ−ロ
ンE−2800)100重量部、安定剤としてステアリ
ン酸バリウム2重量部、ステアリン酸亜鉛1重量部、過
塩素酸処理ハイドロタルサイト(日産フェロ有機化学
(株)製、商品名BP−331)1.5重量部を仕込み
一定回転速度で撹拌した。またこれとは別に、80℃に
加熱したDOP(フタル酸ジ−2−エチルヘキシル)1
00重量部、ジブチル錫ジラウレート(ウレタン化反応
触媒)0.025重量部及びヘキサメチレンジイソシア
ネートのイソシアヌレート変性体(日本ポリウレタン
(株)製、商品名コロネートHX)34重量部を1分間
混合した後、更にこれに80℃に加熱したポリマーポリ
オール(日本ポリウレタン(株)製、商品名ニッポラン
4067、数平均分子量2000)266重量部(NC
O/OHモル比=0.65)を入れ1分間混合したもの
を準備しバンバリー型ミキサー投入口より流し入れた。
内容物は全量で1540gであった。剪断力下、加熱溶
融混合を行い、10分後溶融混合物の温度が175℃に
到達したところで排出し、PVC−PU複合体を得た。
【0041】得られたPVC−PU複合体を130℃の
ロール成形機にかけシート状にした。得られたシートの
色相を目視により判断した。
【0042】また、JIS−A硬度(JISK630
1)、圧縮永久歪(JISK6301)試験用に、試験
片をプレス成形しJIS−A硬度、圧縮永久歪を測定し
た。
【0043】得られたシート150gと群青2.5gを
130℃のロール成形機で5分間混練し厚さ0.35m
mのシートを得た。シート中の50cm2当たりの0.
1mm以上の大きさの粒子(群青が分散せず白色または
透明の粒子:F.E.(フィッシュアイ))の個数を測
定し、外観評価を行った。
【0044】評価結果を表2に示す。
【0045】比較例1 ポリマーポリオール(日本ポリウレタン(株)製、商品
名ニッポラン4067、数平均分子量2000)133
0gとヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレ
ート変性体(日本ポリウレタン(株)製、商品名コロネ
ートHX)170g(NCO/OHモル比=0.65)
を1分間混合したものを準備し、120℃の乾燥機中の
バットの上へ広げ10時間反応させ反応を完結せしめ
た。これより得られたウレタン1140gと懸濁重合法
により得られたエチレン−塩化ビニル共重合体(東ソ−
(株)製、商品名リュ−ロンE−2800)380g、
DOP380g、安定剤としてステアリン酸バリウム
7.6g、ステアリン酸亜鉛3.8g、過塩素酸処理ハ
イドロタルサイト(日産フェロ有機化学(株)製、商品
名BP−331)5.7gを150℃のロール成形機で
15分混合を行った。その後、シート状にし、JIS−
A硬度(JISK6301)、圧縮永久歪(JISK6
301)試験用に、試験片をプレス成形しJIS−A硬
度、圧縮永久歪を測定した。評価結果を表2に示す。
【0046】実施例2 内容積1700cc、ケーシング温度150℃のバンバ
リー型ミキサーに合成例1により得られた粉体204.
525重量部を仕込み一定回転速度で撹拌した。またこ
れとは別に、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシ
アヌレート変性体(日本ポリウレタン(株)製、商品名
コロネートHX)34重量部、80℃に加熱したポリマ
ーポリオール(日本ポリウレタン(株)製、商品名ニッ
ポラン4067、数平均分子量2000)266重量部
(NCO/OHモル比=0.65)を入れ1分間混合し
たものを準備しバンバリー型ミキサー投入口より流し入
れた。内容物は全量で1540gであった。剪断力下、
加熱溶融混合を行い、5分後溶融混合物の温度が175
℃に到達したところで排出し、PVC−PU複合体を得
た。
【0047】得られたPVC−PU複合体を実施例1と
同様に評価を行った。評価結果を表2に示す。
【0048】比較例2 ポリマーポリオール(日本ポリウレタン(株)製、商品
名ニッポラン4067、数平均分子量2000)266
重量部、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌ
レート変性体(日本ポリウレタン(株)製、商品名コロ
ネートHX)34重量部(NCO/OHモル比=0.6
5)の代わりに、ポリマーポリオール((株)クラレ
製、商品名クラポールP4010、数平均分子量400
0)950重量部、ヘキサメチレンジイソシアネートの
イソシアヌレート変性体51重量部(NCO/OHモル
比=0.55)を使用した以外は、実施例2と同様に製
造を行った。しかし、20分間混練を続けても粘着性の
ある糊状にしかならず、バンバリー型ミキサーより取り
出すことも困難であり、評価は行えなかった。
【0049】比較例3 ポリマーポリオール(日本ポリウレタン(株)製、商品
名ニッポラン4067、数平均分子量2000)266
重量部、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌ
レート変性体(日本ポリウレタン(株)製、商品名コロ
ネートHX)34重量部(NCO/OHモル比=0.6
5)の代わりに、ポリマーポリオール(日本ポリウレタ
ン(株)製、商品名ニッポラン4067、数平均分子量
2000)289重量部、ヘキサメチレンジイソシアネ
ートのイソシアヌレート変性体11重量部(NCO/O
Hモル比=0.20)を使用した以外は、実施例2と同
様に製造を行った。しかし、20分間混練を続けても粘
着性のある糊状にしかならず、バンバリー型ミキサーよ
り取り出すことも困難であり、評価は行えなかった。
【0050】実施例3 ポリマーポリオール266重量部、ヘキサメチレンジイ
ソシアネートのイソシアヌレート変性体34重量部の代
わりに、ポリマーポリオール532重量部、ヘキサメチ
レンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体68重
量部使用した以外は実施例2と同様に製造、評価を行っ
た。結果を表2に示す。
【0051】実施例4 ポリマーポリオール(日本ポリウレタン(株)製、商品
名ニッポラン4067、数平均分子量2000)266
重量部、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌ
レート変性体34重量部(NCO/OHモル比=0.6
5)の代わりに、ポリマーポリオール((株)クラレ
製、商品名クラポールP4010、数平均分子量400
0)465重量部、ヘキサメチレンジイソシアネートの
イソシアヌレート変性体35重量部(NCO/OHモル
比=0.75)使用し、溶融混合物の温度が192℃に
到達したところで排出した以外は実施例2と同様に製
造、評価を行った。結果を表2に示す。
【0052】実施例5 合成例1により得られた粉体204.525重量部の代
わりに合成例2により得られた粉体174.525重量
部を使用したこと及び、ポリマーポリオール(日本ポリ
ウレタン(株)製、商品名ニッポラン4067、数平均
分子量2000)266重量部、ヘキサメチレンジイソ
シアネートのイソシアヌレート変性体34重量部(NC
O/OHモル比=0.65)の代わりに、ポリマーポリ
オール((株)クラレ製、商品名クラポールP510、
数平均分子量500)350重量部、ヘキサメチレンジ
イソシアネートのイソシアヌレート変性体150重量部
(NCO/OHモル比=0.55)使用し、溶融混合物
の温度が170℃に到達したところで排出した以外は実
施例2と同様に製造、評価を行った。結果を表2に示
す。
【0053】比較例4 合成例1により得られた粉体204.525重量部の代
わりに合成例3により得られた粉体154.525重量
部を使用したこと及び、ポリマーポリオール266重量
部、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレー
ト変性体34重量部(NCO/OHモル比=0.65)
の代わりに、ポリマーポリオール180重量部、ヘキサ
メチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体3
0重量部(NCO/OHモル比=0.85)使用した以
外は実施例2と同様に製造、評価を行った。結果を表2
に示す。
【0054】比較例5 ポリマーポリオール266重量部、ヘキサメチレンジイ
ソシアネートのイソシアヌレート変性体34重量部の代
わりに、ポリマーポリオール180重量部、ヘキサメチ
レンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体23重
量部使用した以外は実施例2と同様に製造、評価を行っ
た。結果を表2に示す。
【0055】比較例6 ポリマーポリオール(日本ポリウレタン(株)製、商品
名ニッポラン4067、数平均分子量2000)266
重量部、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌ
レート変性体34重量部(NCO/OHモル比=0.6
5)の代わりに、ポリマーポリオール(三洋化成工業
(株)製、商品名サンエスター24620、数平均分子
量2000)255重量部、ヘキサメチレンジイソシア
ネートのイソシアヌレート変性体45重量部(NCO/
OHモル比=0.85)を使用した以外は実施例2と同
様に製造、評価を行った。結果を表2に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【発明の効果】本発明による製造方法によると、低硬度
で良好な圧縮永久歪特性及び外観を有するPVC−PU
複合体を高い生産性で製造することが可能となる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル系重合体(1)100重量部に
    対し、ポリマーポリオール(2)を200重量部以上8
    00重量部以下、イソシアネート基3個以上を有するイ
    ソシアネート化合物(3)をイソシアネート化合物
    (3)とポリマーポリオール(2)におけるイソシアネ
    ート基と水酸基のモル比が0.3以上0.8以下になる
    量、可塑剤(4)を10重量部以上300重量部以下及
    びウレタン化反応触媒(5)を剪断力下、加熱溶融混合
    することを特徴とする塩化ビニル系重合体−ポリウレタ
    ン複合体の製造方法。
  2. 【請求項2】剪断力下、加熱溶融混合するに際し、溶融
    混合物の温度が160℃以上200℃以下に到達するま
    で剪断力下、加熱溶融混合を行うことを特徴とする請求
    項1に記載の塩化ビニル系重合体−ポリウレタン複合体
    の製造方法。
  3. 【請求項3】剪断力下、加熱溶融混合する前に塩化ビニ
    ル系重合体(1)100重量部に対し、予め10重量部
    以上150重量部以下の可塑剤(4)を塩化ビニル系重
    合体(1)に含浸せしめておくことを特徴とする請求項
    1または請求項2に記載の塩化ビニル系重合体−ポリウ
    レタン複合体の製造方法。
JP31203594A 1994-12-15 1994-12-15 塩化ビニル系重合体−ポリウレタン複合体の製造方法 Pending JPH08165424A (ja)

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