JP3446155B2 - ブラインド遮蔽による電磁遮蔽ビル - Google Patents

ブラインド遮蔽による電磁遮蔽ビル

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JP3446155B2 JP03034596A JP3034596A JP3446155B2 JP 3446155 B2 JP3446155 B2 JP 3446155B2 JP 03034596 A JP03034596 A JP 03034596A JP 3034596 A JP3034596 A JP 3034596A JP 3446155 B2 JP3446155 B2 JP 3446155B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、周囲を電磁遮蔽材
からなる電磁遮蔽層で覆ってビル内空間を外部からの独
立した電磁遮蔽空間として構成する電磁遮蔽ビルに関す
る。 【0002】 【従来の技術】ビルの室内で通信用電波を使って無線通
信を行う方式について、本出願人は特開昭62−112
427号公報や特開昭62−230230号公報で提案
している。通信用電波を使って無線通信を行う場合、電
波法上の規制を受けることなく自由に周波数帯域を選択
できるようにするため、ビル自体を電磁遮蔽構造にする
ことが要求される。このような構造の電磁遮蔽ビルに関
しても、例えば特公平6−99972号公報や特公平6
−99973号公報、特公平7−16118号公報、特
公平6−76706号公報では、ビルの躯体や外壁の遮
蔽構造について提案し、特公平6−99971号公報や
特公平6−33699号公報、特公平6−13822号
公報では、ビルの出入口の遮蔽構造について、特公平6
−63407号公報や特公平5−79790号公報、特
公平3−58557号公報では、窓開口部の遮蔽構造に
ついて提案している。また、特公平3−62320号公
報や特公平3−45972号公報、特公平3−6231
8号公報、特公平5−34159号公報では、天井や階
層別の遮蔽構造について提案している。 【0003】これらの提案に見られるように、電磁遮蔽
ビルは、躯体や壁構造体に電磁遮蔽材を用い、さらに窓
や出入口等の開口部にも電磁遮蔽材を用いてビルの外壁
に沿って全面を電磁遮蔽材で覆うようにすることによ
り、ビル内の空間を外部と独立した1つの電磁遮蔽空間
として構成することができる。また、ビル内を1つの電
磁遮蔽空間としてではなく、各フロア毎に上下の天井や
床において電磁遮蔽材で仕切り、或いは各フロアにおい
て部屋間の壁を電磁遮蔽材で仕切ることによって、各フ
ロア毎、或いは各部屋毎に独立した複数の電磁遮蔽空間
を構成することができる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記のような電磁遮蔽
ビルにおいて、窓開口部の電磁遮蔽を行う場合には、電
磁遮蔽層として、窓ガラスの1面或いは両面に金属等の
導電性材料による薄い膜を形成したものが用いられる。
このようなガラスは、電磁遮蔽層が導電性材料という限
定した材料となるため、その材料によってガラスの色合
いも決まってしまう。そのため問題は、ビルの外壁の色
合いとの関係で、デザイン的に色調のバランスをとるの
が難しくなることである。 【0005】また、既設のビルを電磁遮蔽ビルとしてリ
ニューアルしようとする場合には、当然、躯体が電磁遮
蔽性能を有していないため、壁や床、天井には、金属メ
ッシュや金属箔、導電性繊維を用いたシート、導電性塗
料等の電磁遮蔽材をその内面や内装材との間に貼り、窓
開口部は、電磁遮蔽層を有するガラスと取り替えること
によって実現できるが、一般に電磁遮蔽層付きガラスは
コストが高く、また、上記のように色合いを自由に選択
することができないという問題もある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するものであって、窓開口部の電磁遮蔽を簡便に行
うことができるものである。 【0007】そのために本発明は、周囲を電磁遮蔽材か
らなる電磁遮蔽層で覆ってビル内空間を外部からの独立
した電磁遮蔽空間として構成する電磁遮蔽ビルにおい
て、ブレードの表裏面に導電体と磁性体を用いたブライ
ンド、該ブラインドの両側に配置される電波吸収材、前
記ブラインドの下端と腰壁との間に配置される導電性ガ
スケットにより窓開口部の内側を塞ぎ、窓開口部の電磁
遮蔽を行うことを特徴とするものである。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。図1は本発明のブラインド遮蔽
による電磁遮蔽ビルの実施の形態を示す図、図2は窓開
口部遮蔽の詳細断面を示す図である。図中、1はブライ
ンド、2は電波吸収材、3は導電性ガスケット、4は
壁、5は電磁遮蔽層、6は方立、11はサッシ枠、12
はセッティングブロック、13はバックアップ材、14
はシーリング材、15はブラインドボックス、16はブ
ラインド吊り具、17は接続蛇腹を示す。 【0009】図1において、壁4は、例えば既設の電磁
遮蔽性能を有しない躯体の場合には、その内壁に金属メ
ッシュや金属箔(フイルム)、不織布、その他導電性繊
維を用いたシート等を貼ったり、導電性塗料を塗って電
磁遮蔽層を設けたものである。これに対して、窓開口部
は、ブレードの一方の面を導電性材料や導電性塗料等か
らなる導電体、他方の面をフェライト等からなる磁性体
で構成したブラインド1を配置したものである。また、
昇降コードには、スチールを用いることにより、ブレー
ド間を電気的に接続して重なるようにする。 【0010】電波吸収材2は、ブラインド1を横方向に
並べて配置したとき、その両側、つまりブラインド1同
士の間に配置し、導電性ガスケット3は、ブラインド1
の下端と腰壁との間に配置して、ブラインドの左右両
端、下端の隙間から電波が漏洩するのを防ぐものであ
る。なお、上端部は、通常、金属製のブラインドボック
スの中に納まってしまうので、電波吸収材2や導電性ガ
スケット3のようなものがなくてもよいが、ブラインド
ボックスの形状や取り付け関係に応じて適宜配置しても
よいことはいうまでもない。 【0011】一般に使用されている電波は、その用途に
より周波数帯域が割り当てられるが、電界の偏波方向に
縦偏波のものと横偏波のものがある。一般のテレビやラ
ジオの放送等では、500kHz〜1GHzの周波数帯
域で横偏波の電波が使用されているのに対して、PHS
(パーソナル・ハンディホン・システム)や無線LAN
等では、1GHz〜3GHzの周波数帯域で縦偏波の電
波が使用されている。導電体である金属製のブラインド
で電磁遮蔽する場合には、縦型のブラインドを用いる
と、電界が縦偏波の電波を用いたPHSや無線LAN等
で一定の遮蔽レベルを達成することはできるのに対し、
横偏波の電波に対しては有効に遮蔽効果を得ることはで
きない。しかし、上記のような本発明のブラインド1に
よれば、互いに直角な方向の電界と磁界が空間的に同時
に存在し伝播する電波に対応して、ブレードの表裏面を
導電体と磁性体で構成しているため、電波の電界の偏波
方向が縦偏波或いは電界の偏波方向が横偏波のいずれで
あっても、一定の遮蔽レベルを達成することができ、窓
開口部における遮蔽レベルの低下を抑制することができ
る。何故なら、電界の偏波方向が横偏波の電波は、磁界
が縦偏波であり、縦方向に配置された磁性体によって電
波が遮蔽されるからである。 【0012】横型ブラインドを配置した例を縦断面図で
示したのが図2である。図2において、窓開口部は、壁
4に取り付け固定されたサッシ枠11に例えば2層構造
の窓ガラス10がセッティングブロック12、バックア
ップ材13、シーリング材14を用いて嵌め込まれてい
る。ブラインド1は、この窓開口部の内側のブラインド
ボックス15の中にブラインド吊り具16を取り付けて
吊り下げられ、例えばブラインド自体の昇降コードにス
チールを用いることにより、ブレード間が電気的に一体
に接続されている。そして、その下端部、腰壁の上に導
電性ガスケット3が配置され、壁の内側に電磁遮蔽層5
が配置されて、ブラインドボックス15から電磁遮蔽層
5まで電気的に一体に接続されている。接続蛇腹19
は、導電性材料を使用したものであり、ブラインドボッ
クス16を例えばスラブのデッキプレート(金属製)に
電気的に接続するものである。また、図2(b)に示す
ように窓開口部の方立6の部分にブラインド1の横方向
の継ぎ目で隙間が生じる場合、この部分に電波吸収材2
が配置されている。このように窓ガラス10に電磁遮蔽
ガラスを用いなくても、その内側のブラインド1を用い
た窓開口部の電磁遮蔽構造が実現できる。勿論、窓ガラ
スとして、断熱複層ガラスや熱線反射フイムルガラスを
用いた場合には、金属製膜がコーティングされ、一定の
遮蔽レベルを有するので、窓開口部としての遮蔽レベル
を高める効果があり、電磁遮蔽ガラスを用いればさらに
その効果が高まることはいうまでもない。 【0013】なお、本発明は、上記の実施例に限定され
るものではなく、種々の変形が可能である。例えば上記
の実施例では、躯体が電磁遮蔽性能を有しない既設ビル
を電磁遮蔽ビルとしてリニューアルする場合を説明した
が、電磁遮蔽材を用いて躯体全体を遮蔽構造体とする新
設ビルであっても、同様に窓開口部を構成してもよいこ
とはいうまでもない。また、PHSや無線LANでは、
使用電波の偏波面が縦であることから、導電性材料を用
いた縦型ブラインド、例えば不織布ブラインド等を配置
するだけでもよい。さらには、ロール型やプリーツ型の
ブラインドを用いるようにしてもよいことはいうまでも
ない。 【0014】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、窓開口部の内側にブレードの表裏面を導電体
と磁性体で構成したブラインドを配置して偏波方向に関
係なく所定の遮蔽レベルを確保できるようにするので、
窓ガラスに従来より使用されている断熱複層ガラスや熱
線反射フィルムガラスを用いることができる。したがっ
て、既設ビルを電磁遮蔽ビルとしてリニューアルしよう
とする場合にも、窓開口部の施工費を低減することがで
き、また、窓ガラスとブラインドとの組み合わせによ
り、要求にあった遮蔽レベルの達成が容易になる。しか
も、ブラインドと組み合わせることにより、窓ガラスの
選択範囲が広くとれるので、外壁の色デザインに合わせ
て窓ガラスを選択することができ柔軟に対応することが
できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明のブラインド遮蔽による電磁遮蔽ビル
の実施の形態を示す図である 【図2】 窓開口部遮蔽の詳細断面を示す図である。 【符号の説明】 1…ブラインド、2…電波吸収材、3…導電性ガスケッ
ト、4…壁、5…電磁遮蔽層、6…方位、11…サッシ
枠、12…セッティングブロック、13…バックアップ
材、14…シーリング材、15…ブラインドボックス、
16…ブライント吊り具、17…接続蛇腹
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−37175(JP,A) 特開 平2−119200(JP,A) 特開 平5−5385(JP,A) 特開 昭62−111046(JP,A) 特開 平2−210133(JP,A) 特開 平5−125880(JP,A) 特開 平6−97693(JP,A) 実開 平5−49998(JP,U) 実開 昭63−75095(JP,U) 実開 平2−2995(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 9/00 E04B 1/92 E06B 9/24 - 9/388

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 周囲を電磁遮蔽材からなる電磁遮蔽層で
    覆ってビル内空間を外部からの独立した電磁遮蔽空間と
    して構成する電磁遮蔽ビルにおいて、ブレードの表裏面
    に導電体と磁性体を用いたブラインド、該ブラインドの
    両側に配置される電波吸収材、前記ブラインドの下端と
    腰壁との間に配置される導電性ガスケットにより窓開口
    部の内側を塞ぎ、窓開口部の電磁遮蔽を行うことを特徴
    とするブラインド遮蔽による電磁遮蔽ビル。
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