JP3445457B2 - 難燃性塩化ビニル樹脂成形体 - Google Patents
難燃性塩化ビニル樹脂成形体Info
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Description
形体であって、熱分解時の腐食性ガスの発生を抑制する
ように改良した難燃性の塩化ビニル樹脂成形体に関す
る。
特に、硬質塩化ビニル樹脂は、熱可塑性樹脂として成形
性がよく機械的強度も高く、安価であり、化学的に酸や
アルカリに対しても安定で、電気的にも電気絶縁性が良
好であり、近年は、このような性質を利用して、容器類
や器具の形成に使用され、また、機械類、装置の構造部
材としても広く使用され、半導体製造装置にも使用され
ている。
それ自体が難燃性ではあるが、耐熱性が悪くて200℃
以上に加熱されるとポリ塩化ビニルが熱分解をし始め、
分解には、分解した有機物質の放散による発煙を起こ
し、250℃以上では、塩素や塩化水素などのガスが発
生するようになる。塩化ビニル樹脂成形体を使用した装
置において火災が生じると、加熱された塩化ビニル樹脂
の成形体が、発煙しながら分解し、塩素等の有害な腐食
性のガスを発生させることになる。そのため、従来は、
塩化ビニル樹脂の難燃性を改善するに、三酸化アンチモ
ン、水酸化アルミニウム(含水アルミナ)等の難燃剤が
添加されていた。
導体製造施設内の装置に使用されるものである場合に
は、塩化ビニル樹脂を使用した装置機械の耐燃焼性を高
めるためにも、施設全体の防災機能を高めることから
も、塩化ビニル樹脂成形体には一層の難燃性が要求され
ている。また、火災の際に燃焼中の塩化ビニル樹脂が発
煙することは、粉塵が同施設内の空気清浄度を低下さ
せ、その周辺の精密装置や半導体部品を汚染させるの
で、その発煙量を抑制することが望まれている。
業員に有害であり、密閉された半導体製造施設内の周辺
の精密装置や半導体部品を汚染させたり腐食させるの
で、その発生量もまた厳しく規制される。
脂成形体には、加熱時に難燃性と難発煙性が要求される
と同時に、腐食性ガスの発生を少なくするような性質な
いし性能が要求されており、これらの性能評価のために
は、ファクトリー・ミューチュアル・システム(北米を
根拠とする産業相互保険組織)の定める評価基準が有効
で且つ利用されつつある。
成形体の難燃性を示す延焼指標FPI、発煙性を示す発
煙指標SDI、及び腐食性ガス発生の腐食指標CDIが
規定されている。
クトリー・ミューチュアル・システムにより、FPIが
6以下で、SDIが0.4以下、且つ、CDIが2以下
であることが要求されている。これらの指標の中で、F
PIとSDIの基準については、従来技術で比較的容易
に達成できる可能性があるが、これらの基準を満たした
うえで腐食性ガス発生に関連したCDIを2以下とする
ことについては、なお解決すべき具体的課題を残してい
る。さらに、これら熱的性能付与によっても塩化ビニル
樹脂成形体の機械的性質や成形性・加工性等を極力低下
させないような方策も重要となる。
に優れ、発煙量が少なく、腐食性ガスの発生量の少ない
工業用の、特に、半導体製造用の塩化ビニル樹脂の成形
体を提供せんとするものである。
成形体は、ポリ塩化ビニルに熱分解時の腐食性ガス発生
量を低減させるための腐食性ガス抑制剤として、三酸化
アンチモンとモリブデン化合物とを組合せて添加して成
形して成り、半導体製造装置用の硬質の難燃性樹脂成形
体とするものである。
化ビニルの熱分解に伴って発生する塩素(Cl2)ガス
と塩化水素(HCl)ガスを主に言うが、上記腐食性ガ
ス抑制剤は、この腐食性ガスの塩化ビニル樹脂成形体単
位重量当たりの発生量を低下させるものである。
粉末は、難燃剤として作用し、その難燃効果により腐食
性ガスを抑制する物質であり、樹脂中の塩素の存在によ
って樹脂の難燃性を発揮するものとして知られており、
難燃化された樹脂からの腐食性ガス抑制にも効果があ
る。三酸化アンチモンの配合は、ポリ塩化ビニル100
重量部に対して2〜50重量部の添加が好ましい。
モリブデン、オクタモリブデン酸アンモンなどの粉末も
難燃剤として利用され、ポリ塩化ビニルを難燃化して、
その結果腐食性ガスの発生を抑制することが可能であ
る。三酸化モリブデンの配合は、ポリ塩化ビニル100
重量部に対して2〜50重量部の添加が好ましい。
ビニル中に配合されるが、難燃剤の配合量及び下記の添
加剤等の配合も勘案して、成形体が上記の指数FPI≦
6、SDI≦0.4、且つ、CDI≦2の要件を満たす
ようにその配合量が総合的に決められる。
ビニルに対して、上記の腐食性ガス抑制剤、難燃剤とと
もに、加工助剤、滑剤、安定剤が添加されて、配合調整
される。
与するための添加剤であって、例えば、臭素化エポキシ
化合物、アクリル系加工助剤、塩素化ポリエチレンがあ
る。腐食性ガス抑制剤を多量に添加すると、その成形体
の成形性ないし加工性を低下させる惧れがあり、このよ
うな場合には、加工性・成形性の改善のため、上記加工
助剤が好ましく配合される。また塩素化されたポリエチ
レンは、強靱性・耐衝撃性の回復ないし改善にすぐれ、
含有する塩素により成形体の難燃性を維持し改善するこ
とができるので好ましく採用される。
改善するためのもので、例えば、ステアリン酸やそのC
a、Mg塩などが添加され、樹脂の加熱成形過程での金
型との摩擦を低減して、離型性を確保するのに使用され
る。安定剤は、同様に樹脂の加熱成形過程での塩素分解
に伴う黄変ないし褐変を防止するもので、例えば、金属
系の安定剤、特に、Sn系安定剤やPb系安定剤が添加
される。成形体を着色するために必要により顔料ないし
着色剤が適当量添加される。
ニルを含む混合物は、通常の押出成形法、カレンダーロ
ール法、プレス法により、溶融されて成形され、所望形
状の成形体にし、特に、半導体製造装置用の塩化ビニル
樹脂成形体として利用されるのである。
塩化ビニルに腐食性ガス抑制剤を組み合わせて配合し
て、成形して成るものであり、塩化ビニル樹脂成形体
を、熱分解時の腐食性ガス発生を低減させることができ
るので、火災に対して考慮すべき難燃性、発煙抑制性能
及び腐食性ガス抑制性能の全部に優れた半導体製造装置
用の塩化ビニル樹脂成形体としての利用を図ることがで
きるのである。
Claims (2)
- 【請求項1】 ポリ塩化ビニルに、熱分解時の腐蝕性ガ
スの発生を低減するため腐蝕性ガス抑制剤として三酸化
アンチモンとモリブデン化合物とを組合せて添加して、
所望形状に溶融成形してなる半導体製造装置用の硬質の
難燃性塩化ビニル樹脂成形体。 - 【請求項2】 ポリ塩化ビニル100重量部に対して、
三酸化アンチモン2〜50重量部と、モリブデン化合物
として酸化モリブデン2〜50重量部を含む請求項1に
記載の難燃性塩化ビニル樹脂成形体。
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JP34507796A JP3445457B2 (ja) | 1996-12-25 | 1996-12-25 | 難燃性塩化ビニル樹脂成形体 |
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- 1996-12-25 JP JP34507796A patent/JP3445457B2/ja not_active Expired - Fee Related
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