JPH10182909A - 難燃性塩化ビニル樹脂成形体 - Google Patents

難燃性塩化ビニル樹脂成形体

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JPH10182909A
JPH10182909A JP34507796A JP34507796A JPH10182909A JP H10182909 A JPH10182909 A JP H10182909A JP 34507796 A JP34507796 A JP 34507796A JP 34507796 A JP34507796 A JP 34507796A JP H10182909 A JPH10182909 A JP H10182909A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 難燃性の塩化ビニル樹脂成形体に関して、難
燃性に優れ、発煙量が少なく、熱分解時の腐食性ガスの
発生を抑制して腐食性ガスの発生量を低減した工業用
の、特に、半導体製造用の塩化ビニル樹脂の成形体を提
供せんとするものである。 【解決手段】ポリ塩化ビニルに、熱分解時の腐食性ガス
の発生を低減させるためにタルク、水酸化アルミニウ
ム、Mg、Ca及びBaの水酸化物、酸化物及び炭酸
塩、錫化合物、亜鉛化合物、ゼオライト、ドーソナイト
並びにシリコーン系ポリマーの中から選ばれた2種以上
の腐食性ガス抑制剤を添加して所望形状に溶融成形して
難燃性の塩化ビニル樹脂成形体とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル樹脂成
形体であって、熱分解時の腐食性ガスの発生を抑制する
ように改良した難燃性の塩化ビニル樹脂成形体に関す
る。
【0002】
【従来技術と解決すべき課題】塩化ビニル樹脂の中で、
特に、硬質塩化ビニル樹脂は、熱可塑性樹脂として成形
性がよく機械的強度も高く、安価であり、化学的に酸や
アルカリに対しても安定で、電気的にも電気絶縁性が良
好であり、近年は、このような性質を利用して、容器類
や器具の形成に使用され、また、機械類、装置の構造部
材としても広く使用され、半導体製造装置にも使用され
ている。
【0003】塩化ビニル樹脂は、塩素を含有するので、
それ自体が難燃性ではあるが、耐熱性が悪くて200℃
以上に加熱されるとポリ塩化ビニルが熱分解をし始め、
分解には、分解した有機物質の放散による発煙を起こ
し、250℃以上では、塩素や塩化水素などのガスが発
生するようになる。塩化ビニル樹脂成形体を使用した装
置において火災が生じると、加熱された塩化ビニル樹脂
の成形体が、発煙しながら分解し、塩素等の有害な腐食
性のガスを発生させることになる。そのため、従来は、
塩化ビニル樹脂の難燃性を改善するに、三酸化アンチモ
ン、水酸化アルミニウム(含水アルミナ)等の難燃剤が
添加されていた。
【0004】しかしながら、塩化ビニル樹脂成形体が半
導体製造施設内の装置に使用されるものである場合に
は、塩化ビニル樹脂を使用した装置機械の耐燃焼性を高
めるためにも、施設全体の防災機能を高めることから
も、塩化ビニル樹脂成形体には一層の難燃性が要求され
ている。また、火災の際に燃焼中の塩化ビニル樹脂が発
煙することは、粉塵が同施設内の空気清浄度を低下さ
せ、その周辺の精密装置や半導体部品を汚染させるの
で、その発煙量を抑制することが望まれている。さら
に、上記の腐食性のガスの発生は、作業員に有害であ
り、密閉された半導体製造施設内の周辺の精密装置や半
導体部品を汚染さたり腐食させるので、その発生量もま
た厳しく規制される。
【0005】このように、特に、半導体製造装置用の樹
脂成形体には、加熱時に難燃性と難発煙性が要求される
と同時に、腐食性ガスの発生を少なくするような性質な
いし性能が要求されており、これらの性能評価のために
は、ファクトリー・ミューチュアル・システム(北米を
根拠とする産業相互保険組織)の定める評価基準が有効
で且つ利用されつつある。
【0006】この評価基準においては、塩化ビニル樹脂
成形体の難燃性を示す延焼指標FPI、発煙性を示す発
煙指標SDI、及び腐食性ガス発生の腐食指標CDIが
規定されている。
【0007】半導体製造装置用の材料については、ファ
クトリー・ミューチュアル・システムにより、FPIが
6以下で、SDIが0.4以下、且つ、CDIが2以下
であることが要求されている。これらの指標の中で、F
PIとSDIの基準については、従来技術で比較的容易
に達成できる可能性があるが、これらの基準を満たした
うえで腐食性ガス発生に関連したCDIを2以下とする
ことについては、なお解決すべき具体的課題を残してい
る。さらに、これら熱的性能付与によっても塩化ビニル
樹脂成形体の機械的性質や成形性・加工性等を極力低下
させないような方策も重要となる。
【0008】本発明は、上記の基準を満たすべく難燃性
に優れ、発煙量が少なく、腐食性ガスの発生量の少ない
工業用の、特に、半導体製造用の塩化ビニル樹脂の成形
体を提供せんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の塩化ビニル樹脂
成形体は、ポリ塩化ビニルに熱分解時の腐食性ガス発生
量を低減させるための腐食性ガス抑制剤を添加して成形
して成るものである。
【0010】腐食性ガスとは、高温に加熱されたポリ塩
化ビニルの熱分解に伴って発生する塩素(Cl2 )ガス
と塩化水素(HCl)ガスを主に言うが、上記腐食性ガ
ス抑制剤は、この腐食性ガスの塩化ビニル樹脂成形体単
位重量当たりの発生量を低下させるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】上記腐食性ガス抑制剤には、タル
ク即ち水和珪酸マグネシウムの粉末がある。これは無機
物であり、ポリ塩化ビニルの量を減して発火温度と伝熱
係数と比重を高めてFPIを下げる作用をなす。この作
用は他の無機物でも同様であるが、特にタルクは他の無
機物と比べて良好な特性、即ち耐薬品性が良くて、白色
度が95前後と高く、硬度が1前後と柔らかくて成形体
の加工性を損なわない、という特性を有しているので好
ましいのである。このタルクの添加量は5〜20重量部
が好ましい。20重量部以上になると耐薬品性が悪くな
る。
【0012】上記腐食性ガス抑制剤には、水酸化アルミ
ニウム(含水アルミナを含む)やMg、Ca又はBaの
水酸化物の粉末がある。これらの水酸化物は、水酸化ア
ルミニウムなどの難燃剤として作用するものも含み、塩
化ビニル樹脂成形体が加熱されて温度が上昇する過程
で、これら水酸化物は、分解されて水を放出しその際の
吸熱反応により燃焼速度ないしは昇温速度が低くなり、
ポリ塩化ビニルの分解を遅らせ、その分解速度を低下さ
せるので、結果として腐食性ガスの発生が少なくなる。
そして、水放出後は無機物として残ってポリ塩化ビニル
の量を少なくして発煙を抑える効果を有する。
【0013】これらの配合は、ポリ塩化ビニル100重
量部に対して5〜60重量部の添加が好ましく、5重量
部未満は効果少なく、60重量部超えると成形体の耐薬
品性が悪くなり機械的強度、特に、衝撃強度も低下す
る。より好ましくは5〜40重量部である。
【0014】Mg、Ca及びBaの水酸化物の粉末、例
えば、水酸化マグネシウムや水酸化カルシウムは、ポリ
塩化ビニルの分解による塩素Cl2 や塩化水素HCl、
特に、塩化水素と反応し、これらのガスを塩化カルシウ
ム、塩化マグネシウムなどの塩化物として水酸化物粒子
ないしその分解生成物中に固定させることができ、そこ
で、塩化水素の空気中への放出が少なくなるのである。
これらの水酸化物のなかでも水酸化マグネシウムは、そ
の脱水温度が、約340℃程度であり、ポリ塩化ビニル
の押出し成形やプレス成形時の温度である200℃前後
より、かなり高温であるので成形中に脱水・発泡するこ
とはなくて好ましく用いられる。
【0015】腐食性ガス抑制剤には、アルカリ土類金属
の、即ち、Mg、Ca及びBaの酸化物や炭酸塩の粉末
が利用できる。これらは、ポリ塩化ビニル中に配合する
ことにより、高温燃焼時に発生する塩素、特に塩化水素
と反応して、塩化物として固定でき、塩素、塩化水素の
放出を抑制できる。これらの炭酸塩には、例えば、炭酸
カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム(塩基性
炭酸マグネシウムを含む)、ドロマイトが使用可能であ
る。
【0016】これらの炭酸塩も、アルカリ土類による塩
素の固定の効果により、腐食性ガス抑制に利用できるの
である。これらのなかで、炭酸カルシウムは、その粒径
が0.5μm以下、好ましくは0.1μm以下のものが
安価に且つ容易に入手でき、これを用いることで表面積
を大きくできて塩化水素と反応し易く、好ましく採用さ
れる。これら、酸化物や炭酸塩の添加量は、ポリ塩化ビ
ニル100重量部中に、5〜60重量部が適当である。
好ましくは10〜40重量部である。
【0017】腐食性ガス抑制剤には、錫化合物の粉末も
用いられ、代表的なものとしては酸化錫、錫酸亜鉛、ヒ
ドロキシ錫酸亜鉛等がある。これらは難燃助剤としての
作用をなし、脱塩素を促して難燃性を高める。また、亜
鉛と錫との部分的揮発により一酸化炭素を減少させ、燃
焼ガス抑制とシェル効果の相乗効果がでる。これらのな
かで、錫酸亜鉛は上記効果が大きく最も好ましく用いら
れ、その添加量は1〜5重量部である。5重量部より多
いと脱塩素が大きくなり、熱安定性が悪くなる。
【0018】腐食性ガス抑制剤には、亜鉛化合物の粒末
も用いられ、代表的なものとして硼酸亜鉛、ヒドロキシ
硼酸亜鉛が挙げられる。これらは難燃助剤として作用し
て低発煙効果が増強される。これらのうちで、結晶水を
持つヒドロキシ硼酸亜鉛は、結晶水の放出により燃焼速
度ないし昇温速度を遅くするので好ましく採用される。
さらに耐薬品性にも優れ、特に硫酸によって白色に変化
するので外観の変化がそれ程目立たない。この添加量は
1〜20重量部が好ましく、20重量部以上になると脱
塩素が大きくなり熱安定性が悪くなる。より好ましくは
5〜20重量部である。
【0019】腐食性ガス抑制剤には、ゼオライトの粉末
も利用できる。天然ゼオライトは、Na、Ca、K等の
アルミノ硅酸塩の水和物又はこれの焼成発泡体の粉末で
あり、ポリ塩化ビニルの分解によるHClの固定ないし
吸着に作用する。また天然品に類似した硅酸質の合成ゼ
オライトも同様にHClを捕捉するので好ましく用いら
れる。その配合量は、ポリ塩化ビニル100重量部に対
して0.5〜5重量部、好ましくは1〜3重量部が適当
である。
【0020】有機系の腐食性ガス抑制剤としては、粉末
状のシリコーン系ポリマーが利用できる。シリコーン系
ポリマーは、これ自体が有害物質を含まない難燃性ポリ
マーであるが、ポリ塩化ビニル中に添加されて粒子状で
分散させることにより、加熱時のポリ塩化ビニルの熱発
生速度を低下させて燃焼速度を低下させ、その結果とし
て、塩化ピニル樹脂の発煙量を抑制し、腐食性ガスの発
生を抑制する効果を生じる。このようなシリコーン系ポ
リマーとしては、ポリマー分子中にエポキシ基ないしメ
タクリル基などの官能基を有するものも利用可能であ
る。特に、シリコーン系ポリマーは、他の腐食性ガス抑
制剤や難燃剤が添加された場合の塩化ピニル樹脂の機械
的性質、特に衝撃強度の低下を補償改善する効果があ
り、また加工助剤としての効果もあるので、腐食性ガス
抑制剤にシリコーン系ポリマーを併用することが好まし
い。その配合量は、ポリ塩化ビニル100重量部に対し
て1〜10重量部が適当である。
【0021】腐食性ガス抑制剤には、一般に次式で示さ
れるヒドロタルサイト類の粉末が利用可能であり、 〔Mg1-X AlX ( OH)2〕・x/2CO3 ・nH2 O これは、HClと反応して塩素を固定するものである。
腐食性ガス抑制剤に、ドーソナイト(NaAl(0H)
2 CO3 )の粉末も、使用可能であり、加熱時に水の放
出によりポリ塩化ビニルの分解を遅らせ、HClの固定
に作用する。その配合量は、ポリ塩化ビニル100重量
部に対して5〜50重量部が適当である。
【0022】腐食性ガス抑制剤には、アルカリ土類のホ
ウ酸塩、硅酸塩若しくはリン酸塩の粉体が使用できる。
例示すると、ホウ酸塩系ではメタホウ酸Ba(BaO・
23 ・H2 O)、ホウ酸Ca(2CaO・3B2
3 ・5H2 O)、硅酸塩系では、硅酸モノCa(6Ca
O・6SiO2 ・H2 O)などがある。また、リン酸塩
では、ヒドロキシアパタイト(Ca10(PO4)4(O
H)2)が利用可能である。また、亜鉛のホウ酸塩とし
て、ホウ酸亜鉛(2ZnO・3B2 3 ・3.5H
2O)の粉体も同様に抑制剤として可能である。
【0023】これらは、アルカリ土類や亜鉛の塩がポリ
塩化ビニルの分解過程で生じる塩素Cl2 や塩化水素H
Clを固定することができる。さらに、これら水和物
は、上記の水酸化物と同様に、樹脂成形体の高温加熱に
際して結晶水を放出して成形体の温度上昇を抑制して、
ポリ塩化ビニルの分解を抑え、腐食性ガスの発生を抑制
することができる。
【0024】腐食性ガス抑制剤には、チタン酸カリウム
(K2 O・TiO2 やK2 O・4TiO2 )の粉末が使
用可能である。チタン酸カリウムは、腐食性ガス、特
に、HClの空気中への発生を抑制する効果があり、こ
れは、HClと反応して化学的に固定するものである。
【0025】これらの腐食性ガス抑制剤は、いずれも微
細な粉末として、ポリ塩化ビニルに配合されるが、その
粒度は、概ね0.1μm〜1.0mmの範囲にあるもの
であると分散性が良好で好ましい。
【0026】その他にも、難燃剤として作用し、その難
燃効果により腐食性ガスを抑制する物質もある。これら
を例示すると、三酸化アンチモン(Sb2 3 )粉末が
あり、樹脂中の塩素の存在によって樹脂の難燃性を発揮
するものとして知られており、難燃化された樹脂からの
腐食性ガス抑制にも効果がある。三酸化アンチモンの配
合は、ポリ塩化ビニル100重量部に対して2〜50重
量部の添加が好ましい。
【0027】また、モリブデン化合物、例えば、三酸化
モリブデン、オクタモリブデン酸アンモンなどの粉末も
難燃剤として利用でき、ポリ塩化ビニルを難燃化して、
その結果腐食性ガスの発生を抑制することが可能であ
る。三酸化モリブデンの配合は、ポリ塩化ビニル100
重量部に対して2〜50重量部の添加が好ましい。
【0028】さらに、臭素化エポキシ化合物の粉末も難
燃剤として利用できる。臭素化エポキシ化合物は、ポリ
塩化ビニル中に導入された臭素が、ポリ塩化ビニルに難
燃性を付与し燃焼速度の遅延を通じて腐食性ガスの発生
を遅らせる効果がある。臭素化エポキシ化合物は、加工
助剤としての作用も有するので、他の加工助剤を用いる
ことなく、塩化ビニル樹脂に所要の加工性を付与するこ
とができるので好ましく採用される。その配合量は、ポ
リ塩化ビニル100重量部に対して1〜10重量部が適
当である。
【0029】腐食性ガス抑制剤及び難燃剤は、上記の化
合物の群の中から、1種類又は2種類以上が選ばれて、
ポリ塩化ビニル中に配合されるが、難燃剤の配合量及び
下記の添加剤等の配合も勘案して、成形体が上記の指数
FPI≦6、SDI≦0.4、且つ、CDI≦2の要件
を満たすようにその配合量が総合的に決められる。
【0030】上記要件を満たすための配合例を示すと、
ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して、ポリ塩化ビ
ニルの量を減らし発火温度、伝熱係数、比重を高めてF
PIを下げ、且つ燃焼後の残査を多くしてSDIを下げ
るタルクを5〜20重量部、難燃助剤として作用してF
PIを下げ且つ煙量を減らしてSDIを下げる錫化合物
である錫酸亜鉛を1〜5重量部、発生した塩化水素を捕
捉してCDIを下げるゼオライトを0.5〜5重量部、
をそれぞれ組み合わせて配合することによりなしえる。
【0031】さらに、上記の配合に加えて、結晶水を放
出し且つポリ塩化ビニルの量を減らしてFPIを下げ、
燃焼後の残査を多くしてSIDを下げ、発生する塩化水
素を捕捉してCDIを下げる水酸化マグネシウムを5〜
40重量部配合することにより、確実に達成できる。ま
た、上記3種の腐食性ガス抑制剤に加えて、無機物であ
ってポリ塩化ビニルの量を減らし、燃焼後の残査を多く
し、塩化水素を捕捉して、FPI、SDI、CDIを下
げる炭酸カルシウムを10〜40重量部配合することに
よっても、確実に達成できる。
【0032】本発明の成形体を得るためには、ポリ塩化
ビニルに対して、上記の腐食性ガス抑制剤、難燃剤とと
もに、加工助剤、滑剤、安定剤が添加されて、配合調整
される。加工助剤は、ポリ塩化ビニルに成形性を付与す
るための添加剤であって、例えば、上記の臭素化エポキ
シ化合物、アクリル系加工助剤、塩素化ポリエチレンが
ある。腐食性ガス抑制剤特に無機系抑制剤を多量に添加
すると、その成形体の成形性ないし加工性を低下させる
惧れがあり、このような場合には、加工性・成形性の改
善のため、上記加工助剤が好ましく配合される。臭素化
エポキシ化合物は前記の記載の如く難燃剤としても作用
し、また塩素化されたポリエチレンは、強靱性・耐衝撃
性の回復ないし改善にすぐれ、含有する塩素により成形
体の難燃性を維持し改善することができるので好ましく
採用される。
【0033】その他、滑剤は、成形時の金型との滑性を
改善するためのもので、例えば、ステアリン酸やそのC
a、Mg塩などが添加され、樹脂の加熱成形過程での金
型との摩擦を低減して、離型性を確保するのに使用され
る。安定剤は、同様に樹脂の加熱成形過程での塩素分解
に伴う黄変ないし褐変を防止するもので、例えば、金属
系の安定剤、特に、Sn系安定剤やPb系安定剤が添加
される。成形体を着色するために必要により顔料ないし
着色剤が適当量添加される。
【0034】このようにして配合調整されたポリ塩化ビ
ニルを含む混合物は、通常の押出成形法、カレンダーロ
ール法、プレス法により、溶融されて成形され、所望形
状の成形体にし、特に、半導体製造装置用の塩化ビニル
樹脂成形体として利用されるのである。
【0035】
【発明の効果】本発明の塩化ビニル樹脂成形体は、ポリ
塩化ビニルに腐食性ガス抑制剤を組み合わせて配合し
て、成形して成るものであり、塩化ビニル樹脂成形体
を、熱分解時の腐食性ガス発生を低減させることができ
るので、火災に対して考慮すべき難燃性、発煙抑制性能
及び腐食性ガス抑制性能の全部に優れた半導体製造装置
用の塩化ビニル樹脂成形体としての利用を図ることがで
きるのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 83/04 C08L 83/04 C09K 21/00 C09K 21/00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ塩化ビニルに、熱分解時の腐食性
    ガスの発生を低減させるためにタルク、水酸化アルミニ
    ウム、Mg、Ca及びBaの水酸化物、酸化物及び炭酸
    塩、錫化合物、亜鉛化合物、ゼオライト、ドーソナイト
    並びにシリコーン系ポリマーの中から選ばれた2種以上
    の腐食性ガス抑制剤を添加して所望形状に溶融成形して
    成る難燃性の塩化ビニル樹脂成形体。
  2. 【請求項2】 上記腐食性ガス抑制剤として少なくとも
    タルク、錫化合物、ゼオライトを組合せて添加した請求
    項1記載の塩化ビニル樹脂成形体。
  3. 【請求項3】 上記腐食性ガス抑制剤として少なくとも
    タルク、錫化合物、ゼオライト、水酸化マグネシウムを
    組み合せて添加した請求項1記載の塩化ビニル樹脂成形
    体。
  4. 【請求項4】 上記腐食性ガス抑制剤として少なくとも
    タルク、錫化合物、ゼオライト、炭酸カルシウムを組み
    合せて添加した請求項1記載の塩化ビニル樹脂成形体。
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