JP3773329B2 - 難燃性塩化ビニル樹脂成形体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、塩化ビニル樹脂成形体であって、熱分解時の腐食性ガスの発生を樹脂中の無機質難燃剤により抑制し、且つ溶接性及び耐薬品性に優れた塩化ビニル樹脂成形体の改良に関する。
【0002】
【従来技術と解決すべき課題】
塩化ビニル樹脂の中で、特に、硬質塩化ビニル樹脂は、熱可塑性樹脂として成形性や溶接性がよく、機械的強度も高く、しかも安価であり、さらに、化学的に酸やアルカリに対しても安定で耐薬品性に優れ、電気的にも電気絶縁性が良好であり、近年は、このような性質を利用して、容器類や器具の形成に使用され、また、機械類、装置の構造部材としても広く使用され、半導体製造装置にも使用されている。
【0003】
塩化ビニル樹脂は、塩素を含有するので、それ自体が難燃性ではあるが、耐熱性が悪くて200℃以上に加熱されるとポリ塩化ビニルが熱分解をし始め、分解には、分解した有機物質の放散による発煙を起こし、250℃以上では、塩素や塩化水素などのガスが発生するようになる。塩化ビニル樹脂成形体を使用した装置において火災などが生じると、加熱された塩化ビニル樹脂の成形体が、発煙しながら分解し、塩素や塩化水素などの有害な腐食性のガスを発生させることになる。
【0004】
工業用の、特に、半導体製造用の塩化ビニル樹脂の成形体には、難燃性に優れると共に、燃焼時の発煙量が少なく、特に、腐食性ガスの発生量の少ないことが要求されるが、この点について、本出願人は、特願平8−345077号において、塩化ビニル樹脂に燃焼時の、特に、腐食性ガスの発生を抑制し遅延させることを主目的として、腐食性ガス抑制剤を添加した成形体を提案した。
【0005】
そして、ポリ塩化ビニル樹脂に対して、適当な腐食性ガス抑制剤(本明細書では、従来の難燃剤をも含めて、以下単に「難燃剤」と称する)を配合することにより、腐食性ガスの発生を有効に低減でき、ファクトリー・ミューチュアル・システム(北米を根拠とする産業相互保険組織)の定める評価基準において、塩化ビニル樹脂成形体の難燃性を示す延焼指標FPI、発煙性を示す発煙指標SDI、及び腐食性ガス発生の程度を示す腐食指標CDIの各基準を満足させることができた。このFPI、SDI、CDIを求める式を、それぞれ下記に示す。
【0006】
FPI=(0.4QCH)1/3 /TRP (1)
但し、QCH=ΔHco2 ・Gco2 +ΔHco・Gco (Chemical release rate)
TRP=ΔTig・(κ・ρ・Cp )1/2 (Thermal response parameter)
ここに、ΔTig;発火温度、κ;伝熱係数、ρ;比重、及びCp ;比熱であり、また、ΔHco2 とΔHcoとはそれぞれCO2 完全燃焼時とCO完全燃焼時の発生熱量を、Gco2 とGcoとはそれぞれCO2 とCOとの発生ガス比率を、それぞれ表す。
【0007】
SDI=FPI・ys (2)
但し、 ys =G/m (煙の発生量)
G=(1.1・V・D・λ)/(7/A) (煙の発生比率)
ここに、V;煙の流量比、D;光学比重、λ;光源波長、A;燃焼面積、m;質量減少比。
【0008】
CDI=FPI・CI (3)
但し、CI=(δ/Δte )/(W/VT ・ΔtTEST) (腐食指数)
ここで、δ;銅の厚み、Δte ;試験時間、W;気体の通過速度、VT ;空気に対する気体発生流量比、ΔtTEST;気体発生時間。
【0009】
ところで、このような難燃性を付与したポリ塩化ビニル樹脂の成形体を半導体製造装置に使用するには、成形体は、半導体製造工程で使用される種々の薬液に浸漬されたり、受容したりする用途に耐える必要がある。また、間仕切りとして使用しても薬液の飛散等に耐える必要がある。
しかしながら、ポリ塩化ビニル樹脂に添加して優れた難燃効果、特に、腐食性ガス抑制効果を発揮するような「難燃剤」は、後述のように、多くは、無機物、即ち、通常は、固形微粉末であり、難燃性の成形体には、これら難燃剤の無機粒子が樹脂表面やその近傍に介在しているために、アルカリ性ないし酸性の薬液に接触する場合には、樹脂成形体は腐食劣化し易く、化学的安定性ないしは耐薬品性が低いという問題があった。
【0010】
また、このような難燃性を付与したポリ塩化ビニル樹脂の成形体は、間仕切りとして平板のまま使用する用途の他に、機械や装置類の構造部材として使用する用途があり、そのときは一般に溶接加工に供される。成形体は、溶接成形性が良好であると共に、溶接部における溶接強度が大きいことが必要である。
しかし、溶接加工の際には、図3に示すようにも難燃剤粒子3により母材の樹脂2と溶接部の融着樹脂5との界面にノッチが生じ、このノッチ部6から材料破壊が進行することによって成形体の機械的強度が低下し、特に、引張強度が低下するという問題があった。
【0011】
本発明は、これらの問題を解決すべく成されたもので、上記の基準を満たすべく難燃性に優れ、発煙量及び腐食性ガス発生量が少なく、同時に、溶接性と耐薬品性とに優れて、工業用の、特に、半導体製造用の塩化ビニル樹脂の成形体を提供せんとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の難燃性塩化ビニル樹脂成形体は、ポリ塩化ビニル中に無機質難燃剤を含有した基材層と、該基材層の少なくとも片面に積層したポリ塩化ビニル表面層と、から成るものである。
【0013】
基材層には、無機質難燃剤を含み、難燃剤が、成形体の燃焼時に、その燃焼速度を抑制し、燃焼時に発生する腐食性ガス、即ち、高温に加熱されたポリ塩化ビニルの熱分解に伴って発生する塩素(Cl2 )ガスと塩化水素(HCl)ガスの発生を抑制して、成形体全体として難燃性を付与する。他方、この基材層の両面に積層したポリ塩化ビニル表面層は、成形体に良好な溶接特性と耐薬品性を与えるものである。基材層に含有させる無機質難燃剤としては金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩、タルク、錫酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、ゼオライト等が好ましいものとして挙げられ、トータルとして30〜100重量部含有される。
【0014】
表面層は、実質的に無機物を含有しないポリ塩化ビニル層であることが好ましい。図1において、無機質難燃剤粒子3を含む基材層の両面が、ポリ塩化ビニル表面層4、4で被覆され、表面層4、4は、無機質難燃剤粒子3を含まないので耐薬品性がよく、成形体が浸漬された時に薬液から基材層2を保護し、無機質難燃剤粒子に起因した耐薬品性の劣化を回避する。
【0015】
さらに、表面層は実質的に無機物を含有しないので、成形体を溶接により加工した場合、図2において、母材の当該表面層4と溶接棒を溶融して形成された溶着樹脂5との間の溶着性がよく、溶着樹脂5と母材表面層4との界面54にノッチの形成が防止される。そこで、緻密な溶接部を形成し、従来のノッチ効果による強度低下を有効に防止して、接合体の溶接強度を高めるのである。
【0016】
また、表面層にタルク、ホウ酸亜鉛、錫酸亜鉛等の比較的耐薬品性の良好な無機質難燃剤を40重量部以下含有させたポリ塩化ビニル層であるものも好ましく採用される。このポリ塩化ビニル表面層4、4は基材層2より難燃剤の量が少なくて耐薬品性がよく、特に耐薬品性の良好な無機質難燃剤を用いると一層良好となる。そして、溶接加工においても無機質難燃剤の含有量が40重量部以下であるので、溶着樹脂5と母材表面層4との界面でのノッチの形成が防止でき、溶接強度を高められる。
【0017】
さらに、該基材層中の無機質難燃剤には少なくとも亜鉛化合物を含み、該表面層にアルカリ土類の炭酸塩を含むものが含まれる。成形体の燃焼時の初期の低温時に難燃剤としての亜鉛化合物がポリ塩化ビニルの分解を促進し、他方、表面層のアルカリ土類の炭酸塩が基材層から主に発生した塩化水素をこの低温時に効果的に吸収捕獲して、全体として塩化水素の放出を抑制した難燃性に特にすぐれたポリ塩化ビニル樹脂成形体とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の難燃性塩化ビニル樹脂成形体は、ポリ塩化ビニル樹脂の基材層と表面層の積層体であり、基材層には、無機質難燃剤を含有して、成形体に難燃性を付与している。基材層に含ませる無機質難燃剤には、アルカリ土類金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩、タルク、ゼオライト、錫酸亜鉛、及びホウ酸亜鉛の中の1種または2種以上が利用される。その他の無機質難燃剤としては、その他の錫化合物、その他の亜鉛化合物、酸化チタン、金属安定剤等が用いられる。これらの無機質難燃剤は塩化ビニル100重量部に対して30〜100重量部含有させることが、FPI、SDI、CDIを減少させ基準内にする為に好ましい。30重量部未満は効果が少なくて基準を満たさず、100重量部を超えると機械的強度、特に衝撃強度が低下する。より好ましいのは40〜80重量部である。そして、このうちで、アルカリ土類の酸化物や水酸化物や炭酸塩を10〜70重量部含有させると難燃性が良好に付与される。この基材層は2〜30mmの厚さを有することが好ましい。2mm以下になると塩化ビニル樹脂成形体の機械的強度が得られ難く、30mmを超えると機械的強度が向上するがコストも高くなり実用的でなくなる。
【0019】
アルカリ土類金属の水酸化物、例えばMg、Al等の水酸化物は、無機物として添加されてポリ塩化ビニルの量を低減する。また塩化ビニル樹脂成形体が加熱されて温度が上昇する過程で、分解されて結晶水を放出しその際の吸熱反応により燃焼速度ないしは昇温速度を遅くさせ、ポリ塩化ビニルの分解を遅らせ、その分解速度を低下させる。結果として腐食性ガスの発生が少なくなる。そして、結晶水放出後は無機物として残って発煙を抑える効果を有する。この水酸化物のなかでも、水酸化マグネシウムは約340℃で結晶水を放出するので、ポリ塩化ビニルの成形温度(200℃以下)では放出せず発泡を生じない。水酸化物の配合は、ポリ塩化ビニル100重量部に対して10〜70重量部添加し、無機質としては30〜100重量部とするのが好ましい。
【0020】
無機質難燃剤と用いられるアルカリ土類金属の酸化物としては、例えばMg、Ca、Ba、SI、Li、Zn、Sn、Al等の酸化物が利用でき、これをポリ塩化ビニル中に配合すると、その量だけポリ塩化ビニルの量を低減し、成形体の難燃性を高める。成形体が高温に加熱されると、高温燃焼時に発生する塩素、特に塩化水素と反応して、塩化物として固定でき、塩素、塩化水素の放出を抑制できる。この酸化物の添加量は、ポリ塩化ビニル100重量部に対して10〜70重量部となし、他の無機質難燃剤と併せても30〜70重量部となる用にするのが好ましい。10重量部以下では効果が少なく、70重量部を超えると機械的強度が低下する。
【0021】
上記の酸化物と同様に、アルカリ土類金属の炭酸塩、例えばMg、Ca、Ba、Li等の炭酸塩も塩素や塩化水素と反応して塩化物として固定して、塩素、塩化水素の放出を制御する。これらのなかで、炭酸カルシウムは、その粒径が0.5μm以下、好ましくは0.1μm以下のものが安価に且つ容易に入手でき、これを用いることで表面積を大きくできて塩化水素と反応し易く、好ましく採用される。さらに、炭酸リチウムも塩化水素と反応し易く、好ましく用いられる。炭酸塩の添加量は、ポリ塩化ビニル100重量部中に、10〜70重量部が適当で好ましくは10〜40重量部であって、他の無機質難燃剤と合わせても30〜100重量部とするのが好ましい。
【0022】
タルクは、水和珪酸マグネシウムで、ポリ塩化ビニルの量を低減して発火温度と伝熱係数と比重を高めてFPIを下げる作用をなす。タルクは、耐薬品性が良くて、白色度が95前後と高く、硬度が1前後と柔らかくて成形体の加工性を損なわない、という特性を有しているので好ましいのである。このタルクの添加量は5〜40重量部が好ましい。40重量部以上になると耐薬品性が悪くなる。より好ましくは5〜20重量部である。
【0023】
また、難燃剤には、錫化合物の粉末も用いられ、代表的なものとしては酸化錫、錫酸亜鉛、ヒドロキシ錫酸亜鉛等がある。これらは難燃助剤としての作用をなし、脱塩素を促して難燃性を高める。また、亜鉛と錫との部分的揮発により一酸化炭素を減少させ、燃焼ガス抑制とシェル効果の相乗効果がでる。これらのなかで、錫酸亜鉛は上記効果が大きいうえに、耐薬品性も良好であり、最も好ましく用いられ、その添加量は1〜10重量部である。10重量部より多いと脱塩素が大きくなり、熱安定性が悪くなる。より好ましくは1〜5重量部である。
【0024】
難燃剤には、亜鉛化合物の粒末も用いられ、代表的なものとして、上記の錫酸亜鉛、ヒドロキシ錫酸亜鉛の他に、ホウ酸亜鉛、ヒドロキシホウ酸亜鉛が挙げられる。これらは難燃剤として作用して低発煙効果が増強される。これらのうちで、結晶水を持つヒドロキシホウ酸亜鉛は、結晶水の放出により燃焼速度ないし昇温速度を遅くするので好ましく採用される。さらに耐薬品性にも優れ、特に硫酸によって白色に変化するので外観の変化がそれ程目立たない。このホウ酸亜鉛ないしヒドロキシホウ酸亜鉛の添加量は1〜10重量部が好ましく、10重量部以上になると脱塩素が大きくなり熱安定性が悪くなる。より好ましくは5〜10重量部である。
【0025】
さらに、難燃剤には、ゼオライト、特に合成ゼオライトの粉末も利用できる。天然ゼオライトは、Na、Ca、K等のアルミノ硅酸塩の水和物又はこれの焼成発泡体の粉末であり、ポリ塩化ビニルの分解によるHClの固定ないし吸着に作用する。また天然品に類似した硅酸質の合成ゼオライトも同様にHClを捕捉するので好ましく用いられる。その配合量は、ポリ塩化ビニル100重量部に対して0.5〜5重量部、好ましくは1〜3重量部が適当である。
【0026】
難燃剤には、アルカリ土類のホウ酸塩の粉体が使用で、ホウ酸亜鉛(2ZnO・3B2 O3 ・3.5H2 O)の粉体は、結晶水を有するので、FPIの低減に有効であり、耐薬品性、特に、耐酸性に優れるので、多量に添加して、難燃性と耐薬品性との確保ができる。
【0027】
難燃剤は、上記の化合物の群の中から、1種類又は2種類以上が選ばれて、ポリ塩化ビニル中に配合されるが、難燃剤の配合量及び下記の添加剤等の配合も勘案して、成形体が上記の指数FPI≦6、SDI≦0.4、且つ、CDI≦2の要件を満たすようにその配合量が総合的に決められる。
【0028】
上記要件を満たすための配合例を示すと、ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して、タルクを5〜20重量部、錫酸亜鉛を1〜10重量部、ゼオライトを0.5〜5重量部、及び炭酸カルシウムを10〜40重量部とする。この配合例は、タルクにより、ポリ塩化ビニルの量を減らし発火温度、伝熱係数及び比重を高めてFPIを下げ且つ燃焼後の残査を多くしてSDIを下げ、錫酸亜鉛が難燃助剤として作用してFPIを下げ、煙量を減らしてSDIを下げ、さらにゼオライトにより、発生塩化水素を捕捉してCDIを下げ、炭酸カルシウムによりポリ塩化ビニルの量を減らし燃焼後の残査を多くし塩化水素を捕捉してFPI、SDI、CDIを下げて、成形体として評価基準に合格するものが得られる。
【0029】
さらに、上記の配合の炭酸カルシウムに代えて、水酸化マグネシウムを5〜40重量部配合するのもよく、結晶水を放出し且つポリ塩化ビニルの量を減らしてFPIを下げ、燃焼後の残査を多くしてSDIを下げ、発生する塩化水素を捕捉してCDIを下げることが確実に達成できる。さらに、上記の配合の炭酸カルシウムに代えて、炭酸リチウムを10〜40重量部添加してもよく、炭酸リチウムによる塩化水素の捕捉能力が炭酸カルシウムと同等若しくは若干優れているので、FPI、SDI、CDIを効率よく下げることができ評価基準に合格する成形体が得られる。
【0030】
他の配合例としては、ポリ塩化ビニル100重量部に対してホウ酸亜鉛を5〜20重量部、炭酸カルシウムを30〜70重量部とする。この配合例においては、ホウ酸亜鉛により発煙を抑えてSDIを下げ、炭酸カルシウムにより上記のようにFPI、SDI、CDIを下げて、評価基準を満足する成形体が得られる。
【0031】
本発明の基材層を得るためには、ポリ塩化ビニルに対して、上記、難燃剤とともに、加工助剤、滑剤、安定剤が添加されて、配合調整される。
【0032】
本発明の基本的な成形体は、基材層には上述のような無機質難燃剤を配合し、その基材層の片面若しくは両面に、表面層として、ポリ塩化ビニルを被覆して形成されたものである。
この表面層は0.3〜2.0mmの厚さを有することが好ましい。2.0mmを超えると、成形体全体に占める表面層の割合が高くなり成形体を難燃性にし難く、また0.3mm以下になると、耐薬品性、特に溶接時に表面層と溶着樹脂との融着が困難となり溶接強度を維持できなくなる。この意味から、厚みは0.4〜1.5mmがより好ましい。より好ましくは0.5〜1.0mmである。
【0033】
このポリ塩化ビニル表面層は、ポリ塩化ビニル中に加工助剤、滑剤、安定剤が添加されるが、実質的に無機固体粉末は含まれないのが好ましい。「実質的に含まない」とは、即ち、無機固体粒子は、ポリ塩化ビニル樹脂としての溶接性及び耐薬品性を害する程度までは含まれないことを意味する。従って、加工助剤としての少量の炭酸カルシウムを添加すること、安定剤として鉛化合物や錫化合物を添加すること、着色剤として酸化チタンを添加することなどは許容されてよい。具体的には、ポリ塩化ビニル100重量部に対して、鉛系若しくは錫系安定剤2〜5重量部、滑剤1〜3重量部、加工助剤1〜3重量部、着色剤0〜5重量部の配合割合の表面層となる。
【0034】
また、該表面層中に無機質難燃剤を40重量部以下含むものも好ましく採用される。無機質難燃剤を含むことで、表面層にも難燃性を付与して成形体としての難燃性を一層向上させ、より安定して基準を満足させ得る。この含有量は基材層より少なく、そのため耐薬品性や機械的強度や溶接性に優れており、成形体にそれらを付与する。難燃剤としては、特に耐薬品性に優れているものがよく、例えば、タルク、ホウ酸亜鉛、錫酸亜鉛が好ましく採用される。タルクはポリ塩化ビニルの量を低減して難燃性を付与する。そして、耐薬品性も良好で白色度が高いので、成形体の耐薬品性を向上させ得る。この表面層へのタルクの添加量は5〜40重量部、好ましくは5〜20重量部である。ホウ酸亜鉛はポリ塩化ビニルに添加されて、前記の如く低発煙効果を出すので、表面層にも難燃性を付与でき成形体全体の難燃性を一層向上させることができる。そして、耐薬品性も他の難燃剤より優れていて、特に硫酸に対しては白色に変化するので目立つことがなくて好ましい。この表面層へのホウ酸亜鉛の添加量は1〜10重量部が適当である。錫酸亜鉛はポリ塩化ビニルに添加されて煙の発生を抑制し難燃性を付与し、成形体に抑煙効果をもたらす。そして、耐薬品性も良好で表面のポリ塩化ビニル表面層に耐薬品性を付与する。この錫酸亜鉛の添加量は1〜10重量部である。これらの難燃剤を単独若しくは組み合わせて用い、その量が40重量部以下にて添加する。40重量部以上になると、耐薬品性が劣るうえに、溶接時に溶着樹脂と表面層との界面にノッチが生じやすくなり溶接強度を低下させるので好ましくなり、より好ましくは10〜30重量部である。
【0035】
さらに、基材層に特に亜鉛化合物を含み、表面層に特にアルカリ土類の炭酸塩を含むものが好ましく採用される。
上述のように基材層には、上述の無機質難燃剤が一種以上含まれるが、これらの難燃剤のうちの少なくとも1種は、亜鉛化合物が特に選ばれる。亜鉛化合物には、特に、錫酸亜鉛が好ましく利用され、基材層中の錫酸亜鉛は比較的低温(400〜500℃)でポリ塩化ビニルの分解を促進してHClを発生させる。一方、表層部のアルカリ土類の炭酸塩としては、炭酸カルシウムが好ましく利用され、炭酸カルシウムは、比較的低温(400〜500℃)でのHCl捕獲能力に優れている。従ってポリ塩化ビニル成形体の燃焼過程の初期である比較的低温(400〜500℃)の時に錫酸亜鉛によりHClを発生させ、この発生したHClを炭酸カルシウムで捕獲することにより、トータルのHClの放出を抑えることができるのである。よって、この成形体は、燃焼時の腐食性ガスの発生の少ない、即ち、CDIの低いポリ塩化ビニル樹脂成形体として広く利用できる。
錫酸亜鉛としては、基材層のポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して、1〜10重量部が適当である。他方の炭酸カルシウムは、表面層のポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して、5〜20重量部が適当である。
【0036】
本発明において、成形体の厚みは、その用途により異なるが、基材層厚み1に対して表面層の厚みを5〜20%程度の比率にするのが適当である。例えば、基材層の厚みが3〜30mmの範囲にある場合、これに対して表面層は、片面での厚みを0.3〜2mm程度にすることが好ましい。
【0037】
本発明の成形体の製造には、一例として、基材層用と表面層用とにポリ塩化ビニルと難燃剤その他の添加物を調製したそれぞれの混合物を、通常の押出成形法、カレンダーロール法により、所望形状のシートに成形され、基材層用シートと表面層用シートとが準備される。基材層用シートと表面層用シートとを重積して、ホットプレスにより熱圧着して成形体とされる。その他、共押出成形法やラミネート法等によっても得られる。
【0038】
〔実施例〕
従来のポリ塩化ビニル樹脂組成を基本にして、基材層と表面層との組成を調製して、本発明の実施例と比較例の塩化ビニル成形体を形成した。その配合を表1に掲げたが、比較例1に挙げたポリ塩化ビニル樹脂組成(ポリ塩化ビニル100重量部に、Pb系安定剤3重量部、滑剤1重量部、加工助剤3重量部)を基本樹脂組成とした。
実施例1〜3は、基材層には、基本樹脂組成に表1の所要の難燃剤を配合し、表面層には基本樹脂組成をそのまま使用して積層した実施例の組成である。
実施例4は、基材層には実施例1の組成を用い、表面層には基本樹脂組成にホウ酸亜鉛を配合たものを利用し、また、実施例5は、基材層は実施例1の組成を用い、表面層にはタルクを配合してある。さらに、実施例6は、基材層に実施例1の炭酸カルシウムに代えて炭酸リチウムを配合してある。
【0039】
上記無機質難燃剤を配合含有した厚さ0.5mmの基材層シート8枚と、その両面に配した各表面層シート1枚をホットプレスにより熱圧着して、厚み4mmの基材層とその上下両面に一体化した厚み0.5mmの表面層との積層体(厚み5mm)を形成して、試験用の成形体とした。
【0040】
各実施例の成形体について、耐薬品性と溶接性とを試験した。
耐薬品性の試験条件は、試験薬品に、温度60℃の濃度98%の硫酸溶液と、温度60℃の濃度36%の塩酸溶液とを選び、24時間、上記の成形体の試験片を浸漬して、表面性状の変化を調べた。
溶接性の試験条件は、溶接棒に上記基本樹脂組成の棒を使用して、熱風温度200℃の条件で突き合わせ溶接を行った。溶接後、引張強度を測定した。
【0041】
なお、比較例として、いずれも基材層のみの成形体で上記の試験を行ったが、基本樹脂組成単独のもの(比較例1)、実施例1の基材層に対応した配合のもの(比較例2)及び、基本樹脂組成にタルクを配合のもの(比較例3)を選び、厚み5mmの成形体に成形して、実施例と同様の試験を行った。
【0042】
【表1】
【0043】
表1に試験結果をまとめた。まず、比較例同志について耐薬品性と溶接性とを比較すると、難燃剤を含まない比較例1の基本樹脂組成に比べて、難燃剤を配合した比較例2、3は、耐薬品性が劣り、また母材強度が低くて、同時に溶接効率が低くなるので、溶接性が低下している。また、難燃性については、比較例1、3は評価基準を満足しないが、比較例2は満足している。さらに比較例3は比較例1に比べてかなり難燃性が向上していることがわかる。
実施例1〜3の耐薬品性は、比較例1の基本樹脂組成と同じ程度を示し、基材層に難燃剤を含んでも、表面層を設けることにより改善されることがわかる。実施例1〜3の溶接強度は、難燃剤を含まない比較例1の基本樹脂組成より低いが、基材層と難燃剤配合が同じである実施例1と比較例2とを比較すると、実施例1の方が強度及び溶接効率が向上していることがわかる。これは難燃剤を含まない表面層を有するので、該表面層と融着樹脂とが良く接合されて強度が向上したものと思われる。実施例6は、実施例1と略同様の耐薬品性、母材強度、溶接効率を有していて、炭酸カルシウムと炭酸リチウムは略同じ効果を有することがわかる。
【0044】
実施例4については、表面層にホウ酸亜鉛を含有するので、耐薬品性が難燃剤を含まない実施例1〜3より劣るものの、比較例2より優れており、溶接強度についても、比較例1の基本樹脂組成や実施例1〜3より低いものの表面層を有しない比較例2よりもなお高く、表面層の効果が認められる。このことよりホウ酸亜鉛を含有する表面層を有する本発明は十分実使用可能なことがわかる。
【0045】
実施例5については、表面層にタルクを含有するので、耐薬品性が難燃剤を含まない実施例1〜3より劣るものの、比較例2より優れており、溶接強度も比較例2より優れており、表面層の効果が認められる。実施例5の難燃性については、比較例2と比較すれば若干低下するであろうが、実施例1に用いた表面層組成(比較例1)と実施例5の表面層組成(比較比3よりタルクの含有量が少ない組成)とを比較すると、実施例5の表面層組成がかなり良好なことを考慮すれば、実施例1よりも難燃性は向上するものと考えられ、評価基準を満足するであろうと推考される。
【0046】
【発明の効果】
本発明の塩化ビニル樹脂成形体は、基本的には、基材層中に難燃剤を含むので、ポリ塩化ビニル樹脂の燃焼が遅延され、発煙と腐食性ガスの発生とが抑制される成形体であり、表面層に実質的に固体粒子を含まないが或は含んだとしても40重量部以下であるので、溶接性と耐薬品性とが改善され、構造用のポリ塩化ビニル成形体として、特に、半導体製造装置用の塩化ビニル樹脂成形体としての利用を図ることができる。
【0047】
本発明の塩化ビニル樹脂成形体は、特に、表面層に含有させる無機質難燃剤としてタルク、ホウ酸亜鉛、錫酸亜鉛から選ばれた化合物の1つ以上を含有させたので、特に、難燃性を有した耐薬品性の高い成形体として、利用することができる。
【0048】
本発明の塩化ビニル樹脂成形体は、基材層中の無機質難燃剤が少なくとも亜鉛化合物を含み、表面層にアルカリ土類の炭酸塩を含むので、腐食性ガスの発生の抑制効果の大きい成形体として、特に、火災時の腐食性ガスの発生が問題となる用途に、特に、半導体製造装置用の塩化ビニル樹脂成形体としての利用を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の難燃性塩化ビニル樹脂成形体の概念的断面図。
【図2】本発明の難燃性塩化ビニル樹脂成形体を溶接した場合の溶接部での概念的断面図。
【図3】従来の難燃性塩化ビニル樹脂成形体を溶接した場合の溶接部での概念的断面図。
【符号の説明】
1 塩化ビニル樹脂成形体
2 基材層
3 難燃剤粒子
4 表面層
5 溶着樹脂
6 ノッチ部
Claims (5)
- ポリ塩化ビニル中にポリ塩化ビニル100重量部に対して無機質難燃剤を30〜100重量部含有した基材層と、該基材層の少なくとも片面に実質的に無機物を含まないポリ塩化ビニル表面層とを積層した、工業用の難燃性塩化ビニル樹脂成形体。
- ポリ塩化ビニル中にポリ塩化ビニル100重量部に対して無機質難燃剤を30〜100重量部含有した基材層と、該基材層の少なくとも片面にポリ塩化ビニル100重量部に対して無機難燃剤を40重量部以下含有し且つその含有量が基材層の無機難燃剤より少ないポリ塩化ビニル表面層とを積層した、工業用の難燃性塩化ビニル樹脂成形体。
- 無機質難燃剤が、タルク、錫酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、ゼオライト、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸リチウム及び酸化チタンから選ばれた1種以上の化合物を含む請求項1又は2に記載の工業用の難燃性塩化ビニル樹脂成形体。
- 基材層の厚さが2〜30mmで、表面層の厚さが0.3〜2.0mmである請求項1乃至3いずれかに記載の工業用の難燃性塩化ビニル樹脂成形体。
- 工業用が半導体製造用であることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の難燃性塩化ビニル樹脂成形体。
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