JP3442378B1 - 発泡樹脂弾性粒体を用いた成形方法及び成形体 - Google Patents

発泡樹脂弾性粒体を用いた成形方法及び成形体

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JP3442378B1 JP2002176641A JP2002176641A JP3442378B1 JP 3442378 B1 JP3442378 B1 JP 3442378B1 JP 2002176641 A JP2002176641 A JP 2002176641A JP 2002176641 A JP2002176641 A JP 2002176641A JP 3442378 B1 JP3442378 B1 JP 3442378B1
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Abstract

【要約】 【課題】 枕、クッション、マット等が必要としてい
る、通気性に富むと共に、形体が安定であり、しかも、
通水性、吸水性良好な成形体とその成形方法を提供す
る。 【解決手段】 発泡樹脂弾性体を裁断手段を用いて常温
下で所定サイズに粒体化する裁断粒体化工程と、前記工
程で得られた弾性粒体11にバインダーのウレタンプレポ
リマーを添加する工程と、予め作成したポリウレタンシ
ートを下型接触面側に配置する工程と、前記ウレタンプ
レポリマーを含む弾性粒体11を充填する工程と、上部に
ポリウレタンシートを覆った状態で上型を載せて蒸気存
在下に加熱成形する工程とからなる発泡樹脂弾性粒体11
を用いた成形方法と、それによって得られた成形体であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通気性に富むと共
に、形体の安定性を維持した状態でソフトな触感と弾性
を持ち、枕、クッション、又はマット等に最適な発泡樹
脂弾性粒体を用いた成形方法及びそれによって得られた
成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】枕、クッション、又はソファー等成形体
を弾性合成樹脂の粒体を固めて作成しようとする試み
は、例えば特開昭58-142836号にみられる。これはゴム
チップを有機酸ハロゲナイドを含有し、分子末端にイソ
シアネート基を有するプレポリマーからなるバインダー
で接着一体化させたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】大きい固体からの弾性
合成樹脂の粒体化は困難である。汎用されている手段と
しては、弾性合成樹脂を低温下において破壊力を与えて
破砕する方法である。しかし、この従来の冷凍設備を必
要とする方法はコスト面で問題がある。特に、ポリウレ
タン発泡体のように、低価格かつ、嵩高いものの粒体化
には適していない。
【0004】また、粒体化された弾性合成樹脂の単なる
バインダーを用いただけの成形体は、成形体の表面が凹
凸を帯びたり、表面への接触感や適度にソフトな触感と
弾性を持つことが困難である。そこで、製品表面の凹凸
を隠すために、塗装を施したり、合成樹脂カバー等で覆
う例が多いが、通気性を損なう要因となったり、ソフト
な触感が失われることが多い。
【0005】そこで、本発明者は枕、クッション、マッ
ト等が必要としている、通気性に富むと共に、形体が安
定であり、しかも、通水性、吸水性良好な成形体とその
成形方法について検討した。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を検討した結
果、発泡樹脂弾性体を裁断(鋏切断)手段を用いて常温下
で所定サイズに粒体化する裁断粒体化工程と、前記工程
で得られた弾性粒体にバインダーのウレタンプレポリマ
ーを添加する工程と、予め作成したポリウレタンシート
を下型接触面側に配置する工程と、前記ウレタンプレポ
リマーを含む弾性粒体を充填する工程と、その上部にポ
リウレタンシートを覆った状態で上型を載せて蒸気存在
下に加熱成形する工程とからなる発泡樹脂弾性粒体を用
いた成形方法とした。発泡樹脂弾性体としては、ポリエ
チレンを始めとするポリオレフィン発泡体、ポリウレタ
ン発泡体等を挙げることができるが、中でも弾性、形体
安定性、ソフトな触感等からポリウレタン発泡体が好ま
しい。
【0007】発泡樹脂弾性体は裁断(鋏切断)手段を用い
て常温下で粒体とする。裁断手段としては、多数の鋏刃
を有した装置により同時に裁断するようにしたもので、
これによって得られた発泡樹脂弾性粒体の粒子径はほぼ
4〜8mm角である。平板状の発泡樹脂弾性体から粒体と
することもできるし、線条体のものを切って粒体として
も良い。裁断によるので破砕床となり断面が平滑面であ
り、後の工程での接着に寄与する。
【0008】バインダーのウレタンプレポリマーとは、
分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリ
マーである。分子末端にイソシアネート基を有するウレ
タンプレポリマーの製造に使用する有機ポリイソシアネ
ートとしては、芳香族ポリイソシアネート類〔例えば
2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエン
ジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート
と2,6−トルエンジイソシアネートとの混合物、キシ
リレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’
−ジイソシアネート(MDI)、ジフェニルメタン−
4,4’−ジイソシアネートとジフェニルメタン−2,
4’−ジイソシアネートとの混合物、ジフェニルメタン
−4,4’−ジイソシアネートをベースとする変性ポリ
イソシアネート、脂環式ポリイソシアネート類、及び、
これらの2種以上の混合物が挙げられる。このうち好ま
しいものとしては芳香族ポリイソシアネート類である。
【0009】上記の有機ポリイソシアネートと反応させ
てウレタンプレポリマーを製造する際に使用するポリオ
ールとしては、高分子量ポリオール、例えば、ポリエー
テルポリオール、ポリエステルポリオール、重合体ポリ
オール、ポリブタジエンポリオール及びこれらの2種以
上の混合物が含まれる。ポリエーテルポリオールとして
は、低分子量ポリオール(エチレングリコール、プロピ
レングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブ
タンジオールなどの二官能ポリオール;グリセリン、ト
リメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの三
官能以上のポリオールなど)のアルキレンオキシド付加
物、アルキレンオキシドの開環重合物(ポリテトラメチ
レンエーテルグリコールなど)、ポリエステルポリオー
ルとしては、ポリカルボン酸(脂肪族ポリカルボン酸、
例えば、アジピン酸、マレイン酸、二量化リノレイン
酸、芳香族ポリカルボン酸例えばフタル酸など)とポリ
オール(上記低分子ポリオールまたはポリエーテルポリ
オール)との縮合により得られるポリエステルポリオー
ル、ラクトンポリエステル(ポリカプロラクトンポリオ
ールなど)など、重合体ポリオールとしてはポリオール
(ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールな
ど)が挙げられる。
【0010】前記ポリイソシアネートと前記ポリオール
を反応させ分子末端にイソシアネート基を有するウレタ
ンプレポリマーを製造する際、ポリイソシアネートを当
量よりも過剰に使用して、得られたウレタンプレポリマ
ーを使用する。イソシアネート基の含有量が低いと発泡
樹脂弾性粒体の結合力が弱くなり、逆にイソシアネート
基の含有量が高くなるとバインダーを含む弾性体が硬く
なり、脆さが出る等の問題が起こるので、適当な性状の
ウレタンプレポリマーを選択して使用することができ
る。
【0011】ウレタンプレポリマー使用量は、発泡樹脂
弾性粒体の結合に充分であればよく、発泡樹脂弾性粒体
の使用量100部に対して、10〜12部でよい。13部よりも
多いと多孔性を損なう上に硬めとなり、9部よりも少な
いと発泡樹脂弾性粒体間の結合力が弱くなる。
【0012】この成形方法によって得られた成形体は、
芯層が発泡樹脂弾性粒体のウレタンバインダーによる固
化層であり、表層がポリウレタン発泡体層である。枕、
クッション、又はマット等の形状に自由にできる。特
に、芯層と表層を連続気孔を有する発泡樹脂弾性粒体で
形成すると、通気性が良い上に、上から水を掛けるだけ
で水が短時間に下方へ落ち、発泡樹脂弾性体でありなが
ら、水洗を円滑に行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】発泡樹脂弾性体としてエーテル系
ポリウレタン連続発泡体ブロック10(図5参照、倉敷紡
績株式会社製、商品名「スーパーソフトフォーム」)を
多数の鋏刃を有した装置により裁断して、粒子径がほぼ
4〜8mmの発泡樹脂弾性粒体11を同時に作成した(図6
参照)。すなわち、裁断手段を用いて常温下で所定サイ
ズに粒体化する裁断粒体化工程である。
【0014】次に前記工程で得られたポリウレタンの弾
性粒体に、バインダーとしてTDI(トリレンジイソシ
アネート)系ウレタンプレポリマーのメチレンクロライ
ド溶液(樹脂分60%、三洋化成工業株式会社製、製品名
「SGI-2000」)を弾性粒体1Kg当たり120g混ぜて芯材を
予め調整した。
【0015】これを枕形状の成型が可能な下型内に12mm
厚の上記ポリウレタンシートを敷いたものの中へ、前記
ウレタンプレポリマーを含む弾性粒体を0.8Kg充填し
た。この充填量は枕の芯層(芯材)の硬さを左右するので
適度に調整する。この上部に前記と同様の12mm厚のポリ
ウレタンシートを覆った状態で上型を載せ、常法に従っ
て、150℃で蒸気存在下に加熱成形した。
【0016】枕の製品例の一部破断斜視図を図1に示
す。図2は図1中A部の拡大図である。この枕1は芯層
2がポリウレタン発泡体の発泡樹脂弾性粒体のウレタン
バインダーによる固化層であり、表層3がポリウレタン
発泡体層である。芯層2に代えて表層3のポリウレタン
発泡体層が内部まで連続したものであると、柔らかすぎ
て、好ましくないが、芯層2をポリウレタンの弾性粒体
をウレタンプレポリマーバインダーで固めているので、
程良い硬めの弾性を発揮する。
【0017】本発明は、金型で成形するため、三次元で
自由な形状にできる。例えば、図3に示すクッション4
や、図4に示すマット5などの形状が自由である。
【0018】芯層2と表層3に連続気孔のポリウレタン
発泡体層を用いた場合には、特に、、通気性が良い上
に、図1のように上から水道水を掛けるだけで水が短時
間に下方へ落ち、簡単に汚れを落とすことができるので
ある。
【0019】
【発明の効果】本発明の発泡樹脂弾性粒体を用いた成形
方法は、発泡樹脂弾性体を裁断手段を用いて常温下で所
定サイズに粒体化したものを芯層に用いるといった手段
を採用したので、柔軟なポリウレタン連続発泡体を表層
に用いても適度な硬さの枕やクッションなどを製造でき
る。また、常温下で所定サイズに粒体化するので低コス
トで製造できる。
【0020】本発明の成形体は、通気性に優れている上
に、伸縮性に優れ、しかもソフトな弾性を備えている。
しかも、吸湿性に優れている。加えて、水を使用する家
庭等での洗濯が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】枕の製品例の一部破断斜視図である。
【図2】図1中A部の拡大図である。
【図3】クッション製品例の斜視図である。
【図4】マット製品例の斜視図である。
【図5】ポリウレタン連続発泡体ブロックの斜視図であ
る。
【図6】発泡樹脂弾性粒体の斜視図である。
【符号の説明】
1 枕 2 芯層 3 表層 4 クッション 5 マット 10 ポリウレタン連続発泡体ブロック 11 発泡樹脂弾性粒体
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B68G 1/00 - 15/00 B29C 39/00 - 39/24 B29C 39/38 - 39/44 B29C 43/00 - 43/34 B29C 43/44 - 43/48 B29C 43/52 - 43/58 B29C 67/20 - 67/24 B29D 30/00 - 30/72

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡樹脂弾性体を裁断手段を用いて常温
    下で所定サイズに粒体化する裁断粒体化工程と、前記工
    程で得られた弾性粒体にバインダーのウレタンプレポリ
    マーを添加する工程と、予め作成したポリウレタンシー
    トを下型接触面側に配置する工程と、前記ウレタンプレ
    ポリマーを含む弾性粒体を充填する工程と、上部にポリ
    ウレタンシートを覆った状態で上型を載せて蒸気存在下
    に加熱成形する工程とからなる発泡樹脂弾性粒体を用い
    た成形方法。
  2. 【請求項2】 発泡樹脂弾性体がポリウレタン発泡体で
    ある請求項1記載の発泡樹脂弾性粒体を用いた成形方
    法。
  3. 【請求項3】 発泡樹脂弾性粒体の粒子径が4〜8mmで
    ある請求項1記載の発泡樹脂弾性粒体を用いた成形方
    法。
  4. 【請求項4】 芯層が発泡樹脂弾性粒体のウレタンバイ
    ンダーによる固化層であり、表層がポリウレタン発泡体
    層である成形体。
  5. 【請求項5】 芯層がポリウレタン発泡粒体のウレタン
    バインダーによる固化層であり、表層がポリウレタン発
    泡体層であり、枕、クッション、又はマット形状とした
    請求項4記載の成形体。
  6. 【請求項6】 芯層と表層が連続気孔を有する請求項4
    又は5記載の成形体。
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