JP2005270648A - 保冷具 - Google Patents

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Kazuhiro Kasuya
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Abstract

【課題】反撥弾性が低く体に対するフィット性がよく、保冷材からの冷気が長時間続く保冷具を提供する。
【解決手段】 ポリウレタンフォーム1a,1bと保冷材2とが重なりあって構成される保冷具であって、ポリウレタンフォームが20%以下の反発弾性(25℃)、9以下の反発弾性温度依存率{25℃における反発弾性と−20℃における反発弾性との差}及び40kgf/314cm2以下の25%ILD温度依存率(25℃での25%ILDと−20℃での25%ILDとの差)を有する保冷具7は、貫通孔である。
【選択図】図3

Description

本発明は、保冷具に関する。更に詳しくは、保冷用の低反撥弾性枕、マット等として有用な保冷具に関するものである。
保冷用枕として、プラスチック製の外装袋内に、含水ゲルが充填された内装袋と発泡シートが封入されたものが提案されている。(例えば、特許文献1)
特開2001−212168号公報
しかしながら、この保冷用枕は冷却効果に優れているが反撥弾性が高いため、頭部へのフィット感に欠けるという問題があった。
本発明の目的は、反撥弾性が低くフィット性{体(人を含む動物の体等)又は生鮮品(肉、魚、野菜、花及び飲料等)等に対するフィット性を含む}がよい保冷具を提供することである。
本発明者らは上記問題点を改善した保冷具を得るべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
即ち本発明の保冷具の特徴は、ポリウレタンフォーム(A)と保冷材(B)とが重なりあって構成される保冷具であって(A)が20%以下の反発弾性(25℃)、9以下の反発弾性温度依存率{25℃における反発弾性と−20℃における反発弾性との差}及び40kgf/314cm2以下の25%ILD温度依存率(25℃での25%ILDと−20℃での25%ILDとの差)を有する点を要旨とする。
本発明の保冷具は、、反発弾性が低く、優れたフィット性を発揮する。
したがって、本発明の保冷具は下記の効果を奏する。
(1)低温下でも低反撥弾性を示すポリウレタンフォームを設けるので、保冷枕、保冷マット等として用いた場合に低温でも快適なクッション性を有する。
(2)ポリウレタンフォームを設けるので断熱性がよく、保冷具として用いた時に、快適な表面温度を長時間保つことができる。
(3)保冷材の外面の一部又は全部に低温下でも低反撥弾性を示すポリウレタンフォームを設けるのでクッション性がよく、輸送中に凍結させた保冷材が動揺により被包装物どうしがぶつかりあったり損傷を引き起こしたりすることがない。
本発明におけるポリウレタンフォーム(A)は、JIS K6400(1997年版)により測定される反撥弾性(A法、25℃)が20%以下であり、好ましくは18%以下であり、より好ましくは17%以下、特に好ましくは16%以下である。反撥弾性の下限は、好ましくは1%である。この範囲であると、さらに優れたフィット性を有する。反撥弾性が20%を超えると、保冷具として用いた場合に頭部及び身体を安定した状態で保ち難くなる。
さらに、ポリウレタンフォーム(A)の反撥弾性(%)についての温度依存性(反撥弾性温度依存率;25℃の反撥弾性と−20℃の反撥弾性の差)は、9以下であり、好ましくは8以下、特に好ましくは7以下である。この範囲であると、保冷材が冷えている状態と温まった状態とでの(A)の柔軟性が変わらないため、さらに快適な使用感を得ることができる。なお、反発弾性温度依存率が9を超えると低温において頭部及び身体等を安定した状態で保ち難くなる。なお、−20℃の反発弾性は、試料を−20℃環境下に8時間放置して温度調整したものを取り出して1分以内に測定すること以外は、25℃の反発弾性の測定方法と同じ測定方法で測定する。
また、ポリウレタンフォーム(A)のASTM D3574−91の試験法によるヒステリシスロス率は、35〜80%が好ましく、さらに好ましくは40〜75,特に好ましくは45〜70である。この範囲であると、フォーム物性の温度依存性がさらに小さい軟質のポリウレタンフォームを得ることができる。

また、ポリウレタンフォーム(A)の25%ILD(kgf/314cm2)の温度依存性(25%ILD温度依存率;25℃の25%ILDと−20℃の25%ILDの差)は、好ましくは40以下、より好ましくは30以下、特に好ましくは25以下である。この範囲であると低温でも軟質のフォームにさらになりにくい。なお、ILDとはIndentation Load Deflection(圧縮応力)の略であり、25%ILDは、JIS K 6400(1997年版)の6.硬さのA法(2004年3月20日に改訂され、現在はJIS K6400−2の6.4A法で測定できる)に準拠して、25℃、相対湿度60%の環境下で、厚さ10cmの試験片を用い、200mmφの円盤(面積314cm2)について、厚み方向に、厚みの25%押し込んだ際の応力{単位kgf(1kgf=9.8N)}のことである。従って、JISに記載の単位で表現すると、例えば、40kgf/314cm2は392N{40×9.8}と表される。
このようなポリウレタンフォーム(A)は例えば下記の方法で製造できる。
すなわち、下記ポリオール(a1)及び(a2)を必須成分として含有するポリオール成分(a)と、MDI系ウレタンプレポリマーを含有するポリイソシアネート成分(b)とを、触媒(c)、発泡剤(d)、及び整泡剤(e)の存在下に反応させる製造方法等であるがこれらの原料及び製造方法に限定されない。
ポリオール(a1):平均官能基数が2〜4で、水酸基価が47〜160mgKOH/gで、末端オキシエチレン単位の含量が0〜20重量%であるポリオキシプロピレン(ポリオキシエチレン)ポリオール。
ポリオール(a2):平均官能基数が2〜4で、水酸基価が20〜40mgKOH/gで、末端オキシエチレン単位の含量が10〜30重量%であるポリオキシプロピレンポリオキシエチレンポリオール。
(a1)及び(a2)としては、例えば、少なくとも2個の活性水素を含有する化合物(多価アルコール、多価フェノール、アミン類、ポリカルボン酸、リン酸等)にアルキレンオキサイド(以下、AOと略記する)を付加した構造の化合物が挙げられ、2種以上を併用してもよい。これらのうちで好ましいものは、多価アルコールにAOが付加された構造の化合物である。
多価アルコールとしては、炭素数2〜20の2価アルコール(脂肪族ジオール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−又は1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、及びネオペンチルグリコール等のアルキレングリコール;及び脂環式ジオール、例えば、シクロヘキサンジオール、及びシクロヘキサンジメタノール等のシクロアルキレングリコール)、炭素数3〜20の3価アルコール(脂肪族トリオール、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、及びヘキサントリオール等のアルカントリオール);炭素数5〜20の4〜8価又はそれ以上の多価アルコール(脂肪族ポリオール、例えばペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン、及びジペンタエリスリトール等のアルカンポリオール、及びアルカントリオールの分子内若しくは分子間脱水物;並びにショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース、及びメチルグルコシド等の糖類及びその誘導体)等が挙げられる。
多価(2〜8価又はそれ以上)フェノールとしては、ピロガロール、ハイドロキノン及びフロログルシン等の単環多価フェノール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、及びビスフェノールスルホン等のビスフェノール類;フェノールとホルムアルデヒドとの縮合物(ノボラック)等が挙げられる。
アミン類としては、アンモニア;脂肪族アミンとして、炭素数2〜20のアルカノールアミン(例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、イソプロパノールアミン及びアミノエチルエタノールアミン)、炭素数1〜20のアルキルアミン(例えばn−ブチルアミン及びオクチルアミン)、炭素数2〜6のアルキレンジアミン(例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン及びヘキサメチレンジアミン)、ポリアルキレンポリアミン(アルキレン基の炭素数が2〜6のジアルキレントリアミン〜ヘキサアルキレンヘプタミン、例えばジエチレントリアミン及びトリエチレンテトラミン)等が挙げられる。また、炭素数6〜20の芳香族モノ若しくはポリアミン(例えばアニリン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、メチレンジアニリン及びジフェニルエーテルジアミン);炭素数4〜20の脂環式アミン(例えばイソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミン及びジシクロヘキシルメタンジアミン);及び炭素数4〜20の複素環式アミン(例えばアミノエチルピペラジン)等が挙げられる。
ポリカルボン酸としては、炭素数4〜18の脂肪族ポリカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、及びアゼライン酸等)、炭素数8〜18の芳香族ポリカルボン酸(テレフタル酸、及びイソフタル酸等)、及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
これらの活性水素化合物は2種以上を併用してもよく、平均官能基数が2〜4となるように選ばれる。
上記活性水素含有化合物に付加させるAOは、ポリオール(a1)の場合、プロピレンオキシド(以下POと略記する)、及び必要によりエチレンオキシド(以下EOと略記する)であり、ポリオール(a2)の場合、PO及びEOである。AOとしては、(a1)、(a2)共、これらのみからなることが好ましいが、AO中10重量%(以下、反発弾性とヒステリシスロス率を除き、%は重量%を意味する。)以下(とくに5%以下)の範囲で他のAOが併用された付加物であってもよい。他のAOとしては、炭素数4〜8のものが好ましく、1,2−、1,3−、1,4−、又は2,3−ブチレンオキシド、及びスチレンオキシド等が挙げられ、2種以上用いてもよい。(a2)、及び(a1)でPOとEOを併用する場合の付加方法としては、ブロック付加でもランダム付加でもこれらの併用付加であってもよいが、ブロック付加が好ましい。
AO付加時に用いる触媒としては、通常用いられるアルカリ触媒(KOH、CsOH等)の他、特開2000−344881号公報に記載の触媒〔トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン等〕、特開平11−120300号公報に記載の触媒(過塩素酸マグネシウム等)を用いてもよい。
ポリオール(a1)の平均官能基数は2〜4が好ましく、さらに好ましくは2〜3、より好ましくは2である。(a1)の水酸基価は、47〜160(mgKOH/g、以下の水酸基価も同じ)が好ましく、さらに好ましくは70〜145、より好ましくは100〜135である。(a1)の末端オキシエチレン単位(以下オキシエチレン単位をEO単位と略記する)の含量は、オキシアルキレンの重量に基づいて、0〜20%が好ましく、さらに好ましくは5〜15%、より好ましくは8〜12%である。
水酸基価が47未満ではフォームの反発弾性が高くなる傾向があり、160を超えるとフォームの硬さが高くなり過ぎる傾向がある。平均官能基数が2未満ではフォームの硬化時間が長くなる傾向があり、4を超えるとフォームの硬さが高くなり過ぎる傾向がある。末端EO単位の含量が20%を超えるとフォームの独立気泡率が高くなる傾向があり、フォームが収縮しやすくなする。
また、内部EO単位の含量は、オキシアルキレンの重量に基づいて、好ましくは5%以下、より好ましくは0である。好ましいEO単位(末端EO単位及び内部EO単位)の合計含量は、上記の末端EO単位の含量と同様である。
なお、ここでポリオール(a1)と後述のポリオール(a2)および(a31)の平均官能基数は、原料の平均官能基数から計算される理論値を、官能基数であると見なしたものである。
ポリオール(a2)の平均官能基数は、2〜4が好ましく、さらに好ましくは2〜3、より好ましくは2である。また、(a2)の水酸基価は、20〜40が好ましく、さらに好ましくは22〜35、より好ましくは25〜30である。また、(a2)の末端EO単位の含量は、オキシアルキレンの重量に基づいて、10〜30%が好ましく、さらに好ましくは15〜25%、より好ましくは18〜22%である。
水酸基価が20未満ではフォームの反発弾性が高くなる傾向があり、40を超えるとフォームの硬さが高くなり過ぎる傾向がある。平均官能基数が2未満ではフォームの硬化時間が長くなる傾向があり、4を超えるとフォームの硬さが高くなり過ぎる傾向がある。末端EO単位の含量が10%未満であるとフォームの硬化時間が長くなる傾向があり、30%を超えるとフォームの独立気泡率が高くなる傾向があり、フォームが収縮しやすい。
また、ポリオール(a2)の内部EO単位の含量は、オキシアルキレンの重量に基づいて、好ましくは0〜10が好ましく、より好ましくは1〜8%である。また、ポリオール(a2)のEO単位の合計含量は、オキシアルキレンの重量に基づいて、好ましくは10〜40%が好ましく、より好ましくは15〜35%、特に好ましくは20〜30%である。
ポリオール成分(a)中には、必要により、他のポリオール(a3)を1種以上含有してもよい。他のポリオール(a3)としては、ポリオール(a1)とポリオール(a2)以外のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、重合体ポリオール、これら以外の各種ポリオールもしくはモノオール、多価アルコール(ポリエーテルポリオール以外)、アルカノールアミン並びにこれらの混合物等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば多価アルコール、多価フェノール、又はアミン類等のAO付加物であって、(a1)及び(a2)以外のものが挙げられる。
多価アルコール、多価フェノール、アミン類、及び付加するAOとしては、前記(a1)におけるものと同様のものが挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、前記の多価アルコール(特にエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−又は1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、及びネオペンチルグリコール等の2価アルコール;前記ポリエーテルポリオール;又はこれらとグリセリン、及びトリメチロールプロパン等の3価又はそれ以上の多価アルコールとの混合物が好ましい)と、前記ポリカルボン酸若しくはその無水物、低級アルキル(アルキル基の炭素数:1〜4)エステル等のエステル形成性誘導体(例えばアジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、及びテレフタル酸ジメチル等)、又は前記カルボン酸無水物及びAOとの縮合反応物;そのAO(EO、PO等)付加物;ポリラクトンポリオール、例えば前記多価アルコールを開始剤としてラクトン(ε−カプロラクトン等)を開環重合させることにより得られるもの;ポリカーボネートポリオール、例えば前記多価アルコールとアルキレンカーボネートとの反応物;等が挙げられる。
重合体ポリオールとしては、前記のポリエーテルポリオール〔(a1)、(a2)、及びポリエーテルポリオール〕等のポリオール中で、アクリロニトリル、及びスチレン等のビニルモノマーを、ラジカル重合開始剤の存在下に重合させ、安定分散させたもの等が挙げられる。
これら以外の各種ポリオール若しくはモノオールとしては、ポリブタジエンポリオール等のポリジエンポリオール及びそれらの水添物;アクリル系ポリオール、特開昭58−57413号公報又は特開昭58−57414号公報等に記載された水酸基含有ビニル重合体;ヒマシ油脂等の天然油脂系ポリオール;ヒマシ油変性物(例えば多価アルコールエステル交換生成物、水添物)等の天然油脂系ポリオールの変性物;国際公開WO98/44016号パンフレットに記載の末端ラジカル重合性官能基含有活性水素化合物(モノオールも含まれる);ポリエーテルポリオールをメチレンジハライド等のアルキレンジハライド等でジャンプした変性ポリオール;ポリエーテルポリオールのOH末端ウレタンプレポリマー;等が挙げられる。
多価アルコール、アルカノールアミンとしては前述のものが挙げられる。
他のポリオール(a3)の平均官能基数は、好ましくは2〜8である。水酸基価は、好ましくは20〜1,850であり、より好ましくは200〜1,810である。
ポリオール(a)中の(a1)と(a2)との合計重量に基づく(a1)の量は、好ましくは40〜80%、より好ましくは50〜70%、特に好ましくは55〜65%である。(a2)の量は、好ましくは20〜60%、より好ましくは30〜50%、特に好ましくは35〜45%である。(a1)が40%以上〔(a2)が60%以下〕では、フォームの反発弾性がさらに低くなり、80%以下〔(a2)が20%以上〕では、フォームの硬さがさらに適度となる。また、(a3)の含量は、(a1)と(a2)の合計重量に基づいて、好ましくは30〜0%、より好ましくは20〜0%、特に好ましくは10〜1%である。
ポリイソシアネート成分(b)は、2,4’−又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、カーボジイミド変性MDI、及びポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(粗製MDI)等からなる群より選ばれる1種以上のMDI系ポリイソシアネートと、ポリオールとを反応させて得られる、末端NCO基を有するMDI系ウレタンプレポリマーを必須成分として含有する。ここで、MDI系ウレタンプレポリマーは、未反応のMDI系ポリイソシアネートを含む(プレポリマー化反応後に後添加するものも含む)意味で用いる。
MDI系ポリイソシアネートとしては、MDIが好ましい。MDIを用いると反撥弾性が低くなる。
上記ポリオールとしては、前記のポリエーテルポリオール〔(a1)と(a2)を含む〕、多価アルコール等が挙げられる。これらの中では、平均官能基数が1.5〜6で、水酸基価が20〜200で、末端EO単位の含量がオキシアルキレンの重量に基づいて0〜50%である、ポリオキシプロピレン(ポリオキシエチレン)ポリオールが好ましい。より好ましくはポリオール(a1)であり、ウレタンフォ−ム(A)として用いるポリオール(a1)と同じ組成のものを用いるのが特に好ましい。平均官能基数が1.5以上ではフォームの成形性がさらに良好であり、6以下では生成するMDI系ウレタンプレポリマーの粘度がさらに適度に低くなる。水酸基価が20以上ではフォームの反発弾性がさらに低くなり、200以下ではフォームの硬さがさらに適度となる。末端EO単位の含量が50%以下であると、反応させるポリイソシアネートとの相溶性がさらに良好となる。
MDI系ウレタンプレポリマー中のウレタン変性されたイソシアネートの含量は、MDI系ウレタンプレポリマーの重量に基づき、好ましくは20〜60%である。より好ましくは30〜50%、特に好ましくは35〜45%である。ウレタン変性されたイソシアネートの含量が20%以上であると、フォームが適度に硬くなり、60%以下であると、ポリイソシアネート成分(b)の粘度が適度に低くなる。
また、MDI系ウレタンプレポリマーのNCO含量は、15〜30%が好ましい。より好ましくは17〜28%、特に好ましくは18〜26%である。プレポリマーのNCO含量が15%以上ではフォームが適度に硬くなり、30%以下では成形性が良好となる。
また、ポリイソシアネート成分(b)中に、MDI系ポリイソシアネート以外の他の有機ポリイソシアネートを含有してもよい。他の有機ポリイソシアネートとしては、従来からポリウレタンフォームに使用されているものが使用でき、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、これらの変性物(例えば、ウレタン基、カーボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシヌアレート基、叉はオキサゾリドン基含有変性物等)、及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、炭素数(NCO基中の炭素を除く;以下のイソシアネートも同様)6〜16の芳香族ジイソシアネート、炭素数6〜20の芳香族トリイソシアネート及びこれらのイソシアネートの粗製物などが挙げられる。具体例としては、1,3−及び1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、トリフェ
ニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数6〜10の脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、炭素数6〜16の脂環式ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数8〜12の芳香脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
変性ポリイソシアネートの具体例としては、ショ糖変性TDI、ひまし油変性TDI等が挙げられる。
これらのうちで好ましいものは、芳香族ポリイソシアネートであり、より好ましくは、TDI及び粗製TDIである。
ポリイソシアネート成分(b)中のMDI系ウレタンプレポリマーの含量は、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上、特に好ましくは50%以上である。プレポリマーの含量が20%以上ではフォームが適度に硬くなる。
(b)のNCO含量は、15〜30%が好ましい。より好ましくは17〜28%、特に好ましくは18〜26%である。NCO含量が15%以上でフォームが適度に硬くなり、30%以下で成形性が良好となる。
本発明における触媒(c)としては、ウレタン化反応を促進する通常の触媒はすべて使用でき、例として、トリエチレンジアミン、ビス(N,N−ジメチルアミノ−2−エチル)エーテル、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン等の3級アミン及びそのカルボン酸塩;酢酸カリウム、オクチル酸カリウム、スタナスオクトエート、ジブチルチンジラウレート等のカルボン酸金属塩等の有機金属化合物;が挙げられる。これらの中で、好ましいものは、3級アミンであり、より好ましいのはトリエチレンジアミン、ビス(N,N−ジメチルアミノ−2−エチル)エーテル、及びこれらの併用である。
触媒の使用量は、ポリオール成分(a)100重量部(以下、部は、特に記載のない限り重量部を意味する)に対して、好ましくは0.01〜6部、より好ましくは0.2〜4部である。
発泡剤(d)としては、水を用いるのが好ましい。(d)に水のみを単独で用いる場合、水の使用量はポリオール(a)100部当たり、好ましくは0.1〜30部、より好ましくは1〜6部である。他の発泡剤と併用する場合の水の使用量は、好ましくは0.1〜10部、より好ましくは1〜5部である。その他必要により水素原子含有ハロゲン化炭化水素、低沸点炭化水素、液化炭酸ガス等が用いられる。
水素原子含有ハロゲン化炭化水素系発泡剤の具体例としては、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)タイプのもの(例えばHCFC−123、HCFC−141b、HCFC−22及びHCFC−142b);HFC(ハイドロフルオロカーボン)タイプのもの(例えばHFC−134a、HFC−152a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa及びHFC−365mfc)等が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、HCFC−141b、HFC−134a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa、HFC−3
65mfc及びこれらの2種以上の混合物である。
水素原子含有ハロゲン化炭化水素を用いる場合の使用量は、ポリオール(a)100部あたり、好ましくは50部以下、より好ましくは5〜45部である。
低沸点炭化水素は、通常沸点が−5〜70℃の炭化水素であり、その具体例としては、ブタン、ペンタン、シクロペンタン及びこれらの混合物が挙げられる。
低沸点炭化水素を用いる場合の使用量は、ポリウレタンフォーム(A)100部あたり、好ましくは40部以下、より好ましくは5〜30部である。
また、液化炭酸ガスを用いる場合の使用量は、(A)100部あたり、好ましくは30部以下、より好ましくは25部以下である。
整泡剤(e)としては、通常のポリウレタンフォームの製造に用いられるものはすべて使用でき、例として、ジメチルシロキサン系整泡剤[例えば、トーレダウコーニングシリコーン社製の「SRX−253」等]、ポリエーテル変性ジメチルシロキサン系整泡剤[例えば日本ユニカー社製の「L−5309」、「SZ−1311」、トーレダウコーニングシリコーン社製の「SF−2972」、「SRX−274C」等]等のシリコーン整泡剤が挙げられる。
整泡剤の使用総量は、ポリオール成分100部に対して、好ましくは0.1〜5部、より好ましくは0.5〜3部である。
また着色剤(染料、顔料)、難燃剤(リン酸エステル類、ハロゲン化リン酸エステル類等)、老化防止剤(トリアゾール系、ベンゾフェノン系等)、抗酸化剤(ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系等)等の公知の他の添加剤の存在下で反応させてもよい。ポリオール成分(a)100部に対するこれらの補助成分の使用量に関しては、着色剤は、好ましくは1部以下である。難燃剤は、好ましくは5部以下、より好ましくは2部以下である。老化防止剤は、好ましくは1部以下、より好ましくは0.5部以下である。抗酸化剤は、好ましくは1部以下、より好ましくは0.01〜0.5部である。
上記ポリウレタンフォームの製造方法において、イソシアネート指数[(NCO基/活性水素原子含有基)の当量比×100]は、好ましくは50〜120、より好ましくは60〜100、特に好ましくは65〜80である。イソシアネート指数が50〜120であるとフォームのキュアー時間が短縮できる。
上記方法によるポリウレタンフォームの具体的な製造方法の一例を示せば、下記の通りである。まず、ポリオール成分(a)、触媒(c)、発泡剤(d)、整泡剤(e)、および必要により他の添加剤を所定量混合する。次いでポリウレタン発泡機または攪拌機を使用して、この混合物とポリイソシアネート成分(b)とを、それぞれの液温が15〜35℃で急速混合する。得られた混合液(発泡原液)を密閉型もしくは開放型のモールド(金属製又は樹脂製、50〜75℃)に注入し、ウレタン化反応を行わせ、所定時間(例えば3〜20分)硬化後、脱型して、軟質ポリウレタンフォームを得ることができる。
上記ポリウレタンフォームの製造方法は、特にモールドフォームの製造方法として好適である。モールドフォームはモールドを変更することでポリウレタンフォームの形状を自由に設計することが可能であるため、好ましい。
ポリウレタンフォーム(A)のコア密度(kg/m3 )は、好ましくは50〜100であり、さらに好ましくは、60〜90である。
本発明における保冷材(B)を構成する保冷用媒体としては、従来公知のものが使用できるが、例えば下記(I)〜(VI)からなる群から選ばれるものが好ましい。この(I)〜(VI)については、特開2003−79680号公報、特願2002−263304号明細書、特願2002−373827号明細書、特願2003−310870号明細書に詳細に記載されている。
(I)水溶性高分子を水に溶解したゲル状物。
水溶性高分子としては、好ましくは重量平均分子量1,000〜100万のものが挙げられる。具体的に使用できるものとして天然高分子、半合成高分子、合成高分子が挙げられる。これらの内で好ましくは半合成高分子、合成高分子である。
天然高分子としては、例えば、デンプン質(デンプン等);動物タンパク質(ゼラチン、大豆タンパク質等);繊維素(木材セルロース等);海藻抽出物(カラギーナン等);植物種子粘質物(グァーガム等);植物樹葉粘質物(アラビアゴム、トラガントガム等);植物果実粘質物(ペクチン等);微生物生産粘質物(キサンタンガム等);植物地下茎粘質物(コンニャクナンマン等)等が挙げられる。
半合成高分子としては、セルロース誘導体(メチルセルロース、エチルセルロース等);デンプン誘導体(可溶性デンプン等);並びに、アルギン酸誘導体(アルギン酸塩等)等が挙げられる。
合成高分子としては、ポリオキシアルキレン化合物(1a)、ビニル系樹脂[アクリル系樹脂(1b)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー]、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。
(II)水あるいは水を主体とした混合溶媒を吸収した吸水性樹脂のゲル状物。
ゲル状物中の吸水性樹脂の濃度は好ましくは0.1〜10重量%であり、さらに好ましくは0.3〜5重量%である。吸水性樹脂としては、例えば下記の(1)〜(5)が挙げられる。
(1)デンプン又はセルロース等の多糖類(イ−1)及び/若しくは単糖類(イ−2)と、水溶性単量体及び/若しくは加水分解により水溶性となる単量体から選ばれる1種以上の単量体(ロ)と、架橋剤(ハ)とを必須成分として重合させ、必要により加水分解を行うことにより得られる吸水性樹脂。
(2)上記(イ)と(ロ)とを重合させたもの(デンプン−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、セルロース−アクリロニトリルグラフト重合物の加水分解物等);
(3)上記(イ)の架橋物(カルボキシメチルセルロースの架橋物等);
(4)上記(ロ)と(ハ)との共重合体(架橋されたポリアクリルアミドの部分加水分解物、架橋されたアクリル酸−アクリルアミド共重合体、架橋されたポリスルホン酸塩(架橋されたスルホン化ポリスチレン等)、架橋されたポリアクリル酸塩/ポリスルホン酸塩共重合体、ビニルエステル−不飽和カルボン酸共重合体ケン化物(特開昭52−14689号及び特開昭52−27455号公報に記載されているもの等)、架橋されたポリアクリル酸(塩)、架橋されたアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、架橋されたイソブチレン−無水マレイン酸共重合体、架橋されたポリビニルピロリドン、及び架橋されたカルボン酸変性ポリビニルアルコール);並びに、
(5)自己架橋性を有する上記(ロ)の重合物(自己架橋型ポリアクリル酸塩等);
が挙げられる。以上例示した吸水性樹脂は2種以上併用してもよい。
中和塩の形態の吸水性樹脂である場合の塩の種類及び中和度については特に限定はないが、塩の種類としては好ましくはアルカリ金属塩、さらに好ましくはナトリウム塩及びカリウム塩であり、酸基に対する中和度は好ましくは50〜90モル%、さらに好ましくは60〜80モル%である。
以上例示した吸水性樹脂は2種以上併用してもよい。
これらの吸水性樹脂のうち、好ましいものは、(1)、(4)として例示したもののうち、架橋されたデンプン−アクリル酸グラフト重合体の加水分解物、架橋ポリアクリルアミド共重合体、架橋されたアクリル酸(塩)−アクリルアミド共重合体、架橋されたポリアクリル酸(塩)、架橋されたアクリル酸(塩)−アクリル酸エステル共重合体、及び架橋されたカルボン酸変性ポリビニルアルコール、架橋されたN−ビニル化合物、架橋されたポリスルホン酸(塩)、架橋されたポリアクリル酸(塩)/ポリスルホン酸(塩)共重合体、(メタ)アクリルアミド−N−アルキル(炭素数1〜5)スルホン酸(塩)の架橋物、(メタ)アクリルアミド−N−アルキル(炭素数1〜5)スルホン酸(塩)と(メタ)アクリル酸(塩)の共重合体の架橋体であり、より好ましいものは、架橋されたデンプン−アクリル酸グラフト重合体の加水分解物、架橋されたアクリル酸(塩)−アクリルアミド共重合体、架橋されたポリアクリル酸(塩)、架橋されたポリスルホン酸(塩)、架橋されたポリアクリル酸(塩)/ポリスルホン酸(塩)共重合体、(メタ)アクリルアミド−N−アルキル(炭素数1〜5)スルホン酸(塩)の架橋物、(メタ)アクリルアミド−N−アルキル(炭素数1〜5)スルホン酸(塩)と(メタ)アクリル酸(塩)の共重合体の架橋体である。
吸水性樹脂の重量に対する水の吸水倍率は、好ましくは10〜1500倍であり、より好ましくは100〜1000倍である。又、吸水性樹脂の形状については特に限定はないが例えば、粒状、顆粒状、造粒状、リン片状、塊状、パール状等がある。
吸水性樹脂の吸水倍率は次に示す方法により測定して得られる値とする。
<吸水性樹脂の吸水倍率>ナイロン製の網袋(250メッシュ)に吸水性樹脂の試料(サンプル量;Xg)を入れ、これを袋ごと過剰の水に浸した。浸漬60分後に袋ごと空中に引き上げ、静置して15分間水切りした後、重量(Yg)を測定して下式より吸水倍率を求めた。[網袋のみを用いて上記と同様の操作を行い、この分の重量(Zg)をブランクとして差し引いた。]
吸水倍率=(Y−Z)/X
吸水性樹脂の平均粒子径についても特に限定はないが、好ましくは50〜850μmであり、より好ましくは60〜400μmである。50μmより大きいと透水性水不溶性シート(A)から粉漏れせず、850μmより小さいと被覆材を保冷材に装着したときの触感が良く、また結露水等を吸収するときの吸水速度が良好である。粒度分布は特に限定はないが、好ましくは50〜850μmの範囲の粒子が95重量%以上となるように粉砕したものを用いることができる。
ここで平均粒子径は重量平均粒子径を意味し、重量平均粒子径は、架橋重合体の各粒度分布を横軸が粒子径、縦軸が重量基準の含有量の対数確率紙にプロットし、全体の50%を占めるところの粒子径を求める方法により測定する。
(III)上記(I)あるいは(II)のゲル状物に氷点降下物質(多価アルコール類、尿素、硝酸アンモニウム、食塩等及びこれらの併用)を添加した保冷用媒体。
ゲル状物中の氷点降下物質の濃度は好ましくは0.1〜50重量%であり、さらに好ましくは0.5〜40重量%である。
(IV)水溶解時に吸熱する物質(硝酸ナトリウム、炭酸ナトリウム10水塩、リン酸二アンモニウム、四ホウ酸ナトリウム10水塩、チオ硫酸ナトリウム10水塩等)と上記(I)〜(III)のゲル状物よりなる二剤性保冷用媒体。ゲル状物100重量部に対して吸熱する物質の配合量は好ましくは10〜90重量部であり、さらに好ましくは20〜80重量部である。
(V)吸水性樹脂、水溶性高分子、水及び親水性アルコールからなるゲル状物。
ここで親水性とは水溶性及び水分散性を意味し、親水性アルコールとしては、エタノール、グリセリン、ジエチレングリコール、エチレングリコール及び親水性ポリエーテル[ポリエチレングリコール、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)トリオール、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)グリコール、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)グリコールモノアルキルエーテル]等が好ましい。ゲル状物中の水と水溶性ポリマーとの重量比は好ましくは100:0.1〜10、より好ましくは100:0.5〜8である。ゲル状物中の水と親水性アルコールとの重量比は好ましくは100:1〜80、より好ましくは100:10〜65である。ゲル状物中の水溶性ポリマーと親水性アルコールとの重量比は好ましくは1:10〜60、より好ましくは1:20〜40である。ゲル状物中の吸水性樹脂と水溶性ポリマーとの重量比は好ましくは1:0.1〜10、より好ましくは1:0.2〜3である。詳細は特公平7−23467号公報に記載されている。
(VI)水不溶性で非吸水性のポリマー皮膜で表面被覆された吸水性樹脂の粒子が水溶性高分子、水及び親水性アルコールを含有する水性ゲル中に懸濁したゲル状物。
親水性ポリマー、配合量等は(V)に記載されたものと同じでよい。詳細は特公平7−81134号公報に記載されている。
(V)、(VI)のゲル状物は−5〜−30℃でも柔軟性を有する。
これらの内で好ましくは(II)〜(VI)であり、より好ましくは(V)、(VI)である。
保冷材は上記の保冷用媒体を別の容器で混合作成した後、保冷用媒体を封入する容器に入れてもよいし、該容器内に保冷用媒体の構成原料を入れてから混合して、保冷材を作成してもよい。すなわち、保冷材は吸水性樹脂、水及び必要により溶剤を万能混合機等で混合して容易に得ることができるし、容器中で混合して得ることもできる。混合時間、温度は特に限定はない。
保冷用媒体を封入する容器は袋でも箱でもよいが、袋が好ましい。袋であると容器の形状が自由に変形可能であるため保冷具のフィット性がさらによくなる。容器が箱の場合、形状は特に限定されず、立方体、直方体、円柱など任意の形状でよい。
保冷用媒体を容器に封入する方法としては、容器が袋である場合には縫製、ヒートシール等の方法を用いることができる。容器が箱である場合には、箱の一部を開閉可能な蓋にしておき、保冷用媒体を箱に入れた後に蓋をして必要により蓋が開かないように接着等の方法で蓋を固定する方法が挙げられる。
該容器の基材としては、不透水性基材であってもよいし、透水・水不溶性基材であってもよい。好ましくは前者である。不透水性基材としては、柔軟性があり不透水性のフィルムであれば制限はないが、ポリエステルフィルム、ナイロン、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等の合成樹脂製フィルム;これらの積層ラミネートフィルム;アルミホイル等の金属製フィルム、及び合成樹脂製フィルムと金属フィルムとの多層ラミネートフィルムが挙げられる。柔軟性の点から合成樹脂製フィルム、及び合成フィルムの積層ラミネートフィルムが好ましい。フィルムの厚さも特に限定はないが、好ましくは0.01〜5mmであり、より好ましくは0.05〜3mmである。
透水・水不溶性基材としては、柔軟性があり且つ透水性のシートであって、且つ使用時に破れない程度の湿潤強度があれば特に形態、材質にはこだわらない。透水性基材としては水が通る孔があれば特に限定はないが、孔の大きさは好ましくは0.001〜1mm、特に好ましくは0.01〜0.5mmである。基材の厚みは不透水性基材の場合と同じである。
材質としては例えば綿、羊毛、絹、セルロース、パルプ等の天然繊維、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポバール等及びその変性物等の合成樹脂又は繊維、レーヨン、アセテート等の半合成繊維等及びこれらの混合素材、洋紙、和紙等の紙の素材が適用できる。
ここで透水性は100mlの25℃のイオン交換水が100cm2の面積を通過する時間(秒)で表すと30秒以下のものをいい、好ましくは15秒以下であり、特に好ましくは5秒以下である。30秒を超えるものは不透水性である。常態強度は縦/横とも2kg/cm以上、好ましくは3kg/cm以上の引裂強度が必要であり、湿潤強度(25℃のイオン交換水に1分浸漬後の引張強度)は0.05kg/cm以上、好ましくは0.1kg/cm以上必要である。
形態としては例えば編布、織布、不織布等の布;ポリエチレン、ポリプロピレン等のシートに微細な孔を数多く開けたもの等のメッシュフィルム;洋紙、和紙等の紙等が挙げられる。これらの中で不織布が特に好ましい。不織布については、「不織布の基礎と応用」(日本繊維機械学会発行)に詳細に記載されている。また、熱融着法で固定する場合は熱融着繊維及び/又はフィルム等の熱融着物質を含んだものを使用するが、「熱融着不織布の実態と熱融着繊維全容」1989年4月24日発行、(株)大阪ケミカルマーケッティングセンターに詳細に記載されているものが挙げられる。
また、必要により、保冷用媒体中に防腐剤、防カビ剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を添加してもよい。添加量は保冷材全体に対して好ましくは10重量%以下である。
保冷材の大きさは、特に限定されないが、好ましくは10cm3〜5000cm3であり、より好ましくは、20cm3〜3000cm3であり、特に好ましくは30cm3〜2000cm3である。保冷材の大きさが、10cm3より大きいと保冷効果が良好であり、5000cm3より小さいと冷蔵庫への出し入れのし易さ等取り扱いが良好である。
また、本発明の保冷具は上記(A)及び/又は(B)が、フラジール法通気度が200cm3/cm2/sec以上である立体構造を有する繊維及び/又はプラスチック構造体(C)で覆われてなるのが好ましい。該(C)のフラジール法通気度が200cm3/cm2/sec以上であり、より好ましくは300cm3/cm2/sec以上であり、好ましくは400cm3/cm2/sec以上である。フラジール法通気度が200cm3/cm2/sec以上であると、保冷用媒体の冷気が外に伝わる速効性が良好となる。
(フラジール法通気度の測定法)
フラジール型通気度計を用い、オリフィスの前後に生じた圧力差から試片を通過する空気量(cm3/cm2/sec)を求める。
立体構造を有する構造体とは、三次元の構造組織等が含まれ、繊維及び/又はプラスチックからなる三次元の構造組織等が挙げられる。繊維、プラスチックのそれぞれの単独で構成したものでもよいし、繊維とプラスチックが組合わさった構造体でもよい。繊維とプラスチックの構成比率は使用する用途によって異なり任意でよい。好ましくは繊維構造体である。例えば表裏2枚の地組織と、該地組織を連結する連結部からなる立体構造を有する繊維及び/又はプラスチック構造体が挙げられる。繊維構造体を形成する素材としては例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維;ナイロン6、66、46等のポリアミド系繊維;アラミド系繊維;ポリアクリロニトリル系繊維;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維;ビスコース、アセテート、キュプラ等のレーヨン繊維;綿、羊毛、麻等の天然繊維;炭素繊維;ガラス、金属等の無機系繊維;及び/又はこれらの混合繊維、針金等が挙げられる。プラスチック構造体を形成
する素材としては、好ましくは重量平均分子量1万〜100万のプラスチックであり、例えば天然ゴム(NR)のほか、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム、ブチルゴム(IIR)等のゴム、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ニトリルゴム(NBR)、オレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、エステル系樹脂、アミド系樹脂等の熱可塑性樹脂;及び尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾシノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ビニル樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。これらの材料のうち、好ましいのはゴム、オレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、エステル系樹脂、アミド系樹脂である。
上記の互いに離間して配置された表裏2枚の組織を連結糸でつないだ厚さは好ましくは3〜35cm、より好ましくは7〜20cmの三次元立体である。3cm以上であるとクッション性が良好となり、35cm以下であるとクッション性に優れると同時に保冷材使用時の形態安定性に優れる。さらにこの組織が1層のみならず好ましくは2〜10層と積層して用いてもよい。積層することによって保冷材使用時のクッション性や体圧分散性が向上する。
前記地組織の少なくとも一方が繊維及び/又はプラスチック占有率が10〜80%であるように複数の糸及び/又はプラスチックによって形成され、それによって前記繊維及び/又はプラスチック構造体に表裏いずれか一方又は両方に連通する複数の空隙が設けられるのが好ましい。より好ましくは繊維及び/又はプラスチック占有率が20〜70%である。繊維及び/又はプラスチック占有率が10〜80%であると繊維及び/又はプラスチック構造体として厚みのある保持・補強効果が得られ、保冷材使用時の形態安定性に優れる。繊維及び/又はプラスチック占有率を10〜80%にする手段としては、地組織を構成する糸条の本数を増減する、地組織の構成密度を増減する、糸条の太さを変える等の手段がある。
ここで繊維及び/又はプラスチック占有率とは地組織を構成する繊維及び/又はプラスチックが占める面積比率を意味する。すなわち、1インチ四方(2.54cm×2.54cm=6.45cm2)の面積当りの地組織を構成する繊維及び/又はプラスチックが占める面積比率として示せば繊維及び/又はプラスチック占有率は下記の式によって算出される。下記式は繊維の場合であるが、プラスチックの場合もこの式に準じる。
繊維占有率(%)=[(ΣL×N×d)−n×d×d'] ×100/6.45
N:1インチ四方内の構成する繊維種毎の糸本数(本/inch2
d:構成する繊維種毎の糸の直径(cm)
d':地組織中の交叉点における他の糸の直径(cm)
L:1インチ四方内の構成する繊維種毎の1本の糸の長さ(cm)・・・織物等の糸が直行している場合は2.54、編み物等の糸が湾曲している場合は、1インチ間にある繊維長を測定してその値をとる。
n:1インチ四方内の交叉点の数
Σ:織物の場合の経糸、緯糸等使用する糸の種類毎に計算しそれの合計を出す
この地組織が他の地組織から連結部によって立ち上がって配置され、連結糸は編組織に柱構造、筋違構造で立体的に結合され、連結部を構成する複数の糸条によって孔状、溝状、畝状あるいは格子状又は蜂巣状の多数の空隙が設けられることになる。
この連結糸は繊維及び/又はプラスチック構造体に剛性と厚みを与えるために剛性の高い素材を用いるのが好ましい。従って、前述の素材の中から自由に選定することができるが、より好ましくはポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン等の有機モノフィラメント糸、無機繊維、さらに必要あれば針金等を用いるとよい。モノフィラメント糸の太さは280〜1100デシテックスとするのがよい。
繊維及び/又はプラスチック構造体は形態安定性、クッション性を向上させるために、剛性、さらに反撥性を有することが好ましい。反撥性を持たせるにはモノフィラメント等の剛性の高い素材を使用した前記繊維及び/又はプラスチック構造体を必要に応じて公知の樹脂材料を用いて樹脂加工するのがさらに好ましい。
樹脂材料のうち、好ましいのはゴム、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂(反応型、非反応型)、エステル系樹脂、アミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ビニル系樹脂であり、特に好ましくはウレタン系樹脂(反応型、非反応型)、エステル系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、ビニル系樹脂である。
前記(C)と上記樹脂材料との固形分比は、(C)100重量部に対して樹脂材料は好ましくは0.05〜50重量部であり、より好ましくは0.5〜45重量部である。特に好ましくは1〜40重量部である。
樹脂液の付与方法はデイッピング法、コーテイング法、スプレー法等から選択すればよく、熱処理は上記に挙げた以外は乾燥に引き続き、例えば、150〜230℃で2〜3分間で行うのが好ましい。該工程は一回又は二回以上の繰り返しを行ってもよい。この樹脂及び加工方法については特開2002−263304号明細書に詳細に記載されている。
この様にして得られた三次元の繊維及び/又はプラスチック構造体はフラジール法通気度が200cm3/cm2/sec以上であることの他に圧縮率は好ましくは30%以上であり、圧縮復元率は70%以上である。より好ましくは圧縮率は40%以上であり、圧縮復元率は80%以上である。圧縮率が30%以上、圧縮復元率が70%以上であると、保冷具使用時のクッション性がよい上に形態安定性に優れ、例えば保冷具としてマット等に使用した場合の体圧分散性に優れる。
本発明の保冷具の構成としては、(i)ポリウレタンフォーム(A)の表面に、容器に保冷用媒体を封入した保冷材(B)を設けたもの(図11及び図12) (ii)(A)の表面のみに(B)を設けて且つ(B)の一部分が(A)に埋まっているもの(図11及び図13) (iii)(A)の内部のみに(B)が存在しているもの(図1〜図3)が利用できる。(A)と(B)とが重なる面においては、(A)の面積が(B)の面積以上であることが好ましい。(A)の面積が(B)の面積以上であると保冷具で冷却できる時間が長くなる。(A)と(B)とは直接重なっていても、立体構造を有する構造体(C)等の他の構成材料を介して重なっていてもよい。本発明におけるポリウレタンフォームは連続気泡率が元々高いものであるが、(iii)の構造をとる場合には、さらに(A)の一方の表面から反対側の表面に貫通孔を開けるのが好ましい。貫通孔を開けることによって保冷材の結露水が蒸散したり、保冷材の冷気が効率的に表面に伝わることになる。貫通孔はフォームを貫通する孔であれば、その方向は特に限定されないが、フォームの面に対してほぼ垂直方向であることが好ましい。
貫通孔の大きさは、特に限定されるものではないが、好ましくは0.1〜25cm2であり、より好ましくは0.5〜10cm2である。貫通孔の大きさが0.1より大きいと、応力がかかった時に貫通孔が塞がれにくく、冷却効果が損なわれにくい。又、貫通孔の大きさが25cm2より小さいと頭部及び頭部周辺への触感が良く(体への触感が良く、不快になることがない)、その結果寝心地感が損なわれることがない。
貫通孔の形状は、特に限定されるものではない。円、楕円、三角形、四角形、多角形、花びら状等、好きな形を選択することができる。貫通孔の数量は、応力がかかった状態で形状が維持できるものであれば特に限定されるものではない。貫通孔の作成方法については特に限定はないが、プレス加工で行うのが好ましい。
また、上記立体構造を有する構造体(C)を利用する場合は、上記(i)〜(iii)の構造全体の一部又は全部を覆っても良いし、(i)〜(iii)の(B)の表面全体の一部又は全部を覆っても良い。好ましくは(B)の表面全体の一部又は全部が外装材(C)で覆われたものである。
保冷具の大きさ、厚さは用途によって異なるので特に限定はない。
保冷具の製造法の一例を図により説明すると以下の通りである。
(i)三次元の繊維構造体(例えば、フュージョン−I;旭化成株式会社製)同士を重ね合わせ、四辺のうちの一辺を三次元の繊維構造体同士を直接縫合(図7の左端部分)し、三辺を三次元の繊維構造体にナイロンメッシュシートを重ねて縫製{二辺(図7の上下端部分)は縫合して密封し、一辺(図7の右端部分及び第9図)は三次元構造体の上下それぞれの端部の縁をナイロンメッシュシートでくるんで補強するように縫合する}し、一部開放可能な袋状の包装材を作製した。なお、開閉部分には必要によりチャック等を設けてもよい。不透水性基材からなる容器内に保冷用媒体を封入した保冷材(図4)をこの包装材の中に挿入する。
(ii)垂直方向に貫通する孔を設け、底面に上記保冷材を設置するための構造を有する枕型の低反撥弾性のポリウレタンフォームを作製する。
(iii)図1に示すように(ii)の枕型のポリウレタンフォームに(i)の保冷材を装填し、本発明の保冷具を作製することができる。
この様にして製造された本発明の保冷具は、好ましくは−30〜10℃の条件で、より好ましくは−20〜5℃の条件で保冷材を冷却した後、保冷具として用いることができる。冷却する場合、本保冷具をそのまま冷却しても良いし、保冷材を挿入した包装材の袋を冷却した後ポリウレタンフォームに挿入しても良いし、保冷材を冷却した後、包装材の袋に挿入し、ポリウレタンフォームに挿入して使用しても良い。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下では保冷材を包むもの、例えばポリウレタンフォーム、フュージョン等を総称して包装材という。
<実施例1>
[保冷材の作製]
不透水性シートとして、 巾17cm、長さ24cmのポリエチレンフィルム(厚さ:80μm)を使用し、二つ折りにし、更に二方をヒートシールして保冷材容器を作製した。この容器内に吸水性樹脂{サンフレッシュST−500D}10g及び水990ccを入れ、残りの開口部をヒートシールしてよく振って内容物をゲルとし保冷材を作製した(図4〜6)。
サンフレッシュST−500D:ポリアクリル酸架橋型吸水性樹脂、吸水倍率400倍、粒径106〜850μm、三洋化成工業株式会社製
[ポリウレタンフォームの作製]
表1に記載の部数の、ポリイソシアネート以外の成分を混合したポリオールプレミックス(液温:20℃)に、所定のNCO指数となるようポリイソシアネート(液温:20℃)を加えて、ホモディスパー(特殊機化工業株式会社製攪拌機)にて4000rpmで10秒攪拌後、60℃に温度調節したアルミ製モールドに注入し、さらに10分間キュアーし、ポリウレタンフォームを作製した。このポリウレタンフォームは内部材及び外部材の2つの部材からなる。外部材にはさらにプレス加工により貫通孔を開け、内部材及び貫通孔を有する外部材からなるポリウレタンフォーム(A−1)を作製した。
[保冷具の作製]
上記の保冷材をポリウレタンフォーム(A−1)の内部材に装填し、さらに外部材を被せて一体化させることによって、ポリウレタンフォームの内部のみに保冷材が存在する本発明の保冷具を作製した。(図1〜3)
<実施例2>
[包装材の作製]
巾25cm、長さ32cmのフュージョン−I(品番:31804)同士を重ね合わせ、三方を巾1cmのナイロン不織布で覆うようにして重ね縫製し、三方のうち一方の部分が開いた袋状の包装材を作製した(図7〜10)。
フュージョン−I:通気度400以上(cm3/cm2/sec)、4mm厚;旭化成株式会社製
[保冷具の作製]
実施例1の保冷材を上記の包装材に挿入し、包装材の開放している一端を粘着テープで塞ぎ、保冷材を包装材で覆った。これを実施例1と同様の方法でポリウレタンフォーム(A−1)に装填し、ポリウレタンフォームの内部のみに保冷材が存在する本発明の保冷具を作製した。(図2)実施例2は実施例1の保冷材を包装材で覆っていることが異なる以外は同じである。
<実施例3>
[ポリウレタンフォームの作製]
アルミ製モールドの種類を変更した以外はポリウレタンフォーム(A−1)と同様にして、直方体のポリウレタンフォーム(A−3)を作製した。
[保冷具の作製]
実施例1の保冷材を実施例2の包装材に挿入し、包装材の開放している一端を粘着テープで塞ぎ、保冷材を包装材で覆った。これをポリウレタンフォーム(A−3)に載せてポリウレタンフォームの表面のみに保冷材が存在する本発明の保冷具を作製した。(図11、図12)。
<実施例4>
[ポリウレタンフォームの作製]
アルミ製モールドの種類を変更した以外はポリウレタンフォーム(A−1)と同様にして、凹部を有する直方体のポリウレタンフォーム(A−4)を作製した。
[保冷具の作製]
実施例1の保冷材を実施例2の包装材に挿入し、包装材の開放している一端を粘着テープで塞ぎ、保冷材を包装材で覆った。これをポリウレタンフォーム(A−4)に載せてポリウレタンフォームの表面に保冷材を設け且つ保冷材の一部分がポリウレタンフォームに埋まっている本発明の保冷具を作製した。(図11、図13)
<比較例1>
[ポリウレタンフォームの作製]
表1に記載の部数の、ポリイソシアネート以外の成分を混合したポリオールプレミックス(液温:20℃)に、所定のNCO指数となるようポリイソシアネート(液温:20℃)を加えて、実施例1と同様にポリウレタンフォーム(A−2)を成形した。
[保冷具の作製]
実施例1の保冷材を上記のポリウレタンフォーム(A−2)に装填し、保冷具を作製した。
<比較例2>
[保冷具の作製]
実施例1の保冷材を実施例2の包装材に挿入し、包装材の開放している一端を粘着テープで塞ぎ、保冷具を作製した。
実施例1,2及び比較例1におけるポリウレタンフォーム用原料は次の通りである。
(1)ポリオールa1−1:プロピレングリコールのPO/EOブロック付加物(水酸基価125、末端EO単位の含有量=10%)。
(2)ポリオールa2−1:プロピレングリコールのPO/EO/PO/EOブロック付加物(水酸基価28、末端EO単位の含有量=20%、内部EO単位の含有量=5%)。(3)ポリオールa3−1:グリセリンのPO/EOブロック付加物(水酸基価281、末端EO単位の含有量=10%)。
(4)ポリオールa3−2:グリセリンのPO/EOランダム付加物(水酸基価112、EO単位の含有量=70%)。
(5)ポリオールa3−3:トリエタノールアミン〔日本触媒社製トリエタノールアミン〕
(6)ポリイソシアネートb−1:ウレタン変性MDI/カーボジイミド変性MDI/粗製MDI/MDI=40/4.5/10/45.5(重量比)の混合物からなるMDI系ウレタンプレポリマー、NCO含量:21.6%。ただし、ウレタン変性MDIは、MDIと上記ポリオール(a1−1)の、当量比2:1のNCO末端真性プレポリマーである。
(7)ポリイソシアネートb−2:TDI/MDI=80/20(重量比)の混合物〔日本ポリウレタン工業(株)製CE−729〕
(8)触媒c−1:トリエチレンジアミンのジプロピレングリコ−ル溶液〔三共エアプロ社製DABCO−33LV〕
(9)触媒c−2:ビス(ジメチルアミノエチル)エーテルの70%ジプロピレングリコール溶液〔東ソー社製TOYOCAT ET〕
(10)発泡剤d:水
(11)整泡剤e−1:日本ユニカー社製「L−5309」
(12)整泡剤e−2:日本ユニカー社製「SZ−1311」
Figure 2005270648
保冷具の試験方法を次に示す。
<保冷具及び保冷材の表面温度確認試験>
保冷材を−25℃、24時間で完全に凍結させ、実施例1,2、比較例1,2の保冷具に装填した。各保冷具を厚さ1mmの綿布で覆い、保冷具表面の中央部と保冷材表面の中央部にそれぞれ温度センサーを取りつけ、更に15g/cm2の加重を加え40℃に温度調節したインキュベーター内に放置し、保冷具及び保冷材の表面温度を測定した。
<保冷具の外装材の反発弾性確認試験>
25℃及び−20℃に温度調節した外装材(ポリウレタンフォームA−1,A−2及びフュージョン−I)について、取り出して1分後の反発弾性を測定した。測定方法はJIS K 6400(1997年版)の試験法に準拠した。
<保冷具の外装材のヒステリシスロス率(%)確認試験>
25℃に温度調整した外装材(ポリウレタンフォームA−1,A−2及びフュージョン−I)について、取り出して1分後のヒステリシスロス率を測定した。測定方法はASTM D3574−91の試験法に準拠した。
<保冷具の25%ILD(kgf/314cm2)確認試験>
25℃及び−20℃に温度調節した外装材(ポリウレタンフォームA−1,A−2及びフュージョン−I)について、取り出して1分後の25%ILDを測定した。測定方法は
JIS K 6400(1997年版)の試験法に準拠した。
<保冷材の保冷時間確認試験>
上記保冷材の表面温度確認試験において、保冷材表面の温度が15℃以上になるまでの時間を測定した。
<保冷具の結露の有無確認試験>
保冷材を−25℃、24時間で完全に凍結させ、実施例1,2、比較例1,2の保冷具に装填した。各保冷具を厚さ1mmの綿布で覆い、約15時間室内に放置した後の綿布を観察し、以下の基準で評価した。
〇:綿布表面がさらさらと乾いている。
△:綿布表面が湿っぽい。
×:綿布が濡れている。
<保冷具の頭部の安定感確認試験>
実施例1,2、比較例1,2の保冷具について、パネラー10人による30分間頭部を乗せたときの感覚を以下の基準で評価した。
〇:頭部にフィットし、安定感に優れている。
△:頭部にフィットするが、若干安定感に欠ける。
×:頭部にフィットせず、安定感がない。
性能評価
実施例1,2及び比較例1,2の保冷具について、確認試験を行った。その結果を表2(保冷具の表面温度の確認)、表3(保冷材の表面温度の確認)、表4(反発弾性、25%ILDの確認)及び表5(保冷時間、結露の有無、頭部の安定感の確認)に示した。
Figure 2005270648
Figure 2005270648
Figure 2005270648
Figure 2005270648
本発明保冷具は、快適な表面温度、快適なクッション性、及び断熱性に優れ保冷時間が大幅に伸ばすことができる。
上記の効果を奏するので、保冷枕、首・背骨・腰・ふくらはぎ・おでこ・脇の下・脚等の保冷具、額の冷却シート、運動後の筋肉・関節等の冷却マットや保冷サポーター、冷却アイマスク、夏時の清涼座布団(特に車用)・布団・ベッド用マット、清涼ヘルメット、靴のクール下敷き、清涼スカーフ・バンダナ、消防用の防火服の内張り・炎天下作業時の作業衣や手袋・またはそれに付属の保冷具、車椅子使用時の冷却座布団と背もたれ等の人体保冷用;犬・猫等の動物用保冷マット(クールマット)・保冷タオル;肉・魚・野菜・花等の生鮮物の鮮度保持材;ケーキ・菓子等の保冷剤;ペットボトル・ビール等の携帯用保冷ケース(袋状);血液・検体等の保冷剤、葬儀用保冷剤等に有効である。
実施例1の「保冷具」の完成直前の状態を概念的に表した斜視図である。 実施例1及び2の「保冷具」を貫通孔のない底面側から見た底面図である。 図1におけるA−A部の断面を概念的に表した断面図である。 実施例1及び2の保冷具に用いた「保冷材」を概念的に表した平面図である。 図4におけるB−B部の断面を概念的に表した断面図である。 実施例1及び2の保冷具に用いた「保冷材」を概念的に表した正面図である。 実施例2の保冷具に用いた「立体構造を有する構造体」を概念的に表した平面図である。 図7におけるC−C部の断面を概念的に表した断面図である。 実施例2の保冷具に用いた「立体構造を有する構造体」を概念的に表した右側面図である。 実施例2の保冷具に用いた「立体構造を有する構造体」を概念的に表した正面図である。 実施例3及び4の「保冷具」を概念的に表した斜視図である。 実施例3の「保冷具」について、図11におけるD−D部の断面を概念的に表した断面図である。 実施例4の「保冷具」について、図11におけるD−D部の断面を概念的に表した断面図である。
符号の説明
1.ポリウレタンフォーム
1a.ポリウレタンフォーム外部材
1b.ポリウレタンフォーム内部材
2.保冷材
3.保冷用媒体
4.不透水性シート
5.立体構造を有する構造体
6.ナイロン不織布
7.貫通孔
8.不透水性シートのシール部分


Claims (6)

  1. ポリウレタンフォーム(A)と保冷材(B)とが重なりあって構成される保冷具であって、(A)が20%以下の反発弾性(25℃)、9以下の反発弾性温度依存率{25℃における反発弾性と−20℃における反発弾性との差}及び40kgf/314cm2以下の25%ILD温度依存率(25℃での25%ILDと−20℃での25%ILDとの差)を有することを特徴とする保冷具。
  2. ポリウレタンフォーム(A)のヒステリシスロス率が35〜80%である請求項1記載の保冷具。
  3. ポリウレタンフォーム(A)が、貫通孔を有する請求項1又は2記載の保冷具。
  4. 保冷材(B)が不透水性容器に保冷用媒体を封入してなるものである請求項1〜3の何れか記載の保冷具。
  5. ポリウレタンフォーム(A)及び/又は保冷材(B)が、フラジール法通気度が200cm3/cm2/sec以上である立体構造を有する構造体(C)で覆われてなる請求項1〜4の何れか記載の保冷具。
  6. (i)(A)の表面のみに(B)を設けたもの、 (ii)(A)の表面に(B)を設け且つ(B)の一部分が(A)に埋まっているもの、(iii)(A)の内部のみに(B)が存在しているものから選ばれる構成であることを特徴とする請求項1〜5記載の保冷具。


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