JP2005270648A - 保冷具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ポリウレタンフォーム1a,1bと保冷材2とが重なりあって構成される保冷具であって、ポリウレタンフォームが20%以下の反発弾性(25℃)、9以下の反発弾性温度依存率{25℃における反発弾性と−20℃における反発弾性との差}及び40kgf/314cm2以下の25%ILD温度依存率(25℃での25%ILDと−20℃での25%ILDとの差)を有する保冷具7は、貫通孔である。
【選択図】図3
Description
本発明の目的は、反撥弾性が低くフィット性{体(人を含む動物の体等)又は生鮮品(肉、魚、野菜、花及び飲料等)等に対するフィット性を含む}がよい保冷具を提供することである。
即ち本発明の保冷具の特徴は、ポリウレタンフォーム(A)と保冷材(B)とが重なりあって構成される保冷具であって(A)が20%以下の反発弾性(25℃)、9以下の反発弾性温度依存率{25℃における反発弾性と−20℃における反発弾性との差}及び40kgf/314cm2以下の25%ILD温度依存率(25℃での25%ILDと−20℃での25%ILDとの差)を有する点を要旨とする。
したがって、本発明の保冷具は下記の効果を奏する。
(1)低温下でも低反撥弾性を示すポリウレタンフォームを設けるので、保冷枕、保冷マット等として用いた場合に低温でも快適なクッション性を有する。
(2)ポリウレタンフォームを設けるので断熱性がよく、保冷具として用いた時に、快適な表面温度を長時間保つことができる。
(3)保冷材の外面の一部又は全部に低温下でも低反撥弾性を示すポリウレタンフォームを設けるのでクッション性がよく、輸送中に凍結させた保冷材が動揺により被包装物どうしがぶつかりあったり損傷を引き起こしたりすることがない。
さらに、ポリウレタンフォーム(A)の反撥弾性(%)についての温度依存性(反撥弾性温度依存率;25℃の反撥弾性と−20℃の反撥弾性の差)は、9以下であり、好ましくは8以下、特に好ましくは7以下である。この範囲であると、保冷材が冷えている状態と温まった状態とでの(A)の柔軟性が変わらないため、さらに快適な使用感を得ることができる。なお、反発弾性温度依存率が9を超えると低温において頭部及び身体等を安定した状態で保ち難くなる。なお、−20℃の反発弾性は、試料を−20℃環境下に8時間放置して温度調整したものを取り出して1分以内に測定すること以外は、25℃の反発弾性の測定方法と同じ測定方法で測定する。
また、ポリウレタンフォーム(A)の25%ILD(kgf/314cm2)の温度依存性(25%ILD温度依存率;25℃の25%ILDと−20℃の25%ILDの差)は、好ましくは40以下、より好ましくは30以下、特に好ましくは25以下である。この範囲であると低温でも軟質のフォームにさらになりにくい。なお、ILDとはIndentation Load Deflection(圧縮応力)の略であり、25%ILDは、JIS K 6400(1997年版)の6.硬さのA法(2004年3月20日に改訂され、現在はJIS K6400−2の6.4A法で測定できる)に準拠して、25℃、相対湿度60%の環境下で、厚さ10cmの試験片を用い、200mmφの円盤(面積314cm2)について、厚み方向に、厚みの25%押し込んだ際の応力{単位kgf(1kgf=9.8N)}のことである。従って、JISに記載の単位で表現すると、例えば、40kgf/314cm2は392N{40×9.8}と表される。
すなわち、下記ポリオール(a1)及び(a2)を必須成分として含有するポリオール成分(a)と、MDI系ウレタンプレポリマーを含有するポリイソシアネート成分(b)とを、触媒(c)、発泡剤(d)、及び整泡剤(e)の存在下に反応させる製造方法等であるがこれらの原料及び製造方法に限定されない。
ポリオール(a1):平均官能基数が2〜4で、水酸基価が47〜160mgKOH/gで、末端オキシエチレン単位の含量が0〜20重量%であるポリオキシプロピレン(ポリオキシエチレン)ポリオール。
ポリオール(a2):平均官能基数が2〜4で、水酸基価が20〜40mgKOH/gで、末端オキシエチレン単位の含量が10〜30重量%であるポリオキシプロピレンポリオキシエチレンポリオール。
これらの活性水素化合物は2種以上を併用してもよく、平均官能基数が2〜4となるように選ばれる。
AO付加時に用いる触媒としては、通常用いられるアルカリ触媒(KOH、CsOH等)の他、特開2000−344881号公報に記載の触媒〔トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン等〕、特開平11−120300号公報に記載の触媒(過塩素酸マグネシウム等)を用いてもよい。
水酸基価が47未満ではフォームの反発弾性が高くなる傾向があり、160を超えるとフォームの硬さが高くなり過ぎる傾向がある。平均官能基数が2未満ではフォームの硬化時間が長くなる傾向があり、4を超えるとフォームの硬さが高くなり過ぎる傾向がある。末端EO単位の含量が20%を超えるとフォームの独立気泡率が高くなる傾向があり、フォームが収縮しやすくなする。
また、内部EO単位の含量は、オキシアルキレンの重量に基づいて、好ましくは5%以下、より好ましくは0である。好ましいEO単位(末端EO単位及び内部EO単位)の合計含量は、上記の末端EO単位の含量と同様である。
なお、ここでポリオール(a1)と後述のポリオール(a2)および(a31)の平均官能基数は、原料の平均官能基数から計算される理論値を、官能基数であると見なしたものである。
水酸基価が20未満ではフォームの反発弾性が高くなる傾向があり、40を超えるとフォームの硬さが高くなり過ぎる傾向がある。平均官能基数が2未満ではフォームの硬化時間が長くなる傾向があり、4を超えるとフォームの硬さが高くなり過ぎる傾向がある。末端EO単位の含量が10%未満であるとフォームの硬化時間が長くなる傾向があり、30%を超えるとフォームの独立気泡率が高くなる傾向があり、フォームが収縮しやすい。
また、ポリオール(a2)の内部EO単位の含量は、オキシアルキレンの重量に基づいて、好ましくは0〜10が好ましく、より好ましくは1〜8%である。また、ポリオール(a2)のEO単位の合計含量は、オキシアルキレンの重量に基づいて、好ましくは10〜40%が好ましく、より好ましくは15〜35%、特に好ましくは20〜30%である。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば多価アルコール、多価フェノール、又はアミン類等のAO付加物であって、(a1)及び(a2)以外のものが挙げられる。
多価アルコール、多価フェノール、アミン類、及び付加するAOとしては、前記(a1)におけるものと同様のものが挙げられる。
これら以外の各種ポリオール若しくはモノオールとしては、ポリブタジエンポリオール等のポリジエンポリオール及びそれらの水添物;アクリル系ポリオール、特開昭58−57413号公報又は特開昭58−57414号公報等に記載された水酸基含有ビニル重合体;ヒマシ油脂等の天然油脂系ポリオール;ヒマシ油変性物(例えば多価アルコールエステル交換生成物、水添物)等の天然油脂系ポリオールの変性物;国際公開WO98/44016号パンフレットに記載の末端ラジカル重合性官能基含有活性水素化合物(モノオールも含まれる);ポリエーテルポリオールをメチレンジハライド等のアルキレンジハライド等でジャンプした変性ポリオール;ポリエーテルポリオールのOH末端ウレタンプレポリマー;等が挙げられる。
多価アルコール、アルカノールアミンとしては前述のものが挙げられる。
MDI系ポリイソシアネートとしては、MDIが好ましい。MDIを用いると反撥弾性が低くなる。
また、MDI系ウレタンプレポリマーのNCO含量は、15〜30%が好ましい。より好ましくは17〜28%、特に好ましくは18〜26%である。プレポリマーのNCO含量が15%以上ではフォームが適度に硬くなり、30%以下では成形性が良好となる。
ニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数6〜10の脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数8〜12の芳香脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
変性ポリイソシアネートの具体例としては、ショ糖変性TDI、ひまし油変性TDI等が挙げられる。
これらのうちで好ましいものは、芳香族ポリイソシアネートであり、より好ましくは、TDI及び粗製TDIである。
(b)のNCO含量は、15〜30%が好ましい。より好ましくは17〜28%、特に好ましくは18〜26%である。NCO含量が15%以上でフォームが適度に硬くなり、30%以下で成形性が良好となる。
触媒の使用量は、ポリオール成分(a)100重量部(以下、部は、特に記載のない限り重量部を意味する)に対して、好ましくは0.01〜6部、より好ましくは0.2〜4部である。
これらのうち好ましいものは、HCFC−141b、HFC−134a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa、HFC−3
65mfc及びこれらの2種以上の混合物である。
水素原子含有ハロゲン化炭化水素を用いる場合の使用量は、ポリオール(a)100部あたり、好ましくは50部以下、より好ましくは5〜45部である。
低沸点炭化水素を用いる場合の使用量は、ポリウレタンフォーム(A)100部あたり、好ましくは40部以下、より好ましくは5〜30部である。
また、液化炭酸ガスを用いる場合の使用量は、(A)100部あたり、好ましくは30部以下、より好ましくは25部以下である。
整泡剤の使用総量は、ポリオール成分100部に対して、好ましくは0.1〜5部、より好ましくは0.5〜3部である。
水溶性高分子としては、好ましくは重量平均分子量1,000〜100万のものが挙げられる。具体的に使用できるものとして天然高分子、半合成高分子、合成高分子が挙げられる。これらの内で好ましくは半合成高分子、合成高分子である。
天然高分子としては、例えば、デンプン質(デンプン等);動物タンパク質(ゼラチン、大豆タンパク質等);繊維素(木材セルロース等);海藻抽出物(カラギーナン等);植物種子粘質物(グァーガム等);植物樹葉粘質物(アラビアゴム、トラガントガム等);植物果実粘質物(ペクチン等);微生物生産粘質物(キサンタンガム等);植物地下茎粘質物(コンニャクナンマン等)等が挙げられる。
合成高分子としては、ポリオキシアルキレン化合物(1a)、ビニル系樹脂[アクリル系樹脂(1b)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー]、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。
ゲル状物中の吸水性樹脂の濃度は好ましくは0.1〜10重量%であり、さらに好ましくは0.3〜5重量%である。吸水性樹脂としては、例えば下記の(1)〜(5)が挙げられる。
(2)上記(イ)と(ロ)とを重合させたもの(デンプン−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、セルロース−アクリロニトリルグラフト重合物の加水分解物等);
(3)上記(イ)の架橋物(カルボキシメチルセルロースの架橋物等);
(4)上記(ロ)と(ハ)との共重合体(架橋されたポリアクリルアミドの部分加水分解物、架橋されたアクリル酸−アクリルアミド共重合体、架橋されたポリスルホン酸塩(架橋されたスルホン化ポリスチレン等)、架橋されたポリアクリル酸塩/ポリスルホン酸塩共重合体、ビニルエステル−不飽和カルボン酸共重合体ケン化物(特開昭52−14689号及び特開昭52−27455号公報に記載されているもの等)、架橋されたポリアクリル酸(塩)、架橋されたアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、架橋されたイソブチレン−無水マレイン酸共重合体、架橋されたポリビニルピロリドン、及び架橋されたカルボン酸変性ポリビニルアルコール);並びに、
(5)自己架橋性を有する上記(ロ)の重合物(自己架橋型ポリアクリル酸塩等);
が挙げられる。以上例示した吸水性樹脂は2種以上併用してもよい。
以上例示した吸水性樹脂は2種以上併用してもよい。
吸水性樹脂の吸水倍率は次に示す方法により測定して得られる値とする。
<吸水性樹脂の吸水倍率>ナイロン製の網袋(250メッシュ)に吸水性樹脂の試料(サンプル量;Xg)を入れ、これを袋ごと過剰の水に浸した。浸漬60分後に袋ごと空中に引き上げ、静置して15分間水切りした後、重量(Yg)を測定して下式より吸水倍率を求めた。[網袋のみを用いて上記と同様の操作を行い、この分の重量(Zg)をブランクとして差し引いた。]
吸水倍率=(Y−Z)/X
ここで平均粒子径は重量平均粒子径を意味し、重量平均粒子径は、架橋重合体の各粒度分布を横軸が粒子径、縦軸が重量基準の含有量の対数確率紙にプロットし、全体の50%を占めるところの粒子径を求める方法により測定する。
ゲル状物中の氷点降下物質の濃度は好ましくは0.1〜50重量%であり、さらに好ましくは0.5〜40重量%である。
(IV)水溶解時に吸熱する物質(硝酸ナトリウム、炭酸ナトリウム10水塩、リン酸二アンモニウム、四ホウ酸ナトリウム10水塩、チオ硫酸ナトリウム10水塩等)と上記(I)〜(III)のゲル状物よりなる二剤性保冷用媒体。ゲル状物100重量部に対して吸熱する物質の配合量は好ましくは10〜90重量部であり、さらに好ましくは20〜80重量部である。
ここで親水性とは水溶性及び水分散性を意味し、親水性アルコールとしては、エタノール、グリセリン、ジエチレングリコール、エチレングリコール及び親水性ポリエーテル[ポリエチレングリコール、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)トリオール、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)グリコール、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)グリコールモノアルキルエーテル]等が好ましい。ゲル状物中の水と水溶性ポリマーとの重量比は好ましくは100:0.1〜10、より好ましくは100:0.5〜8である。ゲル状物中の水と親水性アルコールとの重量比は好ましくは100:1〜80、より好ましくは100:10〜65である。ゲル状物中の水溶性ポリマーと親水性アルコールとの重量比は好ましくは1:10〜60、より好ましくは1:20〜40である。ゲル状物中の吸水性樹脂と水溶性ポリマーとの重量比は好ましくは1:0.1〜10、より好ましくは1:0.2〜3である。詳細は特公平7−23467号公報に記載されている。
親水性ポリマー、配合量等は(V)に記載されたものと同じでよい。詳細は特公平7−81134号公報に記載されている。
(V)、(VI)のゲル状物は−5〜−30℃でも柔軟性を有する。
これらの内で好ましくは(II)〜(VI)であり、より好ましくは(V)、(VI)である。
保冷用媒体を封入する容器は袋でも箱でもよいが、袋が好ましい。袋であると容器の形状が自由に変形可能であるため保冷具のフィット性がさらによくなる。容器が箱の場合、形状は特に限定されず、立方体、直方体、円柱など任意の形状でよい。
保冷用媒体を容器に封入する方法としては、容器が袋である場合には縫製、ヒートシール等の方法を用いることができる。容器が箱である場合には、箱の一部を開閉可能な蓋にしておき、保冷用媒体を箱に入れた後に蓋をして必要により蓋が開かないように接着等の方法で蓋を固定する方法が挙げられる。
該容器の基材としては、不透水性基材であってもよいし、透水・水不溶性基材であってもよい。好ましくは前者である。不透水性基材としては、柔軟性があり不透水性のフィルムであれば制限はないが、ポリエステルフィルム、ナイロン、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等の合成樹脂製フィルム;これらの積層ラミネートフィルム;アルミホイル等の金属製フィルム、及び合成樹脂製フィルムと金属フィルムとの多層ラミネートフィルムが挙げられる。柔軟性の点から合成樹脂製フィルム、及び合成フィルムの積層ラミネートフィルムが好ましい。フィルムの厚さも特に限定はないが、好ましくは0.01〜5mmであり、より好ましくは0.05〜3mmである。
透水・水不溶性基材としては、柔軟性があり且つ透水性のシートであって、且つ使用時に破れない程度の湿潤強度があれば特に形態、材質にはこだわらない。透水性基材としては水が通る孔があれば特に限定はないが、孔の大きさは好ましくは0.001〜1mm、特に好ましくは0.01〜0.5mmである。基材の厚みは不透水性基材の場合と同じである。
ここで透水性は100mlの25℃のイオン交換水が100cm2の面積を通過する時間(秒)で表すと30秒以下のものをいい、好ましくは15秒以下であり、特に好ましくは5秒以下である。30秒を超えるものは不透水性である。常態強度は縦/横とも2kg/cm以上、好ましくは3kg/cm以上の引裂強度が必要であり、湿潤強度(25℃のイオン交換水に1分浸漬後の引張強度)は0.05kg/cm以上、好ましくは0.1kg/cm以上必要である。
また、必要により、保冷用媒体中に防腐剤、防カビ剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を添加してもよい。添加量は保冷材全体に対して好ましくは10重量%以下である。
(フラジール法通気度の測定法)
フラジール型通気度計を用い、オリフィスの前後に生じた圧力差から試片を通過する空気量(cm3/cm2/sec)を求める。
する素材としては、好ましくは重量平均分子量1万〜100万のプラスチックであり、例えば天然ゴム(NR)のほか、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム、ブチルゴム(IIR)等のゴム、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ニトリルゴム(NBR)、オレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、エステル系樹脂、アミド系樹脂等の熱可塑性樹脂;及び尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾシノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ビニル樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。これらの材料のうち、好ましいのはゴム、オレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、エステル系樹脂、アミド系樹脂である。
ここで繊維及び/又はプラスチック占有率とは地組織を構成する繊維及び/又はプラスチックが占める面積比率を意味する。すなわち、1インチ四方(2.54cm×2.54cm=6.45cm2)の面積当りの地組織を構成する繊維及び/又はプラスチックが占める面積比率として示せば繊維及び/又はプラスチック占有率は下記の式によって算出される。下記式は繊維の場合であるが、プラスチックの場合もこの式に準じる。
N:1インチ四方内の構成する繊維種毎の糸本数(本/inch2)
d:構成する繊維種毎の糸の直径(cm)
d':地組織中の交叉点における他の糸の直径(cm)
L:1インチ四方内の構成する繊維種毎の1本の糸の長さ(cm)・・・織物等の糸が直行している場合は2.54、編み物等の糸が湾曲している場合は、1インチ間にある繊維長を測定してその値をとる。
n:1インチ四方内の交叉点の数
Σ:織物の場合の経糸、緯糸等使用する糸の種類毎に計算しそれの合計を出す
この連結糸は繊維及び/又はプラスチック構造体に剛性と厚みを与えるために剛性の高い素材を用いるのが好ましい。従って、前述の素材の中から自由に選定することができるが、より好ましくはポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン等の有機モノフィラメント糸、無機繊維、さらに必要あれば針金等を用いるとよい。モノフィラメント糸の太さは280〜1100デシテックスとするのがよい。
樹脂材料のうち、好ましいのはゴム、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂(反応型、非反応型)、エステル系樹脂、アミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ビニル系樹脂であり、特に好ましくはウレタン系樹脂(反応型、非反応型)、エステル系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、ビニル系樹脂である。
前記(C)と上記樹脂材料との固形分比は、(C)100重量部に対して樹脂材料は好ましくは0.05〜50重量部であり、より好ましくは0.5〜45重量部である。特に好ましくは1〜40重量部である。
樹脂液の付与方法はデイッピング法、コーテイング法、スプレー法等から選択すればよく、熱処理は上記に挙げた以外は乾燥に引き続き、例えば、150〜230℃で2〜3分間で行うのが好ましい。該工程は一回又は二回以上の繰り返しを行ってもよい。この樹脂及び加工方法については特開2002−263304号明細書に詳細に記載されている。
貫通孔の形状は、特に限定されるものではない。円、楕円、三角形、四角形、多角形、花びら状等、好きな形を選択することができる。貫通孔の数量は、応力がかかった状態で形状が維持できるものであれば特に限定されるものではない。貫通孔の作成方法については特に限定はないが、プレス加工で行うのが好ましい。
保冷具の大きさ、厚さは用途によって異なるので特に限定はない。
(i)三次元の繊維構造体(例えば、フュージョン−I;旭化成株式会社製)同士を重ね合わせ、四辺のうちの一辺を三次元の繊維構造体同士を直接縫合(図7の左端部分)し、三辺を三次元の繊維構造体にナイロンメッシュシートを重ねて縫製{二辺(図7の上下端部分)は縫合して密封し、一辺(図7の右端部分及び第9図)は三次元構造体の上下それぞれの端部の縁をナイロンメッシュシートでくるんで補強するように縫合する}し、一部開放可能な袋状の包装材を作製した。なお、開閉部分には必要によりチャック等を設けてもよい。不透水性基材からなる容器内に保冷用媒体を封入した保冷材(図4)をこの包装材の中に挿入する。
(ii)垂直方向に貫通する孔を設け、底面に上記保冷材を設置するための構造を有する枕型の低反撥弾性のポリウレタンフォームを作製する。
(iii)図1に示すように(ii)の枕型のポリウレタンフォームに(i)の保冷材を装填し、本発明の保冷具を作製することができる。
[保冷材の作製]
不透水性シートとして、 巾17cm、長さ24cmのポリエチレンフィルム(厚さ:80μm)を使用し、二つ折りにし、更に二方をヒートシールして保冷材容器を作製した。この容器内に吸水性樹脂{サンフレッシュST−500D}10g及び水990ccを入れ、残りの開口部をヒートシールしてよく振って内容物をゲルとし保冷材を作製した(図4〜6)。
サンフレッシュST−500D:ポリアクリル酸架橋型吸水性樹脂、吸水倍率400倍、粒径106〜850μm、三洋化成工業株式会社製
表1に記載の部数の、ポリイソシアネート以外の成分を混合したポリオールプレミックス(液温:20℃)に、所定のNCO指数となるようポリイソシアネート(液温:20℃)を加えて、ホモディスパー(特殊機化工業株式会社製攪拌機)にて4000rpmで10秒攪拌後、60℃に温度調節したアルミ製モールドに注入し、さらに10分間キュアーし、ポリウレタンフォームを作製した。このポリウレタンフォームは内部材及び外部材の2つの部材からなる。外部材にはさらにプレス加工により貫通孔を開け、内部材及び貫通孔を有する外部材からなるポリウレタンフォーム(A−1)を作製した。
[保冷具の作製]
上記の保冷材をポリウレタンフォーム(A−1)の内部材に装填し、さらに外部材を被せて一体化させることによって、ポリウレタンフォームの内部のみに保冷材が存在する本発明の保冷具を作製した。(図1〜3)
[包装材の作製]
巾25cm、長さ32cmのフュージョン−I(品番:31804)同士を重ね合わせ、三方を巾1cmのナイロン不織布で覆うようにして重ね縫製し、三方のうち一方の部分が開いた袋状の包装材を作製した(図7〜10)。
フュージョン−I:通気度400以上(cm3/cm2/sec)、4mm厚;旭化成株式会社製
[保冷具の作製]
実施例1の保冷材を上記の包装材に挿入し、包装材の開放している一端を粘着テープで塞ぎ、保冷材を包装材で覆った。これを実施例1と同様の方法でポリウレタンフォーム(A−1)に装填し、ポリウレタンフォームの内部のみに保冷材が存在する本発明の保冷具を作製した。(図2)実施例2は実施例1の保冷材を包装材で覆っていることが異なる以外は同じである。
<実施例3>
[ポリウレタンフォームの作製]
アルミ製モールドの種類を変更した以外はポリウレタンフォーム(A−1)と同様にして、直方体のポリウレタンフォーム(A−3)を作製した。
[保冷具の作製]
実施例1の保冷材を実施例2の包装材に挿入し、包装材の開放している一端を粘着テープで塞ぎ、保冷材を包装材で覆った。これをポリウレタンフォーム(A−3)に載せてポリウレタンフォームの表面のみに保冷材が存在する本発明の保冷具を作製した。(図11、図12)。
<実施例4>
[ポリウレタンフォームの作製]
アルミ製モールドの種類を変更した以外はポリウレタンフォーム(A−1)と同様にして、凹部を有する直方体のポリウレタンフォーム(A−4)を作製した。
[保冷具の作製]
実施例1の保冷材を実施例2の包装材に挿入し、包装材の開放している一端を粘着テープで塞ぎ、保冷材を包装材で覆った。これをポリウレタンフォーム(A−4)に載せてポリウレタンフォームの表面に保冷材を設け且つ保冷材の一部分がポリウレタンフォームに埋まっている本発明の保冷具を作製した。(図11、図13)
[ポリウレタンフォームの作製]
表1に記載の部数の、ポリイソシアネート以外の成分を混合したポリオールプレミックス(液温:20℃)に、所定のNCO指数となるようポリイソシアネート(液温:20℃)を加えて、実施例1と同様にポリウレタンフォーム(A−2)を成形した。
[保冷具の作製]
実施例1の保冷材を上記のポリウレタンフォーム(A−2)に装填し、保冷具を作製した。
[保冷具の作製]
実施例1の保冷材を実施例2の包装材に挿入し、包装材の開放している一端を粘着テープで塞ぎ、保冷具を作製した。
(1)ポリオールa1−1:プロピレングリコールのPO/EOブロック付加物(水酸基価125、末端EO単位の含有量=10%)。
(2)ポリオールa2−1:プロピレングリコールのPO/EO/PO/EOブロック付加物(水酸基価28、末端EO単位の含有量=20%、内部EO単位の含有量=5%)。(3)ポリオールa3−1:グリセリンのPO/EOブロック付加物(水酸基価281、末端EO単位の含有量=10%)。
(4)ポリオールa3−2:グリセリンのPO/EOランダム付加物(水酸基価112、EO単位の含有量=70%)。
(5)ポリオールa3−3:トリエタノールアミン〔日本触媒社製トリエタノールアミン〕
(7)ポリイソシアネートb−2:TDI/MDI=80/20(重量比)の混合物〔日本ポリウレタン工業(株)製CE−729〕
(9)触媒c−2:ビス(ジメチルアミノエチル)エーテルの70%ジプロピレングリコール溶液〔東ソー社製TOYOCAT ET〕
(10)発泡剤d:水
(11)整泡剤e−1:日本ユニカー社製「L−5309」
(12)整泡剤e−2:日本ユニカー社製「SZ−1311」
<保冷具及び保冷材の表面温度確認試験>
保冷材を−25℃、24時間で完全に凍結させ、実施例1,2、比較例1,2の保冷具に装填した。各保冷具を厚さ1mmの綿布で覆い、保冷具表面の中央部と保冷材表面の中央部にそれぞれ温度センサーを取りつけ、更に15g/cm2の加重を加え40℃に温度調節したインキュベーター内に放置し、保冷具及び保冷材の表面温度を測定した。
25℃及び−20℃に温度調節した外装材(ポリウレタンフォームA−1,A−2及びフュージョン−I)について、取り出して1分後の反発弾性を測定した。測定方法はJIS K 6400(1997年版)の試験法に準拠した。
<保冷具の外装材のヒステリシスロス率(%)確認試験>
25℃に温度調整した外装材(ポリウレタンフォームA−1,A−2及びフュージョン−I)について、取り出して1分後のヒステリシスロス率を測定した。測定方法はASTM D3574−91の試験法に準拠した。
25℃及び−20℃に温度調節した外装材(ポリウレタンフォームA−1,A−2及びフュージョン−I)について、取り出して1分後の25%ILDを測定した。測定方法は
JIS K 6400(1997年版)の試験法に準拠した。
上記保冷材の表面温度確認試験において、保冷材表面の温度が15℃以上になるまでの時間を測定した。
保冷材を−25℃、24時間で完全に凍結させ、実施例1,2、比較例1,2の保冷具に装填した。各保冷具を厚さ1mmの綿布で覆い、約15時間室内に放置した後の綿布を観察し、以下の基準で評価した。
〇:綿布表面がさらさらと乾いている。
△:綿布表面が湿っぽい。
×:綿布が濡れている。
実施例1,2、比較例1,2の保冷具について、パネラー10人による30分間頭部を乗せたときの感覚を以下の基準で評価した。
〇:頭部にフィットし、安定感に優れている。
△:頭部にフィットするが、若干安定感に欠ける。
×:頭部にフィットせず、安定感がない。
実施例1,2及び比較例1,2の保冷具について、確認試験を行った。その結果を表2(保冷具の表面温度の確認)、表3(保冷材の表面温度の確認)、表4(反発弾性、25%ILDの確認)及び表5(保冷時間、結露の有無、頭部の安定感の確認)に示した。
上記の効果を奏するので、保冷枕、首・背骨・腰・ふくらはぎ・おでこ・脇の下・脚等の保冷具、額の冷却シート、運動後の筋肉・関節等の冷却マットや保冷サポーター、冷却アイマスク、夏時の清涼座布団(特に車用)・布団・ベッド用マット、清涼ヘルメット、靴のクール下敷き、清涼スカーフ・バンダナ、消防用の防火服の内張り・炎天下作業時の作業衣や手袋・またはそれに付属の保冷具、車椅子使用時の冷却座布団と背もたれ等の人体保冷用;犬・猫等の動物用保冷マット(クールマット)・保冷タオル;肉・魚・野菜・花等の生鮮物の鮮度保持材;ケーキ・菓子等の保冷剤;ペットボトル・ビール等の携帯用保冷ケース(袋状);血液・検体等の保冷剤、葬儀用保冷剤等に有効である。
1a.ポリウレタンフォーム外部材
1b.ポリウレタンフォーム内部材
2.保冷材
3.保冷用媒体
4.不透水性シート
5.立体構造を有する構造体
6.ナイロン不織布
7.貫通孔
8.不透水性シートのシール部分
Claims (6)
- ポリウレタンフォーム(A)と保冷材(B)とが重なりあって構成される保冷具であって、(A)が20%以下の反発弾性(25℃)、9以下の反発弾性温度依存率{25℃における反発弾性と−20℃における反発弾性との差}及び40kgf/314cm2以下の25%ILD温度依存率(25℃での25%ILDと−20℃での25%ILDとの差)を有することを特徴とする保冷具。
- ポリウレタンフォーム(A)のヒステリシスロス率が35〜80%である請求項1記載の保冷具。
- ポリウレタンフォーム(A)が、貫通孔を有する請求項1又は2記載の保冷具。
- 保冷材(B)が不透水性容器に保冷用媒体を封入してなるものである請求項1〜3の何れか記載の保冷具。
- ポリウレタンフォーム(A)及び/又は保冷材(B)が、フラジール法通気度が200cm3/cm2/sec以上である立体構造を有する構造体(C)で覆われてなる請求項1〜4の何れか記載の保冷具。
- (i)(A)の表面のみに(B)を設けたもの、 (ii)(A)の表面に(B)を設け且つ(B)の一部分が(A)に埋まっているもの、(iii)(A)の内部のみに(B)が存在しているものから選ばれる構成であることを特徴とする請求項1〜5記載の保冷具。
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