JP2004101064A - 保冷剤 - Google Patents

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Osamu Nakano
中野 収
Ryukichi Adachi
安達 隆吉
Kazuhiro Kasuya
糟谷 和宏
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Sanyo Chemical Industries Ltd
Eight Co Ltd
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Sanyo Chemical Industries Ltd
Eight Co Ltd
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Abstract

【課題】輸送中に凍結させた保冷剤が動揺により被包装物どうしがぶつかりあったり損傷を引き起こすことがなく、且つ保冷枕として凍結させて用いても低温過ぎて不快であったりすることがない保冷剤を提供する。
【解決手段】不透水性基材からなる容器内に保冷用媒体を封入してなる保冷材の外面の一部又は全部に、フラジール法通気度が200cm/cm/sec以上である立体構造を有する繊維及び/又はプラスチック構造体からなる包装材(F)を設けたことを特徴とする保冷剤である。
【選択図】     図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、保冷剤に関する。更に詳しくは、保冷用の枕、マット等として有用な保冷剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の保冷材は、不透水性基材からなる容器内に保冷用媒体を封入したものがほとんどである。保冷材は凍結させて使用する場合が多く、凍結した保冷材は硬くなり、輸送中の動揺により被包装物どうしがぶつかりあったり損傷を引き起こすことがあったり、氷枕として使用するに当たっては保冷材を凍結させて用いると、その温度があまりに低温過ぎて不快であったり、甚だしい場合は凍傷を招いたりする。これらを解決するために多数のキャップ状の膨らみを有するキャップフィルムと平坦なバックフィルムとを貼り合わせたものを使用する保冷体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−124449号公報(特許請求の範囲、第2欄)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この保冷体は保冷用媒体の外側の多数のキャップフィルムの空気が保冷材の温度に近くなり、保冷剤に接触した場合に冷えすぎて、例えば保冷枕として使用した場合に冷えすぎて不快であるという問題があった。そこで、本発明の目的は、輸送中に凍結させた保冷剤が動揺により被包装物どうしがぶつかりあったり損傷を引き起こすことがなく、且つ保冷枕として凍結させて用いても低温過ぎて不快であったりすることがない保冷剤を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記問題点を改善した保冷剤を得るべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち本発明は、不透水性基材からなる容器内に保冷用媒体を封入してなる保冷材の外面の一部又は全部に、フラジール法通気度が200cm/cm/sec以上である立体構造を有する繊維及び/又はプラスチック構造体からなる包装材(F)を設けたことを特徴とする保冷剤である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明において、不透水性基材からなる容器内に保冷用媒体を封入して保冷材とするにあたり、不透水性基材、保冷用媒体としては、特に限定がなく、従来から用いられている保冷材の不透水性基材、保冷用媒体が使用できる。上記不透水性基材としては、例えば、柔軟性があり不透水性のフィルムであれば制限はないが、ポリエステルフィルム、ナイロン、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどの合成樹脂製フィルム、これらの積層ラミネートフィルム、アルミホイルなどの金属製フィルム、及び合成樹脂製フィルムと金属フィルムとの多層ラミネートフィルム等が挙げられる。柔軟性の点から合成樹脂製フィルム、及び合成フィルムの積層ラミネートフィルムが好ましい。フィルムの厚さも特に限定はないが、好ましくは0.01〜5mmであり、より好ましくは0.05〜3mmである。
【0007】
本発明における保冷用媒体としては、従来公知のものが使用できるが、例えば下記(I)〜(VI)からなる群から選ばれるものが好ましい。
【0008】
(I)水溶性高分子を水に溶解したゲル状物。
本発明における水溶性高分子としては、水溶性であれば重量平均分子量は特に限定されないが、好ましくは重量平均分子量1,000〜100万、より好ましくは2,000〜50万、さらに好ましくは5,000〜20万のものが挙げられる。重量平均分子量が1000以上であると、水溶液のゲル化効果が十分となり、100万以下であると水に溶解するのも容易でゲル化の時間が遅くならない。ゲル状物中の水溶性高分子の濃度は好ましくは0.1〜10重量%であり、より好ましくは0.5〜8重量%である。具体的に使用できるものとしては、例えば、天然高分子、半合成高分子、合成高分子が挙げられ、半合成高分子、合成高分子であることがより好ましい。
【0009】
上記天然高分子としては、例えば、デンプン質(デンプン等)、動物タンパク質(ゼラチン、カゼイン、コーラゲン等)、動物タンパク質(大豆タンパク質、小麦タンパク質等)、繊維素(木材セルロース等)、海藻抽出物(寒天、カラギーナン等)、植物種子粘質物(グァーガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム等)、植物樹葉粘質物(アラビアゴム、トラガントガム等)、植物果実粘質物(ペクチン等)、微生物生産粘質物(キサンタンガム、プルラン、カードラン、デキストラン、ジュランガム等)、植物地下茎粘質物(コンニャクナンマン等)等が挙げられる。
【0010】
上記半合成高分子としては、セルロース誘導体(メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース等)、デンプン誘導体(可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルデンプン等)、並びにアルギン酸誘導体(アルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコール等)等が挙げられる。
【0011】
上記合成高分子としては、ポリオキシアルキレン化合物(1a)、ビニル系樹脂[アクリル系樹脂(1b)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー]、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。
【0012】
上記ポリオキシアルキレン化合物(1a)としては、例えばポリエチレングリコール、多価アルコール類のアルキレンオキシド(エチレンオキシド、プロピレンオキシド等)付加物、ポリオキシエチレン・オキシプロピレングリコール(エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロック及び/又はランダム共重合体)等の後記するウレタン樹脂製造に使用されるポリエーテルと同じものが挙げられる。
【0013】
上記アクリル系樹脂(1b)としては、例えば(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸(塩)[例えばアクリル酸ソーダ等]、2−アルキル−2−アクリルアミドプロパンスルホン酸(塩)[2−アルキル−2−アクリルアミドプロパンスルホン酸ソーダ等]、(メタ)アクリロイロキシアルキルアンモニウム4級塩[例えばメタクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド等]、(メタ)アクリロイロキシアルキルジアルキルアミン塩[例えば、ジエチルアミノエチルメタクリレートの3級もしくは4級塩等]からなる群より選ばれるビニル系モノマーの少なくとも1種を構成単位とするポリマーであり、この具体例として、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリ(メタ)アクリル酸(塩)、(メタ)アクリル酸(塩)と(メタ)アクリルアミドとの共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、ポリ(メタ)アクリルアミドの部分加水分解物、(メタ)アクリル酸(塩)と(メタ)アクリルアミドと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)もしくはビニルスルホン酸(塩)との3元共重合体、ポリ(メタ)アクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリルアミドと(メタ)アクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウム4級塩との共重合物等が挙げられる。上記の塩としてはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、アンモニア、トリメチルアミン等のアミン塩等が好ましい。
【0014】
(II)水あるいは水を主体とした混合溶媒を吸収した吸水性樹脂のゲル状物。ゲル状物中の吸水性樹脂の濃度は好ましくは0.1〜10重量%であり、より好ましくは0.3〜5重量%である。上記吸水性樹脂としては、例えば下記の(1)〜(5)が挙げられる。
【0015】
(1)デンプン又はセルロース等の多糖類(イ−1)及び/又は単糖類(イ−2)と水溶性単量体及び/又は加水分解により水溶性となる単量体から選ばれる1種以上の単量体(ロ)と、架橋剤(ハ)とを必須成分として重合させ、必要により加水分解を行うことにより得られる吸水性樹脂。
上記(イ−1)としてはショ糖、セルロース、CMC、デンプン等が挙げられ、上記(イ−2)としてはペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、ジペンタエリスリトール、グルコース、フルクトース等が挙げられる。
【0016】
上記(ロ)としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基を有するラジカル重合性水溶性単量体及びそれらの塩が挙げられる。上記カルボキシル基を有するラジカル重合性水溶性単量体としては、例えば不飽和モノまたはポリ(2価〜6価)カルボン酸[(メタ)アクリル酸(アクリル酸及び/又はメタクリル酸をいう。以下同様の記載を用いる)、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル(炭素数1〜9)エステル、フマル酸、フマル酸モノアルキル(炭素数1〜9)エステル、クロトン酸、ソルビン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキル(炭素数1〜9)エステル、イタコン酸グリコールモノエーテル、ケイ皮酸、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキル(炭素数1〜9)エステル等]及びそれらの無水物[無水マレイン酸等]等が挙げられる。
【0017】
上記スルホン酸基を有するラジカル重合性水溶性単量体としては、例えば、脂肪族又は芳香族ビニルスルホン酸(ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸等)、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸、(メタ)アクリルアルキルスルホン酸[(メタ)アクリル酸スルホエチル、(メタ)アクリル酸スルホプロピル等]、(メタ)アクリルアミドアルキルスルホン酸[2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等]等が挙げられる。
【0018】
上記リン酸基を有するラジカル重合性水溶性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルリン酸モノエステル[2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート、フェニル−2−アクリロイルロキシエチルホスフェート等]等が挙げられる。
【0019】
上記カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基を含有する水溶性単量体の塩[例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アミン塩もしくはアンモニウム塩等]等が挙げられる。アミド基含有モノマー[例えば(メタ)アクリルアミド等]、3級アミノ基含有モノマー[例えばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等]、第4級アンモニウム塩基含有モノマー[例えば上記3級アミノ基含有モノマーの4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの)等]、エポキシ基含有モノマー[例えばグリシジル(メタ)アクリレート等]、その他モノマー[4−ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、N−ビニルピロリドン等]等が挙げられる。
【0020】
上記加水分解により水溶性となる単量体としては、少なくとも1個の加水分解性基[酸無水物基、低級アルキル(炭素数1〜3)エステル基、ニトリル基等]を有するラジカル重合性単量体が挙げられる。上記酸無水物基を有するラジカル重合性単量体としては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等の炭素数4〜20のラジカル重合性単量体等が挙げられる。上記エステル基を有するラジカル重合性単量体としては、例えば、モノエチレン性不飽和カルボン酸の低級アルキル(C1〜C3)エステル[例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等]、モノエチレン性不飽和アルコールのエステル[例えば、酢酸ビニル、酢酸(メタ)アリル等]等が挙げられる。また、上記ニトリル基を有するラジカル重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。これらの加水分解は重合時であっても重合後であってもよく、通常加水分解によって塩を形成し水溶性となる。塩としては前記の塩形成基に記載した塩と同じものが挙げられる。本発明において、上記(ロ)は2種以上併用してもよい。また、本発明において、上記(ロ)としては、好ましくは水溶性単量体であり、より好ましくはカルボキシル基を有するラジカル重合性水溶性単量体およびその塩であり、さらに好ましくは不飽和モノまたはポリカルボン酸およびその塩、特に好ましくは(メタ)アクリル酸およびその塩である。
【0021】
上記(ハ)としては、例えば、ラジカル重合性不飽和基を2個以上有する架橋剤、ラジカル重合性不飽和基と反応性官能基とを有する架橋剤、反応性官能基を2個以上有する架橋剤などが挙げられる。上記ラジカル重合性不飽和基を2個以上有する化合物の具体例としては、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリン(ジまたはトリ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリアリルアミン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、テトラアリロキシエタン及びペンタエリスリトールトリアリルエーテル等が挙げられる。
【0022】
上記(イ)及び/又は(ロ)の官能基と反応し得る官能基を少なくとも1個有し、且つ少なくとも1個のラジカル重合性不飽和基を有する架橋剤としては、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0023】
また、上記(イ)及び/又は(ロ)の官能基と反応し得る官能基を2個以上有する架橋剤の具体例としては、多価アルコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン等)、アルカノールアミン(例えば、ジエタノールアミン等)、ポリアミン(例えば、ポリエチレンイミン等)等が挙げられる。
【0024】
なお、上記架橋剤は2種類以上を併用してもよい。上記架橋剤のうち好ましいものは、ラジカル重合性不飽和基を2個以上有する共重合性の架橋剤であり、より好ましくはN,N’−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラアリロキシエタン、ペンタエリスルトールトリアリルエーテル、トリアリルアミンである。
【0025】
上記(イ)、(ロ)及び(ハ)の割合、吸水性樹脂の製造法は特に限定されない。吸水性樹脂の製造法の具体例としては、特開昭52−25886号、特公昭53−46199号、特公昭53−46200号及び特公昭55−21041号公報に記載されているものが挙げられる。
【0026】
(2)上記(イ)と(ロ)とを重合させたもの
例えば、デンプン−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、セルロース−アクリロニトリルグラフト重合物の加水分解物等が挙げられる。
【0027】
(3)上記(イ)の架橋物
例えば、カルボキシメチルセルロースの架橋物等が挙げられる。
【0028】
(4)上記(ロ)と(ハ)との共重合体
例えば、架橋されたポリアクリルアミドの部分加水分解物、架橋されたアクリル酸−アクリルアミド共重合体、架橋されたポリスルホン酸塩(架橋されたスルホン化ポリスチレン等)、架橋されたポリアクリル酸塩/ポリスルホン酸塩共重合体、ビニルエステル−不飽和カルボン酸共重合体ケン化物(特開昭52−14689号及び特開昭52−27455号公報に記載されているもの等)、架橋されたポリアクリル酸(塩)、架橋されたアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、架橋されたイソブチレン−無水マレイン酸共重合体、架橋されたポリビニルピロリドン、及び架橋されたカルボン酸変性ポリビニルアルコール)等が挙げられる。
【0029】
(5)自己架橋性を有する上記(ロ)の重合物
例えば、自己架橋型ポリアクリル酸塩等が挙げられる。
【0030】
以上の(1)〜(5)に例示した吸水性樹脂は2種以上併用してもよい。
【0031】
なお、中和塩の形態の吸水性樹脂である場合の塩の種類及び中和度については特に限定はないが、塩の種類としては好ましくはアルカリ金属塩、より好ましくはナトリウム塩及びカリウム塩であり、酸基に対する中和度は好ましくは50〜90モル%、より好ましくは60〜80モル%である。
【0032】
上記(1)〜(5)の吸水性樹脂のうち、好ましいものは、(1)、(4)として例示したもののうち、架橋されたデンプン−アクリル酸グラフト重合体の加水分解物、架橋ポリアクリルアミド共重合体、架橋されたアクリル酸(塩)−アクリルアミド共重合体、架橋されたポリアクリル酸(塩)、架橋されたアクリル酸(塩)−アクリル酸エステル共重合体、及び架橋されたカルボン酸変性ポリビニルアルコール、架橋されたN−ビニル化合物、架橋されたポリスルホン酸(塩)、架橋されたポリアクリル酸(塩)/ポリスルホン酸(塩)共重合体、(メタ)アクリルアミド−N−アルキル(炭素数1〜5)スルホン酸(塩)の架橋物、(メタ)アクリルアミド−N−アルキル(炭素数1〜5)スルホン酸(塩)と(メタ)アクリル酸(塩)の共重合体の架橋体であり、より好ましくは、架橋されたデンプン−アクリル酸グラフト重合体の加水分解物、架橋されたアクリル酸(塩)−アクリルアミド共重合体、架橋されたポリアクリル酸(塩)、架橋されたポリスルホン酸(塩)、架橋されたポリアクリル酸(塩)/ポリスルホン酸(塩)共重合体、(メタ)アクリルアミド−N−アルキル(炭素数1〜5)スルホン酸(塩)の架橋物、(メタ)アクリルアミド−N−アルキル(炭素数1〜5)スルホン酸(塩)と(メタ)アクリル酸(塩)の共重合体の架橋体である。
【0033】
上記(1)、(4)として例示したものの場合、架橋剤の使用量は、水溶性単量体と架橋剤の合計質量に基づいて、好ましくは0.001〜5%であり、より好ましくは0.05〜2%、さらに好ましくは0.1〜1%である。架橋剤の量が0.001%より少ない場合は、吸水性樹脂の重要な機能である吸水・保水能力が小さくなり、吸水後のゲルはゾル状となりやすい。更に、重合後の含水ゲル状重合体の乾燥性が低下し、生産性が非効率的である。一方、5質量%を超える場合、逆に架橋が強くなりすぎ、吸水・保水能力が低下しやすい。更に、吸水速度も遅くなりやすい。
【0034】
吸水性樹脂の製造に当たり、重合方法については特に限定されず、水溶液重合法、逆相懸濁重合法、噴霧重合法、光開始重合法、放射線重合法等が例示される。好ましい重合方法としては、ラジカル重合開始剤を使用して水溶液重合する方法である。この場合のラジカル重合開始剤の種類と使用量、ラジカル重合条件についても特に限定はなく、通常と同様にできる。なお、これらの重合系に、必要により各種添加剤、連鎖移動剤(例えばチオール化合物等)等を添加しても差し支えない。重合して得られる吸水性樹脂の含水ゲル状重合体を乾燥後、粉砕し、さらに必要により粒度調整して得られる吸収剤粒子の表面近傍を、カルボキシル等の酸及び/又はその塩基と反応しうる官能基を少なくとも2個有する架橋剤で表面架橋して吸水性樹脂とすることもできる。
【0035】
このような表面架橋型の吸水性樹脂は、常圧下だけでなく加圧下においても吸収性能と吸収速度に優れ、かつゲル強度も大きくなるので、本発明に好適である。
【0036】
上記表面架橋に使用する架橋剤としては、従来から使用されている公知の架橋剤が適用できる。具体的な例としては、1分子中にエポキシ基を2〜10個有するポリグリシジルエーテル化合物[エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリン−1,3−ジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール(重合度2〜100)ジグリシジルエーテル、ポリグリセロール(重合度2〜100)ポリグリシジルエーテル等]、2価〜20価のポリオール化合物[グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール(重合度2〜100)等]、2価〜20価のポリアミン化合物(エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等)、分子量200〜500,000のポリアミン系樹脂(ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂、ポリアミンエピクロルヒドリン樹脂等)、アルキレンカーボネイト[エチレンカーボネイト等]、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物、ポリイミン化合物等が挙げられる。これらのうちで好ましいものは、比較的低い温度で表面架橋を行わせることができるという点で、ポリグリシジルエーテル化合物、ポリアミン系樹脂及びアジリジン化合物であることが好ましい。
【0037】
上記表面架橋における架橋剤の量は、架橋剤の種類、架橋させる条件、目標とする性能等により種々変化させることができるため特に限定はないが、吸水性樹脂に対して好ましくは0.001〜3重量%、さらに好ましくは0.01〜2重量%、特に好ましくは0.05〜1重量%である。架橋剤の量が0.001重量%以上であると表面架橋効果が発現しやすい。一方、3重量%以下であると吸収性能も低下しにくく好ましい。
【0038】
吸水性樹脂の質量に対する水の吸水倍率は、好ましくは10〜1500倍であり、より好ましくは100〜1000倍である。又、吸水性樹脂の形状については特に限定はないが、例えば、粒状、顆粒状、造粒状、リン片状、塊状、パール状等がある。
【0039】
本発明における吸水性樹脂の吸水倍率は、次に示す方法により測定して得られる値とする。
<吸水性樹脂の吸水倍率>
ナイロン製の網袋(250メッシュ)に吸水性樹脂の試料(サンプル量;Xg)を入れ、これを袋ごと過剰の水に浸した。浸漬60分後に袋ごと空中に引き上げ、静置して15分間水切りした後、質量(Yg)を測定して下記式1より吸水倍率を求めた。なお、網袋のみを用いて上記と同様の操作を行い、この分の質量(Zg)をブランクとして差し引いた。
吸収水率=(Y−Z)/X                 式1
【0040】
粒子の平均粒子径についても特に限定はないが、好ましくは50〜850μmであり、さらに好ましくは60〜400μmである。50μmより大きいと透水性水不溶性シート(A)から粉漏れしにくく、850μmより小さいと被覆材を保冷材に装着したときの触感が良く、また結露水等を吸収するときの吸水速度が良好となりやすい。粒度分布は特に限定はないが、好ましくは50〜850μmの範囲の粒子が95質量%以上となるように粉砕したものを用いることができる。ここで平均粒子径とは、質量平均粒子径を意味し、質量平均粒子径は、架橋重合体の各粒度分布を横軸が粒子径、縦軸が質量基準の含有量の対数確率紙にプロットし、全体の50%を占めるところの粒子径を求める方法により測定する。
【0041】
(III)上記(I)あるいは(II)のゲル状物に氷点降下物質(多価アルコール類、尿素、硝酸アンモニウム、食塩等及びこれらの併用)を添加した保冷用媒体。
ゲル状物中の氷点降下物質の濃度は好ましくは0.1〜50重量%であり、より好ましくは0.5〜40重量%である。
【0042】
(IV)水溶解時に吸熱する物質と上記(I)〜(III)のゲル状物よりなる二剤性保冷用媒体。
上記水溶解時に吸熱する物質としては、例えば、硝酸ナトリウム、炭酸ナトリウム10水塩、リン酸二アンモニウム、四ホウ酸ナトリウム10水塩、チオ硫酸ナトリウム10水塩等が挙げられる。本発明において、上記(I)〜(III)のゲル状物100重量部に対して、水溶解時に吸熱する物質の配合量は好ましくは10〜90重量部であり、より好ましくは20〜80重量部である。
【0043】
(V)吸水性樹脂、水溶性高分子、水及び親水性アルコールからなるゲル状物。ここで親水性とは、水溶性及び水分散性を意味し、親水性アルコールとしては、エタノール、グリセリン、ジエチレングリコール、エチレングリコール及び親水性ポリエーテル[ポリエチレングリコール、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)トリオール、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)グリコール、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)グリコールモノアルキルエーテル]等が好ましい。ゲル状物中の水と水溶性ポリマーとの重量比は好ましくは100:0.1〜10、より好ましくは100:0.5〜8である。ゲル状物中の水と親水性アルコールとの重量比は好ましくは100:1〜80、さらに好ましくは100:10〜65である。ゲル状物中の水溶性ポリマーと親水性アルコールとの重量比は好ましくは1:10〜60、より好ましくは1:20〜40である。ゲル状物中の吸水性樹脂と水溶性ポリマーとの重量比は好ましくは1:0.1〜10、より好ましくは1:0.2〜3である。詳細は特公平7−23467号公報に記載されている。
【0044】
(VI)水不溶性で非吸水性のポリマー皮膜で表面被覆された吸水性樹脂の粒子が水溶性高分子、水及び親水性アルコールを含有する水性ゲル中に懸濁したゲル状物。
親水性ポリマー、配合量等は(V)に記載されたものと同じでよい。詳細は特公平7−81134号公報に記載されている。
【0045】
本発明において、上記(V)及び(VI)のゲル状物は−5〜−30℃でも柔軟性を有しやすい。本発明において、上記保冷用媒体(I)〜(VI)のうち、好ましくは(II)〜(VI)であり、さらに好ましくは(V)、(VI)である。
【0046】
本発明において、保冷用媒体を単に容器に入れたものを保冷材といい、更に包装材に入れたものを保冷剤という。本発明の保冷材は、前記の保冷用媒体を別の容器で混合作成した後、不透水性基材からなる容器に入れてもよいし、不透水性基材からなる容器内に保冷用媒体の構成原料を入れてから混合して、保冷材を作成してもよい。すなわち、保冷材は吸水性樹脂、水及び必要により溶剤を万能混合機等で混合して容易に得ることができるし、容器中で混合して得ることもできる。混合時間、温度は特に限定はない。また、必要により、保冷用媒体中に防腐剤、防カビ剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を添加してもよい。添加量は保冷材全体に対して好ましくは10重量%以下である。保冷材の大きさ等は用途によって異なり、特に限定されない。
【0047】
本発明における包装材(F)は、フラジール法通気度が200cm/cm/sec以上である立体構造を有する繊維及び/又はプラスチック構造体からなるものである。本発明における包装材(F)のフラジール法通気度は200cm/cm/sec以上であり、好ましくは300cm/cm/sec以上であり、より好ましくは400cm/cm/sec以上である。フラジール法通気度が200cm/cm/sec未満であると、保冷用媒体の冷気が外に伝わる速効性がなくなる。本発明において、フラジール法通気度の測定法は下記の通りである。
【0048】
<フラジール法通気度の測定法>
フラジール型通気度計を用い、オリフィスの前後に生じた圧力差から試片を通過する空気量(cm/cm/sec)を求める。
【0049】
本発明における立体構造を有する繊維及び/又はプラスチック構造体とは、繊維及び/又はプラスチックからなる三次元の構造組織である。本発明においては、繊維又はプラスチックのそれぞれの単独で構成したものでもよいし、繊維とプラスチックとが組合わさった構造体でもよい。繊維とプラスチックの構成比率は使用する用途によって異なり任意でよい。本発明における包装材(F)は、好ましくは繊維構造体であり、例えば、表裏2枚の地組織と、該地組織を連結する連結部からなる立体構造を有する繊維及び/又はプラスチック構造体が挙げられる。本発明において、繊維構造体を形成する素材としては、例えばポリエステル系繊維(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリアミド系繊維(ナイロン6、66、46等)、アラミド系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、レーヨン繊維(ビスコース、アセテート、キュプラ等)、天然繊維(綿、羊毛、麻等)、炭素繊維、無機系繊維(ガラス、金属等)、及び/又はこれらの混合繊維、針金等が挙げられる。
【0050】
また、本発明において、プラスチック構造体を形成する素材としては、好ましくは重量平均分子量1万〜100万のプラスチックであり、例えば天然ゴム(NR)のほか、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム、ブチルゴム(IIR)等のゴム、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ニトリルゴム(NBR)、オレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、エステル系樹脂、アミド系樹脂等の熱可塑性樹脂、及び尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾシノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ビニル樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。これらの材料のうち、好ましいのはゴム、オレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、エステル系樹脂、アミド系樹脂である。
【0051】
また、本発明における包装材(F)において、互いに離間して配置された表組織と裏組織とを連結糸でつないだ厚さは好ましくは3〜35cmであり、より好ましくは7〜20cmの三次元立体である。3cm以上であるとクッション性が良好となり、35cm以下であるとクッション性に優れると同時に保冷剤使用時の形態安定性に優れる。さらにこの組織が1層のみならず好ましくは2〜10層と積層して用いてもよい。積層することによって保冷剤使用時のクッション性や体圧分散性が向上する。
【0052】
本発明においては、前記組織の少なくとも一方の繊維及び/又はプラスチック占有率が10〜80%であるように複数の糸及び/又はプラスチックによって形成されることが好ましく、それによって前記繊維及び/又はプラスチック構造体に表裏いずれか一方又は両方に連通する複数の空隙が設けられるのがより好ましい。また、繊維及び/又はプラスチック占有率が20〜70%であることがより好ましい。繊維及び/又はプラスチック占有率が10〜80%であると繊維及び/又はプラスチック構造体として厚みのある保持・補強効果が得られ、保冷剤使用時の形態安定性に優れる。
【0053】
本発明において、繊維及び/又はプラスチック占有率を10〜80%にする手段としては、地組織を構成する糸条の本数を増減する、地組織の構成密度を増減する、糸条の太さを変える等の手段がある。ここで繊維及び/又はプラスチック占有率とは、地組織を構成する繊維及び/又はプラスチックが占める面積比率を意味する。すなわち、1インチ四方(2.54cm×2.54cm=6.45cm)の面積当りの地組織を構成する繊維及び/又はプラスチックが占める面積比率として示すことにより、繊維及び/又はプラスチック占有率は下記式2によって算出される。下記式2は繊維の場合であるが、プラスチックの場合もこの式に準じる。
Figure 2004101064
N:1インチ四方内の構成する繊維種毎の糸本数(本/inch
d:構成する繊維種毎の糸の直径(cm)
d’:地組織中の交叉点における糸の直径(cm)
L:1インチ四方内の構成する繊維種毎の1本の糸の長さ(cm)[織物等の糸が直行している場合は2.54、編み物等の糸が湾曲している場合は、1インチ間にある繊維長を測定してその値をとる。]
n:1インチ四方内の交叉点の数
Σ:織物の場合の経糸、緯糸等使用する糸の種類毎に計算し、その合計
【0054】
上記地組織が、他の地組織から連結部によって立ち上がって配置され、連結糸は編組織に柱構造、筋違構造で立体的に結合され、連結部を構成する複数の糸条によって孔状、溝状、畝状あるいは格子状又は蜂巣状の多数の空隙が設けられることが好ましい。本発明における連結糸は、繊維及び/又はプラスチック構造体に剛性と厚みを与えるために剛性の高い素材を用いるのが好ましい。従って、前述の素材の中から自由に選定することができるが、より好ましくはポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン等の有機モノフィラメント糸、無機繊維、さらに必要があれば針金等を用いるとよい。モノフィラメント糸の太さは280〜1100デシテックスとするのが好ましい。
【0055】
本発明における繊維及び/又はプラスチック構造体は形態安定性、クッション性を向上させるために、剛性、さらに反撥性を有することが好ましい。反撥性を持たせるにはモノフィラメント等の剛性の高い素材を使用した前記繊維及び/又はプラスチック構造体を、必要に応じて樹脂材料を用いて樹脂加工するのがより好ましい。
【0056】
本発明において、樹脂材料としては各種のものを用いることができ、具体的には非反応型樹脂材料と反応型樹脂材料が挙げられ、好ましくは反応型樹脂材料であり、上記のプラスチックの素材として挙げられたものと同じものが挙げられる。
【0057】
上記非反応型樹脂材料としては、天然ゴム(NR)のほか、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム、ブチルゴム(IIR)、ポリクロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム等のゴム、スチレン系樹脂(例えば、スチレン重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等)、塩化ビニル系樹脂(例えば、高重合度塩化ビニル樹脂、部分架橋塩化ビニル樹脂、ニトリルゴム(NBR)、ウレタン樹脂あるいはポリエステル樹脂等と塩化ビニル樹脂とのブレンド物、ウレタン−塩化ビニル共重合体、ニトリルゴム(NBR)−塩化ビニル共重合体等)、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンゴムとポリオレフィンとの混合物、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン等)等の熱可塑性樹脂、ウレタン系樹脂(ポリオール、ジイソシアネート、鎖延長剤をバルク重合あるいは溶液重合することにより得られる直鎖状のポリウレタン)、エステル系樹脂(芳香族ポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体、芳香族ポリエステル−脂肪族ポリエステルブロック共重合体等)、アミド系樹脂(ポリエーテル−ポリアミドブロック共重合体、ポリエステル−ポリアミドブロック共重合体等)、その他(エチレン−酢酸ビニル共重合体若しくはそのケン化物、エチレン−アクリル酸塩共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等)等が挙げられる。
【0058】
上記非反応型樹脂材料は熱可塑性樹脂であることが好ましく、本発明において用いられる熱可塑性樹脂の軟化点としては、好ましくは30〜300℃であり、より好ましくは40〜200℃であり、さらに好ましくは50〜150℃である。これらはそれぞれ単独、もしくは2種以上混合して用いることができる。上記ゴム及び前記熱可塑性樹脂の重量平均分子量は、好ましくは1万以上であり、さらに好ましくは2〜100万である。
【0059】
上記反応型樹脂材料としては、尿素樹脂(尿素とホルマリンとの反応物)、メラミン樹脂(メラミンとホルマリンとの反応物、フェノール樹脂(フェノールとホルマリンとの反応物)、レゾシノール樹脂(レゾシノールとホルマリンとの反応物等のホルマリン縮合樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ビニル系樹脂等が挙げられる。
【0060】
上記エポキシ樹脂としては、末端に反応性のエポキシ基を持つ分子量62〜10000の化合物と適当な硬化剤と組み合わせ、硬化させることで製造され、例えば、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂(エポキシ当量;65〜1000)と硬化剤(ポリアミン、酸無水物、ポリイソシアネート、ポリオール、ポリメルカプタン類等)との反応物(エポキシ基と各官能基との比率はモル比で1:10〜10:1)等が挙げられる。これらを混合した後繊維に処理し、反応することが好ましい。反応温度は好ましくは20〜200℃である。反応時間は好ましくは1〜15時間である。
【0061】
上記ウレタン樹脂としては、ポリイソシアネートとポリオールとを一段階に反応せしめるワンショット法によって、或いは過剰量のポリイソシアネートとポリオールとを反応せしめて得られるプレポリマーと水とを適当な助剤の存在下に反応せしめるトータルプレポリマー法によって、或いは過剰量のポリイソシアネートとポリオールとを反応せしめて得られるプレポリマーと追加量のポリオールとを反応せしめるセミプレポリマー法等によって得ることができる。上記ポリイソシアネートとしては、ポリウレタンに通常使用できるものが用いられ、例えば、炭素数(NCO基中の炭素数を除く)6〜20の芳香族ポリイソシアネート[2,4−、2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)等]、炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート[ヘキサメチレンジイソシアネート等]、炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート[イソフォロンジイソシアネート等]、炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート[キシリレンジイソシアネート等]、これらのポリイソシアネートの変性物[ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビュウレット基、ウレトジオン基、ウレトンイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物等]およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。これらのうち好ましいものは、TDI、MDI、粗製MDI、カルボジイミド基含有変性MDIおよびこれらの2種以上の併用である。ポリオールとしては、ポリウレタンに通常使用できるものが用いられ、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ひまし油(以下ポリオールと略記)、およびこれらのポリオールの中でビニルモノマーを重合させて得られる重合体ポリオールが挙げられる。
【0062】
上記ビニル系樹脂としては、モノマーが共重合した樹脂であり、共重合可能なモノマーが共重合した樹脂であることが好ましい。上記モノマーとしては炭素数2〜9のオレフィン(エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン、等)、スチレン及びその誘導体(炭素数9〜14)(スチレン、α−メチルスチレン等)、モノ(メタ)アクリル酸及びそのアルキルエステル又はヒドロキシアルキルエステル(炭素数4〜24)((メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、アルキルの炭素数4〜21の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等)、分子量62〜5,000のポリエチレングリコール及び/またはポリプロピレングリコールの(メタ)アクリル酸エステル(エチレングリコール(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、重合度4〜16のポリエチレングリコールの(メタ)アクリレート等、分子量62〜5,000の多官能(2〜6価)アルコールのモノ(メタ)アクリル酸エステル(エチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレート、グリセリン(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物の(メタ)アクリレート等、ニトリル基含有ビニル系モノマー((メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン等)、ビニルエステル[酢酸ビニル、ビニルブチレート、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、イソプロペニルアセテート、ビニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0063】
上記モノマーと下記の反応溶剤、重合開始剤を混合して繊維に処理した後、例えば加熱重合する。重合開始剤としては特に制限はないが、例えばパーオキシド系ラジカル開始剤[ベンゾイルパーオキシド等]、アゾ系ラジカル開始剤[2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等]、反応温度は、好ましくは0〜150℃、重量平均分子量は好ましくは1,000〜100万であり、被膜樹脂強度の観点から2,500〜100万がさらに好ましい。また、樹脂粘度の観点から、2,500〜40万が特に好ましい。]が挙げられる。
【0064】
本発明における上記の樹脂材料のうち、好ましいのはゴム、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂(反応型、非反応型)、エステル系樹脂、アミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ビニル系樹脂であり、特に好ましくはウレタン系樹脂(反応型、非反応型)、エステル系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、ビニル系樹脂である。
【0065】
本発明における包装材(F)と上記樹脂材料との固形分比は、(F)100質量部に対して樹脂材料は好ましくは0.05〜50質量部であり、より好ましくは0.5〜45質量部であり、さらに好ましくは1〜40質量部である。
【0066】
本発明において、樹脂液の付与方法はディッピング法、コーティング法、スプレー法等から選択すればよく、熱処理は上記に挙げた以外は乾燥に引き続き、例えば、150〜230℃で2〜3分間で行うのが好ましい。該工程は一回又は二回以上の繰り返しを行ってもよい。
【0067】
この様にして得られた三次元の繊維及び/又はプラスチック構造体はフラジール法通気度が200cm/cm/sec以上であることの他に、圧縮率は30%以上であり、かつ圧縮復元率は70%以上であることが好ましい。より好ましくは圧縮率は40%以上であり、かつ圧縮復元率は80%以上である。圧縮率が30%以上であり、かつ圧縮復元率が70%以上であると、保冷剤使用時のクッション性がよい上に形態安定性に優れ、例えば保冷剤としてマット等に使用した場合の体圧分散性に優れるようになる。
【0068】
本発明の保冷剤は、不透水基材からなる容器に保冷用媒体を封入した後、この保冷材表面全体の一部又は全部が前記包装材(F)で覆われてなる保冷剤である。好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上の保冷材表面積が覆われてなる保冷剤である。30%以上が覆われると保冷用媒体の冷気が速く伝わるという速効性が得られるようになる。
【0069】
また、本発明において、包装材(F)で覆われない部分は公知の包装材で覆われていてもよく、特に限定はない。好ましくは保冷材表面の70%以下、さらに好ましくは50%以下が吸水シート(s1)で覆われてなる保冷剤であるのがよい。
【0070】
本発明における吸水シート(s1)としては、保冷材の表面に発生する結露水等を吸収するものであれば特に限定しない。例えば、木材パルプ等の各種繊維の綿状物や、吸水性繊維(カルボン酸アルカリ金属塩基、スルホン酸アルカリ金属塩基が導入されたポリアミド繊維等)等の各種繊維を抄紙、機械的接着、バインダー、スパンボンド、スパンレース等の適宜の方法でシート化したもの、これらを積層してなる積層体、これらの綿状物や積層体に吸水性樹脂粉末を固定させたもの、上記基材に吸水性樹脂粉末を散布し、他方の基材でサンドイッチ状に挟み、エンボス加工法、ニードルパンチ法、ステッチボンド法、融着法等の方法で吸水性樹脂を一体化したもの等が挙げられる。吸水・保水基材上での吸水性樹脂の位置は基材の全面であれ巾をもった線状であれ連続的に散布するのが好ましい。
【0071】
上記吸水シート(s1)のなかで好ましいものは、木材パルプの綿状物や積層体に吸水性樹脂粉末を固定させたもの、プラスチック、布(好ましくは不織布)、紙等の基材の片面または両面に粘着剤やバインダー樹脂を用いて吸水性樹脂粉末を固定化させたもの、エンボス加工法、ニードルパンチ法で吸水性樹脂を一体化したもの、吸水性繊維であり、より好ましいものとしては、木材パルプの綿状物や積層体に吸水性樹脂粉末を固定させたもの、エンボス加工法、ニードルパンチ法で吸水性樹脂を一体化したもの、プラスチックフィルムの片面又は両面に粘着剤を用いて吸水性樹脂粉末を固定させたもの、吸水性繊維であり、例えばセロハンやビニールの粘着テープを用いて、粘着面に吸水性樹脂粉末を散布し圧着ロールで固定したものでも良い。好ましい理由は、吸水性樹脂粉末の膨潤を妨げにくいため、結露水をすばやく吸収することができ、生産性が良く経済的である。
【0072】
本発明において、粘着、接着に使用される粘着剤やバインダー樹脂としては、公知のアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、エステル樹脂等が使用でき、水系、溶剤系、無溶剤系のいずれをも使用することができる。使用時にはそのまま又は水や溶剤(メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等)で任意の濃度に希釈して基材に塗布することができる。塗布する方法はロールコーター、刷毛塗り等ライン塗装、現場塗装に用いられる塗装方法で行われることが好ましい。乾燥膜厚は好ましくは0.1μm〜3mmであり、より好ましくは1μm〜1mmである。なお、塗装後乾燥中又は乾燥後に吸水性樹脂を散布するのが好ましい。
【0073】
ここで、吸水性樹脂粉末の固定量は通常の1〜100g/mであることが好ましく、より好ましくは5〜55g/mである。固定量が1g/m以上の場合、結露水の吸収が良好になりやすい。一方、100g/m以下であると、性能と経済面のコストパフォーマンスが良好になりやすい。
【0074】
また、本発明における前記の吸水シート(s1)はそのままで、さらに透水性水不溶性シート(s2)に包みシールし封入して使用してもよい。封入形態は特に限定されず、例えば(s2)を袋状にする方法があげられる。この場合、袋は(s2)を二枚重ねてシールし袋状にしてもよいし、三枚以上重ねて袋状にしてもよい。一部が開いた最初から袋状のものに(s1)を入れた後開いた部分をシールして袋にしてもよい。袋にする方法としては(s1)の一部を除きシールした後、(s1)を入れその後残りの部分をシールする方法、(s2)の上に(s1)を置きその周囲をシールする方法等が挙げられる。上記シール方法は輸送時や取扱い時にシール部分が剥がれない程度にシールされていれば特に限定はないが、ヒートシール(熱融着)、圧接着等で行われることが好ましい。熱融着の温度は好ましくは50〜300℃、より好ましくは70〜200℃である。圧接着時における圧力は、好ましくは0.1〜10kg/cmであり、より好ましくは0.5〜5kg/cmである。上記シール方法としては、好ましくはヒートシールであり、加圧下でヒートシールが行われることがより好ましい。条件は上記と同じでよい。ヒートシールはシート間にシール材を介在させて行われることが好ましく、ヒートシールは少なくとも一部にシール材を使用してもよい。ヒートシートによる接着強度は、好ましくは0.1kgf/25mm以上であり、より好ましくは0.2kgf/25mm以上である。保冷剤の輸送時や取扱い時にシール部分が剥がれない程度に接着すればよい。本発明における接着強度は、下記の方法で測定できる。
【0075】
<接着強度>
接着強度測定装置で剥離強度(180℃ピール剥離強度、引っ張り速度100mm/分、単位;kgf/25mm)を測定する。
【0076】
上記透水性水不溶性シート(s2)としては、柔軟性がある透水性のシートであって、且つ使用時に破れない程度の湿潤強度があれば、特に形態、材質は限定されない。上記透水性水不溶性シート(s2)としては、水が通る孔があれば特に限定はないが、孔の大きさは好ましくは0.01〜1mm、より好ましくは0.01〜0.5mmである。上記透水性水不溶性シート(s2)の厚みは、好ましくは0.1〜5mm、より好ましくは0.5〜3mmであり、大きさは特に限定はない。
【0077】
上記透水性水不溶シート(s2)の材質としては、例えば綿、羊毛、絹、セルロース、パルプ等の天然繊維、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポバール等及びその変性物等の合成樹脂又は繊維、レーヨン、アセテート等の半合成繊維等及びこれらの混合素材、洋紙、和紙等の紙の素材が適用できる。
【0078】
ここで透水性とは、100mlの25℃のイオン交換水が100cmの面積を通過する時間(秒)で表すと30秒以下であることが好ましく、より好ましくは15秒以下であり、さらに好ましくは5秒以下である。常態強度としては、縦/横とも2kg/cm以上であることが好ましく、より好ましくは3kg/cm以上の引裂強度であり、湿潤強度(25℃のイオン交換水に1分浸漬後の引張強度)は0.05kg/cm以上であることが好ましく、より好ましくは0.1kg/cm以上である。
【0079】
上記透水性水不溶シート(s2)の形態としては、例えば編布、織布、不織布等の布、ポリエチレン、ポリプロピレン等のシートに微細な孔を数多く開けたもの等のメッシュフィルムや洋紙、和紙等の紙等が挙げられ、不織布であることが好ましい。不織布については、「不織布の基礎と応用」(日本繊維機械学会発行)に詳細に記載されている。また、熱融着法で固定する場合は熱融着繊維及び/又はフィルム等の熱融着物質を含んだものを使用することが好ましいが、「熱融着不織布の実態と熱融着繊維全容」1989年4月24日発行、(株)大阪ケミカルマーケッティングセンターに詳細に記載されているものが挙げられる。
【0080】
本発明の保冷剤の製法は、例えば次の方法が挙げられる。前記の保冷材の表面積の全部を包装材(F)で包んでもよいが、保冷材の片面(又は一部)に前記包装材(F)を取り付け、別の片面(又は残りの部分)に吸水シート(s1)又は透水性水不溶性シート(s2)にセットとなった(s1)を取り付けてもよい。取り付ける方法としては、両面粘着テープにより袋の一端と他方の袋の外側を密着させても、ヒートシールや縫製によりあわせてもよい。また、粘着剤や接着剤を使用して包装材(F)や(s1)をとりつけてもよい。保冷材にとりつける際の粘着・接着面積は一部でも全部でもよく、粘着、接着に使用される粘着剤やバインダー樹脂としては前記の樹脂と同じものが挙げられる。保冷剤の大きさ、厚さは用途によって異なるので特に限定はない。
【0081】
また、保冷剤の製法の一例を図により説明すると以下の通りである。先ず、図2に示すように、透水性の不織布と吸水シートとポリエチレンフィルムの三層で構成された基布(例えば、市販のベルオアシス KH0230NF、表:SB不織布 芯:ベルオアシス不織布 裏:ポリエチフィルム;カネボウ合繊社製)を吸水シート複合体として使用する。これと同じサイズの三次元の繊維構造体(例えば、フュージョン−I;旭化成社製)を重ね合わせ、三隅をナイロンメッシュシートを重ねて縫製し、残りの部分にチャックを付け、一部開放可能な袋状のものを作製した。不透水性基材からなる容器内に保冷用媒体を封入した保冷材をこの包装材の袋の中に挿入し、本発明の保冷剤を作製した。
【0082】
この様にして製造された本発明の保冷剤は、好ましくは−30〜10℃の条件で、さらに好ましくは−20〜5℃の条件で冷却した後、保冷材として用いることができる。冷却する場合、本保冷剤をそのまま冷却しても良いし、不透水性基材からなる容器内に保冷用媒体を封入してなる保冷材を冷却した後、包装材の袋に挿入して使用しても良い。
【0083】
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下部は重量部を示す。
【実施例】
実施例1
[包装材の作成]
吸水シートとして、巾30cm、長さ45cmのベルオアシス不織布(品番:KK−0440D;吸水シート)を使用し、このシートに同サイズの3次元繊維構造体としてフュージョン−I(品番:31804)を重ね合わせ、三方を巾1cmのナイロン不織布で覆うようにして重ね縫製し、一部が開いた袋状の包装材を作成した。
ベルオアシス不織布:目付量400g/m、吸水量2800g/m、カネボウ合繊社製
フュージョン−I:通気度400以上(cm/cm/sec)、4mm厚;旭化成社製
【0084】
[保冷剤の作成]
不透水性シートとして、巾25cm、長さ32cmのポリエチレンフィルム(厚さ:80μm)を使用し、二つ折りにし、更に二方をヒートシールして保冷材容器を作成した。この容器内に吸水性樹脂サンフレッシュST−500D(10g)、カルボキシメチルセルロース(2g)及び水988ccを入れ、開口部をヒートシールしてよく振って内容物をゲルとし保冷材を作成した。この保冷材を上記の包装材に挿入し、包装材の開放している一端を粘着テープで塞ぎ、保冷材を包装材で覆った本発明の保冷剤を作成した。
サンフレッシュST−500D:ポリアクリル酸架橋型吸水性樹脂、吸水倍率400倍、粒径106〜850μm、三洋化成工業社製
【0085】
比較例1
[包装材の作成]
実施例1のフュージョン−1の代わりに、キャプロン#107(エアーキャップ)を使用した以外は実施例1と同様にして包装材を作成した。
キャプロン#107;JSP社製エアーキャップ、高さ4mm、気泡径(φ)10m/m、キャップ(気泡)数:9,500個/m、通気度:0(cm/cm/sec)
【0086】
[保冷剤の作成]
実施例1の保冷材を上記の包装材に挿入し、包装材の開放している一端を粘着テープで塞ぎ、保冷剤を作成した。
【0087】
比較例2
[包装材の作成]
実施例1のフュージョン−1の代わりに、厚さ4mmの綿タオルを二重にして使用した以外は実施例1と同様にして包装材を作成した。
タオルの目付量:1,200g/m、二重にした場合の通気度:170(cm/cm/sec)
【0088】
[保冷剤の作成]
実施例1の保冷材を上記の包装材に挿入し、包装材の開放している一端を粘着テープで塞ぎ、保冷剤を作成した。
【0089】
上記実施例1、比較例1、2で得られた保冷材の試験方法を次に示す。
【0090】
1.試験方法
<保冷剤の表面温度確認試験>
実施例1、比較例1、2の保冷材を−25℃、24時間で完全に凍結させた。この保冷材を各包装材に挿入した後、開放部分を粘着剤テープで塞ぎ保冷剤を作成した。各保冷剤の吸水シートと反対側の中央部に温度センサーを取りつけ、更に15g/cmの加重を温度センサーに加え約15時間室内に放置し、保冷剤の表面温度を測定した。
【0091】
<保冷剤のクッション性確認試験>
実施例1、比較例1、2の保冷剤の吸水シートと反対側を表にしてその上に頭を乗せて、クッション性を以下の基準で評価した。
〇:底突きせず、頭を離した時に元のシート位置にすぐに戻るもの
△:底突きはしないが、頭を離した時のシートの復元性が遅いもの
×:底突きし、頭を離した時のシートの復元性が遅いもの
【0092】
<保冷剤の冷たさ確認試験>
実施例1、比較例1、2の保冷剤の吸水シートと反対側を表にしてその上に頭を乗せて、10分後の頭の冷たさを以下の基準で評価した。
〇:適度の冷たさが有り、心地良いもの
△:十分冷たいが、堪え難いものではない
×:過度の冷たさで、頭が痛くなる等耐えがたいものの
【0093】
2.性能評価
実施例1及び比較例1、2の保冷剤について、確認試験を行った。その結果を表1(表面温度の確認)、表2(クッション性、冷たさの確認)に示した。
【0094】
【表1】
Figure 2004101064
測定時の外気温:25〜28℃
【0095】
【表2】
Figure 2004101064
【0096】
【発明の効果】
本発明の保冷剤は下記の効果を奏する。
(1)保冷枕等として凍結させて用いても快適な表面温度となり、低温過ぎて不快であったりすることがない。
(2)保冷材の外面の一部又は全部に包装材(F)を設けるので、クッション性がよく、輸送中に凍結させた保冷剤が動揺により被包装物どうしがぶつかりあったり損傷を引き起こすことがない。
(3)通気度がよいので保冷材の冷気が包装材(F)の表面に速く達するという、速効性を有する。
(4)包装材(F)の形態安定性がよいので、繰り返し使用しても同じ効果が得られる。
(5)クッション性がよいので、マット等に使用した場合体圧分散性に優れる。
(6)吸水シートを保冷材の一部に設けた場合、発生する結露水を吸収するので接触するものが水で濡れることがない。
【0097】
上記の効果を奏するので、本発明の保冷剤は、保冷枕、首・背骨・腰・ふくらはぎ・おでこ・脇の下・脚等の保冷具、額の冷却シート、運動後の筋肉・関節等の冷却マットや保冷サポーター、冷却アイマスク、夏時の清涼座布団(特に車用)・布団、清涼ヘルメット、靴のクール下敷き、清涼スカーフ・バンダナ、消防用の防火服の内張り・炎天下作業時の作業衣や手袋・またはそれに付属の保冷具、車椅子使用時の冷却座布団と背もたれ等の人体保冷用、犬・猫等の動物用保冷マット(クールマット)・保冷タオル、肉・魚・野菜・花等の生鮮物の鮮度保持材、ケーキ・菓子等の保冷剤、ペットボトル・ビール等の携帯用保冷ケース(袋状)、血液・検体等の保冷剤、葬儀用保冷剤等に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の保冷材の断面図である。
【図2】本発明の吸水性シート複合体の断面図である。
【図3】本発明の包装材(一例)の断面図である。
【図4】本発明の包装材(一例)の斜視図である(チャックは開の状態)。
【図5】本発明の保冷剤のチャックを開けてチャック側からみた側面図である。
【符号の説明】
1 保冷用媒体
2 不透水性シート
3 三次元繊維及び/又はプラスチック構造体
4 吸水シート複合体
5 吸水シート
6 透水性不織布
7 ポリエチレンフィルム
8 ナイロンメッシュシート
9 チャック
10 保冷材

Claims (9)

  1. 不透水性基材からなる容器内に保冷用媒体を封入してなる保冷材の外面の一部又は全部に、フラジール法通気度が200cm/cm/sec以上である立体構造を有する繊維及び/又はプラスチック構造体からなる包装材(F)を設けたことを特徴とする保冷剤。
  2. 前記(F)が、繊維構造体であることを特徴とする請求項1記載の保冷剤。
  3. 前記保冷材表面の30%以上が前記(F)で覆われてなることを特徴とする請求項1又は2記載の保冷剤。
  4. 前記保冷材表面の70%以下が吸水シートで覆われてなることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の保冷剤。
  5. 前記(F)が、互いに離間して配置された表組織と裏組織とを連結糸でつないだ厚さ3〜35cmの三次元立体であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の保冷剤。
  6. 前記(F)の組織の少なくとも一方の繊維及び/又はプラスチック占有率が10〜80%であることを特徴とする請求項5記載の保冷剤。
  7. 前記繊維及び/又はプラスチック構造体の少なくとも一部分が樹脂材料によって補強されたものであることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の保冷剤。
  8. 前記保冷用媒体が、水溶性高分子を水に溶解したゲル状物(I)、水あるいは水を主体とした混合溶媒を吸収した吸水性樹脂のゲル状物(II)、該(I)あるいは該(II)のゲル状物に氷点降下物質を添加した保冷用媒体(III)、水溶解時に吸熱する物質と該(I)〜(III)のゲル状物よりなる二剤性保冷用媒体(IV)、吸水性樹脂、水溶性高分子、水及び親水性アルコールからなるゲル状物(V)、水不溶性で非吸水性のポリマー皮膜により表面被覆された吸水性樹脂の粒子が水溶性高分子、水及び親水性アルコールを含有する水性ゲル中に懸濁したゲル状物(VI)からなる群から選ばれるものであることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の保冷剤。
  9. 請求項1乃至8の何れか一項に記載の保冷剤からなり、保冷枕、首・背骨・腰・ふくらはぎ・おでこ・脇の下・脚等の保冷具、額の冷却シート、運動後の筋肉・関節等の冷却マットや保冷サポーター、冷却アイマスク、夏時の清涼座布団・布団、清涼ヘルメット、靴のクール下敷き、清涼スカーフ・バンダナ、消防用の防火服の内張り・炎天下作業時の作業衣や手袋・またはそれに付属の保冷具、車椅子使用時用の冷却座布団と背もたれ等の人体保冷用、犬・猫等の動物用保冷マット・保冷タオル、肉・魚・野菜・花等の生鮮物の鮮度保持材、ケーキ・菓子等の保冷剤、ペットボトル・ビール等の携帯用保冷ケース、血液・検体等の保冷剤及び葬儀用保冷剤からなる群から選ばれる用途。
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